トキオリアリティー
トキオリアリティー | |
---|---|
欧字表記 | Tokio Reality[1] |
品種 | サラブレッド[1] |
性別 | 牝[1] |
毛色 | 栗毛[1] |
生誕 | 1994年5月25日[1] |
死没 | 不明(2016年7月25日用途変更) |
父 | Meadowlake[1] |
母 | What a Reality[1] |
母の父 | In Reality[1] |
生国 | アメリカ合衆国[1] |
生産者 | F. Carl Schwietert & Four Horseman's Ranch[1] |
馬主 | 坂田時雄[1] |
調教師 | 古賀史生(美浦)[1] |
競走成績 | |
生涯成績 | 16戦3勝[1] |
獲得賞金 | 5113万円[1] |
トキオリアリティー(Tokio Reality、1994年5月25日 - 不明)[1]は、日本の競走馬、繁殖牝馬。競走馬としては条件戦を3勝するに留まったが、繁殖牝馬としてリアルインパクト、ネオリアリズムなどの活躍馬を送り出した[2]。
経歴
[編集]競走馬時代
[編集]1994年5月25日にアメリカ合衆国で誕生。1996年2月にファシグティプトン・フロリダ2歳トレーニングセールに上場され、ノーザンファーム代表の吉田勝己によって15万ドルで落札される[3]。
セール後は日本に輸入され、「トキオ」冠の坂田時雄の所有馬となる。美浦・古賀史生厩舎に入厩した[4]。
1996年10月12日の新馬戦(東京芝1400m)でデビューして初戦はスピードワールドの5着に敗れた[5]。ダート替わりの2戦目を5馬身差の圧勝で初勝利を挙げる[6]。その後も芝、ダートを問わず短距離で走り続け[7]、1997年12月に2勝目[8]、1998年3月に3勝目を挙げ、準オープンまで昇格した[9]。1998年5月の春嶺ステークス3着を最後に現役を引退した[10]。
繁殖牝馬時代
[編集]現役引退後は北海道早来町(現:安平町)のノーザンファームで繁殖入りした。第3仔のアイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)がオーシャンステークスなど7勝を挙げ、G1でも2度3着に入るなど、短距離路線で息長い活躍を見せた[2]。
2011年には第9仔のリアルインパクト(父ディープインパクト)がスウヰイスー以来59年ぶりの3歳での安田記念制覇を達成し、母の名声を一挙に高めた。リアルインパクトは2015年に豪G1ジョージライダーステークスを制し、2ヶ国G1制覇を果たしている[2]。
2017年には第11仔のネオリアリズム(父ネオユニヴァース)がクイーンエリザベス2世カップを制し、産駒2頭目のG1馬となった[11]。
この他にも5勝を挙げた第12仔レアリスタ(父ステイゴールド)、4勝を挙げた第8仔ウィルパワー(父キングカメハメハ)など配合相手を問わず堅実に走る産駒を送り出し、日本有数の名繁殖牝馬と呼ばれるまでに至った[2]。
2015年に新冠町の長浜牧場に移り、父ゼンノロブロイの牝馬(デルニエリアリテ)を出産。同年からの2年間は不受胎が続き、2016年7月25日に用途変更となっている[12]。自身が重賞競争を勝利していないため引退名馬繋養展示事業の助成対象にはなれず、その後の動向は分かっていない[要出典]。
日本とオーストラリアでシャトル種牡馬として供用されているリアルインパクトに加え[13]、ネオリアリズムもオーストラリアで種牡馬入りしたことで[14]、トキオリアリティーの血は海を超えて拡大しつつある[要出典]。また、活躍は自身の直仔にとどまらず[15]、ウィルパワーの仔インディチャンプ(父ステイゴールド)が2019年の安田記念とマイルチャンピオンシップを[16]、アウィルアウェイ(父ジャスタウェイ)が2020年のシルクロードステークスをそれぞれ制している[17]。
競走成績
[編集]以下の内容はnetkeiba.comの情報[4]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996.10.12 | 東京 | 3歳新馬 | 芝1400m(良) | 11 | 7 | 9 | 11.2 (6人) | 5着 | 1:23.2(35.5) | 0.8 | 蛯名正義 | 53 | スピードワールド | 476 | |
10.26 | 東京 | 3歳新馬 | ダ1400m(良) | 9 | 8 | 8 | 4.0 (2人) | 1着 | 1:26.9(39.3) | -0.8 | 吉田豊 | 52 | (スギノフェアリー) | 472 | |
11.23 | 東京 | 3歳500万下 | ダ1400m(稍) | 13 | 5 | 7 | 4.0 (3人) | 5着 | 1:26.8(38.7) | 1.1 | 蛯名正義 | 53 | ダストワール | 470 | |
12.15 | 中山 | ひいらぎ賞 | 500万下 | 芝1600m(良) | 15 | 8 | 15 | 30.1 (7人) | 4着 | 1.37.0(37.3) | 0.8 | 蛯名正義 | 53 | スピードワールド | 462 |
1997. 1.12 | 中山 | フローラS | OP | 芝1200m(良) | 9 | 8 | 9 | 9.7 (5人) | 2着 | 1:10.7(36.7) | 0.1 | 蛯名正義 | 53 | ビクタートウショウ | 466 |
1.25 | 東京 | カトレア賞 | 500万下 | ダ1600m(不) | 8 | 4 | 4 | 7.2 (4人) | 6着 | 1:39.3(39.3) | 2.1 | 蛯名正義 | 53 | ショウナンナンバー | 468 |
2.23 | 中山 | きんせんか賞 | 500万下 | 芝1200m(良) | 14 | 5 | 7 | 3.4 (2人) | 4着 | 1:10.2(35.9) | 0.3 | 蛯名正義 | 53 | ロイヤルブルー | 470 |
3.15 | 中京 | はなのき賞 | 500万下 | 芝1200m(稍) | 16 | 7 | 13 | 7.1 (4人) | 4着 | 1.11.4(36.6) | 0.3 | 菊沢隆徳 | 53 | ライトバウア | 460 |
11. 6 | 福島 | 4歳上500万下 | ダ1000m(稍) | 12 | 5 | 5 | 12.9 (6人) | 4着 | 1:00.3(37.1) | 0.8 | 大西直宏 | 53 | ヨシコスミック | 480 | |
