GBRコード
GBRコード(ガイ-ブランドフォード-ロイクロフトコード)は、チェスの局面における盤上の駒を表現する記号体系である。EGなどの専門出版物においてエンドゲームの分類、エンドゲーム・スタディの索引分類のために使われている。
GBRコードにおいて、チェスの局面は、
- abcd.ef
の形式の6つの数字により表現される。
最初の4桁に関しては、白の駒1個につき1、黒の駒1個につき3として合計する。したがって、例えば、白に2個のナイト、黒に1個のナイトが残っていれば、d = 1 + 1 + 3 = 5である。ほかにキング以外の駒がなければ、この局面は 0005 と分類される。0 から 8 までの値は駒のすべての正常な組み合わせを表す。9 はプロモーションがない限り発生し得ない局面(たとえば一方にクイーン 2 個など)に使用される。
後ろの2桁はそれぞれ、白と黒のポーンの数を表す。
使用法
[編集]a | b | c | d | e | f | g | h | ||
8 | 8 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
1 | 1 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
GBRコードはまず、マテリアル(残った駒)の一般的な分類クラスとして使用できる。たとえば、A. A. トロイツキーが分析し、トロイツキーラインの発見に至った有名な「ナイト2個対ポーン1個」のエンドゲームは、GBRクラス 0002.01である。
次に、一般的なマテリアルの分類ではなく、特定の局面の索引分類として使うこともできる。この場合は、GBRコードがさまざまな方法で拡張されることがある。たとえばスタディの解答条件を示すために白先白勝ち("White to play and win")を表す"+"、または白先引き分け("White to play and draw")を表す"="をコードの前に追加する、白と黒のキングの位置をコードの後に追加する、の2つがよく行なわれる。これらを追加すると、右図のLeonid Kubbelによる白先引き分けのスタディ(First Prize, Shakhmaty, 1925)の局面は、=0323.12g3g1と分類される。さらにキング以外の駒の位置を追加することもある。こうなるとForsyth-Edwards記法と同内容の情報を含んだ記述法となる。
このコードは、リチャード・ガイ、ヒュー・ブランドフォード、ジョン・ロイクロフトにちなんで名づけられた。最初の2人がまず、駒の数を表現するために異なる数字を用いる最初の体系(ガイ-ブランドフォードコード)を案出した。そこにロイクロフトが、覚えやすいように白の駒を1、黒の駒を3と数えるように提案したのである。
GBR コードの例
[編集]白の駒 | 黒の駒 | GBR クラス |
---|---|---|
KQ | K | 1000 |
KR | K | 0100 |
KB | K | 0010 |
KBB | K | 0020 あるいは 0090[注 2] |
KN | K | 0001 |
KNN | K | 0002 |
K | KN | 0003 |
KN | KN | 0004 |
KNN | KN | 0005 |
K | KNN | 0006 |
KN | KNN | 0007 |
KNN | KNN | 0008 |
KNNN | KNN | 0009 |
KNNN | K | 0009 |
KPPP | KPP | 0000.32 |
KNN | KP | 0002.01 |
KQ | KR | 1300 |
KQP | KQ | 4000.10 |
KRP | KR | 0400.10 |
KRRP | KRR | 0800.10 |
KBBP | KNN | 0026.10 |
KBBP | KRNPP | 0323.12 |