ハングル互換字母
ハングル互換字母 | |
---|---|
Hangul Compatibility Jamo | |
範囲 |
U+3130..U+318F (96 個の符号位置) |
面 | 基本多言語面 |
用字 | ハングル |
主な言語・文字体系 | |
割当済 | 94 個の符号位置 |
未使用 | 2 個の保留 |
Unicodeのバージョン履歴 | |
1.0.0 | 94 (+94) |
公式ページ | |
コード表 ∣ ウェブページ |
ハングル互換字母(ハングルごかんじぼ、英語: Hangul Compatibility Jamo)は、Unicodeの112個目のブロック。
解説
[編集]韓国及び北朝鮮、中国の延辺朝鮮族自治州で話される韓国語(朝鮮語)や、韓国の済州島で話される済州語などを表記するためのハングル(チョソングル)のうち、子音字と母音字に分かれた文字の最小構成単位である字母(韓国語:자모(子母, 字母))を収録している。また、古ハングル(옛 한글; イェッタングル)と呼ばれる中期朝鮮語などの古い時代に使われていた字母や、訓民正音に載っていたが現在は使われていない字母も含まれている。
ハングルは表音文字のうち、音素よりも更に細かい要素(調音点の位置など)を明記する表記体系である素性文字(フィーチャー・アルファベット)に分類される。書字方向は基本的にはラテン文字などと同様に左から右に横書き(左横書き)して上から下に行を送るが、歴史的には日本語の文章と同様に上から下に縦書きし、右から左へ行を送る(右縦書き)ことがある。ただし、日本語や中国語とは異なり、文節毎に分かち書きをする。
本ブロックに含まれるハングル字母はキーボードなどによる文字入力の際に一時的に用いられることが想定されており、基本的に単独で表記に用いられることはなく、通常は入力後に別ブロックに存在するハングル音節文字に変換される。ただし、中期朝鮮語や済州語などを表記する場合は本ブロックにある文字が直接合成文字として合成されてレンダーされるためハングル音節文字ブロックの文字には変換されず本ブロック中の文字がそのまま文字列上に残ることになる。
ハングル字母ブロックにあるものとは異なり、本ブロックに含まれる字母は子音字が頭子音(初声、CHOSEONG)であるか末子音(終声、JONGSEONG)であるかによって符号を区別しない。現在韓国語キーボードで主流の入力方法は本ブロックに含まれる字母を用いた方法である。
Unicodeのバージョン1.0においては「ハングル要素(Hangul Elements)」というブロック名で制定されていた[1]。
収録文字
[編集]「ラテン文字転写」の列はハングルのラテン文字への翻字方式の一つである文化観光部2000年式に従う。
コード | 文字 | 文字名(英語) | 用例・説明 | ラテン文字転写 |
---|---|---|---|---|
子音字 | ||||
U+3131 | ㄱ | HANGUL LETTER KIYEOK | キヨク。頭子音の[k][2]及び末子音の[k̚]を表す。
語中では[ɡ]と発音される。 |
g |
U+3132 | ㄲ | HANGUL LETTER SSANGKIYEOK | サンキヨク。頭子音の[k*][3]及び末子音の[k̚]を表す。 | kk |
U+3133 | ㄳ | HANGUL LETTER KIYEOK-SIOS | 末子音の[k̚]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅆが挿入される。 | k |
U+3134 | ㄴ | HANGUL LETTER NIEUN | ニウン。[n]を表す。 | n |
U+3135 | ㄵ | HANGUL LETTER NIEUN-CIEUC | 末子音の[n]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅈが挿入される。 | n |
U+3136 | ㄶ | HANGUL LETTER NIEUN-HIEUH | 末子音の[n]を表す。後ろに平音の子音が後続する場合その子音を激音(有気音)に変化させる。 | n |
U+3137 | ㄷ | HANGUL LETTER TIKEUT | ティクッ。頭子音の[t][2]及び末子音の[t̚]を表す。
