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京成成田空港線

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成田空港線
(成田スカイアクセス)
スカイライナーAE形
スカイライナーAE形
スカイライナーAE形
軌間1,435 mm
電圧1,500 V直流
最高速度160 km/h
BHF
京成・北総共用駅(特急停車駅)
HST
北総鉄道単独駅
京成本線内は特急停車駅のみ

tKBHFa
京成上野駅
TUNNELe
京成本線
BHF
日暮里駅
ABZlg
←京成:押上線
BHF
青砥駅
BHF
0.0 京成高砂駅
ABZlf
京成:金町線
ABZlf KDSTr
高砂検車区
ABZrf
←京成:本線
HST
1.3 新柴又駅
TUNNELa
tHST
3.2 矢切駅
tHST
4.7 北国分駅
TUNNELe
TUNNELa
tHST
6.2 秋山駅
TUNNELe
7.5 東松戸駅
KRZo
JR東武蔵野線
HST
8.9 松飛台駅
HST
10.4 大町駅
STRrg KRZo
新京成新京成線
HST STR
北初富駅
eABZlf eKRZo exSTRlg
STR eABZrg exSTRrf
12.7 新鎌ヶ谷駅
KRZo KRZo
東武野田線
STRrf STR
←新京成:新京成線↑
HST
15.8 西白井駅
HST
17.8 白井駅
HST
19.8 小室駅
BHF
23.8 千葉ニュータウン中央駅
HST
28.5 印西牧の原駅
KDSTl ABZrf
北総鉄道印旛車両基地
BHF
32.3 印旛日本医大駅
BHF
40.7 成田湯川駅
KRZo
JR東:成田線我孫子支線
KRZo
JR東:成田線
KRZo STRlg
←JR東:成田線空港支線
DST STR
新根古屋信号場
STR eBST
根古屋信号場 -2009
LUECKE STR BST
堀之内信号場
TUNNELa TUNNELa TUNNELa
tABZlf tABZlg tSTR
tSTR tSTR
京成:東成田線
tSTR
tSTR
京成:京成本線
tSTR
FLUG
50.4 空港第2ビル駅
tSTR tSTR
東成田駅
tSTRlf tKRZt tKRZt
芝山鉄道線
FLUG
51.4 成田空港駅

成田空港線(なりたくうこうせん)は、東京都葛飾区京成高砂駅千葉県成田市成田空港駅を結ぶ鉄道路線である。成田国際空港へのアクセス路線ということをアピールするため、京成電鉄によって「成田スカイアクセス」という愛称が与えられ、各種掲示物などで「成田スカイアクセス線 (Narita SKY ACCESS Line)」という名称とオレンジ色の案内色を用いて旅客案内を行っている。その一方、本線は「京成本線 (Keisei Main Line)」という名称と青色の案内色を用いて区別化を図っている。

印旛日本医大駅まで通じている北総鉄道北総線をさらに東へ延伸して成田国際空港に直結させた路線で、東京都心からのアクセス時間の長い同空港へのアクセス改善を目的に建設され、2010年7月17日に開業した[1]

全線にわたって京成電鉄が線路保有会社より線路を借りて運行する第2種鉄道事業者である。総事業費は1,261億円。

なお、愛称が決定するまでは事業名である「成田新高速鉄道整備事業」の略称である「成田新高速鉄道」と呼ばれていたが、2008年12月20日から2009年1月15日まで成田新高速鉄道に代わる新しいアクセスルート愛称名の公募を行い、同年12月16日に発表された[2]

概要

1982年、新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に空港アクセス鉄道について

  • A案(成田新幹線計画ルートの再整備):東京 - 新砂町(現・新木場付近) - 西船橋 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫 - 成田空港
  • B案(北総線を延伸、該当ルート):上野 - 高砂 - 新鎌ヶ谷 - 小室 - 印旛松虫(現・印旛日本医大付近) - 成田空港
  • C案(成田線を分岐して成田空港に直結、現在の「成田エクスプレス」の運行ルート):総武本線・成田線東京 - 錦糸町 - 千葉 - 佐倉 - 成田 - 成田空港

