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西武新宿線

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西武新宿線
神田川にさしかかる(高田馬場-下落合、2004年12月)
神田川にさしかかる(高田馬場-下落合、2004年12月)
神田川にさしかかる(高田馬場-下落合、2004年12月)
路線総延長47.5 km
軌間1067 mm
電圧1500 V 架空電車線方式直流
最高速度105 km/h
1: JR東山手線中央線
2: 小田急小田原線
1 2 3 4
3: 京王京王線
STR STR tSTR tSTR
4: 大江戸線都営大江戸線
exKBHFa HST KHSTe tKHSTe tHST
新宿駅(西武駅は未成)
exSTR STR tABZfg
大江戸線都営大江戸線
xKRZt KRZt
tSTRq tKRZt
丸ノ内線丸ノ内線
exSTR STR
新宿西口駅
tSTR
0.0 西武新宿駅
KRZt KRZt tSTRq tSTRq tSTRrf
大江戸線都営大江戸線
STR ABZlf STRq
JR東:中央線
STR HST
新大久保駅
ÜWol ÜWol clu ÜWc3
ÜWc1 ÜWo+r cro ÜWo+r
都電15系統
2.0 高田馬場駅
KRZt KRZt
東西線東西線
WBRÜCKE WBRÜCKE
神田川
STRq KRZu STRrf
山手線
BHF
3.2 下落合駅
tSTRq KRZt
大江戸線都営大江戸線
3.9 中井駅
BHF
5.2 新井薬師前駅
BHF
6.1 沼袋駅
BHF
7.1 野方駅
BHF
8.0 都立家政駅
BHF
8.5 鷺ノ宮駅
eBHF
9.2 西鷺宮駅 -1953
BHF
9.8 下井草駅
BHF
10.7 井荻駅
BHF
11.7 上井草駅
ABZrg KDSTr
上石神井車両基地
BHF
12.8 上石神井駅
BHF
14.1 武蔵関駅
BHF
15.3 東伏見駅
BHF
16.3 西武柳沢駅
BHF
17.6 田無駅
BHF
19.9 花小金井駅
eBHF
21.2 東小平駅 -1954
ÜWc2 ÜWor
ÜWo+l ÜWc4
BHF
22.6 小平駅
ABZlf
拝島線
STR HST
萩山駅
STR ABZlf STRlg KHSTa
国分寺駅
STR
STR STR
多摩湖線→↓
KRZt KRZt KRZt tSTRq KRZt
武蔵野線
STR STR
STR
拝島線
STR STR STR
国分寺線
STR STR ABZfg HSTq ABZgf
小川駅
STR STR
STR
国分寺線
STR ÜWol ÜWur
拝島線
STR ÜWu+l ÜWo+r KHSTe
拝島駅
BHF LUECKE LUECKE
24.6 久米川駅
ABZrg
STR
国分寺線
BHF STR
26.0 東村山駅
ABZlf
STR
西武園線
STR STR STR
西武園駅
STR KHSTe KHSTe
西武遊園地駅
ÜWol ÜWc3 KHSTa
西武球場前駅
ÜWc1 ÜWo+r STR
狭山線
STR LUECKE STRrg
池袋線
STR STRlf ABZlg
STR HST
西所沢駅
STRrg KRZu STRq STRrf
STRlf ABZdlg exKDSTr
所沢工場 -2000
BHF
28.9 所沢駅
STRq ABZrf
池袋線
eBHF
29.5 所沢御幸町駅 -1951
BHF
30.5 航空公園駅
BHF
31.7 新所沢駅
DST
33.7 南入曽信号所
ABZlf KDSTr
南入曽車両基地
BHF
35.6 入曽駅
BHF
38.6 狭山市駅
BHF
41.3 新狭山駅
BHF
43.9 南大塚駅
eABZlf exKDSTr
安比奈線
eHST
川越競馬場前駅 -1939頃
DST
46.6 脇田信号所
KRZu STRrf
川越線
KRZu HSTq
東武東上本線
STR
川越駅
STR
川越市駅
KBHFe
47.5 本川越駅

新宿線(しんじゅくせん)[1]は、東京都新宿区西武新宿駅埼玉県川越市本川越駅とを結ぶ西武鉄道鉄道路線である。

路線データ

運転

運転される列車種別は、下記列車種別の項のとおりであるが、基本的に途中駅まで急行運転し、以遠が各駅停車となる典型的な郊外電車型の運転形態である。また、山手線周辺から郊外に伸びる総延長15km以上の大手私鉄路線では、唯一地下鉄との相互乗り入れを行っていない。

新宿線内のみを運転する列車のほかに、接続する西武の他線との直通運転が多く設定されている。

  • 拝島線 … 終日にわたり急行と普通が直通しているほか、準急も一部が直通し、日中には拝島快速が運転されている。
  • 多摩湖線西武遊園地駅方面) … 平日朝ラッシュ時を中心に直通急行を設定している。土休日は多摩湖線への行楽用の直通急行を運転。
  • 西武園線西武園競輪開催時に、西武園駅からの直通列車が運転されることがある。なお、1998年3月まで西武新宿駅からの西武園駅行き快速急行の設定があった。
  • 国分寺線 … 日中に国分寺駅 - 本川越駅間の列車が設定されている。2003年3月から2008年6月までの国分寺駅 - 新所沢駅間の列車を延長したものである。
  • 西武ドームプロ野球が行われる日は、所沢駅から池袋線を経由して狭山線との直通運転が実施される。

