ブラッド・メルドー
ブラッド・メルドー Brad Mehldau | |
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ブラッド・メルドー(2001年) | |
基本情報 | |
生誕 | 1970年8月23日(54歳) |
出身地 | アメリカ合衆国 フロリダ州ジャクソンビル[1] |
ジャンル | ジャズ |
職業 |
ピアニスト 作曲家 |
担当楽器 | ピアノ |
活動期間 | 1993年 - |
レーベル |
ワーナー・ブラザース・レコード ノンサッチ・レコード |
共同作業者 |
ジョシュア・レッドマン チャーリー・ヘイデン パット・メセニー ウェイン・ショーター 他 |
公式サイト | www. bradmehldau.com |
ブラッド・メルドー(Brad Mehldau、1970年8月23日 - )は、アメリカのジャズミュージシャン、ピアノ奏者、作曲家。
来歴
[編集]アメリカ合衆国フロリダ州生まれ。ニューヨークのニュースクール大学で学んでいた折に、教授陣のひとりであったジミー・コブのバンドに抜擢された[1]。
1994年にジョシュア・レッドマンのバンドに加入。1995年にワーナー・ブラザース・レコードとの契約を得てメジャー・デビューした。メルドー(ピアノ)、ラリー・グレナディア(ベース)、ホルヘ・ロッシ(ドラム)のトリオ編成で〈アート・オブ・ザ・トリオ〉シリーズの5つのアルバムを残した。
2000年公開のアメリカ映画『スペース カウボーイ』や、2001年公開のフランス映画『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』の音楽を担当した[2]。
ロックの楽曲を積極的にレパートリーに取り入れることでも知られ、ビートルズ、ポール・サイモン、レディオヘッド、オアシス、サウンドガーデン、ニック・ドレイクらの楽曲を自らのレパートリーに加えてきた[3]。また、チャーリー・ヘイデンやウェイン・ショーターらとも共演した。
2003年2月15日に東京のすみだトリフォニーホールにおいて行われたピアノ・ソロ公演の模様は、ライブ・アルバム『ライヴ・イン・トーキョー』(2004年)として発表された。
2005年3月録音の『デイ・イズ・ダン』(2005年)からトリオ編成におけるドラマーがジェフ・バラードに交代した。同年12月にはパット・メセニーとレコーディング・セッションを行い、その時の録音は、2人の連名のアルバム『メセニー・メルドー』(2006年)[4]、『カルテット』(2007年)[5]として発表された。
ディスコグラフィ
[編集]単独リーダー作品
[編集]1990年代
- New York-Barcelona Crossing, Volumen 1(1993年録音)(Fresh Sound) 1993年(バルセロナにおけるライヴ)
- New York-Barcelona Crossing, Volumen 2(1993年録音)(Fresh Sound) 1993年(バルセロナにおけるライヴ)
- 『イントロデューシング・ブラッド・メルドー』 - Introducing Brad Mehldau(1995年録音)(Warner) 1995年
- 『アート・オブ・ザ・トリオ Vol.1』 - The Art of the Trio(1996年録音)(Warner) 1997年
- 『アート・オブ・ザ・トリオ Vol.2』 - The Art of the Trio II — Live At The Village Vanguard(1997年録音)(Werner) 1998年(「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライヴ)
- 『ソングズ:アート・オブ・ザ・トリオ Vol.3』 - The Art of the Trio III — Songs(1998年録音)(Warner) 1998年
- 『アート・オブ・ザ・トリオ Vol.4:ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』 - The Art of the Trio IV — Back At The Vanguard(1999年録音)(Warner) 1999年(「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライヴ)
2000年代
- 『プレイシズ』 - Places(2000年録音)(Warner) 2000年
- 『プログレッション:アート・オブ・ザ・トリオ Vol.5』 - The Art of the Trio V — Progression(2000年録音)(Warner) 2001年(「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライヴ)
- 『ラーゴ』 - Largo(2001年4月録音)(Warner) 2002年
- 『エニシング・ゴーズ』 - Anything Goes(2002年10月録音)(Warner) 2004年
- 『ハウス・オン・ヒル』 - House on Hill(2002年10月、2005年3月録音)(Nonesuch) 2006年
- 『デイ・イズ・ダン』 - Day is Done(2005年3月)(Nonesuch) 2005年
- 『ライヴ/ブラッド・メルドー・トリオ』 - Brad Mehldau Trio Live(2006年録音)(Nonesuch) 2008年(「ヴィレッジ・ヴァンガード」におけるライヴ。CD 2枚組。)
- 『オード』 - Ode(2008年~録音)(Nonesuch) 2011年
