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クロコスミア (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロコスミア
第21回秋華賞パドック(2016年10月16日)
欧字表記 Crocosmia[1]
香港表記 火星花
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2013年5月17日(11歳)[1]
抹消日 2019年12月26日[2]
ステイゴールド[1]
デヴェロッペ[1]
母の父 ボストンハーバー[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 小島牧場[1]
馬主 大塚亮一[1]
調教師 西浦勝一栗東[1]
競走成績
生涯成績 33戦5勝
中央:31戦5勝
海外:2戦0勝
[1]
獲得賞金 3億2658万8000円[1]
勝ち鞍
GII 府中牝馬S 2017年
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クロコスミア(欧字名:Crocosmia2013年5月17日 - )は、日本競走馬繁殖牝馬[1]。主な勝ち鞍に2017年府中牝馬ステークス

2017年から2019年エリザベス女王杯3年連続2着という珍記録も持つ。

馬名の意味は「花の名花言葉は気品ある精神」[3]

戦績

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2013年5月17日、北海道浦河町の小島牧場で誕生[1]

2歳(2015年)6月の函館開催でデビュー。新馬戦時の馬体重は398キロと非常に小柄だったが、年内に重賞3戦を含む8戦を消化するなど仕上がりの早さと丈夫さの両面を発揮した[4]。3歳(2016年)春までは全レースで勝浦正樹が騎乗していたが、同年9月のローズステークスでは岩田康誠が初騎乗し、逃げてあわやのシーンを作ったもののオークスシンハライトにハナ差交わされての2着となった[5]

4歳(2017年)6月に1000万下に降級したが、自身2年ぶりの北海道開催で3戦2勝の成績を残し、オープンに復帰する。そして、10月の府中牝馬ステークスでは逃げてスローペースに持ち込み、1番人気ヴィブロスの追撃をクビ差退け、12度目の挑戦で悲願の重賞初制覇を果たした。父ステイゴールドにとっては産駒のJRA通算900勝目であり、生産者の小島牧場は2009年フローラステークスレッドアゲート)以来の重賞勝ちとなった[6]。前哨戦を制しながらもエリザベス女王杯では9番人気の伏兵扱いであったが、2番手追走から早め抜け出しの競馬で勝ち馬モズカッチャンからクビ差の2着に粘り込んだ[7]

5歳となった2018年京都記念8着をステップにドバイターフに遠征し、7着となる。夏の札幌記念で復帰し、帰国3戦目のエリザベス女王杯ではマイペースの逃げから直線でもしぶとく粘り、リスグラシューには差し切られたものの3着モズカッチャンには3馬身の差をつけ、2年連続で9番人気からの2着好走を果たした。年内2度目の海外遠征で香港ヴァーズに挑戦したが、結果は10着だった[4]

2019年中山牝馬ステークス6着、阪神牝馬ステークス5着の後、11番人気に評価を落としたヴィクトリアマイルでレコード決着からコンマ1秒差の3着と好走。札幌記念7着、府中牝馬ステークス5着を経て、3年連続でエリザベス女王杯に出走。当初騎乗予定だった戸崎圭太JBCレディスクラシックで落馬負傷し、藤岡佑介に乗り替わった[8]。レースでは先手を奪って1000m通過62秒8のスローペースに持ち込み、三角過ぎから後続を引き離して直線も粘り込みを図り、最内を強襲したラッキーライラックには差し切られたが、3年連続で人気薄からの2着となった。藤岡は「あそこまでいったら勝ちたかったです」と悔しがったが、西浦勝一調教師は「最高の競馬。よく頑張ってくれたし、何も言うことがない」と力走を讃えた[9]

その後は引退レースとして第64回有馬記念に出走することが決定[10]。ファン投票では最終的に24位、1万6424票を集めた[11]。レースでは好位の3番手を追走するも3コーナーで失速し16着と殿負けを喫した[12]

2019年12月26日付けで競走馬登録を抹消、ディアレストクラブ繁殖牝馬となった[2]