車両基地は、上石神井と南入曽、拝島線の玉川上水に設置されている。

列車種別

停車駅は駅一覧を参照。

2008年6月14日現在の種別

特急

終日運転される有料特急。「小江戸」の愛称があり、全列車が西武新宿 - 本川越間の往復である。

1993年までは西武新宿 - 西武秩父まで、休日のみ「おくちちぶ」号を運転していたほか、送り込みとして西武新宿 - 本川越間(上りは所沢始発)を1往復「むさし」号として運転していた。

快速急行

現行の快速急行は1998年のダイヤ改正で登場した、全線にわたって急行運転を実施する速達列車。全列車が西武新宿 - 本川越の運転で、平日の日中に上下線で運行されるほか、同様に平日の下りのみ朝8時台に2本運行されている。土休日の運行はない。平日の日中は、60分サイクルのパターンダイヤの中で、西武新宿、本川越とも特急と交互に30分間隔で発車し、全線の所要時間が特急とほぼ変わらないことから、特急を補完する役割も果たしているといえる。また、全列車とも東村山または新所沢で先行する列車に接続する。以前は8両編成でも運行されていたが、原則10両編成で運転される。

2007年3月6日のダイヤ改正から東村山駅狭山市駅が停車駅に追加されたが、西武新宿 - 本川越間の最短所要時間は改正前と同じ47分のままである。これに伴い、同改正まで狭山市駅には快速急行の上の種別である特急が停車し、代わりに快速急行は新所沢駅に停車する千鳥停車を行っていたが、それも解消された。

特急「小江戸」運転開始前は土休日のみの運転であり、基本的には西武新宿 - 西武遊園地、西武園(競輪開催時のみ。平日にも運転)、西武球場前(野球開催時のみ)、本川越間での運転であった。停車駅も現行とは異なり、本川越発着については西武新宿、高田馬場、鷺ノ宮、田無、所沢、狭山市、本川越。その他については西武新宿 - 田無間の急行停車駅、小平、(西武遊園地発着; 萩山、西武遊園地、晩年は八坂、武蔵大和にも停車)、東村山、(西武園発着;西武園)、所沢、西所沢、西武球場前だった。また本川越発着の列車に関しては通称「ゴルフ急行」と呼ばれていた時期もあった。西武球場前・西武遊園地発着の列車は現在は急行に格下げされている。

通勤急行

通勤急行は本川越、所沢からの高田馬場、西武新宿方面への速達を目的に平日朝ラッシュ時の本川越駅発2本のみ運転される。後述の急行では各駅に停車する本川越駅 - 田無駅間も急行運転を実施する。拝島線の乗換駅である小平は停車しない。同時間帯には、急行も運転される。

1993年、それまで運転されていた平日朝ラッシュ時の千鳥停車の急行の停車駅を明確にする目的で、今は無き快速と共に登場した。当時は現在のように田無駅以西では急行運転を実施せず、田無駅 - 高田馬場駅間で上石神井駅に停車し、鷺ノ宮駅を通過する種別を通勤急行と呼称した。現在の停車駅となったのは2001年12月からで、朝ラッシュ時の所沢・本川越方面から西武新宿方面への速達列車の色合いが強くなった。

拝島快速

2008年6月14日のダイヤ改正より新設された種別。平日・土休日とも日中に運転される。急行よりも上位の種別であり、西武新宿 - 拝島間を急行より3分短い所要時間43分で結んでいる。すべての列車が西武新宿 - 拝島間で運行される。拝島線では急行以下の種別は各駅に停車するため、拝島線唯一の優等種別となっているほか、新宿線内でも、急行の停車する花小金井駅を通過する。また、すべての列車が田無駅で玉川上水発着の各駅停車と接続し、小平駅で本川越・新所沢発着の各駅停車と接続する。英文種別表記は池袋線系統の快速と同様、「Rapid」であるが、30000系20000系6000系などの英語放送では、「Haijima Rapid」と放送される。

また、車両の種別表示においては方向幕を使用した車両(2000系、6000系更新前)は漢字で「拝島快速」と表示するのに対し、LEDを使用した車両では前面のみ「拝島快速」と表示し、側面表示では「拝島」が省略されて単に「快速」となる。

ほとんどの電車が10両編成で運転されるが、土・休日の一部電車は折り返し前後が各駅停車であることから8両編成で運転されるものもある。

急行

急行は本川越方面は終日、拝島方面は朝・夕に運転される。基本的には西武新宿 - 新所沢・本川越・拝島間で運転されている。2008年6月14日ダイヤ改正で日中の拝島行きはすべて拝島快速に置き換えられた(2003年3月 - 2008年6月13日は、拝島方面は日中時間帯も運行していた。それ以前は朝・夕のみの運行)。また上りには玉川上水駅始発の電車が設定されている。

なお平日朝時間帯には萩山駅で連結・切離する前6両拝島駅・後4両多摩湖線直通西武遊園地駅発着の電車が設定されており、これには2000系と2000N系限定により運転されている。ラッシュ時は10両での運転となるが、通常は8両編成がほとんどである。ラッシュ時の一部列車は東村山か鷺ノ宮で特急に追い抜かれることがある。2008年6月14日のダイヤ改正までは昼間時間帯に快速急行に追い抜かれる列車もあった(現在は朝の下り1本のみ)。

さらに土休日には西武遊園地発着の急行も存在する。また競輪開催時には西武園駅発着の急行も運転されることもある。これらの列車は多摩湖線・西武園線のホームの有効長の関係で8両で運転される。また野球開催時には、臨時で西武球場前行きの急行(土休日の野球開催時には前述の西武遊園地発着の列車の立て替えを行う)を運転することがある。

