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2009年に撮影された写真では、通常のクリオネを太らせたような[[雪だるま]]もしくは[[ヒョウタン]]型の形状をしている。ハダカカメガイや ''{{lang|la|C. antarctica}}'' が寒冷な海を好むのに対し、本種は比較的温暖な海に生息すると考えられている<ref name="asahi20090121">[http://web.archive.org/web/20090123223353/http://www.asahi.com/science/update/0121/TKY200901210176.html 海にふわふわ、幻の「雪だるま」 60年ぶり確認]2009年1月21日15時1分 記者・山本智之 asahi.com (web archive)</ref>。
2009年に撮影された写真では、通常のクリオネを太らせたような[[雪だるま]]もしくは[[ヒョウタン]]型の形状をしている。ハダカカメガイや ''{{lang|la|C. antarctica}}'' が寒冷な海を好むのに対し、本種は比較的温暖な海に生息すると考えられている<ref name="asahi20090121">[http://web.archive.org/web/20090123223353/http://www.asahi.com/science/update/0121/TKY200901210176.html 海にふわふわ、幻の「雪だるま」 60年ぶり確認]2009年1月21日15時1分 記者・山本智之 asahi.com (web archive)</ref>。

=== トヨオカハダカカメガイ ===
2010年5月、体長約5ミリのクリオネが、豊岡市瀬戸の[[日和山海岸]]で見つかり、和名「トヨオカハダカカメガイ」がつけられている<ref name=baka201005/>。本種は、世界中の温・熱帯水域に分布する<ref>{{cite web |title=流氷の天使「クリオネ」の一種に「トヨオカ」の和名がついた! |author=環境経済部 大交流課 |publisher=豊岡市役所 |url=http://www.city.toyooka.lg.jp/www/contents/1368428077160/index.html |accessdate=2013-5-22 |archiveurl=http://megalodon.jp/2013-0522-1227-19/www.city.toyooka.lg.jp/www/contents/1368428077160/index.html |archivedate=2013年5月22日 12:27 }}</ref>。また、[[但馬]]地方の海岸には5-7月に現れる<ref name=baka201005>「{{cite news |title=クリオネに和名 豊岡の水族館飼育員発見 : 兵庫 : 地域 |newspaper=YOMIURI ONLINE(読売新聞) |date=2013年5月22日 |url=http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130521-OYT8T01480.htm |accessdate=2013-5-22 |archiveurl=http://megalodon.jp/2013-0522-1201-47/www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130521-OYT8T01480.htm |archivedate=2013年5月22日 12:01 }}」</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
<references />
<references />

== 外部リンク ==
* {{cite news |title=クリオネの和名に「豊岡」 兵庫の水族館飼育員が命名 - 兵庫 - 地域 |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2013年5月16日 |url=http://www.asahi.com/area/hyogo/articles/OSK201305150112.html |accessdate=2013-5-22 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20130520023606/http://www.asahi.com/area/hyogo/articles/OSK201305150112.html |archivedate=2013-5-20 }}


{{commonscat|Clione}}
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2013年5月25日 (土) 01:37時点における版

クリオネ
ハダカカメガイ Clione limacina
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
: 裸殻翼足目 Gymnosomata
後鰓目 Opisthobranchia
亜目 : 裸殻翼足亜目 Gymnosomata
: ハダカカメガイ科(クリオネ科) Clionidae
: クリオネ属 Clione
学名
Clione Pallas1774
  • Clione antarctica
  • ハダカカメガイ Clione limacina
  • ヒョウタンハダカカメガイ Clione sp.
ハダカカメガイ。神戸市立須磨海浜水族園での展示。
ハダカカメガイ。オホーツク流氷館での展示。

クリオネ (Clione) は、軟体動物門腹足綱裸殻翼足類(裸殻翼足目、または後鰓目裸殻翼足亜目)ハダカカメガイ科の1属である。クリオネ属ハダカカメガイ属。日本ではハダカカメガイ(裸亀貝) Clione limacina が知られる。

ギリシア神話に登場する文芸の女神たちムーサイの一柱クレイオーΚλειώ, ラテン語Clio)に、由来する。

特徴

巻貝の仲間であるが、成長すると完全に貝殻を失う(裸殻翼足類共通の特徴である)。

体は透明な部分が多く、体の前半に局在する内臓のみが不透明である。胴体の前部に透明な1対の翼足 (pteropods) があり、翼足を動かして遊泳する。この姿から「流氷天使」あるいは「氷の妖精」と呼ばれ、英語では sea angel とも呼ばれる[1]。ただしsea angel はもっと広く、裸殻翼足類の総称的に使われることが多い。

分布

両極をかこむ寒流域に広く分布している。日本でも北海道沿岸の海でハダカカメガイ Clione limacina が一年中見られる。カナダ西海岸のクリオネは、体長が一回り大きく、食物の違いで内臓が緑色をしている。

ハダカカメガイ

北極海、北大西洋、北西太平洋の寒流域に棲息する。表層0mから600mまで生息し、表層(200m以浅)を中心に分布する[2]

体長は約1 - 3cm。体はほぼ円筒形、前方にある左右に張った翼状の足(翼足)を羽ばたくようにして水中を泳ぐ。体は頭部と腹部に分かれており、半透明で体内が透けて見える。赤く見えるのは生殖腺や中腸腺である。遊泳力は強いものではなく、プランクトンとして生活している[2]。幼年期初期には植物プランクトンをろ過捕食し、成長後に肉食性を示す[2]。餌は小動物、特に近縁な翼足類のミジンウキマイマイ(Limacina helicina)等。嗅覚によりそれを見つけると接近し、頭部からバッカルコーン BuccalCone(口円錐)と呼ばれる六本の触手を伸ばし、それで餌を抱え込むようにして、その養分をゆっくりと吸収する。肉食に成長したクリオネは飢餓に強く、1年間の絶食にも耐える[2]

種小名の limacinaラテン語ナメクジ limax の女性属格(ナメクジの)である。

Clione antarctica

南極海カナダアラスカ北欧の寒流域に棲息する。

ヒョウタンハダカカメガイ

ヒョウタンハダカカメガイ

1950年代和歌山県沖から報告されてはいたが、それ以降は論文中のスケッチが残るのみで、標本も和名もなかった[3]2009年静岡県沼津市大瀬崎にて潜水中の水中写真家の峯水亮により捕獲され、同定は奥谷喬司東京水産大名誉教授が行い、約60年ぶりに再発見された[3]。再発見に伴い「ヒョウタンハダカカメガイ」の和名が付けられたが、学名はまだない[3]

2009年に撮影された写真では、通常のクリオネを太らせたような雪だるまもしくはヒョウタン型の形状をしている。ハダカカメガイや C. antarctica が寒冷な海を好むのに対し、本種は比較的温暖な海に生息すると考えられている[3]

脚注

  1. ^ 日本おさかな雑学研究会 『頭がよくなる おさかな雑学大事典』 p.100 幻冬舎文庫 2002年
  2. ^ a b c d 地球の鼓動に耳をすませば -東海大学新聞連載コラム- (32)流氷の使者クリオネ 東海大学新聞掲載日2004年2月20日 著者・浜岡荘司紋別市流氷都市推進室参事 東海大学新聞編集委員会深海の天使♥ 2013-01-26 13:14:28 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ どちらも2013年1月28日閲覧。
  3. ^ a b c d 海にふわふわ、幻の「雪だるま」 60年ぶり確認2009年1月21日15時1分 記者・山本智之 asahi.com (web archive)