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Chainlink (ブロックチェーン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Chainlink
名称
複数形Chainlink
ティッカーシンボルLINK
開発
オリジナル開発者Sergey Nazarov, Steve Ellis, Dr. Ari Juels [1][2]
白書chain.link/whitepaper
コードリポジトリgithub.com/smartcontractkit/chainlink
言語Solidity, GoLang
対応OSBlockchain-agnostic
ソースモデルOpen source
ライセンスMIT License
ウェブサイトchain.link
元帳
循環制限1,000,000,000

Chainlink(チェーンリンク)とは、イーサリアム上に構築された分散型オラクルネットワークであり[3]、実世界の様々なデータとブロックチェーン上のスマートコントラクトを接続する機能を持つ[4]。それにより、ブロックチェーンとその外部情報を接続させ、WEBサービス、金融、保険など生活のあらゆる場面でブロックチェーン技術を利用できるようにすることを目指している[5]

歴史

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チェーンリンクは2017年にSergey NazaroとSteve Ellisによって作られ[3]、同年コーネル大学教授のAri Juels と共同でチェーンリンクのプロトコルやネットワークを紹介するホワイトペーパーを執筆する[6]

2018年、Juelsが手掛けた信頼できる実行環境ベースのブロックチェーンオラクルであるTown Crierを統合した。Town Crierは、イーサリアムHTTPSを使用するウェブソースを接続する[7]

2019年、スマートコントラクトをサービスするネットワークが正式に開始する[3]

2020年、Juelsと共作したコーネル社のプロジェクトであるDECOを統合した。DECOは、ゼロ知識証明を用いて、生年月日などの機密情報を明かすことなく、ブロックチェーンのオラクルに情報が真実であることを証明できるプロトコルである[8]

2021年4月、2番目のホワイトペーパーを発表する[9]

技術的仕組み

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LINKトークン

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Chainlinkで使われるトークンは「LINK」であり、チェーンリンクが開発するオラクルサービス上のノードオペレーターに対するお支払い及び担保としての使用される。また、LINKはEthereumブロックチェーン上に発行されているERC677トークンである[10]

オラクルネットワーク

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A visual representation of Chainlink's "smart bond architecture"

Chainlinkの分散型オラクルネットワークは、あらゆるブロックチェーンがオフチェーンのデータや計算リソースに安全に接続できるようにするオープンソースの技術基盤である[3]。ここでオラクルとは、イーサリアムの文脈によれば、イーサリアム外部(オフチェーン)からの質問に答えられるトラストレスなシステムを指し、金の価格や乱数とといった外部の情報を正確に得るためのトラストレスな方法をイーサリアムに提供し、その方法をスマートコントラクトを用いて利用できたり、データを安全にDappsのフロントエンドに直接中継できたり[11]、イーサリアムとは異なるブロックチェーンを結ぶミドルウェア(中間処理役)として使う事ができる。つまり、チェーンリンクはブロックチェーンとオフチェーン環境間の「ブリッジ」として機能する[12]

ネットワークノードは、複数のソースからブロックチェーンにデータをフェッチ、検証、配信し、スマートコントラクトを実行する。ノードのオペレータは、ネットワークのネイティブ暗号通貨であるLINKで報酬を得る[3]

また、ブロックチェーンへの外部情報の転送に加えて、検証可能なランダム関数(VRF)やデータフィードなど、いくつかの異なるオフチェーン計算機能にも使用でき、データフィードは選挙データをオンチェーンに持ち込むために使用される[13]。またチェーンリンクのVRFは、分散型ゲームに利用可能な乱数生成に利用できる[14]

参考文献

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  • Antonopoulos, Andreas M.Wood, Gavin『マスタリング・イーサリアム スマートコントラクトとDAppの構築』宇野雅晴、鳩貝淳一郎(監訳)、中城元臣、落合渉悟(技術監修)、オライリー・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-87311-896-3 

脚注

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  1. ^ ChainLink A Decentralized Oracle Network” (paper) (English). chain.link/ (4 September 2017). 5 July 2021閲覧。
  2. ^ Caldarelli, Giulio (November 2020). “Understanding the Blockchain Oracle Problem: A Call for Action” (英語). Information ((University of Verona, 37129 Verona, Italy)) 11 (11): 509. doi:10.3390/info11110509. 
  3. ^ a b c d e Anadiotis, George. “Chainlink launches Mainnet to get data in and out of Ethereum smart contracts” (英語). ZDNet. 2021年12月30日閲覧。
  4. ^ チェーンリンク(Chainlink)”. bitFlyer. 2021年12月30日閲覧。
  5. ^ 仮想通貨取引所bitbank、チェーンリンク(LINK)上場”. CoinPost|仮想通貨ビットコインニュース・投資情報. 2021年12月30日閲覧。
  6. ^ ChainLink A Decentralized Oracle Network”. 2021年12月30日閲覧。
  7. ^ Blockchain smart contracts are finally good for something in the real world” (英語). MIT Technology Review. 2021年12月30日閲覧。
  8. ^ Brett, Charles (2020年9月4日). “Chainlink acquires DECO from Cornell” (英語). Enterprise Times. 2021年12月30日閲覧。
  9. ^ Anadiotis, George. “Chainlink 2.0 brings off-chain compute to blockchain oracles, promotes adoption of hybrid smart contracts” (英語). ZDNet. 2021年12月30日閲覧。
  10. ^ チェーンリンク(LINK)とは 解説・特徴・詳細 | ビットバンク”. bitbank.cc. 2021年12月30日閲覧。
  11. ^ Antonopoulos, Andreas『マスタリング・イーサリアム ―スマートコントラクトとDAppの構築』Gavin Wood, 宇野 雅晴, 鳩貝 淳一郎, 中城 元臣, 落合 渉悟, 落合 庸介(1st edition)、オイラリージャパン、[Erscheinungsort nicht ermittelbar]、2019年、267 - 269頁。ISBN 978-4-87311-896-3OCLC 1226442243https://www.worldcat.org/oclc/1226442243 
  12. ^ 仮想通貨Chainlink/LINKとは?特徴と今後の予想・見通しを解説[チェーンリンク]”. InvestNavi(インヴェストナビ). 2021年12月30日閲覧。
  13. ^ Castillo, Michael del. “How To Track Official Election Results On Ethereum And EOS” (英語). Forbes. 2021年12月30日閲覧。
  14. ^ Brown, Eileen. “Chainlink VRF makes blockchain games more trustworthy by using verifiable on-chain source of randomness” (英語). ZDNet. 2021年12月30日閲覧。

外部リンク

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