下り列車は田無駅以西でも種別表示は続けるものの、各駅停車として案内される。

1993年のダイヤ改正以前は、平日朝ラッシュ時の上りに限り通常の急行の他にも、田無駅 - 高田馬場駅間で上石神井駅にのみ停車する急行と、鷺ノ宮駅にのみ停車する急行が運転されていた。停車駅こそ違ったが、どの種別も一括して「急行」と呼称され不明確であったため、ダイヤ改正後は前者を快速と、後者を通勤急行と呼称するようになった。

準急

準急は早朝と平日朝ラッシュ時と日中、そして終電前のみの設定(ただし平日夜間にも上り3本あり)で、急行を補完する。西武新宿 - 田無・新所沢・本川越の運転系統が基本であるが、時間帯によっては少数ではあるが拝島線に直通する列車もある。かつては野球開催時には西武球場前駅発着の列車も運転されることがあった。下り一本のみ上石神井で急行を待避する。

日中は上石神井で上石神井始発の普通との乗り換えを考慮している。平日夜間上り3本の準急(本川越または新所沢始発)は運転時間外だがそのうち2本は東伏見で特急を待避させるために急行から準急に変更されている列車である(残りの1本も東伏見で特急通過待ちしていたが現在は東村山で退避しているためその名残として残されている)。

日中は拝島系統の急行が設定されるまでは20分おきであったがそれ以降は30分おきで運行されている。

下り列車は上石神井駅以西でも種別表示は続けるものの、各駅停車として案内される。

各駅停車

各駅に停車する。全線を運転する列車のほか、西武新宿 - 上石神井・田無・新所沢の各駅までの区間列車、西武新宿・田無 - 玉川上水・拝島への拝島線直通列車、本川越 - 国分寺間の国分寺線直通列車が運転される。各駅停車のみ停車する下落合駅 - 都立家政駅下井草駅 - 上井草駅の各駅のホームの長さは8両分しかないため、基本的に8両編成で運転されるが、国分寺線からの直通列車(こちらは国分寺線の各駅のホーム有効長が6両編成のため)や昼間時間帯の一部列車は6両で、早朝・深夜には出入庫の関係で同区間を含まない列車が10両で運転される場合もある。野球開催時には西武球場前始発の本川越行きの列車も運転されることがある。

平日早朝には上石神井駅始発の拝島行(前6両)・西武遊園地駅行(後4両)がある。またかつては西武新宿駅発着の拝島行(前4両)・西武遊園地駅行(後4両)が終日に設定されていたり、夕方に10両で上石神井始発本川越行も存在した。

2008年4月頃まで駅の案内表や案内では、「準急」以上の列車の各駅停車区間も含めて「各駅停車」「各停」として案内されていたが、列車に表示される種別表記は「普通」となっていた。だが、日立製作所で新造された30000系や東急車輛製造で更新工事が行われた新2000系に搭載されたフルカラーLED表示機において「各停」の表記がなされるようになったのを皮切りに、新旧2000系・3000系・6000系・9000系・20000系において幕交換やLED表示機のロム書き換えが行われ、「各停」の表記を行うようになった。英文種別表記は、「普通」でも「各停」でも「Local」であるが、新字幕やLED表示機ではすべて大文字となっている。

廃止された種別

快速

快速は1993年から2001年12月のダイヤ改正まで存在した種別。通勤急行(前述)と同様に、それまで運転されていた平日朝ラッシュ時の千鳥停車の急行の停車駅を明確にする目的で運転された。上りのみの設定で、拝島駅・西武遊園地駅 - 西武新宿駅間に9本運転され、停車駅は田無駅までの各駅・鷺ノ宮駅・高田馬場駅・西武新宿駅であった。このように、田無駅 - 高田馬場駅間で上石神井駅を通過し、鷺ノ宮駅に停車するという、当時の通勤急行とは千鳥停車になるダイヤだった。しかし乗客からは「まぎらわしい」と不評であったため、当時の通勤急行は停車駅の変更がなされ、当種別は急行に統合され消滅した。

なお、2001年12月のダイヤ改正以降は現在に至るまで、田無駅 - 高田馬場駅間で千鳥停車となる種別は運行されていない。

待避・接続の状況

平日日中

平日日中(およそ11時台から16時台)は30分サイクルに以下の12系統の列車が走る。

  1. 西武新宿 - 本川越間運転の特急(7両編成)(60分間隔 2と交互運転)  
  2. 西武新宿 - 本川越間運転の快速急行(60分間隔 1と交互運転) 
  3. 西武新宿 - (拝島線) 拝島間運転の拝島快速  
  4. 西武新宿 - 本川越間運転の急行 
  5. 西武新宿 - 本川越間運転の準急  
  6. 西武新宿 - 本川越間運転の各駅停車(60分間隔 7と交互運転)  
  7. 西武新宿 - 新所沢間運転の各駅停車(60分間隔 6と交互運転) 
  8. 西武新宿 - 上石神井間運転の各駅停車  
  9. 西武新宿 - (拝島線)拝島間運転の各駅停車 
  10. 西武新宿 - (拝島線)玉川上水間運転の各駅停車  
  11. 田無 - (拝島線)玉川上水間運転の各駅停車  
  12. (国分寺線)国分寺 - 本川越間運転の各駅停車(60分間隔)(6両編成)  

下りの待避・接続は以下の各駅で次のように行われる。

  • 沼袋駅にて6又は7は5の、8は1又は2と4の、10は3の通過待ちをする。
  • 鷺ノ宮駅にて3と9が接続する。
  • 上石神井駅にて4と10、5と8がそれぞれ接続する。
  • 東伏見駅にて7は3の通過待ちをする。
  • 田無駅にて3と11が接続する。
  • 小平駅にて3と6、4と9がそれぞれ接続する。
  • 東村山駅にて2と7が接続する。また、6は1の通過待ちをする。
  • 新所沢駅にて2と12が接続する。

