アリナミン
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(アリナミンRから転送)
『アリナミン』(英文表記: ALINAMIN)は、アリナミン製薬株式会社(旧:武田コンシューマーヘルスケア株式会社)が販売する錠剤と栄養ドリンクの商品名である。かつての親会社の武田薬品工業株式会社からは、処方箋医薬品として錠剤と注射液剤が発売されている[1]。
製品概要
[編集]1954年(昭和29年)に「アリナミン糖衣錠」を発売。ビタミンB1誘導体が薬の主成分となっている。
種類として錠剤と栄養ドリンク剤があり、その種類も多岐にわたっている。なお、当初はほとんどが医薬品だったが、1999年に栄養ドリンク剤が医薬部外品に移行されたことで、OTC医薬品(第三類医薬品)の製品と指定医薬部外品の製品が存在する。
アリナミンは、日本国外でもチアノイロン、タケトロン、ベニューロン、ネブリトン、プロネウリン、アクティノムなどの名で販売されている(または販売されていた)。
歴史
[編集]- 1951年(昭和26年)9月 - ビタミンB1誘導体の「アリチアミン」を発見。
- 1954年(昭和29年)3月18日 - 体内でビタミンB1になる脂溶性の物質「プロスルチアミン」の開発に成功し、「アリナミン糖衣錠」を発売。
- 1959年(昭和34年) - 発売5周年。
- 1961年(昭和36年) - テレビCM主演に三船敏郎を起用。ビタミンB1誘導体「フルスルチアミン」を配合した「アリナミンFシリーズ(アリナミンF25糖衣錠、アリナミンF50糖衣錠)」を発売。
- 1964年(昭和39年) - 発売10周年。広告キャッチコピーに「のんでますか? アリナミン」が制定される。
- 1965年(昭和40年)
- 11月
- 全国の薬局・薬店で構成される販売店組織「タケダ会」を発足。
- ビタミンB1誘導体「フルスルチアミン」配合の「アリナミンAシリーズ(アリナミンA5、アリナミンA25、アリナミンA50・第1期)」を発売。
- 11月
- 1969年(昭和44年) - 発売15周年。
- 1970年(昭和45年) - 「アリナミンA25」の300錠を発売。一時的に「アリナミンAシリーズ」におけるCMタレントが不在になる。
- 1974年(昭和49年) - 発売20周年。
- 1976年(昭和51年) - 「アリナミンA25」のCMタレントに柴俊夫を起用。
- 1979年(昭和54年) - 発売25周年。
- 1980年(昭和55年)
- 1984年(昭和59年) - 発売30周年。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年) - 発売35周年。
- 12月 - 「アリナミンA25」のテレビCMシリーズ「世界紀行シリーズ(第1期)」の放映を終了。
- 1990年(平成2年) - 「アリナミンV」と「アリナミンA25」のCMタレントが交代し、「アリナミンV」にはアーノルド・シュワルツェネッガーが、「アリナミンA25」には坂本龍一がそれぞれ起用される。
- 1991年(平成3年) - 「アリナミン」の起源であるアリチアミンの発見から40年となり、広告キャッチコピーが「おかげさまでアリナミン誕生40周年」となり、「アリナミンA25」の広告キャッチコピーが「疲れている人は、いい人だ」となる。
- 1992年(平成4年) - 「アリナミンV」のCMタレントが交代し、宮沢りえを起用。塩酸フルスルチアミン・コンドロイチン硫酸ナトリウム・塩化カルニチン・タウリン配合50ml栄養ドリンク剤「アリナミンV&V」を発売。
- 1993年(平成5年) - 「アリナミンV」・「アリナミンV&V」のCMタレントが交代し、中村雅俊が起用される。
- 1993年(平成5年)11月 - 1日1回服用型で、ビタミンEを配合したビタミンB1・B6・B12製剤「アリナミンEX」を発売。
- 1994年(平成6年)
- 4月 - 発売40周年。4年ぶりに「アリナミンA25」のテレビCM「世界紀行シリーズ(第2期)」を放映開始。
- 7月 - 1日1回服用のフルスルチアミン50mg配合「アリナミンA50」第2期を発売。
- 1995年(平成7年)1月 - 「アリナミンA5」と「アリナミンA25」が新パッケージになる。
- 1996年(平成8年)3月 - 100mlの栄養ドリンク剤「アリナミンダイナミック」を発売、永澤俊矢と天海祐希を1年起用された。
- 1997年(平成9年)4月 - 「アリナミンダイナミック」のCMタレントにスティーヴン・セガールと藤谷文子を起用。
