ブランデンブルク市電
ブランデンブルク市電 | |||
---|---|---|---|
基本情報 | |||
国 |
ドイツ ブランデンブルク州 | ||
所在地 | ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル | ||
種類 | 路面電車[1][2] | ||
路線網 | 2系統(2022年現在)[3] | ||
開業 |
1897年(馬車鉄道) 1911年(路面電車)[2] | ||
運営者 | ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル交通事業有限会社[1] | ||
路線諸元 | |||
軌間 | 1,000 mm[4] | ||
電化区間 | 全区間 | ||
電化方式 |
直流600 V (架空電車線方式)[5] | ||
|
ブランデンブルク市電(ブランデンブルクしでん、ドイツ語: Straßenbahn Brandenburg an der Havel)は、ドイツの都市であるブランデンブルク・アン・デア・ハーフェルの路面電車。2022年現在、路線バスと共にブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル交通事業有限会社(Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH、VBBr)によって運営されている[1][2]。
歴史
[編集]ブランデブルク・アン・デア・ハーフェル市内における最初の軌道交通は、1897年10月1日に開通した馬車鉄道であった。民間企業によって運営されていたこの路線は1910年にブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル市によって買収された後、1911年4月以降路面電車への転換が実施された。それ以降路線網は市内各地へと拡大し、色によって区別が行われた複数の系統による運行が行われたが、第二次世界大戦末期の空襲により甚大な被害を受けた事で運休を余儀なくされ、全線が復旧したのは戦後の1947年となった[2][6]。
戦後、東ドイツの路面電車となったブランデンブルク市電は1950年代初頭に製鉄所への延伸が行われ、1955年には系統名が色から番号へと変更された。同年時点では6つの系統(1 - 6号線)が存在したが、その後は路線の縮小や系統の整理により系統数は減少し、1965年には将来的に路面電車そのものを廃止する方針も打ち出された。だがオイルショックによる石油価格の高騰などの要因から1973年にこの方針は却下され、以降は1980年代まで郊外の開発地域方面を中心に路線の延伸が続いた。車両については1950年代以降東ドイツ製の2軸車が他都市からの譲渡を含めて多数導入された後、1979年からはチェコスロバキア(現:チェコ)のČKDタトラ製の連接車(KT4D)が導入された。また、1959年から列車内の一部車両で車掌業務を廃止した後、1965年からは乗客自身が刻印を行う信用乗車方式へと切り替えられている[2][6]。
ブランデンブルク市電の歴史上最も多くの乗客を記録したのは1987年で、9系統の路線網で年間2,410万人の乗客を運んだ。これは第二次世界大戦中の1944年(1,831万人)を上回るものであった[2][6]。
その後、東ドイツの民主化やドイツ再統一への動きの中で、ブランデンブルク市電の運営組織は1990年に有限会社(GmbH)へと再編された。以降、同事業者は既存の車両の改造を含めたバリアフリーに適した超低床電車の導入を進めている。その一方で路線規模は東ドイツ時代と比べ縮小を続けており、2002年9月にはプラウエ橋を渡る全長5.6 kmの路線が廃止され、系統数も2019年時点で4つに減少した。更に同年には20周年記念橋が老朽化のため閉鎖されており、同橋梁を通る系統が運休を余儀なくされている[1][2][7][8]。
系統
[編集]前述の通り、2019年に20周年記念橋が閉鎖された影響で同橋梁を経由する2つの系統が長期にわたって運休している事から、2022年現在ブランデンブルク市電では以下の2系統のみ運行している[1][3][7][9]。
系統番号 | 起点 | 終点 | 備考・参考 |
---|---|---|---|
1 | Anton-Saefkow-Allee | Hauptbahnhof | |
6 | Hohenstücken Nord | Hauptbahnhof |
車両
[編集]営業用車両
[編集]2022年現在、ブランデンブルク市電に在籍する営業用車両は以下の通り。同年時点で予備車として残存するKT4Dを除き全車両ともバリアフリーに適した超低床電車(部分超低床電車)となっている[2][10]。
- KT4D - チェコスロバキア(現:チェコ)のČKDタトラが開発した小型2車体連接車。1990年代には機器の交換を始めとした近代化工事が行われたが、次に述べるKTNF6に改造された車両を除き、2022年現在は2両が予備車として残るのみとなっている[10][11]。
- KTNF6 - KT4Dの中間に低床車体を挿入した3車体連接車。1997年以降10両が改造を受けており、2015年からは再度の更新工事が実施されている[2][10][12]。
- MGT6D - デュワグがドイツ各地に向けて展開した部分超低床電車。1995年に営業運転を開始し、2019年からは順次更新工事が行われている。2022年現在は6両が在籍するが、そのうち2両は2014年にハレ市電から譲渡されたものである[2][10][13][14]。
動態保存車両
[編集]導入予定の車両
