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サッカースロベニア代表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サッカースロベニア代表
国または地域 スロベニアの旗 スロベニア
協会 スロベニアサッカー協会
監督 スロベニアの旗 マティアジュ・ケク
最多出場選手 ボシュティアン・ツェサル(101試合)
最多得点選手 ズラトコ・ザホヴィッチ(35得点)
ホームカラー
アウェイカラー
初の国際試合 1991年6月19日クロアチア
0-1
最大差勝利試合 1999年2月8日オマーン
7-0
最大差敗戦試合 2002年10月12日フランス
0-5
FIFAワールドカップ
出場回数 2回(初出場は2002
最高成績 グループリーグ敗退 (2002, 2010)
UEFA欧州選手権
出場回数 2回
最高成績 ベスト16 (2024)

サッカースロベニア代表(サッカースロベニアだいひょう、スロベニア語: Slovenska nogometna reprezentanca)は、スロベニアサッカー協会(NZS)によって構成されるスロベニアサッカーナショナルチームである。本拠地は首都・リュブリャナにあるスタディオン・ストジツェ

歴史

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1990年代

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1991年にユーゴスラビアからスロベニアが独立し、サッカースロベニア代表が誕生した。スロベニアは1991年6月25日にユーゴスラビアから独立を宣言したが、UEFAFIFAからは国際Aマッチと認められてないものの、その直前の6月19日にスロベニアのムルスカ・ソボタで初試合を行った。対戦相手はスロベニアと同時にユーゴスラビアから独立したクロアチアだった。UEFAFIFAが正式にスロベニアの連盟加入を認め、初の国際Aマッチと認定したのは1992年6月3日のタリンで開催されたエストニア代表との親善試合である。

スロベニアの国土は山がちであり、そのためウインタースポーツ、特にアルペンスキー競技が盛んに行われていた。一方で相対的にサッカーの人気は低く、旧ユーゴスラビア構成諸国家の中でも比較的ユーゴスラビア代表に輩出した人数は少ないものであった。そのため、スロベニアは他のナショナルチームであるセルビア・モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナマケドニアに比して実力がないであろうと捉える向きが多かった。その評判通りで相性の悪さも手伝ってか、1991年にスロベニア代表最初の試合が行われて以来、2005年12月に至るまでスロベニアはこれら旧ユーゴスラビア構成諸国家4つの代表に対して1勝も挙げていなかった。

その中で実質的な初代代表監督を引き受けたズデンコ・ベルデニックの当面の仕事はUEFA EURO '96予選、そして1998 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選をどう戦うかと言うものであった。ワールドカップ出場経験がある中盤の要たるスレチコ・カタネッツが代表を引退し、カタネッツに代わってスロベニアの顔になったのは攻撃的な役割を担うズラトコ・ザホヴィッチであった。

EURO '96予選の滑り出しは、ホームながらイタリアを相手に引き分けと言う望外の出来であったが、イタリア以外にエストニアリトアニアウクライナ、クロアチアが入ったグループで3勝2分5敗と大きく負け越して予選を終えた。続く1998 FIFAワールドカップ予選はギリシャデンマーク、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナと同組に入り、1分7敗という成績で最下位となった。

2000年代

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1998 FIFAワールドカップ予選を最下位で終えたスロベニアに対しての評価は当然であるが、それほど高くはなかった。UEFA EURO 2000予選に当たってはノーマークであったと言ってもいいほどであった。その様な状況の中で、ベルデニックに代わって監督を引き受けたのがカタネッツであった。カタネッツ監督が率いる新生スロベニア代表はギリシャ、ノルウェーラトビアグルジアアルバニアのグループをEURO 2000の予選を5勝2分3敗、ノルウェーに続く2位でグループリーグを終了しプレーオフに望みを繋いだ。プレーオフはウクライナと対戦してホームで2-1と勝利し、アウェーで引き分けた事によって本大会進出を決めた。

元来、スロベニアはサッカーがそれほど盛んではない国と捉えられており、直前のワールドカップ予選では散々な成績だっただけに欧州選手権本戦出場には多くの人が驚いた。欧州選手権本戦ではユーゴスラビアスペイン、ノルウェーと同組になり、スペインに1-2で負けたのみの2分1敗であったが、2002 FIFAワールドカップに向けて注目のナショナルチームとなった。