の3案を答申し、1984年に運輸省はB案(北総線延伸)を採択し推進すると決定した[3]。しかし、計画は決定したものの、成田アクセス鉄道問題は解決に向けての動きが遅滞していたため、時の運輸大臣石原慎太郎1987年に「成田新幹線の設備と用地を活用し、京成線とJR線を成田空港に乗り入れさせる案」を指示し、そちらは一足早く1991年に成田線(空港支線)と京成本線(駒井野分岐点 - 成田空港間)の形で現実化した[3]

B案はその後、1999年に「成田新高速鉄道事業化推進検討委員会」が設立されて実現に向けて動き出し、2002年には「成田高速鉄道アクセス株式会社」が設立され、2006年に着工し、既存路線の改良および新線建設が行われた。

  • 京成高砂駅 - 小室駅 - 印旛日本医大駅間:成田高速鉄道アクセスが既存路線を改良
  • 印旛日本医大駅 - (土屋) - 成田空港駅間:成田高速鉄道アクセスが新線(成田高速鉄道アクセス線)を建設[4]
  • 成田空港駅および空港第2ビル駅構内:成田国際空港株式会社が駅を改良・ホーム増設

計画では印旛沼を橋梁で横断するが、この付近には広大な湿地や里山があり、また野鳥の宝庫ともなっているため自然保護団体を中心に一部計画変更の要望が出ていた。環境影響評価書では代替措置などできる限りの環境保全措置を実施し、景観に配慮した構造とするとしている。

成田湯川駅の成田空港方に設置される分岐器(複線・単線ポイント)には、上越新幹線長野新幹線高崎駅でも使われている38番分岐器が使用され、160km/hでの通過が可能となっている。

建設工事は順調に推移し、2010年3月に完工。3月25日から約4か月の乗務員習熟訓練運転を経て同年7月17日に開業した。開業により、それまで最速で51分かかっていた日暮里 - 空港第2ビル間が最速36分で結ばれ、所要時間が15分短縮された。

京成成田空港線

路線データ

運行は全線において京成電鉄によって行われるが、線路の保有および建設は別会社が行う「上下分離方式」となっている。このため、京成電鉄(第2種鉄道事業者)は線路保有会社(第1種・第3種鉄道事業者)に対して線路使用料を支払っている。

既設・新設区間における運行会社と線路保有会社
  京成高砂 小室 印旛日本医大 成田湯川 (接続点) 空港第2ビル 成田空港
運行 京成電鉄
(第2種)
北総鉄道
(第1種)
北総鉄道
(第2種)
  東日本旅客鉄道
(第2種)
保有 千葉ニュータウン鉄道
(第3種)
成田高速鉄道アクセス
(第3種)
成田空港高速鉄道
(第3種)
  複線 単線
既設区間 新設区間 既設区間

このうち、京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間32.3kmは北総鉄道北総線として、成田高速鉄道アクセス線接続点 - 成田空港駅間8.4kmのうち空港第2ビル駅 - 成田空港駅間は京成本線の一部として開業済みであり、本線と成田空港線(スカイアクセス)との重複区間である。

北総鉄道北総線は全線にわたって京成電鉄との共用区間となるが、同社の駅としても扱われるのはアクセス特急停車駅の京成高砂・東松戸・新鎌ヶ谷・千葉ニュータウン中央・印旛日本医大の各駅のみであり、その他の駅は北総鉄道のままとなる[5]

共用区間における運賃の取り扱い等は、2009年12月16日に運賃の上限認可申請が行われており、従来の運賃体系に準じた運賃が申請され[6]、また、沿線自治体で北総鉄道の運賃引き下げなどを求め、当路線の運賃上限認可申請とは別途に引き下げ運賃の認可を申請し[7]2010年2月19日にそれぞれの運賃が認可された[5][8]。なお、北総線のみの各駅から成田湯川・空港第2ビル・成田空港の各駅へは当路線のキロ程と同額の運賃になっているが、実際には北総線と京成線の運賃を印旛日本医大駅を境としてそれぞれ別計算した上で、当路線のキロ程と同額になるように乗継割引を適用した金額という扱いになっている[5]

線内各駅から京成高砂駅を経由した京成電鉄の既存路線各駅までの運賃は、京成高砂駅を境としてそれぞれの運賃を別計算するものとなる[5]

