英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物
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英雄伝説 軌跡シリーズの登場人物とは、日本ファルコムのコンピュータRPGシリーズである〈英雄伝説 軌跡シリーズ〉に登場する人物に関する解説等をまとめたものである。
- 凡例
- 作中で主に活動している地域・所属している組織を元に分類。(各シリーズの主人公のみページ先頭にリンクを表示して示す)
- 登場作:そのキャラクターが登場する作品、およびその作中でプレイヤーキャラクターとして加入するかどうかを略号(下記)で示す。なお、伝聞や回想で語られているのみの場合は登場として扱っていないことがある[注 1]。その場合、下記の「来歴」で補足している。
- 声:ゲーム内の戦闘ボイスおよびドラマCD・OVAでの担当声優[注 2]。
- 一部の登場人物は要素の整理のため、以下のように節を分けている。
- (概要):物語における位置づけ、役割について冒頭に記載。
- 来歴:そのキャラクターの前歴、各ゲーム本編における役割とあらましを簡潔に記載。この項目の「年」は本作品の作品世界で使われている暦である「七耀暦」の年を記載している。
- 人物:その登場人物の人物像(性格、戦闘スタイルなど、本編における役割とは基本的に結びつかないもの)を記載[注 3]。
- (その他):その登場人物の要素として、上記に当てはまらないものの内で特記が必要な事柄に項目名をつけ記載。
- 作品略号
- 英雄伝説VI 空の軌跡:『空』
- 空の軌跡FC:「FC」、「空FC」
- 空の軌跡SC:「SC」、「空SC」
- 空の軌跡 the 3rd:「the 3rd」、「空3rd」
- 英雄伝説VII:『VII』
- 英雄伝説 零の軌跡:「零」
- 英雄伝説 碧の軌跡:「碧」
- 英雄伝説 閃の軌跡:『閃』
- 英雄伝説 閃の軌跡(I):「閃I」
- 英雄伝説 閃の軌跡II:「閃II」
- 英雄伝説 閃の軌跡III:「閃III」
- 英雄伝説 閃の軌跡IV:「閃IV」
- 英雄伝説 創の軌跡:『創』
- 英雄伝説 黎の軌跡:『黎』
- 英雄伝説 黎の軌跡:「黎I」
- 英雄伝説 黎の軌跡:「黎II」
- スピンオフ作品
- 英雄伝説VI 空の軌跡:『空』
- ※各タイトルの派生版は「Evolution」は『空Evo』、「:改」は「零:改」のように表記。
- キャラクター略号 - 該当作品の略号の後ろに付与。
- プレイヤーキャラクター:
- レギュラーのプレイヤーキャラクター:P
- スポット加入、もしくは特定のイベントのみで操作をするキャラクター:S
- ブレイブオーダーのみ使用可能なキャラクター:O
- ゲストとして加入し、戦闘にも参加するが、プレイヤーが操作できないキャラクター:G
- 敵方のボス主役:B
- その他:記号なし
- プレイヤーキャラクター:
各シリーズの主人公
[編集]- エステル・ブライト、ヨシュア・ブライト
- 「空FC」「空SC」の主人公。#エステル・ブライトと#ヨシュア・ブライトを参照
- ケビン・グラハム
- 「空3rd」の主人公。#ケビン・グラハムを参照
- ロイド・バニングス
- 「零」「碧」『創』の主人公。#ロイド・バニングスを参照
- リィン・シュバルツァー
- 『閃』『創』の主人公。#リィン・シュバルツァーを参照
- ルーファス・アルバレア
- 『創』の主人公。#ルーファス・アルバレア及び#《C》を参照
- ナハト・ヴァイス、クロエ・バーネット
- 『暁』の主人公。英雄伝説 暁の軌跡#主人公を参照
- ヴァン・アークライド
- 『黎』「界」の主人公。#ヴァン・アークライドを参照
- ラヴィアン・ウィンスレット
- アニメ『閃NW』の主人公。「英雄伝説 閃の軌跡#テレビアニメ」を参照
リベール王国
[編集]大陸南西部に位置する王国で、北をエレボニア、東をカルバードと隣接する『空』の舞台。
ブライト家
[編集]- エステル・ブライト
- 登場作:『空』P・「零」P・「碧」・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:神田朱未
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 1])→20歳(「閃IV」[注 4])
- 「FC」と「SC」の主人公。リベール王国出身の遊撃士で、父カシウスから学んだ棒術を操る。物怖じしない性格。[2][3]
- 来歴
- 父カシウス、母レナの下、ロレント地方でのびのびと育つ[3]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《百日戦役》で、自分をかばったことにより母を亡くし、その後、「母のように誰かを守れるくらいに強くなりたい」との思いから遊撃士を目指す[4][5]。
- 「FC」の5年前(1197年)、カシウスがヨシュアを連れてきて[4]、養子にしたことで、以降は彼を「弟」としてともに日々を送る。
- 「FC」 - ヨシュアとともにシェラザードの指導を受け、16歳で準遊撃士となる[4]。
- 《審判の指環》[書 4][注 5] - ヨシュアとともにサポート役の帝国の遊撃士トヴァルを加えて旅をしている中、遊撃士協会に来た依頼により帝国辺境のアルスターを訪れる。そこで古代遺物《審判の指環》による事件に遭遇し、トヴァルとともに解決に導く[書 5]。この事件解決時に、古代遺物回収のため現れたアインにより、レンがクロスベル自治州にいることを教えられ、ヨシュアとともにクロスベルに向かう[書 6]。
- 「零」 - ヨシュアとともに遊撃士協会・クロスベル支部に転属し、主人公ロイド・バニングスら特務支援課の(格上の)ライバル的立ち位置となる[6]。物語の中でロイドらと親交を深めてゆき、クロスベル自治州で起きた大事件の解決に向けて協力することになる[7]。
- 『暁』 - 「零」の後、ヨシュア、レンとともにリベールに帰国していた中、カシウス暗殺計画に巻き込まれることとなる。
- 「碧」 - 物語終盤で、ロイドらに協力するため、ヨシュア、レンとともに再度クロスベルを訪れ、アイオーンTYPE-γと交戦する[8]。
- 「閃III」 - 登場なし。遊撃士協会支部を手助けするため、帝国入りしようとしたが、入国許可が下りなかったと語られている[9]。
- 「閃IV」 - 遊撃士ランクはA級目前と言われている[10]。ヨシュア、レンとともにクロスベル入りし、ロイド、エリィ、キーアを一行に加えて、オルキスタワーに潜入して帝国で起きた異変の情報を探る[10][注 6]。その後はパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、『VII』の主人公であるロイドら特務支援課、『閃』の主人公であるリィン・シュバルツァーらトールズ士官学院の新旧VII組とも邂逅を果たす[1]。進行する状況を食い止めるべく、オリヴァルト皇子が提唱した《光まとう翼》に参加し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、ヨシュアらとともに《塩の杭》のひとつを攻略しに向かう[11]。
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- 人物
- 人々に親しみを与える天真爛漫な性格。自分も他人も輝かせる太陽のような強さを持ち[12]、「太陽の娘」と呼ばれることもあるが[13]、本人は自分の良さには無頓着である[14]。純粋な人柄による言動に(敵対者も含め)周囲が毒気を抜かれる場面もしばしばある。女性としての自覚はあるものの、活発で少年のような趣味が多く、子供時代は父を呆れさせている[4]。
- 恋愛面には非常に疎く鈍感で、ヨシュアからの好意に長らく気付く気配もなく、シェラザードや友人たちから呆れられていた。しかし、「FC」の正遊撃士になる旅の中でそれまで弟のようにしか見ていなかった彼を異性として意識するようになり、「SC」の事件後は晴れて恋人同士になった[15]。
- 義弟ヨシュアより実際には年下だが、ブライト家に先に住んでいたことを理由に姉として振るまいたがる[4][注 7]。
- ヨシュア・ブライト
- 登場作:『空』P・「零」P・「碧」・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:斎賀みつき
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 7])→20歳(「閃IV」[注 8])
- 「FC」と「SC」の主役の一人。リベール王国出身(生まれはエレボニア帝国)の遊撃士。
- 「FC」時点より5年前にブライト家の養子となり、エステルの義弟となる。冷静な性格で、エステルのフォローに回ることが多い[2]。
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- 来歴
- 元の名前はヨシュア・アストレイで、エレボニア帝国南部のハーメル村出身。ハーメルは小さな村で子供が少なく[1]、姉のカリン、兄同然のレオンハルト(レーヴェ)とともに育つ[17]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《ハーメルの悲劇》で、村民はほぼ全滅し、ヨシュアは生き延びたものの、姉を含めた家族を失い、このことで心を壊す[17]。その後、壊れた心を結社《身喰らう蛇》のゲオルグ・ワイスマンによって組み替えられて彼の操り人形となり、結社の《執行者》No.XIII《漆黒の牙》として暗殺を繰り返すようになる[14][17][18]。
- 「FC」の5年前(1197年)、11歳の時にカシウス・ブライトの暗殺を命じられるが失敗[4][14]。そのことで組織から狙われる立場になったが、カシウスに保護され、後にブライト家の養子となる[14]。
- 「FC」 - エステルとともにシェラザードの指導を受け、16歳で準遊撃士となる[4]。カシウスの乗る旅客飛行船が姿を消したことで、父の行方を追う旅を始め、エステルとともにリベール王国各地を巡る。自身が感じていた違和感と状況証拠から、一連の事件の黒幕がアルバ教授(ワイスマン)であることに気づくが[注 9]、一対一で問い詰めた際に暗示を解かれ、自身がカシウスの下に諜報員として送り込まれていたということを知ってしまう[14]。真相に耐えられなくなったヨシュアは、姉の形見のハーモニカを残してエステルの元を去る[14]。
- 「SC」 - 「FC」の最後でエステルらの前から姿を消した後、ワイスマンを殺すための策をめぐらせ、カプア一家と手を組み密かに《結社》を追う。終盤、エステルと再会[19]。エステルの説得により、改めてエステルを守ることを誓い[19]、ともにリベール全土を巻き込んだ事件の解決に尽力する。最終決戦の場「リベル=アーク」の中核塔にてついにレーヴェと対峙[20]。一騎討ちの末、一瞬の隙を突いて全力を込めた連続攻撃を行い、彼の剣を弾き落とし勝利した[20]。
- 「SC」の事件解決の後、《執行者》として犯した過去の罪の贖罪のために大陸各地を旅して回ることを決意し[18]、「the 3rd」以降は、恋人となったエステルと行動をともにしている。「the 3rd」以降の来歴はエステルと基本的に同一なので「#エステル・ブライト」の来歴を参照。
- 人物
- 執行者時代は感情の起伏が薄く、暗殺者としての非情さを持っていたが[18]、カシウスとエステルとの生活で影響を受け、優しく穏やかな少年に育つ[注 10]。
- ワイスマンはヨシュアの心を修復する際に「どんな目的も目的を合理的に考え任務を遂行する思考フレーム」を与えるとともに[14]、任務の邪魔とならないよう恐怖を感じることがないように調整を施している[19]。そのため、ヨシュア自身も自分のことを感情を持たない人形のように認識し続けていたが、それが欺瞞であることは後にエステルに喝破されることになる[19]。
- エステルに対しては、エステルがヨシュアに対する思いを意識し始める前から好意を寄せていた[14][18]。エステルはそのことに気づいていなかったが、ヨシュアも自分に対する好意には非常に疎く、逆にエステルからの好意に気づかないという立場の逆転をさせてしまうこともあるなど、どこか複雑な関係でもある。
- 戦闘能力としては、ワイスマンの調整により、大部隊相手でも単独で渡り合えるよう、肉体と反射神経を限界まで強化されている[14][3]。ブライト家に入ってから、相手を倒すためではなく命を奪わず無力化させるという戦い方をカシウスから学んだ[20]。情報収集能力も高く、「SC」以降も独自のルートでケビンの正体やワイスマンの最期を知っている[13]。
- エステルとヨシュアの設定
- キャラクター造形として、太陽のように明るいエステルを光とする影という対比の関係になる[書 9][W 5]。「FC」を制作するにあたり、「男の子と女の子が主人公で、どちらかが屈託のない明るさを持っているのに対して、もう片方のパートナーが闇の部分を抱えている。そして、その2人を描くことで光と影みたいなものを主軸として物語を紡ぐ」という設定はかなり初期の段階で決まっていた[書 10]。最初期にはエステルと性別が逆で女の(元)暗殺者にするという案もあったという[W 6][W 7]。「エステル」と「ヨシュア」という名前の出典はたどれば『旧約聖書』に行きつくものだが、設定としては関係がなく、名前は人物像と名前の響きなどを比較してイメージに合うかで決められた[書 10]。
- 「FC」はヨシュアがエステルの元を去るところで終幕となる。この構成は最初から予定されていたものではなく、「FC」と「SC」はもともとは1本のタイトル(『英雄伝説VI』)として構想されていたものだが、制作開始から1年半経った時点で予定の半分しかできていなかったため、後編を出せない可能性があることを承知で前編のみ発売するか、省略して1本に収めて発売するか、二者択一となった[書 11]。2本にした場合、前半のラストにヨシュアの話を(クリフハンガーとして)持ってくることができるということも一因となって、前編(「FC」)のみの形で発売されることが決断されたという[書 11]。
- カシウス・ブライト
- 登場作:『空』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:岸野幸正
- 年齢:45歳(「FC」[4][W 1]・「SC」[W 2])→49歳(「閃IV」[書 12])
- エステルの父。かつて軍人としてリベール王国を危機から救った英雄であり、遊撃士としては、「FC」開始時点ではゼムリア大陸全土に4人しかいないS級遊撃士の一人。
- 武術では《理(ことわり)》に至った達人であり[12][21]、現在は棒術を使うが、かつては
八葉一刀流 という流派を極めた剣士で、《剣聖》と呼ばれる[2][注 11]。『空』三部作通してレオンハルトと並んで最強を誇る人物。 - 知略に優れ、《百日戦役》ではエレボニア帝国軍の侵攻に対する反攻作戦を立案、指揮して王国を危機から救った。しかし、戦役中に妻を失ったことで本人が栄誉を望まず退役したため、その功績は王国民の多くには知られておらず、娘のエステルにも秘密にしていた[4][2][18]。
- その才幹と功績を知るリベール王家、王国軍、遊撃士協会などから寄せられる信頼には絶大なものがある。一方、エレボニア帝国や結社といった潜在的な敵対者からは、一個人でありながら、重大な脅威として認識され警戒対象になっている[14][23]。
-
- 来歴
- 士官学校在学時にユン・カーファイに出会い、八葉一刀流の指南を受ける(「FC」の20年以上前の出来事)[24]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《百日戦役》において、リベール王国は国土の大部分をエレボニア帝国軍に占領されるが、警備飛行艇を用いた戦術で帝国軍を分断各個撃破する反攻作戦を立案、指揮して、その侵攻を食い止める[25][26]。この戦役で妻を失ったことで、戦役後に軍を退き、剣も捨て、遊撃士に転向する[25][注 12]。
- 「FC」の4年前(1198年)に、遊撃士協会と複数の国の合同で行われた《D∴G教団》殲滅作戦の総指揮を執り[27][28][22]、その功績により遊撃士ランク・S級に昇格[14][W 8][書 13]。
- 「FC」 - エレボニア帝国で《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》が発生し、救援のために王国を離れ、解決に尽力する[23]。このため、同じタイミングでリベール王国で発生していた王国軍情報部による陰謀には介入できなかった。一連の事件の後、弱体化した王国軍を立て直すべく軍務に復帰[14]。
- 「SC」 - 王国軍に復帰して間もなく、モルガンから司令[29]と作戦本部長の座を委ねられ、事実上、軍のトップとなる[30]。リベールに陰謀の影が迫っていることは予感していたが、自身は軍務に忙殺されることになったため、陰謀への対処をエステルらに委ねる[31]。そんな中でも結社の動きを読んで《零力場発生器》製作をラッセル博士に事前に依頼したり[12]、リシャールら旧情報部を隠し札にするなど[32]、策を講じて結社に対抗する。終盤には帝国軍の第三機甲師団により国境のハーケン門に侵攻を受けるが、オリヴァルト皇子と一芝居打つことでこれも退ける[32]。《リベル=アーク》攻略には状況を考慮して参加しなかったが[32]、その崩壊に際して、古い知己である古竜レグナートの力を借りてエステルとヨシュアを救う[33]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》によって守護者として再現されて主人公たちの前に敵として現れ、「FC」と「SC」では謎だったその圧倒的な実力を見せることになる[21]。
- 「閃IV」 - リベール王国軍総司令、中将になっている[10][1]。ミュゼの招待により、クローディア王太女とともにパンタグリュエルでの極秘会談に参加し[1]、《
千の陽炎 ()》作戦で最高司令官を務めることが決まる[22]。世界大戦前日にはユン老師に代わってリィンに奥義伝承の試しを行う[34]。帝国の異変が収まった後はヴァンダイクとともに世界大戦を停戦させた[35]。
- 人物
- 基本はしっかり者だが、家族の前ではおちゃらけており[2]、ヨシュアからは「(エステルと一括りにして)似た者父娘」と呆れられている[4]。家族に対する愛情は深く、実娘のエステルはもちろん、養子のヨシュアにも惜しみない愛情を注いでいる[36][18]。王国軍の部下や遊撃士協会の後輩たちへの面倒見も良く、多くの者に慕われている。
- その人物は、海のように懐が深い、雄大な強さを持つと形容される[12]。《理》に至った達人と言われるカシウスの強さの真の理由は「本質を見抜く」ことにあるとされ、遊撃士としても軍の司令官としても常人離れした力を発揮できるのはそれが理由だとされる[12][21]。その力は多くの人に影響を与え、そうした人々の力をまとめることによって、一人では不可能なことでも必ず成し遂げることができる、というものである[21]。
- 《剣聖》
- 八葉一刀流のユン・カーファイから「一の型《螺旋》」と「七の型《無》」を授かり[22][注 13]、《剣聖》と呼ばれるほどの剣の使い手だったが、遊撃士になった際に剣を捨て、棒術を扱うようになった[24]。自らの武の型を「無にして螺旋」と称し[21][注 14]、それを示すように回転の力を駆使した攻撃を繰り出す。
- 棒術も、ダン・ラッセルに教わった基礎をベースに、自分なりに解釈した八葉の教えを組み込んだものとしており[22]、剣の達人であるヴィクター、アリオスと伍するほどの腕前を持つ[34]。
- 「閃IV」ではユン・カーファイの代理で、八葉一刀流の兄弟子(師兄)として剣を執り、リィン・シュバルツァーに「七の型《無》」の奥義伝承の試しを行い、奥伝を授ける[34]。
- レナ・ブライト
- 登場作:『空』
- 声:板東愛(『空』OVA)
- カシウスの妻でエステルの母親。優しくも強い女性で、カシウスですら彼女には頭が上がらない[3]。《百日戦役》の折、ロレントの街のシンボルである時計塔の崩壊からエステルを守った末に亡くなっている[4]。
- レン(レン・ブライト)
- 登場作:「SC」B・「the 3rd」P・『VII』・『暁』P・「閃IV」S・『創』P・「黎I」・「黎II」P/B・「界」P
- 声:西原久美子(『空』・『VII』)→悠木碧(「閃IV」以降)
- 年齢:11歳(「SC」[W 2])→12歳(「the 3rd」[W 3]・『VII』[書 16][注 15])→16歳(「閃IV」[書 17])
- イタズラ好きでおしゃまでおませな少女。その正体は結社《身喰らう蛇》の執行者No.XV《
殲滅天使 》。身の丈ほどもある巨大な鎌を振るい、容姿に似合わぬ強烈な一撃で敵対者を殲滅する。 - あらゆる情報を瞬時に吸収して自分の力として取り込んでゆくことができ、どんな環境にも即座に適応して自分と周囲を制御してゆくということができる天才[36]。
- 《十三工房》で開発された巨大人形兵器《パテル=マテル》を操る。
-
- 来歴
- クロスベル自治州の貿易商人ヘイワース夫妻の間に長女レニ・ヘイワースとして生まれる[38][39]。物心つく頃に両親が商売で失敗し、一時的にカルバード共和国の夫妻の友人の元へと預けられる[40][注 16]。
- 1196年頃、その友人宅が《D∴G教団》に襲われ、教団に拉致される[40]。その後は教団ロッジ《楽園》に連れて行かれて、《グノーシス》を投与され続け、天才的な適応能力を示して他の検体である少年少女の人格を取り込んでいくこととなる[41][注 17]。《楽園》では投薬実験を受けるとともに虐待を受け続け、そうした生活が半年ほど続いた頃[36]、結社の任務で《楽園》を壊滅させたレオンハルトとヨシュアによって救出される[42]。結社で適性を認められて執行者候補となり[42]、この時期にレーヴェからは武術を、ヨシュアからは隠形術を学び、結社のほかの者たちからもそれぞれが得意とするところの様々なことを習得する[36]。その後、ヨシュアが結社を去った(1197年)後、《パテル=マテル》を使役するようになるとともに[36]、正式に執行者となる[42][注 18]。
- 「SC」 - 当初は正体を隠し、ヘイワース夫妻を模した人形とともに旅行者と偽ってエステルたちの前に現われる[30]。その後正体を現し、執行者としてエステルたちの前に立ちはだかる[29]。両親の抱えていた事情を全く知らないために実の両親を偽物と呼び、常に自分のために行動する《パテル=マテル》を本当の両親と呼ぶ。エステルとは数度の交戦を経て《リベル=アーク》の中枢塔で対峙し、戦闘の決着後、あくまでレンを更生させようとするエステルが差し伸べた手を困惑ととともに拒絶し、《パテル=マテル》とともにいずこかへと飛び去っていく[43]。
- 「the 3rd」 - 《リベールの異変》終息後は結社に戻らず、自分を捜しているエステルとヨシュアから逃げながら《パテル=マテル》とともにさまよっていた。そんな中で《影の国》に取り込まれ[44]、再会したエステルたちと触れ合ううちに、彼女に対する態度を少しずつ変えてゆく。最終決戦の後、レンを家族として迎えたいと申し出るエステルとヨシュアに対して気持ちの整理はつけられず、エステルに捕まらないよう全力で逃げると言い残し、《影の国》を立ち去る[45]。
- 「零」 - クロスベル自治州のローゼンベルク工房に身を潜め、導力ネットワークの扱いをすぐに覚えて《
仔猫 ()》と名乗りハッキングを行い、ハッキングの天才を自称するヨナをも上回る腕前を見せつつ、気ままに過ごす[46]。《特務支援課》のロイド・バニングスらの気遣いによって両親の真実を知ってわだかまりがなくなり[40]、これによりクロスベルに来た理由のひとつがなくなる[書 18]。パテル=マテルの修復も終わり、教団における人体実験の首謀者がヨアヒムであることも突き止め[47]、《太陽の砦》で特務支援課に加勢してヨアヒムの最期を見届ける[48]。これによりクロスベルに滞在する理由は全てなくなり立ち去ろうとするが、頑なに閉ざしていた心をレンの過去を全て受け止めた上で家族として迎えたいと言うエステルとヨシュアに対してようやく開き[48]、一連の事件が終わった後でブライト家に迎えられた[49]。 - 「碧」 - 《パテル=マテル》、エステル、ヨシュア、とともにクロスベル市解放作戦に加勢し、アイオーンTYPE-γと交戦[8]。その戦いで、《パテル=マテル》は絶体絶命のレンを助けるべくアイオーンを道連れに自爆し、3人に見守られながら別れの言葉を遺して機能を完全に停止してしまい[8]、《パテル=マテル》を失ったレンは悲嘆にくれる[50]。
- 「閃III」 - ティータの回想で、後ろ姿のイラストのみ登場[9]。ジェニス王立学園に通いながら遊撃士協会の手伝いをしつつ、リベール王国の導力ネットワーク構築に貢献しているということが、ティータによって語られている[9]。ティータが帝国への留学を希望した際、周囲が反対する中で唯一賛同し、周りの人々を説得[9]。ティータと再会したら互いにひとつだけ頑張ったことを話そうと約束している[9]。帝国、特にクロスベルに自分も行きたかったが事情があって行けなかった[9]。
- 「閃IV」 - 学園を休学し、エステルとヨシュアとともにクロスベル入りし、ロイドらとも協力してオルキスタワーに潜入して帝国の情報を探る[10][注 20]。クロスベルに来たVII組に助力し[52]、キーアとともにエリンの里までVII組に同行し、リィンが囚われている《黒の工房》の位置の特定に協力し[53]、リィン救出作戦もバックアップする[51]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティータらとも再会[1]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、引き続きエステル、ヨシュアと行動をともにする。終盤、両親であるヘイワース夫妻に対面する[38][39]。最終決戦では、エステル、ヨシュアらとともに《塩の杭》のひとつを攻略しに向かい、巡り合わせにより《パテル=マテル》の仇の後継機(の複製)であるアイオーンTYPE-γII・ニゲルと対峙する[11]。
- 人物
- わがままな気分屋でマセていて、こまっしゃくれていて何でも面白がる癖があるが、意外と面倒見が良く他人を気遣うこともできる、とエステルに評されている[21]。化学、数学、情報理論の博士号を習得しており、代理人を通じて定期的に論文も発表している[W 2]。
- 「殲滅天使」という二つ名については気に入っていない旨を表明しており[29]、「閃IV」の頃には「ちょっとした黒歴史」だと言っている[10]。
- 《パテル=マテル》
- レンによって使役される《ゴルディアス級》人形兵器。全高15.5アージュの巨体に加え、《十三工房》で開発された最新鋭の性能と能力を誇っており、導力エネルギー砲を主体とした各種導力兵器を備え、飛行能力も有する[54]。パワー、装甲ともに「FC」ラストボスの《トロイメライ》以上と言われている[36]。
- 自我を持っているが、正確な意思疎通を行えるのは使役者であるレンのみ。さらに「零」では改修を受けたことで自己判断に従っての行動ができるようになり[48]、この自己判断しての行動は「零」と「碧」において大きな役割を担うことになる。
-
- 「SC」 - レンからはなんでも言うことを聞いてくれる「パパとママ」として見られており、家族のように大事にされている。レンに従いエステルらの前にたびたび姿を現し、《琥珀の塔》で交戦し[36]、次いで《リベル=アーク》の中枢塔の戦いでは、レンの命令によりリミッターを解除して戦闘に参加する[43]。
- 「the 3rd」 - プレイヤーの選択次第で登場する。レンが《影の国》の中で、《影の国》の特性を利用して再現した複製品を実体化させることができる[21][注 21]。
- 「零」 -「SC」でエステルらとの戦闘で脚部の関節部を破損したため[43]、レンの依頼を受けたヨルグによる修理を受ける。姿勢制御と関節部分が弱点だったが、ヨルグによる改修を受けたことでこれらの欠点も克服する[55]。レンとともに最終決戦の場に駆けつけ、ロイドたちを絶体絶命の窮地から救い出し、彼らに勝機をもたらす[48]。決戦を終え、エステルとヨシュアから逃げようと抵抗を見せたレンを自身の判断でエステルたちのほうに後押しし、彼女らが和解する最後のきっかけを作った[48]。
- 「碧」 - 「零」の後でリベールに去ったレンには同行しなかったようで、ローゼンベルク工房に置かれている[56]。終盤、クロスベル市解放作戦に加勢するためクロスベルに戻ってきたレンに従い、アイオーンTYPE-γと交戦する[8]。その際、絶体絶命のレンを助け、相打ちになる形でアイオーンTYPE-γとともに上空で自爆し、レンに見守られながら別れの言葉を遺して機体としての死を迎える[8]。後にこの話を聞いたロイドたちは、ヨアヒム・ギュンターとの戦いで助けてもらったことを思い出し改めて感謝を示した[50]。
リベール 遊撃士協会
[編集]王都グランセルを含む五大都市に支部があり、各地方での活動を管轄している[注 22]。準遊撃士が正遊撃士になるには5支部全てからの推薦状が必要になる。
遊撃士
[編集]- シェラザード・ハーヴェイ
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃IV」O・『創』O
- 声:塩山由佳
- 年齢:23歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→24歳(「the 3rd」[W 3])→26歳(「閃IV」[注 23]))
- ロレント支部に所属する女遊撃士。「《
銀閃 》のシェラザード」の異名を持つ。鞭の使い手だが併行してアーツも駆使する攻撃を得意とするタイプ[30]。 - エステルとの付き合いは長く、「シェラ姉」と呼ばれ、頼れる姉貴分として慕われている[注 24]。
-
- 来歴
- 幼少期をスラム街で身寄りのない孤児として過ごしており、生き延びるためにスリ、置き引き、かっぱらいといった軽犯罪を繰り返す荒んだ生活を送っていたが、7歳くらいの時(1186年頃)に旅芸人集団「ハーヴェイ一座」の座長に拾われる[12][58]。一座で姉貴分となったルシオラに様々な芸を教わり[12]、やがて踊り子として一座の芸人に加わる[58]。
- 「FC」の12年前頃(1190年頃)、巡業で訪れたロレントでエステルをきっかけとしてブライト家と親しくなり[3]、以降巡業でロレントを訪れる度にブライト家に遊びに行く関係となる[4]。
- 「SC」の8年前(1194年)、ハーヴェイ座長が死去したことで一座が解散し、ルシオラも姿を消したため、唯一頼れる大人だったカシウスを頼り、彼の指導で遊撃士を目指す[4][3][12]。
- 1197年[書 20]、準遊撃士としてリベール王国の各地方を回って各地の遊撃士協会から推薦状をもらい、正遊撃士となる[58]。
- 「FC」 - ロレント支部所属の正遊撃士としてエステルとヨシュアの遊撃士研修(ブレイサー研修)を担当し、最終試験に合格した二人を準遊撃士に任命[4]。その後、カシウスが行方不明になり、エステルとヨシュアとともにボース地方まで旅をともにする[57][注 25]。ボース地方の事件の解決後、ロレントに一旦帰るが、終章では応援として王都に向かい、エステルらに協力する[14]。
- 「SC」 - 《身喰らう蛇》の調査を依頼され、王国内を回る[30][注 26]。かつての姉分で結社《身喰らう蛇》の執行者となったルシオラと再会し、たびたび対峙、交戦することになる[3]。
- 「the 3rd」 - ロレントでアイナと飲んで酔いつぶれていたところ《影の国》事件に巻き込まれる[13]。「月の扉」では準遊撃士時代にグランセルで修行をしており、その時にロレント支部受付となるアイナとの出会いが描かれる[58]。
- 「閃III」 - 直接は登場しない。帝国の遊撃士協会を助けるため、アガットとともに帝国入りした[9]。帝都ヘイムダル地下で共和国の特殊部隊《ハーキュリーズ》の掃討作戦が行われた際はアガットやVII組らとは別のエリアを受け持ち[59]、黒キ星杯が出現した際にはティータの傍にいるようにアガットの尻を叩いている[60]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後は他の遊撃士たちとも連絡を絶ち、密かにオリヴァルト皇子らと合流し[1]、カレイジャスIIでパンタグリュエル救援に駆けつけた[61]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、世界大戦終結後にオリヴァルト皇子と結婚する[62]。
- 『創』 - オリヴァルト皇子(オリビエ)と結婚した事で、エレボニア皇族の一員に加わり、姓が「アルノール」に変わっている。遊撃士協会には名前だけは残しているが、立場が立場である為、事実上は遊撃士を引退。カレイジャスIIでオリビエと共に新婚旅行に赴くも、ノルドで反軍縮派の帝国師団に拘束されてしまうが、リィンらの活躍により救出。この時点でオリビエとの子を妊娠している。
- 人物
- リベールの若手遊撃士の中でも1、2を争う凄腕で、エステル、ヨシュアらの遊撃士としての師でもある[4]。自身は自他ともに認めるカシウス・ブライトの一番弟子であり、彼のことを「先生」と呼んでいる[14][21]。
- 芯の強い人物で[13]、姉御肌で後輩たちの面倒見も良いが、大酒飲みでカラミ上戸という悪癖も持つ[W 1]。
- 物腰は丁寧だが、口が悪いところもあり、エステルに教育上良くない単語を教えていたりもする[18]。また、敵に対してはサディストの一面をみせることもある
- 酒は未成年の頃から嗜んでおり[3]、酒量は底なしで[29]、酒好きのサラでさえ撃沈するほどの大酒飲み[59]。加えて酒癖の悪さは折り紙付きで、本人は自分と同じペースでゆっくり酒を楽しんでほしいだけだと語るが、そのペースは相当に速く[29]、絡み酒でもあるため[58]、同席する機会が多いオリビエから恐れられている。
- 同年齢の遊撃士であるサラのことは意識しており、サラは最年少のA級遊撃士で若手ではトップクラスで、カシウスにも頼りにされていたことから嫉妬を感じていたが[63]、酒好きという共通点があり、一度飲んだら意気投合した[22]。
- 口癖は「慎重に、そして確実に」で、準遊撃士時代から口にしている言葉であり[58]、後輩のエステルやアネラスも真似して使っている[31]。
- アガット・クロスナー
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」S・『創』P
- 声:近藤孝行
- 年齢:24歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→25歳(「the 3rd」[W 3])→28歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[1][書 22])
- 「《
重剣 》のアガット」の異名を持つ正遊撃士。二つ名の示す通り身の丈を超すほどの巨大な剣を武器としており[64]、直接攻撃を中心としながらアーツは補助に使うという戦闘スタイル[30]。 -
- 来歴
- 「FC」の10年前の《百日戦役》で故郷のラヴェンヌ村が戦火に晒され、妹を亡くす[12]。妹の死に責任を感じたことで、償いの方法を探し求めて村を飛び出し、その答えが見つからない憤りから荒れた生活を送る[12]。
- ルーアン地方に流れ着き、不良集団《レイヴン》のリーダーをしていたが、カシウスによって更生し[注 27]、遊撃士になる[16][注 28]。
- 「FC」 - ボースでの空賊事件が起きる少し前に、カシウスから黒装束の男たち(情報局の特務兵たち)の調査を頼まれ[2]、道すがらエステルらとも顔を合わせる[57]。特務兵を追ってツァイスまでたどり着き、そこでエステルとヨシュアに協力し、誘拐されたラッセル博士を救出し、ラッセル博士とティータを安全な場所まで連れて逃げる役目を買って出る[2][注 29]。
- 「SC」 - 《身喰らう蛇》の調査を依頼され、王国内を回る[30][注 30]。「FC」から「SC」において《剣帝》レオンハルト(レーヴェ)とはたびたび激突し戦っていたが[2][注 31]、彼の正体が判明した「SC」では全く歯が立たず敗北し、手加減されていたことが判明する[12]。そのことから一時自暴自棄になってしまうが、ティータや仲間たちの支えによって立ち直り[12]、レーヴェも認めるほどの剣士へと成長を果たした[20]。
- 「the 3rd」 - ツァイスに到着し、飛行船発着場でダン・ラッセルと出くわしたところで《影の国》事件に巻き込まれる[13]。
- 「閃III」 - 帝国の遊撃士協会を助けるため、シェラザードとともに帝国入りし[9]、トールズ士官学院・第II分校に入学されたティータの付き添いも務める[67]。14年前にリベール王国と帝国の間に起こった《百日戦役》の発端となる《ハーメルの悲劇》の真相を探ろうと独自に動き出す。《第II分校》のサザーラント州での特務実習では、リィンたち《旧VII組》に協力し、ハーメル事件のことを話す[26]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後はトマスやランディと合流し、《黒の工房》ではリィンたちに加勢し脱出を援護する[51]。その後、ティータ(とアルフィン皇女)救出作戦[68]、パンタグリュエルでの極秘会談に参加[1]。パンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動し、最終決戦ではエステルらとともにリベール組で《塩の杭》のひとつの攻略を引き受ける[11]。
- 人物
- がさつな口調や熱い人柄の一方、遊撃士としての慎重さと冷静な判断力を持っており、状況に対しては思慮深く判断を下す。誰に対しても横柄な態度を取るものの、対応そのものは丁寧[12]。厳しい性格の持ち主でもあり、遊撃士の仕事に人一倍責任感とプライドを持っており、新米遊撃士のころのエステルたちに対しても甘えを許さなかった[16]。
- 地元であるリベール王国を中心に活動しているが、特定の所属支部を決めることはせず、王国全土を渡り歩いている[30][書 23]。しかし、ロレントにはカシウスがいるため敬遠して寄り付かず、そのため「FC」で旅するエステル、ヨシュアと実際に会うまで彼女らと面識がなかった[30]。カシウスのことを父親のように見ている節があり、(偉大な父親に反抗期の息子が持つような)コンプレックスを感じている部分がある[69][書 24]。
- 「SC」の古竜レグナートをめぐる一連の事件以来ティータに対しては頭が上がらなくなってしまい[12]、それ以降もティータとの関わりが深くなっていき、ともに戦った仲間たちからは「年の差カップル」とからかわれるようになった[13]。アガット本人はティータは年の離れた妹みたいなもので、妙に懐かれている関係だと言っているが[26][注 32]、ティータとの仲を知ったエリカ・ラッセルからは目の敵にされており、散々な目に遭わされることになる[66][72]。
- クルツ・ナルダン
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」・『暁』
- 声:金子英彦
- 王都グランセル支部所属の正遊撃士。29歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 槍術と東方由来の「方術」を操り、リベール王国ではカシウスに次ぐ実力を持つ遊撃士とされている[30]。後輩の育成にも積極的に取り組んでいる。遊撃士ランクは「SC」序盤の時点でB級で、もうすぐA級に昇格予定と言われている[30]。
- 実力は確かなのだが、作品中では桁違いの実力を持つ敵の相手をしているために不覚を取るシーンが目立つ。
