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フレディ・ローチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フレディ・ローチ
基本情報
本名 フレデリック・スティーブン・ローチ
通称 La Cucaracha
The Choir Boy
階級 ライト級
身長 165cm
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
誕生日 (1960-03-05) 1960年3月5日(64歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
マサチューセッツ州デダム
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 53
勝ち 39
KO勝ち 15
敗け 13
無効試合 1
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フレディ・ローチFreddie Roach1960年3月5日 - )は、アメリカ合衆国ボクシングトレーナーであり元プロボクサーマサチューセッツ州デダム出身。マニー・パッキャオのチーフ・トレーナーを務め、数々のビッグマッチを勝利に導いた[1]。ボクサーだけでなく総合格闘家にも積極的に指導を行なっており、総合格闘技の元UFCウェルター級王者ジョルジュ・サンピエールなどのトレーナーを務めた。過去には女子ボクシング元世界王者のルシア・ライカのトレーナーも務めていた。

人物

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  • アイルランドとフランス系カナダのアメリカ人。
  • アメリカ合衆国ボクシングライター・アソシエーションの「年間最優秀トレーナー賞」に2003年、2006年、2008年、2009年、2010年、2013年、2014年の7度選出されている。
  • 自身も選手時代があったが、パンチを多くもらうスタイルだったことにより、脳のダメージが蓄積し若くしてパーキンソン病の初期徴候を発症。このため選手を引退した。現在も治療とリハビリを続けているが声や体が震える症状が残っている[2]
  • 性行為は一時的に体内のテストステロンを下げるという研究結果から、選手達に試合前の10日間は性行為を行わないよう指導している[3]

来歴

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ボクサー時代

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幼少の頃から兄のペッパー、弟のジョーイと共に、元プロボクサーであった父親ポール・ローチの指導の下トレーニングを積んでいた。家庭は貧しく、父親からのつらい虐待を幾度となく経験して育った[4]。アマチュアでは150試合程度を行った。プロデビューは1978年8月24日18歳の時で、デビュー戦から10戦ほど戦ったあと、名トレーナーのエディ・ファッチに師事をした。1982年6月11日と1983年8月25日の2度、兄弟3人が揃って出場した興行が開催されている。兄のペッパーは酒店で盗みを働き、53ヵ月間刑務所で刑に服したあと[5]、7勝2敗1分の戦績でプロボクシングを引退した。フレディ・ローチも40戦ほど消化した頃にパーキンソン病の初期症状を発症、このためエディ・ファッチは引退を勧めたがローチが引退を拒否して現役を続けたため、ローチの健康状態を心配したファッチはローチのトレーナーを辞め、父親のポール・ローチが後を引き継いだ。その後、負ける事が多くなったローチは1986年10月に26歳で引退、通算成績は53戦39勝13敗(15KO)で、プロボクサー時代の最高給は7500ドルであった。弟のジョーイも1986年11月26日に負けを喫したあと、プロ戦績8勝3敗3分で引退した。

トレーナー時代

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引退後、テレフォンアポインターなど様々なアルバイトを経験、最終的にローチはほぼ無給でエディ・ファッチのアシスタント・トレーナーを5年間務めることになり[4]、自費でビラを作って配って、空手のクラスや重量挙げ選手など様々なジムで指導した[6]。1991年、俳優ミッキー・ロークとトレーナー契約を結び、ようやく生活していける職を得た。4年後、ロークがボクシングからの引退を決めた時に、ロークが使用していたトレーニング機器を譲り受け、そのトレーニング機器を使ってカリフォルニア州に自身のボクシングジムである「ワイルドカードジム」を設立した。兄のペッパーもワイルドカードジムにトレーナーとして所属している[7]。ローチが教えた選手で初の世界王者となったのは、エディ・フィッチから引き継いだヴァージル・ヒルである[4]。マニー・パキャオの他、メイウェザーと対戦した時のオスカー・デ・ラ・ホーヤや、アミール・カーンなど数多くの世界チャンピオンのトレーナーを務めてきた。日本人では河野公平[8]田中恒成[9]井上尚弥[10]らもローチの指導を受けたことがある。

総合格闘技の選手でジョルジュ・サンピエール、アンドレイ・アルロフスキー[11]ティト・オーティズアンデウソン・シウバBJ・ペンダン・ハーディーなど多くの著名な総合格闘家のボクシングトレーナーを務めた。また2010年3月には元PRIDEヘビー級王者のエメリヤーエンコ・ヒョードルのトレーナーを務めることに興味があると述べている[11]

