コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジェレミー・ヘリクソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェレミー・ヘリクソン
Jeremy Hellickson
ワシントン・ナショナルズ時代
(2018年5月3日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アイオワ州デモイン
生年月日 (1987-04-08) 1987年4月8日(37歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2005年 MLBドラフト4巡目
初出場 2010年8月2日
最終出場 2019年5月19日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジェレミー・ロバート・ヘリクソンJeremy Robert Hellickson, 1987年4月8日 - )は、アメリカ合衆国アイオワ州デモイン出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。愛称は苗字をもじったヘルボーイHellboy[1]ヘリー[2]

経歴

[編集]

プロ入りとレイズ時代

[編集]
タンパベイ・レイズでの現役時代
(2011年6月10日)

2005年MLBドラフト4巡目(全体118位)でタンパベイ・デビルレイズから指名を受け、プロ入り。契約後、傘下のアパラチアンリーグのルーキー級プリンストン・デビルレイズ英語版でプロデビュー。4試合に登板して防御率6.00だった。

2006年はA-級ハドソンバレー・レネゲーズでプレーし、15試合(先発14試合)に登板して4勝3敗、防御率2.43、96奪三振を記録した。

2007年はA級コロンバス・キャットフィッシュ英語版でプレーし、21試合に先発登板して13勝2敗、防御率2.67、106奪三振を記録した。

2008年はA+級ベロビーチ・デビルレイズで開幕を迎え、14試合に先発登板。7勝1敗、防御率2.00、79奪三振と好投し、6月にAA級モンゴメリー・ビスケッツへ昇格。AA級モンゴメリーでは13試合に先発登板して4勝4敗、防御率3.94、83奪三振を記録した。

2009年はAA級モンゴメリーで開幕を迎え、11試合に先発登板して3勝1敗、防御率2.38、62奪三振を記録した。7月にAAA級ダーラム・ブルズへ昇格。AAA級ダーラムでは9試合に先発登板して6勝1敗、防御率2.51、70奪三振を記録した。オフの11月19日にレイズとメジャー契約を結び[3]40人枠入りを果たした。

2010年3月3日にレイズと1年契約に合意し、3月16日にAAA級ダーラムへ異動した[4]。AAA級ダーラムでは21試合に登板して12勝3敗、防御率2.68と好投した。7月にはオールスター・フューチャーズゲームでアメリカ合衆国選抜に選出された。8月2日にメジャーへ初昇格し[5]、同日のミネソタ・ツインズ戦で先発起用されメジャーデビュー。7回を3安打2失点6奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた[6]。昇格後3連勝をするなど好投を続けたが、8月20日のオークランド・アスレチックス戦で勝ち負けこそ付かなかったものの、3失点を喫した。ジェフ・ニーマンウェイド・デービス故障者リストから復帰したこともあり、翌21日にA+級シャーロット・ストーンクラブズ[7]へ降格[8]。その後、ロースターが拡大した9月1日にメジャーへ再昇格。その後はリリーフとして6試合で起用されたが、ブロウンセーブを記録するなど、結果を残せないままシーズンを終了した。この年メジャーでは10試合(先発4試合)に登板して4勝0敗、防御率3.47、33奪三振を記録した。また、マイナーリーグでの活躍が評価され、ベースボール・アメリカ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞USAトゥデイ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞を受賞した。

2011年は開幕からローテーションを守り、29試合に登板。13勝10敗、防御率2.95、117奪三振を記録した。チームはテキサス・レンジャーズとの地区シリーズに勝ち進み、ヘリクソンはロースター入りを果たした。1勝3敗で迎えた10月4日の第4戦に先発起用されたが、4回を投げ4安打3失点3本塁打の乱調で敗戦投手となり[9]、チームは敗退した。オフの10月21日に新人王を獲得した[10]

