プリモシーン
プリモシーン | ||||||||||||
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2018年NHKマイルカップ | ||||||||||||
欧字表記 | Primo Scene[1] | |||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||
性別 | 牝 | |||||||||||
毛色 | 鹿毛 | |||||||||||
生誕 | 2015年4月27日(9歳) | |||||||||||
抹消日 | 2021年2月3日[2] | |||||||||||
父 | ディープインパクト | |||||||||||
母 | モシーン | |||||||||||
母の父 | Fastnet Rock | |||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町) | |||||||||||
生産者 | ノーザンファーム | |||||||||||
馬主 | (有) シルクレーシング | |||||||||||
調教師 | 木村哲也(美浦) | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
生涯成績 | 19戦4勝 | |||||||||||
獲得賞金 | 2億600万0000円 | |||||||||||
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プリモシーン (Primo Scene[1])は、日本の競走馬。主な勝ち鞍は2018年の関屋記念 (GIII)、フェアリーステークス (GIII)、2020年の東京新聞杯 (GIII)。馬名の意味は「最高(伊)+場面」[3]。
母モシーンはオーストラリアでクラウンオークスなどGIを4勝の名牝。本馬はその2番仔にあたる[4]。
戦績
[編集]デビュー前
[編集]2015年4月27日、北海道安平町のノーザンファームで誕生。一口馬主法人「シルクホースクラブ」から「モシーンの15」として総額5,500万円(1口11万円×500口)で募集された[3]。
2歳 (2017年)
[編集]美浦・木村哲也厩舎に入厩。9月17日の新馬戦で戸崎圭太とのコンビでデビューし、単勝1.7倍の断然人気に推されるが、大外から追い込んだトーセンブレスに差し切られて2着となる。続く未勝利戦では北村宏司が手綱を取り、テトラドラクマとの激しい叩き合いを制して初勝利を挙げた。上がり3Fは2位をコンマ8秒も上回る33秒2だった[5]。
3歳 (2018年)
[編集]フェアリーステークス (GIII)では中団追走から直線鮮やかに抜け出し、2着スカーレットカラーに1馬身1/4の差をつけて重賞初制覇を飾った[6]。
桜花賞 (GI)はスタートで大きく出遅れ、最後方からの競馬となる。直線では内を突くが前が壁になり、不完全燃焼のまま10着に敗れた[7]。続くNHKマイルカップ(GI)でもゲートをスムーズに出ることが出来ずに後方からの競馬となり、最後は差を詰めたものの5着に終わった[8]。
次戦には51キロで出走可能な関屋記念 (GIII)を選択。中団待機から直線で末脚を伸ばし、ワントゥワンの追撃をクビ差凌いで1番人気に応えた。勝ち時計1分31秒6はコースレコードから0.1秒差の好時計で、3歳牝馬による同レース制覇は1985年タカラスチール、1987年クールハートに次ぐ31年ぶり3頭目であった[9]。トライアルをパスして秋華賞に直行したが、位置取りが後ろになりすぎたことが響いて7着に終わった[10]。マイル戦に戻ったターコイズステークス (GIII)では1番人気に推されたが、4コーナーで前が壁になり、脚を余す形で8着に敗れた[11]。
4歳 (2019年)
[編集]古馬初戦はダービー卿チャレンジトロフィー (GIII)に福永祐一との初コンビで出走。3番人気となったが、中団から直線脚を伸ばし、勝ち馬にクビ差及ばなかったものの2着に健闘した[12]。
次走のヴィクトリアマイルは同世代の阪神JF勝ち馬ラッキーライラックなどの実績馬が集まった中4番人気に推されると、直線でメンバー上がり最速の末脚を見せたがレコード勝ちの1着ノームコアにクビ差届かず2戦連続2着に惜敗した[13]。
夏の中京記念ではここ最近の実績が評価され1番人気に推される。レースでは直線で一時先頭に躍り出るも、牝馬ながら重いハンデを負わされたことが響いてか3着に敗れた[14]。
秋は府中牝馬ステークスに出走。先のヴィクトリアマイルで1番人気に推されたラッキーライラックを抑えて1番人気に支持されたが、直線で全く伸びず15着のしんがり負けを喫した[15]。次戦のマイルチャンピオンシップでは鞍上にウィリアム・ビュイックを配したが、11着に敗れた[16]。
5歳 (2020年)
[編集]2月9日の東京新聞杯では中団追走から直線で鋭く脚を伸ばし、最後はシャドウディーヴァに半馬身差をつけ重賞3勝目をマークした[17]。続くダービー卿チャレンジトロフィーは中団のやや後方から追い上げてくるも5着に終わる。5月17日のヴィクトリアマイルはダミアン・レーンを鞍上に迎えるも、見せ場なく8着と惨敗する。その後、8月の関屋記念では15着、初のスプリント戦となった11月の京阪杯では10着と精彩を欠いた。
6歳(2021年)
[編集]1月31日のシルクロードステークスで始動するも12着と大敗。翌2月1日、このレースを最後に引退することが発表され[18]、2月3日付で競走馬登録を抹消された。引退後はノーザンファーム空港牧場で繁殖牝馬となる[2]。
競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.comの情報[19]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2017. 9.17 | 中山 | 2歳新馬 | 芝1600m(良) | 16 | 2 | 4 | 1.7 (1人) | 2着 | 1:37.8(35.8) | 0.3 | 戸崎圭太 | 54 | トーセンブレス | 470 | |