上りの待避・接続は以下の各駅で次のように行われる。

  • 新所沢駅にて2と12が接続する。
  • 東村山駅にて2と7が接続する。また、6は1の通過待ちをする。
  • 小平駅にて3と6又は7、4と9又は10、5と9又は10がそれぞれ接続する。
  • 田無駅にて3と11が接続する。
  • 上石神井駅にて3と9、4と8がそれぞれ接続する。また9は1又は2の通過待ちをする。
  • 井荻駅にて6又は7は5の、8は1又は2の、10は4の通過待ちをする。
  • 沼袋駅にて8は3の、10は1又は2の通過待ちをする。
  • 中井駅にて6又は7は4の、9は5の通過待ちをする。

使用車両

新2000系や6000系が導入される1990年頃まで3ドア車の天下であった池袋線とは対照的に、1977年の2000系運転開始以来4ドア車の比率が高くなっている。

過去の車両

女性専用車

平日朝7:30 - 9:30に西武新宿駅に到着する上り急行・通勤急行・準急の進行方向先頭車両(実施区間は全区間)

  • 10両固定編成にあたる6000系6101F・6102Fと、20000系20101F - 20106Fのみ専用ステッカーを掲示している。この形態は東武東上線東武伊勢崎線によく似た事例である。

歴史

新宿線は、歴史的に川越鉄道が1895年(明治28年)に全通させた国分寺駅 - 川越駅間の一部(東村山駅以遠)と川越鉄道の後身である西武鉄道(旧)が1927年(昭和2年)に開業した東村山駅以東の区間に大別することができる。

国分寺 - 川越間の鉄道は、武蔵国入間、高麗、比企三郡の物産を貨物輸送する目的で1890年12月に仮免許が申請された。甲武鉄道が新宿 - 立川間をすでに開通させており、国分寺で接続して東京へ物資を運ぶ計画であった。翌91年に川越鉄道が設立され、93年に工事を委託された甲武鉄道によって川越・国分寺両側から工事が着工された。しかし柳瀬川架橋工事で、架橋が狭く大水時に水害を呼ぶと反対運動が起こったため、柳瀬川南岸に久米川仮駅を設置し、1894年12月21日に国分寺 - 久米川(仮)間が先に開業した[2]。これは現在の西武国分寺線に当たる。翌1895年3月21日に久米川(仮) - 川越(現・本川越)間が開通し、この路線が現在の西武新宿線の東村山駅以遠となっている。

川越鉄道は、東上鉄道武蔵野鉄道との競争から都心乗り入れを目指し、1916年に村山軽便鉄道の箱根ヶ崎 - 吉祥寺間の免許を譲り受け、1925年には井荻 - 高田馬場間、翌26年には高田馬場 - 早稲田間の免許を得た。川越鉄道は合併・分離を繰り返して西武鉄道(旧)となり、1927年4月16日に東村山 - 高田馬場間を村山線として複線・電化で開業。同年に東村山 - 川越間を電化し、現在と同じ高田馬場 - 川越間の直通運転を開始した。

新宿線全通当初の都心側ターミナルは高田馬場駅であったが、戦後、国鉄新宿駅への乗り入れを目論み現在の西武新宿駅の位置まで路線を延伸したものの果たすことができなかった。ルミネエスト新宿の2階には新宿線の新宿駅ができる予定だったため、天井の高さなどにその遺構を見ることができる。

