FCユトレヒト

FCユトレヒト
原語表記	Football Club Utrecht
愛称	Utreg; Cupfighters; Domstedelingen（ドム塔（英語版））
クラブカラー	赤; 白
創設年	1970年
所属リーグ	エールディヴィジ
所属ディビジョン	1部（2023-24）
昨季リーグ順位	7位（2022-23）
ホームタウン	ユトレヒト
ホームスタジアム	スタディオン・ハルヘンワールト
収容人数	24,500
代表者	マルティン・ストゥルケンブーム
監督	ミカエル・シルバーバウアー（英語版）
公式サイト	公式サイト
ホームカラー	アウェイカラー
	■テンプレート（■ノート）■サッカークラブPJ

FCユトレヒト（Football Club Utrecht）は、オランダ・ユトレヒト州・ユトレヒトを本拠地とするサッカークラブである。

DOS、USVエリンクヴァイク (USV Elinkwijk)、フェロックス (Velox) の3クラブが合併して1970年 7月1日に創設された。DOSは1957-58シーズンにリーグ優勝の経験がある。合併以降のリーグ戦での最高順位は1980-81シーズンの3位。タイトルはカップ戦優勝3回とスーパーカップ優勝1回。

歴史

創設

1970年7月1日、DOS、Elinkwijk、Veloxの3クラブが合併してFCユトレヒトの名の下、設立された。DOSは1957-58シーズンにリーグ優勝の経験があるが、合併前には破産寸前まで経営が悪化していた。ユトレヒトは1985年と2003年そして2004年にKNVBカップで優勝している。設立後、最初のシーズンはコー・アドリアーンセを除きこの3つのクラブの選手らでメンバーは組まれ、ファーストシーズンは9位に終わった。

破産危機と立て直し

創設以降10年間でハンス・ファン・ブロイケレンやレオ・ファン・フェーン、ヴィレム・ファン・ハネヘムらを擁したユトレヒトは着実に成長し、蓄えた資金をもとに新スタジアムの建設計画も進んでいた。しかし、1981年、オランダ税務署の調査により多くの不正行為が明らかになり、今までの不正により浮いた資金を一括で支払うことを裁判所から言い渡された。一時は破産直前にまで陥ったものの、クラブが提出した選手とサポーターの計6万6000人もの署名が功を奏し、裁判所は分割で支払うことを許可した。この騒動以降、クラブは成績面で成長を遂げ、リーグ戦では1980-81シーズンは5位、翌シーズンは3位そして1982年のKNVBカップではAZアルクマールに敗れたものの準優勝を果たした。一方でクラブの財政は厳しく、毎シーズンのようにチームのスター選手が売却された。

1990年代

1991年にリーグ戦を4位でフィニッシュし、UEFAカップに参加したことで財政が好転。しかし、翌シーズンからは成績が伴わず、クラブは再び財政難になってしまった。この財政難を救うべく、1996年、新たにユトレヒトのメインスポンサーに参入したフォルティスグループはクラブの運営権と引き換えに積極的な資金提供を行い、財政難は解決した。この資金を基にロブ・ウィツヘやヨン・ファン・ルーンを獲得し、戦力の増強を行った。1998年、スタジアムの全面改修が開始された。資金投入の結果、クラブの財政は安定したが、相変わらず成績は不安定だった。1993年にリーグ戦8位を記録以降、2001年まで10位を上回ることは無かった。

2000年代

2001年、クラブの監督にフランス・アデラールが就任した。これによりUEFAカップ出場圏内の5位に返り咲いた。翌年にはKNVBカップで準優勝に終わったが、決勝まで勝ち進み、2003年と2004年にはKNVBカップで2連覇を果たした。この期間、ユトレヒトに在籍していた選手にはのちに世界的な選手となるディルク・カイトがいた。2003年、想定よりスタジアム改修の費用がかさみ、クラブは再び財政難に陥ったが、スタジアムをユトレヒト自治体に売却したことで難を逃れた。2008年4月、オランダ最大の物資輸送会社マムートの取締役フランス・ファン・シューメレンがクラブの株63%を1600万ユーロで購入した。ファン・シューメレンはクラブを常にリーグ戦上位チームに押し上げると約束し、目標としてSCヘーレンフェーンを挙げた。また、同年、クラブの会長にヤケース・ファン・エクが会長に就任した。