10. 9 | 東京 | 2歳未勝利 | 芝1600m(良) | 13 | 5 | 7 | 1.3 (1人) | 1着 | 1:34.2(33.2) | -0.1 | 北村宏司 | 54 | (テトラドラクマ) | 474 | |
2018. 1. 7 | 中山 | フェアリーS | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 7 | 14 | 4.6 (2人) | 1着 | 1.34.6(34.5) | -0.2 | 戸崎圭太 | 54 | (スカーレットカラー) | 482 |
4. 8 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 芝1600m(良) | 17 | 7 | 15 | 23.4 (6人) | 10着 | 1:34.0(34.3) | 0.9 | 戸崎圭太 | 55 | アーモンドアイ | 478 |
5. 6 | 東京 | NHKマイルC | GI | 芝1600m(良) | 18 | 3 | 5 | 10.8 (5人) | 5着 | 1:33.0(34.0) | 0.2 | 戸崎圭太 | 55 | ケイアイノーテック | 478 |
8.12 | 新潟 | 関屋記念 | GIII | 芝1600m(良) | 15 | 7 | 12 | 4.1 (1人) | 1着 | 1.31.6(33.4) | -0.0 | 北村宏司 | 51 | (ワントゥワン) | 488 |
10.14 | 阪神 | 秋華賞 | GI | 芝2000m(良) | 17 | 8 | 16 | 22.0 (6人) | 7着 | 1:59.1(33.8) | 0.6 | 北村宏司 | 55 | アーモンドアイ | 494 |
12.15 | 中山 | ターコイズS | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 5 | 10 | 3.1 (1人) | 8着 | 1:33.0(35.2) | 0.3 | W.ビュイック | 55 | ミスパンテール | 500 |
2019. 3.30 | 中山 | ダービー卿CT | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 6 | 12 | 7.1 (3人) | 2着 | 1:31.7(34.0) | 0.0 | 福永祐一 | 55 | フィアーノロマーノ | 498 |
5.12 | 東京 | ヴィクトリアマイル | GI | 芝1600m(良) | 18 | 5 | 9 | 6.4 (4人) | 2着 | 1:30.5(33.0) | 0.0 | 福永祐一 | 55 | ノームコア | 498 |
7.21 | 中京 | 中京記念 | GIII | 芝1600m(稍) | 16 | 4 | 7 | 2.8 (1人) | 3着 | 1:33.7(35.0) | 0.1 | 福永祐一 | 55.5 | グルーヴィット | 494 |
10.14 | 東京 | 府中牝馬S | GII | 芝1800m(稍) | 15 | 7 | 14 | 3.6 (1人) | 15着 | 1:46.0(34.9) | 1.5 | 福永祐一 | 54 | スカーレットカラー | 506 |
11.17 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(良) | 17 | 4 | 8 | 41.2 (9人) | 11着 | 1:33.9(34.5) | 0.9 | W.ビュイック | 55 | インディチャンプ | 496 |
2020. 2. 9 | 東京 | 東京新聞杯 | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 1 | 1 | 7.8 (4人) | 1着 | 1.33.0(33.6) | -0.1 | M.デムーロ | 56 | (シャドウディーヴァ) | 504 |
4. 4 | 中山 | ダービー卿CT | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 4 | 7 | 2.4 (1人) | 5着 | 1:33.3(35.2) | 0.5 | M.デムーロ | 56 | クルーガー | 500 |
5.17 | 東京 | ヴィクトリアマイル | GI | 芝1600m(良) | 16 | 3 | 5 | 7.5 (2人) | 8着 | 1:32.0(33.4) | 1.4 | D.レーン | 55 | アーモンドアイ | 496 |
8.16 | 新潟 | 関屋記念 | GIII | 芝1600m(良) | 18 | 1 | 1 | 5.5 (2人) | 15着 | 1.34.6(35.5) | 1.7 | 福永祐一 | 56 | サトノアーサー | 506 |
11.29 | 阪神 | 京阪杯 | GIII | 芝1200m(良) | 16 | 2 | 4 | 18.3 (8人) | 10着 | 1:08.9(34.1) | 0.7 | 北村宏司 | 56 | フィアーノロマーノ | 510 |
2021. 1.31 | 中京 | シルクロードS | GIII | 芝1200m(良) | 18 | 4 | 8 | 64.4(14人) | 12着 | 1:09.0(34.1) | 0.7 | 岩田望来 | 56 | シヴァージ | 512 |
繁殖成績
[編集]馬名 | 生年 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 厩舎 | 戦績 | |
