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カミング・アップ (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポール・マッカートニー > 作品リスト > カミング・アップ (曲)
ウイングス > 作品リスト > カミング・アップ (曲)
「カミング・アップ」
ポール・マッカートニーシングル
初出アルバム『マッカートニーII
B面 ランチ・ボックス〜オッド・ソックス
リリース
規格 7インチシングル
録音 1979年7月 - 8月
ジャンル ポップ・ファンク[1]
時間
レーベル
作詞・作曲 ポール・マッカートニー
プロデュース ポール・マッカートニー
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ポール・マッカートニー シングル 年表
  • カミング・アップ
  • (1980年)
ポール・マッカートニー & ウイングス シングル 年表
  • カミング・アップ
  • (1980年)
マッカートニーII 収録曲
カミング・アップ
(1)
テンポラリー・セクレタリー
(2)
ミュージックビデオ
「Coming Up」 - YouTube
テンプレートを表示

カミング・アップ」(Coming Up)は、ポール・マッカートニーの楽曲である。1980年4月11日にアルバム『マッカートニーII』からの先行シングルとして発売、B面にはウイングスの英国ツアーから、1979年12月17日に行われたスコットランド・グラスゴー公演での同曲のライブ音源と、ウイングスのアルバム『ヴィーナス・アンド・マース』(1975年)制作時に録音され、未発表となっていた「ランチ・ボックス〜オッド・ソックス」が収録されている。この関係からB面収録曲のみ、クレジットが「ポール・マッカートニー & ウイングス」となっている。

本曲は、全英シングルチャートで最高位2位を獲得、また、Billboard Hot 100ではB面のライブ音源が第1位を獲得した。

背景

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マッカートニーは、「元々はスコットランドにある僕の農場で作ったもの。毎日のようにスタジオに行って、まずはドラムのトラックを作ってみたんだ。どんな曲になるのか分からないまま、少しずつ作り上げていって、ドラムを叩いた後にギターベースを加えてバッキング・トラックを作っていったんだ」と語っている[2][3]。また、マッカートニーは同インタビューで「自分の声を速くしたり、少し下げたりできるスピード・マシンを使って作業をしていたんだ。それで声の響きが生まれたんだよ。で、少しスピードを上げて、僕が遊んでいたエコー・マシンに通したんだ」と語っている[2]

ジョン・レノンは、1980年の秋に行われたインタビューで本曲について「良い仕事だと思った」と評価している[4][5]。本曲が発表された当時、活動休止中だったレノンは同年4月9日に一家でロング・アイランドを訪れ、その翌日に車中のラジオで本作を聴き「頭から離れない」と言って、本曲のメロディを口ずさんでいたという。こうしてレノンは、「ディア・ヨーコ」の作曲を皮切りに、6月から7月にかけて9曲のデモ・テープを作成、音楽活動を再開させた[6]

また、マッカートニーは「どうやらジョンはニューヨークでこの曲を聞いたらしい。ジョンのドキュメンタリーを見ていたら、誰かが『ポールのレコードを持ってきて、ジョンに聞かせた』と話していたんだ。するとジョンは『ちくしょう、やりやがったな。俺も頑張らないと!』となってね。嬉しくなる話じゃないか。つまり僕が彼のお尻を押したのだよ」[7]、「ジョンをインスパイア出来た曲だから「カミング・アップ」を誇りに思っている」[8]と語っている。

イエロー・マジック・オーケストラのアルバム『増殖』に収録の「NICE AGE」で、訪日したマッカートニーが大麻不法所持容疑で逮捕勾留されたことをニュース速報として読み上げるパートがあり、そこで"Coming up Like a Flower"というフレーズが登場する[6]

ライブ音源

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B面に収録されているライブ音源は、1979年12月のウイングスのグラスゴー公演で録音されたもの[6]。この関係から、B面に収録されているこのライブ音源とアルバム『ヴィーナス・アンド・マース』からのアウトテイク[9]となる「ランチ・ボックス〜オッド・ソックス」のクレジットは、ポール・マッカートニー & ウイングスとなっている。