  • 1894年(明治27年)12月21日 - 川越鉄道川越線国分寺駅 - 久米川(仮)駅間 (8.0km) 開業(非電化)。小川駅、久米川(仮)駅開業。
  • 1895年(明治28年)3月21日 - 久米川(仮)駅 - 川越駅(現在の本川越駅)間 (21.7km) 開業(非電化)。所沢駅、入曽駅、入間川駅、川越駅開業。
  • 1895年(明治28年)8月6日 - 東村山駅開業。
  • 1897年(明治30年)11月14日 - 南大塚駅開業。
  • 1927年昭和2年)4月16日 - 東村山駅 - 川越駅間電化(直流1500V、以後は開業時から電化)。
  • 1927年(昭和2年)4月19日 - 村山線高田馬場(仮)駅 - 東村山駅間 (23.7km) 開業(複線)。下落合駅、中井駅、新井薬師前駅、沼袋駅、野方駅、鷺ノ宮駅、下井草駅、井荻駅、上井草駅、上石神井駅、武蔵関駅、上保谷駅、西武柳沢駅、田無駅、花小金井駅、小平駅、久米川駅開業。
  • 1928年(昭和3年)4月15日 - 高田馬場駅 - 高田馬場(仮)駅間 (0.5km) 開業。
  • 1929年(昭和4年)11月20日 - 上保谷駅を東伏見駅に改称。
  • 1933年(昭和8年)11月10日 - 競馬開催時の臨時駅として南大塚 - 川越間に川越競馬場前駅開業。
  • 1937年(昭和12年)12月25日 - 野方 - 鷺ノ宮間に府立家政駅開業。
  • 1938年(昭和13年)6月3日 - 所沢 - 入曽間に所沢飛行場前駅開業。
  • 1939年(昭和14年)頃 - 川越競馬場廃止により川越競馬場前駅使用停止・廃駅。
  • 1940年(昭和15年)4月23日 - 花小金井 - 小平間に東小平駅開業。7月22日、川越駅を本川越駅に改称。
  • 1941年(昭和16年)4月1日 - 所沢飛行場前駅を所沢御幸町駅に改称。
  • 1942年(昭和17年)9月5日 - 鷺ノ宮 - 下井草間に西鷺宮駅開業。
  • 1943年(昭和18年)7月1日 - 府立家政駅を都立家政駅に改称。
  • 1950年(昭和25年)4月6日 - 東村山駅 - 柳瀬信号所間複線化。
  • 1951年(昭和26年)6月11日 - 所沢御幸町駅を1.4km北へ移築し北所沢駅を開業。
  • 1952年(昭和27年)3月25日 - 西武新宿駅 - 高田馬場駅間 (2.0km) 開業。新宿線に改称。川越線東村山駅 - 本川越駅間を新宿線に編入。
  • 1953年(昭和28年)1月15日 - 西鷺宮駅廃止。
  • 1958年(昭和33年)12月19日 - 柳瀬信号所 - 所沢駅間複線化。
  • 1959年(昭和34年)2月1日 - 北所沢駅を新所沢駅に改称。
  • 1964年(昭和39年)11月15日 - 新狭山駅開業。
  • 1967年(昭和42年)10月27日 - 所沢駅 - 新所沢駅間複線化。
  • 1969年(昭和44年)9月26日 - 新所沢駅 - 入曽駅間複線化。
  • 1975年(昭和50年)11月26日 - 入曽駅 - 入間川駅(現・狭山市駅)間複線化。
  • 1976年(昭和51年) - 休日に限り西武新宿駅 - 西武秩父駅間直通の「おくちちぶ」号、西武新宿駅 - 所沢駅間「むさし」号運行開始(こちらも参照のこと)。
  • 1977年(昭和52年) - 現在の地上25階建て西武新宿駅新駅ビル・駅舎完成。同年、西武鉄道としては初代401系以来久々となる4ドア車の2000系が登場。
  • 1979年(昭和54年)3月25日 - 入間川駅を狭山市駅に改称。
  • 1980年(昭和55年)3月12日 - 南大塚駅 - 脇田信号所間複線化。
  • 1987年(昭和62年)5月28日 - 所沢 - 新所沢間に航空公園駅開業。
  • 1989年平成元年)12月14日 - 新狭山駅 - 南大塚駅間複線化。
  • 1991年(平成3年)7月27日 - 狭山市駅 - 新狭山駅間複線化。
  • 1992年(平成4年)4月1日 - 新運行管理システムSEMTRACの本格稼働開始。
  • 1993年(平成5年)12月6日 - ダイヤ改正で新宿線特急の運転系流の見直し。従来の休日のみの運行の「おくちちぶ」号・「むさし」号を廃止。毎日運転で西武新宿駅 - 本川越駅間の「小江戸」号運行開始。
  • 1995年(平成7年)9月1日 - 西武新宿駅 - 上石神井駅間の特別減算運賃開始(基本運賃200円を170円に値下げ)。
  • 1997年(平成9年)12月28日 - 西武新宿駅 - 上石神井駅間の特別減算運賃再実施(170円を190円に値上げ)。
  • 1998年(平成10年)3月26日 - ダイヤ改正でこれまで休日のみの運転で行楽急行として運転されていた西武新宿駅 - 西武園駅・西武遊園地駅間の快速急行を廃止。快速急行はこれ以降、平日日中のみの運転の快速急行川越号になり、休日の行楽急行は急行に統一され、西武園駅行きは廃止、国分寺駅 - 西武遊園地駅間の準急は各駅停車に変更され、ワンマン運転となった。
  • 2000年(平成12年)2月20日 - 西武鉄道としては4年ぶりとなる新車、20000系が新宿線から定期営業運転開始(前年に試運転された)。
  • 2002年(平成14年)4月1日 - 西武新宿駅 - 上石神井駅間の特別減算運賃(190円)の終了に伴い基本運賃(200円)に戻す。
  • 2003年(平成15年)3月12日 - ダイヤ改正で新所沢駅から国分寺線国分寺駅への直通運転が始まる。
  • 2006年(平成18年)9月24日 - 更新された運行管理システムSEMTRACの本格稼働開始。
  • 2006年(平成17年)11月11日 - 本川越駅開業111周年記念として、本川越発快速急行国分寺行が運行される。
  • 2007年(平成19年)3月6日 - ダイヤ改正で快速急行の停車駅に東村山駅・狭山市駅を追加。
  • 2007年(平成19年)3月28日 - 西武新宿駅 - 本川越駅間で、10000系(本務10108F、露払い10106F)によるお召列車が運転される。
  • 2008年(平成20年)4月26日 - 新型車両30000系運行開始。
  • 2008年(平成20年)6月14日 - ダイヤ改正で「拝島快速」の運転開始。国分寺線との直通運転が本川越駅まで延長される。国分寺駅 - 本川越駅間の定期列車の運行は1927年の村山線開業以来81年ぶり。
  • 2009年(平成21年)3月14日 - 1枚のPASMOでJR高田馬場駅 - JR新宿駅間と西武新宿駅が利用可能な特殊連絡定期券の発売が開始される。

