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オフタルモサウルス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オフタルモサウルス科
生息年代: ジュラ紀中期-白亜紀後期, 171.6–93.5 Ma
Ophthalmosaurus icenicusの骨格
保全状況評価
絶滅(化石
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : ?広弓亜綱 Euryapsida
?双弓亜綱 Diapsida
: 魚竜目 Ichthyosauria
: オフタルモサウルス科
Ophthalmosauridae
下位分類群

オフタルモサウルス科Ophthalmosauridae)は、ジュラ紀中期バトニアン期から白亜紀後期セノマニアン期にかけて現在のアジアオーストラリアヨーロッパ、南北アメリカの海に生息していた魚竜の絶滅した科[1]。最古のものはバトニアン期のアルゼンチンに生息したモレサウルスである[2]1956年にApplebyがこの分類群をオフタルモサウリアと命名し、他の論文でも支持された[3][4]が、両者はシノニムであり、オフタルモサウルス科が優先権を持つ[1]

系統発生

[編集]

オフタルモサウルス科は1999年藻谷亮介によって「Brachypterygius extremusOphthalmosaurus icenicusの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」として定義された。彼がオフタルモサウリアの定義として提唱したものも全く同じものであった[3]。下のクラドグラムはパトリック・S・ドラッケンミラーとエリン・E・マクスウェルによる2010年の解析に基づく[4]

トゥンノサウルス類 

イクチオサウルス

ステノプテリギウス

オフタルモサウルス・ナタンス(=バプタノドン)

 オフタルモサウルス科 

アエギロサウルス

オフタルモサウルス (模式種)

モレサウルス

アサバスカサウルス

ブラキプテリギウス

アースロプテリギウス

カイプリサウルス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

プラティプテリギウス・アウストラリス (=Longirostria)[5]

プラティプテリギウス(模式種)

マイアスポンディルス

プラティプテリギウス・アメリカヌス (=Tenuirostria)[5]

Valentin Fischerと Edwige Masureや Maxim S. Arkhangelsky および Pascal Godefroit は2011年スヴェルトネクテスを記載し、オフタルモサウルス科を「Arthropterygius chrisorumOphthalmosaurus icenicusの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」として再定義した。この場合においてはオフタルモサウリアはオフタルモサウルス科のジュニアシノニムではなくなる。下のクラドグラムは2011年のFischerらの論文に従う[1]

トゥンノサウルス類 

イクチオサウルス

ステノプテリギウス

チャカイコサウルス

 オフタルモサウルス科 

アースロプテリギウス

*

ブラキプテリギウス

オフタルモサウルス(模式種)

マイアスポンディルス

モレサウルス

アエギロサウルス

スヴェルトネクテス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

カイプリサウルス

アサバスカサウルス

プラティプテリギウス・アウストラリス (=Longirostria) [5]

Fischerらは2012年アカンプトネクテスを発見し、初めてオフタルモサウルス科の中に2つの亜科であるオフタルモサウルス亜科プラティプテリギウス亜科を定義した。オフタルモサウルス亜科とプラティプテリギウス亜科は単一の系統にまとめられないと分かった。縮小化した顆頭部、背中の板状の転子、上腕骨の小関節面の前方に付属部があること、前ビレの切れ込みが存在しないことがオフタルモサウルス科の特徴である。

さらに2013年にはレニニアが新たに発見され、これも系統樹に組み込まれることとなった。下のクラドグラムはFischerらの2013年の論文に従う[6]

トゥンノサウルス類 

イクチオサウルス

ステノプテリギウス

チャカイコサウルス

 オフタルモサウルス科 

アースロプテリギウス

*
 オフタルモサウルス亜科 

レニニア

モレサウルス

オフタルモサウルス

バプタノドン ("O." natans)

アカンプトネクテス

 プラティプテリギウス亜科 

ブラキプテリギウス

マイアスポンディルス

アエギロサウルス

スヴェルトネクテス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

カイプリサウルス

アサバスカサウルス

プラティプテリギウス・アウストラリス

ただしエリン・E・マクスウェルをはじめとしてオフタルモサウルス亜科およびプラティプテリギウス亜科を分類に用いない研究者もいる。マクスウェルは2017年に発表したジェンガサウルスの原記載論文において、オフタルモサウルス亜科という分類群そのものを否定している[7]。以下のクラドグラムは、マクスウェルの2015年の系統解析に基づく[8]

オフタルモサウルス科

オフタルモサウルス

ウンドロサウルス

アカンプトネクテス

レニニア

アエギロサウルス

モレサウルス

ムイスカサウルス

ブラキプテリギウス

カイプリサウルス

プラティプテリギウス・ヘルキニクス

プラティプテリギウス・アウストラリス

シンビリスキャサウルス

ペルヴショヴィサウルス

スヴェルトネクテス

マイアスポンディルス

アサバスカサウルス

クリオプテリギウス

ヤヌサウルス

アースロプテリギウス

パルベンニア

出典

[編集]
  1. ^ a b c Fischer, V.; Masure, E.; Arkhangelsky, M.S.; Godefroit, P. (2011). “A new Barremian (Early Cretaceous) ichthyosaur from western Russia”. Journal of Vertebrate Paleontology 31 (5): 1010–1025. doi:10.1080/02724634.2011.595464. http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/02724634.2011.595464. 
  2. ^ Marta S. Fernández (1999). “A new ichthyosaur from the Los Molles Formation (Early Bajocian), Neuquen Basin, Argentina”. Journal of Paleontology 73 (4): 677–681. JSTOR 1306766. 
  3. ^ a b Ryosuke Motani (1999). “Phylogeny of the Ichthyopterygia”. Journal of Vertebrate Paleontology 19 (3): 472–495. doi:10.1080/02724634.1999.10011160. http://mygeologypage.ucdavis.edu/motani/pdf/Motani1999c.pdf. 
  4. ^ a b Patrick S. Druckenmiller and Erin E. Maxwell (2010). “A new Lower Cretaceous (lower Albian) ichthyosaur genus from the Clearwater Formation, Alberta, Canada”. Canadian Journal of Earth Sciences 47 (8): 1037–1053. Bibcode2010CaJES..47.1037D. doi:10.1139/E10-028. http://rparticle.web-p.cisti.nrc.ca/rparticle/AbstractTemplateServlet?calyLang=eng&journal=cjes&volume=47&year=0&issue=8&msno=e10-028. [リンク切れ]
  5. ^ a b c Arkhangel’sky, M. S., 1998, On the Ichthyosaurian Genus Platypterygius: Palaeontological Journal, v. 32, n. 6, p. 611-615.
  6. ^ Fischer, V.; Arkhangelsky, M. S.; Uspensky, G. N.; Stenshin, I. M.; Godefroit, P. (2013). “A new Lower Cretaceous ichthyosaur from Russia reveals skull shape conservatism within Ophthalmosaurinae”. Geological Magazine 151: 1. doi:10.1017/S0016756812000994. 
  7. ^ Ilaria Paparella; Erin E. Maxwell; Angelo Cipriani; Scilla Roncacè; Michael W. Caldwell (2017). “The first ophthalmosaurid ichthyosaur from the Upper Jurassic of the Umbrian–Marchean Apennines (Marche, Central Italy)”. Geological Magazine 154 (4): 837–858. doi:10.1017/S0016756816000455. 
  8. ^ Erin E. Maxwell; Daniel Dick; Santiago Padilla; Mary Luz Parra (2015). “A new ophthalmosaurid ichthyosaur from the Early Cretaceous of Colombia”. Papers in Palaeontology in press. doi:10.1002/spp2.1030.