- 新人の頃は王都グランセル支部の受付を兼業していたこともある[58]。「SC」でスポット加入する他、「FC」では武術大会で対戦相手として当たり、「the 3rd」では《影の国》によって守護者として再現され主人公たちの前に敵として現れる。「the 3rd」から「零」にかけてのエステルとヨシュアが不在の期間もリベール唯一人のA級遊撃士として実績を上げていたらしく、「暁」では市民にも犯罪者にも名前が知られている。また、とある事件の支援のためにクロスベルから派遣されてきたナハトとクロエに戦闘の指南を行った。リベール王国で爆破テロの予告があった際は王都防衛を担当し、単身で《ニーズヘッグ》の部隊員の20名以上撃破、同時に部隊長であるアイリを一撃で退けA級遊撃士の力を見せつけた。
- アネラス・エルフィード
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」P・『暁』P
- 声:大河内雅子
- 年齢:18歳(「FC」・「SC」[W 2])→19歳(「the 3rd」[W 3])
- ボース支部に所属する正遊撃士の少女。出身もボース地方で、「FC」で新米の正遊撃士として登場し、「SC」ではランクFに昇格している。大きなリボンが特徴でかわいいものに目がなく、「可愛いことは正義」が口癖[31][13]。
- 祖父ユン・カーファイから八葉一刀流を学んでおり[24]、直弟子にはあたらないものの[1]、総合的な潜在能力は高いとユンから評価されている[1]。アネラスにとってカシウスは剣の兄弟子にあたる。後にエステルの活躍に刺激され、よりいっそう修行に励むようになる。
- 「FC」登場時はただのサブキャラクターだったが一部で高い人気があったため、「SC」ではスポット加入を果たし、「the 3rd」でプレイヤーキャラクターに昇格してエステルらとともに行動するようになった[書 26]。
- 来歴
- 「FC」 - エステルらとボース地方で出会うほか[57]、終章の武術大会では対戦相手として登場する[14]。
- 「SC」 - 序章でエステルとともにル=ロックルに赴き、特訓をともにする[31]。その後、クルツらと探索任務を行い、ヴァレリア湖北西で《結社》の秘密施設を発見し潜入するが捕らえられ、ワイスマンの暗示にかけられてエステルらの前に敵として現れる。ケビンの法術により暗示から解放される[21]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》事件に巻き込まれる[13]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングで帝国の混乱収拾に協力するため大陸各地から派遣されてきた遊撃士の一人として登場している[35](服装が『空』の頃とは異なっている)。
- カルナ
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:大河内雅子(みんな集まれ!ファルコム学園) → 柚木涼香(『空Evo』)
- 主にルーアン地方を拠点に活動する女遊撃士。導力銃とオーバルアーツを得物とする後方支援型で、姉御肌。
- 「FC」、「SC」ではクルツ、アネラス、グラッツとのチームで活躍することが多い。「FC」では武術大会で対戦相手としてエステルたちと当たり[14]、「SC」ではワイスマンの暗示により[19]、「the 3rd」では《影の国》によって再現され[21]、それぞれ主人公たちの前に敵として現れる。
- 『暁』では、遊撃士を志したクロエに助言や支援を行ったことがクロエから語られる。
- グラッツ
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:近藤孝行(みんな集まれ!ファルコム学園)→ 野島健児(『空Evo』)
- ボース支部所属の正遊撃士。赤髪を特徴とする青年。大剣を得物とし、必殺技は「グラッツスペシャル」等、必ず自分の名前が頭についている。
- エステルとヨシュアとは護衛の任務の際に偶然すれ違い知り合った[57]。
- 「FC」、「SC」ではクルツ、アネラス、カルナとのチームで活躍することが多い。「FC」では武術大会で対戦相手としてエステルたちと当たり[14]、「SC」ではワイスマンの暗示により[19]、「the 3rd」では《影の国》によって再現され[21]、それぞれ主人公たちの前に敵として現れる。
- 『暁』ではクロエにその赤髪からアガットに間違えられていた。
- その他の所属遊撃士
-
- リッジ
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ロレント支部所属の正遊撃士[注 33]。エステル、ヨシュアと同じく、シェラザードに師事し、「FC」時点で遊撃士になって3年目の若手。
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- スティング
- 「FC」・「SC」に登場。ボース支部所属の正遊撃士。腕は立つが、無愛想で寡黙[注 34]。
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- メルツ
- 「FC」・「SC」に登場。ルーアン支部所属の準遊撃士。語尾に「ッス」と付けて砕けた口調で話す人物。
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- グンドルフ
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ツァイス支部所属の正遊撃士。ベテラン遊撃士で、カシウス・ブライトが抜けた後、リベール王国の遊撃士では一番の古株となる。
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- ウォン
- 「FC」・「SC」・「the 3rd」に登場。ツァイス支部所属で、若手の正遊撃士。東方出身。
- ロッコ、ディン、レイス
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- ダン・ラッセル
- リベール王国で活動していた元遊撃士。詳細は「#ダン・ラッセル」を参照。
受付
[編集]- アイナ・ホールデン
- 登場作:『空』・『創』
- 声:鹿野優以
- ロレント支部の受付。
- シェラザードをザルとしたらアイナはタガが外れているというほどの酒豪で、いくら酒を飲んでも顔色一つ変えない[57]。そのせいで何も知らず飲みに付き合ったオリビエ(オリヴァルト皇子)は悪夢を見ることになり、それがトラウマと化している[14][29]。「SC」では彼女に一目惚れしたアントンが、絶対に酔わない薬を使って飲み比べ勝負を挑んできたが、用法を誤ったために酔いつぶされている[12]。
- 実はホールデン飛行公社という会社を経営する富豪の家の出で、アイナが祖父サウル・ジョン・ホールデンの遺産を相続することになったことを発端とする遺産相続問題の時に当時準遊撃士のシェラザードに助けてもらっており、彼女とはその頃からの付き合いである[58]。なお遺産はアイナに相続完了された直後、彼女の意思でリベール王国の福祉政策に全額寄付された[58]。
- 仲間からの信頼は厚いが、慎重な性格と行動から急を要する事態では周囲と意見がくいちがうこともあった。
- ルグラン
- 登場作:『空』
- 声:平井啓二
- ボース支部で受付を務める好々爺。リベールの遊撃士支部では古参であり、皆からは「ルグラン爺さん」と呼ばれている。《百日戦役》以前は当時のリベールで唯一の支部であった王都グランセル支部で受付を務めており、《百日戦役》後に他の五大都市にも支部が設立され始めた際、新設されたボース支部へ赴任した[12]。
- ジャン
- 登場作:『空』
- 声:石川英郎
- ルーアン支部の受付。人当たりが良く優秀なのだが、好奇心が強く不要なことにも首を突っ込みたがるのが玉にキズ。
- キリカ・ロウラン
- ツァイス支部の受付。詳細は「#キリカ・ロウラン」を参照。
- エルナン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:岸尾だいすけ
- グランセル支部の受付。物腰が柔らかく、礼儀正しい青年。「the 3rd」でシェラザードが準遊撃士だった頃の話(「FC」の話より5年前)では登場していないことから[58]、リベール王国で受付を務めるようになってから5年も経っていない可能性がある。情報収集・分析能力に優れているだけでなく、作戦立案など用兵にも通じていて、「FC」では軍の1個中隊と特殊部隊が守るエルベ離宮解放作戦を立案し、精鋭とは言え10数人程度の兵力での制圧を成功させている[3]。
王族とその関係者
[編集]- クローディア・フォン・アウスレーゼ(クローゼ・リンツ)
- 登場作:『空』P・「碧」・『暁』P・「閃IV」・『創』
- 声:皆口裕子
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→17歳(「the 3rd」[W 3])→18歳(「碧」[書 27])→20歳(「閃IV」[注 35])
- 女王アリシアII世の孫。「FC」・「SC」では身分を隠して偽名クローゼ・リンツを名乗り、ジェニス王立学園に通う女学生として登場した。「SC」途中で次期女王となる決意を固め、王太女となる[32]。
-
- 来歴
- 生まれて間もない頃(1187年)に両親を亡くし、祖母に引き取られて育つ[16][73]。
- 《百日戦役》(1192年)の際、たまたま訪れていたルーアンで混乱に巻き込まれて保護者と離ればなれになり、戦役が終わるまでの数か月間をルーアンで孤児院を営む夫妻の世話になり、家族がどのようなものか知る[16]。
- 「FC」の1年前(1201年)に、「クローゼ・リンツ」として身分を隠してジェニス王立学園に編入の形で入学[74]。当時生徒会長だったレクター・アランドールらと知り合う[74]。
- 「FC」 - ジェニス王立学園の2年生として在学中、エステルとヨシュアが学園に滞在することになり、行動をともにする[16]。その間にヨシュアに好意を寄せるようになるが、エステルとヨシュアの互いの気持ちを知っているため、自らは一歩引いてエステルを応援する立場をとる[30]。エステルらと一旦別れた後、女王生誕祭に合わせて王都に帰省したところでリシャールら情報部に囚われ、エステルらに救出され、自らの身分を明かす[14]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後、ジェニス王立学園で普段通りの生活に戻っていたが、ヨシュアを探す旅をしていたエステルに協力し、旅の仲間となる[30]。デュナンと並ぶ王位継承順第1位であり[14]、「SC」の物語の中で、自分が次期国王として相応しくないのではないかと思い悩み続けるが、エステルたちとの交流の中で決意を固め、略式ながら立太女の儀を経て王太女となる[32][注 36]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》事件に巻き込まれる[29]。
- 「碧」 - 祖母アリシアの名代として「西ゼムリア通商会議」に出席するためにユリアとともにクロスベルを訪れる[37]。会議に先立って、オリヴァルト皇子とともに特務支援課に接触し、会議を取り巻く事情を語り、《帝国解放戦線》と《反移民政策主義》によるテロが発生する可能性を密かに伝える[37]。
- 「閃IV」 - リベール王国代表としてカシウスとともにパンタグリュエル号を訪れ、《千の陽炎》作戦への参加を承認する[1]。
- アリシア・フォン・アウスレーゼ(アリシアII世)
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:笹木綾子(『空』ドラマCD)→勝生真沙子(『空Evo』)
- リベール王国の女王で、第26代国王[25]。60歳(「FC」[14][注 37]・「SC」)。
- 40年以上に渡って王国を統治し[73]、巨大な軍事力を誇る帝国と共和国に挟まれながらも、したたかな外交力で互角の立場を維持させている。慈愛をもって国政に励む姿から国民に慕われている。クーデターを起こしたリシャール[75]、強盗と脱獄の罪を犯したカプア一家らに対し[76]、国に貢献したという理由で恩赦を与えている。
- 《百日戦役》は裏面の事情を知らされていたが、苦悩の末、一日でも早い平和の実現のために停戦協定に応じた[77]。《ハーメルの悲劇》については帝国とともに沈黙することになり、その後も後悔を抱えることになる[25]。
- 『空』のリベール王国を取り巻く設定は『アップフェルラント物語』の影響があり[書 29]、アリシアII世は同作のカロリーナ2世からのフィードバックが見られる。
- デュナン・フォン・アウスレーゼ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:阪口大助
- 公爵。アリシア女王の甥であり、クローディアと並んで王位継承順第1位に位置する次期国王候補の一人。劇画雑誌を読むことが趣味でドーナツが好物。35歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 放蕩癖があり、わがままで思慮の足りない性格ゆえ、いつも執事のフィリップを困らせている。酒癖が悪く、酔った時にメイドに扮したエステルと出会い「夜伽」を命じたりしていた[14]。
- 国王の座をチラつかされ情報部に利用されたものの、アリシアII世のことは君主としても伯母としても非の打ち所のない人物として尊敬している[29]。クローディアのことは女王としての器がある可能性については認めつつ、公式行事などにも出ず、上に立つ者としての覚悟を示していないことに苛立ちを覚えていた[29]。
- 「FC」では「劇中随一の愚者」というていで[書 30]、王族でありながらエステルらからも軽口を叩かれるなどするが、「SC」では人が変わったかのように王城の政務に精励するようになる。
- 「FC」終盤、エステル、シェラザードの怒りを買う発言をしてクローディアにも「さすがに弁護できない」と言われ3人の敵として登場するが、倒してしまうとボーナスポイントが得られなくなる。
-
- 来歴
- 「FC」 - アリシアII世が、自分を差し置いて女王になる覚悟も固まっていない未熟なクローディアを次期女王に指名しようとしていることに納得しておらず[29]、リシャールにそそのかされ、次期国王の座を餌に反乱の片棒を担ぐことになる[14]。
- 「SC」 - 反乱の片棒を担いだ罰としてエルベ離宮で謹慎の身だったが、人目を忍んで抜け出したところをカノーネらに捕らわれ、人質同然の状態でリシャール救出作戦に同行させられる[29]。デュナンとしてはもう懲りており、国王の座を約束されても情報部に協力するのは嫌がっていた。クローディアとエステルに叱咤され、次第に感化されていき、救出されてからは真面目に政務をするようになる。終盤、結社による王都襲撃の際には自ら兵を指揮して女王の楯となり、王族の意地を見せて男を上げた。この際、ブルブランとルシオラから「少々噂とは違っていた」、「少なくとも放蕩者には見えなかった」と評価を改められる[32][注 38]。
- 『暁』 - 武闘大会におけるカシウス暗殺阻止作戦に乗り、無知を装いながら司会を務めたが相手が猟兵団であることから内心恐怖し続けており、作戦成功時には緊張の糸が解けたのか気絶してしまった。
- 「閃IV」 - 登場はしない。エレボニア帝国の帝都ヘイムダルで開催された第二次・西ゼムリア通商会議にリベール王国代表として出席したことが『帝国時報』で報じられている[78]。
- フィリップ・ルナール
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:麻生智久
- デュナン公爵の教育係にして公爵の執事。公爵のわがままに振りまわされながらもその身を気遣い続ける苦労人。主人とは対照的に礼儀正しく、エステルらに対しても腰の低い態度を見せる。
- かつては「鬼の大隊長」と呼ばれた元王室親衛隊の大隊長であり、5つの神技を操る《剣狐》とも呼ばれるレイピアの達人[21][書 31]。老いてもなお実力は健在であり、実際の戦闘シーンはないものの、「SC」においてはグランセル城を襲撃してきた4人の《執行者》を相手に戦い、ヴァルターから「歯ごたえがあったのはあのジジイくらい」、ルシオラからは「なかなかの達人」と評されている[32]。
- 「the 3rd」にて、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちに立ちはだかる第一の関門として戦いを挑んでくる[21]。秘技「エスメラスハーツ」の演出は普段の穏やかな性格とは想像もつかないほどに派手で、高威力を誇る。この時にレンをパーティーに加えていると「ヴァルターやブルブランとばかり遊んでいてレンとは遊んでくれなかった」というやり取りが見られる。
- ヒルダ夫人
- 登場作:『空』
- 声:大越多佳子
- アリシア女王の信任厚いグランセル城の女官長。デュナン公爵の執事フィリップとは幼馴染みの間柄。「FC」でエステルたちを女王と引き合わせる仲立ちを行う[14]。
- セレスト・D・アウスレーゼ
- 登場作:「SC」(名が語られるのみ)・「the 3rd」(名が語られるのみ)
- リベール王家の始祖で、およそ1200年前の人物。《輝く環》を封印するため、仲間とともに《封印機構》を組織した。#隠者の庭園の住人も参照。
王国軍
[編集]掲載順番は階級順。
- モルガン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:小原雅人
- リベール王国軍の国境師団所属の将軍[注 39]。62歳(「FC」・「SC」[書 25])。
- 《百日戦役》で帝国軍を撃退した功労者として知られ、リベール王国では教科書にも載っている[57]。
- 「FC」でエレボニアとの国境に位置する要塞ハーケン門の守将として登場する[57]。非常に頑固かつ短気な性格で、怒鳴り声のすさまじさは有名で、怒鳴られた新兵が泣くこともある。また極度の遊撃士嫌いでもある(これは、過去に自身の有能な部下であったカシウス・ブライトが軍を辞め、遊撃士としての道を歩んだことに起因する)。孫には弱い。
- 軍の機甲化以前は大斧槍(ハルバード)を得物として数多の敵兵を粉砕し、「リベールの武神」と称された豪傑[21]。前線に立たなくなった今でも毎年のように「武術大会」に出場している[29]。「the 3rd」にて他の軍人たちと同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちに立ちはだかる敵として戦いを挑んでくる[21]。
- カシウス・ブライト
- 《百日戦役》時に反攻作戦を立案・指揮。その後退役して遊撃士となるが、「FC」のクーデター事件後に軍に復帰。名目上、王国軍のトップはモルガンのままだが、モルガンの意向により、事実上のトップとなっている[31]。
- アラン・リシャール
- 登場作:「FC」B・「SC」・「the 3rd」P・『暁』P
- 声:三浦祥朗
- 年齢:34歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→35歳(「the 3rd」[W 3])
- 王国軍情報部の責任者を務める大変な切れ者。
-
- 来歴
- 士官学校を首席で卒業し、カシウス・ブライト率いる独立機動部隊に配属される[14]。以降、カシウスが退役するまで公私に渡って世話になり、《百日戦役》もカシウスの下で戦い、多大な戦功を挙げる[14]。カシウスの退役後は軍作戦本部に転属し、ここでも多大な功績を残す[14]。
- 「FC」の前年(1201年)に、情報部の設立を提案し容れられ、アリシアII世の承認の下、王国軍に情報部が発足し、その初代指揮官となる[14]。その後、「アルバ教授」を名乗っていたゲオルグ・ワイスマンの記憶操作能力によって《輝く環》の存在だけを記憶に残され、「王宮の地下に至宝が封印されている」という偽りの記憶を植えつけられ利用され始めてしまう[14][注 40]。
- 「FC」 - 情報部を率いて陰謀を進め、最終的に王城を掌握し、王城地下の封印区画に到達する[14]。自身が信じた計画は達成したものの、封印区画に《輝く環》はなく、意図せずに《第一結界》を解除してしまい、《環の守護者》トロイメライを復活させてしまう[14]。トロイメライと戦うエステルたちを援護するが、反撃され窮地に陥る[14]。そこを駆けつけたカシウスによって救われ、叱咤されたことで過ちを受け入れ改心、捕縛された[14]。
- 「SC」 - 国事犯として収監されていたが、未だに自分を崇拝していたカノーネがリシャール救出のため反乱を起こしたため、カシウスの計らいにより、自暴自棄となった彼女を説得する役目を与えられ、情報部の解散を宣言して彼らの未練を断ち切る[29]。終盤ではカシウスの計略に従い、結社《身喰らう蛇》の執行者たちによる王都襲撃を旧情報部の特務隊とともに阻止し、自身はシードとともに王城に駆けつけ、女王やエステルたちの窮地を救う[32]。その後はハーケン門に向かったエステルらに代わって、王都の守りを王国軍とともに引き受ける[44]。
- 「SC」の後、王都を結社の襲撃から守った功績から、アリシアII世から恩赦を受け釈放された[75]。軍を退役して故郷のルーアンに戻り、カノーネらかつての部下とともに民間の調査会社「R&Aリサーチ」を立ち上げ所長に就任する[79]。
- 「the 3rd」 - プレイヤーキャラクターのひとりとして登場[44]。退役したにもかかわらず情報部時代の軍服姿で《影の国》に送り込まれたことにとまどいつつ[44]、ケビンらに協力して《影の国》攻略にあたる。《影の国》の出口が現れると、名残惜しさから誰も動かない中、年長者の務めとしてジンとともに最初に《影の国》を去る[44]。
- 「碧」 - 登場はしない。クロスベル市解放作戦の頃、カルバード共和国のアルタイル市に出向いてきていることをレインズが語っている[8]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。王国の五大都市で帝国軍情報局が暗躍しており、R&Aリサーチ社がそれに対抗して動いていることが語られている[61]。終盤、レインズから帝国の状況について報告を受けている[34]。
- 人物
- 王国軍に入隊以来、カシウスの部下を務め、彼の不在を惜しむ気持ちと愛国心の強さから、彼なしのリベールの将来に強い不安を覚えており、その心の隙をワイスマンに突かれてしまう[14]。
- カシウスからリシャールへの信頼も厚く、彼が《百日戦役》後に軍を退役したのも「おまえ(リシャール)がいたから安心して軍を辞めることができた」と後に語っている[14]。リシャールの退役後も、リシャールが戻ってくれば自分はリシャールとシードに軍務を押し付けて自分は退役できるとカシウスから惜しまれている[21]。
- 本来は穏健派であり、問題が起こった際には仲裁役を買って出て場を沈めるタイプである。
- 退役後も多くの者から「大佐」と呼ばれ、その度にもう大佐ではないと訂正している。
- 八葉一刀流
- カシウスより剣術の指南を受けた居合いの達人で、八葉一刀流・五の型《残月》を多少アレンジして用いている[24]。その居合は神速と評され[14]、刀を鞘に納めるまで敵に斬られたことを気付かせないほど高速で鋭い。
- ユン・カーファイの直弟子ではないものの、素質は自分より上かもしれないとカシウスから評されており[34]、《剣聖の後継者》と目されている人物でもある[21]。「the 3rd」では既に軍は退役しているが、カシウスから継いだ剣はどんな立場であろうとも活かすことができるとして、剣の道を引き継いだことの覚悟を示している[21]。
- マクシミリアン・シード
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:高塚正也(『空』ドラマCD)→石川英郎(『空Evo』)
- リベール王国の軍人で、《百日戦役》以前はカシウスの部下だったこともある。既婚者。
- 戦闘ではリシャールに匹敵すると言われ、カシウス仕込みの剣技に加え、高度なアーツも駆使する。遠距離・近距離と距離を選ばない戦い方を得意とする。守備を要とする作戦で特に力を発揮するため、防衛作戦の際に指揮を執っている描写が多い。
- 律儀な性格をしている[21]。
-
- 「FC」 - レイストン要塞の守備隊長として登場[2]。リシャールに家族を人質に取られており、ラッセル博士誘拐などに協力させられるが、服従している振りをしながらエステルらを密かに手助けし、密かに博士を逃がす作戦に協力する[2]。
- 「SC」 - クーデター鎮圧時の活躍により、中佐に昇進[69]。カノーネからは「ただの昼行灯」と見られていたが、彼女が王都襲撃を計画した際は、それを見越してユリアを派遣し、彼女の襲撃を阻止する[29]。リシャールとは前作で脅迫を受けて服従させられていた関係だが、彼に私心がなく愛国心から動いたことは認めており、その彼が投獄されたことで昇進したも同然のため、カノーネの取調べの際には彼女からそのことを責められて気まずそうにしている[29]。ストーリー終盤にて執行者たちに王都を襲撃された際は、リシャールとともにエステルたちに加勢し執行者たちを退かせる[32]。
- 「the 3rd」 - モルガンやフィリップ同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。この時点で指揮に関してはリシャールを超えているとリシャールに評されている[21]。
- 『暁』 - 大佐に昇進。ユリアとともに女王生誕祭におけるカシウス暗殺を阻止し、元ジェスター猟兵団員たちを捕縛する。
- カノーネ・アマルティア
- 登場作:『空』B・『暁』P
- 声:甲斐田ゆき
- 年齢:27歳(「FC」・「SC」)
- 王国軍情報部に所属する女性士官で、階級は大尉。
- リシャールに心酔しており、(彼と異なり暗示にかけられていたわけではないが)「FC」で彼の計画に加担する。知略を得意とし、リシャールの副官として作戦指揮の補佐をする立場にある[14]。
- ユリアとは士官学校の同期であり、自身の「文のカノーネ」に対して彼女は「武のユリア」と並び称されており、現在も強いライバル心を向けている。しかし互いに相手の気に入らない部分を意識しながらも当人を嫌ってはいなかった。
- 佐官にすぎないリシャールを「閣下」と呼んでいるが、これはリシャールもあまり良く思っていない[21]。
-
- 来歴
- 士官学校を優秀な成績で卒業し、軍作戦本部を経て、新設された情報部に異動し、リシャールの副官となる(1201年)[14]。
- 「FC」 - クーデター事件の中核に関わり、最終的にエステルたちに倒されるが、その後の混乱に乗じて逃亡したことが語られている[14]。
- 「SC」 - 結社《身喰らう蛇》の執行者であるレンからゴスペルを渡され[21]、収監されているリシャールを救うべく、元情報部の残党を集めて再起を図ったが、エステルたちに阻止される[29]。リシャールを助けられなくなったことで自暴自棄となるが、カシウスが連れられてきたリシャールに説得され、情報部解散を告げられたことで使命感から解放され泣き崩れる[29]。物語終盤、《結社》の執行者たちによる王都グランセル襲撃に際して、元情報部の特務隊を指揮して王都防衛にあたる[32]。
- 「SC」の後、王都を危機から救った功績により、リシャールらとともにアリシアII世から恩赦を受け、リシャールを追って軍を退役[75]。リシャールとともに民間の調査会社「R&Aリサーチ」を立ち上げ、秘書として補佐している[75]。
- 「the 3rd」 - 他の軍人らと同様、《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。
- オルグイユ
- 王国軍情報部が密かに製造していた導力戦車。最新鋭の技術が盛り込まれており、エレボニア帝国の戦車の二倍の火力に値するという。欠点としてはそれだけの兵器を動かすためのエンジンが手に入らないこと。そのため完成の一歩手前で保管されていたが、新型エンジンが手に入ったことでカノーネら情報部の残党によって完成。彼女たちの切り札となり、王城を襲撃して女王アリシアを拉致し、リシャール救出の材料にしようと画策していた。内部にはカノーネが入り込んで操縦する。圧倒的な火力と装甲によって他を寄せ付けない強さを披露するが、ケビンが手にしていたアーティファクトをぶつけられたことで大破。カノーネとの直接対決となり、決着をつけることとなる。
- ユリア・シュバルツ
- 登場作:「FC」・「SC」S・「the 3rd」P・「碧」・『暁』P
- 年齢:27歳(「FC」・「SC」[W 2])→28歳(「the 3rd」[W 3]・「碧」[書 33][注 15])
- 声:小松由佳
- リベール王国で女王直属の王室親衛隊で責任者を務める女性士官。クローディア姫の護衛兼養育係も兼務している。
-
- 「FC」 - 階級は中尉で、王室親衛隊の中隊長。この時点で王国親衛隊には大隊長がいないため、実質的な親衛隊長を務めている。新造された親衛隊所属艦アルセイユ号の指揮を任されており、試験飛行をしている際にルーアンで起きたダルモアの事件に介入し、その際にエステルらと面識を得る[16]。その後、情報部の陰謀により親衛隊が陥れられると[2]、自らは七耀教会のシスターに扮して再起の機会をうかがう[14]。
- 「SC」 - 大尉に昇進し、当初は親衛隊中隊長だが[29]、物語終盤で親衛隊大隊長となり名実ともに同隊の責任者となる[33]。終盤、アルセイユの艦長としてエステルらを同艦に乗せて《リベル=アーク》に乗り込む[33](PSP版からはプレイヤーキャラクターとして、終章でパーティーに加えることが可能になった[W 10])。
- 「the 3rd」 - アルセイユで演習に出ていたところ[29]、《影の国》事件に巻き込まれる[30]。
- 「碧」 - 准佐に昇進。引き続きアルセイユの艦長とクローディア王太女の護衛を兼任しており、彼女とともにクロスベルにやってくる[37]。
- 『暁』 - 女王生誕祭におけるカシウス暗殺計画を阻止するためにシードとともにカシウスの計略に加わり、首謀者のジェリコ部隊長と交戦、一撃で撃破する。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。少佐に昇進していることと[63]、《千の陽炎》の準備のためクローディア王太女に同行できず、リベールに留まらざるを得なかったらしいことが語られている[22][注 42]。そのためか、クローディア王太女はパンタグリュエルにはアルセイユではなくパンタグリュエル搭載の飛行艇で来訪している[1]。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に(ジークとともに)参加している[62]。
- 人物
- 生真面目な性格で、姫の護衛兼養育係としての職に誇りと愛着を持っている。
細剣 ()を用いた剣技を得意とし、士官学校時代にカシウスから剣術の基礎を学び、その後も自分で研鑽を積み、その実力は王国軍の若手で最強と言われている[29]。自身はクローディアに剣術を指南したため[74]、彼女も細剣を用い、指南する際に剣は人を守るために振るうよう教える[16]。- 凛々しい立ち居振る舞いからか士官学校時代から女性ファンが多く[66]、「the 3rd」ではリベール通信で特集記事が組まれたために、グランセル城に大勢の女性が押し掛ける騒ぎになったエピソードが語られている[80]。ミュラーとは似たもの同士ということで気が合うようであり[80]、「閃IV」でも交流が続いている[63]。
- グランセル大聖堂と関係が深く、聖典についても知識を持つ[13]。
- ジーク
- ユリアを主人としているシロハヤブサで、親衛隊の伝令係を務めている[14]。『空』では「クローゼ」として生活するクローディア姫の護衛を兼務して常に寄り添っており[14]、彼女の友達でもある[16]。
- 時速1,800セルジュほどで水平飛行することができ、これは旅客飛行船の倍の速度であり、導力通信を除けばこの世界で最速の情報伝達手段であることから伝令係を任せられており[69]、『空』本編の中でも活躍することになる。
- 「the 3rd」ではクローディア王太女ともども《影の国》に巻き込まれている[29]。
- 『空』の戦闘ではクローゼのクラフト「ケンプファー」で参加する。
- ロランス・ベルガー
- 詳細は「#レオンハルト」を参照
- 情報部の特務部隊隊長で、階級は少尉[14]。元は傭兵だったが、リシャールによって引き抜かれたという経歴を持つ[14]。その実力は底知れず、リシャールよりも強いとされている[14]。実際は名前も経歴もフェイクであり《結社》のエージェントとしてリシャールを監視していた。
- センダー
- 登場作:「the 3rd」・『暁』P
- 情報部特務部隊の若手。「3rd」のイベントではクーデター後も王国軍に残留し、社長となったリシャールの愛国心を慕い王国軍に戻るように説得するが、拒否されてしまう[79]。
- 『暁』では少尉に昇進し、顔グラフィックも追加された。女王生誕祭におけるテロ予告に対して爆弾処理班を率い、作業員に変装させて処理させるなど情報部時代の経験を生かして活躍した。
各市長とその関係者
[編集]- クラウス
- 登場作:『空』
- 声:増谷康紀
- ロレント市長。温厚かつ気さくな性格で市民からも支持されているが、やや警戒心に乏しい一面も持つ。動揺すると、人並み以上に取り乱すなどの部分もある[注 43]。
- メイベル
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:木戸衣吹
- ボース市長。前市長であった父の死後すぐに市長職を継いでいる[12]。市長としては有能で商家の出であり、年は若いが並外れた経営手腕を以って商業都市を支えている。特に自らがオーナーを務めているボースマーケットにかける情熱は並ならぬものがあり、市民からの信頼も厚い。
- 信心深いとは言えず、教会のお祈りはサボる癖があり、シスターやメイドのリラを困らせており、(市長としての)素行に関しては難があり、それにはシェラザードからも断言された。
- リラ
- 登場作:『空』・『暁』・「黎II」・「界」
- 声:山崎エリイ
- メイベル市長のメイド。口数が少なく職務に忠実。自らの体調も顧みず仕事に没頭するメイベルを心配しているなど慕っているが、我儘だと思っている所もある。本名は「レーニ」といい、出身はレマン自治州。《百日戦役》の頃、親子でボース市を訪れていた折に戦災で両親を亡くし、メイベルの父に引き取られて育つ。
- モーリス・ダルモア
- 登場作:「FC」・「SC」・『暁』
- 声:平野正人
- ルーアン市長。元貴族の家柄で、代々治めていたルーアンの代表となっている。表向きは人当たりがよい市長ではあるが、個人的な借金から1億ミラにも及ぶ莫大な公費を横領し、孤児院への放火事件などを起こして逮捕される。このとき、家宝でもあったアーティファクト「封じの宝杖」も没収されている。「SC」では保釈中の身ではあるが、王都でセピス屋を営んでいる。
- ギルバート・スタイン
- ジェニス王立学園OBで、ダルモアの秘書。詳細は「#ギルバート・スタイン」を参照。
- ノーマン
- 登場作:『空』
- 声:山本圭一郎
- 選挙で選ばれたダルモアの後任市長。ホテルの経営者であり観光業推進派だが、古くからルーアンの経済を担ってきた港湾の産業の重要性にも理解を示している柔軟派。
- マードック
- 登場作:『空』
- 声:幸野善之
- ツァイス中央工房の工房長で、ツァイス市長としての役割も担っている。仕事だけでも多忙な上にラッセル父娘のトラブルの対応などもあり、心労が絶えない苦労人。
ラッセル家
[編集]- ティータ・ラッセル
- 声:今野宏美
- 年齢:12歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2])→13歳(「the 3rd」[W 3])→16歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[22])
- 登場作:『空』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」P・『創』P
- 高名な導力学者アルバート・ラッセル博士の孫娘であり、ツァイス中央工房(ZCF)の見習い技師。
-
- 来歴
- 「FC」 - ツァイス中央工房(ZCF)の見習いとして登場し、エステルらと行動をしばらくともにする[2]。祖父ラッセル博士が情報部によって誘拐される事件が発生し、エステルらによって博士が救出された後、博士とともにアガットに守られて逃避行に出ることになる[2]。物語終盤、女王生誕祭近くに彼らとともに王都に行き、王都地下施設の攻略を始めたエステルたちに協力する[14]。
- 「SC」 - 王都での事件後はツァイスに戻っていたが、ツァイスに再びやってきたエステルに同行を申し出、旅をともにするようになる[69]。途中、正体を知らぬままレンと知り合い[29]、彼女の正体を知ってからはその間違いを正したいと考えるようになる[43]。ボース地方の古代竜《レグナート》による事件に際して、以前より慕っているアガットの過去を知るとともに、《剣帝》レオンハルトとの敗戦などで消沈する彼に活を入れて立ち直らせる[12]。
- 「the 3rd」 - ツァイスで月一のアガットの訪問を待っていたところ、《影の国》事件に巻き込まれた[81][注 44]。
- 「閃III」 - オリヴァルト皇子とジョルジュから、高名な導力学者であるG・シュミットが顧問を務める色々な技術に触れられる学校が帝国にできると聞き、自分の可能性を広げるため、留学を決意する[9]。反対する周囲をレンの協力もあって説得し[9]、トールズ士官学院・第II分校に入学[67]。《IX組主計科》にクラス分けされ[67]、クラブ活動は料理研究会に所属。ミュゼや新VII組とも特別演習などを通して仲良くなっていく。シュミットに弟子候補として師事して導力技術を学びつつ、機甲兵や戦術殻という謎の技術を自分の目で確かめ、シュミットから「四番弟子」と認められるようになる[82]。修行の成果として、「オーバルギアIII」を完成させる[9]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》後、アルフィン皇女とともに囚われの身となるが[51]、アガットやVII組の尽力で解放される[68]。リィンらと行動をともにし、本校生らによって占拠されていた第II分校をランディやVII組とともに解放する[83]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、エステルたちと再会し[1]、以降は《光まとう翼》の一員として活動する[61]。
- 人物
- 健気な性格とかわいらしい容姿で、周囲の誰からも可愛がられている。祖父アルバートの影響か、機械をいじり始めると周囲が見えなくなるほど没頭してしまうこともしばしばある[注 45]。
- 何かを決断すると頑固なところがあり、「SC」でエステルの旅に同行を申し出た時や「the 3rd」でオーバルギア開発計画に参加を申し出た時、祖父のラッセル博士や母エリカに譲歩させている[69][66]。
- 両親は技術者で、国外へのオーブメント技術指導のためにほとんど家にはいない。親交を深めてからは、エステルとヨシュアを「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」と呼び、兄姉のように慕っている。また、アガットの不器用な優しさを身を持って知り、彼を「大切な人」と呼び好意を寄せている。そのことを知った母・エリカが娘かわいさにアガットを目の敵にするが、当のティータ本人は原因が自分であることと判らず戸惑っている[66][72]。
- 大型の導力砲とラッセル博士秘蔵の火薬式ガトリング銃を操る。「閃III」でも、プレイヤーキャラとして戦闘に参加する際はオーバルギアIIIに乗っているが、他の士官学院生と共闘する時には導力砲を携えている。
- アルバート・ラッセル
- 声:青野武(『空』ドラマCD)→龍田直樹(『空』OVA、『空Evo』)、玉井勇輝(「界」)
- 登場作:『空』・『暁』・「界」
- ティータの祖父で、リベール王国随一の導力学者[2][書 34]。
