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バースデイ (ビートルズの曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 曲名リスト > バースデイ (ビートルズの曲)
ポール・マッカートニー > 作品リスト > バースデイ (ビートルズの曲)
バースデイ
ビートルズ楽曲
収録アルバムザ・ビートルズ
英語名Birthday
リリース1968年11月22日
録音
ジャンル
時間2分42秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ザ・ビートルズ 収録曲
ジュリア
(DISC 1 B-9)
バースデイ
(DISC 2 A-1)
ヤー・ブルース
(DISC 2 A-2)

バースデイ」(Birthday)は、ビートルズの楽曲である。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にポール・マッカートニーによって書かれた楽曲で、ジョン・レノンも一部手伝ったとされている。1968年に発売された9作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録された。1990年にマッカートニーによるライブ演奏がシングルとして発売され、全英シングルチャートで最高位29位を記録。

背景

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「バースデイ」の大半は、1968年9月18日にEMIレコーディング・スタジオで行われたレコーディングセッションで、レノンとマッカートニーの2人によって書かれた。歌詞についてマッカートニーは「あれは50対50でジョンと僕。誰かの誕生日だったのか記憶にないけど、あれをやったもうひとつの理由は、クリスマスや誕生日がらみの曲があると、その曲の寿命が長くなることだった。もしそれが良い曲なら、みんなが誕生日会で歌ってくれるからね」と語っている[3]。また、1994年のインタビューでは「僕らは何か作ってみようと思ったんだ。それからリフを作って、このリフを中心にアレンジしたんだよ。これはジョンと僕の半々でその場で作って、その日の夜に録音したんだ」と語っている[4]

本曲のセッションが行われた同日の21時5分からBBCで、1957年初頭にイギリスで公開された音楽映画『女はそれを我慢できない』の放送が予定されていた[5]。マッカートニーはこの映画を「どうしても見たかった」と語っており、マッカートニーをはじめとするメンバーとスタッフは、同日の17時からレコーディングを開始し、マッカートニーの自宅で映画鑑賞を行うために一旦セッションを中断。鑑賞後、再びスタジオに戻り、セッションを再開した[3]。歌詞は鑑賞後スタジオに戻ってから考えられたもので、マッカートニーは「前もっては全然考えていなかった歌詞だし、それもあって僕のお気に入りの一つになっている」と語っている[3]

本曲に関して、レノンは1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで「ポールは50年代のヒット曲の『Happy, Happy Birthday Baby』みたいな曲を書こうとしていたんだと思う[3]。ゴミみたいな曲だよ」と批判している[6]

レコーディング

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「バースデイ」のレコーディングは、1968年9月18日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で行われた[3]。ベーシック・トラックは、20テイク(演奏ミスや中断したテイクも含む)で録音された[3]。ベーシック・トラックを録音した4トラック・レコーダーのトラック1にレノンのエレクトリック・ギター、トラック2にリンゴ・スタードラム、トラック3にマッカートニーのベース、トラック4にジョージ・ハリスンのエレクトリック・ギターが録音されており、テープ・ボックスにもこのように記されていた[3]。マッカートニーのドラムのブレイク部分で、ギターが再び入って来るミドル・セクションまでの8小節をカウントした[3]

オーバー・ダビング用にテイク19が使用され、8トラック・レコーダーに移し替えられたのち、トラック6にタンバリン、トラック7と8にスターとマル・エヴァンズの手拍子がバックとしたレノンとマッカートニーのボーカルが録音された[3]。なお、サビの「Birthday」というコーラスは、後にレノンの妻となるオノ・ヨーコと当時のハリスンの妻であるパティ・ボイドが歌った[3]

その後、トラック5に追加のタンバリンとスネアドラムピアノが録音された。なお、ピアノの音は、エンジニアのケン・スコット英語版のアイデアによりヴォックス製のギター・アンプとスピーカー・キャビネットに通された[3]

2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉』のCD6にテイク2が収録された[3]。この音源において、レノンのギターはステレオ音像の左寄りに、ハリスンのギターは右寄りに配置されている[3]。 

クレジット

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「バースデイ」でメンバーが担当した楽器については、いくつか論争が起きている。音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版は、2005年に出版した著書『Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties』で、リードギターを演奏したのはマッカートニーとレノンで、ベース(6弦ベース)を演奏したのはハリスンとしている[7]。作家のブルック・ハルピンは、リードギターを演奏したのはレノンで、ベースを演奏したのはハリスンとしている[8]

以下、「誰が何をプレイしていたかに関する、一部の神話を完全に打ち砕く」テープ・ボックスの注釈をもとに、ケヴィン・ハウレットが提示したクレジットを記載する[3]

ビートルズ
外部ミュージシャン

カバー・バージョン

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ポール・マッカートニーによるセルフカバー

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「バースデー」
ポール・マッカートニーシングル
初出アルバム『ポール・マッカートニー・ライブ!!
B面 グッド・デイ・サンシャイン
リリース
規格
録音
ジャンル ロック
時間
レーベル
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
チャート最高順位
後述を参照
ポール・マッカートニー シングル 年表
  • バースデー
  • (1990年)
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ポール・マッカートニーは、イギリスで1990年10月8日にライブ音源をシングルとして発売した。アメリカでは8月16日にシングル・カセットで発売された。翌月に発売されたライブ・アルバム『ポール・マッカートニー・ライブ!!』にも収録された本作は、全英シングルチャートで最高位29位[9]、イタリアのシングルチャートで最高位3位を記録した[10]

