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スヴェルトネクテス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スヴェルトネクテス
生息年代: 前期白亜紀バランギニアン
126 Ma
地質時代
白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : ?広弓亜綱 Euryapsida
?双弓亜綱 Diapsida
: 魚竜目 Ichthyosauria
: オフタルモサウルス科
Ophthalmosauridae
亜科 : プラティプテリギウス亜科
Platypterygiinae
: スヴェルトネクテス
Sveltonectes
  • S. insolitus
    Fischer et al., 2011

スヴェルトネクテス学名:Sveltonectes)は、ロシア西部ウリヤノフスクから知られる、オフタルモサウルス科プラティプテリギウス亜科に属する魚竜の絶滅した属である[1][2]

発見と分類

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スヴェルトネクテスは模式標本 IRSNB R269 から知られ、部分的な頭骨を含むほぼ完全に3次元的な保存がされた標本である。約1億2600万年前の白亜紀前期バレミアン期にあたる、ウリヤノフスクの名もない地域から標本は収集された。同じ場所から別のトゥンノサウルス類であるイクチオサウルス・ステレオドンが発見されているが、スヴェルトネクテスの2倍の体格がありさらにより頑丈であったため疑問名とされている[1]

他のオフタルモサウルス科と同様に、頭蓋骨の鼻骨が鼻孔の中に突出しており、鼻孔や上側頭窓の縁を形成していた。スヴェルトネクテスは小さく鋭い歯や非常に原始的な前耳骨といった特有の特徴を持っていたという点で独特である。歯の特徴的な形状により、スヴェルトネクテスが他の白亜紀のオフタルモサウルス科とは異なる食性を持っていた可能性が示されている。オフタルモサウルス科の中では、アエギロサウルスに最も近縁である[1]

下のクラドグラムはFischerらの2013年の論文に基づく[3]

トゥンノサウルス類 

イクチオサウルス

ステノプテリギウス

チャカイコサウルス

 オフタルモサウルス科 

アースロプテリギウス

*
 オフタルモサウルス亜科 

レニニア

モレサウルス

オフタルモサウルス

バプタノドン ("O." natans)

アカンプトネクテス

 プラティプテリギウス亜科 

ブラキプテリギウス

マイアスポンディルス

アエギロサウルス

スヴェルトネクテス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

カイプリサウルス

アサバスカサウルス

プラティプテリギウス・アウストラリス(=Longirostria[4])

語源

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スヴェルトネクテスは Valentin Fischer らにより2011年に命名され、模式種は Sveltonectes insolitus である。属名はギリシャ語で「素早い」を意味するsveltosと同じくギリシャ語で「遊泳者」を意味するnektesに由来し、小さな体格と流線型の頭部、そして強力な取り巻く筋肉に言及している。種小名はラテン語で「異常な」を意味するinsolitusに由来し、歯の形態といった普通ではない数々の特徴を指す。

出典

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  1. ^ a b c Fischer, V.; Masure, E.; Arkhangelsky, M.S.; Godefroit, P. (2011). “A new Barremian (Early Cretaceous) ichthyosaur from western Russia”. Journal of Vertebrate Paleontology 31 (5): 1010–1025. doi:10.1080/02724634.2011.595464. http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02724634.2011.595464. 
  2. ^ Valentin Fischer, Michael W. Maisch, Darren Naish, Ralf Kosma, Jeff Liston, Ulrich Joger, Fritz J. Krüger, Judith Pardo Pérez, Jessica Tainsh and Robert M. Appleby (2012). “New Ophthalmosaurid Ichthyosaurs from the European Lower Cretaceous Demonstrate Extensive Ichthyosaur Survival across the Jurassic–Cretaceous Boundary”. PLoS ONE 7 (1): e29234. doi:10.1371/journal.pone.0029234. PMC 3250416. PMID 22235274. http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0029234. 
  3. ^ Fischer, V.; Arkhangelsky, M. S.; Uspensky, G. N.; Stenshin, I. M.; Godefroit, P. (2013). “A new Lower Cretaceous ichthyosaur from Russia reveals skull shape conservatism within Ophthalmosaurinae”. Geological Magazine 151: 1. doi:10.1017/S0016756812000994. 
  4. ^ Arkhangel’sky, M. S., 1998, On the Ichthyosaurian Genus Platypterygius: Palaeontological Journal, v. 32, n. 6, p. 611-615.