導力器 ()を発明したC・エプスタイン博士の直弟子で、G・シュミットやL・ハミルトンと並ぶ「三高弟」の一人[2]。ツァイス中央工房(ZCF)の設立者であり初代工房長[73]。68歳(「FC」[W 1])。 - リベール王国において導力器の普及を促したことから「導力革命の父」とされ[85][注 46]、王国における成功により、それまであまり良い印象を持たれていなかった導力器に対する人々の認識を改めさせ[85]、その名はリベール国外でも《導力革命》の功労者の一人として広く知られる[87][88][89]。
- 作品本編の時代も現役で発明を続けており、作品中ではその発明品を用いてエステルらにたびたび協力する。
-
- 来歴
- 「FC」のおよそ50年前(1150年頃)、レマン自治州でC・エプスタインの弟子の一人として導力器の技術を学び、エプスタインの死にともない、1155年にリベール王国に帰国[73]。
- 1157年、ツァイスの時計職人組合と組んでツァイス技術工房を設立し[73]、レマン自治州以外で初めて導力器の製造に成功[85]。その後も導力飛行船などを発明[73]。ラッセルの取り組みにより、導力器は徐々に普及していくことになり、リベール王国は導力器先進国となっていく[73][85]。
- 「FC」の10年前(1192年)の《百日戦役》でリベール王国が帝国の侵攻を受けた際は、王国軍大佐カシウス・ブライトからの依頼に応え[12]、レイストン要塞で警備飛行艇を開発し、それを作戦に組み込んだカシウスにより王国軍は反攻に成功する[25][90]。
- 「FC」 - エステルらに《黒の導力器》の解析を依頼される[2]。情報局に囚われるが、エステル、ヨシュア、ティータ、アガットの尽力で解放され、その後は一時的に身を潜める[2]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後はツァイスに戻り、同地方でヴァルターが起こした事件でエステルらに協力する[69]。結社《身喰らう蛇》が《ゴスペル》による導力停止現象を広範囲で発生させる可能性を想定したカシウスにより対策を望まれ[12]、《零力場発生器》を発明して密かに準備し、《リベル=アーク》が出現して《導力停止現象》が始まると試作品を王国軍と遊撃士協会に提供して通信の回復に一役買う[32]。終盤、試作品を基にアルセイユ用に大型の《零力場発生器》を作成し、エステルらが《リベル=アーク》に乗り込む手立てを与え[32]、自身もアルセイユに同乗してエステルたちをサポートする[33]。
- 「the 3rd」 - 本編に直接の登場はせず、レマン自治州に旅行中であることが語られている[13]。また、ティータらの過去が語られる中で登場する[注 47]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。カレイジャスIIの設計に関わっていたことが語られている[63]。
- エリカ・ラッセル
- 声:ゆきのさつき[注 48]
- 登場作:「the 3rd」・『創』
- ティータの母親で、アルバートの娘。33歳(「the 3rd」[W 3])。
- 父アルバートと同じく導力学者で、基礎理論こそ父親に譲るものの、応用工学では父を上回る才女で、演算導力器《カペル》や導力飛行船《アルセイユ》の基本システムの設計も手がけた[91]。父親以上に強引かつパワフルな性格で[29]、たびたび周囲を振り回す。
-
- 人物
- 情熱に突き動かされて研究や発明を行う父アルバートとは異なり、明確な研究動機を持ってそれらに取り組むタイプである[66]。そのため、アルバートからは発明品を「ケチ臭い」とも言われているが[66]、能力は確かで、G・シュミットからは見込みがあり、いずれ父ラッセルやハミルトンを超えるかもしれないと高く評価されている[82]。
- 父であるアルバート・ラッセルとは思想の違い等から発明勝負を繰り広げており、往来で取っ組み合いの喧嘩をすることもあるが[29][66]、周囲の者に言わせれば、喧嘩するほど仲がいいという種類の関係[29][12][82]。
- 可愛い女性に目がないらしく、ユリアのことは士官学校時代からのファンで[66]、リースのことは初対面で気に入っている[91]。
- ティータのことは溺愛しており、アガットのことは「娘に近寄る悪い虫」として目の敵にしている[66][72][92]。ティータのことも無分別に溺愛しているわけではなく、兵器であるオーバルギアの開発計画に参加したいと言われた時は一旦は拒否している[66]。
- ダン・ラッセル
- 声:草尾毅[注 50]
- 登場作:「the 3rd」・『暁』P
- ティータの父親で、設計技師。36歳(「the 3rd」[W 3])。
- 温和で物静かな性格だが[29]、ティータ関連では人当たりがやや強くなるところがあり[72][71]、アガットについては妻エリカほど極端ではないが、娘のティータが彼の影響を受けていることに一抹の不安を覚えている[72]。
- 『空』本編の10年ほど前までは棒術を得意とした凄腕の遊撃士だったが、怪我を原因に引退して設計技師に転向した過去を持つ[29][72]。遊撃士を引退する間際、剣を捨てたカシウスに棒術の基礎を教えている[72]。遊撃士を引退して10年経つ現在も、がっしりした体格をしている[29]。
- 「the 3rd」で帰国するまでは、エリカに同行してゼムリア大陸辺境へ導力器の技術指導の旅に出ていた[29][66]。
カプア一家
[編集]元は帝国の貴族で、近郊都市リーヴスを治めていたが、長兄ドルンが悪徳商人にだまされて領地と財産を失う。その後わずかに残った家臣とともに、飛行艇「山猫号」を使った空賊団《カプア一家》(カプア空賊団)を結成する。「SC」の事件後は恩赦を得て空賊稼業から足を洗って《カプア特急便》を立ち上げ、現在はボース市内にオフィスを置き、大陸を飛び回っている。
- ジョゼット・カプア
- 登場作:「FC」B・「SC」P・「the 3rd」P・『暁』P・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:庄司宇芽香
- 年齢:16歳(「FC」[W 1]・「SC」[W 2][注 51])→17歳(「the 3rd」[W 3])→20歳(「閃III」[書 35]・「閃IV」[書 3])
- カプア三兄妹の末娘。一人称は「ボク」で、エステルからは「ボクっ子」などと呼ばれる[4][注 52]。
-
- 来歴
- 「FC」 - 空賊団《カプア一家》の頭目兄妹の一人として登場。登場当初はロレントにて市長宅を訪れ、「ジョゼット・バール」という偽名とジェニス王立学園の生徒を名乗り、おしとやかに振る舞って油断させ、市長の部屋の金庫に入っていた七耀石を盗み出そうとするが、エステルたちに追いつかれて交戦の末に敗北し、その際に運良く訪れたキールに救われて撤退する[4]。その後、兄ドルンの豹変により、ボース地方で定期飛行船リンデ号の強奪と乗客の拉致に関与するが、最終的にエステルらによって空賊団のほかの面々とともに逮捕され、王国軍に引き渡され収監される[57][2]。その後、女王生誕祭の武術大会に兄たちと参加し、ロランス・ベルガー率いる情報部特務兵チームと互角に渡り合ったが、ロランスが動き始めた途端に戦局が傾き敗北した[14]。しばらく後、リシャール率いる情報部が起こした事件に乗じて脱走に成功する[14]。
- 「SC」 - 「FC」終盤で脱走後、エステルのもとを去ったヨシュアが空賊団に合流し、彼の働きもあって王国軍に没収されていた《山猫号》の奪還に成功する[3]。その後はヨシュアの計画に付き合い、《紅の箱舟》グロリアス潜入をサポートする[19]。終盤、《リベル=アーク》出現時にたまたま上空を飛行していた《山猫号》は《導力停止現象》に巻き込まれて《リベル=アーク》に墜落してしまい[32]、エステルらと合流してからは彼らに協力する[33]。
- 「the 3rd」 - クロスベル自治州近くの上空にいた折に《影の国》事件に巻き込まれる[93]。
- 「閃III」 - 《山猫号II》を任されており、兄たちからは離れて《カプア特急便》の支社長として部下たちと行動している[52][注 53]。リーヴスやクエスト時に登場する。物語終盤、帝都動乱のとき、帝都の街で新旧VII組たちに助太刀をする[60]。
- 「閃IV」 - 仕事関係の知り合いであるアリサの依頼で《山猫号II》を利用してVII組をクロスベルに送ったり[52]、《黒の工房》で脱出を手伝ったりしている[94]。荒事になりそうだったため、《山猫号II》用にジンゴから中古の連装機銃と砲台を購入している[94]。パンタグリュエルで会談が行われた際は招待され[1]、その後は《光まとう翼》に協力し、最終決戦ではエステルらリベール組を《塩の杭》のひとつに送り届ける[11]。
- 人物
- 勝ち気な性格で、特にエステルに対しては「ノーテンキ女」呼ばわりし[注 54]、性格的にもウマが合わず[12]、常に喧嘩腰になる。ただし女心に鈍感なヨシュアに対しては、エステルと共闘態勢を取る一面を見せたり[45][18]、「the 3rd」では別れ際にいつもの如く張り合いつつも「楽しかったことだけは認めてあげる」などと発言していることから嫌ってはいないようである[45]。
- 「SC」では兄ともどもヨシュアと行動をともにし、その過程で次第にヨシュアに惹かれていく。本来は仲間想いの心優しい性格の持ち主で、エステルたちと行動をともにするようになったときには多くの仲間たちから好意的に受け入れられるが、逆に同郷の軍人かつ厳格な人柄のミュラーとは相性が悪く、厳しい態度を取られて反発する様子を見せる[33]。また、エステル以外にもケビンに対しては「エセ神父」と呼んでたり、ミュラーに対しては「軍人バカ」と呼んでいたりするなど口はあまり良くない[93]。
- キール・カプア
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:藤本たかひろ
- カプア三兄妹の次兄。23歳(「FC」・「SC」[W 2])。
- 頭の良さと冷静な性格から、作戦の立案を行い、暴走しがちなジョゼットをたしなめる役回りになることも多い。必要に応じて露悪的な態度を取ることもあるが、基本的に気の良い青年であり[書 36]、(ワイスマンに操られた)ドルンが人質を皆殺しにすると言った際には妹とともに反抗するなど良心は持ち合わせている[57]。「the 3rd」で《カプア特急便》が立ちあげられてからは副社長を務めている[21]。
- 機械関係に強く、操縦のエキスパートでもあり[書 36]、《山猫号》の操舵を担当している。戦闘では剣と手榴弾を扱う。
- ドルン・カプア
- 登場作:『空』・『暁』P
- 声:銀河万丈(『空』ラジオドラマ / OVA / Evo)
- カプア三兄妹の長兄で、空賊団《カプア一家》のリーダー、後に運送会社《カプア特急便》社長。30歳(「FC」・「SC」[W 2])。
- 大型導力砲を軽々と扱う怪力の持ち主で[書 37]、人相も性格も豪快だが、かなりお人好しな人物であり、悪人とは程遠く、空賊時代も「殺しと暴行はご法度」とするほどで[3]、それが災いしてあまり儲かっていなかった。
-
- 来歴
- カプア家は帝国で男爵位を持つ貴族だったが、悪徳商人にだまされて領地と財産の大半を失う[3][注 55]。飛行船好きだった父親の形見である飛行艇《山猫号》を借金のカタに差し押さえられる前に何とか持ち出し[52]、弟と妹、わずかに残った家臣とともに空賊団を結成する。
- 「FC」 - ワイスマンに操られて定期便「リンデ号」を襲ったことで王国軍に逮捕され[57]、《山猫号》は没収される[3]。
- 「SC」 - ヨシュアの助力で《山猫号》の奪還に成功し[3]、その後はヨシュアにしばらく協力する[19]。物語終盤、《山猫号》が《リベル=アーク》に墜落した際、ジョゼット以外の団員とともに結社《身喰らう蛇》に拘束されてしまうが、エステルらによって救出される[33]。
- 「SC」の事件後はアリシアII世から恩赦を得たことを契機に空賊稼業から足を洗って運送会社《カプア特急便》を立ち上げ、自分は社長となり、弟のキールを副社長として、大陸全土を飛び回る生活を続けている[76]。
リベール通信社
[編集]社名を冠したニュース雑誌『リベール通信』などを発行している出版社。本社は王都グランセル。
- ナイアル・バーンズ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:藤原啓治
- 年齢:29歳(「FC」[W 1]・「SC」)→30歳(「the 3rd」[注 56])
- リベール通信社の男性記者。特ダネを求めて、いつも全国を飛び回っている。ドロシーとコンビを組まされたことに対して、よくグチをこぼしているが2人で取材した記事(主にエステルやヨシュアが関わっていることが多い)はよく売れている。ただし、ゴシップ関係の取材だけはことごとく失敗している。無愛想で淡白に振る舞いながらも、ドロシーが店で壊した飾り時計の修理費を自腹で出す、情報の見返りにエステル一行に食事を奢るなど、面倒見はいい。軍の知り合いに部外秘の書類を持ってきてもらうなど、記者だけあって顔が利く様子。「ペンが剣に屈するのを見てられるか」と危険承知でエステルたちに情報を提供するなど、ジャーナリスト精神に富んでいる。常に煙草を加えているヘビースモーカーだが、酒には弱い。
- 「碧」では「リベールの異変」の報道が評価され、ドロシーとともに「フューリッツァ賞」(ジャーナリストに与えられる最高の栄誉[14])を受賞したことが語られている[96]。
- ドロシー・ハイアット
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:新井里美
- 年齢:20歳(「FC」[W 1]・「SC」)
- リベール通信社の女性新米カメラマン。天然ボケな性格が災いして、ことあるごとに失敗を繰り返す[注 57]。浪費癖もあるようで、失敗から損害賠償が発生した際には払うことができず、会社の経費やナイアルのポケットマネーから払ってもらうことも少なくない。出歩いて撮影に夢中になっているうちに魔獣に絡まれることもしばしば。ただしオーバルカメラの扱いは天才的で、その撮影の腕はナイアルを唸らせるほど。建物を撮影するときも相手が人であるかのように話しかけながら写真を撮る。本人曰く、「表情が見える」とのこと。フルーツ牛乳が大好物。
- 「the 3rd」では、若き日のシェラザードがグランセルで正遊撃士を目指しているサイド・ストーリーでナイアルとの出会いが描かれている[58]。
- 「碧」ではナイアルとともにフューリッツァ賞を受賞したことが語られる[96]。
ジェニス王立学園
[編集]- クローゼ・リンツ
- クローディア姫が王立学園に在籍するにあたり、身分を隠すために使用した偽名。詳細は「#クローディア・フォン・アウスレーゼ」を参照。
- コリンズ
- 登場作:『空』・「界」
- 声:麻生智久
- 王立学園の学園長[16]。リベール随一の賢人とされ、市長たちとともに王国会議のメンバーとしての職責を担っている[14]。市長不在時にはルーアン地方の代表も務める。王立学園内でクローゼの事情を知っている数少ない人物の一人[74]。
- ジル・リードナー
- 登場作:『空』
- 声:広橋涼
- 「FC」の時点での生徒会長で、クローゼのルームメイト。学園祭の演劇では監督を務める[16]。エステル、ヨシュアが学園祭の手伝いのため滞在した時にはエステルを部屋に迎える。
- 成績優秀にして明るくさばけた性格の持ち主だが、悪乗りしやすく軽口が過ぎる傾向がある。ふだんはおちゃらけているが、政治家志望で、生徒会長として指示を出す時は的確に行う[30]。クローゼが王族であることは彼女が編入して半年ほどした頃に見抜いて知っているが、そのことに気兼ねすることはなく友人として接している[30]。
- ハンス
- 登場作:『空』
- 声:私市淳
- 「FC」の時点での生徒会副会長。学園祭の演劇では脚本・演出を務める[16]。「FC」でエステル、ヨシュアが学園祭の手伝いのため滞在したときは、ヨシュアのルームメイトにもなる。人当たりがよくヨシュアともすぐ打ち解けた仲になり、「SC」でヨシュアが失踪した後もその態度は変わらなかった[30]。「the 3rd」ではルーシーに憧れていたことが判明する[74]。ジル同様、クローゼの事情を知っているが普通に友人として接している[30]。
- レクター・アランドール
- クローゼが学園に通い始めた当時の生徒会長。詳細は「#レクター・アランドール」を参照。
- ルーシー・セイランド
- レクターと同学年で彼が生徒会長を務めていたときの生徒会副会長。詳細は「#ルーシー・セイランド」を参照。
- レオ・E・ローレンツ
- 登場作:「the 3rd」
- 声:岡本寛志
- レクターと同学年で彼が生徒会長を務めていた時の生徒会書記(会計を兼務)[74]。だらしないレクターに代わって実質上生徒会を取り仕切っており、生徒の中には彼が会長だと思っている者もいる[74]。言葉は鋭く端的だが、冗談も真顔で言うのでわかりづらいと評されている。だが、レクターが退学届けを出して姿を消したときには、冷静な彼からは信じられないくらいの怒鳴り声を上げている[97]。
- 関連は不明だが、「閃III」で図書館に置かれている「RFグループ ~武器工房から世界企業へ」という本の著者は「E・ローレンツ」となっている。
マーシア孤児院
[編集]現在の院長テレサとその亡夫ジョセフによって開設されたルーアン地方にある孤児院。
- テレサ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:柿沼紫乃
- マーシア孤児院の院長で、優しさと包容力を持った女性。幼少時のクローゼを一時期保護していた[16]。「FC」で発生した放火事件を乗り越え、建物を再建して引き続き孤児たちの面倒をみている。
- クラム
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:安西英美
- マーシア孤児院にいる少年。偶然あったエステルの遊撃士の紋章を盗むなど、イタズラ好きで反抗期らしい性格だが、放火事件の際には単身レイヴンの溜まり場に乗り込む正義漢ぶりを発揮する。テレサ院長に泣かれると弱い。
- マリィ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:藤本有美(『空』ドラマCD)→照井春佳(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少女。しっかりした性格で、孤児たちの中ではリーダー的存在であり、クラムのイタズラ癖にはウンザリしている。「the 3rd」ではあるエピソードで主役として活躍する。
- ポーリィ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:松下唯(『空』ドラマCD)→三上枝織(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少女。言動はゆっくりしているが独特のカンを有しており、「FC」の学園祭や「SC」の幽霊騒動では執行者を目撃する。
- ダニエル
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:河本啓佑(『空』ドラマCD)→日比愛子(『空Evo』)
- マーシア孤児院にいる少年。やや気が弱くおっとりしている。クラムの子分的な存在。
レイヴン
[編集]港湾都市ルーアンの倉庫外を溜まり場にする不良集団。名称は「ワタリガラス」の意。「the 3rd」では、3人ともある特定のイベントで、一時的にプレイヤーキャラクターとして操作をすることになる。
- ロッコ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:赤羽根健治
- レイヴン幹部の一人で、実質的なリーダー格。短気でキレやすい性格の持ち主で「ニトロッコ」という異名を持つ。「FC」で初登場したときはただのチンピラだったが、孤児院の放火を発端とする一連の事件に巻き込まれたことで己の無力さを痛感したことや、エステルに「遊撃士になってはどうか?」と勧められたことから成長を見せ、「SC」終盤で導力停止現象が起きたときは率先して街の力になるまでに至る。「the 3rd」ではディン、レイスとともに遊撃士を目指す姿が描かれており、3人の中では一番戦闘能力が高い。
- ディン
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:松本大督
- レイヴン幹部の一人。緑色の髪をしており「地獄のほうれん草」という異名を持つ。ルーアンの北街区にあるカジノバーのマスター・プレミオとは兄弟。元リーダーであるアガットからは「洞察力はあるが臆病」と評されている。
- レイス
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:阿座上洋平
- レイヴン幹部の一人。見た目も乗りも軽い性格。エステルのことを気に入ったのか「SC」以降はちゃん付けで呼んでいる。アガットからは「直感に優れているが行動が軽率」と、ディンとは対照的な評価をされている。
その他リベールの住人
[編集]- グスタフ
- 登場作:『空』
- 声:平井啓二
- 工房都市ツァイスにて、飛行船の整備をしている技師長。職人気質で仕事には厳しいが人当たりがよく、エステルたちに色々と手を貸す。ツァイスのためなら軍人も帝国も怖くない、といった強気な性格。
- マオ
- 登場作:『空』・『暁』
- 声:中友子(『空Evo』)
- エルモ村で温泉宿を経営する肝っ玉婆さん。皆からは「マオ婆さん」と呼ばれている。若い頃にカルバード共和国からやってきた。ティータのお婆ちゃん的存在でもあり、孫のように思っている。ラッセル博士の昔馴染み。
- ミーシャ・クロスナー
- 登場作:『空』
- アガットの妹。《百日戦役》で被害にあったラヴェンヌ村の6人の戦没者のうちの一人[12]。兄の誕生日にプレゼントするはずだったアクセサリーを家に取りに戻り、焼夷弾で負傷し死亡[12]。12歳没。
- 古竜レグナート
- 登場作:「SC」B
- 声:平井啓二
- 1200年前の《大崩壊》以前より生き続けている竜。
- 《七の至宝》の行く末を見守ることを使命として、女神によって遣わされた聖獣のような存在の1体であり[98]、《空》を司る至宝である《
輝く環 ()》を見守る存在。 - 「SC」の20年前、当時剣の道を極めんとしていたカシウスに戦いを挑まれたことがあり、彼とはその頃からの「友人」である[12][33]。
- 「SC」で眠りについていたところを、ワイスマンにより《ゴスペル》の実験台にされ操られる[12]。《輝く環》が失われたことで使命から解放され、《リベル=アーク》崩壊に際して、カシウスを乗せて飛翔し、エステルとヨシュアを救出する[33]。そして、「運命の歯車は、今回り始めたばかり」だと告げ、リベールの事件と同様のことが今後ほかの場所で起き、それに立ち向かう別の者たちが現れるということをカシウスとともに予見する[33]。
- 同じ聖獣である神狼ツァイト、灼獣ローゼリアとは交流があったようだが、「SC」で《空の至宝》がなくなり、使命から解放された後は行方知れずとなっていると語られている[63]。
- 「the 3rd」では幼体のような姿をした「ちびレグナート」が登場している[99]。
- ハーバード・フィッシャー
- 登場作:『空』・「碧」
- 王都グランセルに本部を構える釣公師団の代表者。元は貴族の出で、通称《釣り男爵》。名前の通りの釣り好きで、それが高じて愛好者たちの交流の場として釣公師団を立ち上げるに至る。
- 「零」ではその名を冠した釣り大会がクロスベルで行われ、「碧」では《釣皇倶楽部》に対する「最終兵器」としてクロスベルを訪れる。
- ロイド
- 登場作:『空』・「零」
- リベール王国の釣公師団に所属する特級釣師。「SC」でエステルに釣り道具を渡した人物で[30]、釣り勝負を行ったこともある。「零」では同じ名前のロイド・バニングスに釣りのコツを教えた。
- ペイトン
- 登場作:「FC」・「SC」・「閃I」・「閃II」・「閃IV」
- ツァイス中央工房(ZCF)に所属する整備士。導力飛行船の整備を担当しており、《アルセイユ》には試験飛行の頃から乗り、二番艦《カレイジャス》、三番艦《カレイジャスII》にも竣工当初に乗船しており、『閃』でたびたび帝国を訪れている。
- 「閃I」でカレイジャスの処女航海に参加した後、帰国しようとした折に内戦が勃発し、リベールに帰国できなくなってしまい、オリヴァルト皇子の要請に応じて《カレイジャス》にふたたび乗り込み、トールズ士官学院(ジョルジュ)に引継ぐまで乗艦した[100]。「閃IV」でも竣工間もない《カレイジャスII》に乗艦し、引継ぎを終えるまで乗り込んでいる[63]。
- アントン
- 登場作:『空』・「零」・「閃I」・「閃II」・「閃IV」
- 声:アントン - 菅沼久義→佐原誠(「閃IV」[書 3])
- 「FC」から登場しているモブキャラクター。胡散臭い言動で惚れっぽい青年。
-
- 「FC」 - 王都グランセルの百貨店近くを歩いている女性メーシャにひとめぼれして告白するが、彼女が通るたびにジロジロとみつめていたことを気味悪く思われていたため振られる[14]。
- 「SC」 - 結社の実験の影響で起きた地震に巻き込まれ、一念発起して旅に出たはいいものの濃霧で飛行船を停められる。今後を相談しようと立ち寄ったギルドでアイナに一目ぼれしてしまい、成り行きでオリビエとともに呑み比べ勝負を挑むが逆に酔いつぶされる[12]。
- 「the 3rd」 - 本編には登場しない。「月の扉」で語られる過去のエピソードの中で登場している[58][74]。
- 「零」 - 新しい出会いを求めてクロスベルを訪れている。しかし、異性に消極的な態度のために出会いはなく、仕方なしに路上ポエマーと名乗り[注 58]、街角でポエムを披露するが、内容がシュール過ぎたため誰にも相手にされなかった。創立記念祭の最終日になくした財布を探すのを手伝ってくれたフランに一目惚れし、お礼のプレゼントを特務支援課と一緒に選ぶが、「大好きな人(ノエル)ならいます」という言葉を誤解し、クロスベルを去る。
- 「閃I」 - エレボニア帝国の各地に登場する他、会話時にCGイメージが表示され、モブキャラクターの中でも少し上の扱いを受けている。学院祭で厨房を手伝っていたシャロンに出会い、落としたハンカチを拾ってもらったことをきっかけに惚れ込む。リベールに帰国する日にそのハンカチを宿に忘れ取りに戻るかでリックスと口論になり、先にリックスが帝都に向かった途端に帝都は襲撃され内戦が開戦。離れ離れになってしまう。
- 「閃II」 - 飛行船ハイジャック事件に巻き込まれていたリックスを見つけるが彼は記憶を失っており、シャロンとの出会い、ポエムを読んでいたことを独白していたのをきっかけにリックスの記憶を取り戻す。内戦終了後、シャロンをVII組の協力を得てお茶に誘うが、勢い余って告白し、RFのメイドの立場を理由にふられてしまう。だが今までに経験のない愛の形を見せたことを評価され、頬にキスを受け別れる。
- 「閃IV」 - 「閃II」の出来事によりシャロンと文通を始め、執行者復帰に際して自分のことを忘れるよう手紙に記したシャロンに会うために、単身エレボニア帝国に入国する[101][注 59]。最終決戦前のミシュラムでついに再会、改めて告白し、二人の時間を過ごす[34]。
- リックス
- 登場作:『空』・「零」・「閃I」・「閃II」
- アントンともども「FC」から登場しているモブキャラクター。アントンの失敗を面白がりながら生暖かく見守っている青年。「the 3rd」で描かれた「FC」の1年前の時点ではジェニス王立学園に所属している[58](彼も留年しているかは不明)。
- 『閃』ではエレボニア帝国の各地に登場する他、会話時にCGイメージが表示され、モブキャラクターの中でも少し上の扱いを受けている。「閃I」最終盤でリベールに帰国しようとした際にアントンと離れ離れになり、その後飛行船ハイジャック事件に巻き込まれていたところを見つかり再会できたのもつかの間、頭を打って記憶喪失になってしまっていたことがわかるが、シャロンにポエムを送ろうとするアントンを見て記憶を取り戻す。
- アルム & エアリー
- 登場作:『空』・「碧」・『暁』
- 「FC」ではリベール各地を旅行しているモブキャラクターのカップル。「SC」で結婚して一子を授かる。「碧」ではアルムの父親に会うためにクロスベルを訪れる。他人との会話中でも自分たちの世界に入ってしまうほどの熱々ぶり。
- ジミー・バーネット & ソフィー・バーネット
- 登場作:『暁』
- ルーアン市で暮らしているクロエの両親。幼い頃の娘の境遇もあって少し心配性なところがあって、クロエが久しぶりに実家に帰ってきた際には、母親のソフィーが娘と顔を合わせて即座に「遊撃士を辞めて帰ってきた」と勘違いしてしまった程だった。
- ジミーは、現在はルーアンの会計士。元は貿易商であったが、娘のクロエの医療費を捻出するために、職はもちろん前の自宅を売却するなどをしてやりくりを行っていた。
その他
[編集]- 《環の守護者》トロイメライ
- 登場作:「FC」B
- 「FC」におけるラストボス。当初は古代文明のアーティファクトと思われていたが、その正体は《リベル=アーク》の住民たちの反意を察知した《輝く環》が生み出した守護者。導力によって稼働する、人類殲滅目的の戦闘マシンである。
- 合成音で喋ることができるが自我や人格はなく、ただただ与えられた任務と役割を遂行するのみとなる。このため意思疎通は不可能となっている。
- 過去に《輝く環》が封印されたことで機能停止し、封印区画の深部にて封印されていた。しかしリシャールが《第一結界》を解除したことで《輝く環》の封印が弱まり活動を再開、復活を果たす[14]。
- 手始めにエステルたちを侵入者と見なし襲い掛かる。その造形はエステルからも「ブサイク」と言われるほどのものだったが、これは「MODE:侵入・索敵(イントルード&サーチ)」という形態に過ぎず、ある程度ダメージを与えると支援ユニットと連結した「MODE:完全殲滅(ジェノサイド)」へと移行し、ドラゴンの頭部を模した形態となる。
- エステルたちを疲弊させるほどの攻撃力と耐久力を誇り、改心したリシャールの刃も通じず一方的に追い詰める。しかし駆け付けたカシウスの一太刀によって大ダメージを受け、そこに勝機を見出したエステルたちの総攻撃によって完全破壊された[14]。
- だがその戦闘データは《結社》に回収され、それを基に生み出されたT・M・ドラギオンが「SC」にてエステルたちの前に立ちはだかる。
クロスベル自治州
[編集]大陸西部に位置し、西のエレボニアと東のカルバードに挟まれている。『VII』の舞台。
クロスベル警察
[編集]特務支援課
[編集]「零」「碧」における主人公たち。
- ロイド・バニングス
- 登場作:『VII』P・「閃II」S→P・『暁』P・「閃III」・「閃IV」S・『創』P
- 声:柿原徹也
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 38][注 60])→19歳(「閃II」[W 12])→21歳(「閃IV」[書 39])[注 61]
- 『VII』、『創』の主人公で、クロスベル警察の特務支援課に所属する捜査官。武器は特殊警棒のトンファー[87]。警察学校で学んだ制圧用の逮捕術を用いる[37]。
- 殉職した兄ガイの意思を継いで捜査官になった。まじめな常識人で、不正や暴力に敢然と立ち向かう熱血さを持つ。
- 特務支援課発足に際して、メンバーの中で捜査官の資格を持つのは彼だけだったため、暫定的なリーダーとなる[87]。物語の中で不可解な事件を地道な捜査と推理力により解決するとともに、仲間に素直な本心をぶつけて信頼を得ていき、そして兄から受け継いだ困難に直面しても諦めない心を発揮することにより、名実ともにリーダーとなっていく。
-
- 来歴
- 物心がつく前(1189年)に両親を旅客飛行船の墜落事故で失い[105]、歳の離れた兄ガイを親代わりに育つが[106]、その兄もロイドが15歳の時(1201年。「零」の3年前)に殉職してしまう[107]。
- 兄を失った後は、カルバ―ド共和国に住む叔父の元に身を寄せ[87]、2年ほど暮らした後[108]、クロスベル警察学校に入学する[87]。警察学校の課程を終えるとほぼ同時に、異例ながら、捜査官試験にも合格して捜査官資格を取得[87][注 62]。
- 「零」 - クロスベル市に3年ぶりに帰ってきて[注 63]、警察に入った初日に新設の《特務支援課》に配属され、リーダーを任される[87]。発足当初は遊撃士の真似事という見方をされていたが、徐々に実績を積み重ねていき、《D∴G教団》残党による事件に迫っていくこととなる。
- 「零」の後、特務支援課は一時的に解散となり、ロイドは研修として捜査一課に加わる[109]。
- 「碧」 - 逃亡したアーネストとハルトマンを逮捕するため、ノエル、ダドリー、アリオスとともに旧アルタイル・ロッジを強制捜索し、2名を逮捕する[109][注 64]。再始動した特務支援課で再びリーダーを務め、《碧の大樹》に至る事件に挑むことになる。
- 「碧」の後、クロスベル自治州はエレボニア帝国によって併合され[110]、自治州政府はなくなり帝国の総督府が開設され[111]、クロスベル警察はクロスベル軍警に再編され、特務支援課は解散する[112]。支援課の解散後は帝国によるクロスベル占領に対し、有志とともに抵抗活動を始める[111][112]。
- 「閃II」 - クロスベル自治州のデータが帝国に渡ることを阻止するため、集中端末の初期化をすべくジオフロントに潜入し、その過程でリィン・シュバルツァーと交戦する[111]。
- 「閃III」 - イラストのみの登場[114]。旧《特務支援課》メンバーが勝手に動いて事件を解決してしまうことをクロスベル総督府から警戒され、「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、アリオス、キーアとともに湿地帯方面に追いやられる[116]。「鳥籠作戦」が終了したことで解放され、トールズ士官学院・第II分校の面々がデアフリンガー号でクロスベルから帝国に去ろうとする際に丘の上からアリオス、キーアとともに分校の面々に姿を見せ、一行を見送る[114]。
- 「閃IV」 - 帝国で起きた異変の真相を探るべく、エステル、ヨシュア、レン、エリィ、キーアとともにオルキスタワーに潜入する[10]。そこで得た情報を各所に送り、ユウナらVII組がクロスベルを訪れカンパネルラたちと交戦した際は彼女らに加勢する。ミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディ、ユウナと再会し、『空』の主人公エステルらリベール遊撃士協会、『閃』の主人公リィンらトールズ士官学院・VII組とも邂逅を果たす[1]。その際、《巨イナル黄昏》のトリガーを引いてクロスベルにも呪いが広がったことに罪悪感を抱いていたリィンを励まし、かつて交戦した間柄であることも気に病んでいた彼と和解する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。最終決戦後、クロスベル州からの帝国正規軍の撤退が始まったが、総督府治安部隊(総督親衛隊)はそれを了承せずクロスベル市内全域を占領したため、特務支援課を中心とする有志の手によってクロスベル市を解放したということが語られている[35]。
- 人物
- 捜査官としては、直感で捜査をする兄ガイとは異なり[117]、地道に集めた情報から仮説を組み立て、真相を突き止めるというアプローチを取る。少ない情報から推理して真相に至る直感にも優れ[118]、「碧」の時点で推理にかけては兄を超えたと言われている[117]。
- それが事件解決に資すると判断すればライバルや敵対者であろうと協力を求める柔軟さがあり、その姿勢は時に相手や仲間を呆れさせることもある。
- 捜査官としての冷静さを持つと同時に、《壁》があれば乗り越えようとする「熱血野郎」であり[87][7][注 65]、その姿勢は《特務支援課》のメンバーにも影響を与えていくことになる。熱量が高いためか、相手の男女を問わず、無自覚に口説き文句のようなセリフや聞いてるほうが恥ずかしくなるようなクサい言葉を浴びせる癖があり、特務支援課メンバーのほぼ全員が被害者となる[117]。
- その洞察力、推理力への評価は高く、「碧」ではレクターからは性格が悪ければ諜報に向いてると言われており[118]、グレイスからは(警察をクビになったら)クロスベルタイムズに[103]、ツァオからは黒月に、ワジからは星杯騎士団に、それぞれ(半ば冗談として)勧誘を受けている[119]。
- 「零」制作にあたってはまず「特務支援課」という設定が先に決められており、ロイド一人の活躍が突出するような形ではなく、ロイドを含めた4人のやり取りが好まれるよう意識をしたシナリオ作りがされている[書 41]。ロイド個人については、主人公として好感を持ってもらえること、捜査官としての知性、熱血さ、の3点のバランスを意識して造形されたという[書 42]。「ロイド」という名前が『空』ですでに使用されている(《釣公師団》のロイド団員)ということは、設定の制作がすでに進んでから発覚したが、その時点で「熱血派の警察官で、まだまだ青臭さを残しているけどひたむきで」という設定に対して「ロイド」という名前でキャラクター像を練り上げていたため、変更はされなかった[書 10]。
-
- 弟キャラ
- 年上の女性に好かれるタイプらしく、セシルとイリアに立て続けに抱擁されるなどしたために、他の3人からやっかみと嫉妬の視線を向けられたこともある[107]。ランディからは「弟貴族」、「弟ブルジョワジー」、「弟野郎」などとたびたびなじられ[107][120]、ティオには「ダメダメで、にぶちんで、ヘタレ弟キャラ」と言われ[121]、女性関係全般については、エリィには「天然っていうか、すごく女たらしな所がある」と評され[107]、ワジには「天然ジゴロ」[117]、ノエルには「思っていた以上に危険な人物」[122]と言われている。引き籠っているヨナに対して「引き籠ってないでデートでもしてきたらどうだ」という言葉が自然に出たため、「弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎」と罵られている[123]。恋愛に関しては、かつて兄の鈍さに嘆息したこともあるが、自分が同じように鈍いことに自覚がないようであり、周りをやきもきさせることもある。「碧」の2年後が舞台の「閃IV」では、(鈍いことに)少しは自覚があり、鈍感と言ってもリィンほどではないと自己弁護しているが、ヨシュアからは(縁の多さが違うだけで)「同レベルだ」と言われている[34]。
- 「零」ではそれまでの『空』とは物語や舞台を一新したため、発売前は日本ファルコム社内で多くの懸念が持ち上がっていたが、主人公のロイドについても「こんな弟キャラな男で大丈夫だろうか」という不安があったという[書 43]。
- 「零」序章のロイド・バニングス
- 「零」序章でロイドの夢の中に出てきたロイドたち。「零」ゲーム本編のロイドらと同じく《太陽の砦》に突入したが、暴走した魔人ヨアヒムによって殺されてしまう[125]。
- このロイドたちはゲーム本編とは異なりエステルらとそれほど親しくはならなかったが[125]、その流れはキーアによって書き換えられ[125]、ゲーム本編のロイドらはレンの身の上における誤解と苦悩を解いたことでエステル、ヨシュア、レンと強い結びつきができ[40]、《太陽の砦》突入にあたってヨシュアとエステルの助力を得た上[7]、魔人ヨアヒムに追い詰められた際にはレンとパテル=マテルに窮地を救われ、死地を脱することができた[48]。
- エリィ・マクダエル
- 登場作:『VII』P・『暁』P・「閃IV」S・『創』P
- 声:遠藤綾
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 45])→21歳(「閃IV」[書 46])[注 61]
- 『VII』のヒロインで、特務支援課の参謀役[書 47]。クロスベル自治州の共同統治者であるマクダエル市長の孫娘。
- ロイドとは違った形ながらも、芯の通った強い意志を持つ。政治家志望であり、留学の際に学んだ政治や国際情勢の知識は豊富で、市町の孫娘として多方面の権力者と面識がある。特務支援課では、交渉術や豊富な知識を使ってメンバーの力となる。
-
- 来歴