12. 7 | 中京 | 4歳上500万下 | 芝1200m(良) | 16 | 4 | 8 | 7.7 (4人) | 1着 | 1:09.4(35.2) | -0.8 | 吉田豊 | 53 | (エイシンフージン) | 490 | |
12.20 | 中山 | 4歳上900万下 | ダ1200m(良) | 15 | 5 | 9 | 9.6 (4人) | 2着 | 1:11.2(37.3) | 0.1 | 蛯名正義 | 53 | ジェットアラウンド | 490 | |
1998. 1.31 | 東京 | 青梅特別 | 900万下 | ダ1200m(良) | 15 | 8 | 16 | 7.1 (3人) | 13着 | 1:15.6(40.6) | 2.8 | 蛯名正義 | 53 | オーサカヅキ | 498 |
3. 7 | 中京 | 鈴鹿特別 | 900万下 | 芝1200m(良) | 16 | 5 | 10 | 5.5 (3人) | 1着 | 1:09.6(35.8) | -0.2 | 大西直宏 | 54 | (シンメイライコウ) | 488 |
3.28 | 中山 | 船橋S | 1600万下 | 芝1200m(良) | 9 | 6 | 6 | 4.4 (3人) | 7着 | 1:10.4(35.1) | 0.7 | 大西直宏 | 54 | カイシュウニシキ | 494 |
4.19 | 中山 | 卯月S | OP | 芝1200m(良) | 12 | 3 | 3 | 26.9 (7人) | 8着 | 1:10.8(36.2) | 1.2 | 大西直宏 | 52 | コクトジュリアン | 490 |
5.10 | 新潟 | 春嶺S | 1600万下 | 芝1200m(良) | 14 | 5 | 8 | 13.9 (7人) | 3着 | 1.09.3(34.2) | 0.1 | 大西直宏 | 52 | ジョープロテクター | 482 |
繁殖成績
[編集]馬名 | 生年 | 毛色 | 父 | 性 | 厩舎 | 馬主 | 戦績 | 備考 | 出典 | |
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1 | ウィズアウトダウト | 2000 | 栗毛 | 牝 | メジロライアン | 美浦・古賀史生 | サンデーレーシング | 3戦0勝 | 引退 | [18] |
2 | プレシャスワン | 2001 | 鹿毛 | 騸 | ダンスインザダーク | 栗東・石坂正 | 松岡隆雄 | 18戦2勝 | 引退 | [19] |
3 | アイルラヴァゲイン | 2002 | 鹿毛 | 牡 | エルコンドルパサー | 美浦・手塚貴久 | 齊藤四方司 | 48戦7勝 (G3)オーシャンステークス |
引退 | [20] |
4 | アドマイヤフッキー | 2003 | 栗毛 | 牝 | フジキセキ | 美浦・古賀史生 | 近藤利一 | 12戦3勝 | 繁殖牝馬 | [21] |
5 | フサイチリニモ | 2004 | 鹿毛 | 牝 | ジャングルポケット | 関口房朗 | 6戦1勝 | 繁殖牝馬 | [22] | |
6 | リアルメンテ | 2005 | 鹿毛 | 牝 | フジキセキ | 美浦・手塚貴久 | サンデーレーシング | 2戦0勝 | 繁殖牝馬 | [23] |
7 | アドマイヤハヤト | 2006 | 鹿毛 | 牡 | キングカメハメハ | 美浦・古賀史生 | 近藤利一 | 3戦0勝 | 引退 | [24] |
8 | ウィルパワー | 2007 | 鹿毛 | 牝 | 美浦・手塚貴久 | サンデーレーシング | 17戦4勝 | 繁殖牝馬 | [25] | |
9 | リアルインパクト | 2008 | 鹿毛 | 牡 | ディープインパクト | 美浦・堀宣行 | キャロットファーム | 30戦5勝 (国内)28戦4勝 (海外)2戦1勝 (G1)安田記念、ジョージライダーステークス (G2)阪神カップ2回 |
種牡馬 | [26] |
10 | バランカデルコブレ | 2009 | 鹿毛 | 牡 | 栗東・吉田直弘 | 吉田和美 | 7戦0勝 | 引退 | [27] | |
11 | ネオリアリズム | 2011 | 栗毛 | 牡 | ネオユニヴァース | 美浦・堀宣行 | キャロットファーム | 22戦8勝 (国内)18戦7勝 (海外)4戦1勝 (G1)クイーンエリザベス2世カップ (G2)札幌記念、中山記念 |
種牡馬 | [28] |
12 | レアリスタ | 2012 | 栗毛 | 牡 | ステイゴールド | 17戦5勝 | 引退 | [29] | ||
13 | ヴェリタブル | 2014 | 栗毛 | 牝 | ダノンシャンティ | 5戦0勝 | 繁殖牝馬 | [30] | ||
14 | デルニエリアリテ | 2015 | 鹿毛 | 牝 | ゼンノロブロイ | 美浦・栗田徹 | 山口功一郎 | 3戦0勝 | 繁殖牝馬 | [31] |
血統表
[編集]トキオリアリティーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | プリンスキロ系 |
[§ 2] | ||
父 Meadowlake 1983 栗毛 |
父の父 Hold Your Peace1969 鹿毛 |
Speak John | Prince John | |
Nuit de Folies | ||||
Blue Moon | Eight Thirty | |||
Blue Grail | ||||
父の母 Suspicious Native1972 栗毛 |
Raise a Native | Native Dancer | ||
Raise You | ||||
Be Suspicious | Porterhouse | |||
Nothirdchance | ||||
母 What a Reality 1978 栗毛 |
In Reality 1964 鹿毛 |
Intentionally | Intent | |
My Recipe | ||||
My Dear Girl | Rough'n Tumble | |||
Iltis | ||||
母の母 What Will Be1970 鹿毛 |
Crozier | My Babu | ||
Miss Olympia | ||||
Solabar | Bar Le Duc | |||
Solita | ||||