- 『ホェア・ドゥー・ユー・スタート』 - Where Do You Start(2008年、2011年録音)(Nonesuch) 2012年
- 『ハイウェイ・ライダー』 - Highway Rider(2009年録音)(Nonesuch) 2010年(ジョシュア・レッドマン、マット・チェンバレンらが参加。CD 2枚組。)
2010年代
- 『ブルース・アンド・バラッズ』 - Blues and Ballads(2012年、2014年録音)(Nonesuch) 2016年
- 『シーモア・リーズ・ザ・コンスティチューション』 - Seymour Reads the Constitution! (Nonesuch) 2018年
- 『ファインディング・ガブリエル』 - Finding Gabriel(2017年3月~2018年10月録音)(Nonesuch) 2019年(第62回グラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム)
2020年代
- 『ジェイコブズ・ラダー』 - Jacob's Ladder (Nonesuch) 2021年
ソロ作品
[編集]- 『エレゲイア・サイクル』 - Elegiac Cycle(1999年6月録音)(Warner) 1999年
- 『ライヴ・イン・トーキョー』 - Live in Tokyo(2003年2月録音)(Nonesuch) 2004年(「すみだトリフォニーホール」におけるライヴ。日本版はCD 2枚組。)
- 『ライヴ・イン・マルシアック』 - Live in Marciac(2006年8月録音)(Nonesuch) 2011年(マルシアック (Marciac) におけるライヴ。CD 2枚とDVDビデオ。)
- 『アフター・バッハ』 - After Bach(2017年4月録音) (Nonesuch) 2018年
- 『組曲:2020年4月』 - Suite: April 2020(2020年4月録音) (Nonesuch) 2020年
- 『ユア・マザー・シュッド・ノウ』 - Your Mother Should Know(2020年9月録音) (Nonesuch) 2023年
- 『アフター・バッハ Ⅱ』 - After Bach II(2017年4月&2023年6月録音) (Nonesuch) 2024年
- 『アプレ・フォーレ』 - Après Fauré(2023年6月録音) (Nonesuch) 2024年
コンピレーション
[編集]- 『アート・オブ・ザ・トリオ:レコーディングス 1996~2001』 - The Art of the Trio, Recordings: 1996-2001(7CD)(Nonesuch) 2011年
- 『10イヤーズ・ソロ・ライヴ』 - 10 Years Solo Live(LP, 4CD)(Nonesuch) 2015年
共同名義アルバム
[編集]- メルドー&ロッシ・トリオ名義, When I Fall in Love(1993年録音)(Fresh Sound) 1993年(ライヴ)
- MTB名義(マーク・ターナー、ピーター・バーンスタインらと共演), Consenting Adults(1994年録音)(Criss Cross) 2000年
- マリアン・マクパートランドと共演, Marian McPartland's Piano Jazz with Brad Mehldau(1996年録音)(Concord) 2007年
- パット・メセニーと共演, 『メセニー・メルドー』 - Metheny/Mehldau(2005年録音)(Nonesuch) 2006年
- パット・メセニーと共演, 『カルテット』 - Metheny/Mehldau Quartet(2005年録音)(Nonesuch) 2007年
- ルネ・フレミングと共演, 『ラヴ・サブライム』 - Love Sublime(2006年1月録音)(Nonesuch) 2006年
- パット・メセニーと共演, 『ライヴ・イン・スペイン2007』 - Live In San Sebastian, Spain '07(2007年録音)(HI HAT) 2022年
- チャーリー・ヘイデンと共演, 『ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ』 - Long Ago and Far Away(2007年11月録音)(Impulse) 2018年(マンハイムにおけるライヴ)
- アンネ・ソフィー・フォン・オッターと共演, 『ラブ・ソングズ』 - Love Songs(2010年録音)(Naïve) 2010年
- ケヴィン・ヘイズと共演, 『モダン・ミュージック』 - Modern Music(2010年録音)(Nonesuch) 2011年
- ジョシュア・レッドマンと共演, 『ニアネス』 - Nearness(2011年録音)(Nonesuch) 2016年
- メリアーナ名義(マーク・ジュリアナと共演), Mehliana: Taming the Dragon(2013年録音)(Nonesuch) 2014年
- クリス・シーリと共演, 『クリス・シーリー&ブラッド・メルドー』 - Chris Thile & Brad Mehldau(2015年、2016年録音)(Nonesuch) 2017年
- Orpheus Chamber Orchestraと共演, Variations On A Melancholy Theme (Nonesuch) 2021年
- Ian Bostridgeと共演, The Folly of Desire (Pentatone) 2022年
サイドマン作品
[編集]- 1990年代