- 幼い頃、議員であった父ライアンはクロスベルの政治改革に乗り出したが、政争に敗れてクロスベルを去ることになり、両親は離婚し[注 66]、それぞれ共和国と帝国に去り家族は離散してしまった[107]。エリィはクロスベルに残って祖父の下で育てられる。
- 「零」の直前頃、留学を終えて帰郷した後、クロスベルを別の視点から見る社会勉強のため警察官を志望し[書 48]、警察学校の出ではないが、採用試験においては筆記と射撃で満点を獲得していたことなどから警察官として採用され、特務支援課に配属される[87][注 67]。
- 「零」 - 《特務支援課》ではその豊富な知識とバランス感覚から、参謀役としてメンバーをサポートする。祖父の苦境やクロスベルの暗部を目にして、一時は周囲から警察を辞めるのではないかと心配されるほど落ち込むが、ロイドの前向きな正義感が光明となり[107]、警察官として立ち向かうことを決意する。
- 「零」の後、特務支援課は一時的に解散となったことで、クロスベル州議会議長となった祖父を補佐し、周辺各国への旅に同行する。
- 「碧」 - 再始動した特務支援課に復帰する[109]。旧知のディーターと親友マリアベルがクロスベル独立国を起こすと、政治の観点からは彼らのやろうとしていることを否定しきれなかったものの、すっかり特務支援課に染まってしまったため、キーア奪還のため彼らに立ち向かうことを宣言する[126]。
- 「閃II」 - 登場はしない。ランディ、ノエルと同様、クロスベル総督府により監視がつけられていることが語られている[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、祖父ヘンリーとともに要人の応対に忙殺される[116]。その直後の頃にアリサと知り合い、情報交換を行うようになる[注 68]。
- 「閃IV」 - 帝国で起きた異変の真相を探るべく、エステル、ヨシュア、レン、ロイド、キーアとともにオルキスタワーに潜入する[10]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディ、ユウナと再会し、リベール遊撃士協会、トールズ士官学院・VII組とも邂逅を果たして交流する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 才色兼備のしっかり者。普段は温厚で包容力があり、子どもとすぐに打ち解けられる人当たりのよい性格をしている。
- いずれは政治の道に進むことを志しており、《特務支援課》にはそのための社会勉強の一環として参加した[107]。しかし、《特務支援課》に参加したことによって図らずも大きな影響を受けることになる[127]。
- IBC総裁の娘であるマリアベルとは親友だが、マリアベルの側からはやや過剰に好意を寄せられており、セクハラ紛いのスキンシップにメンバーが引いてしまう場面もある[104]。
- 「零」で自分の過去を話した頃から[107]、ロイドのことは同僚として尊敬するのみならず異性として意識することがあり、彼が他の女性と親しげにしているのは内心面白くないようで、ジト目を向けてロイドを困らせることがある。「零」終章の絆イベントでは、日曜学校に通っていた頃に知り合えていればよかったと思うことがあると述べている[128]。「碧」では(プレイヤー次第になるが)終盤に起こせる絆イベントで、晴れてロイドと恋人同士になることもできる[129]。絆イベントでもはっきりと恋愛関係に発展するのはエリィのみであり、その際に「本当の意味で綺麗な女性だと思ったから、いいところを見せようとして背伸びをしていた」ことをロイドから打ち明けられた[129]。
- 怒ると非常に怖く、怒鳴るよりも笑顔で怒るタイプで主にランディの悪ふざけに対してそういった面がみられる[1]。幽霊を大の苦手としており、幽霊やお化けに似た魔獣に悲鳴を上げることもある。
- キャラクター造形としては、政治家志望であることから、現実をしっかり見つめ、自分がどうするべきかというところを逃げずに考えるという部分を意識して描かれている[書 42]。
- ティオ・プラトー
- 登場作:『VII』P・『暁』・「閃III」S・「閃IV」S・『創』P
- 声:水橋かおり
- 年齢:14歳(「零」[W 4]・「碧」[書 49])→16歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- エプスタイン財団からクロスベル警察に出向してきた少女。特務支援課の情報担当で[112]、導力ネットワーク端末の操作をはじめ、導力機器の扱いや知識をほぼ一手に手がける。
- 外界の事象に関して常人の数倍の感応力を持ち、人の気付かない音や導力波の流れ、属性の気配、生物の感情や心の揺らぎを感じ取れ、人語を話さない動物ともある程度の意思疎通が可能。
- 特務支援課には新型の導力兵器「魔導杖(オーバルスタッフ)」の実戦テストのために(という名目で)加入[87]。「エイオンシステム」(下記)を使った超高速演算を得意としている[112]。
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- 来歴
- レミフェリア公国出身で、5歳の頃(1195年頃)に《D∴G教団》に誘拐され[123]、教団が管理するロッジのひとつであるアルタイル・ロッジで感応力強化の人体実験の被験者となり、3年の間、人体実験を毎日のように受ける[103]。
- 「零」の6年前(1198年)、8歳の時に《D∴G教団殲滅作戦》の一環でアルタイル・ロッジを制圧していたガイ・バニングスらクロスベル警察のセルゲイ班によって救出される[103]。半年間の入院生活の後にガイに送られてレミフェリア公国の実家に戻るが[103]、教団の実験により向上した知能や知覚などで家族や周囲の人々との間に軋轢が生じ、「零」の3年ほど前(1201年)に家出する[123]。ガイを頼ってクロスベルを訪れるが、すでに彼は殉職したあとであった[123]。行くあてもなく途方に暮れていたところ、エプスタイン財団の人間と知り合い、常人を遥かに上回る感応力を見込まれて当時発足したばかりの「
魔導杖 ()」開発チームにスカウトされ、レマン自治州の財団本部に身を置くこととなる[123]。魔導杖に付属する《エイオンシステム》にも関わり[46]、魔導杖の開発では実戦テストを担当するようになる[87][112]。
- 「零」 - クロスベル警察に出向し、「魔導杖」の実戦テストのため《特務支援課》に加入する[87]。エイオンシステムや導力端末操作といったスキルを駆使して支援課の力となり、その中でロイドたちにガイに助けられた過去を語る[123][103]。一連の事件は過去に自身を拉致した《D∴G教団》の残党であるヨアヒムによるものであったことから、自身の過去と向き合うこととなる。
- 「碧」 - クロスベルに戻るタイミングは遅れ、西ゼムリア通商会議の直前にクロスベル市に戻ってくる[37]。特務支援課がミシュラムで敗北して捕らえられると[131]、聖ウルスラ病院に軟禁されるが、救出に来たロイドと合流する[132]。終盤の絆イベントでは封鎖されたクロスベルの現状を心配して両親から手紙が送られてきたことをロイドに話す[133]。今まで何のために生きているのかわからないと考えていた彼女だが、事件が一段落したらロイドを両親に合わせて「大切な人の側で生きたいからクロスベルから離れない」ことを説明したいと述べ、互いに思いを通わせて抱きしめあった[133]。
- 「碧」の後(1205年)、レマン自治州の財団本部に戻り、導力ネット経由でロイドらに協力するようになる。
- 「閃II」 - 登場はしない(この時点でクロスベルにいたのかは不明)。ランディらにクロスベル総督府による監視が付きだしたため、情報操作を行うことでロイドとキーアには監視の目がひとまず及ばないようにしたことが語られ、ジオフロントのデータを渡すことでロイドの活動を支援する[111]。
- その後、「閃III」の年(1206年)の春に、エプスタイン財団の開発主任としてクロスベル市に戻る[112]。帝国軍情報局の監視を受けながらも、開発主任としての仕事をこなしつつ、“連絡役”として水面下で活動を開始する[W 13]。
- 「閃III」 - エプスタイン財団・クロスベル支部に所属する開発主任として登場し、クロスベルを訪れたリィンらに依頼主という形で関わる[112]。終盤、帝都ヘイムダルを訪れ、《黒キ星杯》が現れるとランディらトールズ士官学院・第II分校に加勢し、オズボーン側の勢力と交戦する[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》前で行われた戦いの後に捕らえられ、エリゼとともにリーヴスのトールズ士官学院・第II分校に軟禁される[51]。VII組らによって救出され、ランディ、ユウナと再会[83]。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ロイド、エリィ、キーアと再会する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》の結成を宣言すると《特務支援課》として参加して活動し、最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 基本的にクールな話し方で素っ気ない態度をしており、ツッコミも手厳しいが、特に人嫌いというわけではない[W 14]。
- ロイドがガイの弟であることは特務支援課が発足する前から知っており[123]、それゆえ気になる存在だったのか、序盤からロイドの女性問題に対して白い目を向けている(見方によってはヤキモチにも見える)。
- 《D∴G教団》に拉致されて以降の経験から、「なぜ生きてるのか」、「どう生きればいいのか」という答えを探しており、その答えを聞きたくて家出をしてガイに会おうとしたが、彼はすでに死去していた[103]。その彼女が特務支援課に身を置いた理由について、セルゲイは「ガイの意志が息づく場所にいたかった」からだろうと述べている[103]。
- 『空』のリベールから「零」のクロスベルに舞台が変わるにあたり、登場人物たちの服装は大きく変わったが、中でもティオの外見はそれまでのものから大きく飛躍したものだったため、不安視されたという[書 51]。「ティオ」という名前が『空』ですでに使用されている(エステルの幼馴染)ということは、「零」のイベントのデバッグ中に発覚し(「ロイド」の重複が発覚したタイミングより遅い)、ティオが自己紹介する際にエステルが無反応なのはおかしいということでその場面のリアクションは修正されている[書 52][注 69]。
- 紋切型の感情が薄いキャラクターに見えるが、「人を好きでいたい」という部分を個性として造形されている[書 42]。
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- エイオンシステム
- 人間と機械を共鳴接続させることができ、魔導杖によるノーウェイトの導力魔法の発動を実現させているほか、導力端末の処理に介入する際は驚異的な高速演算を可能にしている[104]。ティオの持つエプスタイン財団製の魔導杖に内蔵されており[46][135]、胸部のプロテクターや[104]、ヘッドギアと連動して作動する[112]。
- 導力端末の処理に介入できるため応用範囲は広く、ぽむっとでは常人では組めないような大連鎖を組むことを可能にしている[104]。「碧」の終盤、オルキスタワーで発見したエイドロンギアもエイオンシステムと連動させることで操っている[8]。
- 術者に膨大な情報を送り込むことになるため、常人には使用できず、ずば抜けた感応力を持つティオが使って初めて意味を成すという種類のシステムである[書 50]。そのためか、『閃』で登場するラインフォルト社製の魔導杖にはエイオンシステムは搭載されていない[書 50]。
- 結社《身喰らう蛇》の神機「アイオーン」と響きが似ていることから、ロバーツ主任とシュミットは両者に何らかの関連があることを疑っている[50][60]。その疑念について、ティオは結社の《十三工房》にはエプスタイン財団、ラインフォルト社、ヴェルヌ社、ZCFの研究を掬い上げるなんらかの仕組みが構築されているのではないかと推測している[60]。
- ランディ・オルランド
- 登場作:『VII』P・『暁』P・「閃III」S・「閃IV」P・『創』P
- 声:三木眞一郎
- 年齢:21歳(「零」[W 4]・「碧」[書 53])→24歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[書 54])[注 61]
- クロスベル警備隊出身で、スタンハルバードを得物にする青年[87]。ロイドらにとっては頼れる兄貴分的な存在。
- 本名は「ランドルフ・オルランド」。大陸西部最強の猟兵団のひとつである《赤い星座》の団長バルデル・オルランドの息子で、オルランド一族特有の赤毛をしており、猟兵時代は《闘神の息子》、《赤い死神》という異名で呼ばれていた。
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- 来歴
- 4歳から戦闘技術を仕込まれ、9歳の時に初の実戦を経験[136]。12歳で小隊を、14歳で中隊を任され[136]、18歳頃に次期《闘神》となるための試験として、《西風の旅団》の大部隊と交戦[137]。部隊を率いて戦闘には勝利したものの、作戦中に一般人の友人を意図せず巻き込んで死に追いやってしまい、猟兵としての人生を送ることに疑問を抱くようになり、《赤い星座》を抜ける[120][102]。
- 「零」の1、2年前(1202年[117]か1203年[112])、流れ着いたクロスベルで、(カジノに入り浸った後)警備隊に入隊[136]。この際、猟兵時代に得物としていたブレードライフル《ベルゼルガー》を封印し[136]、警備隊に入隊して以降はスタンハルバード(導力ライフルと合わせて警備隊隊員の標準装備)を得物とするようになる[137]。
- 導力ライフル(アサルトライフル[書 55])を使用することを拒否していたことから、警備隊司令に目を付けられて除隊にされかけたところ[136][137]、警備隊副司令のソーニャからセルゲイに紹介され特務支援課に配属されることになる。
- 特務支援課の一時解散後は警備隊に戻り、《教団事件》で弱体化した警備隊のリハビリにつきあう[130]。
- 「碧」 - 《赤い星座》がクロスベルに進出してきたため、自らの過去と向き合わざるを得なくなる。《赤い星座》が動きを見せると、自らも支援課を去り、一人で立ち向かおうとするがロイドに説得され支援課に戻る[139]。終盤、特務支援課が敗北して捕えられるが脱出に成功し、ミレーユらレジスタンスと合流して、マインツ方面で活動した後、ロイドらに合流[140]。《碧の大樹》で叔父シグムントに挑むことになる[141]。
- 「閃II」 - 登場はしない。特務支援課の中で最初に監視が付けられていて、身動きが取れないことが語られる[111]。
- クロスベル併合とクロスベル警察の再編により特務支援課が解散した後、クロスベル警備隊が再編された帝国軍・クロスベル方面軍警備部隊へ配属される[W 15]。クロスベル総督ルーファス・アルバレアからトールズ士官学院・第II分校の教官として推薦され[注 70]、乗り気ではなかったが、《赤い星座》が帝国で動き始めているという話を聞き及び、仕方なく赴任を承諾する[114]。
- 「閃III」 - 第II分校の教官として登場し、VIII組戦術科の担当教官となる。リィンやトワと同僚となるもクロスベル出身ということもあって最初の一月ほどはどこか壁を感じる付き合い方だったが、リィンがクロウと間違えて声をかけるという出来事があり、それをきっかけに壁を取り払った付き合いをするようになる[142]。その後、クロスベルでの特別演習で他の特務支援課メンバーと同じく動きを封じられることになった際、「代役」を買って出たリィンら旧VII組メンバーに全てを託すなど[116]、信頼関係を深めていくこととなる。
- 「閃IV」 - VII組とともに隠れ里エリンに転移[143]。ユウナら新VII組のサポート役として、エリンでの修行やサザーラント州での探索に付き合うが、ハーメル廃村での戦闘後はサザーラント州で活動するタチアナら分校生のサポートをするため、ユウナらと別行動を始める[101]。その後、アガット、トマスと合流して、《黒の工房》でアガットとともにアリアンロードと再戦[51]。その後、分校生たちをフォローするため再び別行動を取るが、リーヴス奪還にあたってトールズ士官学院・第II分校の教官としてVII組とともに戦い、ティオを救出[83]。そしてロイドたちと再会したパンタグリュエルでの一件後は《光まとう翼》の一員として活動する。最終決戦では、リィンらVII組を《幻想機動要塞》に送り込むため、特務支援課メンバーとともに《塩の杭》のひとつの攻略に赴く[11]。
- 人物
- 普段は軟派でお調子者な言動も多く、一見するとだらしのない人物のように思われるが、仕事に関しては誠実であり、年長者としてメンバーのフォローを的確に行うこともできる頼れる兄貴分として慕われている[120]。ロイドとは軽口を言い合いながらも互いを信頼し合う相棒のような関係で、また兄貴分として彼の成長を見守っている。
- 元の職業柄か、長時間の徒歩をものともしないスタミナを持ち、魔獣に関する知識も豊富。
- 趣味はナンパで、任務の最中でも女性と見ると声をかけることがあるため、ティオに突っ込まれたり、エリィに怖い笑顔を向けられたりしている[注 71]。好みの女性はセシルらしく[注 72]、彼女と親しくなるために「ロイドと付き合っても構わない」と冗談めいたことをさらっと言ってのけるが、そのことに関してはロイドは非常に嫌がっている。
- 基本的に美人には弱いが、警備隊のソーニャやウルスラ病院のセイランド教授のように「おっかない」という印象を持っているタイプには気後れしている様子を見せている[137]。
- エリィのことを「お嬢」、ティオのことを「ティオすけ」、キーアを「キー坊」、シュリを「シュリぞう」、ユウナを「ユウ坊」と独特の符丁で呼んでおり、ランディ本人は癖だと言っている[145][注 73]。
- 「碧」では《赤い星座》のザックスから「団にいた頃より遥かに強ぇ」と[126]、「閃IV」では《西風の旅団》のルトガーから「団を抜けてから器がデカくなった。《
闘神 ()》も心残りはねぇだろ」と賞賛されている[101]。 - 口癖は「おいおい、マジかよ!?」、「そう繋がんのかよ……!」などで、「おいおい」で始まる言い回しや、語尾が「~かよ(!・?・!?)」となる言い回しが多い。「
合点承知 ()」もよく使い、ティオやユウナもランディの影響を受けてかよく口にしている。
- セルゲイ・ロウ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:石塚運昇(「VII」)→小山力也(「創」)
- 年齢:38歳(「零」[W 4]・「碧」[書 57])
- 特務支援課の課長で、ロイドたちの上司。
- 優秀な捜査官だが、アクが強すぎるので上層部から煙たがられている。
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- 来歴
- 以前から警察でもはみ出し者だったため、かつて(1196年頃)、ロイドの兄ガイとアリオスという規格外の新人2人を押し付けられて上司となり[103]、3人だけの「セルゲイ班」で捜査一課以上の実績を上げていた[146]。《教団》殲滅作戦(1198年)では捜査一課に代わってクロスベル警察を代表して参加し、ガイとアリオスとともにカルバード共和国最西端にある教団ロッジ(アルタイル・ロッジ)の制圧を担当した[103]。
- 「零」の5年前(1199年)、アリオスが警察を辞めてチームが解散すると、警察学校に異動し[146]、導力車運転の教官も担当する[147]。この時期にソーニャと離婚する[137]。
- 「零」 - 特務支援課を設立し課長となり、ロイドらの上司となる[87]。基本的に放任し、ロイドたちにも最低限の助言しか与えないが、終盤ではロイドらを《太陽の砦》に導力車で送り届ける役目を買って出る[147]。
- 「碧」 - 特務支援課の再始動にあたって、導力車の手配を行い[130]、他組織との連携が多くなった支援課で警察本部、警備隊、遊撃士協会との仲介をする描写が多くなる。
- 「碧」の後、帝国によってクロスベルが併合されるとクロスベル警察はクロスベル軍警に再編され特務支援課は解散させられるが、セルゲイは処分は受けた上でクロスベル軍警に残る道を選ぶ[148]。
- キーア(キーア・バニングス)
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」O・『創』O
- 声:釘宮理恵
- 推定年齢:9歳(「零」[W 4]・「碧」[書 58])→11歳(「閃IV」[書 59])
- 「
黒の競売会 ()」にてロイドたちに保護された、記憶喪失の少女。 - 人懐っこく、天真爛漫な性格であっという間にロイドたちに懐き、ロイドたちも彼女に並々ならない愛情を注ぎ、支援課の精神的支柱となっている。
-
- 来歴
- ゲーム本編のおよそ1200年前、《幻の至宝》の消滅に惑ったクロイス家を中心とする一派が失われた至宝と同等の存在を生み出すために研究を始め、錬金術という魔導技術を編み出し、およそ500年前、彼らによって新たなる至宝の「核」となる存在である
人造生命 ()として生み出され、《教団》に託された[98]。 - その後の500年間に渡って《教団》の信仰対象として《太陽の砦》の《揺篭》で密かに眠りについたまま、教団によって人体実験にかけられた被験者の知識や人格などの膨大な情報を送り届けられて高位の人格が生み出される[98]。
- 本編の時代の頃になって、マリアベルが錬金術に導力技術を融合させた《魔導科学》を編み出したことで《零の至宝》として誕生させる目途が付き、クロスベル自治州全域を使用した《式》の構築などの準備が密かに進められる[118]。
- マリアベルとアリオスによって《太陽の砦》の地下から密かに連れ去られ、《
黒の競売会 ()》で出品予定だったローゼンベルク人形と入れ替えられる[105]。
- 「零」 - 《黒の競売会》で、ロイドらによって救出される[138]。その後も身元がわからなかったため、成り行きで特務支援課でそのまま保護養育されることになり、支援課ビルで暮らし始める[150]。インターミッションではクロスベル市内をロイドらと歩き回り、出会う人々全員がキーアに好意的な反応を見せる[151][書 60]。
- 「碧」 - 至宝としての力が徐々に発現し出したことで自分の正体に密かに思い悩んでいたが、悩みを打ち明けるようマリアベルから促され[120]、クロスベル市が《赤い星座》の襲撃を受けて蹂躙された際、マリアベルの計画に乗ることを決意する[152]。
- クロスベルの運命の日、アリオスに伴われて特務支援課ビルを去り、マリアベルによって導かれ、クロイス家が張り巡らせた魔導科学による「式」である導力ネットと古代遺物である「大鐘」によって変換された七耀脈のエネルギーがキーアに注入され、ミシュラムワンダーランドの「鏡の城」の最上階にて《
零 ()の至宝》として覚醒を果たす[118]。理不尽な今の世界を創りかえるため《零の至宝》としての力を行使しようとするが、ロイドの説得により考え直す[125]。しかしマリアベルによって「周囲から向けられる好意は、能力によるもの」であることをロイドたちにばらされ、最も知られたくないことを知られたことで暴走状態となってしまう[125]。その結果として《碧のデミウルゴス》を生み出し、《碧のデミウルゴス》が特務支援課によって敗れると、内面世界である"零"の世界に閉じこもる[125]。ロイドによって精神を救われて元の世界に帰還し[153]、《零の至宝》としての能力を消失し、元の姿に戻り普通の女の子として生きられるようになる[125]。
- 「閃III」 - イラストのみの登場[116]。「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、ロイド、アリオスとともに湿地帯方面に追いやられる[116]。「鳥籠作戦」が終了したことで解放され、トールズ士官学院・第II分校の面々がデアフリンガー号で演習地から帰投する際に丘の上からロイド、アリオスとともに分校の面々に姿を見せ、一行を見送る[114]。
- 「閃IV」 - エステル、ヨシュア、レン、ロイド、エリィとともに、オルキスタワーに潜入して帝国の情報を探る[10]。《零の至宝》の能力が消えても、因果が視える能力は残っていることから[10]、それを利用してオルキスタワーに送られた霊子情報の解析を手伝っているほか、霊脈の流れの解析を行うことで《黒の工房》の場所の特定に協力し[53]、リィン救出の鍵となる。その後はミュゼの招待によりパンタグリュエルでの極秘会談に参加し、ティオ、ランディと再会する。
- 人物
- 天真爛漫な性格で好奇心も旺盛だが、その率直過ぎる言動は時折ロイドたちの肝を冷やす。
- 《揺籠》で眠っていた頃に吸収した情報により、料理をすれば何かに目覚めたかのように上手に作り[150]、日曜学校では年齢不相応の難問を解くなど[130]、ふだんの様子からは想像できないほどの高い能力を見せる。
- 特務支援課の面々からの溺愛や、どこか遠慮しがちなシズクが打ち解けて友達になるなど、周囲からの好意はキーアの能力が無意識に発動した結果であることが後に発覚する[125]。魔獣やヨアヒムでさえも懐柔する大きな力であり、偽りの生命と記憶、さらには向けられる好意まで偽りであることはそれを知ったキーアに重圧を与えることとなる[125][153]。
- 「キーア(KeA)」という名前には、すべてのはじまりの鍵である「Key of A」という意味が込められている[書 58][注 75]。
- 「閃III」以降の変化
- 《揺籠》で眠っていた間はコールドスリープ状態のようなもので、肉体そのものは人間と変わらないため、「零」で目覚めた後は成長を続けており[書 61]、「閃III」の再登場時には11歳くらいの見た目に成長しており、髪型はツインテールになっている[書 54]。
- 至宝としての力は失ったが、因果を視認することができる能力を持っている[10]。
- 身寄りがないため、ロイドの姓であるバニングスを名乗っている。また、元《
零 ()の御子》と呼ばれることが多い。 - 「碧」でエンディング用に2年後の姿がデザインされていたが[110][書 58]、「閃III」で再登場するのにあたって新規にデザインされており、髪型などが異なる。
-
- 零(ぜろ)の至宝
- キーアの覚醒した姿で、外見は13歳くらいに成長した姿になり、髪は銀色になる[書 62][書 58][注 76]。
- ディーターらからは教団の呼び名にならって《御子》と呼ばれるようになり[118]、『閃』以降では《
零 ()の御子》の通称で知られる[注 77]。 - 因果律と認識を司る《幻の至宝》を再現するために創造されたものだが、さらに《クロスベルの鐘》の共鳴を利用することでその力を増幅し、《空の至宝》と同様の空間を操る力も行使することができる[154]。《空》の力は《神機》を通して行使することも可能で、《幻の至宝》を見守る役割を担っていた《神狼》ツァイトに言わせてもその力はオリジナルの《幻の至宝》を超えている[98]。
- プレロマ草は《幻の至宝》の端末のようなものであり、七耀脈を通じてクロスベル中に咲き乱れており、《零の至宝》もプレロマ草を通じて付近にあるものの存在を感知することができる。
-
- 碧(あお)の大樹
- 《零の至宝》の完成形としての姿で、「全ての調停者となる存在」とマリアベルらは呼ぶ[155]。《零の至宝》であるキーアは中心部に取り込まれている[125]。
- 《鐘》の共鳴をロイドらによって止められたことで至宝としての力が低下したため、「全てを叶える」ためにキーアが決断し[154]、クロスベル自治州南に広がる湿地帯に出現する[155]。高さにして2,000アージュ(メートル)以上の巨大な樹の姿をし[156]、青白い光をまとっている[155]。
- その力はオリジナルの《幻の至宝》を完全に超えており、七耀の力の全てを操り、特に《幻》(因果律と認識)、《時》(時間)、《空》(空間)の力を併せ持ち、女神に匹敵するとまで言われる力を持つに至る[50]。七耀脈を通じて世界とリンクしており、過去、現在、未来の事象全てを書き換える能力があり、その力は「世界を紡ぐ力」とも呼ばれる[125][注 78]。
- これらの力を使うことで過去、現在、未来の出来事を書き換えることができ、「零」の序章でロイドが見た夢はただの夢ではなく、暴走したヨアヒムに殺されたロイドたちを助けるためにキーアによってこの力を用いて取り消された歴史であったことが判明する[125]。
- 物語中ではロイドらの活躍により消滅することになるが、そもそもこれほどの大きな力を制御していける保証はどこにもないため、ツァイトは(ロイドらが何もしなくても)結局《幻の至宝》と同じ結論にたどり着いて自ら消滅する可能性があるのではないかとも言っている[50]。
- 碧(あお)のデミウルゴス
- 「碧」におけるラストボス。マリアベルによって暴走させられたキーアが形成した巨大な《碧の
虚神 ()》で、《零の至宝》と《碧の大樹》が完全に融合した姿[125]。 - キーアを体内に取り込んで活動し、《零の至宝》としての力を行使する。始めは誕生したばかりで不完全な形態だが、戦闘中に完全体へと移行する。非常に厄介な特性を多々持っており、キーア同様上位三属性を統べる。特にSクラフト「時空大崩壊」の性能は非常に凶悪で、一度発動されたらどのような手段を用いても絶対に防げず、「全てを零に」帰され強制的にゲームオーバーとなる。しかし1200年に及ぶ妄執も特務支援課の絆の前に敗れ去る[125]。
- 「時空大崩壊」はいわゆる初見殺しになっており、シナリオ上では最強の力を持っていると言われていることとの折り合いをつけるため導入された[W 16]。
- ツァイト
- 登場作:「零」・「碧」P/S・『暁』・『創』
- 声:滝下毅(『VII』)、平川大輔(ドラマCD)→龍谷修武(「碧Evo」『創』)
- クロスベルの伝説で《神狼》として伝えられる白い狼[注 79]。
- 市民からの人気が高く、特に西通りの子供たちからの人気が高い[107]。
-
- 来歴
- 「零」 - 各地で起こった謎の生物による襲撃事件をきっかけにロイドらの協力者となり[157]、警察犬という名目で特務支援課ビルに住み着く[107][注 80]。《特務支援課》の未熟者たちを見守り、力を貸すというスタンスであり、普段は分室ビルの屋上など、日あたりのいい場所で日向ぼっこするようになる。キーアの正体には当初から気付いている。
- 「碧」 - 特務支援課の一時解散時は姿を消していたが、マインツの鉱山でランディとともに姿を現し[103]、以降は再びロイドらに力を貸す。キーアがアリオスに促されて支援課ビルを跡にした際に追いかけるが見失ってしまい、同日に特務支援課がミシュラムで敗れたため支援課ビルには戻らず、マインツ山道の部下たちと合流する[118][132]。部下の狼たちに猟兵の動きに注意するよう言い含めて自身は単独行動をとり[140]、拘置所を脱走したロイドを本来の巨大な《神狼》の姿で助け、自らの正体を明かすとともに過去にクロスベルで起きた《幻の至宝》にまつわる出来事を語る[98]。それまでの付き合いからロイドが諦めないことは察知していたため、ロイドらが囚われている間にワジに再会して星杯騎士団に協力を要請し、支援課に再起の足掛かりを与える[98]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。《碧の大樹》の消滅後に特務支援課の前から姿を消したことと、その際にローゼリアと少々言葉を交わしたことが語られている[63]。
- ノエル・シーカー
- ワジ・ヘミスフィア
捜査一課
[編集]優秀だが杓子定規な考え方をしており、また縄張り意識も強く他者の介入を快く思わない面を持つ。しかしいずれも正義感は強く、警察官としての誇りと意識は強い。
- アレックス・ダドリー
- 登場作:「零」S・「碧」P・『暁』・『創』
- 声:中井和哉
- 年齢:27歳(「零」[W 4]・「碧」[書 65])
- クロスベル警察の捜査一課に所属する捜査官で、警部補[37]。武器は軍用の大型導力銃。
- 捜査一課の中でも主任捜査官であり[109]、エースとして名高く[103]、現場では彼が指揮を担当することも多い。
-
- 「零」 - エリートである捜査一課の捜査官として当初は特務支援課を軽視し見下す態度を取っていたが、彼らが実績を挙げるにつれて認め、ルバーチェ商会にあたって協力したのをはじめ[135]、終章ではキーアを守ってクロスベル市内を逃走する特務支援課に協力する[158]。
- 「碧」 - 序章で、アーネストとハルトマンを追ってロイドらとともにアルタイル・ロッジに潜入する[109]。支援課とは緊密な連携を図るようになり、第2章で途中加入するほか[37]、終章のクロスベル市解放作戦以降は特務支援課と行動をともにする[8]。キリカとレクターからディーターによる一連の事件の裏に黒幕(フィクサー)が存在する可能性を告げられた際、ダドリーだけがイアンを疑っている[8][書 66][注 81]。それが事実だとわかると、足繁く事務所に通っておきながら気づけなかったことを恥じる[50]。
- 人物
- 眼鏡をかけたインテリ風の容貌とは裏腹に身体を鍛えており、軍用の大型導力銃やショットガンを使いこなす。
- エリート意識が強く、素人同然のロイドたち特務支援課を快く思っていなかったが、必要であれば支援課と協力し、闇ブローカーのアシュリーと情報交換する柔軟性もあり、堅い性格だが分別は持ち合わせている。警察としての使命感と正義感は本物であり、それゆえに上層部の圧力で満足に捜査できない状況に苛立っている[103]。
- 次第に特務支援課を認め始め、厳しい態度を取りながらも彼等を叱咤したり、自分から同行を強く申し出たり[37][8]、時には微笑を浮かべてロイドたちを肯定したりなどの一面を見せていく。
- あまり素直になれない様子をティオから「一種の照れ隠し」と突っ込まれ[103]。
- セルゲイやイメルダなどの年配者には頭が上がらない模様。キーアに対して唯一厳しく、しつけがなっていないと注意したこともある。その際に「おじさん」と呼ばれ怒っている[37]。
- 目上の人間以外には姓で名前を呼ぶ傾向がある(バニングス、オルランドなど)。話す時に「フン」と一拍置いてから話を始める癖がある。
- 続編でプレイヤーキャラクターなることは考慮されて作られたキャラクターだが、「零」の制作時点では特務支援課とどういう関係性になるかはわからない部分があったものの、結果的に好人物となったため当初の考えの通り「碧」でも終章でレギュラーのプレイヤーキャラクターになることになったという[書 67]。
- ガイ・バニングス
- 登場作:「碧」
- 声 - 小西克幸
- 年齢:享年25歳[書 68]
- 故人。ロイドの10歳年長の兄であり、セシルの婚約者。
- 捜査一課の上級捜査官だったが[1]、「零」の3年前に殉職した[107]。
-
- 来歴
- 1189年に両親を旅客飛行船の墜落事故で失い[105]、それ以降は男手ひとつでロイドを育てる[107][106]。
- クロスベル警察の警察官となり、同期のアリオスとともに規格外の新人として扱いに困った上層部からセルゲイに押し付けられ、彼を上司とするセルゲイ班に配属され(1196年頃)[103]、3人だけで捜査一課以上の実績を上げる活躍をするようになる[146]。
- 自身とは対照的な生真面目な性格をしているアリオスとは逆にウマが合い、2年足らずでクロスベル警察最強の若手コンビと言われるようになる[103]。
- 《D∴G教団》殲滅作戦(1198年)では捜査一課に代わってセルゲイ班がクロスベル警察を代表して参加し、アリオスとセルゲイとともにカルバード共和国最西端にある教団ロッジ(アルタイル・ロッジ)の制圧を担当し、そのロッジの唯一の生存者であるティオを救出する[103]。その後、聖ウルスラ病院に入院したティオが回復すると、彼女の実家があるレミフェリア公国まで鉄道の旅に付き合い、彼女に強い印象を残す[103][書 69]。
- 「零」の5年前(1199年)、アリオスが警察を辞めてセルゲイ班が解散すると、捜査一課に異動する[146]。真面目な一課の水には合わず、特にダドリーとは衝突しつつ[135]、もっぱら単独で捜査を行うようになる[103]。
- 「零」の3年前(1201年)、アリオスが後ろ暗い陰謀に加担していることに気づき、曇天小雨の日に彼をオルキスタワー建設予定地に密かに呼び出し、翻意を迫るが受け入れられなかったため彼と死闘を演じる[105]。死闘の末にお互い体力の限界に達したため、アリオスに休戦して飲みにいこうと呼び掛け、アリオスも応じかけるが、死闘の様子を隠れて見守っていたイアンによって背後から撃たれ、致命傷を負う[105]。意外な黒幕に驚きつつ、イアンに「俺の代わりは現れますよ」と言い残し、ロイドとセシル(翌月に結婚式を控えていた)の名を呟いて息絶える[105]。この死に他の目撃者はおらず、殺害した組織は不明であったため、彼の死は謎を残すこととなる。
- 「零」 - 登場はしない。ロイドやティオらによって過去にあった出来事が語られる。
- 「碧」 - 最終盤で、キーアの内面世界である"零"の世界に飛び込んだロイドの前に現れる[153]。キーアが世界を書き換えガイが存在する世界を作り出そうとしていたことから、これまでの事情を全て知っている様子であり、キーアを捜し求めて迷うロイドに助言し、励まし、兄として導く[153]。
- 人物
- 直情的で無鉄砲だが優秀な捜査官で[103]、大胆不敵ながらも危険や陰謀へのすさまじい嗅覚を持っていた[159]。捜査一課に移った後は水こそ合わなかったものの、その捜査手腕の高さは一課の誰もが認めていた[135]。
- 武術の腕はアリオスがやや上で[105][注 82]、ガルシアに言わせれば、他もセルゲイやダドリーに比べて捜査官として抜きんでたものはなく、抜きんでたところがあるとすれば「諦めない」ところくらいだった[98]。しかし、その絶対に諦めないという気質が半端ではない行動力や大物に食い下がっていく原動力になったのだろうと推測されており[98]、この絶対に諦めないという思いはロイドにも受け継がれている。
- 特務支援課は彼が生前残した言葉に動かされてセルゲイが設立した[103]。
- 『VII』では、アリオスが《特務支援課》にとっての越えるべき《壁》として描かれているのに対して、ガイはロイドにとっての越えるべき《壁》という位置づけが与えられている。
- ロナード・グリフィン
- 登場作:『暁』P
- 声:日野聡
- 『暁』の主要人物の一人で、クロスベル警察、捜査一課に所属する上級捜査官。捜査のためなら手段を択ばない性格で時には暴力を振りかざしてしまうこともあるが、基本的には“罪を憎んで人を憎まず”の主義で、面倒見もそれほど悪くない。
- オーバルストア「ゲンテン」の店長フェルナンドをターゲットとした《N資金》詐欺事件捜査の担当となったことが縁でナハト、クロエと知り合う。当初は誤解とナハトの猜疑心からギクシャクした関係ではあったが、事件解決後は《クロスプロジェクト》の警察側担当としてナハトたちに協力した。唯一の大人として彼らを見守り時にはデリカシーのない発言がきっかけで口論になりながらも、次第に3人に対して親しみを覚えていく。
- 幼少期はクロスベルの旧市街にある貧しい家で育ち、同じ日曜学校に通ったジリアンとは貧富の差はあれど親しい幼馴染で、ジリアンの妹であるシェリルには「ロナードお兄ちゃん」と呼ばれ懐かれていた。やがて日曜学校の帰宅途中にシェリルが行方不明となり、クロスベルに危機感を覚えた両親とともにジリアンは帝国へと戻ること。その際に『刑事になって必ずお前の妹を見つけてやる』と約束した。約束を果たすために猛勉強の末、当時最年少で捜査官試験に合格した。その4年後、クロスベルに戻ったジリアンと再会して火が付き、エリート刑事であることからジリアンの両親の覚えも良く、あれよあれよという間にジリアンとの婚約を果たした。また、当時ジリアンの上司であったライトナーとも親しく、彼の突拍子もない計画によく手を焼いていた。だが結婚式を目前に控えて《D∴G教団》殲滅作戦にセルゲイ班の一人としてライトナーらと駆り出されることになり、捜索先のロッジにあった教団の儀式で犠牲となった子供たちの死体の中に、シェリル・スカイの亡骸を見つけてしまう。当時浮かれていた彼は卒倒し、アリオスに運び出され事なきを得るが、シェリルが変わり果てた姿で見つかったことが原因でジリアンとの結婚は有耶無耶になった。シェリルの死をきっかけにクロスベルに恐れを抱いたロナードは、教団の残党や協力者を捜しを名目に逃げるようにしてクロスベルから頻繁に出張するようになり、やがてジリアンへの恋心を失ってしまった。
