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せっつ (巡視船)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
せっつ
基本情報
船種 巡視船 (ヘリコプター1機搭載型)
船籍 日本の旗 日本
運用者  海上保安庁
建造所 住友重機械浦賀造船所
母港 横浜神戸
船舶番号 128066
信号符字 JQWO
IMO番号 8320949
経歴
発注 昭和57年
起工 1983年4月5日[1]
進水 1984年4月21日[1]
竣工 1984年9月27日[1]
要目
総トン数 3,111トン[2]
全長 105.0メートル
15.0メートル
詳細な要目表はつがる型巡視船を参照
テンプレートを表示

せっつ」(Settsu)は、海上保安庁ヘリコプター1機搭載型巡視船つがる型巡視船の6番船にあたる。船種記号は、当初は他の大型巡視船と同じPL(Patrol vessel Large)とされていたが、後にPLH(Patrol vessel Large with Helicopter)に変更された[注 1]。また公称船型も、当初は単に「ヘリコプター搭載型」と称されていたが、2機搭載のみずほ型の出現によって「ヘリコプター1機搭載型」となった[3]

船歴

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1984年9月27日に竣工し、横浜海上保安部第三管区)に配属された。船名は摂津国に由来する。その後、1986年3月3日には神戸海上保安部第五管区)に配属替えとなった[3]

2009年7月3日、和歌山県白浜町の南西約29キロの紀伊水道で、神戸海上保安部所属の巡視船「せっつ」が前部甲板にある35ミリ機関砲の射撃訓練を行ったところ、衝撃で砲身が吹き飛んで海中に落下した[4]。乗組員約40人にけがはなかった。 神戸海上保安部の発表によると、「せっつ」は20ミリ機関砲の訓練を終え、35ミリ機関砲を右舷に向け1発発射した直後、砲身が外れたという。砲身は、ねじって砲にはめ込む仕組みになっており、常時取り付けられている。訓練前の点検でも異状はなかったという[4]

その後、2019年より延命・機能向上工事に入り[5]、2020年10月1日に完工[6]。任務に復帰している。

2023年1月27日、東南アジア海賊警戒監視のために神戸港を出航した[7]

搭載機の変遷

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機種 機番 愛称 配属期間
ベル 212 MH607 すま 1984年9月13日-2011年3月25日
MH540 2011年3月25日-2011年12月20日
MH607 2011年12月20日-2015年03月13日
MH594 2015年3月13日-2015年11月30日
シコルスキー S-76D MH918 しらさぎ 2015年9月29日-

脚注

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注釈

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  1. ^ 1985年6月1日付けで「海上保安庁の船舶の番号および名称の附与基準」(昭和24年海上保安庁達第54号)の一部が改正されて「PLH」の記号が制定されたもので、本船は同年10月18日付けで変更された[3]

出典

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  1. ^ a b c Wertheim 2013, pp. 383–384.
  2. ^ 海人社 2001.
  3. ^ a b c 海人社 1986.
  4. ^ a b 2009年7月4日付『読売新聞
  5. ^ JMU艦船事業本部 官公庁船・特殊船統括部 因島工場「ヘリコプター搭載大型巡視船-延命・機能向上工事-」『JMU テクニカル・レビュー』No.7、2020年1月。 
  6. ^ ヘリ巡「せっつ」が第一線に復帰”. 海人社. 2020年11月1日閲覧。
  7. ^ 「海賊対策で東南アジアへ! 巡視船「せっつ」が神戸を出港」『世界の艦船』第991号、海人社、2023年4月、15頁。 

参考文献

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  • 海人社 編「海上自衛隊・海上保安庁 艦船の動向 : 昭和60年度を顧みて」『世界の艦船』第366号、海人社、61-67頁、1986年7月。NDLJP:3292150 
  • 海人社 編「海上保安庁 PLHの全貌」『世界の艦船』第590号、海人社、53-59頁、2001年12月。 NAID 40002156202 
  • Wertheim, Eric (2013), The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World (16th ed.), Naval Institute Press, ISBN 978-1591149545 

関連項目

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