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「恵那山」の版間の差分

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|画像=[[ファイル:Ena.jpg|300px]]<br /><span style="font-size:90%;">馬籠宿から見た恵那山 ({{jdate|2006|2}}撮影)</span>
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'''恵那山'''(えなさん)は[[長野県]]と[[岐阜県]]にまたがる標高2,189.8mの[[山]]で、[[木曽山脈]](中央アルプス)の最南端である。[[日本百名山]]の一つ。頂は[[阿智村]][[中津川市]]の境界る。
'''恵那山'''(えなさん)は[[長野県]][[阿智村]]と[[岐阜県]][[中津川市]]にまたがる、[[木曽山脈]](中央アルプス)の最南端の[[標高]]2,190[[メートル|m]]の[[山]]である。[[日本百名山]]<ref>[[深田久弥]]の著書『日本百名』([[朝日新聞社]]、ISBN 4-02-260871-4)</ref>及び[[花の百名山]]<ref>[[田澄江]]の著書『花の百名山』([[文春文庫]]、ISBN 4-16-352790-7)</ref>選定されている。


== 概要 ==
== 概要 ==
古くは胞山、胞衣山とも書かれ、また角度により船を伏せたように見える事から船伏山 (ふなふせやま) などとも呼ばれた。
古くは胞山、胞衣山とも書かれ、また角度により船を伏せたように見える事から船伏山 (ふなふせやま) などとも呼ばれた。[[濃尾平野]]の広範囲の地域から、その大きな櫛形の山容を望むことができる。[[国土地理院]]の[[地形図]]には、山頂の三角点の北西に標高2,191mの最高点がある
北東側には、山を貫く形で[[中央自動車道]]の[[恵那山トンネル]]が通っている。山頂には、[[一等三角点]]、展望台、[[恵那神社]]奥宮本社がある。山頂展望台は、周囲に[[トウヒ]]や[[コメツガ]]などの背が高い[[針葉樹林]]があるため、展望はあまり良くない。[[中津川 (岐阜県) |中津川]]の[[支流]]である黒井沢からの[[登山道]]と主稜線の合流点には、恵那山頂[[避難小屋]]があり、その裏の岩場からは、[[北アルプス]]、[[中央アルプス]]、[[南アルプス]]、[[富士山]]などの展望が得られる。


== 歴史 ==
北東側には、山を貫く形で[[中央自動車道]]の[[恵那山トンネル]]が通っている。
*[[1893年]]([[明治]]26年)[[5月11日]]に、[[英国人]]の[[ウォルター・ウェストン]]が前宮ルートより登頂した。

*[[1951年]]([[昭和]]26年)[[11月22日]]に、長野県の[[中央アルプス県立自然公園]]に指定された。
== 登山ルート ==
*[[1959年]](昭和34年)に、黒井沢林道からの黒井沢ルートの[[登山道]]が整備された。
* 黒井沢ルート
*[[1960年]](昭和35年)[[4月21日]]に、[[日本百名山]]の[[著者]]である[[深田久弥]]が黒井沢ルートから登頂し、神坂ルートを下り、翌日[[萬岳荘]]に宿泊した。
* 神坂峠ルート
*[[1975年]](昭和50年)[[8月23日]]に、[[中央自動車道]]の[[恵那山トンネル]]が開通した。
* 広河原ルート
*[[1987年]](昭和62年)に、[[新・花の百名山]]の著者である[[田中澄江]]が黒井沢ルートから登頂し、[[オオチドメ]][[ズダヤクシュ]]の花及び恵那山をその著書で紹介している。また2年後に、同ルートで再登頂している。
* 前宮ルート
*[[1996年]]([[平成]]8年)に、[[ヘブンスそのはらSNOW WORLD|ヘブンスそのはらスキー場]]が開業した。
*[[2001年]](平成13年)[[10月7日]]に、長野県側の阿智村からの広河原ルートの登山道が開設された。
*2001年に、中津川市の川上に恵那山ウェストン公園が整備され、ウェストンの[[銅像]]が設置された。
*[[2006年]](平成18年)に、木製の櫓状の山頂展望台が建てられた。
*[[2007年]](平成19年)[[6月2日]]に、緑化作業中の[[東邦航空]]の[[ヘリコプター]]が山頂付近に[[墜落]]する事故が発生。
*2007年[[11月15日]]午前10時40分頃に、東邦航空の小型飛行機[[セスナ機|セスナ404]]が山頂付近に墜落する事故が発生。<ref>[http://ja.wikinews.org/wiki/%E5%B2%90%E9%98%9C%E7%9C%8C%E3%81%AE%E5%B1%B1%E3%81%AB%E5%B0%8F%E5%9E%8B%E6%A9%9F%E3%81%8C%E5%A2%9C%E8%90%BD 岐阜県の山に小型機が墜落]([[ウィキニュース]])[[登山道]]にいた登山者に倒木が当たり負傷したとされている。</ref>