- 2章でクロスベルを正すべくテロ行為を仕掛けたライトナーと再会する。彼が自分と同じく《D∴G教団》殲滅作戦をきっかけに壊れてしまったことに気づき、クロスベル地下水路で対峙した際にはライトナーの銃弾を身を挺して受けながら、クロスベルから逃げずに生きて償うことを彼に懇願し、意識を失った。クロスベルから出張するたびに買い漁ったお守りの一つが運よく銃弾を防いでくれたことで事なきを得たが、無茶をしたことからジリアンの説教を受けた。また、銃弾を防いだお守りは捨てたと偽っていたジリアンとの婚約指輪だった。その後、彼はシェリルの死に関わったニーズヘッグを追いかける。
- 課長
- 捜査一課の課長でダドリーの上司。本編では名前・姿ともに明かされなかった。ダドリーの態度から捜査の打ち切りを告げざるを得ないことに無念であった模様[103]。
その他警察関係者
[編集]- フラン・シーカー
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:有島モユ
- 年齢:17歳(「零」[書 70]・「碧」[書 71])
- 警察本部のオペレーターで、ノエルの1歳下の妹。
- 特務支援課のバックアップも担当しており、各種連絡や報告書の処理などを行う。
- 「碧」でも引き続き支援課のバックアップを行っていたが、警察署を襲撃してきた《赤い星座》の攻撃で、一時昏睡状態になるほどの重傷を負う。しかし捜査二課のドノバンが身を挺してかばったことで後遺症もなく復帰。ディーター大統領に対して反旗を翻したロイドたちに味方し、ヨナとともにバックアップに回る。
- 自分にとっての一番はいつだってお姉ちゃんというほどのお姉ちゃんっ子[122]。ノエルのようにかっこよくて頼れる女性になることを目標にしているが、そこまで姉好きであるにもかかわらず同じ警備隊に入らなかったのは、警察学校では事務系の成績が良く、自分に合った方法でクロスベルを守っていきたいと考えたためである[122]。
- ノエルとおそろいのクマのぬいぐるみを持っており[27]、「バンバン」と名づけている[151]。
- ピエール
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:織田優成
- クロスベル警察の副局長。
- 典型的な小役人タイプの人間で、上司にはこびへつらい、目下の者には尊大に振舞う。特務支援課の存在を疎ましく感じており、ことあるごとにロイドたちにネチネチと小言を言ってくる。一方で重度の恐妻家であり、結婚指輪をなくしたときにはパニック状態になっている。また、酒に酔うと妻のことで愚痴る姿が方々で見られる。
- 「碧」では自分の後輩が局長になってしまったことに落ち込んだ他、あるイベントでは妻から離婚届を突き付けられそうになり、ロイドから同情される。最終的に離婚の危機は回避されるも、妻にはますます頭が上がらなくなる(結婚指輪をなくした一件もバレていた)。
- よくある現場に口を出す無能な上司というわけではなく、ダドリーの実力は認めており、オルキスタワーの警護の指揮を彼が執っていた際には自分の出る幕はないと余計な口出しはしていない。
- 終盤では市内に混乱を広めたディーターを問い質しにオルキスタワーに乗り込んだり、ロイドたちを心配したりするなどの一面を見せる。妻に対して立ち上がらないといけない時があると語るが、似合わないことをしたせいで結果的にタワー内に監禁されてしまったことを指摘されている。
- ジリアン・スカイ
- 登場作:『暁』
- 声:藤井ゆきよ
- 『暁』の主要人物の一人で、クロスベル警察のオペレーターで、ロナード捜査官の同僚兼お目付け役。正義感が強く、生真面目な性格で生まれもっての苦労人気質。
- 導力ネット関連の犯罪を一手に引き受けたり、ロナードが各地で起こした事件の後処理に追われるなど、日々のストレスに悩まされている。
- その実は今は無き情報課の一員でありサミュエル・ライトナーの元部下。そしてロナードの元婚約者。また、年の離れたシェリル・スカイという妹がいた。
- 両親はエレボニア帝国人であり、子供の頃は日曜学校でクラスが一緒だったロナードとは貧困の隔たりなく遊んでいた。
- しかし10年前の日曜学校の帰り、シェリル・スカイが拉致され事件が迷宮入りしたことで、両親とともに帝国へと帰ることになった。
- その4年後、クロスベルに戻り再会したロナードと婚約することになるが、《D∴G教団》殲滅作戦でシェリル・スカイの亡骸が見つかったことにより、互いに婚約どころではなくなり、次第に有耶無耶になってしまった。
- ホガース
- 登場作:「零」・『暁』
- 警察の局長だが、名前・姿ともに本編で明かされなかった。ルバーチェから賄賂を受け取って捜査を妨害したため、エンディングで警備隊の司令官ともども、解任されたことが語られる。
- 『暁』にて顔グラフィックと名前が追加された。接待能力に目を付けたエルフェンテック社にプレストンともども引き抜かれ、同社の常務となっている。今の職場の方が断然いいと語っている。
- フランツ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:坂泰斗(『創』)
- クロスベル警察本部前の警備を担当する、広域防犯課の巡査で、ロイドの警察学校時代の同期。捜査官を志しており、警備の仕事をしながら受験勉強に励む姿も見られる。しかし、ルバーチェによる《グノーシス》の流通に伴い、警備の仕事が忙しくなり、勉強のための時間が取れないとこぼす場面も。受付嬢レベッカが気になる様子。
- 『暁』にて顔グラフィックが追加された。
- サミュエル・ライトナー
- 登場作:『暁』
- ガイたちが活躍していたクロスベル警察黄金期に存在していた《技術課》の元課長。《D∴G教団》殲滅作戦にも暗号解読班として参加した。
- エブリスタイン財団で導力学を学び、魔獣を退治する清掃マシンを設計、利権の問題で広く実用化はされなかったが、ロバート主任にも天才と称されていた。
- その知識を買われる形でクロスベル警察入りし、発展途上の動力ネットを犯罪から守るべく《技術課》を立ち上げ1課や2課をサポートした。
- だが、未熟な導力ネットがいずれ犯罪の温床になることに危機感を覚え、上層部の会議に乱入、導力ネット犯罪の対策の重要性を伝え悪用の可能性があるセントラルヒーリング建設の中止を直談判した。
- しかし、当時の上層部は誰一人とてライトナーの言葉を理解できず、そのために進言を受け入れられず、逆に疎まれ《技術課》も廃止されてしまった。
- その後数年間行方を晦ましていたが、《教団事件》や《西ゼムリア通商会議》におけるクロスベルの治安の脆さに絶望し、机上の空論とも言えるクロスベル独立宣言に激怒、不本意ながら《ニーズヘッグ》と取引しツァイス中央工房の《カペルII》を奪取、卓越した処理能力でクロスベルの全ての導力ネットを掌握し、警察や関係者へと”クロスベル崩壊”を警告した。
- ジオフロントを掌握しようとした所へ追いついたダドリーと試験課の面々と対峙し、クロスベルの平穏と反映が脆弱な導力ネットの上で成り立っている真実を市民や上層部に刺激をもって警告することが目的だったと告げる。だがナハトに目の隈から悪夢を見ていることを指摘され、激戦の末に自殺を図り試験課の面々へと導力銃を向けるが、捨身で説得すべく近づいてきたロナードを撃ってしまい動揺する。倒れゆくロナードに「生きて償え」と告げられた直後、何者かが仕掛けた清掃マシンの暴走に巻き込まれるが、駆けつけた元同僚のアリオスに救い出された。
- アルタイル・ロッジでの惨劇や魔都クロスベルの闇を目撃し悪夢に苛まれる中、ガイが死にアリオスが警察を去ったことでこの先クロスベルを守れるのか怖くなったことが理由であったことをアリオスに告げ、ロナードら若者の成長を信頼すべきと気づくのが遅すぎたと呟きながら、逮捕された。
- その後、牢にて《錬金術師》と名乗る女性からクロスベルの導力ネットに存在する膨大なデータに気づいた才能を買われクロスベルを守る壮大な計画に協力するように求められるが、生前のガイが探っていた黒幕が彼女であることを見抜き、生きて償うことを理由に辞退した。
- ユウナ・クロフォード
- 特務支援課に憧れ警察学校に所属する少女[160][注 83]。詳細は#ユウナ・クロフォードを参照。
クロスベル警備隊/国防軍
[編集]クロスベルにおいて軍隊に相当する組織であり、国境の警備などを行っている。主に登場するのはベルガード門とタングラム門の警備を担当する隊員たち。新人あっても警備隊に所属するものはエリートであり、ロイドたちも手加減無用と判じやりあったほど。ディーターが大統領になってクロスベル独立を宣言した後に「国防軍」と名を改めた。
- ノエル・シーカー
- 登場作:「零」S・「碧」P・『暁』P・『創』P
- 声:浅野真澄
- 年齢:18歳(「零」[W 4]・「碧」[書 72])
- クロスベル警備隊に所属する少女。フランの姉。
- 警備隊の若手のホープとして期待されており、ソーニャの片腕として行動する。警備隊の装備を使いこなして高い戦闘力を発揮するだけではなく、乗り物の運転や操縦にも長け、導力車、戦闘車輌からボートまで操縦することができる[144]。
-
- 来歴
- クロスベル警備隊に所属する父オズマの影響を受けて育ち[109]、その父は任務中の「事故」により殉職する[140]。その後、父と同じクロスベル警備隊を目指し、警察学校警備課を優秀な成績で卒業する[書 73]。
- 「零」 - 第2章終盤、第4章序盤でスポット加入し特務支援課を助ける。特に第4章では装甲車を運転して各地に案内してくれる。終盤、《太陽の砦》を目指すロイドらの乗った車が警備隊車両によって危地に陥っていたところに現れ、彼らを援護する[149]。
- 「碧」 - 特務支援課に出向し、ロイドたちと行動をともにする[109]。父の「事故」が心情に尾を引いていたこともあり、ディーター市長によるクロスベルの独立提唱を受けて、その主張に賛同に傾く[120]。特務支援課への出向が終わり[161]、警備隊に復帰した後、警備隊が国防軍に再編されるとそのまま所属を移す[118]。軍人としての使命感から軍務に従い[98]、アリオスによって倒されたロイドら特務支援課を捕縛する[118]。後に、脱走したロイドたちと対峙し、ロイドから信念に反した道を歩んでいることを指摘され、一騎討ちを挑まれる[162]。敗北した後、上官であるソーニャの計らいもあって再び支援課と行動をともにする決意をする[162]。
- 「閃II」 - 登場はしない。ランディ、エリィと同様、クロスベル総督府により監視がつけられていることが語られている[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。他の《特務支援課》関係者と同様、「鳥籠作戦」により、ミシュラム方面に閉じ込められており、ミシュラムで待機任務に付いていることが語られている[115]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングでオリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 人物
- 躾の厳しい父オズマのことは苦手にしていたが[122]、そんな父の影響もあって、組織の上下を重んじる体育会気質な性格となる[109]。導力車の運転が好きなのも導力車レース観戦が好きだった父の影響があるらしい[108]。
- そのため、同年齢以上の人間には常に敬語で接するが、年下のティオやフラン、素行不良のワジなどには本来の口調で接する。根が生真面目なのでワジと接するときは普段の彼女とは違う一面が見られる。
- 妹に負けず劣らず姉妹愛が強く、フランが交際を迫られるイベントでは、気が気ではないといった様子で、終始落ち着きを失っている。普段は冷静だが、妹のことと恋愛ごとには弱いらしい。「碧」では周囲からロイドとの関係を疑われたり、彼から告白にも近い台詞を(天然で)何度も言われたことで次第に異性として意識し始める。
- 「碧」では支援課に導入された導力車の運転手を務めるほか、カーマニアの一面があることが判明する[130]。
- 「零」の時点で特務支援課が個性派ぞろいになっていたため、「碧」で新メンバーとなるノエルは、真っ当な突っ込み役を担うこととなる[書 42]。
- ソーニャ・ベルツ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:進藤尚美
- 年齢:36歳(「零」[W 4]・「碧」[書 74])
- 警備隊副司令の女性。自治州東端に位置するタングラム門の責任者。
- 優秀な軍人だが、場合によっては独自の判断で警察とも協調する柔軟性と思い切りの良さを備えている。セルゲイとはかつて夫婦だった。司令と対立してクビになりかけたランディを紹介した他、創立記念祭の初日では酒場でセルゲイと2人っきりで過ごしているなど、夫婦仲は悪くなかったことをうかがわせる。
- 「碧」では警備隊司令に昇進し、「零」の事件でダメージを負った警備隊の建て直しに奔走する。
- ミレイユ
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:中原麻衣
- 年齢:22歳(「零」・「碧」[書 75])→25歳(「閃III」[注 84])[注 61]
- クロスベル警備隊の女性士官。自治州西端のベルガード門に勤務しており[107]、警備隊時代に同施設で任務に就いていたランディの元同僚。
- 指揮能力もさることながら、戦闘でもベルガード門部隊の中で男性陣を押さえて1・2位を争うほどの力量を誇る[書 76]。実はランディが特務支援課に配属されるきっかけを作った人物で、彼がライフルの不使用により司令からクビを言い渡された際、この処分の取り消しを求める嘆願書を各方面の副司令クラスの人間に送った内の1通がソーニャの手元に届き、それを見た彼女がランディに特務支援課を紹介した[書 76]。
- ランディの発言や行動に一喜一憂する場面が随所で見られ、彼に対し好意を持っているような様子がうかがえる。
- 「零」で手ごたえがあり、プレイヤー間でもある程度の話題とはなったので、「碧」では顔グラフィックが追加され、ランディとの関係性もクローズアップされた[書 77]。
-
- 来歴
- 「零」 - 本来はベルガード門にいるはずの警備隊司令が不在がちなため、彼女がベルガード門の事実上の責任者となっている[107]。司令の性格上、何かあれば彼女に責任転嫁されかねないとランディは心配している[106]。終盤では《グノーシス》を「栄養剤」と偽られ[135]、そうとは知らずに服用したことでヨアヒムに洗脳され、IBCに立て篭もる特務支援課と戦闘になる[147]。
- 「碧」 - 顔グラフィックが追加され、ソーニャとともに警備隊の建て直しに奔走している。物語中盤で三尉に昇進する[137][95]。クロスベルの強引な独立宣言と国防軍への再編が発表されたときにはそれを容認できず、同じく納得しきれなかった警備隊員たちを伴ってマインツ方面に潜伏し、レジスタンスとして《赤い星座》や国防軍に対する抵抗活動を行う[140]。クロスベル市解放作戦ではレジスタンスの部隊を指揮し、ツァイト配下の狼たちと連携して《赤い星座》と交戦する[8]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。警備隊がエレボニア帝国軍に組み込まれたため、動きにくい立場にあることが語られている[1]。
- ダグラス
- 登場作:「碧」・『暁』
- 昇進したソーニャの後任として警備隊副司令となった人物[137]。すさまじくタフで、戦闘力ではおそらく警備隊ナンバー1と目されている[137]。
- 元々、警備隊のホープとして期待されていたが、前司令に疎まれて閑職である警察学校の教官に回されていた[137]。警察学校ではロイドやランディの教官をしていたこともあり、基礎体力の向上から格闘訓練のほか、ロイドにはトンファーによる制圧術を、ランディにはスタンハルバードの扱いを教えた[137]。
- 普段は気さくだが訓練が厳しいために警察学校では「鬼のダグラス」と、それ以前は「迅雷のダグラス」と呼ばれていた[163]。ソーニャとセルゲイ両名の後輩だが、二人の結婚の仲立ちをした人物でもある[137]。
- なお、「迅雷のダグラス」は『英雄伝説IV 朱紅い雫』に登場するダグラスの通り名であり、キャラチップも似通っている。
- プレストン
- 登場作:「零」・『暁』
- 警備隊の司令官だが、本編では登場せず名前すら不明。議会の帝国派に属する人間[103]。終盤でマルコーニと接触し[103]、それを利用されて大惨事を引き起こしてしまう。
- ランディからは「阿呆司令」[103]、ノエルからは「あんな司令」と散々な評価をされている。接待ばかりしていて世間体を気にするタイプで司令官としての能力も人望も無く、それが災いとなってストーリーの終盤で《グノーシス》を「栄養剤」とだまされて警備隊員に投与してしまい、警備隊に限らず、クロスベルを混乱させてしまったため、エンディングで司令官職を解任されたことが語られる。
- 『暁』にて顔グラフィックと名前が追加された。接待能力に目を付けたエルフェンテック社にホガースともども引き抜かれ、同社の専務となっている。
クロスベル 遊撃士協会
[編集]クロスベル市の東通りに支部を構え、自治州全体を担当範囲にしている。「零」時点で所属している遊撃士は全員がB級以上とされている[146]。他国と比べても、クロスベルでは市民からの人気が高い。
- ミシェル
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:高戸靖広(『VII』) →綿貫竜之介(『創』)
- 年齢:32歳(「零」・「碧」[書 79])
- クロスベル支部の受付。おネエ言葉を話すドレッドヘアーの男性[112]。
- ロイドたちに対して厳しくもあるが、大事に首を突っ込む彼らに気をつけるように声をかけている。キリカのように戦う描写こそないが、グノーシスを投与された警備隊の襲撃を免れている。
- 「碧」では顔グラフィックが追加されているが、『空』では遊撃士協会の受付には顔グラフィックがあったのでその基準に合わせたという事情と、おネェ言葉で話すため顔グラフィックがないと性別がわかりにくいという事情による[書 77]。スコットら遊撃士たちは4人分作らないといけないため顔グラフィックが付けられなかった[書 80]。
- 教団事件解決後(『暁』)は、クロスベル警察との関係改善に伴い、警察と遊撃士が協力して問題解決にあたる通称「クロスプロジェクト」を立ち上げ、準遊撃士になったばかりのナハトとクロエを派遣する。また戦闘では投げナイフを駆使して戦う。
- 「閃IV」では本編には登場しないが、エンディングで受付の仕事をしている様子が描かれている[35]。
- スコット
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:岡島俊治(「零Evo」)→荒井聡太(「碧Evo」)
- ライフルを使う遊撃士。
- 危険な魔獣が生息する古戦場に入り込んでしまった観光客の捜索をする際に、ロイドたちと協力する。百貨店《タイムズ》で受付嬢をしているパールという名の婚約者がいる。
- ナハトとクロエの準遊撃士試験ではヴェンツェル、エオリア、リンとともに試験官を担当。その後も多忙の傍ら二人を気にかけている。
- ヴェンツェル
- 声:上倉紀行(「零Evo」)→酒井凜太朗(「碧Evo」)
- 登場作:『VII』・『暁』
- エレボニア帝国出身の遊撃士。スコットとともに行動することが多い。
- 発足間もない《特務支援課》に対しては高圧的な物言いをしていたため、ティオからは内心「えらそう」と思われていたが[157]、支援課が数々の事件を解決に導いたことで評価を改めその力を認めるようになる[130]。
- 元はエレボニア帝国の支部に所属しており、「零」以前に起きた《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》ではカシウスの下で解決作戦に参加していた[164]。その後、エレボニア帝国における遊撃士協会の活動が大幅に制限されたタイミングで、ミシェルによってクロスベル支部に引き抜かれた。
- その後も帝国には手伝いに行くことがあり[164]、「閃III」では帝国入りし、シェラザードとともに行動していることが語られている[59]。
- エオリア
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:水谷美月(「零Evo」)→金香里(「碧Evo」)
- レミフェリア公国出身の女性遊撃士。同じく遊撃士のリンとともに行動することが多く、ともにA級に迫る実力があり、2人一緒ならアリオスにも匹敵する腕前を持つとされる[144][注 86]。
- 物への執着心が薄いらしく、高価な物でも他人にあっさりとあげようとする。可愛いもの好きで、ティオを抱っこしたがったりする一面がある。医師免許を持っており、戦闘では手術用のメスを投げナイフ代わりに使用する他、さまざまな薬品を使った状態異常クラフトを得意とする。
- リン
- 登場作:『VII』・『暁』P・『創』
- 声:小寺可南子(「零Evo」)→前田綾香(「碧Evo」)
- エオリアとともに行動することが多い女性遊撃士。男っぽい言葉遣いをする。「泰斗流」の使い手で、ジンやキリカの後輩にあたる[165][107]。自身は拳法で戦うが、トンファー、偃月輪、三節根といった東方武具も門下生時代に一通り修得しており扱うことができる[37]。
- 手強い相手を見ると歯止めが利かなくなるところがある[144]。
- 「碧」では、エオリアとともにあるイベントでロイドたちと戦う[37]。戦闘後、勝敗に関わらずロイドの素質に注目して武術の型を指南する[37]。
- 近接戦闘では即死攻撃や威力の高い一撃を放ち、遠距離では気の砲弾を用いる。また、ジンと同様、《龍神功》によって能力を大幅に上げることができる。
- ナハト・ヴァイス
- 登場作:『暁』P
- 声:石川界人
- 『暁』の主人公の一人。教団事件が解決し、エステルとヨシュアが去った遊撃士協会クロスベル支部に所属することになった準遊撃士。
- できる限り目立たないように、「平凡」第一に行動することを信条としている。遊撃士になってからは小さな依頼をコツコツと……と計画していたが、遊撃士試験を一緒に受けることになったクロエとコンビを組むことになり、自身と正反対の性格の彼女のおかげでその目論見はもろくも崩れ去る。
- 出身国籍・年齢不明(16歳のクロエよりは年下)で、かつては猟兵団「ニーズヘッグ」の部隊長を務めていたが、ある任務で自部隊が壊滅した際に、猟兵や戦場に嫌気がさし、団を脱走。戸籍を偽装してクロスベルに潜り込んだ。そのため、堅気の職業に就くことのほかに身分保障を得ることも彼が遊撃士になる動機のひとつであった。
- 準遊撃士になったのち、最初の依頼の解決を通じて知り合ったロナード・リーヴ・ジリアンとともに、警察・遊撃士・民間が協力して問題解決にあたる「クロスプロジェクト試験班」を結成。遊撃士協会や仲間には自分の過去は伏せているが(ただし、カシウスなどごく一部の猛者は、ナハトが元猟兵であることを察している)、クロスベル・リベール・レミフェリアなどで事件を解決しながら、否が応にも自分の過去と向き合うことになると同時に、遊撃士として少しずつ前向きになっていく。
- 武器は導力銃が仕込まれたハルバード(斧槍)。猟兵時代の経験から、地雷などトラップの取り扱いも心得ている。
- クロエ・バーネット
- 登場作:『暁』P
- 声:佐倉綾音
- 『暁』の主人公の一人。16歳。リベール王国出身にもかかわらず、クロスベル支部を志望してナハトとともに準遊撃士試験を受け、合格、所属することになった。性格は正義感が強く行動的だが、戦闘や裏社会に対する知識不足や浅慮から無謀な行動に走りがち。慎重で時に考えすぎるナハトとは正反対の性格だが、彼とコンビを組んで遊撃士としての仕事をスタートさせる。
- クロスベルに来る前は、リベールのルーアンに住んでおりジェニス王立学園に通っていたが、病弱だったため保健室登校や休学・復学を繰り返していた。リベルアーク事件解決後にレミフェリアで先端医療技術による手術を受けて快復。治療中に入院していた聖ウルスラ病院のあるクロスベルに恩を返したいという思いと、リベルアーク事件を解決した英雄たちにあこがれて遊撃士を志した。趣味は読書で、王立学園で学んだことと合わせて世界情勢・法律・ビジネス用語等の知識は豊富。そのため、性格面以外に得意分野・知識の面でもナハトとは互いの弱点を補いあう関係にある。
- 一見、上記のように元気いっぱいの彼女だが、ごくたまに「彼女とは全く違う一面」が表に出てくる時があり、それは「ある人物」を彷彿させている。
- 武器は片手剣だが、誰かに師事したことはなく、小説などに登場した技をまねた我流。にもかかわらず、実力差を弁えずに犯罪者たちに啖呵を切るのでブレーキ役のナハトは気苦労が絶えない。しかし根性はナハトにも認められており、クルツやヴェンツェルら先輩遊撃士の厳しい訓練に耐えて技を磨いている。
政財界
[編集]クロスベル自治州の政財界の関係者たち。
- ヘンリー・マクダエル
- 登場作:『VII』・『創』
- 声:増谷康紀
- 年齢:72歳(「零」[106]・「碧」[注 87])→74歳(「閃III」・「閃IV」[148])
- エリィの祖父で、「零」の時点でクロスベル市長(クロスベル自治州の共同代表者)を務めている。
- 市民からは強く支持されているものの、帝国と共和国のどちらにも肩入れしない中立派であることから、市と自治州の運営には苦労している[107]。
- 警察官としての道を歩むエリィのことを見守り、《グノーシス》を服用した警備隊相手でも動じない強さを持つ。娘夫婦が離婚して一人になってしまったエリィを引き取ることになったが、離婚を止められなかったことを後悔している。
- ハルトマンによる改革案の阻止、娘夫婦の離婚、アーネストに裏切られた上に暗殺されかけたり[166]、クロイス家による策略によってエリィと一緒に監禁されたりと、苦労の絶えない人物。
- にがトマトが好物で、行政区に出店しているジューススタンドの裏メニュー「にがトマトのシェイク」がお気に入り[151]。
-
- 来歴
- 「零」の15年前(1189年)、選挙によりクロスベル市の市長に就任する[46](以降「零」の年まで在任する)。市長に就任した数年後、娘夫婦が離婚してどちらもクロスベルを去ったため孫娘のエリィを育てることになる[107]。
- 「零」 - クロスベル市の市長(自治州の共同代表者)として登場。エリィの祖父だが、エリィが素性を秘密にしていたため、途中まで明かされない[107]。一連の事件後、市長を続投せずに州議会選挙に出馬する[49]。
- 「碧」 - クロスベル自治州の自治州議会議長(自治州の共同代表者)として登場。クロスベル独立国の成立がディーターによって宣言される際に身柄を拘束され[118]、しばらく軟禁されていたが、ロイドらによって救出される[126]。その後、州議会議長としてクロスベル市民に演説を行い、ディーターの不当性を住民に問う[127]。これによって《国防軍》の一部は「大統領に対する不審」という名目で動きを止め、戦力を削ることとなる[127]。ディーターが逮捕されると、クロスベル自治州議会議長とクロスベル市長を暫定的に兼務する[110][167]。
- 「閃II」 - 登場はしない。クロスベル自治州がエレボニア帝国によって併合されて帝国領の「クロスベル州」となり、その条約に調印したことが語られる[111][167]。
- 「閃III」 - 登場はしない。クロスベル総督府の管轄下で州議会が存在し、その議長を務めている[112]「鳥籠作戦」によってミシュラム方面に閉じ込められ[115]、エリィとともに要人の応対に忙殺されていることが語られる[116]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。世界大戦の開戦にあたり、クロスベルタイムズ特別号に談話を寄せている[168]。
- ハルトマン
- 登場作:『VII』
- 声:竹本英史
- クロスベル自治州議会の議長で、マクダエル市長と並ぶ自治州代表(共同代表)。58歳(『VII』[注 88])。
- クロスベル自治州の代表を務めているが、帝国の利益を優先する帝国派議員のリーダー的な存在であり、マクダエル市長による改革案のほぼすべてを潰している[46]。ルバーチェ商会のマルコーニ会長とは旧知の仲であり、密貿易やミラロンダリングなど同商会の非合法な活動において密接な協力関係にある[123]。
-
- 来歴
- 帝国貴族に連なる名家の出身で、ミシュラムに巨大な邸宅を有している[123][注 89]。過去に《D∴G教団》の教団ロッジのひとつである《楽園》に誘い込まれたことでヨアヒムに弱みを握られており、教団が壊滅した後に彼をクロスベル自治州内でかくまうなど、裏で協力させられていた[47]。
- 「零」の前年の春に帝国宰相ギリアス・オズボーンと非公式で会談した[123][130]。
- 「零」 - 権勢を誇っていたが、一連の事件後に失脚し、さらに数々の不正行為が発覚したことで逮捕される[49]。
- 「零」の後、クロスベルの混乱のどさくさまぎれに拘置所を脱走し帝国に亡命していたが、帝国から追放処分を受けたことでアーネストとともに共和国のアルタイル市郊外にある元教団ロッジである旧アルタイル・ロッジに逃げ込む[109]。
- アーネスト・ライズ
- 登場作:『VII』B・『暁』
- 声:高橋裕吾
- マクダエル市長の第一秘書。28歳(『VII』[注 90])。
- 中立派の政治家を目指していたが、中立派という立場の困難さと無力さゆえにその志が歪み、事務所の資金を横領し、帝国派の議員とつながりを持つための資金源にしていた[166]。
- 文武両道で実力は本物であり、エステルからは「同じ秘書でも(ギルバートとは)えらい違い」と言われた[7]。本来は穏やかな人物だが[107][50]、《グノーシス》を服用すると、性格が豹変し、瞳の色も真紅に変わってしまう。
- 使用するSクラフトは「闇神楽」。魔剣を大地に突き立て、邪悪な魔法陣に踏み入った対象者から生命力を奪い取る。この技は人の姿の時も魔人化後も使用する。
-
- 来歴
- エリィの幼少時の家庭教師でかつては「アーネスト先生」と呼ばれていたが、エリィが留学してからは疎遠となっていた[107]。
- 「零」 - 警察官の道を歩むエリィが迷っているさまを見て、政治の道に戻ってくるよう説得するが[107]、後日、迷いが消えたエリィを見て最終的には彼女のことを見守ることにする。主治医だったヨアヒムが提供した《グノーシス》(《蒼の叡智》)がきっかけで暴走し、劇場でマクダエル市長の暗殺を実行に移すも、ロイドたちに阻まれて逮捕される[166]。拘置所に拘留されるが、同施設の警備を担当しているベルガード門の警備隊が《グノーシス》を服用したことにより解放され、不気味な魔剣を片手にヨアヒムの手下として再びロイドたちの前に立ちふさがる[47]。その後、ヨアヒムと合流し《太陽の砦》の中層にてロイドたちと交戦[7]。新しい《グノーシス》である《紅の叡智》を服用したことで魔人へと変貌するも激戦の末に敗北し、再度捕らえられる[7]。
- ディーター・クロイス
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:竹本英史
- 年齢:45歳(「零」・「碧」[書 88][注 91])
- IBCグループ総裁で、世界一の資産家。
- マリアベルの父。マクダエル市長の婿ライアンと友人だったため[46]、娘マリアベルの幼馴染かつ親友であるエリィに対しては、「身内も同然」とさまざまな協力をしてくれる。ウィットに富んだ性格をしているが、クロスベルにおける「正義」が形骸化していることを嘆いている[46]。
- 経営者としては超一流で、政治家としても悪くはないとされるが、キリカからは「経営者としての観点からしか政治を動かしていない」と[8]、イアンからは「夢想家すぎるという致命的な欠点(がある)」と評されている[155]。
-
- 来歴
- 錬金術の才能は凡庸以下だが、若い頃から商売人としての才覚は高く、錬金術を学ぶ傍ら《導力革命》の機運を敏感に察知し、そこに人材と資産を集中的に投資することでクロイス家を一気に繁栄させ[書 90]、IBC(クロスベル国際銀行)をゼムリア大陸最大の資産を持つまでに押し上げる[87][155]。
- 「零」 - IBCグループ総裁として登場。ある事件の捜査で《特務支援課》に協力し、その際に「正義」についての自説を説き、支援課の存在はクロスベルにとって意義があるということを語り、ロイドらを激励する[46]。物語終盤では物資補給や防弾仕様のリムジンを提供するなど、ロイドたちに全面的な協力を行う[158][147]。一連の事件が終わった後、政界市民の市長選挙に出馬する[49][注 92]。
- 「碧」 - クロスベル市の新市長(自治州の共同代表)として登場。特務支援課に導力車を提供するなど援助を惜しまない一方[104]、歪んだ「正義」を現し始め、西ゼムリア通商会議でクロスベルの独立を提言したのを手始めに[96]、《赤い星座》に依頼してクロスベル市を襲撃させ[139]、市民たちの帝国への反感を煽る[152]。クロスベル独立の是非を問う住民投票直前に起こしたこの事件により、独立は住民多数の賛同を得て、その支持を背景にディーターは「クロスベル独立国」を成立させ、自身が初代大統領となることを宣言する[118]。手始めに軍事力を高めるべく警備隊を「国防軍」へと再編し、娘の手によってキーアを《零の至宝》へと覚醒させ、歯向かったロイドたちを捕縛し、侵攻してきた帝国軍と共和国軍を《至宝》の力を使って退ける[118]。《零の至宝》の力を背景に『ゼムリア大陸諸国連合』を提唱し、全ての戦争を否定し、自由な経済活動を保障する枠組みを示し、帝国と共和国という大国の圧力に晒されている小国や自治州に働きかける[98]。時を同じくして、帝国では内戦が始まり、共和国では経済恐慌とそれに端を発してテロ活動が激化し、クロスベル独立国の動きを掣肘する存在はいなくなる[98]。この頃、シグムントからは特務支援課が障害になることを見越して始末したほうがいいと進言されたが、ディーターに彼等を殺す気はなく、いずれは仲間に迎え「戦争のない平和な世界」の実現に協力することを望む[127]。大統領の地位にもさほど興味はなく、自身の信じる正義の実現という目的のための手段のひとつとしかみなしていない[155]。オルキスタワーに突入したロイドたちを待ち受け、《結社》から買い取った純白の《神機》アイオーンに搭乗し彼らを迎え撃つ[155]。《零の至宝》から供給される無尽蔵の霊力により優勢に戦いを進めたが、《碧の大樹》を顕現させるために《零の至宝》からの霊力の供給が途切れて《神機》が停止してしまい、直後に自分がイアンから誘導されていたことを知らされ、計画の黒幕である娘マリアベルから見捨てられてしまう[155]。実の娘にすら見捨てられ、呆然とした状態となり戦意喪失し、拘束される[155]。収監された後、面会に来たロイドたちには自身の過ちを認め、彼らと和解する[50]。エンディングで改めて逮捕され、連行されるシーンが描かれている[110]。
- 「閃II」 - 登場はしない。逮捕されたことが語られている[170][注 93]。
- 「閃III」 - 登場はしない。刑務所に収監中であることと[116]、ディーターとマリアベルがいなくなったことで、IBCの銀行業以外の業務は切り離されラインフォルトグループなどによって事業継続していることが語られている[112]。
- 『創』 - ルーファス新総統率いる「クロスベル統一国」の幹部としてガルシアと共に現れ、エリィをはじめ特務支援課らに大きな動揺を与える。一方で、特務支援課に「正義」についての助言をしているが、これは彼がイアンによって送り込まれたアンダーカバーである為であり、内心では特務支援課らがクロスベル再事変を解決する事を願っていた。クロスベル市解放作戦ではガレス率いる《赤い星座》の一団を多額のミラで雇って統一国軍と戦い、解放軍を援護した。全てが終わった後は、再独立式典に参加している。
- アイオーンTYPE-α
- ディーターが《結社》から買い取った《神機》の内の1機。純白の装甲と決戦兵器並みの重兵装が施されている。製作者はF・ノバルティスで、彼はアイオーンの3機を《ゴルディアス級最終型》とも呼ぶ。
- ディーターの錬金術師としての能力によって同化され、己の《正義》を知らしめるための力として操作される[155]。《零の御子》キーアからの力をエネルギー源としており、力を受けている間は無制限に近い再生能力を誇るものの、それが途切れると行動不能になるという弱点がある[155]。
- オルキスタワー屋上でロイドたちと交戦し追い詰めたものの、時間をかけすぎたことが仇となり、マリアベルたちの計画が発動してしまい、そちらを優先したキーアから力の供給を受けられなくなり、機能を停止する[155]。敗北したディーターを残し、機体は《結社》によって回収される[155]。
- マリアベル・クロイス
- 登場作:「零」・「碧」B・『暁』・「閃IV」B
- 声:田中理恵
- 年齢:19歳(「零」[書 91]・「碧」[書 92])→22歳(「閃IV」[書 93])[注 61]
- ディーターの娘で、IBCグループの運営に携わる才女。「閃IV」では結社《身喰らう蛇》の《
蛇の使徒 ()》第三柱として登場する。 -
- 来歴
- クロイス家の当主に一子相伝で伝えられる錬金術の「基礎の基礎」を幼少時に父ディーターから学び、あっという間に吸収してしまう[書 90]。父からの教えだけでは満足できなくなってしまったため、自分で先祖伝来の書物を読み解き知識を修得していくとともに、錬金術の知識を積み上げ高みを目指していた代々の当主たちに影響され「クロイス家の使命」に強い共感を覚える[書 90][書 94]。その過程でキーアの存在を知り[書 94]、一族の使命にさほど熱心ではなかった父を差し置いて[155]、祖先たちが夢見た《至宝》の再現を目指す[118]。また、この時期に出会ったエリィを気に入り、日曜学校でともに学ぶようになる[書 90]。
- その後、エプスタイン財団などで学び[8]、導力技術とクロイス家の錬金術を融合させた《魔導科学》を生み出し[118]、《碧き零の計画》への道筋を付ける。これによって一族の始祖が夢見た《至宝》の再現を当代で実現できる可能性を示し、ディーターを狂喜させる[155][注 94]。
- 「零」の頃にはIBCグループの事業のいくつかを任され、IBCによるクロスベル自治州における導力ネットワーク構想の推進や[46]、ミシュラムのホテルとテーマパークを任されている[138][注 95]。
- 「零」 - エリィの友人として登場。《銀》からのメールを追跡するためIBCビルを訪れた特務支援課に協力したのをはじめ[46]、ロイドらと何度か顔を合わせる。
- 「碧」 - 当初は前作と同じくエリィの友人として登場するが、徐々にその正体を現す。「零」以前からイアン・グリムウッドらとともに《碧き零の計画》を進めており、結社《身喰らう蛇》と手を組み、ヴァルドに《蒼のグノーシス》を与えて勢力に取り込み[95]、キーアのことも彼女の抱えていた葛藤を利用して味方に引き入れる[120][152]。クロスベルの運命の日、ミシュラムワンダーランドの鏡の城に突入してきた特務支援課に正体を明かしつつ、クロイス家の悲願である《零の至宝》を完成させる[118]。その後、父ディーターも切り捨て、《碧の大樹》を出現させ、世界を自由に組み替える力を実現し、錬金術における《
