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オフィーリア (衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オフィーリア
Ophelia
上の丸がオフィーリア
上の丸がオフィーリア
仮符号・別名 Uranus VII
S/1986 U 8
分類 天王星の衛星
発見
発見日 1986年1月20日[1]
発見者 ボイジャー2号
(ボイジャー撮像チーム)
軌道要素と性質
平均公転半径 53,763.390 ± 0.847 km[2]
離心率 (e) 0.00992 ± 0.000107[2]
公転周期 (P) 0.37640039 日[2]
軌道傾斜角 (i) 0.10362°[2]
(天王星の赤道に対して)
近日点引数 (ω) 17.761°[3]
昇交点黄経 (Ω) 164.048°[3]
平均近点角 (M) 116.259°[3]
天王星の衛星
物理的性質
三軸径 54 × 38 × 38 km[4]
平均半径 21.4 ± 4 km[4]
表面積 5,754.90 km2[1]
体積 41,052 km3[1]
質量 5.4×1016 kg[5]
平均密度 1.3 g/cm3 (仮定値)[5]
表面重力 0.0070m/s2
脱出速度 0.018km/s
自転周期 同期回転[4]
アルベド(反射能) 0.08 ± 0.01[6]
赤道傾斜角 0[4]
表面温度 64K
Template (ノート 解説) ■Project

オフィーリア[7]またはオフェーリア[8] (Uranus VII Ophelia) は、天王星の第7衛星である。発見されている中では内側から2番目の軌道を公転する衛星である[1][9]

発見と命名

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オフィーリアは、1986年1月20日にボイジャー2号が撮影した画像の中から、ボイジャーの画像解析チームによって発見された[10]。発見は同年1月27日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/1986 U 8 という仮符号が与えられた[10]。その後1988年6月8日に、ウィリアム・シェイクスピア戯曲ハムレット』に登場するポローニアスの娘オフィーリアに因んで命名された[11][12]。また、Uranus VII という確定番号が与えられた[12]

オフィーリアは、発見報告以降しばらくの間は検出されなかった。その後2003年になって、Mark R. Showalter と Jack J. Lissauer によって、ハッブル宇宙望遠鏡を用いてペルディータと共に再発見された[6][13]

物理的特徴

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軌道長半径、半径がおよそ 21 km であること、幾何アルベドが 0.08 であること以外は、オフィーリアに関して判明していることは少ない。ボイジャー2号が撮影した画像の中では、オフィーリアは長軸を天王星の方へ向けた細長い物体として写っていた。オフィーリアの長軸と短軸の比率は 0.7 ± 0.3 と非常に細長い形状をしていることが分かっている[4]

軌道および環との関係

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オフィーリアは天王星の同期軌道より内側を公転しているため、潮汐力によって軌道は徐々に減衰している[6]

オフィーリアとコーディリアは、それらの重力によって天王星のε環を安定に維持する羊飼い衛星の役割を果たしていると考えられている[14]。環の外縁はオフィーリアと 14:13 の軌道共鳴の位置に存在している[15]

出典

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  1. ^ a b c d In Depth | Ophelia – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局 (2017年12月5日). 2018年12月25日閲覧。
  2. ^ a b c d Jacobson, R. A. (1998). “The Orbits of the Inner Uranian Satellites From Hubble Space Telescope and Voyager 2 Observations”. The Astronomical Journal 115 (3): 1195–1199. Bibcode1998AJ....115.1195J. doi:10.1086/300263. 
  3. ^ a b c Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  4. ^ a b c d e Karkoschka, Erich (2001). “Voyager's Eleventh Discovery of a Satellite of Uranus and Photometry and the First Size Measurements of Nine Satellites”. Icarus 151 (1): 69–77. Bibcode2001Icar..151...69K. doi:10.1006/icar.2001.6597. 
  5. ^ a b Jet Propulsion Laboratory (2015年2月19日). “Planetary Satellite Physical Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
  6. ^ a b c Karkoschka, Erich (2001). “Comprehensive Photometry of the Rings and 16 Satellites of Uranus with the Hubble Space Telescope”. Icarus 151 (1): 51–68. Bibcode2001Icar..151...51K. doi:10.1006/icar.2001.6596. 
  7. ^ 衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
  8. ^ 太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月9日閲覧。
  9. ^ Scott S. Sheppard. “Uranus Satellite and Moon Data”. Carnegie Science. 2018年12月25日閲覧。
  10. ^ a b Brian G. Marsden (1986年1月27日). “IAUC 4168: Sats AND RINGS OF URANUS; CCO”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月25日閲覧。
  11. ^ Planet and Satellite Names and Discoverers”. Planetary Names. 国際天文学連合. 2015年1月11日閲覧。
  12. ^ a b Brian G. Marsden (1988年6月8日). “IAUC 4609: ASM 2000+25; Sats OF SATURN AND URANUS; 3C 279, PKS 1510-089 AND OJ 287”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月25日閲覧。
  13. ^ Daniel W. E. Green (2003年9月3日). “IAUC 8194: Sats OF URANUS; C/2002 VQ_94”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2018年12月25日閲覧。
  14. ^ Esposito, L. W. (2002). “Planetary rings”. Reports on Progress in Physics 65 (12): 1741–1783. Bibcode2002RPPh...65.1741E. doi:10.1088/0034-4885/65/12/201. 
  15. ^ Esposito, L.W.; Colwell, Joshua E. (1989). “Creation of The Uranus Rings and Dust bands”. Nature 339 (6226): 605-607. Bibcode1989Natur.339..605E. doi:10.1038/339605a0. 

関連項目

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外部リンク

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