語中では[d]と発音される。 |
t |
U+3138 | ㄸ | HANGUL LETTER SSANGTIKEUT | サンティクッ。頭子音の[t*][3]及び末子音の[t̚]を表す。 | tt |
U+3139 | ㄹ | HANGUL LETTER RIEUL | リウル。頭子音の[ɾ]及び末子音の[ɭ]を表す。 | r/l |
U+313A | ㄺ | HANGUL LETTER RIEUL-KIYEOK | 末子音の[k̚]を表す。後ろに母音が後続する場合直前の音節に末子音のㄹが挿入される。 | k |
U+313B | ㄻ | HANGUL LETTER RIEUL-MIEUM | 末子音の[m]を表す。後ろに母音が後続する場合直前の音節に末子音のㄹが挿入される。 | m |
U+313C | ㄼ | HANGUL LETTER RIEUL-PIEUP | 末子音の[ɭ]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅂが挿入される。
ただし、動詞밟다と넓-で始まる語や、北朝鮮においては末子音の[p̚]を表し、後ろに母音が後続する場合直前の音節に末子音のㄹが挿入される。 |
l/p |
U+313D | ㄽ | HANGUL LETTER RIEUL-SIOS | 末子音の[ɭ]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅆが挿入される。 | l |
U+313E | ㄾ | HANGUL LETTER RIEUL-THIEUTH | 末子音の[ɭ]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅌが挿入される。 | l |
U+313F | ㄿ | HANGUL LETTER RIEUL-PHIEUPH | 末子音の[p̚]を表す。後ろに母音が後続する場合直前の音節に末子音のㄹが挿入される。 | p |
U+3140 | ㅀ | HANGUL LETTER RIEUL-HIEUH | 末子音の[ɭ]を表す。後ろに平音の子音が後続する場合その子音を激音(有気音)に変化させる。 | l |
U+3141 | ㅁ | HANGUL LETTER MIEUM | ミウム。[m]を表す。 | m |
U+3142 | ㅂ | HANGUL LETTER PIEUP | ピウプ。頭子音の[p][2]及び末子音の[p̚]を表す。
語中では[b]と発音される。 |
b |
U+3143 | ㅃ | HANGUL LETTER SSANGPIEUP | サンピウプ。頭子音の[p*][3]及び末子音の[p̚]を表す。 | pp |
U+3144 | ㅄ | HANGUL LETTER PIEUP-SIOS | 末子音の[p̚]を表す。後ろに母音が後続する場合頭子音のㅆが挿入される。 | p |
U+3145 | ㅅ | HANGUL LETTER SIOS | シオッ。頭子音の[s]及び末子音の[t̚]を表す。 | s |
U+3146 | ㅆ | HANGUL LETTER SSANGSIOS | サンシオッ。頭子音の[s*][3]及び末子音の[t̚]を表す。 | ss |
U+3147 | ㅇ | HANGUL LETTER IEUNG | イウン。頭子音が無いこと、及び末子音の[ŋ]を表す。 | (書かない)/ng |
U+3148 | ㅈ | HANGUL LETTER CIEUC | チウッ。頭子音の[t͡ɕ][2]及び末子音の[t̚]を表す。
語中では[d͡ʑ]と発音される。 |
j |
U+3149 | ㅉ | HANGUL LETTER SSANGCIEUC | サンチウッ。頭子音の[t͡ɕ*][3]及び末子音の[t̚]を表す。 | jj |
U+314A | ㅊ | HANGUL LETTER CHIEUCH | チウッ。頭子音の[t͡ɕʰ]及び末子音の[t̚]を表す。 | ch |
U+314B | ㅋ | HANGUL LETTER KHIEUKH | キウク。頭子音の[kʰ]及び末子音の[k̚]を表す。 | k |