大いなる秘宝 ()》を手中にする[125]。この力を使って世界を「より正しい方向」へ変えようとし[注 96]、ロイドの説得により離反したイアンを「用済みの道具」とみなして処断し、特務支援課と対決する[125]。特務支援課に食い下がられたため、キーアの精神を暴走させることで出現した《碧き虚ろなる神 ()》を切り札にするが、これも破られる[125]。最終的に計画は失敗に終わったものの、恨み言を残すことなくエリィに別れを告げ、《身喰らう蛇》の盟主から死亡したワイスマンに代わる新しい使徒としてスカウトされていることを語り、転移術で立ち去る[125]。立ち去る際、自分が見捨てた父ディーターの処遇について、クロスベルの役にも立つはずだから極刑は避けて欲しいとロイドらに頼む[125]。 - 「閃III」 - 本編には登場しない。第四柱《破戒》とともにアルテリア法国方面を引き受けたと語られている[171]。
- 「閃IV」 - 《幻焔計画》に協力するため帝国入りし、オルキスタワーにて結社《身喰らう蛇》の新第三柱《根源の錬金術師》としてロイド、エリィ、キーア、エステル、ヨシュア、レンの前に姿を現す[10]。《巨イナル一》の再錬成の末にもたらせるものにも興味を示し、《紅の箱舟》グロリアスの使用許可を《盟主》に受けるなどして[61]、《黒》のアルベリヒらに協力する[172]。幻想機動要塞ではカンパネルラとともにVII組と交戦するが、それほどやる気がなかったのか、余力を残してあっさり引き下がり、意味深な言葉を残して立ち去る[173]。《巨イナル黄昏》が解除された後、《星辰の間》にてカンパネルラとともに第一柱に《幻焔計画》の顛末を報告し、《盟主》からの言葉を聞く[174]。
- 人物
- 自分の欲望に非常に忠実で我の強い性格をしている。人の気持ちを汲むということをする必要がないと考えて育ったため、人の機微はあまり読めない[書 90]。
- エリィの幼馴染かつ親友であり、彼女からは「ベル」という愛称で呼ばれる[注 97]。「〜ですわ」というお嬢様口調で話す。
- 本人曰くエリィのことは「愛していると言っても過言ではない」らしく[138][書 95]、彼女に近づく男性に対する当たりは厳しい。ロイドとランディに対しても、初対面で服装などを非難している[46]。ロイドとエリィが怪しい関係にあると見て、その後もロイドを「危険人物」とみなして目の敵にしている[104]。エリィに寄せる好意は他の私心はないもので、自分の野望のために利用しようといった意識は持ってない[書 48][書 96]。
- お嬢様然とした見た目に反して腕力が強いらしく、初対面でロイドの襟首をつかんで軽々と持ち上げている[46]。「碧」のサブイベントのひとつで彼女のローゼンベルク人形が怪盗Bによって盗まれた事件をロイドらが解決した際、怪盗Bが変装した姿ではないかとロイドに疑われたため笑顔を浮かべて胸倉を掴みあげてみせ、彼の目の前にいるのがマリアベルであることを証明している[96][注 98]。
- 「碧」で明らかになったように、錬金術に由来する「錬金魔法」を使うことができる[書 94]。キーアが世界を一度書き換えたことを知っているが[125]、その理由は語られていない[書 98]。
- キャラクター造形としては、エリィと対照的なインパクトのあるお嬢様がコンセプトになっている[書 96]。
マフィア
[編集]- マルコーニ
- 登場作:『VII』
- 声:川津泰彦
- クロスベルの裏社会を牛耳るマフィア組織であるルバーチェ商会の現在の会長。56歳(「零」[W 4])。
-
- 来歴
- 帝国系移民の出身で、「零」の8年ほど前(1196年頃)に《西風の旅団》を雇って先代である4代目会長を追い落とし、強引に5代目会長となる[123]。
- 「零」の数年前からヨアヒムをかくまっており、彼の身辺をかぎまわるガイ・バニングスの暗殺依頼を受けていたが、「零」の3年前(1201年)、何者かによって先んじられて彼を殺害されてしまう[41]。自分の手柄にするべく部下に命令してガイの警察バッジを持ち去り、密かに保管する[135][7]。
- 「零」 - 《黒月》との抗争を有利に運ぶため、また、《黒の競売会(シュバルツ・オークション)》をロイドたちにつぶされた焦りから、ヨアヒムの手を借り、《グノーシス》を部下たちに投与する[151][7]。そのことで部下が暴走するようになり、かえって商会の命運を縮めてしまう[7]。終盤には組織を完全にヨアヒムに乗っ取られ、《太陽の砦》の地下牢に部下たちとともに幽閉される[7]。救出された後、ロイドに一にらみされただけで怯えるなど、すっかり落ちぶれてしまう[7]。事件後に数多くの犯罪容疑で逮捕され、ヨアヒムの件もあってもはや味方する議員などおらず、今度こそ塀の向こうへ放り込まれることとなる[49]。なし崩し的にルバーチェ商会も崩壊する[130]。
- 「碧」 - 拘置所に収監されており、本編には扉の向こうからの声のみの形で登場[98]。ガルシアが脱走しようとしていることに気づくと自分を助けるようにあわふためくが、彼からは冷静にしばらく待つように返される[98]。
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- 人物
- 成金趣味丸出しの小柄で小太りな男[123]。しかし、柔軟で頭の切れる人物であり[123]、マフィアのボスに相応しい貫禄を持つ。
- 帝国系移民であるためどちらかといえば帝国派銀との関係を優先する姿勢を取っているが、共和国にもコネクションを持つしたたかさを持つ[123]。警備隊の司令、終盤では警察局長とのつながりまで持ち、圧力をかけさせて警察の捜査を妨害する[135]。
- 帝国派の首魁であるハルトマン議長との関係は深く[123]、ルバーチェ商会の人間が逮捕されたとしても、ハルトマンの庇護があるため逮捕してもすぐに釈放されてしまう[107]。クロスベルが抱える《闇》の象徴の一つ。
- 暴力的な手段で上流階級のトラブルを解決したりなどして謝礼を受け取ったりしている。そのほか密貿易などもかなりの規模を誇る。
- ガルシア・ロッシ
- 登場作:「零」B・「碧」S・『暁』・『創』B
- 声:江川央生
- 年齢:42歳(「零」[W 4]・「碧」[書 99])
- 「ルバーチェ商会」の若頭(本部長)で、マルコーニの側近。
- 大陸西部最強の猟兵団のひとつ、《西風の旅団》の元部隊長で、軍隊式格闘術で敵を瞬時に屠ったことから《
殺人熊 ()》と呼ばれている[50]。商会の武闘派の筆頭であり、組織の武力強化に余念がない。 -
- 来歴
- 猟兵団《西風の旅団》の古参団員で部隊長をしていたが[175]、「零」の8年前に《西風の旅団》がマルコーニからの依頼で彼がルバーチェ会長になることに手を貸したことで縁ができ、彼に引き抜かれる形でルバーチェに移籍する[135]。
- 「零」 - ルバーチェ商会の若頭として登場し、特務支援課の前にしばしば立ちはだかる。かねてからヨアヒムのことを疑っており、《グノーシス》の使用には反対していたが[151]、《黒の競売会》の失敗に焦ったマルコーニにより商会の構成員への投与を強行されてしまい、自身もヨアヒムによって注射でむりやり投与され、彼による精神支配を受けてしまう[7]。「零」の終盤、《太陽の砦》にて黒幕を遮る最後の壁として立ちはだかり、ロイドたちと決着をつけることとなる[7]。ヨアヒムによる精神支配を受けつつも、その強靭な精神力で魔人化には抗い、ランディの呼び掛けによって自ら《グノーシス》の呪縛を破る[7]。
- 事件後はマルコーニらとともども逮捕され、警察学校に併設されている拘置所に収監される[98]。
- 「碧」 - 拘置所の同じ部屋に収監されることとなった失意のロイドに彼の兄ガイの生前の話をすることで活を入れ、脱獄のために一時共闘することとなる[98]。そうして脱獄には成功したが、マルコーニや部下たちを見捨てるわけにはいかないと語って単身で拘置所に戻る[98]。それは本音であるとともに口実でもあり、ロイドの追撃に向かう国防軍を足止めするため、武装した隊員たち相手に素手で立ち向かっていく[98][50]。終盤でロイドと面会した時は大怪我をしていたものの命に別状はなく、逆に彼等を叱咤するなどの一面を見せる[50]。
- 『創』 - ルーファス新総統率いる「クロスベル統一国」の幹部としてディーターと共に現れ、特務支援課らに大きな動揺を与える。一方で、特務支援課に婉曲な助言をしているが、これは彼がイアンによって送り込まれたアンダーカバーである為であり、内心では特務支援課らがクロスベル再事変を解決する事を願っていた。クロスベル市解放作戦では一部の《黒の衛士》の洗脳を解いて配下に加え、統一国軍と戦い、解放軍を援護した。全てが終わった後は、再独立式典に参加している。
- 人物
- 戦いを求めるところがあり、獰猛さを見せつける態度を取ることもあるが、接客の姿勢は礼儀正しく、無意味な戦いを仕掛けることもない。
- その人柄は古巣である《西風》の団員たちからも評価されており、彼の離脱を惜しむ者も多かったらしい[176]。商会でも部下の面倒見が良く、醜態を晒したとしても責めはするが罰は与えず、反省を促している。ルバーチェでは元猟兵たちを直属の右腕として伴っている[103]。
- ガイとは幾度も出会っており、ルバーチェを嗅ぎ回っているかと思えば平気で飲みに誘ってきたりとつかみどころがなく煩わしく思っていたが、彼の本質である「絶対に諦めない」という部分を見抜いており、死ぬとは思えなかったと述べている[98]。この話を聞いて気持ちを奮い立たせ、現状に抗おうと決意したロイドを見て「兄と同じかそれ以上のバカヤロウだ」とロイドを評価した[98]。
- マルコーニについては、居心地のいい場所を提供してくれた恩人とロイドに語っている[98]。組織が崩壊した後も彼に対しては「会長」として敬語で接しており、ロイドの拘置所脱走を手助けした際もマルコーニを置いていくことをよしとせず、自らの意思で拘置所に戻っていった[98]。
- ツァオ・リー
- 《黒月》の幹部。詳細は#ツァオ・リーを参照。
- ラウ
- ツァオの側近。詳細は#ラウを参照。
- シン
- 《黒月》のある長老の孫。
銀 ()- 東方の裏社会で伝説とまで言われる暗殺者で、ルバーチェ商会の牙城を切り崩すためツァオに雇われている。詳細は「#リーシャ・マオ」を参照。
聖ウルスラ医科大学
[編集]クロスベルにおける病院に当たる施設。医師(教授・准教授)の中には教会からスカウトされた神父も存在する。最新鋭の技術を使い、患者の世話をしている。最近ではメスを身体に入れる「手術」なども行われるようになったが、一般には受け入れられていない模様。
- セシル・ノイエス
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:大原さやか
- 聖ウルスラ医科大学の看護師で、ロイドの兄ガイの元婚約者。23歳(「零」[6][W 4]・「碧」)→26歳(「閃IV」[書 54][注 61])。
- ロイドにとっては姉同然の存在で、セシルのほうもロイドのことは完全に自分の弟扱いしている[137]。ガイと結婚するはずだったが、「零」の3年前、結婚を翌月に控えていた時期に彼を失う[107][105]。
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- 人物
- 働き者で穏やかな女性で、看護師としても優秀だが、ロイドと一緒にいる人は誰でも彼と付き合っていると思ってしまうほどの天然ボケ(男性のランディも対象なのでロイドは非常に困っている)[6]。さらにキーアを連れてきたロイドを見て、「結婚していたなんて…」と発言をする[151]。
- その見た目は特務支援課のメンバー全員が口を揃えて美人と評価し、ランディは自分好み、ティオは「ぐらまー」と語っている[6]。
- 父マイルズは図書館の館長で、母レイテは専業主婦。劇団アルカンシエルの花形女優イリア・プラティエとは日曜学校以来の親友である[107]。
- 殉職したガイのことを今も愛しており、その死を悲しんでいる。なぜ殺されたのか、誰の仕業だったのかと原因がわかれば「前に進める」ということをロイドに告げている。
- 「零」と「碧」では聖ウルスラ医科大学で若手看護師のまとめ役(看護主任みたいなこと)をしている[6]。「閃IV」では正式に看護主任となっており、転院してきたユーゲントIII世の担当看護師も任されている[148]。また、ユウナたち新VII組や復帰したリィン、オリヴァルト、アルフィンを手術前のユーゲントIII世の病室に案内し、面会にも立ち会っている[172]。
- 「碧」終盤では、聖ウルスラ医科大学の名前の由来でもある伝説の聖女「ウルスラ」の末裔らしいことがツァイトによって示唆されている[132]。
- シズク・マクレイン
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』
- 声:井上富美子
- 年齢:9歳(「零」[書 100]・「碧」[書 101])
- アリオス・マクレインの娘。「零」では視力を失った少女として登場する。
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- 来歴
- 「零」の5年前(1199年)にクロスベル市内で起こった導力車の爆発事故で失明してしまい、この時に母サヤも失う[118][105]。それ以来、聖ウルスラ医科大学に長期入院して療養生活を送っている[6]。
- ヨアヒム・ギュンター
- 登場作:「零」B
- 声:金子英彦
- 聖ウルスラ医科大学の准教授。34歳(「零」[書 102])。
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- 来歴
- かつては《D∴G教団》の幹部司祭で[7][28]、教団が行う人体実験などの実験を統括する責任者をしており[41]、教団が誘拐した子供たちに《
真なる叡智 ()》のプロトタイプを投与した実験データを回収して研究を重ねていた[147]。 - 1198年、《グノーシス》の完成目前というタイミングで[177]、《D∴G教団》殲滅作戦により教団は壊滅してしまう[178]。その後、教団ロッジ《楽園》の情報を基にハルトマンの弱みを握り、彼を後ろ盾にしてクロスベルに落ち延び、聖ウルスラ病院に居場所を確保し[注 99]、ハルトマンを介してルバーチェに命令を下せる立場を得る[41][28]。そして、壊滅した教団ロッジから実験のデータを秘密裏に回収し、《グノーシス》の原材料である《プレロマ草》はクロスベル南部の湿地帯に群生しているという好条件も幸いし、《太陽の砦》地下深層の研究施設を利用し、《グノーシス》の研究開発を続ける[177]。
- 「零」の3年前(1201年)、自分の存在に迫っていたガイ・バニングスを始末するようルバーチェに依頼する[41]。ルバーチェによるものではなかったものの、ガイが死亡したため、露見することはまぬがれる[41]。
- 「零」 - 聖ウルスラ医科大学病院の薬学と神経科の2部門を取り仕切る准教授として登場。釣り好きの飄々とした人物と見られていたものの、医師としては優秀ということで[103]、過去の記憶を持たないキーアの診察や[151]、ロイドらが入手した《グノーシス》の成分調査を依頼されるなど[103]、支援課からも頼られる。しかし、終盤でアーネストの主治医であったことが発覚した上、彼の市長という地位への異常な執着振りと身体能力の向上という特徴が《グノーシス》服用者のそれとよく似ていたことから、黒幕であることを特務支援課に疑われる[179]。しかし、その時点で既にベルガード門の警備隊隊員たちやルバーチェの構成員たちに《グノーシス》を服用させるよう手を回すことは済んでおり[47]、彼らを自身の配下に置き千名近くの軍勢を整え[147]、キーア奪取のためクロスベル市を襲撃させる[158][147]。しかし、特務支援課に包囲網を突破されたうえ、本拠地としていた《太陽の砦》に突入され[7]、エステルとヨシュアと合流したロイドたちと最後の戦いを繰り広げる[48]。
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- 人物
- 薬学に詳しく、医師としては有能で熱意もあるが、天才というほどズバ抜けた発想の持ち主ではなかったとセイランド教授に評されている[137]。眼鏡をかけた優男的な外見をしている。
- どこか飄々としており、仕事を研修医のリットンに押し付けてはどこかへ行ってしまうので、たびたび周囲を困らせている。仕事をサボって釣りのイベントに参加していたところを、ロイドたちに連れ戻されたこともある[106]。
- 《グノーシス》を服用し続けた影響で髪の色は白になってしまっているが[41][書 103][書 104]、ふだんはなんらかの方法で髪の色を変えて欺いている。また、これも《グノーシス》を服用し続けた影響で、まったく眠らなくても活動できる身体になったため、医者の業務と併行して《グノーシス》の研究を行うことができた[41]。《グノーシス》を服用したものを洗脳することが可能で、自分の意識を乗り移らせることもできる[158][41]。
- 《グノーシス》についてはヨアヒムでも全貌を掴めておらず、《D∴G》教団に伝わった秘儀をもとに完成させて量産に成功したにすぎないと本人も認めている[41][137]。
- 正体がわかると決戦直前に、ランディとエリィからは「(赤い星座以上の)外道」「人でなし」と言われ、エステルとヨシュアからは「(ワイスマンよりマシかと思ったが)ワイスマンの方が遥かにマシ」「ワイスマンはここまで狂気じみてはいなかった」と酷評される[48]。その言葉どおり、「暁」では、「ある人物の死体からある人物への非合法な手術」を裏で行い、成功させていたことが発覚する。特に教団の被害者であるティオには「あなたにだけは絶対に負けない」と敬語も使われていない。
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- 戦闘上の性能
- 人間の姿では中世の錬金術師に由来する(エプスタイン財団製とは異なる)魔導杖を持ち、上位三属性のアーツを用いて戦う。
- 使用するSクラフトは「カラミティスフィア」。上空に魔法陣を形成して球体状の怪物を呼び出し、狂気の哄笑とともに刃のように鋭い光線を放ち、複数の対象を貫く。
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- 魔人ヨアヒム
- 「零」におけるラストボス。ロイドたちに追い詰められた結果、切り札である《紅の叡智》を大量に服用したことで変異した形態で[48]、凄まじい巨体の鬼を思わせる姿となる[書 105]。見上げるほどの巨体を生かした攻撃と、上位アーツを用いる[48]。対峙したヨシュアには「SC」のラストボスであるアンヘルワイスマン以上かもしれないと思わせるほどの脅威を与えた[48]。
- 七耀脈の上でこの姿に覚醒することで、《D》と接続することができ[109][注 100]、「すべてを視る」ことができたため、クロスベルで起きた数々の事件の全貌と、「世界の真実」を知った様子である[48]。
- ある程度のダメージを与えると皮膚が剥がれ落ち、身軽になった第二形態に変化しさらに強化される[48]。しかし戦闘の最中、暴走を引き起こして正気を失ったばかりか肉体が崩壊し始め、最終的にはロイドたちの総攻撃によって倒されることで人としての心を取り戻し、狂気の果てに死亡する[48]。
- 使用するSクラフトは「超功刃魔道剣」。額の角から落雷を放った後、右手を禍々しい刃に変化させて一気に振り下ろす。第二形態では「罵斗流怒愚魔」というSクラフトを用いる。掌底や膝蹴りと巨体から攻撃を繰り出した後、上空へ飛び上がって右手に炎・左手に氷のアーツを集中させて結合し、闇色の光線として射出する。さらには「司空三獣唱」というアーツによる連続攻撃まで使用する。「カラミティクロウ」によって移動能力を奪い、「ガリオンタワー」を呼び出して塔から無数の光弾を降り注がせ、最後に「ラストディザスター」によって大地を消滅させる。
アルカンシェル
[編集]クロスベルの歓楽街に居を構える一大劇団。チケットはすぐに売り切れるほど入手困難であるが、マクダエル市長は古くからのファンのため、懇意にしている。団長から団員まで誰もが「劇」という魔物に取り付かれた役者であるため、劇に対する思いはとても強い。
- リーシャ・マオ/
銀 () - 登場作:「零」B→S・「碧」P・「閃II」S→P・『暁』・『創』P・「黎I」S/B・「界」S/B
- 声:佐藤利奈
- 年齢:17歳(「零」[W 4]・「碧」[書 106])→18歳(「閃II」[W 12])→21歳『黎』
- 劇団「アルカンシェル」に入団したばかりの新米団員の少女。その正体は東方の裏社会で伝説とまで言われる暗殺者《
銀 ()》。 -
- 来歴
- 幼少から先代《銀》(父)によって母から遠ざけられ、各地を転々としながら父の下で暗器や符術の修練と鍛錬を積みつつ、日曜学校に通って人と接する術を学ぶ[180]。これらは不老不死の《銀》という存在を継ぐためのもので[107]、父から《銀》としての膨大な知識と記憶を受け継ぎつつ、いつ《銀》の座を継いでもいいように備える[180]。
- 「零」の2年と少し前(1201年頃[書 54])、不治の病によって父が倒れて、死を待つだけの身となってしまった父から「自分を殺して《銀》を継げ」と命じられるが、その命令を実行するはできず、懊悩する姿に父は苦笑しながら「それもまたお前だ。お前の《銀》はお前が決めるがいい」と言い残してこの世を去る[180]。父の最期の言葉の意味はわからないまま、父の持っていた仕事やコネクションを引き継ぎ、父の腕には及ばないものの滞りなく仕事を進めるようになる[180]。
- 「零」の直前、クロスベルにおける裏の覇権を奪取することに協力するという契約を《黒月》と結び、クロスベル市に向かう[180]。
- 「零」 - クロスベル市を訪れ、市内の下見中に見学した劇団《アルカンシェル》でイリアにスカウトされ、図らずも劇団に加入する[87][180]。《銀》として《黒月》との契約によりルバーチェ商会の牙城を切り崩しつつ、アルカンシェルではすぐに新作の準ヒロインとして抜擢される[107]。イリアのもとに《銀》の名をかたる脅迫状が届いたことで、ロイドたちと関わるようになり[107]、リーシャとしても《銀》としても《特務支援課》の前にしばしば現れる。
- 「碧」 - 遊撃士救出作戦で《銀》としてロイドたちと行動をともにしていたところ、《身喰らう蛇》の第七柱である《鋼の聖女》アリアンロードと対峙し、彼女の神速の突きによって仮面を砕かれてしまい、ロイドたちに正体をさらしてしまう[144]。これを機にクロスベルを離れることを決意し《黒月》との長期契約も解除するが[139]、《クロスベル市襲撃事件》でシャーリィによってイリアが重傷を負わされ[152]、《赤い星座》への復讐を決意して行方をくらます[161]。《黒月》との契約をディーターたちによって閉ざされたクロスベルの開放に動き出したロイドたちと再会し、イリアの伝言を伝えられると、アーティストとしてのアルカンシェルへの想いをさらけ出す[119]。それを機に黒月を離れ、ロイドたちの一行に加わる[119]。最終局面にて《碧の大樹》で再び対峙したシャーリィに、イリアのことで復讐するつもりはないと述べたうえで「血と硝煙の世界に生きるシャーリィでは今の私に勝てない」と告げて激戦の末に勝利し、過去の自分と完全に決別する[181]。
- 「閃II」 - ツァオからの依頼でジオフロント内部にある導力ネット端末のデータのバックアップと初期化をロイドとともに遂行するが、その中でリィンとアルティナの襲撃を受け、彼らと交戦する[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。他の《特務支援課》関係者と同様、「鳥籠作戦」により、ミシュラム方面に閉じ込められていることが語られている[115]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。序盤ではカルバ―ド共和国方面で動いていることが語られており[10]、その後、ユウナらVII組がクロスベルに来た際、エステル、ヨシュア、ロイドらをユウナらの加勢に行かせるため、アリオスとともに《痩せ狼》ヴァルターを食い止めたことが語られている[148]。エンディングでオリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
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銀 ()- カルバ―ド共和国の東方人街では伝説の凶手として知られ、身の丈ほどもある大剣(降魔刀[書 107])を片手で軽々と扱い、あらゆる暗器と符術を使いこなすとされる[107]。口元以外を隠した仮面と黒衣に身を包んで正体を隠しており[180]、東方人街に伝わる話では不老不死と言われている[107]。
- 実際には一子相伝で受け継がれている存在であり、《銀》という存在は時代を通してすべて同じ必要があるため、技や記憶のほか、どのような状況でどうするのかなど《銀》としての行動、思考を完璧に教え込む形で継承されている[180]。
- 現在の《銀》であるリーシャは《銀》になるときは仮面と黒衣を身にまとうとともに、胸も含めて体型を内功で変化させ[151]、気配も変えることで正体を隠している[139]。《銀》は男だと思われていることからリーシャの場合は性別も隠す必要があり、この状態では普段とは異なる筋肉の使い方をしているため、本来の全力を発揮することはできない[96][152]。「碧」中盤で正体が露見し隠す必要もなくなったため[144]、それ以降のリーシャは《銀》の全身を覆う装束は使わずに活動するようになる[119][111]。
- 正体が判明する以前から、ツァオには半ば見抜かれていたようであり[139][注 101]、セシルも(リーシャとは面識が会ったため)見覚えがあるような反応をしている[47]。
- リーシャ以前の《銀》は、100年前のカルバ―ド共和国建国の頃に暗躍し、王国の要人を次々葬ったことが伝えられている[107]。リーシャの父は歴代の《銀》の中でも卓越した力を持っており[180]、アリアンロードと交戦したこともあり、彼女の兜を砕いた数少ない達人の一人だったという[139]。
- イリア・プラティエ
- 登場作:『VII』・『暁』・『創』B
- 声:浅川悠
- 年齢:22歳(「零」[W 4]・「碧」[書 108])
- 劇団「アルカンシェル」のトップスター。
- 情熱的なダンスと神がかり的な演技力で観客を魅了することから、「炎の舞姫」と呼ばれている[107]。
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- 来歴
- 子供の頃にアルカンシェルの舞台を観た際、周りの観客が絶賛する中、すごいのは間違いないものの自分だったらもっと良い舞台にできると素人ながら感じてしまい、劇団の門戸を叩く[95]。デビュー当時から「期待の超大型新人」として騒がれ、新米の頃から舞台に口を出していたため、衝突も多かったが、絶対に今より良い舞台にするという確固たる信念を示し続け、次第に他の団員たちからも理解されていく[95]。
- 「零」 - アルカンシェルの劇場で見学をしていたリーシャを見つけ、劇団に無理やりスカウトする[87][180]。その後、アーネストの謀略によって脅迫状を送られたが、劇の邪魔になると警察の介入を拒否するもセシルとの繋がりからロイドのことを知っており、彼らならばと護衛を受け入れたことで特務支援課と繋がりを持つ[107]。リーシャ同様、シュリも素質があると見込んで入団させ[123]、未成年であることから保護者となっている[122]。
- 「碧」 - 公演中に襲撃してきたシャーリィの攻撃からシュリをかばって舞台装置の下敷きになり[152]、一時は意識不明になるほどの重傷を負い、再起不能とまで言われる[119]。だが、リーシャの正体を知ってもなおその身を案じ、ロイドを通して「必ず舞台に復帰してみせる」とメッセージを送る。エンディングの一枚絵では、リーシャやシュリとともに舞台で踊る姿が描かれている[110]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。聖ウルスラ大学病院から、アルモリカ村近くにできた療養所に転院し、リハビリを続けることが語られている[182]。セシルを「今、アンタの力が必要な患者さんはあたしの他にいるはず」と激励したことが語られる。
- 人物
- 豪快でパワフルな性格をしており、舞台以外の細かいことを気にせず、行きずりの旅人であったリーシャを強引に劇団に引きずり込み[87]、自分をストーキングしていたシュリも素質があると見たことで強引にアルカンシェルにスカウトしている[123]。ストーカーや脅迫状はおろか、マフィアのボスすら物怖じしないため、周囲はハラハラしている。
- 舞台について真剣であり、どんな時でもステージのことを考えているほか[122]、身体能力も常人離れしており、ビーチバレーではロイドらを驚かせるほどの跳躍力と運動神経を見せている[120]。
- その一方、私生活はかなりだらしなく、部屋は散らかり放題になっており、寝るときはベッドの上で大の字になってイビキをかいている有様である[151]。また、リーシャに対してセクハラまがいのスキンシップを図るなど、普段の言動は中年男性のようだと言われている[120]。酒豪でもあり、一度にボトル数本を空けるほど飲んでいる。
- セシルとは日曜学校以来の親友で、婚約者であるガイを失って本当に吹っ切れているのかと、セシルのことを心配している[107]。実際に会う以前からセシルに話を聞いていたロイドのことを「弟君」と呼んでいるが、若干からかっている節もある[107]。
- シュリ・アトレイド
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:小林ゆう
- 年齢:13歳(「零」・「碧」[書 109])→16歳(「閃IV」[書 54][注 61])
- 「零」の途中でアルカンシェルに入団する少女。一人称は「オレ」で、外見や言葉遣いは少年然としている[123][注 102]。
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- 来歴
- ノーザンブリア自治州のスラム街出身で[144]、クロスベルに流れて来た[123]。大金を浪費して享楽に耽るクロスベル市民に嫉妬混じりの嫌悪を抱き、彼らが「最高の娯楽」というアルカンシェルに忍び込み、イリアの演技を見てその輝きに理不尽な怒りを持つ[123]。
- 「零」 - 怒りに駆られた末、イリアのストーカーとなって不法侵入などの嫌がらせを行う[123]。ストーカー事件として解決を依頼されたロイドたちによって捕まるが、イリアに素質を見込まれて自分にも同様にチャンスがあると説得され、アルカンシェルで下働きとして働くようになる[123]。
- 「碧」 - 特訓の末に舞台デビューを果たしているほか、フルネームや顔グラフィックも追加されている。「零」でアルカンシェルが公演した「金の太陽、銀の月」がリニューアルされ、第三の姫である星の姫に抜擢されるが[144]、その最初の公演が《赤い星座》に襲撃され、シュリをかばったことでイリアが重傷を負ってしまう[152]。事件後にリーシャも劇団を去ってしまい、唯一人の姫として劇団を支えることになる[8]。エンディングの一枚絵では、より女の子らしく成長した姿が描かれ、イリアに抱きつかれている[110]。
- 「閃IV」 - 引き続きアルカンシェルに残っているものの、看板女優であるイリアとリーシャがどちらも不在のため、劇団は休演状態となっている[38]。期間限定のアルカンシェルの主役として踊るほか、シェラザードに踊りを教えてもらう[38]。
クロスベル通信社
[編集]- グレイス・リン
- 登場作:『VII』・「閃II」・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:生天目仁美
- 年齢:25歳(「零」・「碧」[書 110])→28歳(「閃IV」[書 54][注 61])
- 『クロスベルタイムズ』の女性記者。
- 来歴
- 「零」 - 特務支援課の初仕事の際に登場し[87]、彼らのことを記事にする[183]。その後も各事件で特務支援課と情報交換をたびたび行う。
- 「碧」 - 記者としてロイドらの前にたびたび現れるほか、マクダエル議長がクロスベル独立国の無効を宣言するにあたってそのリポーターを務める[127]。
- 「閃II」 - オズボーンとルーファスがクロスベル併合を宣言するのをクロスベル通信社で聞いており、それに関連した動きを取材しようとしている[111]。
- 「閃III」 - 登場はしない。「総督府指名取材者」に指定され、とある会談の取材という名目でミシュラムに閉じ込められていることが語られている[116]。
- 「閃IV」 - クロスベルに来たユウナらトールズ士官学院・VII組に助力し[148]、パンタグリュエルの会合ではリベール通信のナイアルらの分も取材を行っている[22][注 103]。
- 人物
- 強引かつ体当たりの取材が得意で、性格はかなり図々しい(ちょっと図々しいだけで悪気はないとティオから評されている[1])。ある出来事を目撃したときから、特務支援課の活動に興味を持つ。特務支援課のことを皮肉った記事を書いていたが(これにはアリオスも注意している)、段々と変化している。本人曰く、皮肉った記事は「成長を見守る愛」らしい。ガイとは駆け出しの頃に知り合っているため、「ガイの遺志を継いだ人がいるのは嬉しい」と語っている。
- マクダエルのことは個人的に応援している。特務支援課のことも応援するようになり「零」の終盤では序盤の皮肉った態度は完全になくなり、過酷な戦いに赴くロイドたちを見て「支援課の活躍をしっかり記事にする」ことを独白した。
- レインズ
- 登場作:『VII』・「閃II」・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 『クロスベルタイムズ』の新米記者。グレイスと一緒に行動しカメラマンを担当していることが多い。グレイスには同僚以上の感情を持っていることをうかがわせるシーンがある。
- 双子の兄がいて、オレド自治州で農業をしているとの話だが、兄弟とも実はリベール王国のルーアン市に本社がある、アラン・リシャール退役大佐が起業した「R&Aリサーチ」の諜報員。「the 3rd」にて、名前だけが登場している。
- マルセル・ニールセン
- 登場作:「the 3rd」・「碧」・「閃IV」
- 声:岡本寛志(『空Evo』)→手塚ヒロミチ(「閃IV」[書 111])
- 盲目のフリージャーナリスト[58]。敏腕であり、毎年最も優秀なジャーナリストに贈られるフューリッツァ賞を過去に複数回受賞している[169]。フリーになる以前はクロスベルタイムズの記者だった[165]。
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- 来歴
- 《百日戦役》(1192年)の取材中に失明するが、戦役の間、3ヶ月に渡って報道連載を行い、それが評価されて同年11月にフューリッツァ賞を受賞する[165]。
- 「the 3rd」 - ルシタニア号の乗客として登場[91]。
- 「碧」 - ロイドらに《教団事件》についての取材を行うほか[28]、ガイ・バニングスの死について、ロイドとともに再検証を行う[159]。
- 「閃IV」 - 《巨イナル黄昏》の始まった帝国を回っていた際に《黒の史書》の最終巻を偶然入手し、トマスからの譲渡の申し入れに対して交換条件としてリィンへの取材を要望する[169]。取材に応じたリィンに《巨イナル黄昏》に至るまでの帝国と周辺地域の歴史の流れを語り、《黄昏》の中で視野狭窄に陥りがちだったリィンに対して大陸全土に視野を広く持つよう、取材という名目でその実は忠告を行い、取材を終えるとトマスに《黒の史書》の最終巻を譲る[169]。
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- 人物
- 両目とも完全に失明しているものの、気配で相手の素性がある程度わかってしまい、光を失うと逆に見えないものが良く見えるものだと語る[58]。恐ろしいまでの情報収集力と慧眼を持ち、初対面のリィンを帝国におけるあらゆる事象の"重心"と呼ぶほか、帝国のふたつの至宝の秘密から《巨イナル黄昏》に至る流れについてもおおよそ把握していた[169]。
- 「碧」では生前のガイ・バニングスとは事件についての情報交換をしばしば行っていたということを語り[28]、ガイの殺害事件から「碧」までに発生した事件についても、かなりの核心にまで迫っている[28][159]。
- 大陸各地を巡って取材を続けつつ数多の報道誌に寄稿しており、ジャーナリストとしては知る人ぞ知る存在であり[28]、リベール通信社の編集長や、帝国時報社のノートンなど各地のジャーナリストとも面識がある。ガイの殺人事件や《巨イナル黄昏》など、当事者に事情を聞かないとまずわからないような事柄についても、どのようにしてか把握している[159][169]。
- 作品中では目が見えないにもかかわらず常に一人旅をしている。目が見えないにしては足取りが軽やかであり、不自然さを感じる者もいる[28][注 104]。
- 「the 3rd」の登場時はモブキャラクターとして登場しており、キャラチップのグラフィックが「碧」とは異なる。
エプスタイン財団 クロスベル支部
[編集]- ロバーツ
- 登場作:『VII』・『創』
- 声:大川透
- エプスタイン財団に所属する研究者で、導力ネットワークの専門家。
- 『導力ネットワーク構想』の開発主任の一人で、クロスベルに導力ネットワークを敷設した功労者[107]。魔導杖開発チームに所属するティオの直接の上司ではないが、エプスタイン財団クロスベル支部の責任者をしているため、ティオの現場監督をしている[107]。
- ティオのことを自分の子供のように心配しているものの、接し方がやや独特で、依頼を通じてロイドを試したり[135]、新型の魔導杖を武器屋を通じて渡したりするような迂遠なことをするところがあり、直接会う際にはティオの機嫌を過剰に気にするようなところがあり、うっとうしがられている(ただし、理解はされており、有能であることはティオも認めている[144])。ヨナのことも心配しており、彼がチームに戻った時は喜びながらも勝手ができないように個室を与えるなど、配慮もしている[144]。
- G・シュミットも認めるほどの優秀な導力学者だが[60]、天然なところがあり自分の優秀さについての自覚に乏しい[書 50]。
- 「碧」の終盤、クロスベル解放作戦ではオルキスタワーにハッキングすることでロイドたちを援護する[8]。
- ティオ・プラトー
- 詳細は「#ティオ・プラトー」を参照。
- ヨナ・セイクリッド
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』・「界」
- 声:浜本しおり(「零Evo」「碧Evo」)→浜崎奈々(「閃IV」『創』)→葉山翔太(「界」)
- 年齢:13歳(「零」[46]・「碧」[書 112])→16歳(「閃IV」[書 54][注 61])
- エプスタイン財団所属の少年。財団ではシステムエンジニア(SE)をしている。
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- 来歴
- 幼少の頃からエプスタイン財団でシステムエンジニアとしての英才教育を受ける[46]。
- 「零」の前年、悪戯癖から財団の研究成果のひとつを台無しにして大損害を出してしまい、財団を出奔してクロスベル市に流れつく[46]。同市には国際企業の支社も多く情報が集まりやすく、同市で発達していた導力ネットワークにそれらの情報が飛び交っていたという好都合もあって、得意のハッキングでさまざまなデータを盗んで売りさばく《情報屋》を始め、《銀》やイメルダらも「お得意様」にして荒稼ぎを始める[46][注 105]。
- 「零」 - クロスベル市地下のジオフロントB区画の端末室を無許可で占拠して密かに滞在していたが、エイオンシステムを使ったティオによって居場所を特定されてしまう[46]。創立記念祭に際して、かねてから導力ネットワーク上でおちょくられていた《
仔猫 ()》ことレンを捕らえることを画策し、ティオの協力を得て居場所の捕捉に成功し[注 106]、協力の見返りとしてティオとロイドにルバーチェ商会と《黒の競売会》に関する情報を提供する[123]。