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初仔 | プリモシークエンス | 2022年 | 牡 | 黒鹿毛 | エピファネイア | (有)シルクレーシング | 美浦・木村哲也 | 1戦0勝(現役) |
2番仔 | プリモシーンの2023 | 2023年 | 牝 | 鹿毛 | ロードカナロア | 栗東・中内田充正 | (デビュー前) | |
3番仔 | プリモシーンの2024 | 2024年 | 牝 | 鹿毛 | サートゥルナーリア |
- 2024年9月27日現在
血統表
[編集]プリモシーンの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘア1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *モシーン Mosheen 2008 鹿毛 |
Fastnet Rock 2001 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig | |
Razyana | ||||
Piccadilly Circus | *ロイヤルアカデミーII | |||
Gatana | ||||
母の母 Sumehra2002 鹿毛 |
*ストラヴィンスキー | Nureyev | ||
Fire the Groom | ||||
Miss Priority | Kaapstad | |||
Benediction | ||||
母系(F-No.) | 6号族(FN:6-e) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer5×5×5=9.38%、 | [§ 4] | ||
出典 |
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- 半弟ダノンエアズロック(父モーリス)は2024年プリンシパルステークス(L)勝ち馬。
- ファミリーラインには香港チャンピオンマイラーのラッキーオーナーズやオーストラリアの年度代表馬のマイトアンドパワーなどがいる[20]。
出典
[編集]- ^ a b プリモシーン|JBISサーチ(JBIS-Search)
- ^ a b “プリモシーンが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2021年2月3日). 2021年2月3日閲覧。
- ^ a b プリモシーン | シルク・ホースクラブ. Silk Horse Club. 2018年5月4日閲覧
- ^ モシーン (AUS). JBISサーチ (JBIS-Search). 2018年5月4日閲覧
- ^ 【東京2歳未勝利】ディープインパクト産駒のプリモシーンが極上の切れ味 2戦目で初勝利. スポーツ報知(2017年10月9日付). 2018年5月4日閲覧
- ^ 【フェアリーS】プリモシーン重賞初V~中山は連日の戸崎&シルク. sanspo.com(2018年1月7日付). 2018年5月4日閲覧
- ^ プリモシーン桜花賞10着の雪辱だ/NHKマイルC. nikkansports.com(2018年5月1日付). 2018年5月4日閲覧
- ^ 【NHKマイルC】プリモシーンは5着 戸崎「ゲートをスムーズに出られず…」. サンケイスポーツ(2018年5月6日付). 2018年5月8日閲覧
- ^ 【関屋記念】3歳牝馬プリモシーンが古馬を完封. サンケイスポーツ(2018年8月12日付). 2018年8月12日閲覧
- ^ 【秋華賞】関屋記念Vのプリモシーンは7着 北村宏「距離は大丈夫でした」. スポーツ報知(2018年10月14日付). 2018年10月23日閲覧
- ^ 【ターコイズS】1番人気プリモシーンは8着 ビュイック「脚を余した」. サンケイスポーツ(2018年12月15日付). 2019年1月6日閲覧
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【ダービー卿CT】プリモシーン、収穫ある2着”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月15日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【ヴィクトリアM】プリモシーン上がり最速も2着 福永「やりたい競馬はできた」”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月15日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【中京記念】プリモシーン、ハンデ差影響3着”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月15日閲覧。
- ^ “【府中牝馬S】1番人気プリモシーンはしんがり15着 福永「不可解な走り」”. スポーツ報知 (2019年10月14日). 2019年10月15日閲覧。
- ^ “【マイルCS】レースを終えて…関係者談話(1/2ページ)”. サンケイスポーツ (2019年11月18日). 2019年11月19日閲覧。
- ^ “【東京新聞杯】ディープ娘プリモシーンが切れ味発揮し復活の重賞3勝目”. サンケイスポーツ (2020年2月9日). 2021年2月1日閲覧。
- ^ “重賞3勝のプリモシーンが引退、繁殖入りへ”. スポーツ報知 (2021年2月1日). 2021年2月1日閲覧。
- ^ “プリモシーン”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年5月4日閲覧。
- ^ 母は豪GI4勝の良血プリモシーン、戸崎騎手を背に中山でデビュー/関東馬メイクデビュー情報 | 競馬ニュース. netkeiba.com(2017年9月11日付). 2018年5月4日閲覧