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インテルナツィオナーレ・ミラノ 2023-24シーズン

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インテルナツィオナーレ・ミラノ > インテルナツィオナーレ・ミラノ 2023-24シーズン
インテルナツィオナーレ・ミラノ
2023-24 シーズン
代表者 中華人民共和国の旗張康陽英語版
イタリアの旗 ジュゼッペ・マロッタ
監督 イタリアの旗 シモーネ・インザーギ
スタジアム スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
セリエA 1位 (優勝)
コッパ・イタリア ベスト16
スーペルコッパ・イタリアーナ 優勝
UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16
最多得点者 リーグ: ラウタロ・マルティネス 24得点
全大会: ラウタロ・マルティネス 27得点
最大差勝利試合フロジノーネ
5-0(5月10日)
最大差敗戦試合サッスオーロ
1-2(9月28日)
ボローニャ
1-2(12月20日)
アトレティコ
1-2(3月13日)
対サッスオーロ戦
0-1(5月4日)

インテルナツィオナーレ・ミラノ 2023-24シーズンは、インテルナツィオナーレ・ミラノが3シーズンぶり20回目のリーグ優勝を果たした2023-24シーズンを詳述する[1]

このシーズンでは、セリエAスーペルコッパ・イタリアーナのタイトルを獲得した。

シーズン詳細[編集]

インテル・ミラノはプレシーズンマッチを4試合行い、8月1日日本国立競技場パリ・サンジェルマンFCと対戦するなどしてシーズンに臨んだ[2]

夏の移籍[編集]

夏の移籍市場では、サミール・ハンダノヴィッチが退団(後に引退)、ミラン・シュクリニアルエディン・ジェコロベルト・ガリアルディーニダニーロ・ダンブロージオらがフリーで移籍。アンドレ・オナナアンドレア・ピナモンティマルセロ・ブロゾヴィッチロビン・ゴセンスも売却しチームを去った[3]。期待された結果を残せなかったホアキン・コレアオリンピック・マルセイユへとレンタル移籍することになった[4]

補強面では、フランチェスコ・アチェルビの買取OPを行使し、バンジャマン・パヴァールヤン・アウレル・ビセックヤン・ゾマーを獲得した。マルクス・テュラムデイヴィ・クラーセンフアン・クアドラードアレクシス・サンチェスらをフリーで獲得。レンタルでもダヴィデ・フラッテージカルロス・アウグストエミル・アウデロマルコ・アルナウトヴィッチが加入した[3][5]

キャプテンを務めていたハンダノヴィッチが退団したため、このシーズンからはラウタロ・マルティネスがキャプテン、ニコロ・バレッラが副キャプテンに就任した。

シーズン前半戦[編集]

シーズン開幕後、ミラノダービーでの5-1での大勝も含めリーグ戦5連勝を記録[6]。しかし、第6節USサッスオーロ戦では逆転負けを喫した。UEFAチャンピオンズリーグは3勝3分でグループステージ2位通過を決めた。ラウンド16から参戦したコッパ・イタリアではボローニャFCに負けを喫し初戦で敗退した[7]。しかし、リーグ戦では地道に連勝を重ねユヴェントスFCと首位を争った。

冬の移籍[編集]

冬の移籍市場では、カナダ代表タジョン・ブキャナンを獲得[8]ルシアン・アグメセビージャFCへとレンタル移籍した[9]

シーズン後半戦[編集]