京成電鉄の株主優待券は全線有効であるが、北総線単独駅または同線との境界駅での北総線方向を経由する乗降車は出来ない。

成田新高速鉄道建設促進期成同盟

沿革

  • 1982年昭和57年)5月31日 - 新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に対してA・B・C案(前述)を答申。
  • 1984年(昭和59年)11月1日 - 運輸省がB案ルートを推進する旨を発表。
  • 1985年(昭和60年)7月11日 - 運輸政策審議会答申第7号に位置付け。
  • 1998年平成10年)1月27日 - 運輸政策審議会答申第18号2015年までに開業することが適当である路線として位置付けられる。
  • 1999年(平成11年)3月23日 - 「成田新高速鉄道事業化推進検討委員会」設立。
  • 2001年(平成13年)8月28日 - 小泉政権の都市再生プロジェクト(第二次決定)の一つと見なされ、実現に向けて動き出す。
  • 2002年(平成14年)
    • 4月25日 - 施設保有会社「成田高速鉄道アクセス株式会社」設立。
    • 5月31日 - 成田高速鉄道アクセス(第3種)および京成電鉄(第2種)の鉄道事業の申請。
    • 7月5日 - 成田高速鉄道アクセス(第3種)および京成電鉄(第2種)の鉄道事業の許可。
  • 2005年(平成17年)
    • 12月21日 - 国土交通大臣が成田高速鉄道アクセス線の工事施行を認可。
    • 12月27日 - 千葉県知事が成田高速鉄道アクセス線の都市計画決定を告示。
  • 2006年(平成18年)2月4日 - 成田国際文化会館で起工式が行われる。
  • 2007年(平成19年)6月1日 - 都市計画事業認可取得。
  • 2008年(平成20年)
    • 4月1日 - 成田市押畑地先で地権者との用地買収が困難となり、千葉県収用委員会に収用裁決申請を提出する。
    • 7月30日 - 成田市押畑地先の地権者2者の所有する未買収地(計約700m²、延長約150m)に対して、千葉県収用委員会は権利取得と地権者による明け渡しの裁決を出す。同時に用地問題に決着が付く。
    • 9月1日 - 起工承諾等を含め、100%建設用地確保完了。
  • 2009年(平成21年)
    • 4月28日 - 印旛日本医大 - 空港第2ビル間の新駅名称が公募により「成田湯川駅」に決定(仮称は成田ニュータウン北駅)。
    • 12月16日 - 路線の正式名称、愛称、一般特急停車駅、改正運賃を開示。
  • 2010年(平成22年)

運行形態

印旛日本医大止まりの列車は従来通り北総鉄道が運行し、同駅以東成田空港まで直通する列車は京成電鉄が運行する。

スカイライナー」が最高速度160km/h通勤形電車によるアクセス特急が最高速度120km/hで運転されている。160km/hは新幹線以外では北越急行ほくほく線と並ぶ日本最高速で、その速度での進行を指示するためのGG信号(高速進行)がスカイライナーに対してのみ現示されるようになっている。このほか、京浜急行電鉄に次いで北総鉄道区間を含めてYGF信号(抑速信号)も2009年7月より稼動している。

日暮里 - 空港第2ビル間の所要時間はノンストップの「スカイライナー」で約36分、アクセス特急で約59分である。

昼間時は「スカイライナー」1時間あたり最大で各2本とアクセス特急1.5本が運行される。なお、京成本線経由の特急も同時間帯に従来通り毎時3本設定されている[9]。成田空港線の列車としては「スカイライナー」とアクセス特急以外の種別は運行されていない。

これに合わせて京成電鉄は、2004年6月28日花田力社長が「スカイライナー」の新型車両10両編成8本(80両、投資総額160億円超)[10]リース方式にて調達する方針を明らかにした。そして、2008年4月9日[11]には新しい「スカイライナー」の車両「AE形(2代)[12]が発表された。これは山本寛斎のデザインによるもので、開業当初は8両で運転するが、将来的には10両に増強することも検討している[13]

また、2009年度の京成電鉄の事業計画でこのAE形(2代)とともにアクセス特急の運行用に3000形7次車(通称3050形を新造したほか、3700形3000形も運用に対応している。アクセス特急にはこれらの車両のほかに京浜急行電鉄(京急)の都営浅草線直通用車両で、車上情報管理装置の搭載を行った京急600形京急1000形10次車も使用され、京成車両は本線京成上野駅・都営浅草線西馬込駅京急空港線羽田空港駅まで、京急車両は羽田空港駅・京急久里浜線三崎口駅まで乗り入れる。