2012年は開幕から好投を続けていたが、6月19日に右肩の故障で15日間の故障者リスト入りした[11]。6月30日に復帰[12]。最終戦となった10月3日のボルチモア・オリオールズ戦で10勝目を挙げ、2年連続の二桁勝利を記録した。この年は31試合に登板して10勝11敗、防御率3.10、124奪三振を記録した。オフの10月30日にゴールドグラブ賞を受賞した[13]

2013年は開幕から5月末までの11試合で2勝2敗と、なかなか勝ち星を挙げられなかったが、6月からは順調に勝ち星を積み重ね、最終的に32試合の登板で、12勝(10敗)を挙げ、3年連続の二桁勝利を挙げた。防御率は自己最低の5.17だった。チームはワイルドカードゲームに進出したが、先発のヘリクソンはロースター外となった。レイズはボストン・レッドソックスとの地区シリーズへ駒を進めたため、10月4日にロースター入りした[14]。1勝3敗で迎えた10月8日の第4戦で先発起用され、1回を三者凡退に抑えたが、2回表に2つの四球とダニエル・ナバに安打を打たれ、満塁のピンチを招き降板した[15]。後続のジェイミー・ライトが無失点に抑えたものの、チームは試合に負け、シーズンは終了した。

2014年1月17日にレイズと362万5000ドル+出来高の1年契約に合意した[16][17]。2月3日に右肘の関節鏡下手術を行ったため、開幕後6週間から8週間リハビリに費やすこととなった[18]。3月30日に15日間の故障者リスト入りし[19]、7月7日に故障者リストから外れた[20]。翌8日のコロラド・ロッキーズ戦で復帰し、4.1回を6安打1失点に抑えたが、勝ち負けは付かなかった。7月13日にA+級シャーロットへ降格[21]。A+級シャーロットで1試合に登板後、AAA級ダーラムへ昇格。5試合に登板し、1勝4敗、防御率7.23と打ち込まれたが、右の先発が不足しているチーム事情から、7月26日にメジャーへ再昇格した[22]。シーズン終了までローテーションを守ったが、この年は13試合の登板で、1勝5敗、防御率4.52だった。

ダイヤモンドバックス時代

[編集]

2014年11月14日にアンドリュー・ベラスケスジャスティン・ウィリアムズとのトレードで、アリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[23]

2015年1月16日にダイヤモンドバックスと427万5000ドルの1年契約に合意[24]。開幕から先発ローテーションを守っていたが、8月20日に左ハムストリングの故障で15日間の故障者リスト入りした[25]。9月11日に故障者リストから外れ[26]、復帰後は4試合に登板したが、4連敗を喫している。この年は27試合に登板して9勝12敗、防御率4.62だった。

フィリーズ時代

[編集]
フィラデルフィア・フィリーズでの現役時代
(2016年3月20日)

2015年11月14日にサム・マクウィリアムズとのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[27]

2016年は32試合に登板し、チーム最多の12勝(10敗)を挙げ、防御率は3.71だった。球団は1年1720万ドルのクオリファイング・オファーを提示し[28]、11月14日にこれを受け入れた[29]

2017年は移籍までに20試合に先発したが、6勝5敗、防御率4.73と投球内容は芳しくなかった。

オリオールズ時代

[編集]
ボルチモア・オリオールズでの現役時代
(2017年9月5日)

2017年7月29日に金賢洙ギャレット・クレービンジャーとのトレードで、オリオールズへ移籍した[30]。移籍後は10試合に先発したが、2勝6敗、防御率6.97と移籍前よりも打ち込まれた。オフの11月2日にFAとなった[31]

ナショナルズ時代

[編集]

2018年3月17日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[32]。開幕は傘下のAAA級シラキュース・チーフスで迎えたが、4月16日にメジャー契約を結び、アクティブ・ロースター入りした[33]。メジャー昇格後は19試合に投げ、5勝3敗、防御率3.45、WHIP1.07と前年と比較すると調子を立て直したシーズンとなった。オフの10月29日にFAとなった。

2019年2月6日にナショナルズと1年130万ドルで再契約した[34]。オフの10月31日にFAとなった[35]