== 信仰対象としての恵那山 ==
== 信仰対象としての恵那山 ==
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* 一宮社 ([[サルタヒコ|猿田彦大神]])
* 一宮社 ([[サルタヒコ|猿田彦大神]])


== 隣接する山 ==
== 山 ==
1893年(明治26年)5月11日に、英国人のウォルター・ウェストンが恵那山に登り、恵那山を全世界に紹介した。<ref>『日本アルプスの登山と探検』ウォルター・ウェストン(著)、青木枝朗(訳)、[[岩波文庫]]、ISBN 4-00-334741-2</ref>これを記念して、毎年5月11日に中津川市観光協会により、ウエストン祭が開催されている。冬期には積雪があり、春先の残雪期にも注意が必要である<ref>[http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/wiki/%E6%81%B5%E9%82%A3%E5%B1%B1%E7%99%BB%E5%B1%B1%E6%99%82%E3%81%AE%E6%B3%A8%E6%84%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84 恵那山登山時の注意事項(恵那市HP)]</ref>。
* 神坂山
=== 登山ルート ===
* '''黒井沢ルート''' - 野熊ノ池、避難小屋と水場(山頂避難小屋から約250m下ったところに[[湧水|岩清水]])がある。
* '''[[神坂峠]]ルート''' - 展望が良い、強清水から鳥越峠及びアルプス展望台から千両山へのサブルートがある。
* '''広河原ルート''' - 長野県の阿智村からの最も新しい最短のルート。
* '''前宮ルート''' - 健脚向き、登山口への道路脇には恵那山ウェストン公園と恵那神社がある。

=== 周辺の山小屋 ===
{| class="wikitable"
|-
!画像
!名称
!収容人数
!所在地
!備考
|-
|[[File:Huts Enasanchogoya 2009-6-2.jpg|70px]]
|[[恵那山頂避難小屋]]
| 15人
|黒井沢ルートと<br>稜線との合流点
|無人の[[避難小屋]]<br>トイレ設置
|-
|[[File:Huts Nogumanoike 2009-6-2.jpg|70px]]
|[[野熊ノ池避難小屋]]
| 5人
|黒井沢ルート<br>野熊ノ池周辺
|無人の避難小屋
|-
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|[[萬岳荘]]
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|[[神坂峠]]<br>その先の林道終点
|期間外一部開放<br>[[阿智村]]
|-
|[[File:Huts Kamisakagoya 2007-10-23.JPG|70px]]
|[[神坂小屋]]
|
|富士見台高原と<br>神坂峠との中間点
|休憩所<br>トイレ設置
|-
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== 地理 ==
=== 周辺の山 ===
[[木曽山脈]](中央アルプス)南部の主稜線上にある。
{| class="wikitable"
!画像
!名称
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!備考
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|[[File:Nagisodake 2001-10-31.jpg|70px]]
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| 二等
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|[[前山]]
|1,351
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|[[富士見台高原]]
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|  5.4
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|-
|[[File:Misakayama from Fujimidaikougen 2007-10-23.JPG|70px]]
|[[神坂山]]
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| 三等
|  5.3
|<small>みさかやま
|- style="background-color:#ccc"
|[[File:Enasan from Nagisodake 2002-1-14.jpg|70px]]
|[[恵那山]]
|2,189.<small>81</small>
| 一等<ref>[http://sokuservice1.gsi.go.jp/datums/ 基準点成果等閲覧サービス]([[国土地理院]])</ref>
|  0
|<small>[[日本百名山]]</small>
|-
|[[File:Gthumb.svg|30px]]
|[[焼山]]
|1,709.<small>17</small>
| 三等
|  5.2
|
|-
|[[File:OokawairiyamaFromUmanose.jpg|70px]]
|[[大川入山]]
|1,907.<small>74</small>
| 二等
|  7.6
|
|}