運行に伴う施設改良

成田高速鉄道アクセスによると、京成高砂 - 印旛日本医大間は最高速度130km/hで走行するための改良工事が行われ、新線区間(成田高速鉄道アクセス線)は最高速度160km/hに対応する。また、並行して一般国道464号北千葉道路の一体的な整備が行われている。

当路線の開業に併せて、京成電鉄では日暮里駅の大規模改良工事が実施された。2009年10月3日から1階部分にあたる従来の1面2線のホームを上り用の1面1線、2階を改札・コンコース、3階を下り用の2面1線(「スカイライナー」専用と一般車専用の各ホームを設置)、合計で3面2線に変更された。また、北総鉄道区間も東松戸新鎌ヶ谷・小室の各駅に待避線が新設された。

さらに受け入れ側の京成電鉄空港第2ビル駅は2009年11月14日から従前の1面1線の対向式ホームから1面2線の島式ホームに改良され、同・成田空港駅もホームが1面2線から2面3線へと増設・拡幅され、従来の京成本線、成田スカイアクセス、スカイライナー専用ホームに区別された方向別・列車別ホームとなった。また、両駅の既存のホームを本線と成田スカイアクセスのホームに分け、その間にはルートの特定と運賃の算定を行うための中間改札が設置された。なお、京成本線分岐部 - 成田空港駅間の単線区間は、空港第2ビル駅の改良により同駅構内に関しては複線化されたが、同駅 - 成田空港駅間の線路は従来通り単線である。

京成高砂駅についても、当路線開業後の踏切遮断時間増加対策の関連工事として金町線の高架化工事を行った。当路線の開業に先行して2010年7月5日より高架化されたので、金町線は全列車が同駅 - 京成金町間の折り返し運行となった。

当路線の開業後に都営浅草線日本橋駅宝町駅から東京駅まで分岐線を敷設する計画もあったが、この案はこれとは別に後述するバイパス線の計画も浮上したこともあり、現在のところ着工されていない。

駅一覧

  • ●:停車、|:通過
  • 停車駅は京成電鉄プレスリリース(2009年12月16日) (PDF) に基づく
  • 京成高砂駅 - 印旛日本医大駅間は北総鉄道北総線との共用区間である。「北総鉄道北総線#駅一覧」も参照のこと。空港第2ビル駅-成田空港駅間は京成本線との重複区間である。
  • 東松戸 - 印旛日本医大間の駅には北総鉄道の駅番号が付与されているが、京成電鉄は押上駅を例外として、駅番号の二重付与はしない方針をとっている。
  • 線路 … ∥:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、|:単線区間(列車交換不可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
駅番号
[14][15]
駅名 駅間
キロ
累計
キロ
アクセス特急 スカイライナ丨 接続路線・備考 線路 所在地
KS10 京成高砂駅 - 0.0 京成電鉄本線青砥京成上野方面直通あり、八幡船橋方面乗り換え)・押上線(都営地下鉄浅草線方面・京急線方面直通あり)・金町線 東京都 葛飾区
- 東松戸駅 7.5 7.5 東日本旅客鉄道武蔵野線
北総鉄道北総線(HS05:共同使用駅)
千葉県 松戸市
- 新鎌ヶ谷駅 5.2 12.7 新京成電鉄新京成線
東武鉄道:野田線
北総鉄道:北総線(HS08:共同使用駅)
鎌ケ谷市
- 千葉ニュータウン中央駅 11.1 23.8 北総鉄道:北総線(HS12:共同使用駅) 印西市
- 印旛日本医大駅 8.5 32.3 北総鉄道:北総線(HS14:共同使用駅)
KS43 成田湯川駅 8.4 40.7 成田線我孫子支線下総松崎 - 成田間との交差地点(松崎字湯川)。 成田市
- 成田空港高速鉄道線接続点
(通称:土屋点)
(2.3) (43.0) 第三種鉄道事業者の境界点
駅設置の請願が行われている。
- 新根古屋信号場 - - JRの根古屋信号場跡地付近
- (本線接続点) (6.9) (49.9) 本線との線路上の接続点
KS41 空港第2ビル駅 0.5 50.4 京成電鉄:本線(京成成田方面)
東日本旅客鉄道:成田線(空港支線
KS42 成田空港駅 1.0 51.4  
  • 成田空港高速鉄道線接続点付近(ウイング土屋地先)に「土屋駅(仮称)」を設ける運動が存在し、同地点には駅を設ける空間も有しているが、現行計画では駅設置の予定はない。成田市では「成田新高速鉄道土屋駅設置促進協議会」(現:新駅・基幹交通網整備促進特別委員会)を設け、土屋駅設置に向けた署名活動や千葉県・国土交通省・空港公団(当時)への陳情などの住民運動を展開している。2008年2月20日には土屋新駅設置に係る研究会が発足した[16]
  • 当初アクセス特急(当時は種別名決定前で一般特急と呼ばれた)が通過する予定だった東松戸駅は、千葉県松戸市武蔵野線沿線地方公共団体などが要望した結果、停車駅に追加された。それ以前の2009年2月16日より北総鉄道により特急(アクセス特急とは別の北総線で設定されているもの)と急行の同駅への停車が開始された。
  • 累計キロ49.9km地点に本線との接続点がある。当線成田湯川駅方面 - 駒井野信号場京成成田駅)方面を空港第2ビル駅経由で利用する場合の運賃計算に使用される[17]