2010年代

2012-13シーズンはここ10年間で最高順位となるリーグ戦5位を記録した。2014年、2年間空白だったクラブのテクニカルディレクターにコー・アドリアーンセが就任した。アドリアーンセの尽力もあり、2015-16シーズンの監督にエリック・テン・ハフが採用された。キャプテンにはジャン＝ポール・デ・ヨングが任命され、成績も安定。リーグ戦では2012-13シーズンに記録した5位、KNVBカップでも決勝にまでたどり着いたほか、下部組織の成長も著しく、U-23チームはU-23リーグで優勝を飾った。

タイトル

国内タイトル

エールディビジ:1回 (DOSとして)
- 1957-58

KNVBカップ:3回
- 1984-85, 2002-03, 2003-04
ヨハン・クライフ・シャール:1回
- 2004

国際タイトル

なし

過去の成績

シーズン	リーグ戦									KNVBカップ
シーズン	ディビジョン	試	勝	分	敗	得	失	点	順位	KNVBカップ
1970-71	エールディヴィジ	34	13	7	14	46	64	33	9位	2回戦敗退
1971-72		34	15	10	9	56	42	40	6位	1回戦敗退
1972-73		34	12	8	14	42	55	32	8位	2回戦敗退
1973-74		34	14	4	16	53	65	32	13位	準決勝敗退
1974-75		34	8	10	16	40	62	26	15位	ベスト16
1975-76		34	9	9	16	36	57	27	14位	2回戦敗退
1976-77		34	16	6	12	59	66	38	6位	ベスト16
1977-78		34	11	11	12	40	45	33	8位	ベスト16
1978-79		34	10	10	14	43	55	30	13位	ベスト16
1979-80		34	14	11	9	49	35	39	5位	ベスト16
1980-81		34	18	9	7	67	33	45	3位	ベスト16
1981-82		34	17	5	12	56	38	39	5位	準優勝
1982-83		34	11	9	14	51	57	31	10位	2回戦敗退
1983-84		34	14	8	12	64	74	36	8位	2回戦敗退
1984-85		34	13	6	15	47	42	32	10位	優勝
1985-86		34	11	10	13	40	46	32	12位	2回戦敗退
1986-87		34	15	6	13	62	56	36	6位	ベスト16
1987-88		34	11	11	12	41	55	33	10位	1回戦敗退
1988-89		34	11	7	16	49	57	29	13位	ベスト16
1989-90		34	8	11	15	27	45	27	14位	2回戦敗退
1990-91		34	16	10	8	42	29	42	4位	ベスト16
1991-92		34	9	15	10	37	39	33	11位	準々決勝敗退
1992-93		34	12	11	11	44	40	35	8位	ベスト16
1993-94		34	9	8	17	40	63	26	15位	3回戦敗退
1994-95		34	8	11	15	43	60	27	12位	準決勝敗退
1995-96		34	6	10	18	27	59	28	15位	1回戦敗退
1996-97		34	8	14	12	42	52	38	12位	GS敗退
1997-98		34	13	4	17	56	64	43	10位	GS敗退
1998-99		34	10	8	16	54	64	38	12位	ベスト16
1999-00		34	14	4	16	55	61	46	10位	準々決勝敗退
2000-01		34	17	8	9	58	43	59	5位	ベスト16
2001-02		34	14	9	11	60	51	51	7位	準優勝
2002-03		34	12	11	11	49	49	47	8位	優勝
2003-04		34	13	7	14	42	52	46	10位	優勝
2004-05		34	12	8	14	40	43	44	11位	ベスト16
2005-06		34	16	7	11	49	44	55	6位	3回戦敗退
2006-07		34	13	9	12	41	44	48	9位	準々決勝敗退
2007-08		34	13	7	14	59	55	46	10位	2回戦敗退
2008-09		34	11	11	12	41	44	44	9位	2回戦敗退
2009-10		34	14	11	9	39	33	53	7位	2回戦敗退
2010-11		34	13	8	13	55	51	47	9位	準決勝敗退
2011-12		34	11	10	13	55	58	43	11位	2回戦敗退
2012-13		34	19	6	9	55	41	63	5位	2回戦敗退
2013-14		34	11	8	15	46	65	41	10位	準々決勝敗退
2014-15		34	11	8	15	60	62	41	11位	2回戦敗退
2015-16		34	15	8	11	57	48	53	5位	準優勝
2016-17		34	18	8	8	54	38	62	4位	準々決勝敗退
2017-18		34	14	12	8	58	53	54	5位	2回戦敗退
2018-19		34	15	8	11	60	51	53	6位	ベスト16
2019-20		25	12	5	8	50	34	41	6位	決勝進出
2020-21		34	13	14	7	52	41	53	6位	2回戦敗退
2021-22		34	12	11	11	51	46	47	7位	2回戦敗退
2022-23		34	15	9	10	55	50	54	7位	準々決勝敗退
2023-24		34							位

