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リターン・オブ・ザ・マンティコア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
The Return of the Manticoreから転送)
『リターン・オブ・ザ・マンティコア』
エマーソン・レイク&パーマーコンピレーション・アルバム
リリース
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル ヴィクトリー
プロデュース -
専門評論家によるレビュー
エマーソン・レイク&パーマー アルバム 年表
ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール
(1992年)
リターン・オブ・ザ・マンティコア
(1993年)
イン・ザ・ホット・シート
(1994年)
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リターン・オブ・ザ・マンティコア』(The Return of the Manticore)は、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)が1993年に発表したCD4枚組のボックスセットである。

内容

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ELPのデビュー・アルバムから1992年の『ブラック・ムーン』までの代表曲をほぼ全て網羅しており、加えて、1970年代の未発表音源と1993年に録音した特典音源が収録されている。

1970年代の未発表音源は3曲収録された[1]。ライブ録音の「ロンド」[注釈 1]は、キース・エマーソンがELP結成の前に在籍したザ・ナイスの作品で、デイヴ・ブルーベックの'Blue Rondo à la Turk'の改作である。ザ・ナイスや1970年代のELPのコンサートで頻繁に取り上げられ、冒頭でヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「イタリア協奏曲」第三楽章の最初の24小節が、中間部でヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565」の一節が、それぞれ演奏された。スタジオ録音の「プレリュード・アンド・フーガ」[注釈 2]フリードリヒ・グルダの作品で、ELPが1974年に発表したライブ・アルバム『レディース・アンド・ジェントルメン』の「ピアノ・インプロヴィゼイション」[注釈 3]でも一部が演奏されていた。「ボ・ディドリー」は3人が共作したインストゥルメンタルのスタジオ録音[注釈 4]である。

特典音源

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1993年7月と8月にロサンゼルスのグッドナイト LA スタジオで録音された以下の6曲[注釈 5]がDisc 1に特典音源として収録された[2]

#1. タッチ・アンド・ゴー - Touch and Go

エマーソンとグレッグ・レイクが1985年にドラマーのコージー・パウエルと結成したエマーソン・レイク・アンド・パウエルの『エマーソン・レイク・アンド・パウエル』(1986年)の収録曲のカバー[注釈 6]。オリジナルはハ短調であったが、本作ではイ短調に転調されてキーがかなり低くなっている。

#2. ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム - Hang on to a Dream

アメリカのシンガーのティム・ハーディンがデビュー・アルバムTim Hardin 1(1966年)に収録した'How Can We Hang On to a Dream'のカバー。ザ・ナイスがサード・アルバム『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』 (1969年)で取り上げた[注釈 7]

#3. 21世紀のスキゾイド・マン - 21st Century Schizoid Man

レイクがELPの前に在籍したキング・クリムゾンのファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)の収録曲のカバー[注釈 8]

#4. ファイアー - Fire

カール・パーマーがELPの前に在籍したクレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンファースト・アルバム (1968年)[注釈 9]の収録曲[注釈 10]のカバー。

#5. 展覧会の絵 - Pictures at an Exhibition

ELPが『展覧会の絵』(1971年)に発表した組曲の一部をカットして約15分に短縮し、キーを低くした[注釈 11]

