Wikipedia‐ノート:削除依頼/射精
本件のような案件に関して、管理者がどのように対処すべきか
[編集]話が管理者権限の行使に関することにやや偏ってきたので、ノートでお返事します。ただし、意見が色々な見地・立場から寄せられているので、答えもかなりまとまりに欠けますが、御容赦下さい。
どうも先の私の「管理者としては違法行為を見逃すわけにもいかず」の言葉がインパクト強すぎたようですが、私は別に「自分が違法と感じる画像をどんどん削除していこう」というような大それたことは思っておりません。基本的な考えは、皆さんと大きくは変わらないと思います。異なるのは、言葉についての定義に過ぎないように思います。
まず、基本的なことを確認したいのですが、私は、管理者とは、コミュニティの意志を代行する立場に過ぎないと思っています。また、コミュニティが違法となるような判断をしないものと信じています。コミュニティの意志を代行する立場に過ぎないのだから、基本的には管理者個人が違法性を問われる可能性は少ない。そこは大原則です。もしも「管理者は、コミュニティが間違っている可能性についても考慮すべき」のようになったら、それこそ管理者個人に法的責任が生じます。
ただし、個々の議論(例えば削除依頼)で趨勢となっている意見やその結論が、必ずしも「コミュニティの考え(ウィキペディア利用者の多くが考えること)」と一致しないことはありえると思います。特に、少人数で短期間に出された結論で、結論が出た後に十分な期間を経ていない場合には、コミュニティの意志を必ずしも反映していない可能性が考えられるでしょう。管理者は、議論が「コミュニティの考え」を正しく反映しているか、そこはチェックするのが望ましいと思います。例えば、過去の事例をよく研究すること、意見が少ないと思ったらコメント依頼等を活用すること、など。しかし、ある程度十分に確認し、その結論が確からしいと思われる場合には、対処して構わないと思います。むしろ、管理者が、自分個人の考えとは異なる結論で依頼をクローズするのはよくあることです。管理者が、自分好みの流れとなっている議論ばかりを選んでクローズするのは、それこそ好ましくないように思います。
なお、私の言う「違法行為を見逃してはならない」というのは、法的問題が指摘されている場合、その指摘がクリアになっているかどうか、十分確認するのが望ましい、ということです。管理者が独自に法的判断を下す、ということではありません。例えば削除依頼で、特筆性と著作権侵害の両方を理由に依頼が出されたとします。その依頼に「その記事対象は特筆性があるから存続」という意見が2,3寄せられて議論が停滞した場合、管理者は安易に存続の判断を出すべきではない、ということです。この場合、著作権侵害について直接的な意見が寄せられていないのですから、管理者としては法的問題がクリアになっているかどうか、十分に検討するのが好ましいでしょう。例えば、著作権に反しないことが明らかだったから誰も言及しなかっただけなのか、依頼が分かりにくくて著作権侵害の訴えがあることに気付かなかったのか、など。必要に応じて、コミュニティに意見を促すのもよいと思います。
あと、「分からなければ判断しなければいい」という指摘も気になります。個人に対するアドバイスであれば、それもいいでしょう。しかし、誰かが判断しなければならないことです。難しい案件だからと言って、管理者が誰も対処しなければ、法的に問題があるかもしれない案件がいつまでも対処されないままです。
また、分かる分からないとおっしゃいますが、基本的にははっきりとは断言できない事例がほとんどでしょう。例えば本件に関しても「わいせつ物とは『わいせつの三要素』を満たすものを意味する」というような単純な話にはなりません。これが本当であれば、三要素の一つでも欠ければ、それはわいせつ物にはなりません。わいせつ物でなければ、刑法175条には抵触しません。しかしながらKs aka 98さんは、「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい。しかし利用者ページでの使用は制限される」とおっしゃっています。本件を見る限りにおいても、法的問題をクリアしているかどうか分かるかというと、そんなに簡単なことではない、と言えるのではないでしょうか。--Freetrashbox(会話) 2013年9月20日 (金) 12:34 (UTC)
- コメント分からなければ判断しなければいいと言うのは、判断できる人に任せればいいということです。すべてを一人の管理者で抱え込む必要はありません。今回ks aka 98さんが言った「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい。しかし利用者ページでの使用は制限される」と言うのは大変妥当な判断だと考えます。これは、画像が学術的に用いられる場合との前置詞をつければいいのです。Freetrashboxさんはご存知かどうか知りませんが、過去に医学書にある外性器などの写真を集めて販売した業者がいました。この場合外性器の写真集であり学術目的とは言えませんから刑法175条に抵触します。よって逮捕されたというような事例もあります。こういったことから、「学術目的のために必要な範囲で項目に載せる分には問題ないけど、利用者ページなどでの使用は制限される」といった真っ当な回答であると判断できます(項目にギャラリー化して必要以上に掲載した場合はアウトだと判断される可能性は著しく高くなります)。
- たとえば、現在wikipedia日本語版においては存命人物の伝記にのみ批判的な内容について出典がないものは即座に除去しましょうになっています。しかるに、日本の刑法では名誉毀損罪の客体は人です。この人の場合自然人だけでなく法人も含まれますから、法人(会社などから)訴えられることもありえます。というより自然人より法人の方が顧問弁護士などと契約している率も高いですから訴えられるといった法的リスクはかなり高いでしょう。でも残念ながらcommunityはそこまで成熟していないかもしれません。そういった場合、communityの判断でもって対処すると判断を下した管理者がリスクを負う可能性もありえます(多くの管理者はこういった場合の対処法はご存知だと思いますが)。
- 逆にたとえ0.01%でも可能性があるのであれば安全に倒して、全部削除してしまおうと言うのはプロジェクトの発展を阻害することになりますからそれも避けなければなりません。現在管理者は50名以上おられ、それぞれ得意分野が異なりますから餅は餅屋に任せればいいと私は考えます。それでも判断がつかない様な案件であれば自身でその分野について学ぶといいでしょう。
- なお本案件で私は現状刑法175条に問われるリスクというのは、太平洋に落としたゴマひと粒を発見する確率程度であると考えます。もしこの回答に納得できないようであれば、、一度ご本人で警察本部の生活安全課あたりに確認されればどうですか?多分電話でもある程度答えてくれるかと思いますよ。--Vigorous action (Talk/History) 2013年9月20日 (金) 13:49 (UTC)
- 「すべてを一人の管理者で抱え込む必要はありません」というのは、私も賛成します。しかし「判断できる人に任せればいい」というのは、多少理想論ではありませんか?本件にしても、少なくとも今のところは「判断できる人」に相当する人が出てきていない。管理者の中では法律一般に詳しいと思われるKs aka 98さんですら、日本で出版された学術書や百科事典に本件と類似の画像が掲載されているのかどうか、実情を御存じない。そういうことを知らずに「一定の常識を持ってすれば法律に触れると考えるべき案件」かどうか判断するのは難しいのでは。Ks aka 98さんにすら無理な案件を、現状でどの管理者が「判断できる」のかと。
- また、私は「学術目的のために必要な範囲で項目に載せる分には問題ないけど、利用者ページなどでの使用は制限される」という意見自体に反対するものではありません(この件がそれに相当するかどうかはさておき)。そうではなく、Ks aka 98さんの言う「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい」という発言と、「利用者ページでの使用は制限される」という発言には矛盾があるのではないかということです。それともこの画像は、一般的には通常人がいたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめる可能性があるが、学術目的であればその可能性は低くなる、という意味でしょうか?
- また、「ご本人で警察本部の生活安全課あたりに確認されれば」というのは、「管理者としてやってみては」ということではなく、あくまでも一利用者の立場でやってみては、ということでしょうか?私がこのノートで確認したいのは、個人としてどのように行動するのかということでは無く、今後類似案件が発生した時に、管理者一般はどのように対処するのが望ましいのか、ということです。--Freetrashbox(会話) 2013年9月20日 (金) 22:08 (UTC)
- 「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい」の部分ですが、「この画像は本項目に掲載されている事実だけでなく本文の内容などとを総合的に見た場合、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい」という言い方もできます。これは、学術的に用いられているからということです。なお司法的には美術学術などで妥当な範囲内での目的がある場合を除き基本的には外性器の写った写真はわいせつ物に該当すると判断するでしょう。利用者ページなど関連しないところでの使用の場合は学術目的ではなく、妥当な範囲でもないため使用が制限されるということです。ks aka 98さんですら判断するのが難しいではなく、残念ながらks aka 98さんの判断すらあなたは信用できないといっているようにしかわたしには見えません。法的案件にはまったく同じものは存在しませんから、例えば紙ベースの百科事典や医学書に射精時の写真があったとしても、それを基に大丈夫だと言い切ることも不可能なのはご理解いただけますでしょうか?