トレーナーを務めた主な選手

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ボクサー

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名前 備考
フィリピンの旗 フィリピン マニー・パッキャオ
イングランドの旗 イングランド アミール・カーン 2008年10月 - 2012年7月
メキシコの旗 メキシコ アンディ・ルイス・ジュニア
フィリピンの旗 フィリピン バーナベ・コンセプシオン
アイルランドの旗 アイルランド バーナード・ダン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ バーナード・ホプキンス
プエルトリコの旗 PUR ミゲール・コット
フィリピンの旗 フィリピン ボビー・パッキャオ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ブライアン・ミント
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ブライアン・ビロリア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ダニエル・ジェイコブス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ホセ・カルロス・ラミレス
ロシアの旗 ロシア ディミトリー・キリロフ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ エフレン・エスキビアス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ フランク・ライルズ
キューバの旗 キューバ ギレルモ・リゴンドウ
フィリピンの旗 フィリピン ジェリー・ペニャロサ
メキシコの旗 メキシコ イスラエル・バスケス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ジェームズ・トニー
デンマークの旗 デンマーク ジョニー・ブレダル
ベネズエラの旗 ベネズエラ ホルヘ・リナレス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ホセ・ベナビデス
メキシコの旗 メキシコ フリオ・セサール・チャベス・ジュニア 2010年 - 2012年
ナイジェリアの旗 ナイジェリア ラティーフ・カヨデ
オランダの旗 オランダ ルシア・ライカ 女子選手
アメリカ合衆国の旗 アメリカ マーロン・スターリング
アメリカ合衆国の旗 アメリカ マイケル・モーラー ホリフィールド戦(1997年)のみ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ミッキー・ローク
アメリカ合衆国の旗 アメリカ マイク・タイソン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ オスカー・デ・ラ・ホーヤ メイウェザー戦(2007年)のみ
ジャマイカの旗 ジャマイカ オニール・ベル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ピーター・マンフレッド・ジュニア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ピーター・クイリン
メキシコの旗 メキシコ レイムンド・ベルトラン
ロシアの旗 ロシア ローマン・カルマジン
アイルランドの旗 アイルランド スティーブ・コリンズ
アルメニアの旗 アルメニア バネス・マーティロスヤン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ヴァージル・ヒル
アイルランドの旗 アイルランド ウェイン・マッカラー
ウクライナの旗 ウクライナ ウラジミール・クリチコ アシスタント・トレーナー
ナイジェリアの旗 ナイジェリア ワレ・オモトソ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ウィリー・ホーリン
フィリピンの旗 フィリピン Z・ゴーレス
ロシアの旗 ロシア ルスラン・プロボドニコフ
中華人民共和国の旗 中国 鄒市明
日本の旗 日本 西島洋介
フィリピンの旗 フィリピン マーク・マグサヨ

総合格闘家

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名前 備考
ブラジルの旗 ブラジル アンデウソン・シウバ
ベラルーシの旗 ベラルーシ アンドレイ・アルロフスキー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ BJ・ペン
日本の旗 日本 宇野薫
イングランドの旗 イングランド ダン・ハーディー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ フランク・ミア
アルメニアの旗 アルメニア ゲガール・ムサシ
カナダの旗 カナダ ジョルジュ・サンピエール
ブラジルの旗 ブラジル ジョゼ・アルド
アメリカ合衆国の旗 アメリカ KJ・ヌーンズ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ マーク・ムニョス
カメルーンの旗 カメルーン ソクジュ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ロジャー・ウエルタ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ティト・オーティズ
ブラジルの旗 ブラジル マウリシオ・ショーグン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ディエゴ・サンチェス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ トニー・ファーガソン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ ベン・アスクレン
アメリカ合衆国の旗 アメリカ アーロン・ピコ

脚注

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  1. ^ No denying Freddie Roach is the very best”. YahooSprts.com (December 21, 2009). January 27, 2013閲覧。
  2. ^ Roach fights Parkinson's while thriving as a boxing trainer”. USAToday.com (April 4, 2008). January 27, 2013閲覧。
  3. ^ Freddie Roach asks fighters to not have sex for ten days before a fight”. BadLeftHook.com (2012年11月7日). 2013年6月14日閲覧。
  4. ^ a b c The Story of Freddie Roach”. Bleacher Report.com (NDecember 9, 2008). January 27, 2013閲覧。
  5. ^ ME AND PEPPER AT THE WILD CARD”. Aussiebox (Jun 10, 2012). January 27, 2013閲覧。
  6. ^ Pacquiao's improbable breakthrough changed a sport, dozens of lives”. SportsIllustrated.com (2014年4月12日). 2014年5月6日閲覧。
  7. ^ Pepper Roach Interview on Manny Pacquiao vs Miguel Cotto, Floyd Mayweather Jr, James Toney, Oscar De La Hoya, Bernard Hopkins, Prediction and More!”. DoghouseBoxing.com (November 3, 2009). January 27, 2013閲覧。
  8. ^ “河野感激 名伯楽ローチ氏とミット打ち”. デイリースポーツ. (2015年5月21日). https://www.daily.co.jp/ring/2015/05/21/0008044973.shtml 2023年10月3日閲覧。 
  9. ^ “米国合宿中の元世界3階級制覇王者、田中恒成が再起2戦目で橋詰将義に挑戦/ボクシング”. サンスポ. (2022年4月11日). https://www.sanspo.com/article/20220411-MUBW4MDEHBKY5ESB5NNODXQOU4/ 2023年10月3日閲覧。 
  10. ^ “パッキャオら指導の名伯楽ローチが井上尚弥を大絶賛! 「とてつもないスーパースターになる」と断言する理由は?”. THE DIGEST. (2022年9月20日). https://thedigestweb.com/topics_detail13/id=60348 2023年5月3日閲覧。 
  11. ^ a b Freddie Roach ruminates on MMA fighters' boxing abilities”. USAToday.com (March 13, 2010). January 27, 2013閲覧。

関連項目

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外部リンク

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