- 1998年(平成10年)4月 - 「アリナミンV」・「アリナミンEX」のCMタレントが交代し、「アリナミンV」に丸山茂樹が、「アリナミンEX」に東山紀之(少年隊)がそれぞれ起用される。
- 1999年(平成11年) - 発売45周年。
- 1999年(平成11年)4月1日 - 薬事法のため「アリナミン」ブランドのドリンク剤が医薬品から医薬部外品へ移行。
- 1999年(平成11年)6月 - 「アリナミンA25」のビタミンB2・B6・B12処方を増量強化した「新アリナミンA」を発売。
- 2001年(平成13年) - 医薬部外品100ml栄養ドリンク剤「アリナミン7」、医薬品50mlドリンク剤「アリナミンe内服液」を発売。キャッチコピーが「この時代を、楽しむカラダ。アリナミン」となる。
- 2002年(平成14年) - 医薬部外品100ml栄養ドリンク剤「アリナミン7ゴールド」を発売。「アリナミン7」のCMタレントに室伏広治が起用される。
- 2003年(平成15年) - 医薬部外品50ml栄養ドリンク剤「アリナミンV&V NEW」、「新アリナミンA」と「アリナミンEX」にポケットパックを追加発売。広告キャッチコピーが「疲れをマネジメントという発想」になる。
- 2004年(平成16年) - 発売50周年。広告キャッチコピーが「タケダはずっと疲れた人に、アリナミン」となる。
- 2004年(平成16年)12月 - 「アリナミンEX」のCMタレントが交代し、坂口憲二を起用。
- 2005年(平成17年)
- 2007年(平成19年)4月 - 「アリナミンA」・「アリナミンEXプラス」に120錠を追加発売。また、「おつかれさまです、アリナミン。」を広告キャッチフレーズに主要製品のCMタレントが交代し、「アリナミンV」に佐藤隆太が、「アリナミンA」に石田ゆり子が、「アリナミンEXプラス」に柳葉敏郎がそれぞれ起用される。
- 2009年(平成21年) - 発売55周年。3月2日にノンカフェインの80ml栄養ドリンク剤「アリナミンR」を発売、テレビCMに松下奈緒を起用。
- 2011年(平成23年) - 「アリナミンA」・「アリナミンEXプラス」のCMタレントが交代し、「アリナミンA」には吉瀬美智子が、「アリナミンEXプラス」には滝川クリステルがそれぞれ起用される。
- 2012年(平成24年) -
- 2013年(平成25年)4月18日 -
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)6月 - 「アリナミン7」シリーズ(アリナミンゼロ7・アリナミン7)のCMタレントが交代し、山本彩を起用。
- 2016年(平成28年)7月7日 - イノシトールを配合した糖類ゼロの50ml栄養ドリンク剤「アリナミンVゼロ」を発売。CMタレントには唐沢との共演でダチョウ倶楽部も起用される。
- 2017年(平成29年)
- 2019年(平成31年)4月22日 - アルミパウチドリンクの「アリナミンメディカルバランス」を発売。形状はゲル状のいわゆるゼリー飲料である。CMには岡田健史を起用。
- 2021年(令和3年)
- 7月 - 「アリナミン7」・「アリナミンゼロ7」に「呪術廻戦限定コラボパッケージ」を数量限定で発売(各製品共に8種類があり、10本箱も特別デザインとなる。なお、10本箱の場合はランダムに封入されているため、8種類すべてが入らない可能性がある)。
- 9月 - 「アリナミンEXプラスα」をリニューアル。シルバー基調に赤のアクセントを配したデザインとなったほか、包装体系を従来の60錠・120錠・180錠から80錠・140錠・280錠に増量され、新たに、トライアルサイズの24錠を追加した4包装となった。
- 9月27日 - 「アリナミンナイトリカバー」を発売。本品は「アリナミン」ブランドのドリンク剤で初となるシュリンクラベル仕様となり、赤基調のパッケージを基本とする通常の「アリナミン」とは異なるブルーのパッケージである[2]。
- 2022年(令和4年)
- 3月7日 - 「アリナミンA」のCMタレントが交代し、綾瀬はるかを起用(同社の風邪薬ブランド「ベンザ」との兼任となる)。
- 4月1日 - 「アリナミンメディカルバランス」をリニューアル発売。パッケージデザインを赤基調に変え、既存品をグレープフルーツ風味とするとともに、アップル風味を追加して2種類となる。なお、「アリナミンV・アリナミン メディカルバランス」のCMタレントが交代し、反町隆史を起用する[3][注 1]。
- 5月9日 - 「アリナミンメディカルゴールド」を発売[4]。本品は「アリナミンEXゴールド」から製品名とパッケージデザインを変更したリニューアル品となり、包装体系が大入り包装がメーカー希望小売価格を据え置いたままで90錠から105錠に増量され、「アリナミンEXα」に次いでの設定となるトライアルサイズの21錠を追加して3包装となった。