- 次に個人としてか管理者としてかは、あなたのスタンスおよびその後に権限を行使したかなどにより変わってくるかと思います。たとえば、個人的に確認した結果削除したほうが良いとあなたが考えてたとえば削除するなどの管理者権限の行使を伴えばそれは結果として管理者として確認したことになります。今後の類似案件については各自がその法律(犯罪構成要件)や関連判例を良く調べた上で法的な根拠のみを基にロジカルに審議すればよいでしょうし、また管理者は判断できなければ警察へ相談(または通報)しその判断や感触をもって決定するというのもひとつの方法でしょう(今は知りませんがわたしが管理者だった昔には、アクティブに通報などを行う管理者が複数いました。実際Wikipediaでは法的案件として逮捕(補導)者がこれまでに複数出ていることもありますから、やってはいけない手法でもないでしょう)。もし本当に困ったのならLegalに投げて見るのもひとつの方法です。
- ここで書くべきことではないのかもしれませんが雑感として、例えばこの画像の変わりにイラストを用いたとしましょう。その時に陰毛が書いてあれば猥褻だという人も出てくるかもしれませんし、その指摘にしたがって陰毛を除去した場合今度は児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律にある児童ポルノだという人も出てくることが容易に想像できます。井戸端のようにWikipediaの百科事典性まで否定して排除したいと考える人も出てくるでしょう。こういうのを繰り返して行うような人はプロジェクト劣化荒らしで排除しておくに限ります。--Vigorous action (Talk/History) 2013年9月21日 (土) 00:27 (UTC)
- 「学術目的なら許される場合もある」ということ自体に異議がある人は、ほとんどいないと思いますよ。また、イラストでもわいせつ物となる画像はある、という見解にも、異議がある人はいないと思います。Vigorous actionさんは何をおっしゃりたいのでしょうか?御指摘の井戸端を拝見しましたが、Wikipediaの百科事典性まで否定している人がどこにいるのでしょうか?Vigorous actionさんは、物事を悪意に捉えすぎだと思いますよ。--Freetrashbox(会話) 2013年9月21日 (土) 00:49 (UTC)
- また、「ご本人で警察本部の生活安全課あたりに確認されれば」というのは、「管理者としてやってみては」ということではなく、あくまでも一利用者の立場でやってみては、ということでしょうか?私がこのノートで確認したいのは、個人としてどのように行動するのかということでは無く、今後類似案件が発生した時に、管理者一般はどのように対処するのが望ましいのか、ということです。--Freetrashbox(会話) 2013年9月20日 (金) 22:08 (UTC)
えーと。どこから何を書けばいいのか。
- 2013年9月20日 (金) 22:08 (UTC)「また、」以下:「一般的には通常人がいたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめる可能性があるが、学術目的であればその可能性は低くなる」ということです。より丁寧に言えば、刺戟せしめるという認識が一般的とされる可能性があるが、「学術目的で書かれた記事」であれば、その読者の性欲を興奮又は刺戟せしめる可能性が低くなると考えられる、でしょうか。「その作品の特殊な性格(学術書、科学書、医学書というような)、出版方法(限定出版等)、販売広告の方法如何によりその読者層が自から限定され、あるいは、一定の読書環境が想定される場合があることは争えず、このような場合その作品の読者に与える心理的影響を、限定された読者層あるいは一定した読書環境における読者を基準として考えることは、あながち不合理とは考えられない」のですから、たとえば不妊治療で射精障害の話を聞いて「射精」を調べている人が、この写真を見て興奮するかというのと、利用者ページでの掲載について考えるのでは、ページの性格から閲覧者層が自ずから異なるものと考えるのは、不合理ではないでしょう。
- 「管理者としては違法行為を見逃すわけにもいかず」の言葉を「自分が違法と感じる画像をどんどん削除していこう」とは受け取っていません。「Freetrashboxさんが、一個人として違法行為を見逃すわけにもいかないと思っている」ということなら尊重しますし、「Freetrashboxさんが、自分が違法と感じる画像をどんどん削除していこう」と考えるなら、手続きや判断さえ間違っていなければ、別に悪いことでもないと思います。Freetrashboxさんの書き方は、ウィキペディアにおける管理者一般の規範を示しているように読めるから、そうじゃないと指摘しているのです。違法行為はを見逃すかどうかについて、管理者かどうかは関係ありません。管理者であろうがそうでなかろうが、見逃してはならないという義務は、どこにもありません。
- コミュニティの判断を尊重するのは大事なことです。そこに異論はありません。管理者個人が違法性を問われる可能性は少ないのは、確かに大原則です。おうおうにして、コミュニティの多様な意見は案外正しいものとなっているでしょう。でも、法的な案件で、コミュニティが存続で合意しているが、明らかに侵害など違法性が認められるもの、が、大原則の例外です。問題は、コミュニティ全体の意見、その案件での意見の趨勢の間の矛盾があるかどうかではありません。コミュニティの意見を元にした(まあ、独断ならなおさらですが)対処と、実際の法的判断で、違いが生じた場合です。
- Freetrashboxさんが「コミュニティが違法となるような判断をしない」と信じるのは自由ですが、すべての管理者がそれを信じなければならないわけではありません。すべての管理者がそう信じるべきだという主張をされるのでしたら、現状そのような共通認識はないと思います。方針やガイドライン化には反対します。
- Freetrashboxさんが「コミュニティが違法となるような判断をしない」と信じるのであれば、コミュニティが間違っていてFreetrashboxさんが対処した場合に、明らかな違法性があることを見逃し、コミュニティを信じたこと、それに基づいて判断したことに対しての責任はFreetrashboxさんが負うことになります。明らかな権利侵害を見逃した場合では、コミュニティに従っただけですということで、責任を逃れることは、難しいと思います。つまり、「管理者が、コミュニティが間違っている可能性について考慮」していない場合に、法的責任を負うリスクは高まります。
- 「違法行為を見逃してはならない」のところで書かれていることは、コミュニティを全面的に信じているわけではないことを示しています。法的問題を指摘しているにもかかわらず、それがクリアになっていないまま、存続意見が多数を占めている状態で、コミュニティを信じるなら、法的問題の指摘はクリアにするまでもないものだったと捉えるんじゃないのですか? そこは矛盾しています。そして、この例では、そこに法的問題への指摘があることが分かっていて、それがクリアになってないということが分かっていて、判断しているんですよね? わかって対処できるなら、対処すればいい。
- しかし、すべての管理者は、分からなければ判断しなくてもいいんです。「対処しなければならない」のでしょうか? 対処しなければならないのだとすると、対処していないものの責任は管理者が負うことになってしまう。そうではないし、そうあるべきでもないですよね。「判断できないなら判断しない」というのは、判断しようとしている人の問題として、判断によるリスク回避をすればいいよ、ということなんです。ウィキペディアの運営の問題ではありません。権利を侵害されている人の問題でもありません。
- わからなくても判断してもいいです。ただし、その管理者にリスクが生じます。どの管理者にも、そのリスクを引き受けなければならない義務はありません。対処するなら、コミュニティの判断に沿ったものであることが求められます。しかし、コミュニティが存続で合意していても、明らかに権利侵害だと判断できるなら削除すべきです。説明責任は生じるでしょうけれど、明らかだと判断しているのですから、難しいことではないでしょう。十分な根拠とまではいかないまでも、懸念があるなら、指摘したり、再考を促したりするのは、適切な判断だと思います。その場で対処せず、コメント依頼などで判断できそうな人に委ねるでもいいし、もう少し審議の時間をとるとかでもいいですよね。ちょっと「分かって」くれば、判断できることもあります。わいせつ性の判断は、たしかに難しいものですが、テキストの引用なら、ぼくはたぶん間違った判断はしないと思います。判断自体はできなくとも、リスク評価はできることもあります。その程度の知識を持つ管理者は他にいるかもしれませんし、コミュニティの誰かが説得力のある意見を書いてくれるかもしれません。