年明け初戦となる第19節エラス・ヴェローナFC戦では93分にフラッテージが勝ち越しゴールを決めるも、97分にPKを取られてしまい、相手FWトーマス・アンリ英語版がPKを外して結果的に勝利を収めるという劇的な試合があった[10]スーペルコッパ・イタリアーナでは、SSラツィオSSCナポリに勝利し3連覇を果たした[11]。リーグ戦第23節のユヴェントス戦では1-0で勝利し2位ユヴェントスとの差を広げた[12]。第24節のASローマ戦にも勝利し、ラツィオ、ナポリ、ACFフィオレンティーナ、ユヴェントス、ローマといった強豪との5連戦を全勝で乗り切った[13]。CLラウンド16ではアトレティコ・マドリードと対戦しホームでは1-0で勝利したものの、アウェイでは1-2で延長戦PK戦の末に敗戦した[14]。しかしリーグ戦では第6節以降無敗を継続し、ユヴェントスの失速もあり首位を独走。4月23日に行われた第33節のミラノダービーACミラン戦にて2-1で勝利したことで3シーズンぶり20回目の優勝が決まった[15]。5試合を残しての優勝はリーグ史上最速タイであった[注 1][16]。第34節トリノFC戦後には優勝パレードを行い[17]、ホーム最終戦第37節SSラツィオ戦後にはトロフィーを掲げた。

シーズン成績は、USサッスオーロにシーズンダブルを喫したものの[18]、リーグ戦38試合29勝7分2敗の勝ち点94で終了。セリエAスーペルコッパ・イタリアーナのタイトルを獲得した。

個人成績では、ラウタロ・マルティネスがリーグ戦24ゴールで得点王に輝き、フリーで獲得したマルクス・テュラムも13ゴールを決めた。セリエAシーズン最優秀監督にはシモーネ・インザーギ、最優秀DFにアレッサンドロ・バストーニ、最優秀MFにはハカン・チャルハノール、MVPにはラウタロ・マルティネスが選ばれた[19]

なお、シーズン終了直前の5月22日には、蘇寧グループへの融資が返済されなかった為、アメリカの投資会社であるオークツリー・キャピタル・マネジメント英語版へと所有権が変更されたことが発表された[20][21]。6月4日、CEOとして数々の補強を成功させてきたジュゼッペ・マロッタの会長就任が発表された[22][23]

所属選手[編集]

(出典[24]注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
1 GK スイス ヤン・ゾマー
2 MF オランダ デンゼル・ダンフリース ()
5 MF イタリア ステファノ・センシ
6 DF オランダ ステファン・デ・フライ
7 MF コロンビア フアン・クアドラード
8 FW オーストリア マルコ・アルナウトヴィッチ
9 FW フランス マルクス・テュラム
10 FW アルゼンチン ラウタロ・マルティネス () ★
12 GK イタリア ラッファエーレ・ディ・ジェンナーロ
14 MF オランダ デイヴィ・クラーセン
15 DF イタリア フランチェスコ・アチェルビ
16 MF イタリア ダヴィデ・フラッテージ
17 MF カナダ タジョン・ブキャナン
No. Pos. 選手名
20 MF トルコ ハカン・チャルハノール ()
21 MF アルバニア クリスティアン・アスラニ ()
22 MF アルメニア ヘンリク・ムヒタリアン
23 MF イタリア ニコロ・バレッラ
28 DF フランス バンジャマン・パヴァール
30 MF ブラジル カルロス・アウグスト
31 DF ドイツ ヤン・アウレル・ビセック ()
32 DF イタリア フェデリコ・ディマルコ
36 DF イタリア マッテオ・ダルミアン
70 FW チリ アレクシス・サンチェス
77 GK イタリア エミル・アウデロ
95 DF イタリア アレッサンドロ・バストーニ

※括弧内の国旗はその他の保有国籍を、星印はEU圏外選手を示す。

リーグ戦順位表[編集]