2002 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選ではロシア、ユーゴスラビア、スイスルクセンブルクフェロー諸島と同組になった。実質的にロシア、ユーゴ、スロベニアの3カ国で、予選突破とプレーオフ進出の椅子を争う内容であった。このグループでスロベニアは5勝5分の2位で通過し、プレーオフに回った。そのプレーオフでスロベニアと対戦したのはルーマニアで、EURO 2000のプレーオフと同様ホームでの試合に先勝してアウェーで引き分けに持ち込むという方法でプレーオフを通過し、ワールドカップ本大会への出場資格を獲得した。

本大会ではグループBでスペイン、パラグアイ南アフリカと同組になったが、結局3戦全敗で大会を後にした。だが、スペイン戦の後、カタネッツ監督とザホヴィッチの確執によりザホヴィッチがチームを離れた事も大きな痛手となった。なお、この大会でスロベニア代表に選出されたジェリコ・ミリノビッチジェフユナイテッド市原・千葉)は開催国である日本韓国両代表の選手以外でどちらかのリーグでプレーする唯一の選手でもあった。

UEFA EURO 2004予選は、グループ2位でプレーオフに進むもクロアチアに敗れた。その後は低迷し2006 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選は4位、UEFA EURO 2008予選は5位で予選で敗退した。これにより2010 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選のシードでは5番目のポットEまで下げられ、チェコポーランド北アイルランドスロバキアサンマリノと同じグループに入った。ところが、下馬評で有利と思われたチェコとポーランドが勝ち点を積み重ねられずその結果、首位で通過したスロバキアに次ぐ2位でプレーオフ進出を決めた。なお、第5シードのチームがプレーオフに進んだのは史上初で、第4シード・第5シードが上位を独占したのも史上初である。プレーオフではフース・ヒディンク監督率いるロシアと対戦し、戦力的には不利とされる中アウェーでの第1戦では2-1と敗れたが貴重なアウェーゴールを挙げた。ホームで迎えた第2戦では1-0と勝利し、結果はアウェーゴールの差で本大会出場を決めた。ヨーロッパ予選プレーオフで初めて第1戦で敗れたチームが逆転で突破した。

2010年代

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本大会ではグループCに入り、イングランドアメリカアルジェリアと同組になった。第1戦のアルジェリア戦ではロベルト・コレンの得点で1-0で破り、スロベニアとしてのワールドカップ初勝利を挙げた[1]。次の第2戦のアメリカ戦では2-2で引き分け、第3戦のイングランド戦では23分に失点を許してしまい0-1でリードされるも、同時に進行していたアメリカ対アルジェリア戦が0-0のまま進んでいたため、スロベニアの決勝トーナメント進出の可能性が残されていた。しかし、アメリカが後半のロスタイムにランドン・ドノバンが決勝点となるゴールを決めて1-0で勝利を収めたことにより[2]、スロベニアの初の決勝トーナメント進出はならなかった[3]

なお、前日本代表監督のイビチャ・オシムがワールドカップ前に出した著書の中で、「スロベニアがサプライズを起こしても、何の不思議もない」と潜在能力を評価している。その後のスロベニア代表はUEFA EURO 2012予選2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選UEFA EURO 2016予選2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選UEFA EURO 2020予選2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選でも敗退が続き、苦戦を強いられている。

2020年代

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UEFA EURO 2024予選ではグループHに入り、デンマーク、フィンランド、カザフスタン、北アイルランド、サンマリノと同組になった。結果的に7勝1分2敗と首位・デンマークに次ぐ2位となり、本大会出場権を獲得した[4]

本大会では3引分ながらもグループ3位で初めての決勝トーナメント進出を果たした[5]。ラウンドオブ16ではポルトガルにPK戦の末敗れ、無敗のまま大会を終えることになった[6]

成績

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FIFAワールドカップ

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FIFAワールドカップ FIFAワールドカップ・予選
開催年 結果 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点
フランスの旗 1998 予選敗退 8 0 1 7 5 20
大韓民国の旗 日本の旗 2002 グループリーグ敗退 3 0 0 3 2 7 12 6 6 0 20 11
ドイツの旗 2006 予選敗退 10 3 3 4 10 13
南アフリカ共和国の旗 2010 グループリーグ敗退 3 1 1 1 3 3 12 7 2 3 20 6
ブラジルの旗 2014 予選敗退 10 5 0 5 14 11
ロシアの旗 2018 10 4 3 3 12 7
カタールの旗 2022 10 4 2 4 13 12
合計 2/20 6 1 1 4 5 10 72 29 17 26 94 80