- 2013年9月20日 (金) 22:08 (UTC)1段落目に戻る:「判断できる人」に相当する人っていうのは、コミュニティの全員あるいはFreetrashboxさんを納得することができる人、ではないですよね。少なくとも、ぼくは、削除票が増えればコミュニティの合意によって削除することはできるし、十分な合意がないから存続でもできますよ(既に票を投じているから、実際にはできませんが)。「判断できる」というのは、その案件を存続で終わらせたときに、なんとなくでもリスクを評価して、まあそれを引き受けてもいいと判断できる、というようなこと。Freetrashboxさんが「法的リスクに備えて、最低限の答えは準備しておくべき」とおっしゃていましたが、存続票を入れている人たちは「最低限の答えは準備」しているわけです。これらの答えで納得せず、答えを準備できないのなら、「答えなければならないような編集・対処をしない、というのがよい」です。これらの答えを鵜呑みにする必要はなく、納得しないまま編集・対処をする必要もありません。--Ks aka 98(会話) 2013年9月21日 (土) 12:19 (UTC)
- Ks aka 98さんの御意見は、本件は『悪徳の栄え』事件との類似点があり、「普通の文芸書として出版され、一般に販売され、読者層も特別限定されていたとは認められないものについては、一般の普通人を基準としてその猥褻性が判断されるべき」案件に相当し、最新版に表示がある状態では「読者層が特別限定されている」とは認められないので、「編集除去によって、履歴から過去の版を読もうとしなければならない状態にすることで、読者は限定され」るようにするのが望ましい、ということでしょうか?この御意見は、私が見るところでは今のところKs aka 98さんだけなので、この結論でまとめるなら、もう少し調整が必要なように思います。なお、「編集除去するだけで法的問題がクリアされる場合もある」というのは、ウィキペディア日本語版では過去に例が無い新しい解釈のように思いますが、それほど無理が無い解釈のように思います。この解釈が認められれば、今後の運用に役立ちそうですね。
- 「コミュニティが間違った判断を出す可能性があるかどうか」については、やはり「間違う可能性は無い」と考える他ないと思います。我々管理者もコミュニティの一員です。管理者は、議論の進み方が間違っていると感じた場合、「明らかに権利侵害だと判断できるなら削除すべき」ではなく、一利用者として権利侵害が考えられるとして削除票を投じるべきでしょう。その意見が真っ当であれば、賛成意見が増え、最終的には正しい判断となることでしょう。(ただし、緊急性がある場合は対処しなければならないこともあるでしょう。)
- 「法的問題がクリアになっているかどうか」は、議論の中で法的問題について検討されたかが一つの判断基準となるように思います。コミュニティの判断はもちろん尊重します。しかし、コミュニティが法的問題について検討しているかどうかは、対処前にチェックが必要でしょう。コミュニティは、判断を間違うことは無いが、法的問題が存在していることを見落とすことはありえるということです。その場合、法的問題の存在を示唆すれば、正しい判断が出ることが期待できるように思います。
- 「判断できる人」というのは「この手の問題に関して法的問題があるかどうか判断できる人」という意味ではないのですか?単に「コミュニティの意志を汲み取ることができる人」という意味であれば、私の言うところと大きな違いは無いように思います。--Freetrashbox(会話) 2013年9月22日 (日) 00:26 (UTC)
- まず最新の版について、
- 記事中での使用においては「普通の文芸書」と同等ではない。「作品の特殊な性格(学術書、科学書、医学書というような)」から「その読者層が自から限定され、あるいは、一定の読書環境が想定される場合」であり、「このような場合その作品の読者に与える心理的影響を、限定された読者層あるいは一定した読書環境における読者を基準として考えることは、あながち不合理とは考えられない」。最新版でも、積極的に掲載を推奨しないが、積極的に除去する立場でもない。除去しなければならないとは思っていない。
- 一方、利用者ページでの掲載は「特殊な性格(学術書、科学書、医学書というような)、出版方法(限定出版等)、販売広告の方法」と列挙されたいずれにも該当しないので、除去は必須と考えます。
- ついで、過去の版について、
- 百科事典としての「作品の特殊な性格」をベースにした、ぼくのわいせつ性の判断が受け入れられるのなら、記事の最新版に掲載してもかまわない。しかし、それが受け入れられないとしても、過去の版については、「百科事典の記事の過去の版」という特殊な性格およびサイトの構造から「その読者層が自から限定され、あるいは、一定の読書環境が想定される場合」に該当すると考えられる。つまり、最新ページよりも、過去版のほうが、よりいっそう読者層・読書環境は限定的に想定することができるんじゃないかと考えられる。ですから、削除依頼では「存続」です。掲載するか除去するかどうかは、コミュニティの意見で決めればいいと思います。
- 利用者ページの過去の版について削除依頼が出た場合だと、まず、除去はすべき。では削除しなければならないかどうかを考えるなら、利用者ページの過去の版でも、読者層は限定されるようにも思いますが、射精の記事なら、写真ではなくとも射精の図版が存在することが予想できますが、利用者ページでは射精の画像が存在していることを予想できるわけではないですし、掲載する余地はないのですから、削除に反対しません。いち利用者としては、存続も削除も主張しないと思います。管理者としてはコミュニティの判断に沿って対処します。
- 著作権侵害やプライバシーの侵害などでは、読者層が限定されるかどうかというようなことは問われません。限定的に少人数で登録して認証してみたいなことなら認められる場合がないとは言いませんが。ですから、編集除去では足りません。これまでのウィキペディアで生じてきた問題は、こっち。こうした案件に対しては、ぼくはずっと除去では足りず削除が必要という立場で意見を書いているはずです。わいせつに関しては、そういう線の引き方がなされているわけではないですよね。読者層や読書環境から考える余地があるのですから。ですから、わいせつ性に関して、そのページの目的に合致していて、それ自体が扇情的な図版でないものについては、削除しばくてもいい場合がある、というのがぼくの意見です。
- その他は、話がかみ合っていないように思います。コミュニティの運営上の理念や処方箋の話をしているのではありません。参加している個々人の法的リスクの話です。
- 繰返しになりますが、Freetrashboxさんが、「間違う可能性は無い」と信じるのは自由です。管理者すべてが、そのように信じなければならないという主張のように読まれかねないので、繰返し否定しています。信じなければならないという文書は存じ上げません。ぼくは信じませんし、他の管理者も信じる必要はありません。信じる管理者がいてもかまいませんが、ぼくは、それはリスキーだと考えます。検討されただけで法的問題がクリアになるとは思いませんし、法的問題の存在に気付かないことがありうるという時点で、「間違う可能性は無い」ということの反証になっています。著作物性や肖像権がらみでコミュニティが間違った判断をしている例は相当数あると思いますよ。「間違う可能性は無い」は「事実」とは、とても考えられない。
- 「コミュニティが間違う可能性はないと前提することで管理者のリスクを回避しよう」という意見なら理解できます(反対しますが)。「法的問題が議題となりコミュニティが一定の合意を示したことで、コミュニティ内では法的な問題をクリアしたと対処した管理者が認識していたとみなせると考えられるのではないか」という意見なら理解できますが、これも程度問題でしょう。
- 「判断できる人」は、「この手の問題に関して法的問題があるかどうか判断できる人」でも「コミュニティの意志を汲み取ることができる人」でもないです。ぼくが「Freetrashboxさんが、答えられないなら、答えなければならないような編集・対処をしない、というのがよいと思うのです」と書いたときに意図していたのは、「自分が編集・対処したときの責任を負う覚悟が出来ていないなら、編集・対処する必要はない」ということです。まっとうな知識があろうが、蛮勇だろうが間違いだろうが、コミュニティを信頼してということであろうが、覚悟があるなら対処すればいい。自分では「判断ができてない」と思っているのなら、対処しなくてもいいし、むしろ、しないほうがいいですよ、と。--Ks aka 98(会話) 2013年9月23日 (月) 08:58 (UTC)
- 「本件」というのは、「表で依頼対象にしている画像そのもの及び/またはその使用法が法的問題を有しているか」どうかです。
