ダン・アグラ
ワシントン・ナショナルズ時代 (2015年7月12日) | |
基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | ケンタッキー州ルイビル |
生年月日 | 1980年3月11日(44歳) |
身長 体重 |
5' 11" =約180.3 cm 205 lb =約93 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 二塁手 |
プロ入り | 2001年 ドラフト11巡目(全体338位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスから指名 |
初出場 | 2006年4月3日 ヒューストン・アストロズ戦 |
最終出場 | 2015年10月3日 ニューヨーク・メッツ戦 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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ダニエル・クーリー・アグラ(Daniel Cooley Uggla, 1980年3月11日 - )は、アメリカ合衆国・ケンタッキー州ルイビル出身の元プロ野球選手(二塁手)。右投右打。
スウェーデン貴族の末裔で、姓のUgglaもスウェーデンに見られるものでスウェーデン語で「フクロウ目」。
経歴
[編集]ダイヤモンドバックス傘下時代
[編集]ゼネラル・エレクトリックに勤務している父は、彼の父親(アグラの祖父)が熱烈なヤンキースファンだったこともあり、息子がヤンキー・スタジアムでプレイするのを観ることを夢見ていた[1]。アグラはメンフィス大学を経て、2001年のドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから11巡目(全体338位)指名を受けて入団、プロ野球選手となる。
2005年に傘下のAA級テネシー・スモーキーズでオールスターに選出され、その後の秋季リーグ "アリゾナ・フォールリーグ" でも活躍。
マーリンズ時代
[編集]2005年12月に行われたルール・ファイブ・ドラフトでフロリダ・マーリンズから指名され移籍。
2006年春のオープン戦でアグラは二塁のレギュラーを獲得した。開幕戦(アストロズ戦)でアンディ・ペティットから初安打を放つと、4月21日のフィリーズ戦では初盗塁を本盗で挙げた。その後2番・二塁でレギュラーに定着し、前半戦は打率.307・13本塁打の好成績を残し、その活躍ぶりから7月にはオールスターゲームにも選出された。ルール・ファイブ・ドラフトで移籍した選手が移籍初年にオールスターに出場したのはメジャー史上初だった[2]。シーズン終盤には3番を任されるようになった。この年は154試合に出場し打率.282、27本塁打、90打点という成績を残した。27本塁打はジョー・ゴードンの新人二塁手のシーズン本塁打記録を68年ぶりに更新するものだった[3]。新人王投票ではアグラは3位で、同賞はチームメイトのハンリー・ラミレスが受賞したが、二遊間を組むアグラとラミレスのコンビは攻守で活躍した。攻撃面では新人の得点数1位がラミレスで2位がアグラで、守備面では荒削りだが数多くの併殺を完成させた。
2007年は前年を超える159試合に出場したが、3・4月と9月の月間打率が.210台に落ち込むなど不調で、シーズン打率も前年より4分近く下げた。しかし長打は増え、二塁打は前年の倍近くに、本塁打でも自身初の30本塁打を記録した。
2008年は5月に球団新記録となる月間12本塁打を記録[4]。2年ぶりに選出され、初出場を果たしたオールスターでは4打数0安打3三振に終わり、守備では延長10回に2失策で無死一三塁のピンチとなり、延長13回にも失策を記録[5]。オールスターでの1試合3失策は史上初で、「球宴史上最低のパフォーマンス」でナ・リーグ敗戦の責任選手の槍玉にあがった[4]。それでも、本塁打・打点・四球・出塁率・長打率・OPSなどで自己ベストとなる数字を残した。
2009年は、3年連続の30本塁打以上を記録したほか、四球が初めて90を超えた。一方で打率は自己最低の数字に終わり、三振も3年連続で150以上となってしまった。
2010年は、打率・本塁打・打点の全部門で自己最高の数字を記録。また、出塁率・長打率・OPSも自己最高の数値をマークしたほか、3年ぶりの100得点、メジャーデビューイヤー以来4年ぶりに三振を150以下に抑えた。
FOXのマーリンズ戦中継では、アグラがホームランを打った直後、実況のリッチ・ウォルツが"His name is…"と言った後に、解説のトミー・ハットンと声を合わせて"Dan Uggla!"と言うのがお決まりであった。
ブレーブス時代
[編集]2010年11月16日にオマー・インファンテ、マイク・ダンとのトレードでアトランタ・ブレーブスへ移籍[6]。
2011年1月6日にブレーブスと総額6200万ドルの5年契約に合意した[7][8]。この年はチームトップの161試合に出場し、打率.233、36本塁打、82打点、1盗塁だった。
2012年は自身3度目となるオールスターに選出された。この年は154試合に出場し、打率.220、19本塁打、78打点だった。四球はリーグトップの94個を記録した。
2013年は136試合に出場し、22本塁打55打点を記録したが、打率は.179とチーム内で最低の成績に終わり、ポストシーズンのロースターから外れた[9]。この打率.179(448打数80安打)は、ロブ・ディアーが1991年に記録した当時の歴代最低のシーズン打率に並ぶものであった[10]。後に最低打率の記録は2018年にクリス・デービス (内野手)が.168で更新した[11]。
2014年も正二塁手として開幕を迎えたが、打率は1割台まで落ち、新人のトミー・ラステラの昇格もあり、6月から代打としての起用となった。自身の出場機会が減った事に対し、クラブハウス内でチームを批判したため、7月13日に1試合の出場停止処分を受けた[12]。7月14日に処分は解かれたが、7月18日に放出された[13]。