駅一覧

凡例
●:停車、|:通過、↑:上り方向通過(通勤急行のみ)
駅名 駅間
キロ
累計
キロ
各停 準急 急行 拝島快速 通勤急行 快速急行 特急小江戸号 接続路線・備考 所在地
西武新宿駅 - 0.0 東京地下鉄○丸ノ内線新宿駅:M-08)
都営地下鉄○大江戸線新宿西口駅:E-01)
定期券については下記路線も連絡運輸あり
東日本旅客鉄道山手線埼京線湘南新宿ライン中央線(快速)中央・総武線(各駅停車)(新宿駅)
小田急電鉄小田原線(新宿駅)
京王電鉄京王線(新宿駅)、京王新線新線新宿駅
都営地下鉄:○新宿線(新線新宿駅:S-01)
東京都 新宿区
高田馬場駅 2.0 2.0 東日本旅客鉄道:山手線
東京地下鉄:○東西線 (T-03)
下落合駅 1.2 3.2  
中井駅 0.7 3.9 都営地下鉄:○大江戸線 (E-32)
新井薬師前駅 1.3 5.2   中野区
沼袋駅 0.9 6.1  
野方駅 1.0 7.1  
都立家政駅 0.9 8.0  
鷺ノ宮駅 0.5 8.5  
下井草駅 1.3 9.8   杉並区
井荻駅 0.9 10.7  
上井草駅 1.0 11.7  
上石神井駅 1.1 12.8   練馬区
武蔵関駅 1.3 14.1  
東伏見駅 1.2 15.3   西東京市
西武柳沢駅 1.0 16.3  
田無駅 1.3 17.6  
花小金井駅 2.3 19.9   小平市
小平駅 2.7 22.6 西武鉄道拝島線拝島駅多摩湖線西武遊園地駅まで直通運転
久米川駅 2.0 24.6 拝島線拝島駅まで直通運転   東村山市
東村山駅 1.4 26.0 西武鉄道:国分寺線西武園線
所沢駅 2.9 28.9 西武鉄道:池袋線 埼玉県 所沢市
航空公園駅 1.6 30.5  
新所沢駅 1.2 31.7  
南入曽信号所 - (33.7) 南入曽車両基地分岐線 狭山市
入曽駅 3.9 35.6  
狭山市駅 3.0 38.6  
新狭山駅 2.7 41.3  
南大塚駅 2.6 43.9 西武鉄道:安比奈線(貨物線・休止中) 川越市
脇田信号所 - (46.6)  
本川越駅 3.6 47.5 ※定期券のみ下記路線の連絡運輸あり
東武鉄道東上線川越市駅川越駅
東日本旅客鉄道:川越線(川越駅)

廃駅・廃止信号所

沿線風景

西武新宿 - 高田馬場

頭端式2面3線の西武新宿駅を出ると、進行方向左手にJR山手線埼京線湘南新宿ラインの線路が見える。職安通りのガードを越えて少々走ると、JR山手線新大久保駅が現れるが、本線の駅は設けられていない。ロッテ新宿工場や海城中学校・高等学校保善高等学校の校舎を右手に見ながら、まっすぐと北進し、電車は高田馬場駅に到着する。

高田馬場 - 鷺ノ宮

高田馬場駅を出るとやや右カーブした後、下りながら左に急カーブしながら神田川をまたぎ、その直後にJR山手線をくぐる。曲線半径は158m、30.3‰の下り勾配のため、30km/hの速度制限を受ける。ここで地上に降りるが、これ以降は、ごく一部を除いて高架盛土区間を走らない。山手線をくぐった後は下落合駅まで新目白通りと平行し、下落合駅手前では妙正寺川に接する。以降、蛇行する妙正寺川を途中数度渡りながら住宅密集地を進む。中井駅山手通りの下にあり、中線が1本ある待避駅である。下落合寄りはカーブしており、ポイント通過の際に列車が大きく揺れる地点でもある。新井薬師前駅の300m程西で中野通りと平面交差する。街路樹の桜並木が見事であるが、踏切渋滞していることが多い。沼袋駅は内側2線の通過線を持った相対式ホームである。駅前は京王バスが発着するが、街路が狭隘なため、南行一方通行のみである。ここに限らず都心寄りは狭隘な駅前を持つところが多い。野方駅直下で環七通りを乗り越し、都立家政駅を経て下り線のみ待避可能な鷺ノ宮駅となる。この高田馬場 - 鷺ノ宮間は半径300 - 600mのカーブの連続で電車がよく揺れ、かつ最高速度が抑えられてしまう。この点、ターミナルからさほど遠くない練馬以西で105km/h運転が可能な池袋線とは対照的である。

鷺ノ宮 - 上石神井

鷺ノ宮駅の先で右カーブした後は、多少のアップダウンこそあれど、線形が比較的良くなり、中野区杉並区の区境附近からはちらほらと畑が車窓に見え始める。鷺ノ宮から上石神井の間では井荻駅のみ通過線がある。またこの駅では環八通りと交叉しているが、電車から見える高架橋以外に地下トンネル(井荻トンネル)でも交叉している。上井草駅附近からは屋敷森も見える等、景観が武蔵野らしくなってくる。千川通りを踏切で交叉した先に、上石神井車両基地が南に広がり、島式ホーム2面3線の上石神井駅となる。ホームや階段は狭隘で、ホーム端はすぐ踏切となる。なお、同駅付近で東京外環自動車道が交叉する計画である。

上石神井 - 田無

上石神井駅を出ると一旦下り勾配となる。次駅武蔵関駅の先で石神井川と並行するが、川沿いの桜並木が見事である。そのまま武蔵関公園の北側をかすめて上り勾配となり東伏見駅となるが、同線では珍しい島式ホーム2面4線の待避駅である。また、以降の各駅は駅前広場整備率が高くなる。若干の盛土掘割区間を経て西武柳沢駅を過ぎると、数少ない高架区間となっており、戦時中に中島飛行機武蔵野製作所への鉄道連隊が作った専用線のガードを越えて青梅街道武蔵境通りバイパスを乗り越した後、再び地上に戻り武蔵境通りと平面交差すると田無駅となる。特急小江戸以外のすべての種別が停車する主要駅ではあるが、島式ホーム2面3線の設備である。この形式が同線の特徴でもあり、欠点の一つでもある。