U+314C | ㅌ | HANGUL LETTER THIEUTH | ティウッ。頭子音の[tʰ]を及び末子音の[t̚]表す。 | t |
U+314D | ㅍ | HANGUL LETTER PHIEUPH | ピウプ。頭子音の[pʰ]及び末子音の[p̚]を表す。 | p |
U+314E | ㅎ | HANGUL LETTER HIEUH | ヒウッ。頭子音の[h]及び末子音の[t̚]を表す。 | h |
母音字 | ||||
U+314F | ㅏ | HANGUL LETTER A | 母音[a]を表す。 | a |
U+3150 | ㅐ | HANGUL LETTER AE | 母音[ɛ]を表す[4]。
元々は二重母音[aɪ]を表していた。 |
ae |
U+3151 | ㅑ | HANGUL LETTER YA | 母音[ja]を表す。 | ya |
U+3152 | ㅒ | HANGUL LETTER YAE | 母音[jɛ]を表す。
元々は二重母音[jaɪ]を表していた。 |
yae |
U+3153 | ㅓ | HANGUL LETTER EO | 母音[ɔ]を表す。ただし現在の韓国語では[ʌ]で発音される。
元々は[ə]を表していた。 |
eo |
U+3154 | ㅔ | HANGUL LETTER E | 母音[e]を表す。元々は二重母音[ɘɪ]を表していた。 | e |
U+3155 | ㅕ | HANGUL LETTER YEO | 母音[jɔ]を表す。ただし現在の韓国語では[jʌ]で発音される。
元々は[jə]を表していた。 |
yeo |
U+3156 | ㅖ | HANGUL LETTER YE | 母音[je]を表す。
元々は二重母音[jɘɪ]を表していた。 |
ye |
U+3157 | ㅗ | HANGUL LETTER O | 母音[o]を表す。 | o |
U+3158 | ㅘ | HANGUL LETTER WA | 母音[wa]を表す。 | wa |
U+3159 | ㅙ | HANGUL LETTER WAE | 母音[wɛ]を表す[4]。
元々は二重母音[waɪ]を表していた。 |
wae |
U+315A | ㅚ | HANGUL LETTER OE | 母音[we]を表す。
元々は[ø]を表していた。 |
oe |
U+315B | ㅛ | HANGUL LETTER YO | 母音[jo]を表す。 | yo |
U+315C | ㅜ | HANGUL LETTER U | 母音[u]を表す。 | u |
U+315D | ㅝ | HANGUL LETTER WEO | 母音[wɔ]を表す。ただし現在の韓国語では[wʌ]で発音される。
元々は[wə]を表していた。 |
wo |
U+315E | ㅞ | HANGUL LETTER WE | 母音[we]を表す。 | we |
U+315F | ㅟ | HANGUL LETTER WI | 母音[wi]を表す。
元々は母音[y]を表していた。 |
wi |
U+3160 | ㅠ | HANGUL LETTER YU | 母音[ju]を表す。 | yu |
U+3161 | ㅡ | HANGUL LETTER EU | 母音[ɯ]を表す。 | eu |
U+3162 | ㅢ | HANGUL LETTER YI | 二重母音[ɰi]を表す。 | ui |
U+3163 | ㅣ | HANGUL LETTER I | 母音[i]を表す。 | i |
特殊文字 | ||||
U+3164 | ㅤ | HANGUL FILLER | 文法の説明などで、初声や母音の文字を書かずに中声(母音)や終声(末子音)のみを組み合わせて表示するために用いられる。 | |
古い子音字 | ||||
U+3165 | ㅥ | HANGUL LETTER SSANGNIEUN | 中期朝鮮語で頭子音の[nː]を表していたと推定される。 | |
U+3166 | ㅦ | HANGUL LETTER NIEUN-TIKEUT | 中世の朝鮮において、日本語の音訳に用いられ、[d]を表していた。 | |
U+3167 | ㅧ | HANGUL LETTER NIEUN-SIOS | 中期朝鮮語で末子音の[-ns]を表していた(例:누ᇇ믈/núns.mɨ́l/(涙); 現代韓国語で눈물)。ᇈの異表記。 | |