- 「碧」 - エプスタイン財団のエンジニアとしてクロスベルに戻り、ジオフロントの管理資格も取得する[161]。ロバーツによりオルキスタワーの財団支部に専用の端末ルームを用意してもらっていたが、やりたい放題はできないよう制限の大きなシステムをあてがわれていることが気に食わず[144]、ジオフロントの端末室(「零」とは異なる)を占拠して再び地下生活を始め[161]、そこからロイドらに助力する[118]。ロイドらがアリオスに敗れて捕らえられたのと同時期にマリアベルによって捕らえられ、エリィらとともにミシュラムの(導力ネットのない)旧迎賓館に軟禁されてしまう[126]。その後、ロイドらに救出されて以降はメルカバに同乗して特務支援課のサポートを行う。
- 「閃IV」 - クロスベルのジオフロントに潜伏し、旧特務支援課のバックアップを担当しており[52]、情報収集や各方面との連絡役として協力している[182]。
- 人物
- 悪戯好きの悪ガキで[46]、小生意気で微妙にヘタレな小僧[144]。基本的に甘ったれだが[123]、したたかかつ行動力もある[46]。
- 財団きっての天才SEとされ[137]、システム言語の開発を本来の専門分野としている[123]。詰めの甘いところはあるものの、天才的な頭脳を持っていることはティオも認めており[46]、《結社》のカンパネルラからも高く評価されている[137]。ただし、閃きでプログラムを作成するタイプであるため、論理的に、かつチームで作っていく研究所の手法とは相性が悪く、その性格もあって他の所員との折り合いも悪い[書 50]。
- ティオには行動パターンを見抜かれており、エイオンシステムを使われてしまうこともあるため後れを取ることが多く、頭が上がらない関係になっている[123][150]。
- ハッキング技術でヨナに対抗できるのはティオ、レン、ロバーツ主任、結社関係者くらいで[書 54]、『VII』の時点では導力ネットワークが発達したクロスベルでもセキュリティ意識が低いこともあって、ハッカーとして好き放題しており[46]、「閃IV」の時点では帝国軍情報局にも導力ネット専門のチームが存在するようになるが、まだまだ自分の敵じゃないと語っている[52]。
店舗関係者
[編集]- イメルダ
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:小松奈生子(「閃IV」[書 54])
- クロスベル市の裏通りでアンティークショップを営む老婆。多数の私有地をクロスベルに有する富豪で、所有する土地の経営管理が本業であり、アンティークショップは半ば道楽で行っている。裏社会の事情にも通じており、過激な発言でロイドたちに冷や汗をかかせることも多い。キーアの率直な言い草をまったく気にしないどころか、気に入ってしまう[151]。
- ヨルグとは知り合いで、ローゼンベルク人形の販売代理も行っている[184]。ヨルグとの縁によりレンと面識があり、彼女も時折、イメルダのアンティークショップに顔を出す。
- アシュリー
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- クロスベル市の旧市街で交換屋「ナインヴァリ」を営む女主人。業界では有名な闇ブローカーで、十数か国の軍隊や猟兵団を相手に商売をしている[112]。違法な武器類の販売や他では手に入らない道具類を扱っているほか、裏社会のさまざまな情報に通じており、ガイやダドリーとも顔見知りで、シグムントのことも知っており、ランディの素性も知っていた[139]。武器の扱いにも長けており、魔人化したヴァルドによる旧市街への襲撃には大型の導力砲で応戦している[152]。
- クロスベル占領後は帝国から認可を得て店を開け続けている(旧市街の再開発のため、店は東通りに移した)[112]。帝国と共和国の表向きの取引がなくなったため、闇ルートを扱うナインヴァリは繁盛している[112]。
- 昔は戦場の真ん中で商売をしており、15歳の時にはすでに紛争地帯で名の知れた武器商人だった[94]。
- ジンゴ
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:金香里(「碧Evo」ドラマCD)→小岩井ことり(「閃III」・「閃IV」[書 111])
- アシュリーの娘で、普段は「ナインヴァリ」の店番をしている。13歳(「閃III」[書 113]・「閃IV」[注 107])
- 幼いながらもイメルダに負けず劣らず過激な発言が多く、ロイドたちを呆れさせることが多いほか、屋根の上でリュートをかき鳴らしていたオリビエ(オリヴァルト皇子)を突き落とすなど、かなり乱暴な性格をしている。一方、旧市街が襲撃された際には落ち着いた対応をするなどメンタル面が強く、街で見かけたリースやレクターの本質を一目で見抜く観察眼を持っている。
- 相手が幽霊だろうがなんだろうが出すもの出せば商売するというスタンス[63]。
- みっしぃの大ファン[34]。
-
- 来歴
- ギヨーム
- 登場作:『VII』・『暁』
- 声:田中大文
- 旧市街で修理屋《ギヨーム工房》を経営している大柄な男。
- 「零」の前年までは《ゲンテン工房》という普通の技術工房で技師をしていたが、店長が変わったことで経営方針も変更となり、それが肌に合わなかったため辞めて旧市街で開いたのが現在の店である[87]。若い頃はエプスタイン財団で材料工学を専門にしていたことがあり、ロバーツとはその頃から面識がある[150]。「碧」の終盤では、閉ざされたクロスベルにてロイドたちに協力する。
- フェルナンド
- 登場作:『暁』
- オーバルストア《ゲンテン》の店長。
- 『暁』では顔グラフィックが追加されている。エルフェンテック社の敵対的買収の危機に悩んでいるところを付け込まれ、元ルバーチェ商会のマフィアたちによるノーザンブリア詐欺事件に巻き込まれそうになる。
- ウェンディ
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:小原莉子(『創』)
- ロイドの幼馴染で、オーバルストア《ゲンテン》の技師[87]。
- 鉄道技士である父のフェイの影響を受け、導力技師になる。性格は職人気質なところがあり、客相手に怒ってスパナで殴らないかと、ロイドや共通の友人であるオスカーは心配している。
- 『暁』では顔グラフィックが追加されている。フェルナンドが詐欺に巻き込まれているかもしれないと遊撃士協会に依頼する。
- チャコ
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- オーバルストア「ゲンテン」の販売員。ウェンディを先輩と慕っている。「よろぴく」を筆頭に特徴的な口調とテンションの持ち主。
- 『VII』ではエニグマカバーの販売を主に担当しており、通りかかったヨシュアに一目ぼれしたりしていた。
- 『暁』では顔グラフィックが追加されている。
- オスカー
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:龍谷修武
- ロイドの幼馴染で、ベーカリーカフェ「モルジュ」のパン職人。また、ロイド曰く「ハンサムで昔からモテていた」らしい。
- 大雑把な性格。パン職人として弟子入りしてからパン作りの腕を上げており、評判も良く、『クロスベルタイムズ』でも紹介されている。店主モルジュの娘で、パン職人のベネットからはライバル視されているが、本人にその自覚はない模様。
- 「閃III」で、モルジュがパン職人育成のためノーザンブリア州に旅立ったため、以降はクロスベルの本店を任されている[185][112]。
その他クロスベルの住人
[編集]- ヴァルド・ヴァレス
- 登場作:「零」・「碧」B・『暁』P・『創』
- 声:滝下毅(『VII』)→龍谷修武(「碧Evo」『創』)
- 年齢:20歳(「零」[W 4]・「碧」[書 114])
- クロスベル市の旧市街に住む不良の青年。
- 来歴
- 幼少の頃は飲んだくれの父と暮らしていたようだが、父の死亡後はたった一人で旧市街に住むことになり、喧嘩に明け暮れた末にサーベルバイパーとイグニスという「聖域」を手に入れる[186]。
- 「零」 - 旧市街を根城にする武闘派の不良集団「サーベルバイパー」の
頭 ()として登場[87]。ワジ率いる「テスタメンツ」とは対立しており、幾度も抗争を行ってきた[87]。「零」の序盤ではロイドたちと対立したが[87]、終盤では間接的にロイドらを助力し、ワジたちと共闘して洗脳された警備隊と互角の戦いを繰り広げる[147]。 - 「碧」 - ライバルだと思っていたワジの特務支援課入りに納得できず、彼に一騎討ちを挑む[104]。しかし、本気を出したワジには歯が立たず、今まで手加減されていた屈辱を味わい[104]、以後は酒に浸る日々を過ごす[37][144]。そこをマリアベルに付け込まれてそそのかされ[186]、被検体として「蒼い」グノーシスを与えられ[95]、(紅のグノーシスではないにも関わらず)相性が良かったことによって暴走せず
魔人化 ()が可能となる[187][186]。魔人としての絶大な「チカラ」を手にしたことで、大陸横断鉄道の脱線事故を起こして特務支援課をおびき出し、彼らの前に巨大な魔人となった姿を現し、交戦して圧倒する[187]。その後、クロスベル市襲撃事件ではやはり巨大な魔人の姿となって旧市街を破壊し、マリアベルに助言されて「弱さの象徴」であるかつての手下たちを手にかけることにより、さらに強くなろうとする[152]。しかし、アッバスたちに阻まれたため、サーベルバイパーの面々は始末できず時間切れで撤退する[152]。《碧の大樹》にて大幅に強くなったロイドたちと戦い、今度は逆に追い詰められる。体力が尽きても気力だけで立ち向かい、最後は聖痕を発動させたワジと一騎討ちを繰り広げ、連続攻撃によって敗北する。グノーシスに頼らずとも魔人化した状態よりも強くなれる資質があることをワジに告げられ、今度はより強くなって雪辱することを誓うがそこに憎悪の色はなく、支援課にキーアを気遣う言葉と激励の言葉を送った後に気絶する[186]。
- エンディングでは、グノーシスの後遺症を治療するためにワジたちに連れられてアルテリア法国へ去ったことが語られる[110]。
- 人物
- 武闘派らしく高い腕力と凶暴な性格の持ち主だが、見た目に寄らず面倒見も良いので大勢の手下に慕われている。ランディに匹敵する屈強な巨体をしており、刀身に鎖を巻き付けた改造木刀を得物としている。この木刀をヴァルドは自身の魂の象徴とみなしており、魔人となっても手放さなかった[186]。
- 幼い頃から力への渇望があり、「碧」ではそうした気性をマリアベルに利用される[186]。しかし、彼女の思惑はともかく《グノーシス》によって力への渇望を満たせたことには満足しており、マリアベルの自分自身の欲望に忠実な性格も嫌いではないと述べている[186]。彼女に協力するようになってからも基本的にはやりたいように動くスタンスを取る[95]。
- ワジとはいい喧嘩相手という関係であり[87][130]、なんだかんだ言っても気は合ってる[186]。
- スラッシュ
- 登場作:『VII』・『暁』
- 旧市街を根城にする武闘派の不良チーム「サーベルバイパー」の構成員。ヴァルドを慕っている。
- 『暁』では顔グラフィックが追加されている。「碧」中盤のヴァルドが失踪していた時期の話であり、居場所がわからないことを八つ当たりしていたテスタメンツのアゼルとヒューイに同情され、意気消沈していた。
- ハロルド・ヘイワース
- 登場作:『VII』・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:山本圭一郎
- クロスベル自治州で貿易商を営む商人。34歳(「零」・「碧」[書 115])。レンの実父であるが、娘が生きていることは知らない。
- クロスベル市の住宅街に自宅があり、妻のソフィア(声 - 大越多佳子)、息子のコリン(声 - 鎌田梢)と暮らし、よき夫、優しい父であり、交易相手のアルモリカ村や鉱山町マインツの人々からも厚く信頼されている。
- 「SC」ではハロルド・ヘイワーズと表記されている。
-
- 来歴
- 「零」の8年前(1196年かそれ以前)、駆け出しの貿易商としてクロスベルの市場で勝ち残るのに必死で、共和国方面の危険な相場に手を出してしまい多額の債務を負う[40]。債権者からの逃亡生活となり、いずれマフィアが介入してくる事態となることを恐れ、娘のレニ(レン)を共和国に住む友人に預ける[40]。
- その後、イアン弁護士の助言もあって債務を整理し[165][注 108]、事業を立て直し、死に物狂いで働いて1年ほどで借金を完済し、「零」の7年前(1197年)、レニを預けた友人宅を尋ねたが、既に不審火によって焼け落ちており、娘のレニを失ってしまう[40](実際には友人宅は《D∴G教団》に襲われレニは拉致されている[36])。レンの生死すら分からないほどに火災現場の遺体の損傷が酷く、その後も死に物狂いでレンを探したが見つからず、ソフィアとともに「貧しくても一緒に暮らせばよかった」、「娘は自分たちが殺したも同然だ」と深く後悔する[40]。
- 「零」の6年ほど前(1198年頃)、夫婦とも心中しようかとまで考えたが、妻ソフィアが子供(コリン)を身ごもってることを知って夫婦ともに生きる気力を取り戻し、堅実な商売だけを心掛けた貿易商として出直し、クロスベル自治州内の貿易に特化した事業を始める[46][40]。
- 「SC」 - 登場はしない。レンがヘイワース夫妻を模した精巧な人形を連れて歩いている[69]。
- 「the 3rd」 - 直接の登場はしない。《星の扉》でコリンが生まれた頃の様子が語られる[42]。
- 「零」 - アルモリカ村で特務支援課と知り合い、ロイドたちをクロスベル市まで車で送り、クロスベルの地図を無償で提供するなど、親切に接する[6]。クロスベル創立記念祭に際して迷子になった息子コリンをロイドらによって救われ、そのことを恩義に思い自分たちの過去を語る[40]。
- 「碧」 - アルモリカ村から招待を受け、イアンの勧めもあったことから出かけようとした矢先にクロスベル市襲撃事件が起きる[161]。以降は一家でしばらくアルモリカ村に滞在している。
- 「閃IV」 - 世界大戦を前に帝国軍によって徴兵されることになる。世界大戦の開戦日に自分の娘レニとは知らず、レンと再会する[39]。
- イアン・グリムウッド
- 登場作:『VII』・『創』
- 声:藤本たかひろ
- 年齢:56歳(「零」・「碧」[書 116])
- クロスベル市の西通りで「グリムウッド法律事務所」を営んでいる弁護士。
-
- 来歴
- 「零」の15年前(1189年)、帝国と共和国の諜報戦の結果として起きた飛行船事故により妻と2人の子を失う[105]。
- その後、クロイス家が進める「零の至宝」を生み出す計画に加担し、クロスベルを取り巻くあらゆる情報や要素を集約できる立場にいたことから、ディーターを誘導すると同時に[155][注 109]、陰謀によって家族を失ったアリオスのような潜在的な協力者に真相を告げることで計画に引き込んでいく[105][注 110]。
- 人権問題に詳しいことを買われて《D∴G教団》殲滅作戦(1198年)に民間アドバイザーとして協力し、各国の拉致被害者の情報収集に貢献する[28]。
- 「零」の3年前(1201年)、ガイが陰謀の真相にたどり着きそうになると、彼とアリオスとの死闘の隙を静観。アリオスが説得されそうになるとガイを背後から射殺し、陰謀が露見する芽をつぶすとともに、アリオスを後戻りできない立場に追い込む[105]。
- 「零」 - ロイドらが旧市街の不良同士の対立を解決しようと訪れたことで特務支援課と初めてかかわりを持ち、ルバーチェ商会を取り巻く最新情報を語り、《黒月》の進出について教える[87]。その後もたびたびロイドらの相談に応じ、助言や情報交換をしている。
- 「碧」 - 《西ゼムリア通商会議》にあたり、法律の専門家として本会議のオブザーバーを務め[96]、同会議でクロスベルの独立を宣言したディーターに協力し、会議後に憲法草案の作成を始める[95]。本作でも特務支援課にたびたび協力し、ロイドらに助言していたが、終盤で、クロスベルにおける一連の事件の黒幕の一人であることが判明し、《D∴G教団》の扱い、西ゼムリア通商会議の段取り、クロスベル市襲撃から住民投票を経て独立国宣言に至るまでの流れといった、ディーターが主導してきた事柄で彼がそれらの考えを思いつくよう密かにアイデアの種を囁き誘導していたことが明らかとなる(ディーターは全て自分のアイデアだと思い込んでいた)[155]。
- 「碧き零の計画」を進めるにあたって「
黒幕 ()」の立場で裏から関わるつもりだったが、ディーターが自身の信じる正義にこだわって逸脱しつつあったため、表舞台に出る[155]。《碧の大樹》となったキーアの力によって、望ましくない事態に対しては世界を書き換えることで平和な世界を実現しようとするが、ロイドの説得を受け、「人の死すらなかったことにするのはそれを乗り越えた人間から成長を奪い、尊厳を傷つける行為」と納得し、計画から手を引こうとしたところでマリアベルから「用済みの道具」として見捨てられ、彼女の攻撃によって串刺しにされてしまう[125]。致命傷を負わされてはいなかったため一命は取り留め、ロイドたちに救出された後に逮捕される[125]。
- 「閃III」 - 登場はしない。刑務所に収監中であることが語られている[116]。
- 『創』 - 収監中だが、マクダエル議長やルーファス総督らの許可を得て、法律アドバイザーとしての仕事は続けていた。世界大戦直後に機械知性《エリュシオン》からのコンタクトを受け、彼が対話を続ける事で《エリュシオン》は「限定式収束未来演算」機能を得たほか、イアンとの対話で人間を模した擬似人格を形成。彼は擬似人格に「ラピス」と名付けた。その後、クロスベル再事変に《エリュシオン》が関与している事を察知した彼は、同じく収監されていたディーターとガルシアに一連の真相を話し、彼らを二重スパイとして統一国幹部に送り込む一方で、自身は真相を求める人間の来訪を刑務所で待ち続け、《C》一行が訪れた際に真相を話す。クロスベル市解放作戦では一時的に釈放され、再び法律事務所を拠点とし、全てが終わった後は再独立式典に参加している。
- 人物
- 気さくで人当たりが良く、「熊ヒゲ先生」の愛称で親しまれている[87]。相談に来た人たちには分け隔てなくどんな問題にも親身に接し[書 117]、依頼人が生活に困窮していることを知ると勝手に減額してしまい、助手のピートに怒られることもある。警察とも懇意であり、生前のガイ、ダドリー、セルゲイとはたびたび情報交換を行ってきた間柄であり頼られている。特務支援課にも軽視されることの多かった発足間もない当初から好意的で、親切に相談に乗っている[87]。
- ピートはかつて後見人として引き取り、後に助手として事務所で雇っている[50]。彼のことを実子同然に思っており、家族を失ってからは嘆きと悲しみから計画達成のために人生を捧げていたが、彼を引き取ってからの生活にはそれを癒すものがあったため計画を中止することも考えた[50]。「碧」終盤で、黒幕としての立場でいられなくなり表舞台に出ることになると察した際は、ピートに置手紙と彼の新たな後見人を手配するための書類を残して事務所を去っている[50]。
- ガンツ
- 登場作:『VII』
- 声:松本大督
- マインツで鉱員として働く男。ギャンブル依存症であり、働いてはギャンブルに通うのが日課であるが、勝ち運には恵まれていない。しかし、青のグノーシスの効果を知らないまま服用したことで激変して一気に大勝したことから、尊大で攻撃的な性格となってしまう。これがきっかけで、ロイドたちはガンツの行方を調べる過程でグノーシスの存在を知る。終盤では、ヨアヒムに囚われていたところを救出される。
- 「碧」ではある程度の改心を遂げ、ギャンブル依存からは脱出しつつある。
- みっしぃ
- 登場作:『VII』・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 元々はミシュラムのご当地キャラで、ミシュラムがリゾート開発された際にそのままマスコットキャラとなった。大人にも子供にも大人気で[112]、クロスベルでは知らない人はほとんどいないほどの有名キャラ[117]。合言葉は「エンジョイみっしぃ☆」[117]。好物は大きなメロン[34]。
- ミシュラムワンダーランドのみっしぃの着ぐるみはテーマパーク創設時からずっと同じ人物(豪快な雰囲気の中年男性)が中に入っており、キャラづけは役者に任せきりになっていて、マニュアルなどは全く用意されておらず、ダンスもアドリブで踊っている[117]。
- クロスベル自治州では各種グッズが展開されていて、ティオをはじめ[157]、そうしたグッズを収集しているファンは作品中でも少なくない。
- 「零」の制作当時、「ゆるキャラ」の一大ブーム[注 111]だったことから導入されたキャラクターで、ウケる「ゆるキャラ」はどんなものかを検討した際に「微妙にむかつくほうがよい」という意見が出たことでそういう線でデザイナーに提案されて制作された[W 18]。「零」で登場後、日本ファルコムでもマスコットとして使用されるようになり、『那由多の軌跡」や『イースVIII』では謎の生物として登場している。
エレボニア帝国
[編集]大陸西部に位置する巨大軍事国家。隣接するノルド高原の領有権争いなど、隣国のカルバード共和国とは犬猿の仲にある。『閃』の舞台。
トールズ士官学院
[編集]帝国の中興の祖、ドライケルス大帝が開いた歴史ある士官学校。
特科クラス VII組 / 旧VII組
[編集]『閃』における主人公たち。
- リィン・シュバルツァー
- 登場作:「閃I」P・「閃II」P/B・「閃III」P・「閃IV」B→P・『創』P・「界」P
- 声:内山昂輝
- 年齢:17歳(「閃I」[W 19]・「閃II」[W 20])→18歳(「閃II」外伝[190])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 61]
- 『閃』、『創』の主人公。帝国北部、温泉郷ユミルを治めるシュバルツァー男爵家の養子。太刀を用いる剣術流派《八葉一刀流》の使い手。
- シュバルツァー男爵によって拾われた子であるとされ、士官学院入学後、その生い立ちから、担任教官のサラによってVII組の「重心」としての役割を与えられ[191]、本人の資質もあって次第に仲間たちから認められ、彼らの架け橋として個性豊かなVII組の中でリーダーとみなされるようになっていく[164]。
-
- 来歴
- 父ギリアス・オズボーンと母カーシャの息子として生まれる。幸福な家庭に育つが、5歳の時(1192年)にオズボーンの家が猟兵の襲撃を受け[192]、この際、心臓の近くを建材で貫かれ、瀕死の重傷を負う[77][193]。妻の最期の願いを聞き届けたオズボーンは、《黒の騎神》イシュメルガに願い、自らの心臓をリィンに移植させる[77][193][注 114]。
- 一命を取りとめたリィンは、吹雪の日にオズボーンによってユミルの領主テオ・シュバルツァーに託され、その後はシュバルツァー男爵家の養子として育つ[193]。この時期までのことはリィンの記憶ではおぼろげであり、リィンは自分のことを拾われた浮浪児だと考え続け[194]、出自の悩みを抱えて育つことになる。
- 「閃I」の8年前(1196年)[195]、義妹エリゼと二人で渓流遊びをしていたところ突然大雪が降り出し、熊のような大型魔獣に遭遇してしまい、エリゼを守るため「鬼の力」(後述)を無意識に発動し、小さなナタのみで魔獣を切り刻んでしまう[参 1]。この出来事はリィンにとってトラウマとなり、以降、自身の中に眠る得体の知れない力によって周囲の者たちを傷つけてしまうことを恐れるようになる[196]。
- 「閃I」の7年前(1197年)、自身の中の"獣"じみた何かを抑えるため、ユミルを訪れた剣術家ユン・カーファイに弟子入りして《八葉一刀流》を学び始める[196][注 115]。そして「閃I」の直前頃には、ユンから《八葉一刀流》の初伝を授けられるが、以前から持っていたトラウマから来る自己犠牲癖をとがめられ[198]、修行は打ち切られてしまう[199][196][注 116]。
- 「閃I」 - 卒業後は軍人になって家を出るつもりでユミルを離れ[194]、帝都近郊の小さな町トリスタにあるトールズ士官学院に入学[201]。貴族クラスと平民クラスが分かたれている同学院で、この年に新設され、両方の身分の者たちが混在して組織された《特科クラスVII組》(VII組)の一員となる[201]。VII組では唯一人だけクラブ活動に所属せず、そのかわり、その生い立ちから、貴族と平民、留学生までいるVII組の「重心」(「中心」ではなく)であるとサラに判断され、校内の様々な依頼事を任されるようになる[191]。帝国各地で行われるVII組の特別実習をこなす内、クラスメイトたちの抱える問題にともに向き合い、同時に、帝国宰相オズボーンの抹殺を目論む《帝国解放戦線》による陰謀にたびたび遭遇し、彼らと対決を重ねる。物語終盤、帝国で内戦が始まろうとする中、巨大な人型兵器《灰の騎神》ヴァリマールの《
起動者 ()》となり、その力でトリスタの街に襲撃してきた《帝国解放戦線》の人型兵器《機甲兵》を圧倒する[202]。しかし、直後に現れた《帝国解放戦線》のリーダー、《C》ことVII組クラスメイトのクロウ・アームブラストが操る《蒼の騎神》オルディーネに敗れ、守るべきと思っていたクラスメイトたちに逆に守られる形で、無念の撤退を強いられる[202]。 - 「閃II」 - オルディーネとの戦闘のおよそ1か月後にアイゼンガルド連峰にて目を覚まし[203]、物語序盤は黒猫のセリーヌ、遊撃士のトヴァルと行動をともにし、帝国正規軍と貴族連合軍との間で内戦が始まった帝国で、VII組の仲間を探すため各地を旅する[204]。仲間との再会や支えを受け、アルフィンによってエリゼの真意を伝えられたことで精神的成長を遂げ、物語中盤にて自身の秘められた「鬼の力」を《神気合一》して制御することで自分のものとする[205]。そして、《灰の騎神》ヴァリマールの《起動者》として学院生たちの中心に立ち、士官学院の奪還を大目標とし、次いでクロウを士官学院に帰還させることを目標とする。
- 物語本編の終盤、《煌魔城》の決戦でクロウとの騎神同士による一騎討ちに勝利し、復活した《
紅き終焉の魔王 ()》も退けるが、共闘したクロウを戦いの中で失ってしまう[206]。クロウの死の直後に姿を現したオズボーンの生存に納得できず、腹心ルーファスに事後処理を淡々と指示して去ろうとする彼に猛然と掴みかかるが、それを静かに嗜めるルーファスの言葉でオズボーンこそが自分の実父であることを思い出し、オズボーンから今後しばらくは「英雄」として役立つよう告げられる[206]。
- 「閃II」外伝 - 内戦が終結したことで、帝国はクロスベル自治州を電撃的に占領し、同地をめぐってカルバード共和国との紛争が始まり、その《クロスベル戦役》に軍属として参加する[111]。クロスベルでは《灰の騎神》ヴァリマールを駆って戦役に参加するほか、帝国政府の「要請」にも応じ、帝国による支配へのレジスタンス活動を展開するロイド・バニングスの前に立ちはだかって交戦し、その目論見を妨げる[111]。そうして、「内戦を終結させた功労者」としての虚名と合わせて、帝国政府による政治宣伝により《灰色の騎士》としてリィンは帝国内外にその名を知られるようになっていく[111]。
- VII組の仲間たちが各人の目標のため1年で学院を去る中、学院に残ることを選択し[86][207]、「閃II」と「閃III」の間の期間(1205年)、学生を続けながら、帝国政府による「要請」を受けて帝国軍の軍属として任務を遂行する日々を送る[26]。「要請」をこなすうちに「鬼の力」が次第に強まっていき、同年秋の《北方戦役》でついに《神気合一》による制御も効かなくなり、それ以降は全力を出すことを控えざるを得なくなる[26]。そうして、翌1206年春に士官学院を卒業する。
- 「閃III」 - 士官学院卒業後、帝国政府から帝国軍入りを強く求められるもそれを固辞し[W 21]、帝都西郊のリーヴスに新設されたトールズ士官学院・第II分校で教官の職に就き、《VII組特務科》(新VII組)の担任となる[67]。帝国各地で分校生全員で行う特別演習の中、新VII組の生徒たちを率いて特務活動を行うとともに、帝国政府からの「要請」もこなすことになる。エマから譲り受けたペンダントの力とセリーヌの特訓の成果もあり、「鬼の力」を再び《神気合一》で制御できるようになる[116][82]。終盤、《黒キ星杯》にて黒の聖獣によって窮地に追い込まれ、リィンを庇ったミリアムを目の前で喪ったことによるショックから「鬼の力」が暴走して自我を失う[134]。リィンの暴走によりヴァリマールの姿も変貌し、ミリアムが変化した《根源たる虚無の剣》によって黒の聖獣を討ち取るが、それにより《巨イナル黄昏》を引き起こしてしまう[134][注 117]。最後は記憶を取り戻したクロウ、ルトガー、アリアンロード、オズボーンに駆られた4騎の騎神によって取り囲まれ、オズボーンの《黒の騎神》によって取り押さえられる[134]。
- 「閃IV」 - 「鬼の力」を暴走させた状態のままセリーヌとともに《黒の工房》本拠地へ連れ去られて囚われの身となってしまう[208]。己を失った状態が1ヶ月ほど続いていたが、リィンを救うために《黒の工房》に乗り込んできたVII組の面々や、霊脈を通して繋がった縁のある者たちからの呼びかけで己を取り戻し、VII組に復帰し、《黒の工房》を脱出することに成功する[51][94]。その後はクロウ、デュバリィを仲間に加え、オズボーン陣営に捕らえられていた仲間たちを解放していく。パンタグリュエルで極秘会談が行われることになると、ミュゼの招待によって参加し、『空』の主人公らリベール遊撃士協会、「零」の主人公らクロスベル警察特務支援課とも邂逅を果たし、その際にかつて交戦したロイドと和解する[1]。オリヴァルト皇子が《光まとう翼》を提唱したことを受けてそれに参加し[61]、以後はその一員として活動する。本格的に始まった《七の相克》で他の《起動者》たちを破って勝ち抜き、ついには幻想起動要塞でオズボーンの駆る《黒の騎神》イシュメルガにも勝利する[209]。しかし、こうなることも想定に含めていたイシュメルガの思念体によって乗り移られ、その身を蝕まれてしまう[209]。
- (ノーマルエンド) - こうなることは予期しており、イシュメルガの思念体が《黒の騎神》本体や《起動者》と分離したことをイシュメルガを滅ぼす好機と見て、ヴァリマールとともに大気圏外に飛び去り、最後は真っ白な華のように輝く光となる[210][書 121]。
- (真エンド) - 《大地の聖獣》アルグレスの残滓から《大地の檻》を与えられていたことから、イシュメルガの思念体を切り離した上で、中途半端に再錬成された《巨イナル一》とともに《大地の檻》の中に封じ込めて結合させる[211]。これによりイシュメルガはこの次元で唯一倒せる形態であるイシュメルガ=ローゲとして実体化し、これをトールズVII組、特務支援課、リベール遊撃士らによる総力戦で撃破する[211]。イシュメルガの思念体は狭間の空間に逃げ込んだため、それを追いかけ、人が振るえる大きさになった《剣》(ミリアム)で切り伏せ完全に消滅させる[211]。直後、狭間の空間に現れたオズボーンと父子の最後の会話を交わして元の次元に帰還する[211]。《巨イナル黄昏》が終息したことで呪いは消えて髪と瞳の色は元に戻り、役目を終えて消滅するヴァリマールと別れる[212]。全てが終わった後、トールズ士官学院・第II分校の教官としての日常に戻る[35]。
- 人物
- 芯のあるまっすぐな性格で、誰とでも打ち解けられる人の良さを備えるが、自身の出自が不明であることに引け目を感じており[W 19]、養子の自分が男爵家の家督を継ぐべきではないと考えているため[194]、どこか影を落とすような謙虚さも備えている。
- 当初『閃』の主人公は帝国軍の軍人にすることが検討されたが、軍規に縛られる軍人だと動かしにくいと思われたため士官学院の学生という設定になった[W 22]。
- 朴念仁
- ストイックで爽やかなのに妙に女泣かせなところがあり[213]、妹のエリゼに接してきた時の癖で、軽々しく女子の頭をなでる癖がある[164]。アリサら女性メンバーの好意には非常に鈍感であり、VII組のクラスメイトからは「女心をわかっていない」、「朴念仁なのも大概にしろ」と[214]、ティオからは「タイプは違えどロイドさんの同類」[215]、ランディからは「アイツ以上に爆発しろって感じ」と言われており[1]、「閃IV」では最終決戦を前に整理を付けるよう周囲から諭される[34]。
- 義妹のエリゼに対しては、彼女からの好意に鈍感な一方、過保護(シスコン)なところがあり[214]、彼女に好意を持つパトリックからは、エリゼ関連では「問答無用な感じ」になると苦言を呈されている[216][注 118]。ふだんは寛容に聞き流しているアッシュの軽口もエリゼ関連に関しては許さず、新VII組の生徒たちを呆れさせている[217]。
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- 自己犠牲癖
- お人好しで、自分のことを大切にしない人物と言われており[53]、無自覚に他人ばかり優先する所があり[51]、本人もそれを悪癖だと認めている[94]。
- 自己犠牲で状況を打開しようとする癖が「閃I」の頃からあり[198]、「閃III」の頃にもその癖が抜けておらず[218]、VII組の仲間からは「筋金入りの自己犠牲癖」と言われるようになる[94]。作品中では「閃I」序盤でユーシスがこの性質について最初に指摘しており[198]、「閃IV」でパンタグリュエルでグロリアスに特攻をしようとしたミュゼを教官として叱ろうとした時も[61]、居合わせたユーシスからたしなめられている[63]。
- 士官学院に入学する以前、ユン・カーファイから《八葉一刀流》の修練を初伝で打ち切られた大きな理由ともなっており、それが「鬼の力」を恐れたリィンが自己欺瞞として行っている行為だと見抜いていたユンは、そのことをあえて指摘はせずリィン自身が自分で気づいて自覚するまで待ち、彼が答えに至ったことで中伝の書を(テオを介して)授けている[参 1]。
- 『閃』の作品中ではリィンの成長を描く上でのテーマのひとつになっており、「鬼の力」と向き合う上でのキーとなっているほか[205][51]、オズボーンはリィンに対して「己を捨てて他を活かすのではなく、己も他も活かすのを最後まで諦めるな」という言葉を「閃IV」の最後に贈り、ユンの教えも結局はそこに繋がるのではないかと問いかけている[211]。
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- 「閃III」以降の変化
- 「閃II」までの学生時代と比べて身長が5リジュ(5cm)ほど伸び[84]、体つきも幾分逞しくなる。クロスベル戦役、北方戦役で得た名声により《灰色の騎士》としてリィンの顔と名は帝国中に知れ渡っているが、本人はそう呼ばれることをあまり良く思っておらず、普段は伊達眼鏡をかけて印象を変えるなどして誤魔化している(しかし、会話するうちに大抵はバレるか勘付かれている)。
- 士官学院では歴史学の教科を受け持っており、ユウナからは「悔しいけど分かりやすいし丁寧」と評されているほか[219]、演習先のいわれなどの説明役に回ることも多い。本校時代の成績はかなり上位だったらしいとアルティナが話している[219]。
- 「閃III」で教官になるという設定は、「閃I」時点で予定されていたものではなかった[書 122]。
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- 鬼の力
- 胸に謎の痣があり[220]、時折うずくことがある。その痣はリィンがオズボーンから心臓を受け継いだ時にできたもので、帝国の呪いに起因して[W 5]、超常的な「鬼の力」を引き出すことができる。
- この力が解放されると、髪の色は灰色(銀色)に、瞳の色は赤になり[注 119]、漆黒と真紅の瘴気をまとい、リィンは普段とは比較にならない圧倒的な力と獣のような荒々しい戦いぶりを見せる。
- 「閃I」の8年前、雪山で魔獣に襲われた際にエリゼを守るためにこの力を無意識で引き出して初めて振るい[195]、以降、リィンはその力の大きさを恐れ、それが原因で「本気を出せない」性格になってしまう[196]。
- ゲーム本編では、「閃I」で学院の旧校舎でエリゼが危機に陥った時に初めてその力を使う[194]。
- 当初、この力はリィンによって抑えられており、怒りに反応して引き出され[注 120]、戦闘中は理性を失ったような状態になっていたが、「閃II」で新たな境地に至って「神気合一」を修得したことで理性を保ったままこの力を引き出せるようになる[205]。
- この「鬼の力」は《魔女の眷属》であるエマやセリーヌにもよくわからないものだったが[221]、「閃IV」で《巨イナル黄昏》を引き起こす“真なる贄”に与えられた呪いの力であることが明かされる[51]。
- 「閃IV」で暴走状態から解放され《黒の工房》からも脱出した後、仲間を信頼することができるようになったことにより、「鬼の力」を神気によって制御するのではなく、爆発させた状態のままとする《鬼気解放》を修得する(《鬼気解放》を使うと自我を失うことになるため仲間によるフォローが必要になる)[94]。
- 「閃I」から描写があったこの「鬼の力」について、「閃IV」の登場人物たちの言葉だけでは真意が伝わりにくかったため、後にインタビューで、オズボーンがイシュメルガの力を借りてリィンに心臓を移植した際にイシュメルガの因子を媒介にして植え付けられたこと[書 125](この時点で真なる贄に選ばれた[51])、力としては(イシュメルガではなく)帝国の呪いに紐づいたものであることが補足されている[W 5]。「閃II」でマクバーンがリィンのことを「混ざってる」と言っているが[221][205]、これは《外の理》と混ざっているという意味ではなく[書 125]、自分が本来持つものではない別の力と混ざってるということを意味している[205]。
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- 八葉一刀流
- ユン・カーファイの最後の直弟子で[34]、八葉一刀流の全ての型に触れつつ《無》の先を極めんとする存在とされる[22][注 121]。
- 「閃I」の7年前に剣客ユン・カーファイと出会い、弟子として「八葉一刀流」の指南を数年にわたって受けてきたが[196]、老師から修行を打ち切られる形で「初伝」を授かるに留まっていた[199]。その後、トールズ士官学院入学後の経験を経て、「中伝」を授かる[注 122]。
- 剣術だけではなく、《観の眼》の冴えがあり[92]、気配を断って尾行してくるような相手に気づいたことは数多く[164]、これまでの作品の主人公たちが気づかず見逃していたような状況で怪盗Bの気配を察知して見破っている(ただし怪盗B本人もこの時は本気で正体を隠そうという気はなかった)[223]。
- 《観の眼》は一切の先入観を排しそのものを見るというもので[143]、気配察知に限らず推理などにも用いられるほか、新VII組の教官として生徒たちの評価を行うためにも使われている[124][注 123]。
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- 『魔法少女☆まじかるアリサ』のリィン・シュバルツァー
- 「閃II」のDLC「リィンの人には言えないオリジナル衣装」を基にしたスピンオフキャラクターで、『東亰ザナドゥ』の作中作『魔法少女☆まじかるアリサ』の敵キャラという設定[注 124]。
- 高校2年生で、アリサのクラスメイト。その正体は人間界を征服するため遣わされた魔界の皇子[書 126][書 127]。人間界について学び成長するため、然るべき時が来るまではと記憶と魔力を封印されていたが[書 126]、両手に宿していた皇子の印の内、左手の赤い宝石を小さい頃にアリサにあげてしまっていたため、不完全な形で覚醒してしまう[書 128]。
- 赤い石を持つアリサと接触したことで魔界皇子リィンとして覚醒し、全身黒づくめで、ゴーグル、ヘッドホンを付けたイタい姿に変身し、厨二な言葉を吐くようになる[書 128]。
- 魔界皇子として覚醒した後は、普段の姿でも厨二病な言葉で話し、手の甲の黒い宝石(時折うずくことがある)を隠すため、右手に常に黒い皮手袋をするようになる[書 129]。