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, Somethin's Burnin' (Criss Cross) 1992年
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, Signs of Life (Criss Cross) 19994年
- ジョシュア・レッドマンの作品に参加, 『ムード・スウィング』 - Moodswing(1994年録音)(Warner Bros.) 1994年
- マーク・ターナーの作品に参加, Yam Yam(1994年録音)(Criss Cross Jazz) 1995年
- ペリコ・サンビートの作品に参加, Ademuz(1995年録音)(Fresh Sound) 1998年
- クリス・ポッターの作品に参加, Moving In(1996年録音)(Concord) 1996年
- リー・コニッツの作品に参加, 『アローン・トゥゲザー』 - Alone Together(1996年録音)(Blue Note) 1997年
- アンソニー・ウィルソンの作品に参加, Anthony Wilson (MAMA) 1997年
- リー・コニッツの作品に参加, Another Shade of Blue(1997年録音)(Blue Note) 1999年
- アヴィシャイ・コーエンの作品に参加, Adama(1997年録音)(Stretch) 1998年
- ウィリー・ネルソンの作品に参加, 『テアトロ』 - Teatro (Island) 1998年
- ジョシュア・レッドマンの作品に参加, 『タイムレス・テイルズ』 - Timeless Tales (For Changing Times) (Warner Bros.) 1998年
- マーク・ターナーの作品に参加, 『イン・ディス・ワールド』 - In This World(1998年録音)(Warner Bros.) 1998年
- スコット・ウェイランドの作品に参加, 12 Bar Blues (Atlantic) 1998年
- ルース・キャメロンの作品に参加, Roadhouse (Ruth Cameron album)(1999年録音)(Verve) 2000年
- クリス・チークの作品に参加, Vine(1999年録音)(Fresh Sound) 2000年
- フルーリンの作品に参加, Close Enough for Love(1999年録音)(EmArcy) 2000年
- チャールズ・ロイドの作品に参加, 『ザ・ウォーター・イズ・ワイド』 - The Water Is Wide(1999年録音)(ECM) 2000年
- チャールズ・ロイドの作品に参加, 『ハイペリオン・ウィズ・ヒギンズ』 - Hyperion with Higgins(1999年録音)(ECM) 2001年
- 2000年代
- スティーブ・デイビスの作品に参加, Portrait in Sound(2000年録音)(Stretch)
- ジョン・スコフィールドの作品に参加, 『ワークス・フォー・ミー』 - Works for Me(2001年録音)(Verve) 2002年
- リー・デラリアの作品に参加, Play It Cool (Warner Bros.) 2001年
- ジョー・ヘンリーの作品に参加, Scar(2000年録音)(Mammoth) 2001年
- ジョン・パティトゥッチの作品に参加, Communion(2001年録音)(Concord) 2001年
- ウォルト・ワイスコフの作品に参加, Man of Many Colors(2001年録音)(Criss Cross) 2001年
- ヴィニシウ・カンチュアリアの作品に参加, Vinicius (Transparent Music) 2001年
- ジョエル・フラームの作品に参加, Don't Explain (Palmetto) 2001年
- チャーリー・ヘイデンの作品に参加, 『アメリカン・ドリームス』 - American Dreams(2002年5月録音)(Verve) 2002年
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, Heart's Content(2002年12月録音)(Criss Cross) 2003年
- フルリーヌの作品に参加, Fire(2003年頃録音)(Coast to Coast) 2005年
- ペリコ・サンビートの作品に参加, Friendship(2003年録音)(ACT) 2011年
- ウェイン・ショーターの作品に参加, 『アレグリア』 - Alegría (Verve) 2003年
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, 『ストレンジャー・イン・パラダイス』 - Stranger in Paradise(2003年録音)(Venus) 2004年
- ハーヴィー・メイソンの作品に参加, 『ウィズ・オール・マイ・ハート』 - With All My Heart (Bluebird) 2004年(#7."Dindi")
- Darek Oleszkiewiczの作品に参加, Like a Dream (Cryptogramophone) 2004年
- ダニエル・ラノワの作品に参加, 『ベラドンナ』 - Belladonna (ANTI-) 2005年
- カート・ローゼンウィンケルの作品に参加, 『ディープ・ソング』 - Deep Song (Verve) 2005年
- クリス・チークの作品に参加, Blues Cruise(2005年録音)(Fresh Sound) 2006年