- 8月30日 - 指定医薬部外品100mlドリンク剤「アリナミンロイヤルエース」を発売。本品は「アリナミン」ブランドで初となる通信販売「アリナミン製薬ダイレクト」専売製品となり、10本箱単位での販売となる[5]。
- 2023年
主要製品
[編集]現在
[編集]旧武田コンシューマーヘルスケアでは製品パッケージにロゴマーク(鱗印の日本国内向けロゴまたは抱き山の日本国外向けロゴ)が表記されていたが、「アリナミン製薬」表記品では製品パッケージにロゴマークを表記していなかったため、ロゴマークが表記されていた所は空白となった。2023年春より、「アリナミンA50」と「アリナミン錠」を除くアリナミン錠剤シリーズは製品パッケージにアリナミン製薬の社標が順次表記されるようになる。
- アリナミン錠剤シリーズ(アリナミン錠は指定医薬部外品、その他の製品は第3類医薬品)
- アリナミン錠(ビタミン含有保健薬、コンビニエンスストアまたは通信販売「アリナミン製薬ダイレクト(旧:タケダ健康ショップ→アリナミン製薬の健康通販)」で購入可能。2012年 - 現在)疲労の回復・予防に
- アリナミンA(「ビタミンB1主薬製剤」 2005年 - 現在)
- アリナミンA50(「ビタミンB1主薬製剤」 1994年 - 現在)
- 「アリナミンA50」に関しては通常の包装品(65錠、170錠)の他に、「アリナミンA」を踏襲したパッケージデザインとし、内容量を5錠増やした別包装品(70錠、175錠)も店舗を限定して発売されている。
- アリナミンEXプラス(「ビタミンB1B6B12製剤・ビタミンE配合」 2005年 - 現在)
- アリナミンEXプラスα(「ビタミンB1B6B12製剤・ビタミンB2、ビタミンE配合」 2017年 - 現在)
- アリナミンメディカルゴールド(「ビタミンB1B6B12製剤・ビタミンE、葉酸配合」 2022年 - 現在、旧アリナミンEXゴールド)
- アリナミンドリンクシリーズ(医薬品 → 医薬部外品 → 指定医薬部外品)
- アリナミンV (「ミニドリンク剤」 1987年 - 現在)疲労の回復・予防に
- アリナミンVゼロ(「ミニドリンク剤」 2016年 - 現在)疲労の回復・予防に
- アリナミンV&V NEW (「ミニドリンク剤」 2003年 - 現在)疲労の回復・予防に
- アリナミンV&Vロイヤル (「ミニドリンク剤」 2014年 - 現在)疲労の回復・予防に
- アリナミンナイトリカバー(「ミニドリンク剤」 2021年 - 現在)ノンカフェイン
- アリナミンRオフ(「ミニドリンク剤」 2013年 - 現在) - BCAA(分岐鎖アミノ酸)配合。糖類ゼロ・カロリーオフ(1本あたり2キロカロリー)。疲労の回復・予防に
- アリナミン7 (「ドリンク剤(100mL入り)」 2001年 - 現在) - 自販機用はかつて大同薬品工業が製造していた。疲労の回復・予防に
- アリナミンゼロ7(「ドリンク剤(100mL入り)」 2012年 - 現在) - ダイドードリンコの自販機(一部)でも購入可能。疲労の回復・予防に
- アリナミンロイヤルエース(「ドリンク剤(100mL入り)」 2022年 - 現在) - 「アリナミン」ブランド初の「アリナミン製薬ダイレクト」限定製品
- アリナミンメディカルバランス グレープフルーツ風味(「アルミパウチドリンク(100mL入り)」2022年 - 現在、旧アリナミンメディカルゴールド)形状はゲル状のいわゆるゼリー飲料である。
- アリナミンメディカルバランスN アップル風味(「アルミパウチドリンク(100mL入り)」2022年 - 現在)
- アリナミンメディカルバランスS グレープ風味(「アルミパウチドリンク(100mL入り)」2023年 - 現在)
以前に販売されていた製品
[編集]- アリナミン錠剤シリーズ
- アリナミン糖衣錠(1954年 - 1961年、一般用医薬品として初めて発売された製品)
- アリナミンF25糖衣錠 (1961年 - 1965年、かつて存在した一般用医薬品だが、現在は医療用医薬品で販売されている)
- アリナミンF50糖衣錠(1962年 - 1965年)
- アリナミンF100糖衣錠(1963年 - 1965年、医療用医薬品)
- アリナミンA5 (1965年 - 2014年) - 肉体疲労時のビタミンB1補給に
- アリナミンA50 (1965年 - 1970年(第1期)) - 肉体疲労時のビタミンB1補給に
- アリナミンA25 (1965年 - 2005年) - 肉体疲労時のビタミンB1補給に
