2022年北京オリンピックのスキージャンプ競技
2022年北京オリンピックのスキージャンプ競技は国際スキー連盟(FIS)管轄で2022年2月5日から14日まで、張家口市の国家スキージャンプセンターにて実施された[1]。
概要
[編集]男女個人(ノーマルヒル/NH)、男子個人(ラージヒル/LH)、男子団体(ラージヒル)に加え、オリンピックでは初採用の男女2名ずつによる混合団体(ノーマルヒル)が実施された[2]。開催国枠2名を含め、105名が出場資格を得た[3]。出場枠は過去2年間(2020年7月1日~2022年1月16日)のワールドカップやサマーグランプリなどの成績によるランキング[4]により、NOCに割り当てられた。1か国からは最大で男子5名、女子4名まで選手を派遣することができた。(ただし個人種目の出場は種目ごとに4名まで)
参加選手
[編集]参加する選手は、2006年までに生まれていて、FISの定める成績要件を満たす必要がある[5]。開催国(中国)は要件を満たす選手がいる限り、男女1名ずつの出場が保証される。また、開催国は混合団体に出場する男子選手が不足する場合にノルディック複合競技に出場する選手を出場させることができる。
- NOCごとの上限に達するまで、ランキング上位から順にNOCに出場枠を割り当てる。(男子60名、女子45名)
- 1.で4名以上の男子の出場枠を得たNOCが12未満の場合、1.で3名の男子の出場枠を得たNOCに更に1名ずつ出場枠を割り当てる。(男子5名)
- (2.で出場枠が余った場合)1.で男子の出場枠を得ていないNOCを対象にランキング上位から順に1名ずつ出場枠を割り当てる。
- (3.で出場枠が余った場合や出場枠の辞退が生じた場合)1.と同じ基準でランキング上位から順に出場枠を割り当てる。
○:男子団体に出場、◎:混合団体に出場[6]
- ^ Daniel Tschofenigは出場機会がなかった。[7]また、マリタ・クラマー[8]やジャクリーン・ザイフリーツベルガーがCovid-19検査陽性により出場できなかったが、代わりの選手が出場した。[9]
- ^ 女子2名に加え、開催国枠として男子1名の出場枠を得た。また、混合団体にはノルディック複合競技の趙嘉文も出場した。その他に3名の選手が男子団体のみに出場したため、計7名が競技に出場した。
- ^ Niko KytösahoはCovid-19検査陽性により欠場。選手が不足するため、混合団体も欠場となった。[10]
- ^ 伊東大貴は出場機会がなかった。[11]
- ^ ヨハン・アンドレ・フォルファンはCovid-19検査陽性により欠場。[12]
- ^ Ilya Mankovは出場機会がなかった。
日本には上限にあたる男子5名、女子4名の出場枠が割り当てられた[6]。2022年1月、全日本スキー連盟は小林陵侑、高梨沙羅など合わせて9人を代表内定選手として発表した[13]。
競技日程
[編集]時間は現地時間(UTC+8)
日付 | 時間 | 種目 |
---|---|---|
2/5 | 14:20 | 男子個人NH予選 |
18:45 | 女子個人NH | |
2/6 | 19:00 | 男子個人NH決勝 |
2/7 | 19:45 | 混合団体NH |
2/11 | 19:00 | 男子個人LH予選 |
2/12 | 19:00 | 男子個人LH決勝 |
2/14 | 19:00 | 男子団体LH |
競技形式
[編集]個人種目では予選の上位50名が本戦に出場する。本戦では1回目の上位30名が2回目に進出する。2回合計の成績により順位を決める。団体種目では4人が1回ずつ試技を行い、上位8チームが2回目に進出する。2回目も4人が1回ずつ試技を行い、1回目との合計成績により順位を決める。
競技結果
[編集]男子
[編集]日本選手の金メダル獲得は1998年長野大会の船木和喜(男子個人ラージヒル)、男子団体ラージヒル(岡部孝信、斉藤浩哉、原田雅彦、船木和喜)以来、24年ぶりとなった。
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
個人ノーマルヒル[14] | 小林陵侑 日本 (JPN) |
275.0 | マヌエル・フェットナー オーストリア (AUT) |
270.8 | ダビド・クバツキ ポーランド (POL) |
265.9 |
個人ラージヒル[15] | マリウス・リンヴィク ノルウェー (NOR) |
296.1 | 小林陵侑 日本 (JPN) |
292.8 | カール・ガイガー ドイツ (GER) |
281.3 |
団体ラージヒル[16] | オーストリア (AUT) シュテファン・クラフト ダニエル・フーバー ヤン・ヘール マヌエル・フェットナー |
942.7 | スロベニア (SLO) ロブロ・コス ツェネ・プレヴツ ティミ・ザイツ ペテル・プレヴツ |
934.4 | ドイツ (GER) コンスタンティン・シュミット シュテファン・ライエ マルクス・アイゼンビヒラー カール・ガイガー |
922.9 |
女子
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
個人ノーマルヒル[17] | ウルシャ・ボガタイ スロベニア (SLO) |
239.0 | カタリナ・アルトハウス ドイツ (GER) |
236.8 | ニカ・クリジュナル スロベニア (SLO) |
232.0 |
男女混合
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
団体ノーマルヒル[18] | スロベニア (SLO) ニカ・クリジュナル ティミ・ザイツ ウルシャ・ボガタイ ペテル・プレヴツ |
1001.5 | ROC (ROC) イルマ・マヒニア ダニール・サドレーフ イリーナ・アブバクモワ エフゲニー・クリモフ |
890.3 | カナダ (CAN) アレクサンドリア・ルーティット マシュー・ソークップ アビゲイル・ストレイト マッケンジー・ボイド=クローズ |
844.6 |
国別メダル獲得数
[編集]順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | スロベニア (SLO) | 2 | 1 | 1 | 4 |
2 | オーストリア (AUT) | 1 | 1 | 0 | 2 |
日本 (JPN) | 1 | 1 | 0 | 2 | |
4 | ノルウェー (NOR) | 1 | 0 | 0 | 1 |
