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とびだせ!マシーン飛竜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とびだせ!マシーン飛竜
アニメ
原作 タツノコプロ企画室、鳥海尽三
監督 原征太郎(チーフディレクター)
脚本 吉野次郎山本優永田俊夫 ほか
キャラクターデザイン 天野嘉孝、遠藤克己
メカニックデザイン 大河原邦男
音楽 筒井広志
製作 東京12チャンネル東映、タツノコプロ
放送局 東京12チャンネル
放送期間 1977年10月5日 - 1978年3月29日
話数 全21話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

とびだせ!マシーン飛竜』(とびだせ マシーンひりゅう)は、1977年10月5日から1978年3月29日まで東京12チャンネルで放送されていたテレビアニメ。東京12チャンネル、東映(本社テレビ事業部)、タツノコプロの共同製作。全21話。

岬コンツェルンに雇われた無名レーサーのリッキーと、ガッポリンコンツェルンの契約レーサーであるオッカナビッチ。それぞれが所属するチームの対決をコミカルに描いたカーレースアニメである[1]

本作は、1970年代後期のいわゆるスーパーカーブームを受けて企画・制作された[1][2]。本放送当時は『激走!ルーベンカイザー』『超スーパーカー ガッタイガー』『アローエンブレム グランプリの鷹』そして本作と、カーレースアニメだけで4本も制作・放送されている。本作は、その中で唯一のコメディアニメとなっている[1]

第8話までは一般的なレースアニメだったが、第9話以降はレース会場となる場所の人物や、ゼニゼニチームとは別の陰謀団にリッキーらが巻き込まれたりする展開に変更していく。

本作誕生の経緯

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本作は、東映本社のテレビ事業部とタツノコプロが手を組んだ、異色のコラボレーションによる作品である。

広告代理店の東映エージエンシーは、1976年(昭和51年)4月の番組改編期用にポピーがスポンサーを担当した『忍者キャプター』を売り込んだことにより、東京12チャンネル水曜19時台後半枠の確保に成功する。1977年2月に開始された『快傑ズバット』からは、諸事情によってタカトクトイス(放送当時は「タカトク」、1979年に左記の社名へ改称)がこの枠のメインスポンサーを務めることになった。

本作終了後の1978年(昭和53年)4月5日から同年5月10日までは、東映エージエンシーが新たに『スパイダーマン』を調達するための空白期間となっており、東京12チャンネルの水曜日19:30-20:00枠は暫定的に、『まんがふるさと昔話』の再放送で穴埋めされていた。

2021年11月10日にベストフィールドから初ソフト化となるDVDが発売された。

登場人物

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飛竜チーム

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風間 力(かざま つとむ)
- 三橋洋一(第8話まで)/古谷徹(第9話以降)
飛竜チームの専属レーサー。通称「リッキー」。無名ながら卓越した運転技術の持ち主で、マシーン飛竜を操って世界のレースに参戦する。美女には滅法弱い(イカリーヌとツンツンを除く)。
岬 ナナ(みさき ナナ)
声 - 黄蛾媚
岬会長の孫娘で、飛竜ダンバーの運転とメカニックを担当。チャーミングな外見の割にヤキモチ焼き。
岬 チュウ太(みさき チュウた)
声 - 鈴木れい子
ナナの弟で、飛竜コプターに搭乗し、偵察やゼニゼニチームの妨害の邪魔を担当する。
ヒデキ
声 - 竜田直樹
岬家に飼われているチンパンジー。チュウ太と共に飛竜コプターに搭乗し、サポート役を務める。
岬会長(みさきかいちょう)
声 - 緒方賢一
岬コンツェルン会長。岬コンツェルンを世界に売り出すため、レースに参加する。レースの時には、ガッポリン会長と賭け[3]をやるのが毎回のパターン。「〜だべさ」が口癖。

ゼニゼニチーム

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オッカナビッチ
声 - 増岡弘
ゼニゼニチームの専属レーサー。ゼニゼニマシン1号を操り、あらゆる手段を使ってレースに勝とうとする。乱暴そうな外見の割に間抜けで、さらにイカリーヌには全く頭が上がらない。七五調 で喋るのが癖。リッキー曰く「野郎」。
イカリーヌ
声 - 弥永和子
オッカナビッチの妻で、2号の操縦担当。凄い美貌とスタイルとは裏腹に、性格は冷酷で怒りっぽく、オッカナビッチが負けると必ずオシオキを仕掛ける。普段のスーツは黒のラインが描かれている赤い全身レオタード状だが、第15話だけは黄色いチャイナワンピースを着用した(唯一のメンバー衣装変更)。
ツンツン
声 - 小宮和枝
オッカナビッチ夫妻の娘で、ゼニゼニマシン3号を操縦し、様々な妨害を仕掛ける。イカリーヌに似た美貌とスタイルの持ち主。
ナターシャ
イカリーヌに飼われている、喋れるチャウチャウ犬。イカリーヌと共にゼニゼニマシン2号に乗る。イカリーヌには忠実で、オッカナビッチを茶化すことが多い。
ガッポリン会長
声 - たてかべ和也
ガッポリンコンツェルンの会長。ケチでがめつい性格で、賞金目当てにレースに参戦する。そして目的達成のためなら、どんな卑劣な手段も使う。関西弁で喋る。ナイゼニア国出身。
なおオッカナビッチ以外の4名は、いずれも第16話には登場していない[4]