- 新アリナミンA (1999年 - 2005年) - 肉体疲労時のビタミンB1補給、関節痛・神経痛の緩和に
- アリナミンEX (1993年 - 2005年) - 眼精疲労・肩こり・腰痛の症状緩和に
- アリナミンEXゴールド(2013年 - 2022年) - リニューアルに伴い、「アリナミンメディカルゴールド」へ移行。
- アリナミンドリンクシリーズ
- アリナミンV&V (1992年 - 2003年) - 「アリナミンV&V NEW」へ継承。
- アリナミンダイナミック(1996年 - 2002年、100mlドリンク剤)
- アリナミン7ゴールド(2002年 - 2009年、医薬部外品100mlドリンク剤)
- アリナミンe内服液(2001年 - 2005年、医薬品50mlドリンク剤)
- アリナミンR(2009年 - 2021年、指定医薬部外品80mlドリンク剤) - 本品はアリナミン製薬への社名変更対応を受けずに製造を終了。50ml入り・糖類ゼロタイプの「アリナミンRオフ」へ統合。
その他
[編集]CM出演者
[編集]現在
[編集]- 反町隆史(アリナミンV・アリナミンメディカルバランス)- 過去に「アリナミンEXプラスα」
- 鈴木亮平(アリナミンメディカルゴールド・アリナミンEXプラスα)
- 綾瀬はるか(アリナミンA)
- 山崎育三郎(アリナミンナイトリカバー)
※過去のCM出演者については#歴史を参照。
CM音楽・CMソング
[編集]- 「只今 少々 疲れ気味」藤川浩一・槇みちる・ムーン・ドロップス(1973年)
- 「アリナミンA25 テレビCM世界紀行シリーズ(第1期)」樋口康雄(1980年 - 1989年)
- 「愛の時代に」やしきたかじん(1982年)
- 「TAKE FIVE」デイヴ・ブルーベック・カルテット(1987年 - 1988年、「アリナミンV-DRINK」のCM音楽として使用)
- 「Nutrition」坂本龍一(1990年)
- 「魔人Vが行く」(1990年・1991年)
- 「泣けてくる」・「笑えれば」ウルフルズ(2007年)
- 「おつかれさまの国」斉藤和義(2008年)
- 「やぁ 無情」斉藤和義(2008年)
- 「Maybe Someday」 JYONGRI (2009年)
- 「Starting Over」レミオロメン(2009年)
- 「あなたのうた」Sonar Pocket(2010年、2011年は作曲者織田哲郎のセルフカバーを起用)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 同年12月からは「アリナミンEXプラスα」も兼任で起用されるようになった
出典
[編集]- ^ “アリナミン注射液10mg基本情報”. 日経メディカル. Nikkei Business Publications. 2018年10月5日閲覧。
- ^ 『「アリナミン ナイトリカバー」新発売について』(PDF)(プレスリリース)アリナミン製薬株式会社、2021年9月24日 。2021年9月28日閲覧。
- ^ 『「アリナミンメディカルバランス」 リニューアル発売およびアップル風味新発売について』(PDF)(プレスリリース)アリナミン製薬株式会社、2022年3月28日 。2022年4月4日閲覧。
- ^ 『「アリナミンメディカルゴールド」新発売について』(PDF)(プレスリリース)アリナミン製薬株式会社、2022年5月9日 。2022年7月27日閲覧。
- ^ 『「アリナミンロイヤルエース」新発売について』(PDF)(プレスリリース)アリナミン製薬株式会社、2022年8月23日 。2022年9月7日閲覧。
- ^ 『「アリナミンメディカルバランス」 グレープ風味 新発売について』(PDF)(プレスリリース)アリナミン製薬株式会社、2023年6月6日 。2023年7月29日閲覧。
- ^ ニセアリマミン73万錠 労務者らが製造販売『朝日新聞』1969年(昭和44年)11月6日夕刊 3版 11面
関連項目
[編集]- 日本の脚気史 - 脚気
- タケダアワー - 1968年放送の『怪奇大作戦』(TBS)の第4話に幟が登場し、第9話と第11話のエンディングのバックに武田薬品の社屋に「アリナミン」と書かれたネオンが登場している。またこれより前の1966年7月10日に放送された前夜祭番組『ウルトラマン誕生』(TBS系列)では、子供の観客にウルトラマンと、「アリナミン」の文字が振られたワッペンが貼られ、そして番組冒頭では本製品の生コマーシャルが行われ、このCMでは「ウルトラマンも知っている」とコメントされた[要説明]。
外部リンク
[編集]- アリナミン
- アリナミン (@alinamin_jp) - X(旧Twitter)