競走成績

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以下の内容はnetkeiba.comの情報[4]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2015.06.27 函館 2歳新馬 芝1200m(稍) 10 8 10 015.70(5人) 05着 R1:11.8(37.0) -1.3 0勝浦正樹 54 ブランボヌール 398
0000.07.11 函館 2歳未勝利 芝1200m(良) 10 7 8 019.70(4人) 03着 R1:10.9(35.2) -0.7 0勝浦正樹 54 メジェルダ 402
0000.07.25 函館 2歳未勝利 芝1800m(重) 13 3 3 011.90(6人) 01着 R1:51.5(35.9) -0.2 0勝浦正樹 54 (アドルナメンテ) 406
0000.08.15 札幌 コスモス賞 OP 芝1800m(良) 13 3 3 007.00(3人) 04着 R1.51.5(35.9) -0.3 0勝浦正樹 54 ラヴアンドポップ 406
0000.09.05 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(稍) 14 3 4 017.00(8人) 03着 R1:51.0(36.2) -0.3 0勝浦正樹 54 アドマイヤエイカン 406
0000.10.31 東京 アルテミスS GIII 芝1600m(良) 15 6 10 031.70(6人) 03着 R1:34.3(33.7) -0.2 0勝浦正樹 54 デンコウアンジュ 406
0000.11.21 東京 赤松賞 500万下 芝1600m(良) 15 1 1 003.20(1人) 01着 R1:36.1(33.9) -0.2 0勝浦正樹 54 (アオイプリンセス) 402
0000.12.13 阪神 阪神JF GI 芝1600m(良) 18 4 7 018.00(7人) 08着 R1:35.4(36.2) -0.9 0勝浦正樹 54 メジャーエンブレム 406
2016.03.05 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(良) 16 8 15 109.7(14人) 07着 R1:33.2(33.1) -0.4 0勝浦正樹 54 シンハライト 404
0000.04.24 東京 フローラS GII 芝2000m(良) 18 8 16 017.50(8人) 14着 R2:01.3(37.0) -1.6 0勝浦正樹 54 チェッキーノ 400
0000.09.18 阪神 ローズS GII 芝1800m(重) 15 1 1 077.6(11人) 02着 R1:46.7(34.6) -0.0 0岩田康誠 54 シンハライト 414
0000.10.16 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 5 9 029.5(10人) 06着 R1.59.2(35.0) -0.6 0岩田康誠 55 ヴィブロス 412
0000.12.17 中山 ターコイズS 重賞 芝1600m(良) 16 4 7 007.50(4人) 14着 R1:35.0(36.7) -1.4 0田辺裕信 54 マジックタイム 412
2017.04.08 阪神 阪神牝馬S GII 芝1600m(重) 16 2 4 025.50(7人) 04着 R1:35.1(35.8) -0.8 0松若風馬 54 ミッキークイーン 420
0000.04.22 福島 福島牝馬S GIII 芝1800m(良) 16 7 13 006.60(2人) 07着 R1:47.4(36.7) -0.6 0戸崎圭太 54 ウキヨノカゼ 412
0000.06.18 函館 北斗特別 1000万下 芝1800m(良) 15 3 4 002.50(1人) 01着 R1:45.7(35.0) -0.4 0岩田康誠 56 (ピュアソルジャー) 412
0000.07.30 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 13 6 8 013.30(5人) 04着 R1:46.5(35.1) -0.8 0勝浦正樹 55 アエロリット 418
0000.08.26 札幌 WASJ第2戦 1600万下 芝2000m(良) 14 7 12 002.70(1人) 01着 R2:01.0(36.2) -0.5 0戸崎圭太 56 (ゲッカコウ) 416
0000.10.14 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(稍) 14 7 11 010.40(5人) 01着 R1:48.1(33.7) -0.0 0岩田康誠 54 (ヴィブロス) 424
0000.11.12 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 2 4 026.40(9人) 02着 R2:14.3(34.3) -0.0 0和田竜二 56 モズカッチャン 428
2018.02.11 京都 京都記念 GII 芝2200m(重) 10 7 7 012.30(5人) 08着 R2:17.4(37.4) -1.1 0岩田康誠 54 クリンチャー 434
0000.03.31 メイダン ドバイターフ G1 芝1800m(良) 14 11 019.10(9人) 07着 R 0岩田康誠 55 Benbatl 計不
0000.08.19 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(稍) 16 3 6 052.6(11人) 08着 R2:01.8(37.7) -0.7 0勝浦正樹 55 サングレーザー 430
0000.10.13 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(良) 11 1 1 016.30(6人) 05着 R1:45.2(33.8) -0.5 0岩田康誠 55 ディアドラ 432
0000.11.11 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 5 9 041.80(9人) 02着 R2:13.1(34.7) -0.0 0岩田康誠 56 リスグラシュー 436
0000.12.09 沙田 香港ヴァーズ G1 芝2400m(良) 14 11 014.80(8人) 10着 R2:27.95 -1.39 0岩田康誠 55.5 Exultant 425
2019.03.09 中山 中山牝馬S GIII 芝1800m(良) 14 4 5 019.30(8人) 06着 R1:47.8(35.0) -0.1 0岩田康誠 55 フロンテアクイーン 440
0000.04.06 阪神 阪神牝馬S GII 芝1600m(良) 14 4 5 020.50(6人) 05着 R1:33.7(33.4) -0.1 0岩田康誠 54 ミッキーチャーム 448
0000.05.12 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 2 3 030.8(11人) 03着 R1:30.6(33.5) -0.1 0戸崎圭太 55 ノームコア 440
0000.08.18 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 14 8 14 018.50(6人) 07着 R2:00.8(36.5) -0.7 0戸崎圭太 55 ブラストワンピース 444
0000.10.14 東京 府中牝馬S GII 芝1800m(稍) 15 7 13 005.60(3人) 05着 R1:45.1(34.7) -0.6 0戸崎圭太 54 スカーレットカラー 442
0000.11.10 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 16 7 13 023.10(7人) 02着 R2:14.3(34.8) -0.2 0藤岡佑介 56 ラッキーライラック 448
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 6 12 207.1(16人) 16着 R2:35.3(40.6) -4.8 0藤岡佑介 55 リスグラシュー 444
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