登場メカニック

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飛竜チームのマシン

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マシーン飛竜
最高時速425km/h。エンジンはV8ターボエンジン。重量は1100kg。車体はカーボンファイバー製。
飛竜4大メカ装備
飛竜ジャンプ
後輪車軸を伸ばして後輪を広げ、前方の相手を大きくジャンプする技。
飛竜クラフト
車体両脇中央部のスラスターを垂直に曲げ、クラフトにする。海などの水上走行時に使用。
飛竜チェンソー
フロントからチェーンソーを出し、目の前の障害物を切り裂く。
飛竜キャタピラ
後輪2輪をベルトで包んでキャタピラにする。氷上や荒れ地などの走行時に使用。設定だけで映像には登場せず。
飛竜コプター
チュウ太とヒデキが運転するヘリコプター。上空から偵察したり、ゼニゼニマシン3号の妨害を邪魔したりする。
飛竜ダンパー
ナナが運転するトランスポーター。マシーン飛竜と飛竜コプターを格納。

ゼニゼニチームのマシン

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ゼニゼニマシン1号
オッカナビッチが運転するレース用マシン。毎回壊れるため、毎回異なる機体が1号として登場する。勝つためには手段を選ばない搭乗者の方針上、様々な仕掛けがしてある。モデルは動物型が多いが、第2話のケシトメールターボ(火山レース用、後方に消火器を装備)などの様に動物型でないのもある。
ゼニゼニマシン2号
イカリーヌとナターシャが乗るトランスポーターにして大型のヘリコプター。1号と3号を格納。
第3話にて、マシーン飛龍に仕掛けた爆弾が、回り回ってゼニゼニマシン2号の車内に戻ってきてしまい、イカリーヌとツンツンがパニックとなり、墜落と同時に爆発大破する事態となった。その後第18話ではマシーン飛竜を火炎地獄に巻き込ませたものの、ガソリンがなくなって墜落し爆発した。
ゼニゼニマシン3号
ツンツンが運転するミニジェットヘリコプター。妨害が主。水中も移動可能。

スタッフ

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  • 企画 - 飯島敬、小野耕人
  • 原作 - タツノコプロ企画室、鳥海尽三
  • 音楽 - 筒井広志
  • チーフディレクター - 原征太郎
  • プロデューサー - 新美隆雄、鈴木敏充、横尾潔
  • 作画監督 - 田中英二、遠藤克己
  • 作画 - 本多哲、平山則雄、福山政敏、小島幸雄 ほか
  • 背景 - 佐藤広明 ほか
  • 文芸担当 - 長谷川進
  • キャラクターデザイン - 天野嘉孝、遠藤克己
  • メカニックデザイン - 大河原邦男
  • 美術設定 - 横瀬直人、新井寅雄
  • 色指定 - 杉崎容子 ほか
  • 特殊効果 - 朝沼清良、土井通明
  • 仕上 - 内田千代子、井上文子 ほか
  • 録音制作 - ザックプロモーション
  • 録音ディレクター - 藤山房延
  • 効果 - 大野隆信
  • 調整 - 遠矢征男
  • 撮影 - アニメフレンド ほか
  • 現像 - 東京現像所
  • 編集 - 三木幸子、戸田禮子
  • 進行 - 新井正彦 ほか
  • 制作協力 - 東映エージエンシー、アニメフレンド
  • 製作 - 東京12チャンネル、東映、タツノコプロ

主題歌

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オープニングテーマ - 「とびだせ!マシーン飛竜」
歌 - こおろぎ'73 / 作詞 - 加賀進 / 作曲・編曲 - 筒井広志
エンディングテーマ - 「やるぞ われらのゼニゼニチーム」
歌 - こおろぎ'73、フィーリング・フリー / 作詞 - 八手三郎 / 作曲・編曲 - 筒井広志