チーム 出場権または降格
1 インテル (C) 38 29 7 2 89 22 +67 94 チャンピオンズリーグ 2024-25リーグフェーズに出場
2 ミラン 38 22 9 7 76 49 +27 75
3 ユヴェントス 38 19 14 5 54 31 +23 71
4 アタランタ 38 21 6 11 72 42 +30 69
5 ボローニャ 38 18 14 6 54 32 +22 68
6 ローマ 38 18 9 11 65 46 +19 63 ヨーロッパリーグ 2024-25リーグフェーズに出場
7 ラツィオ 38 18 7 13 49 39 +10 61
8 フィオレンティーナ 38 17 9 12 61 46 +15 60 カンファレンスリーグ 2024-25予選プレーオフに出場
9 トリノ 38 13 14 11 36 36 0 53
10 ナポリ 38 13 14 11 55 48 +7 53
11 ジェノア 38 12 13 13 45 45 0 49
12 モンツァ 38 11 12 15 39 51 −12 45
13 ヴェローナ 38 9 11 18 38 51 −13 38
14 レッチェ 38 8 14 16 32 54 −22 38
15 ウディネーゼ 38 6 19 13 37 53 −16 37
16 カリアリ 38 8 12 18 42 68 −26 36
17 エンポリ 38 9 9 20 29 54 −25 36
18 フロジノーネ (R) 38 8 11 19 44 69 −25 35 セリエB 2024-2025へ降格
19 サッスオーロ (R) 38 7 9 22 43 75 −32 30
20 サレルニターナ (R) 38 2 11 25 32 81 −49 17
出典: Lega Serie A
順位の決定基準: 1) 勝点、2) 直接対決の勝点、3) 直接対決の得失点差、4) 得失点差、5) 総得点、6) 抽選
(C) 優勝; (R) 降格.

UEFAチャンピオンズリーグ[編集]

グループステージ[編集]

チーム 出場権 RSO INT BEN SAL
1 スペイン レアル・ソシエダ 6 3 3 0 7 2 +5 12 ラウンド16に進出 1–1 3–1 0–0
2 イタリア インテル・ミラノ 6 3 3 0 8 5 +3 12 0–0 1–0 2–1
3 ポルトガル ベンフィカ 6 1 1 4 7 11 −4 4 ヨーロッパリーグに進出 0–1 3–3 0–2
4 オーストリア レッドブル・ザルツブルク 6 1 1 4 4 8 −4 4 0–2 0–1 1–3
出典: UEFA
順位の決定基準: 順位決定方法
2023年10月3日 2 インテル・ミラノ イタリア 1–0 ポルトガル SLベンフィカ ミラノ
21:00
レポート 競技場: スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
観客数: 66,573
主審: オランダ ダニー・マッケリー
2023年10月24日 3 インテル・ミラノ イタリア 2–1 オーストリア レッドブル・ザルツブルク ミラノ
18:45 レポート
競技場: スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
観客数: 71,825
主審: フランス フランソワ・ルテクシエ
2023年11月8日 4 レッドブル・ザルツブルク オーストリア 0–1 イタリア インテル・ミラノ ザルツブルク
21:00 レポート
競技場: シュタディオン・ザルツブルク
観客数: 30,071
主審: オランダ セルダル・ゲズビュユク
2023年11月29日 5 SLベンフィカ ポルトガル 3–3 イタリア インテル・ミラノ リスボン
21:00
レポート 競技場: エスタディオ・ダ・ルス
観客数: 52,944
主審: ラトビア アンドレス・トレイマニス
2023年12月12日 6 インテル・ミラノ イタリア 0–0 スペイン レアル・ソシエダ ミラノ
21:00 レポート 競技場: スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
観客数: 69,010
主審: スイス サンドロ・シェーラー

ラウンド16[編集]

2024年2月20日 ラウンド16 インテル・ミラノ イタリア 1–0 スペイン アトレティコ・マドリード ミラノ
21:00 レポート 競技場: スタディオ・ジュセッペ・メアッツァ
観客数: 73,709
主審: ルーマニア イシュトヴァーン・コヴァーチ

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ インテルは最速優勝を2006-07シーズンにも達成しており、最速優勝を2回記録したクラブは史上初となった。

出典[編集]