ジャイアンツ時代
[編集]2014年7月21日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ[14]。契約後はAAA級フレズノ・グリズリーズで2試合に出場し、7月25日にジャイアンツとメジャー契約を結んだ[15]。昇格後は4試合に出場したが、11打数無安打と結果を残せず、8月1日に戦力外となった[16]。8月7日に放出された。
ナショナルズ時代
[編集]2014年12月26日に、ワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ[17]。
2015年4月5日にメジャー契約を結び40人枠に入る。67試合に出場したが、打率.183、2本塁打、16打点に終わった。11月2日にFAとなった[18]。
詳細情報
[編集]年度別打撃成績
[編集]年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006 | FLA | 154 | 683 | 611 | 105 | 172 | 26 | 7 | 27 | 293 | 90 | 6 | 6 | 7 | 8 | 48 | 1 | 9 | 123 | 5 | .282 | .339 | .480 | .818 |
2007 | 159 | 728 | 632 | 113 | 155 | 49 | 3 | 31 | 303 | 88 | 2 | 1 | 4 | 11 | 68 | 0 | 13 | 167 | 10 | .245 | .326 | .479 | .805 | |
2008 | 146 | 619 | 531 | 97 | 138 | 37 | 1 | 32 | 273 | 92 | 5 | 5 | 0 | 3 | 77 | 6 | 8 | 171 | 10 | .260 | .360 | .514 | .874 | |
2009 | 158 | 668 | 564 | 84 | 137 | 27 | 1 | 31 | 259 | 90 | 2 | 1 | 1 | 4 | 92 | 4 | 7 | 150 | 10 | .243 | .354 | .459 | .813 | |
2010 | 159 | 647 | 589 | 100 | 169 | 31 | 0 | 33 | 299 | 105 | 4 | 1 | 0 | 5 | 78 | 2 | 2 | 149 | 9 | .287 | .369 | .508 | .877 | |
2011 | ATL | 161 | 672 | 600 | 88 | 140 | 22 | 1 | 36 | 272 | 82 | 1 | 3 | 0 | 3 | 62 | 2 | 7 | 156 | 9 | .233 | .311 | .453 | .764 |
2012 | 154 | 630 | 523 | 86 | 115 | 29 | 0 | 19 | 201 | 78 | 4 | 3 | 0 | 3 | 94 | 5 | 10 | 168 | 8 | .220 | .348 | .384 | .732 | |
2013 | 136 | 537 | 448 | 60 | 80 | 10 | 3 | 22 | 162 | 55 | 2 | 0 | 0 | 3 | 77 | 2 | 9 | 171 | 7 | .179 | .309 | .362 | .671 | |
2014 | 48 | 145 | 130 | 13 | 21 | 3 | 0 | 2 | 30 | 10 | 0 | 0 | 0 | 1 | 10 | 0 | 4 | 40 | 3 | .162 | .241 | .231 | .472 | |
SFG | 4 | 12 | 11 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 | 0 | .000 | .083 | .000 | .083 | |
'14計 | 52 | 157 | 141 | 14 | 21 | 3 | 0 | 2 | 30 | 10 | 0 | 0 | 0 | 2 | 11 | 0 | 4 | 46 | 3 | .149 | .229 | .213 | .442 | |
2015 | WSN | 67 | 141 | 120 | 12 | 22 | 4 | 2 | 2 | 36 | 16 | 0 | 1 | 0 | 1 | 19 | 0 | 1 | 40 | 3 | .183 | .298 | .300 | .598 |
通算:10年 | 1346 | 5509 | 4759 | 759 | 1149 | 238 | 18 | 235 | 2128 | 706 | 26 | 21 | 12 | 42 | 626 | 22 | 70 | 1341 | 74 | .241 | .336 | .447 | .783 |
- 2019年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
一塁(1B) | 二塁(2B) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2006 | FLA | - | 151 | 314 | 423 | 15 | 112 | .990 | |||||
2007 | - | 158 | 323 | 402 | 11 | 111 | .985 | ||||||
2008 | - | 144 | 297 | 390 | 13 | 82 | .981 | ||||||
2009 | - | 158 | 264 | 426 | 16 | 95 | .977 | ||||||
2010 | - | 158 | 312 | 415 | 18 | 84 | .976 | ||||||
2011 | ATL | - | 159 | 294 | 440 | 15 | 86 | .980 | |||||
2012 | - | 152 | 258 | 471 | 12 | 103 | .984 | ||||||