各話リスト

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  • 読み上げはリッキー(三橋洋一→古谷徹)が担当。リッキーは次回予告も担当。
  • 第9話までのサブタイトルクレジット部は「チェッカーフラッグのチェッカー模様」だったが、第10話以降は「マシーン飛竜のシルエット」に変更された。
話数 放送日 サブタイトル 脚本 演出 登場ゼニゼニマシン1号
1 1977年
10月5日
ナンデス高原大爆走! 吉野次郎 布川ゆうじ
原征太郎
虎鮫号
2 10月12日 黒こげ!火の海大レース 陶山智 西久保瑞穂 ケシトメールターボ
3 10月19日 走れや走れ!猛獣地獄 加賀進 ライオンギーニ
4 10月26日 ブルブル!流氷大レース 山本優 植田秀仁 ヒートシンジェリコ
5 11月2日 ゴミ砂漠ドッキリ!恐竜レース 加賀進 西久保瑞穂 サソリーカー
6 11月9日 ミステリーゾーン?くたくたレース 山本優 布川ゆうじ
植田秀仁
ホネホネギーニ
7 11月16日 アラゾン秘境ビクビクレース 久保田圭司 昆進之介
四辻たかお
スネーカー号
8 11月23日 チビッコ救出!ヘマラヤ大作戦 吉野次郎 植田秀仁 ソリーズモービル
9 11月30日 二人三脚!アベコベレース 四辻たかお 名称不明(タコ型)
10 12月7日 チンケ博士救出!ヒヤヒヤレース 久保田圭司 布川ゆうじ
植田秀仁
ブスタング
11 12月14日 ヒョウの恩がえしドキドキレース 加賀進 四辻たかお ジョーズカー
12 12月21日 危機一発?人質大レース 山本優 植田秀仁 リュータツ
13 12月28日 大陸沈没!ブクブクレース 平和元 三家本泰美 ウクレレコルベット
14 1978年
1月4日
ジジババと四人の盗賊 加賀進 昆進之介
西久保瑞穂
ラクダ亭迷惑号
15 1月11日 ジーギルタックとハイドカー!大追跡 陶山智 四辻たかお カメレオンカー
16 1月25日 トラック野郎!ハイウェイ大レース 加賀進 布川ゆうじ
西久保瑞穂
イモリンカーン
17 2月8日 大戦争!ハラハラレース 山本優 昆進之介
広川和之
サイデッカー
18 2月22日 美人レーサー!ムチムチレース 久保田圭司 遠藤克己
四辻たかお
タートルメカ
19 3月8日 黄金ザクザク欲張りレース 吉野次郎 植田秀仁 スカンク号
20 3月22日 謎のレーサー!メカ大魔王 永田俊夫 四辻たかお ダチョウメカ
21 3月29日 オッカナビッチ昔の名前で出ています 海老沼三郎
鳥海尽三
火龍

放送局

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商品展開

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タカトクから、Z合金シリーズで、マシーン飛竜、飛竜ダンパー、飛竜コプターが発売された[16]

コミカライズ

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津原義明によるコミカライズ作品が、『冒険王』(秋田書店)に1977年11月号から1978年4月号まで連載された。

ネット配信

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  • 2023年11月より、「東映シアターオンライン」(YouTube)の「アニメ据置枠」から第1・2話が常時無料配信されている。
  • 2024年より、「東映オンデマンド」で全話配信が行われている。「東映シアターオンライン」でもこれを記念して、第3・4話が同年1月一杯の期間限定で無料配信された。

脚注

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  1. ^ a b c TV アニメ とびだせ!マシーン飛竜”. allcinema(運営 - 株式会社スティングレイ). 2019年9月20日閲覧。
  2. ^ 藤津亮太 (2009年7月31日). “藤津亮太のテレビとアニメの時代 第8回アニメブームの始まり”. アニメ!アニメ!ビズ. p. 2. 2019年9月20日閲覧。
  3. ^ 第5話までは両会長での話し合いで賭けの内容を決めていたが、第6話からは負けた方の会長が抽選で内容を決めるというやり方に変更、末期は一切行われなくなった。
  4. ^ 登場はしていないものの、ラストの「オッカナビッチへのオシオキ」は通常通り行われた(ゼニゼニマシン2号に装備されたにオッカナビッチが磔にされる)。
  5. ^ 日刊スポーツ』1977年10月13日付テレビ欄。
  6. ^ 『日刊スポーツ』1978年1月28日付テレビ欄。
  7. ^ 福島民報』1985年4月9日 - 6月13日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ 『日刊スポーツ』1977年10月26日付テレビ欄。
  9. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1978年8月号、徳間書店、46-48頁。 
  10. ^ 『静岡新聞』1977年10月12日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『中日新聞縮刷版1977年10月』、テレビ欄。
  12. ^ 山陽新聞』1978年3月テレビ欄。
  13. ^ 『中国新聞』1978年1月 - 5月、テレビ欄
  14. ^ 熊本日日新聞』1978年6月テレビ欄。
  15. ^ 『熊本日日新聞』1978年3月テレビ欄。
  16. ^ 朝日新聞』1977年12月18日付朝刊24面『第2回 東映テレビヒーローコンテスト』内 タカトク広告。

外部リンク

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東京12チャンネル 水曜 19:30 - 20:00
前番組 番組名 次番組
快傑ズバット
(1977年2月2日 - 9月28日)
とびだせ!マシーン飛竜
(1977年10月5日 - 1978年3月29日)
まんがふるさと昔話 再放送
(1978年4月5日 - 5月10日)