B面に収録の「カミング・アップ (ライヴ)」は、1987年発売のベスト・アルバム『オール・ザ・ベスト』(アメリカ盤)および2001年の『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜』にも収録されたものの、シングル収録テイクと収録時間が異なっている。

ミュージック・ビデオ

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「カミング・アップ」のミュージック・ビデオでは、マッカートニーがハンク・マーヴィンシャドウズ)、ジョン・ボーナムレッド・ツェッペリン[10]バディ・ホリー[11]、サックス奏者のアンディ・マッケイフランク・ザッパ[12]ビートルズ時代のマッカートニー[13]など、自分自身を含む10人のミュージシャンを演じ、リンダ・マッカートニーが2名のコーラス役を演じている[6]。ドラムセットには「THE PLASTIC MACS」と書かれているが、これはレノンが『ロックンロール・サーカス』に出演した際に結成したバンドのザ・ダーティー・マックと、プラスティック・オノ・バンドに由来している[6]

ミュージック・ビデオは、イギリスでは『ケニー・エベレット・ビデオ・ショー』(1980年4月14日放送回)、アメリカでは『サタデー・ナイト・ライヴ』(1980年5月17日放送回)でプレミア公開された[14]

シングル収録曲

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#タイトル作詞・作曲アーティスト名義時間
1.「カミング・アップ」(Coming Up)ポール・マッカートニーポール・マッカートニー
2.「カミング・アップ (ライヴ)」(Coming Up (Live At Glasgow))ポール・マッカートニーポール・マッカートニー & ウイングス
3.「ランチ・ボックス〜オッド・ソックス」(Lunch Box/Odd Sox)
ポール・マッカートニー & ウイングス
合計時間:

クレジット

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スタジオ音源
ライブ音源
ランチ・ボックス〜オッド・ソックス

チャート成績

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週間チャート

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チャート (1980年) 最高位
オーストラリア (Kent Music Report)[15] 2
オーストリア (Ö3 Austria Top 40)[16] 15
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[17] 18
Canada Top Singles (RPM)[18]
1
オランダ (Single Top 100)[19] 20
ドイツ (GfK Entertainment charts)[20] 11
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[21] 2
ノルウェー (VG-lista)[22] 2
UK シングルス (OCC)[23] 2
  • US Billboard Hot 100[24]
  • 「カミング・アップ (ライヴ・アット・グラスゴー)」でのランクイン
1
48

年間チャート

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チャート (1980年) 順位
オーストラリア (Kent Music Report)[15]
22
Canada Top Singles (RPM)[26]
11
イタリア (FIMI)[27]
40
ニュージーランド (Recorded Music NZ)[28]
2
US Top Pop Singles (Billboard)[29]
7

オールタイム・チャート

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チャート (1980年) 順位
US Billboard Hot 100[30]
241

認定

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国/地域 認定 認定/売上数
アメリカ合衆国 (RIAA)[31] Gold 1,000,000^