#6. 夢みるクリスマス - I Believe in Father Christmas

レイクが1975年に発表したソロ作品[注釈 12]のカバー。

収録曲

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Disc 1
  1. タッチ・アンド・ゴー – Touch and Go (Emerson, Lake)
  2. ハング・オン・トゥ・ア・ドリーム – Hang on to a Dream (Tim Hardin)
  3. 21世紀のスキゾイド・マン – 21st Century Schizoid Man (Robert Fripp, Ian McDonald, Lake, Michael Giles, Peter Sinfield)
  4. ファイアー – Fire (Arthur Brown, Vincent Crane, Peter Ker, Mike Finesilver)
  5. 展覧会の絵:プロムナード/こびと/プロムナード/賢人/バーバ・ヤーガの小屋/キエフの大門 – Pictures at an Exhibition : Promenade (Modest Mussorgsky) / The Gnome (Mussorgsky, Palmer) / Promenade (Mussorgsky, Lake) / The Sage (Lake) / The Hut of Baba Yaga (Mussorgsky) / The Great Gates of Kiev (Mussorgsky, Lake)
  6. 夢みるクリスマス – I Believe in Father Christmas (Lake, Sinfield)
  7. イントロダクトリー・ファンファーレ/ピーター・ガン – Introductory Fanfare (Emerson, Palmer) /Peter Gunn Theme (Henry Mancini)
  8. 孤独なタイガー – Tiger in a Spotlight (Emerson, Lake, Palmer, Sinfield)
  9. トッカータ – Toccata (Alberto Ginastera, arr. Emerson, Palmer)
  10. トリロジー – Trilogy (Emerson, Lake)
  11. タンク – Tank (Emerson, Palmer)
  12. ラッキー・マン – Lucky Man (Lake)
Disc 2
  1. タルカス:噴火/ストーンズ・オブ・イヤーズ/アイコノクラスト/ミサ聖祭/マンティコア/戦場/アクアタルカス – Tarkus : Eruption (Emerson) / Stone of Years (Emerson, Lake) / Iconoclast (Emerson) / Mass (Emerson, Lake) / Manticore (Emerson) / Battlefield (Lake) / Aquatarkus (Emerson)
  2. フロム・ザ・ビギニング – From the Beginning (Lake)
  3. 石をとれ/ラッキー・マン/ピアノ・インプロヴィゼイション/石をとれ(コンクルージョン) – Take a Pebble (Lake) / Lucky Man (Lake) /Piano Improvisation (Emerson) /Take a Pebble (Conclusion) (Lake)
  4. ナイフ・エッジ – Knife Edge (music: Leoš Janáček arr. Emerson; lyrics: Lake, Richard Fraser)
  5. ペイパー・ブラッド – Paper Blood (Emerson, Lake, Palmer)
  6. ホウダウン – Hoedown (Aaron Copland, arr. Emerson, Lake, Palmer)
  7. ロンド – Rondo (Dave Brubeck, arr. Emerson)
Disc 3
  1. 未開人 – The Barbarian (Béla Bartók, arr. Emerson, Lake, Palmer)
  2. スティル…ユー・ターン・ミー・オン – Still...You Turn Me On (Lake)
  3. 永遠の謎 パート1/フーガ/永遠の謎 パート2 – Endless Enigma Part 1 (Emerson, Lake) / Fugue (Emerson) / Endless Enigma Part 2 (Emerson, Lake)
  4. セ・ラ・ヴィ – C'est la Vie (Lake, Sinfield)
  5. 邪教の神,そして悪の精の踊り – Enemy God (Dances With the Black Spirit) (Sergei Prokofiev, arr. Emerson, Lake, Palmer)
  6. ボ・ディドリー – Bo Diddley (Emerson, Lake, Palmer)
  7. ビッチズ・クリスタル – Bitches Crystal (Emerson, Lake)
  8. タイム・アンド・プレイス – Time and a Place (Emerson, Lake, Palmer)
  9. リヴィング・シン – Living Sin (Emerson, Lake, Palmer)
  10. 悪の教典#9:第1印象/第2印象/第3印象 – Karn Evil 9 : 1st Impression (Emerson, Lake) / 2nd Impression (Emerson) / 3rd Impression (Emerson, Lake, Sinfield)
  11. ホンキー・トンク・トレイン・ブルース – Honky Tonk Train Blues (Meade "Lux" Lewis, arr. Emerson)
Disc 4
  1. 聖地エルサレム – Jerusalem (Hubert Parry, William Blake, arr. Emerson, Lake, Palmer)
  2. 庶民のファンファーレ – Fanfare for the Common Man (Copland, arr. Emerson, Lake, Palmer)
  3. ブラック・ムーン – Black Moon (Emerson, Lake, Palmer)
  4. 君を見つめて – Watching Over You (Lake, Sinfield)
  5. ピアノ協奏曲第1番第3楽章トッカータ・コン・フォコ – Piano Concerto No.1 Third Movement: Toccata con Fuoco (Emerson)
  6. おまえのために – For You (Lake, Sinfield)
  7. プレリュード・アンド・フーガ – Prelude and Fugue (Friedrich Gulda)
  8. 将校と紳士の回顧録:プロローグ~紳士の教え/愛を感じた時/最前線からの手紙/栄光の歩兵中隊(行進曲) – Memoirs of an Officer and a Gentleman : Prologue/The Education of a Gentleman (Emerson, Sinfield) / Love at First Sight (Emerson, Sinfield) / Letters from the Front (Emerson, Sinfield) / Honourable Company (Emerson)
  9. 海賊 - Pirates (Emerson, Lake, Sinfield)
  10. アフェアズ・オブ・ザ・ハート – Affairs of the Heart (Lake, Geoff Downes)

エピソード

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このボックスセットのプロモーションのため、エマーソンが1993年の末に来日している。同時期、ディープ・パープルが来日公演を行っていたため、キーボードマガジンの企画により、エマーソンとジョン・ロードという、70年代のロックシーンに大きな実績を残す二人のキーボード奏者の対談が実現した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 1970年12月9日、ロンドンのライセウム劇場にて収録。
  2. ^ 1971年10月に録音。
  3. ^ 本作のDisc 2に収録されている。
  4. ^ 1975年4月に録音。
  5. ^ キース・オルセンがプロデューサーを務めた。オルセンは引き続いて次作『イン・ザ・ホット・シート』もプロデュースした。
  6. ^ ELPは1990年代後半のステージでこの曲を度々取り上げた。
  7. ^ 当時の邦題は「夢を追って」。
  8. ^ ELPは1990年代後半のステージでこの曲をアンコールで演奏した。エマーソンがコーラスを担当した。
  9. ^ パーマーが加入する前の作品である。
  10. ^ 英米でシングル・カットされて大ヒットした。
  11. ^ この音源は、翌1994年に発表されたELPの新作アルバム『イン・ザ・ホット・シート』のCDに、ドルビー・サラウンドに音響処理されてボーナス・トラックとして収録された。
  12. ^ シングルとして発表されてイギリスで最高位2位を記録した。ELPが1977年に発表した『作品第2番』には、オーケストラを含まずイントロダクションとコーダが異なるバージョンが収録された。

出典

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  1. ^ Macan (2006), p. 680.
  2. ^ Macan (2006), pp. 563–568.

引用文献

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  • Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago and La Salle: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0