- フルリーヌの作品に参加, San Francisco(2005年録音)(Sunnyside) 2008年
- マイケル・ブレッカーの作品に参加, 『聖地への旅』 - Pilgrimage(2006年録音) (Heads Up) 2007年
- アラン・トゥーサンの作品に参加, 『ザ・ブライト・ミシシッピ』 - The Bright Mississippi(2008年録音)(Nonesuch) 2009年
- リー・コニッツの作品に参加, 『ライヴ・アット・バードランド』 - Live at Birdland(2009年録音)(ECM) 2011年
- 2010年代
- ジョシュア・レッドマンの作品に参加, 『ウォーキング・シャドウズ』 - Walking Shadows(2012年録音)(Nonesuch) 2013年
- ペトラ・ヘイデンの作品に参加, Petra Goes to the Movies(2012年録音)(ANTI-) 2013年
- アントニオ・サンチェスの作品に参加, 『スリー・タイムス・スリー』 - Three Times Three(2013年録音)(CAM Jazz) 2014年
- ジミー・コブの作品に参加, 『ジ・オリジナル・モブ』 - The Original Mob (Smoke Sessions) 2014年
- ルネ・フレミングの作品に参加, 『クリスマス・イン・ニューヨーク』 - Christmas in New York(2013年、2014年録音)(DECCA) 2014年
- デイナ・ステファンズの作品に参加, Peace (Sunnyside) 2014年
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, Signs Live!(2015年録音)(Smoke Sessions) 2017年(CD 2枚組)
- ウォーレン・ウルフの作品に参加, Convergence (Mack Avenue) 2016年
- ウォルフガング・ムースピールの作品に参加, 『ライジング・グレース』 - Rising Grace(2016年録音)(ECM) 2016年
- デイナ・ステファンズの作品に参加, Gratitude (Contagious Music) 2017年
- ウォルフガング・ムースピールの作品に参加, 『ホエア・ザ・リヴァー・ゴーズ』 - Where the River Goes (ECM) 2018年
- Kyle Craneの作品に参加, Crane Like the Bird (Crane Like the Bird) 2019年
- ペドロ・マーティンズの作品に参加, Vox (Heartcore) 2019年
- フルリーヌの作品に参加, Brazillian Dream blooms (Sunnyside) 2019年
- ジョシュア・レッドマンの作品に参加, 『ラウンド・アゲイン』 - RoundAgain(2019年録音)(Nonesuch) 2020年
- ジョシュア・レッドマンの作品に参加, 『ロングゴーン』 - LongGone(2019年録音)(Nonesuch) 2022年
- ピーター・バーンスタインの作品に参加, Better Angels (Smoke Sessions) 2024年
サウンドトラック
[編集]- 『42丁目のワーニャ』 - Vanya on 42nd Street 1994年
- 『真夜中のサバナ』 - Midnight in the Garden of Good and Evil 1997年
- 『アイズ ワイド シャット』 - Eyes Wide Shut 1999年
- 『スペース カウボーイ』 - Space Cowboys 2000年(曲目「オールド・マン」「時の流れに」)
- 『ミリオンダラー・ホテル』 - 'The Million Dollar Hotel 2000年
- 『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』 - Ma femme est une actrice 2001年
- 『運命の女』 - Unfaithful 2002年
- 『フレンチなしあわせのみつけ方』 - Ils se marièrent et eurent beaucoup d'enfants 2004年
- 『イルマーレ』 - The Lake House 2006年
脚注
[編集]- ^ a b allmusic (((Brad Mehldau > Biography)))
- ^ 映画 ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール - allcinema
- ^ 稲田利之 著「ブラッド・メルドー」、柳樂光隆 編『Jazz The New Chapter』 1巻、シンコーミュージック、2014年、92頁。
- ^ “Metheny Mehldau”. Nonesuch Records. 2016年9月27日閲覧。
- ^ “Quartet”. Nonesuch Records. 2016年9月27日閲覧。
参考文献
[編集]- 「ピアノ特集:ブラッド・メルドー研究」『Jazz Life』2000年 6月号 ジャズライフ
- 「アーティスト特集:ブラッド・メルドー」『Keyboard magazine』2007年12月号 リットーミュージック
- 杉田宏樹「現代のトップピアニストたち」『ジャズと言えばピアノトリオ』 光文社〈光文社新書〉2011年
- 稲田利之「ブラッド・メルドー」『Jazz The New Chapter』柳樂光隆編 シンコーミュージック 2014年
- 牧野直也『リマリックのブラッド・メルドー(ポスト・ジャズからの視点 I)』アルテスパブリッシング 2017年