欧州の成績

シーズン	大会	ラウンド	対戦相手	ホーム	アウェー	合計
1980-81	UEFAカップ	1回戦	アルジェシュ・ピテシュティ	2–0	0–0	2–0
1980-81	UEFAカップ	2回戦	フランクフルト	2–1	1–3	3–4
1981-82	UEFAカップ	1回戦	ハンブルガーSV	3–6	1–0	4–6
1982-83	UEFAカップ	1回戦	ポルト	0–1	0–2	0–3
1985-86	UEFAカップウィナーズカップ	1回戦	ディナモ・キーウ	2–1	1–4	3–5
1987-88	UEFAカップ	1回戦	LASK	2–0	0–0	2–0
1987-88	UEFAカップ	2回戦	ヴェローナ	1–1	1–2	2–3
1991-92	UEFAカップ	1回戦	シュトゥルム・グラーツ	3–1	1–0	4–1
1991-92	UEFAカップ	2回戦	レアル・マドリード	1–3	0–1	1–4
2001-02	UEFAカップ	1回戦	グラーツァーAK	3–0	3–3	6–3
2001-02	UEFAカップ	2回戦	パルマ	1–3	0–0	1–3
2002-03	UEFAカップ	1回戦	レギア・ワルシャワ	1–3	1–4	2–7
2003-04	UEFAカップ	1回戦	ジリナ	2–0	4–0	6–0
2003-04	UEFAカップ	2回戦	オセール	0–0	0–4	0–4
2004-05	UEFAカップ	1回戦	ユールゴーデン	4–0	0–3	4–3
		グループC	サラゴサ	—	0-2	5位
			ドニプロ	1-2	—
			クラブ・ブルッヘ	—	0-1
			アウストリア・ウィーン	1-2	—
2007	UEFAインタートトカップ	3回戦	ハンマルビー	1–1	0–0	1–1 (a)
2010-11	UEFAヨーロッパリーグ	予選2回戦	ティラナ	4–0	1–1	5–1
		予選3回戦	ルツェルン	1–0	3–1	4–1
		プレーオフ	セルティック	4–0	0–2	4–2
		グループK	ナポリ	3–3	0–0	4位
			リヴァプール	0–0	0–0
			ステアウア・ブカレスト	1–1	1–3
2013-14	UEFAヨーロッパリーグ	予選2回戦	ディフェルダンジュ	3–3	1–2	4–5
2017-18	UEFAヨーロッパリーグ	予選2回戦	バレッタ	3–1	0–0	3–1
		予選3回戦	レフ・ポズナン	0–0	2–2	2–2 (a)
		プレーオフ	ゼニト	1–0	0–2	1–2
2019-20	UEFAヨーロッパリーグ	予選2回戦	ズリニスキ	1–1	1–2	2–3

現所属メンバー

2023年11月16日現在

注：選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。


No.	Pos.	選手名
1	GK	ヴァシリス・バルカス
2	DF	マルク・ファン・デル・マーレル ()
3	DF	マイク・ファン・デル・ホールン
5	DF	ヒッデ・テア・アフェスト
6	MF	キャン・ボズドガン
7	MF	ヴィクトル・イェンセン
8	MF	オスカー・フラウロ ()
10	MF	テイラー・ブース（英語版）
11	FW	マルアン・アザルカン（英語版） ()
14	MF	ジダン・アーマー・イクバル ()
15	FW	エイドリアン・ブレイク（英語版） ()
16	DF	スフィアン・エル・カルアニ ()
17	DF	セーン・クライベル
18	MF	イェンス・トールンストラ


No.	Pos.	選手名
19	FW	アンソニー・デスコット（英語版）
20	FW	ザカリア・ラビアド ()
21	FW	マッツ・セーントイェンス（英語版）
22	DF	ウーゴ・ノボア
23	FW	バルト・ラムセラール
24	DF	ニック・フィールヘフェル
26	FW	オスマン・ブサイド ()
27	DF	モディボ・サニャン
31	GK	マタイス・ブランデルホルスト
32	GK	カルヴィン・ラーツィー
34	DF	ライアン・フラミンゴ
37	FW	イサク・リドベリ（英語版）
77	FW	オレ・ロメニー