クーリ
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クーリ(仏: Coulis)とは、フランス料理でよく用いられるソースの一種[1][2]。どろっとしており、ステーキのソースとして用いられるほか、サラダのドレッシングに用いられたり、使い勝手がよいとされる[1]。カタカナ表記としてはクーリーも用いられる[2]。
裏漉しした野菜や果物から作られるどろっとしたソースである。語源はラテン語で「漉す」を意味するcōlāreの過去分詞型cōlātusが変化した俗ラテン語cōlāticusに由来する古フランス語のcouleisである。野菜のクーリは、一般に肉料理や野菜料理に利用される。またスープや他のソースのベースとして利用されることもある。果物のクーリはデザートに添えられる。例えば、ラズベリーのクーリと煮リンゴは人気のある組み合わせである。
フランス料理において「粘度のある液体」を指す語はクーリをはじめとして多数あるが、以下のような違いがある[3]。
- ピュレ
- 野菜やフルーツなどの食材を裏漉しして、濃度のある半液体状にしたもの。皿に置いてもある程度の形状を保つ粘度がある。
- クーリ
- ピュレ同様に、食材を裏漉しした半液体状のものだが、ピュレよりも粘度は低く、皿に置いた場合は平らになる。
- ムース
- ピュレ、クーリ、ソースなどを泡立てたもの。泡立ちをよくするために生クリームやメレンゲなどを加えることもあり、ゼラチンを加えることもある。
- ジュレ
- 液状のものにゼラチンを加えて固めたもの。
クーリという語は、過去1~2世紀の間にはさまざまな意味があった。オーギュスト・エスコフィエの時代には、クーリという用語は肉類、狩猟した鳥肉、魚などをピュレした濃いスープに使われていた。その後、貝類をピュレした濃いスープの用語としても使用されるようになった。近年では上述のように野菜や果物から作られるソースを指す[4]。
出典
[編集]- ^ a b 甘利美緒 (2015年9月24日). “第3回:万能ソース「クーリ」”. LEON. 2022年1月18日閲覧。
- ^ a b “coulisとは”. アルク. 2022年1月18日閲覧。
- ^ “この料理に合うワイン トマトのムース”. サントリー. 2022年1月18日閲覧。
- ^ Wayne Gisslen (2012). Professional Baking. ジョン・ワイリー・アンド・サンズ. p. 274. ISBN 9781118083741