=== 源流の河川 ===
源流となる[[河川]]は、[[伊勢湾]]と[[太平洋]]へ流れる。
* 中津川、落合川、湯舟沢川([[木曽川]]の[[支流]])
* 本谷川([[天竜川]]の支流)

=== 交通・アクセス ===
* 最寄りの駅は、[[東海旅客鉄道|JR東海]][[中央本線]]の[[落合川駅]]である。
* 最寄りの[[インターチェンジ]]は、[[中央自動車道]]の[[中津川インターチェンジ]]である。
* 山腹の北側を中央自動車道の恵那山トンネルが貫通している。
* [[神坂峠]]は、岐阜県と長野県の[[県境]]で林道が通る。2010年10月現在、長野県側の一部区間が通行止めとなっている。また「東山古道」の[[登山道]]が整備されている。
=== 恵那山の山容 ===
<gallery>
ファイル:Enasan from north 2010-9-17.JPG|<small>北の林道から望む恵那山
ファイル:Enasan from Nagisodake 2002-1-14.jpg|<small>[[南木曽岳]]から望む恵那山
</gallery>

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
* 『山と高原地図 木曽駒・空木岳 中央アルプス2010』[[昭文社]]、ISBN 978-4-398-75720-3
* 『ヤマケイ アルペンガイド 中央アルプス 御嶽山・白山』[[山と渓谷社]]、ISBN 978-4-635-01359-8
* 『改訂版 長野県の山』山と渓谷社、ISBN 978-4-635-02365-8
* 『改訂版 岐阜県の山』山と渓谷社、ISBN 978-4-635-02370-2
* 『改訂新版 名古屋周辺の山』山と渓谷社、ISBN 978-4-635-18017-7
* 『東海・北陸の200秀山 下(東海・信州編)』[[中日新聞社]]、ISBN 978-4-8062-0599-9
* 『新日本山岳誌』[[ナカニシヤ出版]]、ISBN 4-7795-0000-1
* 『中央アルプスの山旅 地形・地質観察ガイド』[[飯田市美術博物館]]


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{commonscat|Kiso Mountains|木曽山脈}}
* [[木曽山脈|木曽山脈(中央アルプス)]]、[[中央アルプス県立自然公園]]
* [[日本百名山]]、[[新・花の百名山]]
* [[恵那神社]]
* 恵那山[[ウォルター・ウェストン|ウェストン]]公園
* [[恵那山トンネル]]
* [[神坂峠]]
* [[神坂峠]]
* [[木曽山脈]]
* [[日本百名山]]
* [[夜明け前]]([[島崎藤村]]の小説)
* [[夜明け前]]([[島崎藤村]]の小説)
* [[ヘブンスそのはらSNOW WORLD]]

* [[恵那市]]、[[中津川市]]、[[阿智村]]
== 外部リンク ==
* [http://enasan.net 恵那山ねっと]

{{日本百名山}}
{{日本百名山}}



2010年10月28日 (木) 22:37時点における版

恵那山

馬籠宿から見た恵那山
標高 2,189.81 m
所在地 長野県下伊那郡阿智村
岐阜県中津川市
位置 北緯35度26分25秒 東経137度36分02秒 / 北緯35.44028度 東経137.60056度 / 35.44028; 137.60056
山系 木曽山脈
恵那山の位置(日本内)
恵那山
プロジェクト 山
テンプレートを表示
恵那山の風景

恵那山(えなさん)は長野県阿智村岐阜県中津川市にまたがる、木曽山脈(中央アルプス)の最南端の標高2,190mである。日本百名山[1]及び花の百名山[2]に選定されている。