U+3168 | ㅨ | HANGUL LETTER NIEUN-PANSIOS | 中期朝鮮語で末子音の[-nz]を表していた(例:누ᇈ믈/núnz.mɨ́l/(涙); 現代韓国語で눈물)。ᇇの異表記。終声ㄴの後に属格標識ᇫが付いた形。 | |
U+3169 | ㅩ | HANGUL LETTER RIEUL-KIYEOK-SIOS | ||
U+316A | ㅪ | HANGUL LETTER RIEUL-TIKEUT | ||
U+316B | ㅫ | HANGUL LETTER RIEUL-PIEUP-SIOS | ||
U+316C | ㅬ | HANGUL LETTER RIEUL-PANSIOS | ||
U+316D | ㅭ | HANGUL LETTER RIEUL-YEORINHIEUH | 中期朝鮮語で中国語からの借用語について、本来/-t/であった末子音が朝鮮語で/-l/と発音されているものについて、語源が/-t/であることを明示するために用いられた。 | |
U+316E | ㅮ | HANGUL LETTER MIEUM-PIEUP | 中世の朝鮮において、日本語の音訳に用いられ、[b]を表していた。 | |
U+316F | ㅯ | HANGUL LETTER MIEUM-SIOS | 中期朝鮮語で末子音の[-ms]を表していた。動詞語幹に付く必要性を示す接尾辞で、「~するのが相応しい」などの表現に用いられた。 | |
U+3170 | ㅰ | HANGUL LETTER MIEUM-PANSIOS | ||
U+3171 | ㅱ | HANGUL LETTER KAPYEOUNMIEUM | 中世の朝鮮において古官話(明王朝時代の中国語)の音訳で末子音の[w]を表していた。 | |
U+3172 | ㅲ | HANGUL LETTER PIEUP-KIYEOK | 近世朝鮮語において頭子音の[k*]を表していたと推定される。現在はㄲで書かれる。 | |
U+3173 | ㅳ | HANGUL LETTER PIEUP-TIKEUT | 中期朝鮮語で頭子音の[pt]を表していた(例:ᄠᅳᆶ/ptɨ́lh/(庭))。近世朝鮮語では[p*](濃音のp)に発音が変化し、現在ではㄸで書かれる(例えば「庭」は現在の韓国語で뜰/tteul/)。 | |
U+3174 | ㅴ | HANGUL LETTER PIEUP-SIOS-KIYEOK | 中期朝鮮語で頭子音の[psk]或いは[pk*](p+kの濃音)を表していた(例:ᄢᅮᆯ/pskul/(蜂蜜))。現在はㄲ[k*]の発音に変化している(例えば「蜂蜜」は現在の韓国語で꿀/kkul/)。 | |
U+3175 | ㅵ | HANGUL LETTER PIEUP-SIOS-TIKEUT | 中期朝鮮語で頭子音の[pst]或いは[pt*](p+tの濃音)を表していた(例:ᄣᅢ/pstáj/(時))。現在はㄸ[t*]の発音に変化している(例えば「時(とき)」は現在の韓国語で때/ttae/)。 | |
U+3176 | ㅶ | HANGUL LETTER PIEUP-CIEUC | 中期朝鮮語で頭子音の[pt͡s]を表していた。近世朝鮮語では[t͡ɕ*](濃音のj)に発音が変化し、現在ではㅉで書かれる。 | |
U+3177 | ㅷ | HANGUL LETTER PIEUP-THIEUTH | 中期朝鮮語で頭子音の[ptʰ]を表していた。 | |
U+3178 | ㅸ | HANGUL LETTER KAPYEOUNPIEUP | 初声のカビョンビウプ。中期朝鮮語で[β]を表していた。現在では[w]の発音に変化しており、形容詞 "가깝다(gakkab-da; 近い)" の連用形 "가까운(gakka-un)" などの活用形にその痕跡が残っている。 | |
U+3179 | ㅹ | HANGUL LETTER KAPYEOUNSSANGPIEUP | ||
U+317A | ㅺ | HANGUL LETTER SIOS-KIYEOK | 中期朝鮮語で頭子音の[sk]或いは[k*](kの濃音)を表していた(例:ᄭᅮᆷ/skum/(夢))。現在はㄲ[k*]で書かれる。(例えば「夢」は現在の韓国語で꿈/kkum/)。 | |
U+317B | ㅻ | HANGUL LETTER SIOS-NIEUN | ||