日本でも1990年11月9日に8センチシングルが発売された。なお、邦題はビートルズ版が「バースデ」となっているのに対し、こちらでは「バースデ」となっている[11]

シングルのB面には、同じくビートルズ時代のセルフカバー曲「グッド・デイ・サンシャイン」のライブ音源が収録され、マキシシングル8センチシングルにはこのほかに「P.S.ラヴ・ミー・ドゥ[注釈 1]」と「幸せのノック」のライブ音源も収録された。

また、2010年7月7日、アメリカのラジオシティ・ミュージックホールで行われた70歳の誕生日を迎えたスターのバースデーライブにマッカートニーが飛び入り参加。本曲を二人で披露した[12]

シングル収録曲

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収録曲の作詞作曲は「幸せのノック」を除き、レノン=マッカートニー

マキシシングル、8センチシングル、12インチシングル、シングル・カセット
#タイトル作詞・作曲時間
1.「バースデー」(Birthday) 
2.グッド・デイ・サンシャイン(Good Day Sunshine) 
3.「P.S.ラヴ・ミー・ドゥ」(P.S. Love Me Do) 
4.幸せのノック(Let 'Em In)ポール・マッカートニー
合計時間:
7インチシングル
#タイトル作詞・作曲時間
1.「バースデー」(Birthday) 
2.グッド・デイ・サンシャイン(Good Day Sunshine) 
合計時間:

クレジット(ポール・マッカートニー版)

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チャート成績

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チャート (1990年) 最高位
ヨーロッパ (Eurochart Hot 100)[13]
75
イタリア (Musica e dischi)[10]
3
オランダ (Single Top 100)[14] 68
UK シングルス (OCC)[9] 29
US Mainstream Rock (Billboard)[15]
35

その他のアーティストによるカバー

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メディアでの使用

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ Sound & Vision, Volume 67, Issues 2-5. Michigan: Hachette Filipacchi Magazines. (2001). http://www.soundandvision.com/content/guitar-george-page-2. "Go forward to 1968 and The Beatles (a.k.a. The White Album) and you get a veritable hard-rock clinic on what used to be, in the days of vinyl. Side 3: "Birthday," "Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey," "Helter Skelter"" 
  2. ^ Gibron, Bill (1968年12月21日). “An in-depth Look at the Songs on Side-Three”. Rolling Stone. The White Album Project. 2018年10月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n White Album 2018, p. 23.
  4. ^ Miles 1997, p. 496.
  5. ^ BBC2 Schedule Wednesday 18th September 1968”. Genome BETA Radio Times 1923 - 2009. 2018年10月29日閲覧。
  6. ^ David 2000, p. 190.
  7. ^ MacDonald 2005, p. 316.
  8. ^ Halpin, Brooke. Experiencing the Beatles: A Listener's Companion. B0743X593F. p. 50. ASIN B0743X593F. https://books.google.co.jp/books?id=P5MtDwAAQBAJ&pg=PA50&dq=Birthday+Beatles+Lead+guitar&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjy35m-pbLuAhUHPnAKHRWnBc4Q6AEwAHoECAUQAg#v=onepage&q=Birthday%20Beatles%20Lead%20guitar&f=false 
  9. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年9月17日閲覧。
  10. ^ a b “Top 3 Singles in Europe”. Music & Media 7 (46): 11. (17 November 1990). https://www.americanradiohistory.com/Archive-Music-and-Media/90s/1990/MM-1990-11-17.pdf. 
  11. ^ ポール・マッカートニー / バースデー”. CDJournal. シーディージャーナル. 2020年9月17日閲覧。
  12. ^ Fields, Gaylord (8 July 2010). “Paul McCartney Gives Ringo Starr 'Birthday' Present Onstage in New York”. spinner.com. オリジナルの12 September 2012時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20120912111324/http://www.spinner.com/2010/07/08/ringo-starr-paul-mccartney-birthday/ 25 April 2022閲覧。 
  13. ^ “Eurochart Hot 100 Singles”. Music & Media 7 (44): 14. (3 November 1990). https://www.americanradiohistory.com/Archive-Music-and-Media/90s/1990/MM-1990-11-03.pdf. 
  14. ^ "Dutchcharts.nl – Paul McCartney – Birthday" (in Dutch). Single Top 100. 2020年9月17日閲覧。
  15. ^ Paul McCartney Chart History (Mainstream Rock)”. Billboard. 2022年3月19日閲覧。
  16. ^ The Hot 100 Chart”. Billboard (1969年9月6日). 2020年9月19日閲覧。
  17. ^ Yanow, Scott. Ticket to Ride - A Beatles Tribute - The Swingle Singers | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月18日閲覧。
  18. ^ Jarnow, Jesse. Live Phish, Vol. 13: 10/31/94, Glens Falls Civic Center, Glens Falls, NY - Phish | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月18日閲覧。
  19. ^ Song Premiere: Paul Weller, 'Birthday'”. Rolling Stone (2012年6月18日). 2018年10月29日閲覧。

参考文献

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  • ハウレット, ケヴィン (2018). ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉 (ブックレット). ビートルズ. アップル・レコード.
  • MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3 
  • Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. Random House. ISBN 978-0-436-28022-1 
  • Sheff, David (2000). All We Are Saying. St Martin's Griffin. ISBN 0-312-25464-4 

外部リンク

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