UEFA欧州選手権

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UEFA欧州選手権 UEFA欧州選手権・予選
開催年 結果 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点
イングランドの旗 1996 予選敗退 10 3 2 5 13 13
ベルギーの旗 オランダの旗 2000 グループリーグ敗退 3 0 2 1 4 5 12 6 3 3 15 16
ポルトガルの旗 2004 予選敗退 10 4 3 3 16 14
オーストリアの旗 スイスの旗 2008 12 3 2 7 9 16
ポーランドの旗 ウクライナの旗 2012 10 4 2 4 11 7
フランスの旗 2016 12 5 2 5 19 14
欧州連合の旗 2020 10 4 2 4 16 11
ドイツの旗 2024 ベスト16 4 0 4 0 2 2 10 7 1 2 20 9
合計 2/16 7 0 6 1 6 7 86 36 17 33 119 100

歴代監督

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期間 氏名 試合 備考
1991-1993 スロベニアの旗 ボヤン・プラシュニカル英語版 5 1 2 3
1994-1997 スロベニアの旗 ズデンコ・ベルデニック 32 10 8 14
1997 スロベニアの旗 ボヤン・プラシュニカル英語版 5 1 1 3
1997-2002 スロベニアの旗 スレチコ・カタネッツ 46 18 15 13 UEFA EURO 2000
2002 FIFAワールドカップ出場
2002-2004 スロベニアの旗 ボヤン・プラシュニカル英語版 16 6 3 4
2004-2006 スロベニアの旗 ブランコ・オブラク 23 6 7 10
2007-2011 スロベニアの旗 マティアジュ・ケク 49 20 9 20 2010 FIFAワールドカップ出場
2011-2012 スロベニアの旗 スラヴィシャ・ストヤノヴィッチ 9 2 2 5
2013-2017 スロベニアの旗 スレチコ・カタネッツ 42 16 7 19
2017-2018 スロベニアの旗 トマジュ・カヴチッチ英語版 49 20 9 20
2018 スロベニアの旗 イゴール・ベネデイチッチ英語版 2 0 2 0 暫定監督
2018- スロベニアの旗 マティアジュ・ケク 4 1 2 1

現招集メンバー

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2022年9月、UEFAネーションズリーグに臨むために発表されたメンバー[7]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
-- GK ヤン・オブラク キャプテン
-- GK ヴィド・ベレツ
-- GK イゴール・ヴェキッチ
-- DF ミハ・メヴリャ
-- DF ペタル・ストヤノヴィッチ
-- DF ジャカ・ビヨル
-- DF ユレ・バルコヴェツ
-- DF ミハ・ブラジッチ
-- DF ヨン・ゴレンツ・スタンコヴィッチ
-- DF ジャン・カルニチニク
-- DF グレゴル・シコシェク
-- DF ダヴィド・ブレカロ
No. Pos. 選手名
-- MF ヤスミン・クルティッチ
-- MF ミハ・ザイツ
-- MF ドメン・チルニゴイ
-- MF サンディ・ロヴリッチ
-- MF アダム・グネズダ・チェリン
-- MF ティミ・マックス・エルシュニク
-- MF トミ・ホルヴァト
-- FW ベンヤミン・ヴェルビッチ
-- FW アンドラジュ・シュポラル
-- FW ベンヤミン・シェシュコ
-- FW ルカ・ザホヴィッチ
-- FW ジャン・ツェラル
-- FW ヤン・ムラカル

歴代選手

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主要大会のメンバー

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主な代表選手

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歴代記録

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脚注

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  1. ^ Koren gets Slovenia off and running - UEFA.com 2010年6月25日閲覧
  2. ^ Donovan rescues US hopes - UEFA.com 2010年6月25日閲覧
  3. ^ England through as Slovenia fall - UEFA.com 2010年6月25日閲覧
  4. ^ Inc, SEESAW GAME (2023年11月21日). “スロベニアが6大会ぶりに突破! イタリア&チェコも残る1枠を勝ち獲る/EURO2024予選”. サッカーキング. 2024年3月27日閲覧。
  5. ^ スロベニア代表、史上初のEURO決勝T進出に指揮官も歓喜「このようなグループの出現を待っていた」 | Goal.com 日本”. www.goal.com (2024年6月25日). 2024年12月30日閲覧。
  6. ^ Co.,Ltd, livedoor (2024年7月2日). “ポルトガルが8強進出!…PK戦でD・コスタが3本連続セーブ、スロベニアとの死闘を制す”. サッカーキング. 2024年12月30日閲覧。
  7. ^ Kek razkril karte za Norveško in Švedsko” (スロベニア語). Football Association of Slovenia (2022年9月13日). 2022年9月13日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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