^ 認定のみに基づく出荷枚数

脚注

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出典

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  1. ^ Buckley, Peter, ed (2003). The Rough Guide to Rock. Rough Guides. p. 652. ISBN 1-8435-3105-4 
  2. ^ a b Gambaccini, Paul (1980年6月26日). “Paul McCartney's one man band”. Rolling Stone (Penske Media Corporation): pp. 11, 20 
  3. ^ uDiscover 2020a.
  4. ^ Sheff 1981, p. 70.
  5. ^ OVO 2016.
  6. ^ a b c d e uDiscover 2020b.
  7. ^ ポール・デュ・ノイヤー『ポール・マッカートニー 告白』奥田祐士(翻訳)、DU BOOKS、2016年。ISBN 4-9075-8358-3 
  8. ^ マッカートニーII 初回限定盤ハードカヴァーブック インタビューより
  9. ^ Evans, Mike (2021). Paul McCartney: The Stories Behind 50 Classic Songs, 1970-2020. Welbeck Publishing. p. 48. ISBN 1-7873-9962-1 
  10. ^ The McCartney Years DVD, Warner Music, Rhino Entertainment, 2007, MPL
  11. ^ Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four [2 volumes]: Everything Fab Four. Greenwood. p. 197. ISBN 978-0313391712. https://books.google.be/books?id=xWRyBAAAQBAJ&pg=PA197&lpg=PA197&dq=mccartney+coming+up+music+video+buddy+holly&source=bl&ots=zFtY5VOjHY&sig=QTvIA80o7haR6ObXiTmUVS1qRh4&hl=nl&sa=X&ved=2ahUKEwjqlsSS7YLdAhXQblAKHUr9CNIQ6AEwEXoECAMQAQ#v=onepage&q=mccartney%20coming%20up%20music%20video%20buddy%20holly&f=false 
  12. ^ Bronson, Fred (2003). The Billboard Book of Number 1 Hits. Billboard Books. p. 526. https://books.google.com/books?id=PgGqNrqfrsoC&pg=PT535&lpg=PT535&dq=coming+up+mccartney+video+characters+andy+mackay&source=web&ots=cGFh3la6dG&sig=PGQWzw30zaykasIGEZdDM4pCKQo 
  13. ^ McGee, Garry (2003). Band on the Run: A History of Paul McCartney and Wings. Taylor Trade Pub.. p. 139. ISBN 0-8783-3304-5 
  14. ^ Saturday Night Live: Steve Martin/Paul and Linda McCartney Episode Summary”. TV.com. CBSインタラクティブ. 2020年4月28日閲覧。
  15. ^ a b Hung, Steffen. “Forum - Top 100 End of Year AMR Charts - 1980s (ARIA Charts: Special Occasion Charts)”. Australian-charts.com. 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月27日閲覧。
  16. ^ "Austriancharts.at – Paul McCartney – Coming Up" (in German). Ö3 Austria Top 40. 2021年3月14日閲覧。
  17. ^ "Ultratop.be – Paul McCartney – Coming Up" (in Dutch). Ultratop 50. 2021年3月14日閲覧。
  18. ^ Top RPM Singles: Issue 153”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年3月30日閲覧。
  19. ^ "Dutchcharts.nl – Paul McCartney – Coming Up" (in Dutch). Single Top 100. 2021年3月14日閲覧。
  20. ^ "Offiziellecharts.de – Paul McCartney – Coming Up". GfK Entertainment Charts. 2021年3月14日閲覧。
  21. ^ charts.nz – Paul McCartney – Coming Up”. Recorded Music NZ. 2021年3月14日閲覧。
  22. ^ "Norwegiancharts.com – Paul McCartney – Coming Up". VG-lista. 2021年3月14日閲覧。
  23. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2021年3月14日閲覧。
  24. ^ The Hot 100 Chart”. Billboard (1974年6月8日). 2020年4月27日閲覧。
  25. ^ Paul McCartney Chart History (Adult Contemporary)”. Billboard. 2022年3月30日閲覧。
  26. ^ Top Singles - Volume 34, No. 6, December 20 1980”. RPM. Library and Archives Canada. 2021年3月30日閲覧。
  27. ^ Hit Parade Italia - Top Annuali Single: 1980”. hitparadeitalia.it. 2022年3月30日閲覧。
  28. ^ Top Selling Singles of 1980”. The Official New Zealand Music Chart. 2021年3月14日閲覧。
  29. ^ “1980 Talent in Action – Year End Charts : Pop Singles”. Billboard 92 (51): TIA-10. (December 20, 1980). https://books.google.com/books?id=GyUEAAAAMBAJ&pg=PT63. 
  30. ^ Billboard Hot 100 60th Anniversary Interactive Chart”. Billboard. 2021年3月14日閲覧。
  31. ^ "American single certifications – Paul Mc Cartney – Coming Up". Recording Industry Association of America. 2022年3月30日閲覧

参考文献

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外部リンク

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