- 「作品の特殊な性格(学術書、科学書、医学書というような)、出版方法(限定出版等)、販売広告の方法如何によりその読者層が自から限定され、あるいは、一定の読書環境が想定される場合がある」の一文は、おそらく「学術書、科学書、医学書は誰もが読むものではない」という意味だと思いますよ。「ウィキペディアは学術書だから読者層が自から限定される」というのはいささか無理がある解釈かと。ウィキペディアの執筆には学術性が要求されますが、想定読者層は、特別な専門知識を有しない一般人でしょう。
- 「責任」については、大人が自分の意志で行動しているのですから、なにがしかの「責任」が生ずるのは当然のことです。新しい管理者に対して「無責任な行動をするな」と諭すのもいいでしょう。しかし「管理者個人が負う法的責任」に関して、管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めてはダメだと思いますよ。(故意や重大な過失がある場合を除いて、ですが。)私は自分の行為に関して、管理者として責任を取る覚悟はありますが、法的責任までは負えません。Ks aka 98さんが新人管理者に「法的責任が生じる可能性もあるかもよ」と個人的にアドバイスするのは差し支えないと思いますが、それがウィキペディアコミュニティの意志と誤解されることが無いよう(例えば裁判の証拠として使われることが無いよう)配慮頂ければ幸いです。--Freetrashbox(会話) 2013年9月23日 (月) 10:19 (UTC)
- 1段落目:前の書き込みの「ついで、過去の版について、」の最初の項が、「表で依頼対象にしている画像そのもの及び/またはその使用法が法的問題を有しているか」への答えになります。
- 2段落目(「作品の特殊な性格云々以下):それが Freetrashboxさんの意見だ、ということは、尊重します。ぼくの意見や考えと異なる、というだけのことです。判決文を読む限りでは、本の性質と流通は別の要素として列記していると読むのが自然だと思います。また、読者層が「特別な専門知識を有」するかどうかという形で限定されるのではなく、学術や医学の情報を求める読者だと考えます。特別な専門知識を有していても、エロ本を読めば性欲を刺激されるでしょうし、前にも書きましたが、射精障害に悩む人が「射精」の記事で、掲載されていたような画像を見たところで性欲を刺激されないと思います。一方、医学書や学術書は部数も少なく流通も限定的であり、今日のようにネットで買えることは想定されていない時期の裁判ですから、判決文はともかく、特殊な作品であれば流通も限定されるという前提があったのかもしれません。ぼくの意見と、Freetrashboxさんの意見は、それぞれ別個に述べられている異なる意見であり、互いに相手を説得するには至っていない、という話であり、それ以上のものではない、ということですよね。
- ぼくに求められていたのは、「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい」という発言と、「利用者ページでの使用は制限される」という発言には矛盾があるのではないかということだったかと思います。Freetrashboxさん自身の判断はどうであれ、ぼくがどのように考え、これらの発言に矛盾がないと思っているのかは、理解して頂けましたか?
- 3段落目(「責任」については、云々以下)「管理者個人が負う法的責任」に関して、管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めてはダメだと思うのも、 Freetrashboxさんの意見として尊重します。
- ぼくは、「管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めない限り、法的責任は生じない」とは思っておらず、そのように考えているFreetrashboxさんに対して、個人的にアドバイスし、Freetrashboxさんの意見を鵜呑みにするかもしれない他の管理者に対して、アドバイスをしています。Freetrashboxさんが、「管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めない限り、法的責任は生じない」のだから、ぼくに対して「可能性を認めるな」とアドバイスされているのでしょう。射精の画像の判断と異なり、この意見の食い違いは、互いに干渉することになります。
- Freetrashboxさんが、管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めない限り、法的責任は生じないのだと、根拠とともに説明して頂けるのであれば、ぼくも気が楽になります。管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めない限り、法的責任は生じないのならば、「法的リスクに備えて、最低限の答えを準備する必要もありません。しかし、現状では「と思う」であり、ぼくの理解とも異なります。ぼくは、ほとんどの場面で、管理者がその権限行使について法的責任を問われることはないとしても、問われる可能性はゼロではないと申し上げています。Wikipedia:管理者でも、「法的問題が起こったときに責任を負わされるリスクは管理者の方が多少高いと思われます」とされています。また、管理者に法的責任が問われるかどうかというのは、裁判所が決めることであり、「ウィキペディアコミュニティの意志」で決まるものではない、ということは確かでしょう。
- 管理者が、権限行使に際して法的責任を負わされるようなことは、可能な限り避けたほうがよいと考えます。その上で、管理者が法的責任を負わないためには、自ら対処することで生じる法的責任について疑念があるのならば、対処をしなくてもいい、対処をしないほうがいい、と申し上げています。過去、度々管理者の権限行使にまつわる議論に参加していましたが、管理者が抱えかねない法的責任を回避することは、常に念頭に置いていますし、強く意見を述べているのはそうした場合が多かったんじゃなかろうかとも思います。
- ただ、Freetrashboxさんが言う「故意または重過失」が、ぼくの言う「法的な案件で、コミュニティが存続で合意しているが、明らかに侵害など違法性が認められるもの」と似たようなことを指しているのなら、それほど言っていることに違いはないだろうとも思います。少なくとも著作権侵害は、善意無過失でも差止請求が可能、故意又は過失で侵害となります。また、違法性が明らかでなければ、コミュニティの意見に従う限り責任を負わされる可能性は低いと思います。
- ぼくが気にしているのは、Freetrashboxさんの「管理者としては違法行為を見逃すわけにもいかず」という意見でした。管理者であっても、違法行為を見逃したところで問題はない、ということは、了承して頂けますか?--Ks aka 98(会話) 2013年9月23日 (月) 14:26 (UTC)
- まず、「管理者をはじめとするコミュニティが、その可能性を認めない限り、法的責任は生じない」かどうかについて。これはちょっと誤解を与えたようです。管理者が対処に対して、法的責任を取るよう誰かに要求されることはあると思います。その場合、冷静に対処すれば誤解は解けると思いますが、うっかりとやってもいない罪や過失を認めてしまったら、法的責任を取らされることもあるでしょう。あるいは、そういう要求があること自体を法的リスクと捉えるのであれば、法的リスクがあると言えるでしょう。
- もっとも、では対処しなかったら法的リスクが生じないかというと、そうでもないでしょう。権限があれば、責任が生じます。管理者が仮に「コミュニティが存続で合意していても、明らかに権利侵害だと判断できるなら削除」できるような権限を持っているのだとすれば(私は持ってないと思いますけど)、問題を回避できるだけの権限を与えられているのに回避しなかったのですから、法的責任が生じる可能性があるんじゃないですかね。
- いずれにせよ「管理者は、法的責任を負うこと覚悟で対処せよ」というのは、あまりに酷だと思いますね。たとえばこのWikipedia:削除依頼/射精の場合、今の状態で議論が停止したとしたら、私が対処するなら「存続」以外考えられません。しかし「射精の瞬間を写した写真が掲載され、日本で出版された医学書・美術集、あるいは百科事典」が存在するのか、及び、ウィキペディアの閲覧は「作品の特殊な性格(学術書、科学書、医学書というような)、出版方法(限定出版等)、販売広告の方法如何によりその読者層が自から限定され、あるいは、一定の読書環境が想定される場合」に相当するのか、完全にはクリアになっていません。この問題に対して、Ks aka 98さんのように解釈をすることも可能だと思います。しかし、Ks aka 98さんも「100%大丈夫」とまでは断言できないでしょう。まさに、コミュニティが大丈夫だと言ったからと言って大丈夫とは限らない状態です。では、この依頼を存続でクローズした管理者は、法的責任を取らされる可能性があるのでしょうか?これが存続かどうか「分かる」というのは何を意味しているのでしょうか?あるいは法的責任が追及された場合の「うまい立ち回り方」が分かっているということですか?