[編集]2018年、ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル交通事業有限会社はブランデンブルク州の他都市の路面電車事業者と共に新型電車を導入する事を発表した。その後、入札を経て2021年にチェコのシュコダ・トランスポーテーションが展開する部分超低床電車のフォアシティ・プラス(ForCity Plus)の発注が行われている。そのうちブランデンブルク市電に導入されるのは4両(+オプション8両)で、老朽化が進んだKTNF6を置き換える形で2024年以降営業運転を開始する予定である[5][16]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e “Unternehmen”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “110 Jahre Straßenbahn Brandenburg an der Havel 1897 bis 2007”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b “Fahrplan (gültig ab 01.01.2021) mit Aktualisierungen ab 01.01.2022”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Nahverkehrsplan 2018”. Stadt Brandenburg (2018年12月). 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b “Presseinformation der Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH „Grünes Licht – Brandenburg an der Havel bekommt neue Straßenbahnen!“”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b c Brandenburger Verkehrsbetriebe (1987). 90 Jahre Straßenbahn Brandenburg 1897-1987 Informationsblatt. Brandenburg an der Havel
- ^ a b Jens Bernhardt (2020年4月9日). “Run-down bridges in Brandenburg and Ludwigshafen & the comeback of Düwag trams in Ludwigshafen”. Urban Transport Magazine. 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Großes Kino in Kirchmöser Vom Fischerdorf zum Drehort für „Barbara“ und „Phoenix“”. Tourismus-Marketing Brandenburg GmbH (2020年3月13日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Brücke 20. Jahrestag am Altstädtischen Bahnhof ist nun Geschichte”. Stadt Brandenburg (2021年5月19日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b c d e f “Fahrzeuge und Anlagen der VBBr in Zahlen”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ Ryszard Piech (2008年3月18日). “Tramwaje Tatry na przestrzeni dziejów (2) od KT8 do T6” (ポーランド語). InfoTram. 2016年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月20日閲覧。
- ^ Ondřej Matěj Hrubeš (2015年2月19日). “Brandenburg: Další modernizace tramvají KT4”. MHD86.cz. 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Halle will Prototyp-Niederflurbahnen nach Brandenburg verkaufen”. Halle Speltrum (2014年1月27日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “Modernisierter Triebwagen 100 in Betrieb genommen”. Stadt Brandenburg (2019年3月20日). 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b “110 Jahre Straßenbahn Brandenburg an der Havel 1997 - 2007 im Straßenbahnmuseum”. Verkehrsbetriebe Brandenburg an der Havel GmbH. 2022年6月20日閲覧。
- ^ “MORE TRAMS FROM PLZEŇ-BASED ŠKODA WILL BE OPERATING IN BRANDENBURG”. ŠKODA TRANSPORTATION a.s. (2021年2月17日). 2021年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月20日閲覧。
外部リンク
[編集]- ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル交通事業有限会社の公式ページ”. 2022年6月20日閲覧。 “