U+317C | ㅼ | HANGUL LETTER SIOS-TIKEUT | 中期朝鮮語で頭子音の[st]或いは[t*](tの濃音)を表していた(例:ᄯᅡᇂ/stah/(地面))。現在はㄸ[t*]で書かれる。(例えば「地面」は現在の韓国語で따/tta/)。 | |
U+317D | ㅽ | HANGUL LETTER SIOS-PIEUP | 中期朝鮮語で頭子音の[sp]或いは[p*](pの濃音)を表していた(例:ᄲᅧ/spjə́/(骨))。現在はㅃ[p*]で書かれる。(例えば「骨」は現在の韓国語で뼈/ppyeo/)。 | |
U+317E | ㅾ | HANGUL LETTER SIOS-CIEUC | 近代朝鮮語でㅈの濃音(現在のㅉに相当)を表していた。
かつて濃音の子音は平音の字母の左にㅅを置くことで表されていた。 |
|
U+317F | ㅿ | HANGUL LETTER PANSIOS | パンシオッ。中期朝鮮語で[z]を表していた(例:ᄀᆞᅀᆞᆶ/kʌ̀.zʌ̀lh/(秋))と推定されており、現在ではㅇ(頭子音なし)の発音に変化している(例えば「秋」は現在の韓国語で가을/ga eul/)。 | |
U+3180 | ㆀ | HANGUL LETTER SSANGIEUNG | サンイウン。中期朝鮮語において「ᅇᅵ」或いは「ᅇᅧ」の形でのみ現れ、/i/などの前の[j]を表していた。 | |
U+3181 | ㆁ | HANGUL LETTER YESIEUNG | イェンニウン。中期朝鮮語で[ŋ]を表していた。現在では頭子音の場合ㅇ(頭子音なし)の発音に変化し、末子音は頭子音が無いことを表すㅇと同じ文字で書かれる。 | |
U+3182 | ㆂ | HANGUL LETTER YESIEUNG-SIOS | ||
U+3183 | ㆃ | HANGUL LETTER YESIEUNG-PANSIOS | ||
U+3184 | ㆄ | HANGUL LETTER KAPYEOUNPHIEUPH | 中世の朝鮮において古官話(明王朝時代の中国語)の音訳で[f]を表していた。 | |
U+3185 | ㆅ | HANGUL LETTER SSANGHIEUH | サンヒウッ。中期朝鮮語で頭子音の[h*](濃音の/h/)を表していたと推定されている。「ᅘᅧ」という形でのみ現れる。現在はㅆ[s*]或いはㅋ[kʰ]の発音に変化している。 | |
U+3186 | ㆆ | HANGUL LETTER YEORINHIEUH | ヨリンヒウッ。中世の朝鮮において古官話(明王朝時代の中国語)の音訳に用いられ、頭子音の[ʔ]を表していたと推定されている。現在ではㅇ(頭子音なし)の発音に変化している。 | |
古い母音字 | ||||
U+3187 | ㆇ | HANGUL LETTER YO-YA | ||
U+3188 | ㆈ | HANGUL LETTER YO-YAE | ||
U+3189 | ㆉ | HANGUL LETTER YO-I | 中期朝鮮語で二重母音[joɪ]を表していた(例:ᄉᆈ/syǒy/(牛の-))。現在はㅚ(例えば「牛肉」などに付く「牛の-」は現在の韓国語で쇠/soe/)に置き換えられている。 | |
U+318A | ㆊ | HANGUL LETTER YU-YEO | 中世の朝鮮において古官話(明王朝時代の中国語)の音訳で/ɥæ/を表していた(例:ᄒᆑᇰ/hyuyeng/(兄))。現在はㅕ(例えば「兄」は現在の韓国語で형/hyeong/)に置き換えられている。 | |
U+318B | ㆋ | HANGUL LETTER YU-YE | 中世の朝鮮において古官話(明王朝時代の中国語)の音訳で/weɪ/を表していた(例:ᄉᆒᆼ/syweyng/(税))。現在はㅔ(例えば「税」は現在の韓国語で세/se/)に置き換えられている。 | |
U+318C | ㆌ | HANGUL LETTER YU-I | 中期朝鮮語で母音[jy]を表していた。 | |
U+318D | ㆍ | HANGUL LETTER ARAEA | アレア。中期朝鮮語で母音[ʌ]を表していた。現在も済州語の表記に用いられる。 | |
U+318E | ㆎ | HANGUL LETTER ARAEAE | 中期朝鮮語で二重母音[ʌɪ]を表していた。 |