- 一方、管理者個人が「対処しなくてもいい」というのは、実際にその慣例で動いていますし、私もそれを変えるべきだとは思ってません。しかし、だからといって、管理者の総体として、長期案件をほったらかしではダメだと思いますよ。法的問題
があるを含む可能性が指摘されているのにほったらかしでは、それはそれで法的リスクを伴うんじゃないでしょうかね。また、私が「法的リスクに備えて、最低限の答えは準備しておくべき」と言ったのは、対処した管理者個人を守るためだけではありません。管理者個人の責任が追及されないにせよ、ウィキペディア自体に法的責任が追及される可能性があります。そういう場合、おそらく財団の法務担当は、対処した管理者や、経験が長い管理者に対し、アドバイスを求めることでしょう。その際に供えて最低限の答えを用意しておかないとダメ、ということです。まあそれだって、対処した管理者に答えを用意する義務があるわけではありませんが、「存続意見が大半だったから何となくやりました」ではあんまりだと思いますね。この件では存外に多くの意見を頂きましたので、答えに困ることは無いと思いますが、多くの削除依頼では、せいぜい5, 6人の意見を元に対処しなければならない現実があります。この手の画像が「問題無い」とする理屈を、もう少し丁寧に考えて置いた方がよいと、私は思います。そういうことを普段から考えておけば、こういう案件を対処できる管理者を増やせるんじゃないでしょうかね。--Freetrashbox(会話) 2013年9月25日 (水) 12:46 (UTC) 誤記を修正--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 06:17 (UTC)- 最終的な法的責任は編集者自身が負いますし、管理者はコミュニティーの結論によって権限を行使するのが原則だったはずです。 また常識的に考えて、仮に日本の警察が動くのであれば、たいがいの場合、指導(つまり削除要請)から入ってくるものであって、いきなり捕まったりするケースは、警察側が悪質な犯罪にかかわているという証拠のもとに逮捕など行います。 映画や番組など異様に厳しいのは法が厳しいからではなくて、もしも指導が入ったら翌日から上映中止などの事態に落ちいって、権利金とのからみで飛んでもない損害をこうむるから、それを避けるために、独自にたてた倫理委員会で検閲をするから厳しい審査になっているわけです。 一般人の知識ではウィキペディアは百科事典であって、ポルノサイトではないし芸術作品でもありません。新書でも古書でも百科事典の出版社がその挿絵や写真を根拠に警察に捕まったとか聞いた事がありません。 そしてWPが検閲をしないという以上は在命の人物の項目以外は、起きてもいない万万が一のような事態を想定して常態にするのは否定的運用であったはずです。 --Gyulfox(会話) 2013年10月6日 (日) 09:16 (UTC)
- 「警告があってから対処する」というのは遵法精神から考えてちょっと問題があるように思いますが、他の皆さんはいかがでしょうか?また、この画像の削除そのものに関しては表で議論すべきように思いますが、「射精の瞬間を写した写真が掲載された百科事典」が恐らく存在しないのだから、その逮捕例が無いのは当然のように私は思います。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 09:55 (UTC)
- 「警告があってから対処する」というのは、運営する立場からはよくある基準のひとつです。そのようにしているプロバイダは多いでしょうし、弁護士さんと話をしても、警告などがあるまで放置するか、疑わしいものはとりあえず削除するか、というのをすすめられますよ。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 10:08 (UTC)
- それはコンテンツ提供者に対するプロバイダの立場の話なんじゃないですか?ウィキペディアの記事に対するコミュニティの立場と、同列には考えられないように思います。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 10:23 (UTC)
- 立ち位置としては、プロバイダ、ホームページや掲示板の管理者などは同じで(たとえばpdf)、ウィキペディアの「コミュニティ」も同等だと思いますよ。加害者でも被害者でもないが、削除することができる立場。そのなかで、パブリッシャー、ディストリビューター、コモンキャリア[1]のどれに該当するかというのが、責任の範囲とも関係してきます(リンクは名誉毀損についての合衆国判例の検討)。ウィキペディアではパブリッシャーは投稿者でありコミュニティではないと考えられます。加害者でも被害者でもないが、削除することができる立場のなかで、コミュニティや管理者の責任が法的にどうなるかっていう話がひとつ。それと別に、個々のコンテンツが適法かどうかというのがひとつ。コミュニティや管理者が責任を問われないという意味での適法な範囲内で、作業能率を重視するとか、表現の自由を重視するとか、健全な良識を重視するとか、ってところは、いろんな立場をとればいい。それは遵法精神とは別の話です。コミュニティや管理者が責任を問われないという意味での適法であるなら、たいていは違法であることが明らかではないのですね。根拠なくおっかないものを削除することは遵法精神に沿ったものではないですし。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 11:04 (UTC)
ウィキペディアの管理者と、プロバイダ責任制限法の管理者とは、たまたま言葉が同じなだけであって、別物だと思いますよ。プロバイダ責任制限法の管理者に相当するのは、コミュニティ全体、あるいは財団なんじゃないですか?また本件が、警告されてから対処すればいい、という程度の話であれば、削除すべき画像をコミュニティの意見に合わせて存続終了させたところで、対処した管理者が法的責任を取らされることは無いと思いますよ。削除依頼の決定は必ずしも確定では無く、再依頼・再対処が可能ですから。なお、「根拠なくおっかないものを削除することは遵法精神に沿ったものではない」というのは、私も前々から思っていたことであり、同意します。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 11:14 (UTC)- すいません、Ks aka 98さんの御意見も、『プロバイダ責任制限法の管理者とはウィキペディアの「コミュニティ」』ですね。とりあえず、前半は取り消します。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 11:32 (UTC)
- えと、後段、「また本件が、警告されてから対処すればいい、という程度の話であれば、削除すべき画像をコミュニティの意見に合わせて存続終了させたところで、対処した管理者が法的責任を取らされることは無いと思いますよ。削除依頼の決定は必ずしも確定では無く、再依頼・再対処が可能ですから。」と、ぼくに言われても困ります。「本件について」は、そもそも、ぼくは存続だと書いてます。「警告されてから対処すればいい、という程度」以下の話だというのが、ぼくの意見です。対処した管理者が法的責任を取らされることはないと思いますよ。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 11:41 (UTC)
- 立ち位置としては、プロバイダ、ホームページや掲示板の管理者などは同じで(たとえばpdf)、ウィキペディアの「コミュニティ」も同等だと思いますよ。加害者でも被害者でもないが、削除することができる立場。そのなかで、パブリッシャー、ディストリビューター、コモンキャリア[1]のどれに該当するかというのが、責任の範囲とも関係してきます(リンクは名誉毀損についての合衆国判例の検討)。ウィキペディアではパブリッシャーは投稿者でありコミュニティではないと考えられます。加害者でも被害者でもないが、削除することができる立場のなかで、コミュニティや管理者の責任が法的にどうなるかっていう話がひとつ。それと別に、個々のコンテンツが適法かどうかというのがひとつ。コミュニティや管理者が責任を問われないという意味での適法な範囲内で、作業能率を重視するとか、表現の自由を重視するとか、健全な良識を重視するとか、ってところは、いろんな立場をとればいい。それは遵法精神とは別の話です。コミュニティや管理者が責任を問われないという意味での適法であるなら、たいていは違法であることが明らかではないのですね。根拠なくおっかないものを削除することは遵法精神に沿ったものではないですし。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 11:04 (UTC)
- それはコンテンツ提供者に対するプロバイダの立場の話なんじゃないですか?ウィキペディアの記事に対するコミュニティの立場と、同列には考えられないように思います。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 10:23 (UTC)