  1. ^ サッカー=インテルが20回目のリーグ優勝、ミラノダービーで決着」『Reuters』、2024年4月22日。2024年7月1日閲覧。
  2. ^ インテルが終盤の2発で逆転勝利! PSGは未勝利で日本ツアー終了、ネイマールも出番なし”. サッカーキング (2023年8月1日). 2024年7月1日閲覧。
  3. ^ a b インテルナツィオナーレ・ミラノ - 移籍 23/24”. www.transfermarkt.jp. 2024年7月1日閲覧。
  4. ^ インテル、A・サンチェスの復帰が決定的に!…J・コレアはマルセイユにレンタルへ”. サッカーキング (2023年8月25日). 2024年7月2日閲覧。
  5. ^ セリエA 2023-24夏の移籍情報 最新の補強・退団選手リスト | Goal.com 日本”. www.goal.com (2023年9月2日). 2024年7月1日閲覧。
  6. ^ インテル、ACミランとのダービーに5-1大勝 リーグ唯一の開幕から4連勝 - セリエA : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年7月1日閲覧。
  7. ^ コッパ・イタリア2連覇中のインテル、今季は16強敗退…好調ボローニャに延長戦で逆転負け”. サッカーキング (2023年12月21日). 2024年7月1日閲覧。
  8. ^ インテルがブキャナン獲得!移籍金11億円でセリエA史上初のカナダ人選手に | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年1月5日). 2024年7月1日閲覧。
  9. ^ インテル保有もレンタル生活続く22歳アグメ、武者修行先セビージャでの活躍が転機に?”. 超ワールドサッカー!. 2024年7月2日閲覧。
  10. ^ 復帰のラウタロ弾にフラッテージの後半AT弾、ラストプレーのPK失敗に救われたインテルがヴェローナに競り勝ち冬の王者に【セリエA】”. 超ワールドサッカー!. 2024年7月2日閲覧。
  11. ^ インテルがスーペルコッパ3連覇! 後半ATに主将ラウタロが決勝弾…10人のナポリを下す”. サッカーキング (2024年1月23日). 2024年7月1日閲覧。
  12. ^ 首位インテル、“イタリア・ダービー”制し16戦無敗!…2位ユーヴェと暫定「4」ポイント差に”. サッカーキング (2024年2月5日). 2024年7月1日閲覧。
  13. ^ 首位インテル、乱打戦を制して5連勝! 敗れたローマは新体制初黒星”. サッカーキング (2024年2月11日). 2024年7月2日閲覧。
  14. ^ メンフィスが後半終了間際に劇的弾! アトレティコがPK戦でインテル撃破、2年ぶりCL8強入り”. サッカーキング (2024年3月14日). 2024年7月1日閲覧。
  15. ^ インテル、5試合残し3季ぶり20度目のセリエA制覇!…“宿敵”ミランとのダービーに競り勝つ”. サッカーキング (2024年4月23日). 2024年7月1日閲覧。
  16. ^ インテル、歴代単独2位となる通算20度目のセリエA制覇!…5節残しての優勝は最速タイ記録”. サッカーキング (2024年4月23日). 2024年7月2日閲覧。
  17. ^ 王者インテルが優勝パレード サポーターと盛大にV祝う”. ライブドアニュース. 2024年7月1日閲覧。
  18. ^ 今季初の無得点、王者インテルが降格圏サッスオーロにシーズンダブル許す【セリエA】”. 超ワールドサッカー!. 2024年7月1日閲覧。
  19. ^ セリエAのMVPはインテル主将ラウタロ・マルティネスに! シモーネ・インザーギ監督が最優秀監督賞 | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年5月25日). 2024年7月1日閲覧。
  20. ^ Corporate Communication | Inter.it” (英語). www.inter.it. 2024年7月1日閲覧。
  21. ^ インテルがオーナー交代…米投資会社オークツリーが声明発表、中国人会長が負債返済ならず”. サッカーキング (2024年5月22日). 2024年7月1日閲覧。
  22. ^ F.C. Internazionale Milano S.p.A. annuncia la proposta di nomina di Giuseppe Marotta a Presidente e i nuovi membri del Consiglio di Amministrazione | Inter.it” (イタリア語). www.inter.it. 2024年7月1日閲覧。
  23. ^ 米企業『オークツリー』が経営権取得のインテル、マロッタ氏の新会長就任を発表「これまでと同様に尽力していく」”. サッカーキング (2024年6月4日). 2024年7月1日閲覧。
  24. ^ Inter 2023/24”. Transfermarkt. 2024年7月1日閲覧。

関連項目[編集]