小分類
[編集]このブロックの小分類は「子音字」(Consonant letters)、「母音字」(Vowel letters)、「特殊文字」(Special character)、「古い子音字」(Old consonant letters)、「古い母音字」(Old vowel letters)の5つとなっている[5]。
子音字(Consonant letters)
[編集]この小分類にはハングルのうち、基本的な子音字が収録されている。母音字が後続すると音節文字に変化する。
母音字(Vowel letters)
[編集]この小分類にはハングルのうち、基本的な母音字が収録されている。
特殊文字(Special character)
[編集]この小分類にはハングルのうち、文法の説明などで、初声や中声の文字を書かずに中声(母音)や終声(末子音)だけを組み合わせて表示するために用いられる特殊な文字1文字のみが収録されている。
古い子音字(Old consonant letters)
[編集]この小分類には古ハングルで用いられたが、現在は使われていない子音字が収録されている。
古い母音字(Old vowel letters)
[編集]この小分類には古ハングルで用いられたが、現在は使われていない母音字が収録されている。
文字コード
[編集]ハングル互換字母(Hangul Compatibility Jamo)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+313x | ㄱ | ㄲ | ㄳ | ㄴ | ㄵ | ㄶ | ㄷ | ㄸ | ㄹ | ㄺ | ㄻ | ㄼ | ㄽ | ㄾ | ㄿ | |
U+314x | ㅀ | ㅁ | ㅂ | ㅃ | ㅄ | ㅅ | ㅆ | ㅇ | ㅈ | ㅉ | ㅊ | ㅋ | ㅌ | ㅍ | ㅎ | ㅏ |
U+315x | ㅐ | ㅑ | ㅒ | ㅓ | ㅔ | ㅕ | ㅖ | ㅗ | ㅘ | ㅙ | ㅚ | ㅛ | ㅜ | ㅝ | ㅞ | ㅟ |
U+316x | ㅠ | ㅡ | ㅢ | ㅣ | ㅤ | ㅥ | ㅦ | ㅧ | ㅨ | ㅩ | ㅪ | ㅫ | ㅬ | ㅭ | ㅮ | ㅯ |
U+317x | ㅰ | ㅱ | ㅲ | ㅳ | ㅴ | ㅵ | ㅶ | ㅷ | ㅸ | ㅹ | ㅺ | ㅻ | ㅼ | ㅽ | ㅾ | ㅿ |
U+318x | ㆀ | ㆁ | ㆂ | ㆃ | ㆄ | ㆅ | ㆆ | ㆇ | ㆈ | ㆉ | ㆊ | ㆋ | ㆌ | ㆍ | ㆎ | |
注釈
|
履歴
[編集]以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
バージョン | コードポイント[a] | 文字数 | L2 ID | ドキュメント |
---|---|---|---|---|
1.0 | U+3131..318E | 94 | (to be determined) | |
|
出典
[編集]- ^ “3.8: Block-by-Block Charts”. The Unicode Standard. Unicode Consortium. 2024年12月30日閲覧。
- ^ a b c d 近年の韓国語のソウル方言では語頭において本来無気音である平音(평음; ピョンウム)の発音が激音(격음; キョグム)と同じように有気音で発音されることがあり、平音と激音の区別を有気性ではなく音の高低で区別するようになっている。https://www.tufs.ac.jp/blog/ts/p/tanana/2022/02/post_1980.html
- ^ a b c d e 濃音(된소리; テンソリ)或いは硬音(경음; キョンウム)と呼ばれる喉の緊張を伴う子音。IPAではこの発音を表す記号が存在しないため、拡張IPAにおいて適切な記号が無い場合に用いるアスタリスクを付記している。
- ^ a b ただし、現在の韓国語ではㅔ[e]との区別がなくなりつつある。
- ^ "The Unicode Standard, Version 15.1 - U3130.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年12月30日閲覧。