- 「警告があってから対処する」というのは、運営する立場からはよくある基準のひとつです。そのようにしているプロバイダは多いでしょうし、弁護士さんと話をしても、警告などがあるまで放置するか、疑わしいものはとりあえず削除するか、というのをすすめられますよ。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 10:08 (UTC)
- 「警告があってから対処する」というのは遵法精神から考えてちょっと問題があるように思いますが、他の皆さんはいかがでしょうか?また、この画像の削除そのものに関しては表で議論すべきように思いますが、「射精の瞬間を写した写真が掲載された百科事典」が恐らく存在しないのだから、その逮捕例が無いのは当然のように私は思います。--Freetrashbox(会話) 2013年10月6日 (日) 09:55 (UTC)
- 最終的な法的責任は編集者自身が負いますし、管理者はコミュニティーの結論によって権限を行使するのが原則だったはずです。 また常識的に考えて、仮に日本の警察が動くのであれば、たいがいの場合、指導(つまり削除要請)から入ってくるものであって、いきなり捕まったりするケースは、警察側が悪質な犯罪にかかわているという証拠のもとに逮捕など行います。 映画や番組など異様に厳しいのは法が厳しいからではなくて、もしも指導が入ったら翌日から上映中止などの事態に落ちいって、権利金とのからみで飛んでもない損害をこうむるから、それを避けるために、独自にたてた倫理委員会で検閲をするから厳しい審査になっているわけです。 一般人の知識ではウィキペディアは百科事典であって、ポルノサイトではないし芸術作品でもありません。新書でも古書でも百科事典の出版社がその挿絵や写真を根拠に警察に捕まったとか聞いた事がありません。 そしてWPが検閲をしないという以上は在命の人物の項目以外は、起きてもいない万万が一のような事態を想定して常態にするのは否定的運用であったはずです。 --Gyulfox(会話) 2013年10月6日 (日) 09:16 (UTC)
- 一方、管理者個人が「対処しなくてもいい」というのは、実際にその慣例で動いていますし、私もそれを変えるべきだとは思ってません。しかし、だからといって、管理者の総体として、長期案件をほったらかしではダメだと思いますよ。法的問題
- 猥褻の観念は、芸術とか、思想とか、あるいは学術性とは次元を異にするもので、学術であれば常にわいせつではないということにはならず、また訴えられた事例そのものを存じ上げませんから、判断がなかったというだけではないでしょうか。芸術作品についてはわいせつと認められた例があります。名誉毀損では、学術書でも名誉毀損が認められたものがあります。百科事典の編集部・編集局では、出版社として法的な判断をした上で刊行されているのに対し、ウィキペディアはそうではありません(この削除依頼が、それに相当するということになるでしょう)。--Ks aka 98(会話) 2013年10月6日 (日) 10:08 (UTC)
- 先日たまたま検索で、フレッシュアイのサイト経由での閲覧が出てきましたので、本件を思い出しまして「射精」を検索してみたところ、「あなたは18歳以上ですか? はい いいえ」というものが表示されました。これが正しい選択かはわかりませんが、少なくともフレッシュアイはこれで(外部からの指摘を)回避できると思っているのですから、参考にはなるでしょう。こういう「やってますよ術」みたいなのはjawpでも必要なのかもしれませんね。--Triglav(会話) 2013年10月6日 (日) 12:39 (UTC)
長くなるので、節わけします。Freetrashboxさんの2013年9月25日 (水) 12:46 (UTC) /2013年10月6日 (日) 06:17 (UTC)へのレスです。
論点の確認
[編集]まず、そもそもの論点を確認させてください。
- 表で、ぼく宛に問われていたのは、「この画像は、通常人が『いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ』るものとは考えにくい」という発言と、「利用者ページでの使用は制限される」という発言には矛盾があるのではないかということではなかったのですか? ぼくは、その前の自分の書き込みでは分かりにくかったのだろうと思い、そのことについて説明しました。Freetrashboxさん自身の判断はどうであれ、ぼくがどのように考え、これらの発言に矛盾がないと思っているのは、ご理解いただけましたか。これについては、これ以上説明することも難しいと思います。
- ぼくのほうから、Freetrashboxさんに向けて問いかけたのは「管理者としては違法行為を見逃すわけにもいかず」という意見に関するものでした。ウィキペディア日本語版において、管理者が違法行為を見逃してはいけないという方針やガイドラインは存在せず、違法行為を見逃したところで問題はない、ということは、了承して頂けますか。
この二つについて、ご理解、ご了承いただければ、それ以上のことをとやかく言うつもりはありません。--Ks aka 98(会話) 2013年10月8日 (火) 17:07 (UTC)
レス
[編集]ついで、どうもかみ合わないので、直前の書き込みに対してレスを返しておきます。そんなに対立するようなことでもないと思うので、かみあわない場所が見つかれば幸いです。煩雑ですし、読んでいただかなくても構いません。
- 「法的責任が生じる可能性」とか「法的リスク」とかは、ここでは「裁判になり、負ける可能性」のつもりで話しています。「ウィキペディアの利用者の誰かに、法的リスクがあると指摘される」とか「まあ負けないけど困った人に訴えられるのは避けられない」とか、そういう話はしていません。「冷静な対応」次第で避けることもできるかもしれませんが、相手が取り下げたりしなければ負ける、というリスクについて、です。
- 権限があれば、責任が生じます。「対処しなければ責任を免れる」ということも、「対処すれば、それが明白な権利侵害の見逃しであっても責任を免れる」ということも、自明ではありません。ウィキペディアでは、管理者は技術的に削除することができます。
- プロバイダ責任制限法が直接ウィキペディアの管理者に関わってくるわけではないと考えますが、日本での責任についての考え方の参考にはなるでしょう。同法3条では、「技術的に削除できる」ことに加え、侵害していることを知っていたとき、又は知ることができたと認めるに足りる相当な理由があるときでなければ、削除しなくても損害賠償責任が発生しないとされています。要件としては、「技術的にできる」です。対処している管理者は、少なくとも侵害の可能性があることを知っているはずですから、侵害が明白であれば、責任が発生します。
- 「コミュニティが存続で合意していても、明らかに権利侵害だと判断できるなら削除」できるような権限を管理者が持っていないのだとすると、「管理者が明らかに権利侵害だと判断できるにも関わらず、コミュニティが存続で合意してるから、存続にしなければならない」ということになります。そのような方針はありません。そのような権限がなく、存続にするならば、その管理者は知りつつも被害者の権利の侵害を継続させることになってしまいます。
- ぼくは「管理者は、法的責任を負うこと覚悟で対処せよ」、と、言っていません。話が逆で、「対処せよ」と言っているのはFreetrashboxさんです。それはあまりに酷だと思います。さらに言えば、Freetrashboxさんは、「法的責任を負わないのだから、覚悟する必要はなく、対処せよ」というご意見ではなかったでしょうか。ぼくは、法的責任を負う可能性があるなら、覚悟を決めなくていい、対処しなくていい、と言っています。それでもなお対処しようとするなら、覚悟はしろ、と。
- 「Wikipedia:削除依頼/射精」について、ぼくは、法的に問題があることが明白だとは言えない、という状況にあると考えます。ですから、実は問題があっても、コミュニティの意見を受けて存続とした管理者は責任を問われないと考えます。必要な理屈は、「この手の画像が問題無い」かどうかじゃないです。「この画像が明らかに問題であるかどうか」によって、対処について問題がないかどうかが決まります。たいていの法的案件と同様にまったく可能性がないとまでは言えませんが。対して、画像の投稿者や表示させた編集者が責任を負うかどうかというのは、法的な問題があるかどうかで決まるでしょう(投稿者や表示させる編集者が依頼を出した場合は、もうちょっとややこしい検討が必要だと思います)。
- 前のレスでは、以下のように書きました:ぼくが「Freetrashboxさんが、答えられないなら、答えなければならないような編集・対処をしない、というのがよいと思うのです」と書いたときに意図していたのは、「自分が編集・対処したときの責任を負う覚悟が出来ていないなら、編集・対処する必要はない」ということです。まっとうな知識があろうが、蛮勇だろうが間違いだろうが、コミュニティを信頼してということであろうが、覚悟があるなら対処すればいい。自分では「判断ができてない」と思っているのなら、対処しなくてもいいし、むしろ、しないほうがいいですよ、と。