5 | ドイツ (GER) | 0 | 1 | 2 | 3 |
6 | ROC (ROC) | 0 | 1 | 0 | 1 |
7 | カナダ (CAN) | 0 | 0 | 1 | 1 |
ポーランド (POL) | 0 | 0 | 1 | 1 | |
合計 | 5 | 5 | 5 | 15 |
日本代表選手の成績
[編集]伊東大貴は代表に選ばれたが、出場機会がなかった。
男子ノーマルヒル
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
小林陵侑 | 275.0 | |
27 | 小林潤志郎 | 234.0 |
32 | 佐藤幸椰 | 118.1 |
38 | 中村直幹 | 114.5 |
男子ラージヒル
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
小林陵侑 | 292.8 | |
15 | 佐藤幸椰 | 260.6 |
24 | 小林潤志郎 | 252.0 |
29 | 中村直幹 | 240.9 |
女子ノーマルヒル
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
4 | 高梨沙羅 | 224.1 |
13 | 伊藤有希 | 176.7 |
14 | 勢藤優花 | 176.5 |
18 | 岩渕香里 | 169.6 |
男子団体ラージヒル
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
5 | 佐藤幸椰、中村直幹、小林潤志郎、小林陵侑 | 882.8 |
混合団体ノーマルヒル
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
4 | 高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑 | 836.3 |
脚注
[編集]- ^ “Schedule”. BOCWOG. 17 August 2021閲覧。
- ^ “冬季オリンピック混合種目を解説 ! スキージャンプ混合団体”. 2022年1月28日閲覧。
- ^ “QUALIFICATION SYSTEM FOR XXIV OLYMPIC WINTER GAMES, BEIJING 2022”. 2021年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
- ^ FIS. “Olympic Winter Games 2022 Allocation List Ski Jumping” (英語). www.fis-ski.com. 2022年1月5日閲覧。
- ^ FIS. “Olympic Winter Games 2022 Eligibility List Ski Jumping” (英語). www.fis-ski.com. 2022年1月19日閲覧。
- ^ a b FIS. “Olympic Winter Games 2022 Quota List Ski Jumping” (英語). www.fis-ski.com. 2022年1月28日閲覧。
- ^ Media, Wirtualna Polska (2022年2月10日). “Bez czołowego skoczka w walce o medale! - WP SportoweFakty” (ポーランド語). sportowefakty.wp.pl. 2022年2月26日閲覧。
- ^ 共同通信 (2022年2月4日). “ジャンプのクラマーら夢破れる 新型コロナで五輪出られず | 共同通信”. 共同通信. 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Kramer-Absenz: Österreich bei Mixed-Premiere in Außenseiterrolle” (ドイツ語). Sky Sport Austria (2022年2月6日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Niko Kytösaho ei ole päässyt matkustamaan Pekingiin – sekajoukkueen kilpaileminen epävarmaa: "Jos en pääse paikalle, niin ei ole joukkuetta"” (フィンランド語). Yle Urheilu (2022年2月2日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ “北京五輪ここに注目:最後まで残ったスキージャンプの「3強」 伊東大貴、36歳の今”. 毎日新聞. 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Olympia-Traum von Johann Andre Forfang geplatzt” (ドイツ語). skispringen.com (2022年2月7日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “スキージャンプ 北京オリンピックに小林陵侑選手ら9人内定”. NHKニュース. 2022年1月19日閲覧。
- ^ “Ski Jumping Schedule & Results - February 6” (英語). olympics.com (2022年2月6日). 2022年2月6日閲覧。
- ^ “Ski Jumping Schedule & Results - February 12” (英語). olympics.com (2022年2月12日). 2022年2月12日閲覧。
- ^ “Ski Jumping Schedule & Results - February 14” (英語). olympics.com (2022年2月14日). 2022年2月14日閲覧。
- ^ “Ski Jumping Schedule & Results - February 5” (英語). olympics.com (2022年2月5日). 2022年2月5日閲覧。
- ^ “Ski Jumping Schedule & Results - February 7” (英語). olympics.com (2022年2月7日). 2022年2月7日閲覧。