2020年2月14日に現役引退を発表した[36]

投球スタイル

[編集]

投球全体の約40%が平均球速145km/hのフォーシームで、変化球では平均球速130km/hのチェンジアップが最も多く、約20%以上を占める。その他には、平均球速122km/hのカーブ、平均球速143km/hのツーシームを投げる。また、持ち球には平均球速143km/hのカッターもあるが、2014年を最後に投げなくなり、代わりに2015年から平均球速129km/hという遅いシンカーを投げるようになった[37]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2010 TB 10 4 0 0 0 4 0 0 1 1.000 149 36.1 32 5 8 2 2 33 2 0 14 14 3.47 1.10
2011 29 29 2 1 1 13 10 0 0 .565 774 189.0 146 21 72 8 4 117 8 1 64 62 2.95 1.15
2012 31 31 0 0 0 10 11 0 0 .476 741 177.0 163 25 59 3 4 124 5 0 68 61 3.10 1.25
2013 32 31 0 0 0 12 10 0 0 .545 737 174.0 185 24 50 0 4 135 7 2 103 100 5.17 1.35
2014 13 13 0 0 0 1 5 0 0 .167 281 63.2 71 8 21 1 2 54 8 0 35 32 4.52 1.44
2015 ARI 27 27 0 0 0 9 12 0 0 .429 636 146.0 151 22 43 3 6 121 5 0 79 75 4.62 1.33
2016 PHI 32 32 1 1 0 12 10 0 0 .545 772 189.0 173 24 45 0 6 154 6 1 86 78 3.71 1.15
2017 20 20 0 0 0 6 5 0 0 .545 472 112.1 111 22 30 2 6 65 3 1 62 59 4.73 1.26
BAL 10 10 0 0 0 2 6 0 0 .250 223 51.2 49 13 17 0 2 31 1 0 43 40 6.97 1.28
'17計 30 30 0 0 0 8 11 0 0 .421 695 164.0 160 35 47 2 8 96 4 1 105 99 5.43 1.26
2018 WSH 19 19 0 0 0 5 3 0 0 .625 370 91.1 78 11 20 1 8 65 2 1 41 35 3.45 1.07
2019 9 8 0 0 0 2 3 0 0 .400 183 39.0 47 9 20 1 1 30 1 0 31 27 6.23 1.72
MLB:10年 232 224 3 2 1 76 75 0 1 .503 5338 1269.1 1206 184 385 21 45 929 48 6 626 583 4.13 1.25
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

[編集]
MiLB
MLB

記録

[編集]
MiLB

背番号

[編集]
  • 58(2010年 - 2019年)