- ぼくが使った言葉ではないですが、結局のところ、判断は裁判所が行なうのですから、「分かる」のは無理です。ある程度合理的な推論を行なうのも、そうとう難しく、面倒です。「これが存続かどうか「分かる」」というのは、存続だと分かったつもりになることでしょうね。そういう人は、存続で対処ができます。法的責任が追及された場合の「うまい立ち回り方」が分かっていて、この案件なら自分はうまく立ち回れるつもりになっているひとも、存続で対処できます。対処したことについて責任が生じる可能性があると考えます。
- ぼくは、管理者「総体」の話はしていません。総体としてほったらかしてもいいとは書いていません。「長期案件をほったらかし」は好ましくないですが、意見が分かれるようなものだと、削除するという合意が得られていないのですし、また長期化するものは侵害が明白ではないことが多いですから、管理者の法的責任は生じにくいです。長期化することで拡大する侵害の程度もそれほど大きくないと考えられます。
- コミュニティが既に削除で合意しているのなら、現実に法的問題があろうがなかろうが、速やかに削除すれば管理者の法的リスクはほとんどありません。管理者が裁量で存続にすれば、それなりに管理者が責任を負うでしょうけど、それは今の話題とは関係ないです。現実に法的問題があり、コミュニティが削除で合意しているが、対処が著しく遅れているという状態にあるときの責任の所在がどこになるかは、よくわかりません(これは難しいな)。でも、以前は特定版削除の巻き込まれとの兼ね合いで対処しにくいということもありましたが、版指定削除導入後は、削除に躊躇する必要もなく、それほどひどい状態にはないと思います。
- 現実には法的問題がなく、またコミュニティもそのように判断しているものは、存続にしても問題はありません。現実には法的な問題があるのに、コミュニティが法的問題はないとして削除の合意が得られないものを、コミュニティの合意に従って存続として対処すれば、実際には問題が継続し、法的問題はなかったいう誤解も広まります。対処しなければ、審議が継続し、適切な意見がコミュニティから寄せられ、削除の合意に向かったり、問題の明白性に気付き削除する管理者が現れたりする可能性が残ります。明白な問題があるにも関わらず存続票が多いような事態は、議論参加者に偏りがあり、他の参加者が現れていないような状況なのですから、時間を追うごとに適正な判断がなされるでしょう。ですから、実際に法的な問題がある案件を存続で終了させるよりも、被害を軽減させることになります。
- ぼくは管理者個人の責任は追及されうると考えています。「ウィキペディア自体」に法的責任が追及される可能性がないと思います。「ウィキペディア自体」というのが何を指すのか、はっきりしませんが、財団を指すのなら、よほどでなければ免責されます。「ウィキペディアのコミュニティ」というような抽象的なものには、法的責任を問えません。今の管理者の制度からは、「管理者全体」という形での責任は生じないでしょう。射精なり、他の削除依頼なりで、TomosさんやTietewさんが責任を負うことは考えられません。それよりも、「削除依頼の審議参加者で、存続意見を投じた人」のほうがありえそうです。
- 「存続意見が大半だったから何となくやりました」ではあんまりだと思います。でも、「コミュニティが間違う可能性はない」と言っていたのはFreetrashboxさんのほうです。ぼくは、存続意見が大半だったからといって、間違っている可能性があるのだから、「何となく」存続にするべきではない、と言っていて、存続意見が大半だけど明らかに侵害があると考えられるなら削除できるし削除すればいいし削除したほうがいい、わからなければ終了させるな、という立場です。「何となく」以上の理由は、コミュニティの誰かから示されるかもしれませんが、それが正しいかどうかはわかりません。
- 多くの削除依頼では、「侵害が明白」で、かつ存続で合意というような事態にはなりません。明白なんだからたいていの人に判断できるはずなのですし、コミュニティの判断はたいてい安全側に倒されています。リスキーに見える意見は、意見の内容と書いている利用者を見れば、それなりに裏づけがある意見か、ただの馬鹿か、区別できると思います。侵害が明白でなければ、対処した管理者が責任を問われる可能性はほとんどないでしょう。ですから、ほとんどの場面では、削除で合意があるにもかかわらず存続で終了させるようなことをしなければ、大丈夫です。しかし、侵害が明白と思えるような場合には、リスクがありえますから、その判断だけは常識の範囲程度でできるように、自信がなければプロ責法関係のガイドラインなどを参照する。リスクを感じたなら、無理に存続で終了させることはしない。--Ks aka 98(会話) 2013年10月8日 (火) 17:07 (UTC)
- 丁寧なコメント、ありがとうございます。最後の節(「多くの削除依頼では」)については全面的に同意します。また、私の意見は「管理者は、依頼等を対処するにあたって、法的問題に注意すべきだ」ということです。どうも私の意見が「管理者は法的問題を見つけたら必ず対処しなければならない」という風に取られているようにも思えますが、そういうことはありません。上記の御意見について、細かい点ではいくらか異論がありますが、またの機会にしましょう。--Freetrashbox(会話) 2013年10月10日 (木) 11:38 (UTC)
関係する法律など
[編集]いちおう、管理者の責任関係で、ぼくがどういうことを根拠に、どうふうに考えているかというのを、まとめておきます。それほど細かいところまで精読しているわけではないですし、著作権ほども全体像を把握できていませんから、根本的なところで間違いがあるかもしれません。話の流れで書いちゃいますが、踏み込んだ議論をはじめるとややこしくなりすぎるとも思うので、将来に向けての叩き台みたいなつもりで。リンクしているもののほか、論文の類はちまちまと読んでいますが、列挙するのは面倒なので勘弁してください。書籍だと、情報ネットワーク法学会・テレコムサービス協会 編『インターネット上の誹謗中傷と責任』[2]を読んでます。
「ウィキペディア日本語版の管理者」は、その責任について考えようとすると、かなりややこしい立場にあります。
管理者が削除したり、削除しなかったりすることで問題となる記述やファイルとしては、著作権侵害、名誉毀損、プライバシーの侵害、わいせつ物や児童ポルノなどがあります。
- 管理者は、加害者でも被害者でもありません。この点ではプロバイダと共通します。
- サイトの運営はウィキメディア財団であり、あるいはコミュニティ全体です。
- 財団との雇用関係はありません。また、何かを強制されているという文書や実態はありません。
- 管理者、加害者、被害者の多くは、日本に住んでいると考えられます。
- 管理者の組織というものもありません。管理者間で何かを強制されているという文書や実態もありません。
- 制度として削除するかどうかを決めるものではないですが、技術的に本文や写真を削除することができます。
- 明白に権利を侵害しているものについては、合意を待たずに削除することができます(即時削除の一部、緊急削除、雪玉条項、存命人物の伝記など)
加害者でも被害者でもない立場の責任については、日本ではプロバイダ責任制限法があります。
ところが、財団は日本にありません。合衆国判例などからは、いわゆるディストリビュータとして、原則的にコンテンツには責任を負わないという立場です。DMCAなどに基づいて財団に削除要請などをする場合は、それに応じて対応をするでしょうが、各プロジェクトでの削除依頼などには関与しないということになります(免責事項参照)。
財団とのつながりを重視するなら、合衆国の例を考える必要があります。著作権についてはDMCAでノーティス&テイクダウンでいいんじゃないかな。名誉毀損関係は吉田和夫「ネットワーク上の名誉毀損」PDF)や、通信品位法230条絡みに重点を置いた[3]が参考になります。
プロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」は「特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者」ですから、ウィキペディア日本語版の管理者がプロバイダ責任制限法の適用を受けるとは考えにくいように思います。なお、プロバイダ責任制限法は、わいせつ物陳列や児童ポルノなどは扱っていません。
国内のプロバイダの責任に関する裁判例の概観は「プロバイダ責任制限法に係る事業者対応. 及び係争事案等の動向調査報告書」(平成18年2月。PDF)で、ある程度得られます。著作権が中心ですが、合衆国のことも含めてまとめられている山本隆司「プロバイダ責任制限法の機能と問題点」(2002年)のほうがわかりやすいかもしれません。日本の管理者がプロ責法で扱われるかどうかはわかりませんが、立法以前の裁判例がいくつかあり、運営者だけではなく、いわゆる管理人、シスオペ個人の責任が問われています。意見や論理が一審と控訴審で食い違っているものもありますが、判断の基準はある程度つかめると思います。
