コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

W・K・C・ガスリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィリアム・キース・チェンバース・ガスリー
人物情報
生誕 (1906-08-01) 1906年8月1日
イギリスの旗 イギリス ロンドン
死没 1981年5月17日(1981-05-17)(74歳没)
出身校 ケンブリッジ大学
学問
研究分野 西洋古典学
研究機関 ケンブリッジ大学
テンプレートを表示

ウィリアム・キース・チェンバース・ガスリー FBA (William Keith Chambers Guthrie, W.K.C.Guthrie, W.K.C.ガスリー、1906年8月1日 - 1981年5月17日[1]) は、イギリス西洋古典学者古代ギリシア哲学研究者。著書に『ギリシア哲学史』(History of Greek Philosophy) 全6巻など[2]

生涯

[編集]

1906年、スコットランド人の両親のもとロンドンに生まれる[1]ダリッジ・カレッジ卒業後、1925年ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学し、F・M・コーンフォードらのもとで古典学を修め、トライポス英語版に首席で合格した[1]

1930年以降、若手研究者として、ケンブリッジピーターハウス英語版バイフェロー英語版およびフェロー学生監英語版オレイター英語版名誉学位授与式におけるラテン語の賞賛演説担当者)をつとめた。第二次大戦中の1941年から1945年、情報部隊英語版の一員として兵役に就いた。

第二次世界大戦後

戦後の1946年、ケンブリッジの準教授に就任する。また、オレイターとしてチャーチルアトリースマッツネルーアイゼンハワーモントゴメリーらの賞賛演説を担当する[1]

1952年、イギリス学士院フェローに選出されると同時に、ローレンス記念古代哲学教授英語版に就任し、1973年まで務める。その間の1957年から1972年にはダウニング・カレッジ英語版マスターを兼任する。1962年から退職後にかけて、マグヌム・オプスたる主著『ギリシア哲学史』全6巻を刊行する[1]。1981年、逝去。

研究内容・業績

[編集]

後任者のG・E・L・オーエンと異なり、分析哲学を取り入れることは無かった[1][3]

著作

[編集]
  • Orpheus and Greek Religion (1935, revised 1952)
  • Aristotle De Caelo (trans., intro., and notes 1939)
  • The Greek Philosophers (from Thales to Aristotle, 1950)
    • 『ギリシアの哲学者たち』武部久;澄田宏訳、理想社、1984年。ISBN 9784650103106
  • The Greeks and their Gods (1950)
  • The Hub and the Spokes (1953)
  • Protagoras and Meno (1956) dialogues of Plato, translator
  • In the Beginning: Some Greek Views of the Origins of Life and the Early State of Man (1957)
    • 『ギリシア人の人間観 生命の起源から文化の萌芽へ』岩田靖夫訳、白水社、1978年。新装版2007年。ISBN 9784560024645
  • On the Heavens, translator (1969)
  • Socrates (1971)
  • The Pre-Socratics: A Collection of Critical Essays (1974)
  • A History of Greek Philosophy, Volume I: The Earlier Presocratics and the Pythagoreans (1962)
  • A History of Greek Philosophy, Volume II: The Presocratic Tradition from Parmenides to Democritus (1965)
  • A History of Greek Philosophy, Volume III: The Fifth-Century Enlightenment – Part 1: The Sophists; Part 2: Socrates (1971)
  • A History of Greek Philosophy, Volume IV: Platothe Man and his Dialogues: Earlier Period (1975)
  • A History of Greek Philosophy, Volume V: The Later Plato and the Academy (1978)
  • A History of Greek Philosophy, Volume VI: Aristotle: An Encounter (1981)

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f William Keith Chambers Guthrie, 1906–1981 by G. E. R. Lloyd, Proceedings of the British Academy 68, 561–577
  2. ^ 藤沢令夫「書評 W・K・C・ガスリー『ギリシア哲学史』第四巻、第五巻」『藤沢令夫著作集 2 イデアと世界』岩波書店、2000年
  3. ^ 大草輝政 著「プラトンと分析哲学」、内山勝利 編『プラトンを学ぶ人のために』世界思想社、2014年。ISBN 9784790716358