2013 | - | 133 | 247 | 334 | 14 | 81 | .976 | ||||||
2014 | - | 35 | 58 | 95 | 9 | 19 | .944 | ||||||
SF | - | 4 | 9 | 14 | 2 | 2 | .920 | ||||||
'14計 | - | 39 | 67 | 109 | 11 | 21 | .941 | ||||||
2015 | WSH | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 31 | 39 | 62 | 2 | 9 | .981 |
通算 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 1283 | 2415 | 3472 | 127 | 784 | .979 |
- 2019年度シーズン終了時
表彰
[編集]- シルバースラッガー賞:1回(2010年)
- 月間MVP:1回(2011年8月)
- 月間最優秀新人:1回(2006年6月)
記録
[編集]- MLBオールスターゲーム選出:3回(2006年、2008年、2012年)
背番号
[編集]- 6(2006年 - 2010年)
- 26(2001年 - 2014年途中、2015年)
- 22(2014年途中 - 同年終了)
脚注
[編集]- ^ Ken Rosenthal, "Pressure's on Uggla to make All-Star team," FOX Sports on MSN, June 27, 2008. 2008年6月29日閲覧。(2008年6月28日時点のアーカイブ)
- ^ 石山修二 「オレたちを忘れるな!スラッガー特選:2006ルーキー野手16人」『月刊スラッガー』2006年12月号、日本スポーツ企画出版社、2006年、雑誌 15509-12、43頁。
- ^ Frisaro, Joe (2006年9月11日). “Marlins rout Mets in opener Ross' three homers, Uggla's five hits make winner of Sanchez” (英語). MLB.com. 2009年3月7日閲覧。
- ^ a b 杉浦大介 「MLB30球団最新レポート&全選手シーズン最終成績 フロリダ・マーリンズ/FLA オールスター以外は総じてよいシーズン」『スラッガー』2008年12月号、日本スポーツ企画出版社、2008年、雑誌 15509-12、66頁。
- ^ “July 15, 2008 All-Star Game at Yankee Stadium Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2009年3月7日閲覧。
- ^ “Braves and Marlins announce three-player trade”. MLB.com Braves Press Release (November 16, 2010). July 14, 2014閲覧。
- ^ “Braves and Dan Uggla agree on five-year contract”. MLB.com Braves Press Release (January 6, 2011). July 14, 2014閲覧。
- ^ Mark Bowman (January 6, 2011). “In Atlanta, Uggla right where he wants to be”. MLB.com. July 14, 2014閲覧。
- ^ “Braves announce National League Division Series Roster”. MLB.com Braves Press Release (October 2, 2013). July 14, 2014閲覧。
- ^ David O'Brien (Oct. 2, 2013). “Uggla is left off Braves' Division Series roster”. AJC.com. Feb. 2, 2016閲覧。
- ^ 183億円強打者が不名誉な記録 規定打席歴代ワーストの打率「.168」でシーズン終える
- ^ Mark Bowman, John Jackson (July 13, 2014). “Braves suspend Uggla one game, add Gosselin”. MLB.com. July 14, 2014閲覧。
- ^ “Braves release Dan Uggla”. MLB.com Braves Press Release (July 18, 2014). July 19, 2014閲覧。
- ^ Chris Haft (July 21, 2014). “Uggla signed by Giants to Minor League deal”. MLB.com. July 22, 2014閲覧。
- ^ Ryan Hood (July 25, 2014). “Adrianza, Scutaro placed on disabled list”. MLB.com. July 26, 2014閲覧。
- ^ Chris Haft (August 1, 2014). “Cain needs surgery, likely done for the season”. MLB.com. August 2, 2014閲覧。
- ^ Nationals sign Uggla to Minor League deal
- ^ “Transactions | nationals.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月4日閲覧。
外部リンク
[編集]- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Dan Uggla (@chewbuggla) - X(旧Twitter)