- 「そのフォーラムのシステム・オペレーターが、フォーラムに他人の名誉を毀損する発言が書き込まれていることを具体的に知ったと認められる場合には、当該システム・オペレーターは、その者の名誉が不当に害されることがないよう必要な措置をとるべき条理上の作為義務があるとし、作為義務違反についてシステム・オペレーターが不法行為責任を負う」。(現代思想フォーラム事件一審[4])
- 「一定の場合,シスオペは,フォーラムの運営及び管理上,運営契約に基づいて当該発言を削除する権限を有するにとどまらず,これを削除すべき条理上の義務を負うと解するのが相当である」。(現代思想フォーラム事件控訴審[5])
- 「ネットワークの管理者が名誉毀損文書が発信されていることを現実に発生した事実であると認識し」、「名誉毀損文書に該当すること、加害行為の態様が甚だしく悪質であること及び被害の程度も甚大であることなどが一見して明白であるような極めて例外的な場合」に限定して、ネットワークの管理者が発信を妨げるべき義務を被害者に対する関係においても負う。(都立大学事件[6]/「3 都立大担当職員が原告らとの関係で本件文書の削除義務を負うかどうか」以下)
- 現代思想フォーラム事件に関係して合衆国の不法行為法を応用して法学者が検討したものとして[7]
とはいえ、先行する判例を踏まえての立法として、プロ責法も参考になるでしょう。同法3条では、「技術的に」削除できることに加え、情報の流通および権利侵害を知っていたとき、又は知ることができたと認めるに足りる相当な理由があるときでなければ、削除しなくても損害賠償責任が発生しないとされています(要件に該当した場合に当然に損害賠償責任があることとなるわけでもない)。善意無過失なら損害賠償責任は発生しない。悪意、過失なら発生する。削除については「技術的に」です。山本「・・・の機能と問題点」では、監視義務はなく、確認義務と削除義務がある、としています(13ページ)。別論で侵害が明白な場合はほとんどないとしていますが(9ページ)、2ちゃんねるがらみの事件では侵害が認められている例があります。著作権だと、たとえば小学館事件控訴審[8]。
プロ責法の築城解説(関連情報webサイト)によれば
- 「認めるに足りる相当の理由」とは、通常の注意を払っていれば知ることができたと客観的に考えられることである。どのような場合に「相当の理由」があるとされるのかは、最終的には司法判断に委ねられるところであるが、例えば、関係役務提供者が次のような情報が流通しているという事実を認識していた場合は、相当の理由があるものとされよう。
- 通常は明らかにされることのない私人のプライバシー情報(住所、電話番号等)
- 公共の利害に関する事実でないこと又は公益目的でないことが明らかであるような誹謗中傷を内容とする情報
- 逆に、以下のような場合には、「相当な理由があるとき」には該当せず、関係役務提供者は責任を負わないものと考えられる。
- 他人を誹謗中傷する情報が流通しているが、関係役務提供者に与えられた情報だけでは当該情報の流通に違法性があるのかどうかが分からず、権利侵害に該当するか否かについて、十分な調査を要する場合
- 流通している情報が自己の著作物であると連絡があったが、当該主張について何の根拠も提示されないような場合
- 電子掲示板等での議論の際に誹謗中傷等の発言がされたが、その後も当該発言の是非等を含めて引き続き議論が行われているような場合
わいせつ物陳列罪など刑法に関しての学説は総務省の資料がありました[9]。これをみると、プロバイダに責任を負わせることは難しいという意見が多いですが、少数ながら「違法な情報の存在を知りながら一定期間放置した場合、情報発信者の犯罪の幇助罪に問われる可能性がある」というような意見があります。
あとは、名誉毀損となる投稿を行った者からの削除要請に対して管理人が削除が行なわれなかったときに、投稿者の不法行為の終了は削除要請をしたところで終了しているという判例がありますね。
これらを概観すると、加害者でも被害者でもない立場が責任を負わされる場面は、かなり限定されます。それがまあ、プロ責法の「技術的に」削除できることに加え、情報の流通および権利侵害を知っていたとき、又は知ることができたと認めるに足りる相当な理由があるとき、でしょうね。監視義務はないから、知らなければ問題はない。知っていたなら、注意義務や削除義務が生じることがある。しかし、それでも権利侵害かどうかの判断が難しければ、たいてい大丈夫。権利侵害が明白という範囲は、上記のとおりかなり狭いと考えられますし。
で、管理者は技術的に削除することが可能です、削除依頼の対処をする管理者は記述の存在を「知っていた」はずであり、対処していない管理者は、制度面からも実態からも記述の存在を「知ることができたと認めるに足りる相当な理由がある」とは言いにくい。とすると、削除した管理者が侵害しているのだと知っていたかどうか、が問われます。権利侵害かどうかの判断が難しければ、たいてい大丈夫としても、明らかに「侵害が明白」と判断されるようなものなら責任を問われる可能性は残ります。プロ責法では技術的な削除能力が要件になっているので、決定権がないという抗弁が通らない可能性もまた残っています。
コミュニティと技術的な削除権限保有者の関係もまた、難しいところです。審議参加者がそれなりの知識を持っているとは限りませんし、たとえば、悪意ある利用者が多重アカウントを用いて、侵害が明白な削除依頼に存続票が集まり、それに気付かないまま対処の時期を迎えるようなこともあるでしょう。考えられる一つは、技術的な削除権限保有者は合意に基づき機械的に対処するために責任を負わず、審議参加者が分散して責任を負う、あるいは技術的削除権限保有者および審議参加者が共同して責任を負う、あるいは技術的な削除権限保有者を最終判断者として重視し、コミュニティの意見は決定に対して支配的だが助言や説明に留まるものと捉える。どれになるかはわかりません。三つ目の事案として捉えるなら、原告らが、被告らに対し、主位的に、被告らが訴外会社らに対し誤った説明、指導をしたことが著作権侵害行為の教唆、幇助に当たると主張し、予備的に、被告らの不作為により訴外会社らによる著作権侵害を招いたと主張して、民法709条、719条2項に基づき、損害賠償を請求した事案として、国語副教材への作品無断使用事件(日本図書教材協会)[10]という例があります。
ウィキペディアの文書としては、管理者は、明らかなプライバシー侵害の場合や非公開での議論の必要がある場合、管理者・削除者は通常の審議を省略して削除する場合もあります(Wikipedia:削除の方針)し、出典無しに否定的な論調の存命人物の伝記を発見したが、差し戻すべき中立的な観点による版がない場合、議論を経ることなくその記事を削除すべき(Wikipedia:存命人物の伝記)です。Wikipedia:即時削除の方針からは、「(列記した条件に合致する)著作権侵害が明白であると判断されるもの(全般9)や「ファイルの内容およびファイルページの記述によれば、著作権法上の理由により自由利用できないことが明らかであって、自由利用できないファイルの受け入れ方針にも適合しないファイル」(ファイル6)は、即時削除ができます。削除の合意がないものについての存続終了に対して、ケースBに該当する案件は対象外としています(Wikipedia:削除の方針)。
これらは、管理者自身が侵害が明白と判断できる場合に、削除を可能とすることで侵害がある状態を早期に回避させることができ、コミュニティが存続としていても侵害が明白と判断している場合に、管理者が存続で終了させることで責任を負うはめになってしまうことを避けられるようになっています。
ここまでの法的なことについてのまとめは、利用者ページのサブページ(利用者:Ks_aka_98/管理者の責任)にも残したので、除去してもかまいません。
冒頭、このような案件について管理者がどう対処すべきかと言うと、侵害が明白なものというのは、ウィキペディアの方針やこれまでの慣習で判断されるものよりも、十分狭い範囲になっていますから、管理者としては、たいていのものは依頼での審議に沿って対処すれば、問題とはならないでしょう。また、いちおう管理者に信任されているのですから、本人の常識的な判断で侵害が明白と思わなければ、問題になることはめったにないと思います。ただし、存続で合意していると思われるが、審議の様子から、適切な審議が行なわれていないと考えられ、自分としては侵害が明白だと考えるものまでを、審議に沿って存続で終了させてしまうことは、リスクを生じさせます。そうした場合に、侵害が明白であるかどうかに十分な自信がなければ終了させないことでリスクを回避できますし、あるいは侵害が明白だと判断できるなら削除で終了させることを方針やガイドラインは許容しています。--Ks aka 98(会話) 2013年10月8日 (火) 17:07 (UTC)