母系(F-No.) | 3号族(FN:3-l) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | War Relic5×5=6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
|
- 父メドウレイクは3戦3勝。主な勝ち鞍はアーリントンワシントンフューチュリティ(米G1、ダート6.5ハロン)。代表産駒には1990年のアメリカ2歳牝馬チャンピオンのメドウスター(Meadow Star)がいる[32]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “トキオリアリティー”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月4日閲覧。
- ^ a b c d 河合力 (2017年1月23日). “「奇跡の繁殖牝馬」が送り出すヴェリタブル。母の名声を高められるか”. Sportiva. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “Fasig-Tipton Florida 1996 Selected Two-Year-Olds in Training Sale”. Bloodhorse. 2019年11月21日閲覧。
- ^ a b “トキオリアリティー”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “1996年10月12日 5回東京3日目 3歳新馬”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “1996年10月26日 5回東京7日目 3歳新馬”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “トキオリアリティー (Tokio Reality)の競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “1997年12月7日 3回中京6日目 4歳以上500万下”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “1998年3月7日 1回中京3日目 鈴鹿特別”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “1998年5月10日 1回新潟4日目 春嶺ステークス”. netkeiba.com. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “Another Moreira Masterpiece in QE II”. Thoroughbred Daily News (2017年4月30日). Alan Carasso閲覧。
- ^ トキオリアリティー(USA) - 血統書サービス、2022年5月17日閲覧。
- ^ “リアルインパクト、豪州にシャトルされる(オーストラリア)[生産]”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “香港G1優勝の日本馬ネオリアリズム、豪州で供用(日本・オーストラリア)[生産]”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “【東京新聞杯・血統調査】インディチャンプの祖母は名繁殖トキオリアリティー”. 東京スポーツ (2019年1月31日). 2021年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月21日閲覧。
- ^ “【マイルCS】インディチャンプがV! 史上7頭目のマイルGI春秋連覇を達成!/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com (2019年11月17日). 2024年1月7日閲覧。
- ^ “【シルクロードS】アウィルアウェイが一気に差し切り重賞初制覇!/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com (2020年2月2日). 2024年1月7日閲覧。
- ^ “ヴィズアウトダウト”. netkeiba.com. 2019-11-21]閲覧。
- ^ “プレシャスワン”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “アイルラヴァゲイン”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “リアファル”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “フサイチリニモ”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “リアルメンテ”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “アドマイヤハヤト”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “ウィルパワー”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “リアルインパクト”. JBIS Search. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “バランカデルコブレ”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “ネオリアリズム”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “レアリスタ”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “ヴェリタブル”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “デルニエリアリテ”. netkeiba.com. 2019年11月21日閲覧。
- ^ “Meadowlake (horse)”. American Classic Pedigrees. 2019年11月21日閲覧。
関連項目
[編集]- ビワハイジ、クリソプレーズ、スカーレットブーケ、ハルーワスウィート、ホワイトウォーターアフェア、シーザリオ、ラヴズオンリーミー、プリンセスオリビア - 国際保護馬名に指定された、日本で繋養された繁殖牝馬