田無 - 小平

田無駅には本川越駅寄りに引上線がある。それを横目に住宅街を西へ進む。線路北側の家並の向こうにはスカイタワー西東京が見える。右カーブし、これより東村山駅の手前まで、進路を北西に取る。カーブの先に花小金井駅がある。島式ホーム1本であるが、嘗ては2面3線だった名残でホーム幅が広い。駅のすぐ南には多摩湖自転車道が通っており、ここからしばらく並行する。駅のすぐ西側で小金井街道平面交差する。道幅は広いが、南北を結ぶ西武バスの各路線が通り、バス運行の妨げとなっている。住宅と畑が混在する一帯をしばらく進むと青梅街道と斜めに平面交差する。踏切の前後はカーブしており、列車が減速するため踏切渋滞に拍車をかけている。また、踏切横には公立昭和病院があるため、救急車がしばしば立往生している姿を目にする。カーブを過ぎると新小金井街道を乗り越しする。付近は畑が目立ち、空が広く感じる一帯である。やがて上下線の間に引上線が割り込み、拝島線と分岐する島式ホーム2面4線の小平駅に着く。

小平 - 東村山

小平駅は2面4線の駅であるが、待避駅ではなく拝島線との分岐駅となっている。このため小平駅までは複線であったのが、小平駅を出た直後は複々線のようになっている、線路の賑やかな駅である。小平駅の近くには小平霊園があるため駅付近には墓石屋が多く、お墓参りの時期には北口前に露店が並び急に賑やかになる。 小平駅を出てしばらく拝島線と平行するが、拝島線は左に曲がって分かれてゆく。右手に小平霊園を見ながら進んでいくと久米川駅に到着する。久米川駅は東村山市内で二番目に乗降客の多い駅であるために賑わっており、駅付近の線路の両側は高い建物が並んでいる。現在北口の再開発を行っているので数年後には大きく変貌した姿になっているだろう。 久米川駅を出るとすぐに空堀川新青梅街道と交差する。田無駅の後からずっと北西方向に進んできたが、東村山駅の手前で右カーブして北へ進む。このカーブの所で府中街道と平面交差する。主要道路との平面交差であるので、しばしば渋滞する地点である。カーブを過ぎると左側に国分寺線が現れ、東村山駅まで平行する。 東村山駅は東に市役所などがある市の中心部のため東口は整理されているが、西口はほとんど手つかずの狭い道が多い地域となっている。しかし昔の駅前の雰囲気をとどめている、とも言える風景である。現在は再開発事業が進行している。

東村山 - 所沢

3面6線の東村山駅を出ると、西武園線としばらく並行する。やがて西武園線が左にそれ、住宅街ながら緑の多い一帯を北に進む。盛土を走るようになると視界が開け、左に低い山並みを見ることができる。八国山緑地と呼ばれ、映画『となりのトトロ』のモデルとなった場所でもある。埼玉県に入ってすぐ左に国際航空専門学校があり、小型航空機ヘリコプターを見ることができる。盛土が終わると所沢街道、さらに池袋線が頭上を乗り越し、池袋線と接続する所沢駅となる。かつては駅手前の踏切の先で西武所沢工場引き込み線が分岐していた。3面5線で、歴史的経緯上複雑な線路配置であるが、新宿線だけを見ると、基本的に相対式ホームと言える。バリアフリー対応などの手直しはされているものの古びた駅であり、周辺を含めた大規模な再開発計画がある。

所沢 - 新所沢

所沢駅を出て直ぐに左へカーブし、東川のガードからは直線区間が続く。東側は所沢航空記念公園が一帯に広がり、西側は一方通行であったり、狭隘であっても線路沿いに道路が設けられており、東側のマンションや大規模団地開発に際しての配慮と思われる区間でもある。新宿線内では最も新しい駅・航空公園駅に到着する。この駅も、開設されて20年の月日が経った。その間に市役所や市民会館、簡易裁判所税務署公共職業安定所等の主だった公共機関は、航空公園駅東口周辺に移転してきた。

航空公園駅を出ると、住宅地をくぐり抜け、旅客用ホーム・線路のほか、側線が数本並ぶ新所沢駅に到着。新所沢駅界隈も道路整備や街並みの整備により、以前とはまた違った顔を見せる。開業時から繁華街として栄えた西口にはパルコ等のテナントや、居酒屋が多く見受けられる。南入曽車両基地へ出入する電車は、この駅発・止まりとなる。

新所沢 - 狭山市

新所沢駅から次の入曽駅までは直線である。両駅のほぼ中間、県道所沢狭山線が斜めに交差した先に南入曽車両基地がある。周囲は宅地よりも農地が目立つ。入曽駅の先で県道川越入間線と交差したあたりで緩い右カーブをし、しばらく進むと左手に航空自衛隊入間基地が広がる。基地の東側に沿って進み、基地が終わると県道所沢狭山線が頭上を乗り越し、右カーブしながら狭山市駅となる。相対式ホーム2面2線の特急小江戸停車駅である。バス路線が集中する駅の西側においては駅前広場が無く道幅も狭いなど問題が多いため、駅舎を含めた再開発事業が進んでいる。

狭山市 - 本川越

狭山市駅を抜けると、しばらく右カーブの後直線状に走る。新狭山駅を過ぎると川越狭山工業団地の中を走りその後川越市に入る。すると安比奈線が分岐する南大塚駅に着く。 その後関越自動車道のガードをくぐりスピードを上げるが国道16号との立体交差付近で減速する。脇田信号所単線区間へはいる。川越線東武東上線のガードをくぐり踏切を越えると本川越駅に着く。