概要

古くは胞山、胞衣山とも書かれ、また角度により船を伏せたように見える事から船伏山 (ふなふせやま) などとも呼ばれた。濃尾平野の広範囲の地域から、その大きな櫛形の山容を望むことができる。国土地理院地形図には、山頂の三角点の北西に標高2,191mの最高点がある。 北東側には、山を貫く形で中央自動車道恵那山トンネルが通っている。山頂には、一等三角点、展望台、恵那神社奥宮本社がある。山頂展望台は、周囲にトウヒコメツガなどの背が高い針葉樹林があるため、展望はあまり良くない。中津川支流である黒井沢からの登山道と主稜線の合流点には、恵那山頂避難小屋があり、その裏の岩場からは、北アルプス中央アルプス南アルプス富士山などの展望が得られる。

歴史

信仰対象としての恵那山

恵那山周辺地域ではこの山に天照大神が産まれた時の胞衣 (えな) を納めたという伝説が残っており、この山の名前の由来ともなっている。また古事記で日本武尊が科野峠 (神坂峠) で拝したのも恵那山の神である。

江戸時代中期には毎年修験道者が礼拝に訪れ、前夜に恵那神社で禊ぎをして登山を行っていた。また明治から大正時代にかけては道路や登山道が整備された事により恵那講が流行し、白装束を来た一般人が多く訪れるようになった。

現在、恵那山山頂の恵那神社奥宮には 7 つの社が置かれている (以下黒井沢ルートから見た順序)。

登山

1893年(明治26年)5月11日に、英国人のウォルター・ウェストンが恵那山に登り、恵那山を全世界に紹介した。[4]これを記念して、毎年5月11日に中津川市観光協会により、ウエストン祭が開催されている。冬期には積雪があり、春先の残雪期にも注意が必要である[5]

登山ルート

  • 黒井沢ルート - 野熊ノ池、避難小屋と水場(山頂避難小屋から約250m下ったところに岩清水)がある。
  • 神坂峠ルート - 展望が良い、強清水から鳥越峠及びアルプス展望台から千両山へのサブルートがある。
  • 広河原ルート - 長野県の阿智村からの最も新しい最短のルート。
  • 前宮ルート - 健脚向き、登山口への道路脇には恵那山ウェストン公園と恵那神社がある。

周辺の山小屋

画像 名称 収容人数 所在地 備考
恵那山頂避難小屋  15人 黒井沢ルートと
稜線との合流点
無人の避難小屋
トイレ設置
野熊ノ池避難小屋  5人 黒井沢ルート
野熊ノ池周辺
無人の避難小屋
萬岳荘  45人 神坂峠
その先の林道終点
期間外一部開放
阿智村
神坂小屋 富士見台高原と
神坂峠との中間点
休憩所
トイレ設置

地理

周辺の山

木曽山脈(中央アルプス)南部の主稜線上にある。

画像 名称 標高
m
三角点
等級
恵那山との
距離km
備考
南木曽岳 1,676.93  二等   17.3 日本三百名山
前山 1,351  三等   5.4 まえやま
富士見台高原 1,739   5.4 ふじみだいこうげん
神坂山 1,684.21  三等   5.3 みさかやま
恵那山 2,189.81  一等[6]   0 日本百名山
焼山 1,709.17  三等   5.2
大川入山 1,907.74  二等   7.6

源流の河川

源流となる河川は、伊勢湾太平洋へ流れる。

交通・アクセス

恵那山の山容

脚注

  1. ^ 深田久弥の著書『日本百名山』(朝日新聞社ISBN 4-02-260871-4
  2. ^ 田中澄江の著書『花の百名山』(文春文庫ISBN 4-16-352790-7
  3. ^ 岐阜県の山に小型機が墜落ウィキニュース登山道にいた登山者に倒木が当たり負傷したとされている。
  4. ^ 『日本アルプスの登山と探検』ウォルター・ウェストン(著)、青木枝朗(訳)、岩波文庫ISBN 4-00-334741-2
  5. ^ 恵那山登山時の注意事項(恵那市HP)
  6. ^ 基準点成果等閲覧サービス国土地理院

参考文献

関連項目

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