成田 - 羽田連絡鉄道の経緯と構想

国土交通省2008年、当路線を活用した成田 - 羽田連絡鉄道の開設について検討を開始した。羽田・成田両空港は発着枠の拡大が計画されており、特に羽田空港は2010年10月21日に4本目となる滑走路の併用開始および国際定期便の就航が予定されていることなどから、両空港間における乗り継ぎ客の増加が予想されており、両空港間の連絡機能の向上が求められている。

当路線開業により現在、両空港間はアクセス特急が最短103分で結んでいるが、都営地下鉄浅草線内の三田宝町両駅付近の2か所に特急列車用の追い越し設備を新設することで65分に短縮できるとされている(建設費は400億円程度)[18][19]。また、これとは別に同線の改良ではなく並行してバイパスとなる別線を新たに建設する案(建設費は3,000億円程度)も発表されている[20][21]。このバイパス線の場合は60分で両空港間を結ぶことになっている。

このほか、浅草線の宝町・日本橋の両駅から分岐線を新設して東京駅に至るいわゆるデルタ線構想もある。

なお、両空港間を結ぶ連絡列車としては1998年11月18日京急空港線羽田駅(現・天空橋駅) - 羽田空港駅間延伸開業と同時に実施されたダイヤ改正から、羽田空港駅 - 成田空港駅間を運行し、かつ全区間において通過運転を行う新種別「エアポート快特」(京成線内は特急)が設定され、空港間連絡鉄道としての役割を果たしてきたが、2002年10月12日に実施されたダイヤ改正から京成線内においては同日から新たに設定された「快速」として運転されるようになった。快速は特急より停車駅が多く、京成津田沼駅以東(成田空港駅方面)は各駅に停車する上、大部分が京成成田駅京成佐倉駅発着となる運用に短縮されたため、空港間連絡鉄道としての機能を持たなくなった。

その後、2006年12月10日のダイヤ改正から京成線において快特(快速特急)が新設され、早朝に成田空港発羽田空港行、夕方以降に羽田空港発成田空港行(ともに京急線内急行、2010年5月16日からはエアポート急行)がそれぞれ設定されており、当路線開業以前のダイヤではこの快特が事実上空港間連絡鉄道としての役割を担っていた。

当路線開業時に、成田空港と羽田空港を結ぶ列車として、特急料金不要の通勤形車両を用いた「アクセス特急」が新設された[22][23][24]。日中は成田空港駅 - 羽田空港駅間を成田スカイアクセス、京成本線・押上線、都営浅草線、京急本線・空港線経由で結ぶ。途中、押上駅で「エアポート快特」に種別変更して都営・京急線を走る。成田空港駅から羽田空港駅までの所要時間は当路線開業前のダイヤより3分早い103分である。早朝と夜間は羽田空港発着の代わりに京成上野西馬込(浅草線内各駅停車で、同線内でも「アクセス特急」が設定される)・神奈川新町三崎口(以上京急線内特急)発着が設定される。

成田空港 - 羽田空港間エアポート快特・アクセス特急停車駅
成田空港 - 空港第2ビル - 成田湯川 - 印旛日本医大 - 千葉ニュータウン中央 - 新鎌ヶ谷 - 東松戸 - 京成高砂 - 青砥 - 押上 - 浅草 - 東日本橋 - 日本橋 - 新橋 - 大門 - 三田 - 泉岳寺 - 品川 - 羽田空港国際線ターミナル(2010年10月21日より停車) - 羽田空港国内線ターミナル(2010年10月20日までは羽田空港)