その他

複々線構想

バブル景気期、新宿線は利用客のさらなる伸びが見込まれ、飽和状態にあった輸送力状況を打開する切り札として、上石神井―西武新宿間を複々線化する構想が何度も持ち上がっていた。在来線直下の地下40メートル-60メートルを掘削して地下線を増線し、工期と費用の点から地下線は高田馬場と西武新宿の二駅のみの急行線とする計画が事業化されることになった[3]。地下線の西武新宿駅ホームは新宿駅寄りに設け、他線との乗り換えを改善する計画もあった。

この計画は、1987年12月に特定都市鉄道整備事業計画の認定を受け、翌88年9月に運輸大臣の認可が下り、特定都市鉄道整備積立金制度導入による運賃加算も行われた。シールド工法によるトンネルの調査設計は日本鉄道建設公団に依託され、工事は部分的に着手された。ところが技術上の問題で工事費用が膨らみ、景気減退や少子化を背景とした見込み利用者数の減少、輸送人数に応じた避難経路を確保するための建設費高騰もあり、1995年1月になって計画は中止された。その際、積立金として加算された分は、特別減算を実施して運賃の一時的な値下げが実施された。代わりに、新宿線の線形改良・ホーム改良工事等が実施されている[4]

立体化の状況

西武は他の大手私鉄と比較して、路線の立体化が遅れているが、池袋線と比較して新宿線における立体化の進捗はさらに遅く、周辺自治体から要望が多い。新宿線の立体交差23区では山手通り中井駅)・環七通り野方駅)・環八通り井荻駅)の3箇所(中井駅と野方駅は駅ホームと立体交差している)のみである。多摩地区においても、立体化されているのは青梅街道西東京市)、武蔵境通り新小金井街道新青梅街道程度であり、小金井街道、青梅街道(小平市)、府中街道といった幹線道路でさえも踏切のままであり、地元での緊急車両の通行・バス交通において大きな障害となっている。

なお、国土交通省の2008年度予算で、中井 - 野方間約2.6kmの連続立体交差化が新規着工準備区間として認められた。これにより9箇所の踏切が除去され、併せて新井薬師前駅周辺の整備が行われる予定である。[1] - 国土交通省予算案

また、東村山駅周辺 (4.3km) においても東京都を事業主体に、連続立体交差事業の平成21年度新規着工準備箇所として、採択された。これによって駅周辺の5箇所の踏切が撤去されることになる。[2] - 東村山駅付近の踏切対策

東京近郊の鉄道幹線の中において、立体化がほとんど手つかずであった新宿線もようやく開かずの踏切解消に動き出すこととなる。

キロポストについて

新宿線では、距離を示すキロポストが起点である西武新宿駅から終点の本川越駅に向かって純粋に増えるよう設置されているわけではない。これは歴史的な経緯によるもので、おおむね以下の3区間に分かれており、キロ数が増える方向も下り方と上り方が混在している。

  1. 西武新宿駅→高田馬場駅
  2. 高田馬場駅→東村山駅
  3. (国分寺線国分寺駅←)東村山駅←本川越駅
(矢印の方向にキロ数が増える)
  1. は、戦後に高田馬場駅から西武新宿駅まで延伸された際、既に0kmポストがある高田馬場駅を起点に上り方向に打たれたものである。高田馬場駅ホームの下り方終端部にある0kmポストからマイナスになるように設置されており、西武新宿駅の終端付近に-2kmポストが存在する。
  2. は、旧西武鉄道時代に当路線が開通した際、東村山駅から本川越駅まではポストが既設であったので、新たに起点となる高田馬場駅ホームの下り方終端部の0kmポストから、合流地点の東村山駅付近まで設置したものである。ただし終端については東村山駅構内までではなく、所沢駅の南側で池袋線をアンダークロスする地点まで設置されている。この地点には終端を示す標識が下り方面に向かって左側の切り通し上に立てられ、26.472kmを示している。
  3. は、旧川越鉄道時代に設置されたもので、歴史的な経緯上、本川越駅を0kmとして設置され、東村山駅からは国分寺線へ連続して打たれている(このため国分寺線のキロポストはすべて本川越駅からの通算距離を示している)。ただし本川越駅の0kmポストは駅改良工事などの関係で現存しておらず、実際のポストは0.3kmからとなっている。また、名目上は本川越駅 - 東村山駅 - 国分寺駅と連続しているが、実際には所沢駅南側の19.5kmポストから東村山駅構内まで一旦ポストが中断している。この中断の開始地点は2.の高田馬場駅起点のキロポストが打ち止めとなる地点のすぐそばにあたり、わずかな区間重複するものの、実質的にここでキロポストが切り替わっている。

その他備考

  • 高田馬場 - 小平間はカーブが多く、この区間においては並行する路線(池袋線JR中央線)と比べるとやや所要時間が長い。
  • さらに、この区間ではJR中央線の利用客が多いことや駅周辺の開発も進んでいるために新宿線の駅を通過するバス路線も多い。ただし、田無駅などのように新宿線の各駅でも再開発が進んでいるために、西武バスを中心に新宿線の各駅を基軸としたバス路線の編成になりつつある面もある。
  • 2009年3月14日から1枚のPASMOでJR高田馬場駅 - JR新宿駅間と西武新宿駅が利用可能となる特殊連絡定期券の販売が開始された。

脚注

  1. ^ 都営地下鉄新宿線との誤乗を防ぐため、通常は西武新宿線ということが多い。
  2. ^ 東京新聞浦和支局(編) (1987). 埼玉事始―さいたまいちばんものがたり―. さきたま出版会. pp. 214p. ISBN 4-87891-033-X 
  3. ^ 近藤禎夫・安藤陽 (1997). 日本のビッグ・ビジネス19 西武鉄道・近畿日本鉄道. 大月書店. pp. 235p. ISBN 4-272-10219-2 
  4. ^ 電気車研究会刊『鉄道ピクトリアル』等より

関連項目

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