繁殖成績

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生年 馬名 毛色 厩舎 馬主 戦績 出典
初仔 2021年 モカラルビー 黒鹿毛 サトノダイヤモンド 栗東・四位洋文
美浦田村康仁
ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 6戦0勝(現役) [13]
2番仔 2022年 イモータルプラチナ 鹿毛 栗東・鈴木孝志 (デビュー前) [14]
3番仔 2023年 クロコスミアの2023 青鹿毛 コントレイル (デビュー前) [15]
4番仔 2024年 クロコスミアの2024 鹿毛 レイデオロ [16]
  • 2024年9月27日時点

血統表

[編集]
クロコスミア血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ステイゴールド
1994 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Fiower
父の母
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
*ディクタス Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ

デヴェロッペ
2005 鹿毛
*ボストンハーバー
Boston Harbor
1994 鹿毛
Capote Seattle Slew
Too Bald
Harbor Springs Vice Regent
Tinnitus
母の母
ショウエイミズキ
1996 鹿毛
Nashwan Blushing Groom
Height of Fashion
*アルヴォラ Sadler's Wells
Park Appeal
母系(F-No.) (FN:14-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5・5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [17]
  2. ^ [18]
  3. ^ [17]
  4. ^ [17]

脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p クロコスミア”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年12月19日閲覧。
  2. ^ a b クロコスミア号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2019年12月26日). 2019年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月26日閲覧。
  3. ^ “【府中牝馬S】逃げたクロコスミアが猛追を振り切って重賞初勝利!ヴィブロスは2着”. 競馬ラボ. https://www.keibalab.jp/topics/34365/ 2022年9月21日閲覧。 
  4. ^ a b c クロコスミア”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年1月4日閲覧。
  5. ^ “クロコスミア鼻差2着、11番人気粘る/ローズS”. 日刊スポーツ. (2016年9月19日). https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1712134&year=2016&month=09&day=19 2019年1月4日閲覧。 
  6. ^ 2017年10月14日 アイルランドT府中牝馬S G2”. 競走馬のふるさと案内所. 2019年1月4日閲覧。
  7. ^ “【エ女王杯】クロコスミア逃げ粘るも2着 和田は悔しさにじませる”. デイリースポーツ. (2017年11月13日). https://www.daily.co.jp/horse/2017/11/13/0010727424.shtml 2019年1月4日閲覧。 
  8. ^ 【エリザベス女王杯】クロコスミアの鞍上は藤岡佑騎手に”. UMAJiN.net (2019年11月6日). 2019年11月10日閲覧。
  9. ^ “【エリザベス女王杯】クロコスミア3年連続2着 西浦師「最高の競馬」”. スポーツニッポン. (2019年11月10日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/11/10/kiji/20191110s00004048329000c.html 2019年11月10日閲覧。 
  10. ^ 【有馬記念】生涯最高クロコスミア ラストランで叶える悲願のGI初V”. スポーツナビ (2019年12月17日). 2019年12月22日閲覧。
  11. ^ 2019年 第64回有馬記念競走(最終集計)”. 日本中央競馬会 (2019年12月5日). 2020年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月22日閲覧。
  12. ^ “クロコスミア先行力生かし完全燃焼16着/有馬記念”. 日刊スポーツ. (2019年12月22日). https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201912220000435&year=2019&month=12&day=22&utm 2019年12月22日閲覧。 
  13. ^ モカラルビー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月18日閲覧。
  14. ^ _________”. JBISサーチ. 2022年9月21日閲覧。
  15. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月30日閲覧。
  16. ^ __________________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年9月29日閲覧。
  17. ^ a b c 血統情報:5代血統表|クロコスミア”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月24日閲覧。
  18. ^ クロコスミアの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年9月2日閲覧。
  19. ^ デヴェロッペ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2019年1月4日閲覧。

関連項目

[編集]
同一GI級競走で3年連続同一順位の記録を持つ競走馬

外部リンク

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