世界の主要国際空港と都心との距離とアクセス所要時間

※ 所要時間順:空港名の左の地名はアクセスを示している都市名であって、必ずしも空港所在地ではない。

脚注

  1. ^ 成田スカイアクセスが開業 都内から空港へ最速36分、msn産経ニュース、2010年7月17日
  2. ^ 成田新高速鉄道 ルート愛称名を「成田スカイアクセス」に決定しました。 (PDF) 京成電鉄ニュースリリース、2009年12月16日
  3. ^ a b どうなる、こうなる首都圏の鉄道網--(最終回)成田新線・新交通編 - 12 Business Media 誠 2008年11月7日
  4. ^ 千葉県公式サイトに掲載された鉄道整備計画図では土屋 - 成田空港間が「線路新設」となっており、既設の高架橋等の未使用区間に軌道を新設する。
  5. ^ a b c d 京成電鉄成田空港線の上限運賃認可と実施運賃について (PDF) - 京成電鉄ニュースリリース(2010年2月19日)。それによると、北総線のみの各駅から成田湯川・空港第2ビル・成田空港の各駅までは、印旛日本医大を境にそれぞれの運賃を別計算した上で、当路線と同額になるように乗継割引を設定することが明記されたため、北総線のみの各駅が京成電鉄(成田空港線)と共用化されていないことが確定している。
  6. ^ 京成電鉄成田空港線の運賃認可申請について (PDF) 京成電鉄ニュースリリース、2009年12月16日
  7. ^ 成田発着30万回、国交相が理解求める、asahi.com、2009年10月21日
  8. ^ 千葉県及び沿線市村との合意に基づく運賃値下げの実施について 北総鉄道ホームページ、2010年2月19日
  9. ^ 「成田新高速鉄道の建設と京成日暮里駅総合改善事業の現状」『鉄道ジャーナル』2008年4月号 鉄道ジャーナル社
  10. ^ 新社長を直撃! 京成電鉄 その2〜成田新高速鉄道で東京=成田を36分に nikkei BPnet、2004年8月17日
  11. ^ 新型スカイライナーのデザインを発表しました (PDF) 京成電鉄、2008年4月9日
  12. ^ 「スカイライナー」の車両としては3代目(初代AE→2代AE100→3代新型AE)だが、先代が「AE100形」なので「AE形」としては2代目。
  13. ^ 最高時速160kmへの取り組み - 京成電鉄
  14. ^ 京成線各駅で「駅ナンバリング」を導入いたします (PDF) 京成電鉄ニュースリリース、2010年6月25日
  15. ^ 京成時刻表Vol.25 2010年7月9日発売
  16. ^ 研究会は、京成電鉄、成田空港高速鉄道、成田高速鉄道アクセス、成田国際空港、成田市、千葉県の各メンバーから成り、課題の整理と調査が実施される。
  17. ^ 京成線ご利用案内
  18. ^ 成田-羽田空港間に特急構想 直通1時間に短縮 MSN産経ニュース、2008年8月16日
  19. ^ 成田-羽田間鉄道整備/国交省検討委が近く会合/浅草線改良で時間短縮へ 日刊建設工業新聞、2008年8月12日
  20. ^ 成田-羽田、鉄道で1時間構想 国交省、都心に新線計画 asahi.com、2008年9月7日人民網日本語版転載記事)
  21. ^ 東京-成田、直通30分以内に短縮 国交省検討 NIKKEI NET、2008年10月5日
  22. ^ 成田スカイアクセス開業!!7月17日(土)京成線ダイヤ改正 (PDF) - 京成電鉄ニュースリリース、2010年5月28日。
  23. ^ 7月17日(土) 成田スカイアクセス開業に伴うダイヤ改正を実施します - 北総鉄道トピックス、2010年5月27日。
  24. ^ 成田空港線開業にともない7月17日(土)から羽田空港駅⇔成田空港駅直通電車を運行いたします - 京浜急行電鉄報道発表資料、2010年5月28日
  25. ^ 日暮里駅 - 空港第2ビル駅を基準とした場合であり、京成上野駅 - 成田空港駅間の場合は41分である。

参考文献

関連項目

外部リンク

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