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アラキドン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラキドン酸
略称 AA、ARA、20:4 n-6
識別情報
CAS登録番号 506-32-1 チェック
PubChem 444899
ChemSpider 392692 チェック
UNII 27YG812J1I チェック
日化辞番号 J12.228I
EC番号 208-033-4
DrugBank DB04557
KEGG C00219 チェック
MeSH Arachidonic+acid
ChEBI
ChEMBL CHEMBL15594 チェック
2391
RTECS番号 CE6675000
バイルシュタイン 1713889
3DMet B00061
特性
化学式 C20H32O2
モル質量 304.47 g mol−1
示性式 CH3(CH2)4(CH=CHCH2)4(CH2)2COOH
密度 0.922 g/cm3
融点

-49 °C, 224 K, -56 °F

沸点

169-171 °C, 442-444 K, 336-340 °F (at 0.15 mmHg)

log POW 6.994
酸解離定数 pKa 4.752
危険性
NFPA 704
1
1
0
Rフレーズ R19
引火点 113 °C (235 °F; 386 K)
関連する物質
関連物質 エイコサテトラエン酸 (20:4 n-3)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アラキドン酸(アラキドンさん、: Arachidonic acid)は、不飽和脂肪酸のひとつ。4つの二重結合を含む20個の炭素鎖からなるカルボン酸で、ω-6脂肪酸に分類される。数値表現で 20:4(n-6)または20:4(Δ5,8,11,14)となる。

生体でのアラキドン酸カスケードを担う脂質。

存在と役割

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細胞膜中のリン脂質(特にホスファチジルエタノールアミンホスファチジルクロリンホスファチジルイノシトール)として存在し、なかでもに多く含まれる。

アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジントロンボキサンロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。

アラキドン酸は、ほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられている。

必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成

摂取

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主に母乳などに含まれており、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。

ヒトでは、アラキドン酸はリノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することができないか、あるいは全く生産する機能を持たない。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。

自閉症スペクトラムの患者にアラキドン酸を平均228日間、経口投与し続けた結果、症状の一部改善が見られたという報告がある[2]

出典

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  1. ^ Pubchem. “5,8,11,14-Eicosatetraenoic acid | C20H32O2 - PubChem”. pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2016年3月31日閲覧。
  2. ^ 「自閉症スペクトラム障害の社会性障害におけるアラキドン酸の役割について」『日本精神神経学会』2010年。 

外部リンク

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