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ディリクレの判定法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学において、ディリクレの判定法(ディリクレのはんていほう、: Dirichlet's test)は、級数収束判定法の一つである。名称はこれを記述したペーター・グスタフ・ディリクレにちなんでいるが、発表されたのは彼の死後、1862年の "Journal de Mathématiques Pures et Appliquées" においてであった[1]

主張

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実数複素数 が次の条件

  • ある定数 があり、全ての正の整数 N に対して

を満たすならば、級数 は収束する。

証明

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とおく。

部分和分法により と変形できる。

は絶対値が M で抑えられていて なので、第1項は0に収束する:

()

一方 は非増加数列なので は任意の k に対し非負であり、 となるが、

であるから、 のとき に収束する。

よって比較判定法により もまた収束する。級数 絶対収束するから自身もまた収束する。

以上より が収束することが言えた。

応用

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  • ディリクレの判定法で
とした特別な場合が交代級数判定法英語版である。
  • が減少して0に収束する実数列であれば、 は常に収束する。

広義積分

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広義積分の収束に対しても類似した命題が成り立つ。実軸の非有界区間で定義された関数 fg があって、f は任意の積分範囲での積分値の絶対値がある定数で一様に(積分範囲に依らず)上から抑えられていて、g は非負値かつ単調非増加のとき、fg の広義積分は収束する。

脚注

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  1. ^ Démonstration d’un théorème d’Abel. Journal de mathématiques pures et appliquées 2nd series, tome 7 (1862), p. 253-255.

参考文献

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  • Hardy, G. H., A Course of Pure Mathematics, Ninth edition, Cambridge University Press, 1946. (pp. 379–380).
  • Voxman, William L., Advanced Calculus: An Introduction to Modern Analysis, Marcel Dekker, Inc., New York, 1981. (§8.B.13-15) ISBN 0-8247-6949-X.

外部リンク

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