シュー皮
シュー皮(シューがわ)またはシュー生地(シューきじ、仏: pâte à choux)は、シュークリーム、クロカンブッシュ、エクレア、フランスのクルーラー、ベニエ、サントノーレ、パリ・ブレスト、ドイツのフロッケンザーネトルテ、インドネシアのクエ・スス、またグジェール等を作るのに用いられる、軽いペイストリーである。
概要
[編集]バター、水、小麦粉と卵のみから作られる。ヨークシャー・プディングやDavid Eyre's pancakeと同様に、膨張剤の代わりに、高い水分濃度のため調理中に発生する蒸気を用いて膨らませる。
シュー皮は通常焼いて用いられるが、ベニエは揚げて作る。スペインや南アメリカでは、揚げたシュー皮でチュロスを作り、薄いチョコレートブラン・マンジェに浸して朝食に食べられる。オーストリアでは、茹でて甘いアンズのダンプリングであるマリレンクネーデルが作られる。これにクリームを詰めて、クレームパフやエクレアが作られることもある[1]。なお、茹でたシュー皮をマカロニがわりに使用する「パリ風グラタン」といった調理例もある[2]。
名称
[編集]フランス語ではパータ・シュー(pâte à choux)という[3]。シューはキャベツの意味である[3]。
歴史
[編集]シュー生地の原型は16世紀にメディチ家からアンリ2世の王妃として嫁いできたカトリーヌ・ド・メディシスに付き添った料理人ポペリーニによるものとされている[3]。ポペリーニの考案したものは生地をスプーンで天板に落として火で乾燥させたものである[3]。
定説ではシュー生地を完成させたのは18世紀のパティシエであるジャン・アヴィス(パティシエのアントナン・カレームが10代の修行中にパリのヴィエンヌ通りのシルヴァン・バイイで働いていたときの師匠にあたる人物)とされている[3]。アントナン・カレームは、このレシピを改良し、今日一般的なシュークリームのレシピを完成させた[4]。
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ベニエの生地を混ぜる。
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絞り袋でベニエ用の生地を絞り出す。
出典
[編集]- ^ “Basics: Choux pastry”. Just Hungry (2004年4月6日). 2010年9月8日閲覧。
- ^ 大森由紀子『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』世界文化社、2013年、117頁。ISBN 978-4418132195。
- ^ a b c d e 山本ゆりこ『フランス伝統菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』誠文堂新光社、2019年、14頁。ISBN 978-4416519646。
- ^ Juillet, Claude (1998). Classic Patisserie: An A–Z Handbook. Butterworth-Heinemann. ISBN 0-7506-3815-X
外部リンク
[編集]- Bigne’ (Pâte à Choux (choux pastry)) with illustrated instructions