脚注

[編集]
  1. ^ Hellboy, Rays Down Boston 6-2” (英語). WDAE (2013年6月19日). 2015年7月20日閲覧。
  2. ^ Brittany Ghiroli (2017年8月24日). “Orioles Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  3. ^ "Rays add three to 40-man roster" (Press release) (英語). MLB.com (Tampa Bay Rays). 19 November 2009. 2015年10月23日閲覧
  4. ^ Anthony DiComo (2010年3月16日). “Hellickson, Jennings sent down by Rays” (英語). MLB.com. 2015年10月23日閲覧。
  5. ^ Rotation gets a collective breather” (英語). MLB.com (2010年8月2日). 2015年10月23日閲覧。
  6. ^ Scores for Aug 2, 2010” (英語). ESPN MLB (2010年8月2日). 2015年10月23日閲覧。
  7. ^ 2009年より球団名変更
  8. ^ Bill Chastain (2010年8月21日). “Hellickson optioned to Class A after loss” (英語). MLB.com. 2015年10月23日閲覧。
  9. ^ Scores for Oct 4, 2011” (英語). ESPN MLB (2011年10月4日). 2015年10月23日閲覧。
  10. ^ "Hellickson named 2011 Rookie of the Year by Baseball America" (Press release) (英語). MLB.com (Tampa Bay Rays). 21 October 2011. 2015年10月23日閲覧[リンク切れ]
  11. ^ Bill Chastain (2012年6月19日). “Hellickson to DL; Archer to debut Wednesday” (英語). MLB.com. 2015年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ Hellickson, Farnsworth, Peralta return for Rays” (英語). MLB.com (2012年6月30日). 2015年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ "Hellickson wins Rawlings A.L. Gold Glove Award" (Press release) (英語). MLB.com (Tampa Bay Rays). 30 October 2012. 2018年4月17日閲覧
  14. ^ Adam Berry (2013年10月4日). “Rays carrying all five starters on ALDS roster” (英語). MLB.com. 2015年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  15. ^ Scores for Oct 8, 2013” (英語). ESPN MLB (2013年10月8日). 2015年10月23日閲覧。
  16. ^ "Rays agree to terms with Hellickson, Joyce, Lobaton, McGee, Ramos, Rodriguez for 2014" (Press release) (英語). MLB.com (Tampa Bay Rays). 17 January 2014. 2014年1月18日閲覧[リンク切れ]
  17. ^ Adam Berry (2014年1月17日). “Rays sign six players, avoid arbitration process” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  18. ^ Adam Berry (2014年2月3日). “Rays' Hellickson undergoes elbow surgery” (英語). MLB.com. 2014年2月4日閲覧。[リンク切れ]
  19. ^ "2014 Rays Opening Day roster" (Press release) (英語). MLB.com (Tampa Bay Rays). 30 March 2014. 2018年4月17日閲覧
  20. ^ Bill Chastain (2014年7月7日). “Hellickson set to start Tuesday in return to Rays” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  21. ^ Bill Chastain (2014年7月13日). “Hellickson optioned to Double-A as McGee returns” (英語). MLB.com. 2015年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  22. ^ David Adler (2014年7月26日). “Rays designate Oviedo to make room for Hellickson” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  23. ^ "D-backs acquire Hellickson from Rays in exchange for Velazquez and Williams" (Press release) (英語). MLB.com (Arizona Diamondbacks). 14 November 2014. 2018年4月17日閲覧
  24. ^ Joey Nowak (2015年1月16日). “D-backs avoid arbitration with Hellickson” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  25. ^ "D-backs place Jeremy Hellickson on 15-Day DL, Recall Chase Anderson from AAA Reno" (Press release) (英語). MLB.com (Arizona Diamondbacks). 20 August 2015. 2018年4月17日閲覧
  26. ^ Steve Gilbert (2015年9月11日). “Hellickson activated from DL, will start Monday” (英語). MLB.com. https://www.mlb.com/news/hellickson-chacin-set-for-starts-for-d-backs/c-148789032 2018年4月17日閲覧。 
  27. ^ "Phillies acquire Hellickson from Diamondbacks" (Press release) (英語). MLB.com (Philadelphia Phillies). 14 November 2015. 2017年4月17日閲覧
  28. ^ Todd Zolecki (2016年11月7日). “Hellickson receives qualifying offer from Phillies” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  29. ^ Hellickson accepts Phils' qualifying offer” (英語). MLB.com (2016年11月14日). 2018年4月17日閲覧。
  30. ^ http://www.baltimoresun.com/sports/orioles/blog/bs-sp-orioles-hellickson-trade-phillies-20170728-story.html
  31. ^ David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. 2018年4月17日閲覧。
  32. ^ Jamal Collier (2018年3月17日). “Nats, Hellickson agree to Minors deal” (英語). MLB.com. 2018年3月21日閲覧。
  33. ^ MLB公式プロフィール参照。2018年4月17日閲覧。
  34. ^ Reports: Nats, Hellickson reach $1.3M deal for '19”. ESPN.com. 2019年2月8日閲覧。
  35. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  36. ^ Announces retirement Jeremy Hellickson”. Rotowire.com (2020年2月14日). 2020年2月16日閲覧。
  37. ^ Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Player Card: Jeremy Hellickson

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]