- アリサ・ラインフォルト
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:堀江由衣
- 年齢:17歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 61]
- 「閃I」、「閃II」のヒロイン。帝国最大の重工業メーカーであるラインフォルトグループの会長を母に持つ少女。
- 家族のことを顧みず仕事に打ち込む冷徹な母イリーナへの反発から士官学院入りを決め、近代兵器の製造を生業とする実家へのあてつけの意味も込めて武術でも伝統的な弓術を選択し、導力弓を使う。
- ラインフォルト家に仕えるメイドのシャロンのことは時に反発しつつも姉のように慕っている。
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- 来歴
- 帝国最大の企業の子という出自から、貴族の子からは疎まれ、平民の子からは特別扱いされ、友人の少ない子供時代を送る[224]。
- 「閃I」の8年前(1196年)に「事故」で父フランツを亡くし、母イリーナが仕事に没頭するようになったこともあり、家庭環境が大きく変わる[224]。以降は祖父のグエン、しばらくしてラインフォルト家に使えるようになったメイドのシャロンが一緒にいてくれるようになり、弓術、礼儀作法といったことをはじめ、二人から様々なことを学び、慕うようになる[224][注 125]。
- 「閃I」の5年前(1199年)、グエンがイリーナによってラインフォルト社を追われ、シャロンもイリーナに従い、それらに納得のいかない思いを抱える[224]。
- 「閃I」の直前、祖父グエンから学費を援助してもらって実家を出て、母イリーナが常任理事をしているとは知らずにトールズ士官学院に入学する[226]。
- 「閃I」 - 出自を隠して「アリサ・R」として、トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201](シャロンの来訪により出身はほどなく露見する[227])。ラクロス部に所属。自分の家族の在り方について悩みを抱えていたが、特別実習を通して克服していき[224]、士官学院卒業までになんらかの道を示すことを母イリーナに宣言する[228]。
- 「閃II」 - 当初、ガイウス、ミリアムとともにノルド高原に潜伏していた。リィンとの合流後は行動をともにし、ノルティア州で潜伏していたアンゼリカから母イリーナの所在がもたらされたことから[229]、ルーレ市に潜入して救出に成功する[230]。
- 内戦により組織が弱体化したラインフォルトグループの建て直しに少しでも早く協力できるようになるため実家に戻ることにし[231]、士官学院を1年で卒業する。顧問として同社に復帰したグエンとシャロンに支えられ、実践形式でマネジメントを学び、シニアマネージャーの資格を得る[W 24]。
- 「閃III」 - 叩き上げでラインフォルトグループの第四開発部室長に就任し[112][113]、新型戦術オーブメント「ARCUS II」と魔導杖部門を担当している。リィンがクロスベル自治州を特別実習で訪れた際に再会し、第四開発部で開発した機甲兵用の追加ユニット(飛翔ユニット)を渡し[112]、クロスベルにおける結社の暗躍が明らかになると再びリィンと行動を共にする[116]。《黒キ星杯》の出現時に父フランツが生きていたことを知り、《黒キ星杯》では結社に戻りVII組の前に立ちふさがったシャロンらと戦う[134]。その際、ティータやティオと連絡を取り合って作成した「オーバルギアEXA」に搭乗してシャロンに対抗を試みる[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンとシャロンを取り戻すべく行動を開始[143]。ガルガンチュア級試験戦艦における戦いで、シャロンを取り戻す[71]。真エンドでは《七の相克》後、イシュメルガの呪縛から解放されたフランツと再会する[212]。
- 人物
- はっきりとした物言いで一見きつい印象だが、人のことを気にかけることができ、たとえ怒っていても相手のことを思いやらずにいられない性格[164](いわゆるツンデレ)。
- 母への反発が原動力になっているが、彼女が常任理事を務めている士官学院にそうとは知らず入学してしまったうえ、学費もやはりそうとは知らず母に支払われ続けており[226]、完全に親離れできておらず、そのことに自覚を持つようになる。
- 母譲りの商才に加え、父から機械いじりなどの技師仕事を教わり[225]、機械関係は士官学院に入学する以前からラインフォルト社の一般社員より詳しいくらいの知識を持つ[232]。本人は(知識はあっても)エンジニアとしての才能は持っていないと自覚しているが[112]、他の者たちがあまり持っていない技術関係の知識でVII組をしばしば助ける。
- 入学式後のクラスオリエンテーションで起きたアクシデントからリィンを一方的に敵視してしまうが、本人に悪気がなかったことは理解しており、授業中に教官から質問されたリィンをアシストするなど仲直りしようとタイミングをうかがうも、なかなか素直になれない。
- 母と祖父の対立に苦悩しており、かつてのような仲の良い家族に戻ってほしいと願っているが、先述の性格から他人にそのことを相談できずに一人で悩み続ける。特別実習を通じてリィンに初めて相談して励まされ[224]、その後もともに過ごしていく中で彼に恋愛感情を抱くようになる。「閃II」ではそれが顕著に現れており、再会した折から彼に抱きつくほか、絆イベントではリィンとヴァリマールの内部に乗る、終章ではリィンと恋仲になった際に彼に口づけするなど、「閃I」におけるヒロイン的な扱いが強い。一方、リィンの女性絡みの話題になると あからさまに不機嫌になるような嫉妬深い一面もある。リィンの義妹のエリゼも同じ思いを持つことから、「本当に(自分と)意見が合いそう」と親近感を持っている。
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- 『魔法少女☆まじかるアリサ』のアリサ・ラインフォルト
- 「閃II」のDLC「アリサの人には見せられないオリジナル衣装」を基にしたスピンオフキャラクターで、『東亰ザナドゥ』の作中作『魔法少女☆まじかるアリサ』の主人公という設定[注 126]。
- ピンク色の服を着た魔法少女で、得物は伝説の愛の弓「トゥインクル・スター」、必殺技は「まじかる☆アリサ ラブ・シューティングスター」[書 128]。
- ふだんはハンバーガーチェーン店「マクモナルド」でアルバイトをしているごく普通の高校2年生だが、謎の妖精モナくんの導きにより、魔法少女まじかる☆アリサとなる[書 128]。
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- モナくん(モナ国王、てぃんくる☆モナくん)
- モナの国の国王[書 129]。本名は「てぃんくる☆モナくん」。いわゆる、魔法少女のマスコット妖精で[書 129]、語尾に「モナ」を付けて話す[注 127]。
- 悪の魔王(魔界皇子の父)[注 128]の配下ミリアムによって国を征服され、国に伝わる伝説の変身アイテムである3つの『ARCUS』を手に命からがら人間界に脱走してきた[書 129]。人間界ではマクモナルドのマスコットに乗り移り[書 128]、ふだんはアリサのポケットの中でマスコット人形の振りをしているが[書 129]、魔法少女を導く時はモフモフしたぬいぐるみ大の大きさになる。
- 自分の国を救ってもらうため[書 129]、アリサ、ラウラ、エマにARCUSを託して魔法少女にする。
- 日本ファルコムのマスコットキャラクターのひとつであるモナくんを基にしたキャラクターであり、「閃II」のDLC「アリサの人には見せられないオリジナル衣装」では「てぃんくるモナくん」としてアクセサリになっている。
- エリオット・クレイグ
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:白石涼子
- 年齢:16歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→19歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[注 129])[注 61]
- 帝都出身の音楽好きの少年。
- 帝国軍の中でも猛将としてその名を知られるオーラフ・クレイグの息子で、父は軍人ながら、姉のフィオナとともにピアノ教師である母の薫陶を強く受けた音楽一家で育ち[233]、自身も将来は音楽家を志望している[194]。士官学院入学まで武術の経験は皆無に等しく、入学時に適性があると言われたことから《
魔導杖 ()》のテスト要員に参加した[201][注 130]。- 来歴
- ピアニストだった母親の影響で音楽に親しんで育つ[233]。姉と同じく音楽院に進学しようとしたが、父オーラフの反対にあい、士官学校の中でも音楽の授業が充実していて、卒業生の半分は軍人以外の道に進むトールズ士官学院への進学を選ぶ[233]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。吹奏楽部に所属し、ヴァイオリンを担当する。父との関係を知られたくなかったため、(聞かれなかったからということもあるが)入学して3ヶ月経っても父親が軍人であることを黙っていた[233]。帝都の特別実習で士官学院に入学した経緯をリィンらに明かし、最初は不本意な思いで入学したものの、それを前向きにとらえているということを語り、そうしたエリオットの在り方はラウラとフィーにも影響を与えて彼女らの和解の一助となる[233]。
- 「閃II」 - 当初、マキアス、フィーとともにケルディック方面に潜伏していた。クロイツェン州の領邦軍に姉フィオナが囚われたことから、軍人として動けない父に代わってリィンらとともに領邦軍の拠点である《双龍橋》に潜入して姉を救出する[234]。
- 士官学院の経験から音楽の力に気づいてますます好きになり[235]、クロウの最期の言葉による後押しもあって、内戦後は激動の時代に少しでも人々の心を癒して豊かにできるよう、音楽の道に進むことを再び決意する[231]。父に許されたとこもあって士官学院を1年で卒業し、帝都の音楽院に編入する。
- 「閃III」 - 念願のプロデビューを果たし、プロの音楽家として帝国各地での巡業を敢行している。サザーラント州で特別演習を行っていた第II分校が結社に襲撃を受けた際に救援に駆けつけてリィンと再会し、結社の拠点を探るべく分校と別行動を始めたリィンに同行する。《黒キ星杯》では、マキアスやユーシスとともに《鉄血の子供たち》の4人と戦う。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始[143]。ドレッグノール要塞ではVII組とともに父であるクレイグ、教官だったナイトハルトを乗り越え[68]、クロスベルでは陽動のため、アルカンシェルで練習公演の監督を務める[172]。
- 人物
- リィンにとっては士官学院で最初の友人[201]。
- 士官学院入学後も音楽院などへの未練は持っていたが、特別実習等で視野を広げることができたため、漠然と音楽院に進むよりよかったと考えるようになる[233]。楽器についてはヴァイオリンを演奏することが多いが、一通りの楽器には触れた経験がある[233]。
- 楽器の演奏に関しては妥協を許さず、士官学院の学院祭に向けてVII組メンバーに音楽を教えることとなった時は人が変わったようなスパルタぶりや有無を言わさない圧力を見せ、他のVII組メンバー全員を閉口させる[236]。実家の自室もあらゆる種類の楽器や大量の楽譜が揃えられており、趣味の範疇を超えているとまで言われる[233]。
- ラウラ・S・アルゼイド
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:伊瀬茉莉也
- 年齢:17歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[注 131])[注 61]
- レグラム地方を治めるアルゼイド子爵家の息女。青髪の長髪を持つ長身の女性。
- 帝国内でも高名な剣術流派「アルゼイド流」を修めており、その流派の継承者で帝国最強の剣士の一人にも数えられる《光の剣匠》ヴィクター・S・アルゼイドを父に持つ。
-
- 来歴
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。水泳部に所属。入学時点でアルゼイド流の中伝をすでに得ており[171]、その実力は新入生最強と言われている[201]。元猟兵であるフィーを受け入れることができず、折り合いの悪さを引きずるが[220]、後に帝都での特別実習中に私闘を経て和解する。パワータイプのラウラとスピードタイプのフィーとは本来、相性の良い組み合わせのため、リィンからは2人のコンビを「最強」と評される。
- 「閃II」 - 当初、ユーシス、エマとともにレグラムの実家に潜伏していた[221]。不在のヴィクターに代わって領主としての仕事も務め、来訪してきたオーレリア、ウォレス両将の応対をし、圧倒される[221]。
- クロウの最期の言葉に後押しされ、アルゼイド流の奥義伝承の修行をすることを決意し[231]、士官学院を1年で卒業してヴィクターとともに修行の旅に立つ。修行の末、19歳にしてアルゼイド流の免許皆伝に至り、師範代の資格を得る[W 25]。
- 「閃III」 - 武者修行を兼ねて各地の練武場を回っては師範代として指南をしつつ、己の武を磨いて回っている。サザーランド州で特別実習を行っているリィンと再会し[237]、同地で暗躍を始めていた結社に対抗するよう「要請」を受けた彼を助力する[26]。《黒キ星杯》ではエマ、ガイウスとともに結社最強のアリアンロード、マクバーンの2人と戦う[134]。そのさなか、父ヴィクターが乗るカレイジャスが爆破されるのを目の当たりにしてしまう[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事と父が乗るカレイジャスが爆破されたことによるショックで意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始する[143]。物語終盤、VII組とともに呪いの強制力によって突き動かされたヴィクターと戦い、勝利する[172]。
- 人物
- 常に泰然自若としており、ある意味で貴族的な鷹揚さを持つ[238][書 130]。やや世間ずれしている面はあるものの[51]、自分の無知は無知として積極的に学ぼうとする向上心を持っている[238][書 130]。そんな性格であるため、貴族ではあるが、身分を問わずに誰でも平等に接する。ことあるごとにアルゼイド家に含むところがある様子を見せるデュバリィにも真摯に接するなど、器の大きさを見せる[239]。
- 見込んだ相手や気に入った相手のことを理解できないと気が済まない性分があり[233]、士官学院入学当初に全力を出していなかったリィンや、自分とは大きく異なる生き方をしてきたフィーに対して執着を持つようになる。
- 普段から凛々しい立ち居振る舞いをしているため、年下の女子には人気があり、レグラムで一部の者に「お姉さま」と呼ばれて熱烈に慕われているほか[233]、VII組が帝都の聖アストライア女学院を訪れた際も女学生たちから人気となる[240]。
- 剣については、寝る前には素振りを欠かさないようにしたり、リィンにも手合わせを願うなど、自らを高めることに余念がない。精進次第では私をも凌ぐだろうとオーレリアから言われている[221]
- 祖先は《槍の聖女》リアンヌ・サンドロットの腹心であるため、聖女は憧れの存在であり、いつかは彼女のようになりたいと考えている[241]。
- 「閃I」の学院祭の《みっしぃパニック》でみっしぃを気に入ってしまい、
- 古風な話し方をする人物で、礼を言う時は「そなたに感謝を」と口にする。
- マキアス・レーグニッツ
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:佐藤拓也
- 年齢:17歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[注 132])[注 61]
- 帝都知事カール・レーグニッツの息子[201]。平民出身[201]。
- 大変な努力家で、勉学では入試首席のエマに負けまいと普段から努力を続けている[198]。帝国の貴族制を公然と批判するなど、クラス内でも貴族への嫌悪感を強く表明している。
-
- 来歴
- 早くに母親を亡くし父と2人だけの父子家庭となるが、近所に住んでいた9歳年上の従姉トリシャが男所帯のレーグニッツ家の世話を焼き、マキアスにとっては姉がわりとなる[243]。
- 「閃I」の6年前(1198年)、その従姉が貴族の婚約者から手ひどく裏切られたことを苦に自殺してしまったことで、貴族に対して憎しみを持ち、それが八つ当たりにすぎないことは承知しつつも、彼らに勝てるだけの力を求めるようになる[243]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。第二チェス部に所属。入試の成績は第2位で、座学は学年でもトップクラスの成績[244]。入学後はVII組の副委員長となる。貴族制度については公然と批判しており、貴族のクラスメイトとも距離を置いており、特にユーシスとはARCUSの《戦術リンク》もできないほど反りが合わず、最初の特別実習ではそれが原因で普通の試験であれば落第点にあたるほどの散々な成績を残してしまう[198]。リィンのことも彼が男爵家出身で、しかもそのことを隠していたことを知ってからは距離を置いていたが[245]、続くバリアハートでの特別実習を通じて、リィンやユーシスの人間性と境遇を知ってほだされ[198]、次第に考えを改めていく。
- 「閃II」 - 当初、エリオット、フィーとともにケルディック方面に潜伏していた。VII組のクラスメイトの中では最初にリィンに合流する[204]。《カレル離宮》に父が囚われていることを知り、救出作戦に参加する[246]。
- 内戦後はクロウの最期の言葉に後押しされたこともあって帝都の政治学院を前倒しで受験して合格したことで、士官学院を1年で卒業して政治学院に編入することにする[231]。父譲りの生真面目さと優秀さをフル回転させて1年で必要単位を修得すると、19歳という異例の若さで「司法監察院」入りを果たす[W 26]。
- 「閃III」 - 司法監察官として登場。クロスベルではアリサ、エマとともに、リィンに助力する[116]。《黒キ星杯》では、エリオット、ユーシスとともに《鉄血の子供たち》の4人と戦う[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始[143]。絆イベントではかつてトリシャと婚約していたアーサーと再会し、トリシャの件で後悔していた彼の呪いを解く[247]。
- 人物
- 少し頭が固く、考えすぎなところがある[233]。何事にも真正面から正攻法で立ち向かう強さがあり、他の者であれば難しすぎてうやむやにしてしまうような問題にも真摯に向き合い答えを探すようなところがある[248]。そうした性格から、他人と衝突し、空回りすることも多い[248]。
- ユーシスとは当初は折り合いが悪く、特別実習を経て関係が多少改善した後も顔を合わせれば皮肉や憎まれ口を言い合っているが、息はピッタリで[220]、喧嘩するほど仲が良い種類の関係になる。
- 入学当初はVII組の中でもトラブルメーカーという面が強く[書 131]、後に本人もそのことを認めクラス一の未熟者だったと自省の念を持つようになる[248]。
- 思想や立場など含め、ユーシスとセットでキャラクター造形がされている[書 132]。
- 初期設定では鉄道模型などのインドアな趣味を持っているというキャラ付けが検討されたようだが[書 132]、ゲーム本編ではミスティによるラジオ番組「アーベントタイム」のファン[249]という程度に抑えられている。
- エマ・ミルスティン
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:早見沙織
- 年齢:17歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 61]
- 《
魔女の眷属 ()》出身の少女で、詠唱による魔法を使える[198]。 - 騎神と起動者を導くという魔女としての使命のため、《灰の騎神》ヴァリマールの封印されているトールズ士官学院に入学した。
-
- 来歴
- 母親は在野の魔女で里の外で暮らしていたが、不幸な事故で命を落としたため、ローゼリアに引き取られ、同じくローゼリアの養い子のヴィータを姉がわりにして姉妹同然に育つ[82]。
- 「閃III」の15、6年ほど前(1190年か1191年)、ローゼリアが眷属創造の秘術を用いてセリーヌを生み出し、エマに与える[250]。
- その後、《巡回魔女》となったヴィータが里を出て、そのまま行方をくらましたことにショックを受け、自分も《巡回魔女》になるため修行と勉学に励むようになる[82](1197年頃)。
- 16歳の時(1203年)に、渋るローゼリアから《巡回魔女》の資格を認められる[82]。早速、ヴィータを探すために里を出たが、《魔女の眷属》の使命により士官学院に入学することになったため[注 133]、それを一時中断し[200]、在野の魔女の協力も得てトールズを受験し、奨学生の資格も得る[82]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。魔女であるという出自は隠して辺境出身の奨学生ということにしている[201][注 134]。VII組の委員長となり、武術面ではエリオットと同様、適性を見込まれて魔導杖のテスト要員となる[201]。文芸部に所属し、部長のドロテが腐女子であるため、事あるごとに引きずり込まれそうになる。騎神のことはよく知らされていなかったため、ヴァリマールを発見した時もどういうものかは把握していなかった[216]。
- 「閃II」 - 当初、ラウラやユーシスとともにレグラム方面に潜伏していた[221]。再会したリィンに対し、秘密を隠してきた自分にVII組のメンバーでいる資格はないと言うが、彼からは改めて仲間として受け入れられる[221]。精霊窟ではヴィータと対面し、エマに負担をかけまいとした祖母ローゼリアから魔女の使命の本質について何も伝えられていなかったことを知る[225]。
- 内戦後、再び姿を消したヴィータを探すため、そして帝国における事態が《騎神》とそれにまつわる謎に紐づいて進行していることから、その謎を解き明かすことを望み、1年で士官学院を卒業する[231]。
- 「閃III」 - 故郷で一通りの秘術と帝国にまつわる歴史をローゼリアから学び、改めてヴィータの行方を追いつつ、かつて魔女と地精が築いた霊窟を探し求める旅をしている[112]。クロスベルでリィンと再会し[112]、マクバーンの焔を防げるほどに強化された魔力を見せつつ助力し[115]、別れ際、リィンが「鬼の力」を再び制御することができるようペンダントを渡し、特訓のためセリーヌをしばらくリィンに同行させる[116]。帝都でリィンらと再会し、《黒キ星杯》ではラウラ、ガイウスとともに結社最強のアリアンロード、マクバーンの2人と戦う[134]。
- 「閃III」終了の直後、《巨イナル黄昏》開始時に、暴走して囚われたリィン、剣となったミリアム、自力で離脱したミュゼ以外の新旧VII組を《黒キ星杯》から脱出させる[143]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後はVII組の仲間とともに故郷の隠れ里エリンで療養しつつ、《黒キ星杯》で起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始する[143]。リィンを救出した後も魔女の力でVII組を助け、幻想機動要塞では、外の世界について話が及ぶと、ガイウスとともに「外の理」とこの世界の謎について話す[251]。
- 人物
- 控えめな性格をしており、やや引っ込み思案なところがある[112]。他人を思いやる優しさを持っており、癖の強いVII組の中では一番の常識人。
- 入学後はVII組の委員長となり、仲間内からは主に「委員長」と呼ばれ、面倒見のいい委員長として身分に関係なくクラス全員から信頼されている。入試を首席で通過するほど成績優秀で[201]、その後も学年トップの成績を誇るために入試2位のマキアスからはライバル視される[198]。
- 面倒見がよく、士官学院時代はフィーに数学を教えたりしている[245][89]
- 怪我の急速な治癒や開錠などオーブメントに由来しない魔法のような力を使うことができる。魔女であるためなのか、高い歌唱力を持つ。
- 緋のローゼリアの養い子[115]。猫のセリーヌはお目付け役であり、姉であり妹でもあるような関係である[252]。ヴィータのことは姉弟子であることから「姉さん」と呼び、慕うとともに魔女として憧れており[252]、里を抜けた彼女のことを気にかけている。
- 視力は多少ぼやける程度の悪さで、魔女の術で補えば問題はないのだが、幼い頃にロゼから「他者に自分の“素顔”を見せれば情に流され使命が揺らぐ危険もある」と教わり、「歴史の影に潜み使命を全うすべき者」という魔女としてのあり方の象徴として眼鏡をかけている[252]
- フィー・クラウゼル
- 登場作:『閃』P・『創』P・「黎I」S/B・「黎II」S・「界」P
- 声:金元寿子
- 年齢:15歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→17歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)→18歳(「閃IV」終盤[253])
- 猟兵団《西風の旅団》出身の少女で、VII組の初期メンバーの中では最年少。ショートの銀髪をラフに切りそろえた少女。
- 来歴
- 「閃II」から見て10年ほど前(1194年頃)、猟兵団《西風の旅団》の団長ルトガー・クラウゼルに拾われ、彼から姓を与えられ育てられる[254]。戦闘技術を団員たちに教わり、10歳の頃(1199年頃)に偶然から初めて実戦を経験し、その後、渋るルトガーを団員が説得する形で《西風の旅団》の猟兵となる[255]。その後は各地を転戦して《
西風の妖精 ()》とあだ名されるようになる[255]。 - 「閃I」の前年(1203年)末、ルトガーが赤い星座の《闘神》バルデル・オルランドと一騎討ちの末に相討ちとなり、団長を失った西風の旅団は解散状態になる[255]。他の団員に去られて途方に暮れていたところをサラに半ば強引に連れてこられる形で、士官学院に入学した[256](サラとは「猟兵と遊撃士」として交戦経験があったようである[223])。
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。園芸部に所属。猟兵だった過去が明るみとなると、猟兵とは相容れない考えを持つラウラとの間で不穏な関係となるが、帝都での特別実習を通して和解し、以後は強力なコンビを組むようになる[233]。
- 「閃II」 - 当初、エリオット、マキアスとともにケルディック方面に潜伏していた。合流後、ガレリア要塞跡にて《西風の旅団》で仲間だったゼノ、レオニダスと敵として再会する[204]。《煌魔城》の戦いでは士官学院に入学してから培ってきた思いを彼らに打ち明けて成長を認められ、団長の意向で猟兵の世界から足を洗うよう仕向けられたことや、他の団員たちは壮健であることを伝えられる[257]。
- 《煌魔城》の戦いの最期にゼノたちが残した「団長を取り戻す」という意味深な言葉の真意を探るため[231]、《西風の旅団》捜索にあたって自由が利き[64]、なおかつ「《VII組》のために自分ができること」を自分なりに考え抜き、士官学院を1年で卒業し遊撃士となる道を選択する。
- 「閃III」 - 「閃III」では帝国政府からの規制がさらに強まる中、サラやトヴァルによる指導のもと、若干16歳で正遊撃士の資格を取得し、サラとコンビを組む形で国内外での仕事をこなしている。サザーラント州で特別演習を行っていたリィンと再会し、ラウラ、エリオットとともに彼をサポートし、その中で死んだと思われていたルトガーと再会する[26]。《黒キ星杯》では、アリサ、サラとともにルトガーらと戦う[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始[143]。サラ、エリオットと行動をともにしていたが、ハーメル廃村で新VII組を救援し[101]、ユウナらがラマール州の探索に赴く際に同行する[258]。《第三相克》を前にルトガーと戦い、《相克》で敗れて満足して消滅しようとする彼をお父さんと呼び別れの挨拶をする[175]。《巨イナル黄昏》が終わった後は遊撃士としての日常に戻り、帝国の混乱収拾のため各国から来た遊撃士たちとともに尽力する[35]。
- 人物
- 若干面倒くさがりでネコのようにどこでも寝る癖がある。小柄な体格ながらも、校舎の2階から飛び降りて平然としていたり、高所へ壁伝いに簡単に飛び上るなどの驚異的な身体能力を持つ。また、戦場で培われたことから戦術眼・状況判断力・分析力・察知能力などに非常に長けており、緊急時や戦闘ではその力を遺憾なく発揮している。
- 人付き合いは悪くなく、真顔で辛辣な冗談を飛ばすこともあるが、自分の出身や過去については積極的に語ろうとしない。
- 生い立ちや周囲より年齢が若いことから勉強は苦手なようで、課目によっては日曜学校で習っているはずの内容をエマやアリサから教わることもある。試験の成績はクラス内最下位だったものの99人中72位と健闘し、アリサからはもっと上を狙えるとも評されている。
- 自身と同様、本当の両親の顔を知らないという共通点からリィンに対して親近感を持っている。また、一緒にいると「居心地が良い」「安心する」といった具合にかなり懐いている様子である。
- ガイウス・ウォーゼル
- 登場作:『閃』P・『創』P
- 声:細谷佳正
- 年齢:17歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→20歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」[注 135])[注 61]
- 帝国と共和国の係争地域であるノルド高原出身の青年。褐色の肌に長身の偉丈夫[64]。
- 「閃III」以降は星杯騎士団の守護騎士第八位《絶空鳳翼》として登場する。
- 来歴
- 幼い頃、ノルド高原の東に共和国軍の基地が築かれ、帝国軍の監視塔が建てられ、少しずつ不安を覚える[259]。
- 七耀教会の巡回神父としてノルドを訪れていたバルクホルン(星杯騎士団の守護騎士だがガイウスには隠している)からゼムリア大陸の歴史を教わり、大国同士の争いで消えた民族の多さ、《導力革命》がもたらした生活や文化への影響、時間と距離の概念にもたらした大幅な変化を知り、ノルドの地がいつまでも平穏であり続ける保証はなく、「外」の大きな流れに巻き込まれる可能性があり得るということに気づく[259]。
- 「閃I」の前年(1203年)、ゼクス中将がゼンダー門に着任した当時、魔獣の群れの襲撃を受けていたところを助太刀したことで彼と面識を得る[232]。それをきっかけにトールズ士官学院の存在を知り、ゼクスから推薦するという申し出を受けて、それを即決する[259]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院に入学し、特科クラスVII組の一員となる[201]。絵を描くのが趣味で、故郷にいた当時は我流でノルドの風景を描いており[89]、入学後は絵の専門的な技術を学べることから美術部に所属する。入学直後のオリエンテーリングではリィン、エリオットと同行する[201]。帝国の文化や制度には疎いためリィンやエリオットに教わっており、先入観に囚われない本質を突いた発言をすることがあり、VII組をはじめ周囲から厚く信頼されるようになる[64]。特別実習でVII組・A班がノルド高原を訪れた際は一行を案内するとともに、同地での《帝国解放戦線》の暗躍に立ち向かう。
- 「閃II」 - 当初、アリサ、ミリアムとともにノルド高原に潜伏していたが、リィンらと合流すると、ノルドを守るためには帝国の内戦を抑える必要があると悟り、第二の故郷である帝国のためにも、リィンらと行動をともにすることを決意する[260]。
- ノルドの地に戦火が及ぶ危険の高まったことから、士官学院を1年で卒業して故郷に帰る[231]。
- 「閃II」と「閃III」の間(1205年)、故郷のノルド高原に戻り、共和国軍と帝国正規軍との間で散発的な交戦が繰り返される中、ノルドの民の安全を守ろうと目を光らせる。高原を渡る風に何か黒いものが混じっていることを感じ、来訪した師バルクホルンにより、それが帝国に迫る"滅びの風"だということを知る[261]。その最中、共和国軍の飛行艇によってノルドの里が襲われ、自分の身を犠牲にしてガイウスを救ったバルクホルンにより、死の間際に彼の《聖痕》を託される[261]。その後、トマスによってアルテリア法国に案内され、半年間に渡って守護騎士としての修行を積む[261]。
- 「閃III」 - 星杯騎士団の守護騎士第八位《絶空鳳翼》となって帝国に帰還し、ラマール州でリィンらに助太刀して《鉄機隊》らと交戦する[124][218]。《黒キ星杯》ではラウラやエマとともに結社最強の《鋼の聖女》、《火焔魔人》の2人と戦う[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始[143]。《黒の工房》でリィン救出後は、VII組ら一行に自身のメルカバ
捌号機 ()を提供する[94][注 136]。星杯騎士となったことで、自分が何のために戦っていたのかを一時的に失いかけていたが、ウォレスとの一騎打ちを経て士官学院に入った時の初心を思い出し、ガイウス・ウォーゼルとして世界を護ることを誓う[262]。
- 人物
- 鷹揚で常に泰然自若としており、年齢不相応に達観したところのある青年[94]。寡黙だが、よく考えてから的確な発言をするタイプで、ここぞという時の発言には説得力がある[書 130]。
- ノルドに伝わる槍術を用い、十字槍を得物とする。師匠はバルクホルンで、ウォレスとは兄弟弟子の関係にあたる。
- 4人兄弟の長男で、弟トーマと2人の妹には「あんちゃん」と慕われている。
- 「閃III」で星杯騎士となるが、「風と女神の~」を口癖にしているように[注 137]、七耀教会の信仰に厚いことは「閃I」の頃からたびたび示されていた[263][書 133]。
- ゼオ
- ノルド高原を天空から見守る鷹で、ガイウスの友。内戦の時は仲間というより、守るべき弱者としてVII組に助力する[252]。
- 「ゼオ」という名前は《獅子戦役》でドライケルス皇子とともに戦った勇士と同じだとガイウスは語る[252][51]。
- ミリアム・オライオン
- 登場作:「閃I」P・「閃II」P・「閃III」P→B・「閃IV」O・『創』P
- 声:小岩井ことり
- 推定年齢:13歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→15歳(「閃III」[171][W 9]・「閃IV」)
- 《
鉄血の子供たち ()》の一人で、VII組には年度途中で加入する[264]。帝国軍情報局に所属するエージェントで[202]、《白兎 ()》というコードネームを持つ。 - 「アガートラム」という名の銀色の巨大な
傀儡 を連れている[注 138]。 -
- 来歴
- 「閃III」の5年前(1201年)、《黒の工房》で覚醒する[84][217][注 139]。目覚めた後はすぐに任務に就くことはなく、クレアとレクターの世話になり、基本的な知識を学ぶ[84][145][注 140]。
- 「閃I」 - 帝国軍情報局のエージェントとして各地をまわり、リィンらの前にしばしば姿を現し、ノルド高原では実力を試すために交戦する[259]。情報局が《C》の行動パターンをプロファイリングした結果、トールズ士官学院の関係者である可能性が有力視されたことから[202]、年度途中ながら、トールズ士官学院に編入し、特科クラスVII組の一員となる[264]。調理部に所属。
- 「閃II」 - 当初、アリサやガイウスとともにノルド高原に潜伏しており[260]、たびたび敵として現れるアルティナのことを気にかける。「カナシイ」という感情は持っておらず泣いたこともなかったが[265]、一連の経験を経て心が育ち、VII組での最後の戦いを終えると涙を流す[86][145]。
- 「閃III」 - 《鉄血の子供たち》の一員として、情報局の任務に従事している。アルティナとも再会し姉であることを改めて宣言し[84]、オズボーンの意向に反してもVII組であることを優先すると宣言していたが[217]、《黒キ星杯》では考えがあって他の《鉄血の子供たち》とともにVII組の前にたちふさがる[134]。オズボーンがアルティナをさらった理由を知っており、《黒の聖獣》からリィンとアルティナを庇い、アガートラムを破壊されて自身も致命傷を負った結果、最後はヴァリマールの手の上で安堵の表情を浮かべながら命を落とし、その身は光となって《根源たる虚無の剣》となる[134]。これによりリィンは鬼の力に飲まれて暴走し、《根源たる虚無の剣》を持ったヴァリマールが《黒の聖獣》を討ち取ったことで《巨イナル黄昏》が始まる[134]。
- 「閃IV」 - 肉体が滅びた後、その意識は《根源たる虚無の剣》の中に残っており、《黒の工房》では暴走したリィンにヴァリマールや他の多くの人々とともに語りかけリィンを正気に戻す[51]。その後は剣の中で沈黙するが、リィンらが《第三相克》を挑んだアリアンロード(リアンヌ)が最後の力をヴァリマールと《根源たる虚無の剣》に与えたことで呪いの枷が外れ、思念体として動けるようになる[266]。最終決戦ではヴァリマールの剣として戦い、《最終相克》でリィンの駆るヴァリマールがイシュメルガを下すが、リィンはイシュメルガの思念体である《黒の思念体》に乗り移られ、その身を蝕まれてしまう[209]。
- (ノーマルエンド) - こうなることを予期していたリィンは、《黒の思念体》が《黒の騎神》と分離したことをイシュメルガを滅ぼす好機と見てヴァリマールとともに大気圏外に飛び去ることを決意し、どのみち消滅は免れないと覚悟していたミリアムもクロウとともにそれに付き合い、最後は真っ白な華のように輝く光となる[210][書 121]。
- (真エンド) - 《黒の思念体》は分離させられ《大地の檻》によってイシュメルガ=ローゲして実体化した末、リィンらによって撃破される[211]。狭間の空間に逃げ込んだ《黒の思念体》をリィンは追いかけ、人が振るえる大きさになった《剣》(ミリアム)で切り伏せ消滅させる[211]。《巨イナル黄昏》が終息したことで役目を終えたミリアムは騎神やクロウとともに消滅を始めるが、6騎の騎神が最後に残された力を振るって奇蹟を起こし、消滅しかけていた《剣》を実体化させた上でミリアムの魂をつなぎとめる[212]。全てが終わった後、新旧VII組は《黒の工房》に向かい、フランツ・ラインフォルトが密かに用意し残していた「Oz73」のバックアップ素体に《剣》から魂を移し、ミリアムは復活する[35](これにて「閃IV」本編は終幕となる)。
- 人物
- 非常に能天気で、呑気かつ無邪気で人懐っこい性格をしているが[64]。状況によっては軍人としての一面も見せる。当初からARCUSも持っており、VII組メンバーとも戦術リンクを結んでの攻撃を行うことができる。
- 編入後の実習中はたびたび機密情報としか思えない情報や知人の個人情報を気軽に話したり[注 141]、事あるごとにアガートラムを呼び出して強引に力任せに解決しようとするため、VII組メンバーから呆れられている。基本的に怖いものなしだが、幽霊の類は苦手とする(本人は「得意ではない」だけだと言っている)[229]。
- Oz73
- 正体は《黒の工房》製のホムンクルスで、形式番号は「Oz73」[246][84]。
- 本を読んで感動するであるとか誰かがいなくなってさびしいということは理解できるものの、「カナシイ」という感情は持っておらず、泣いたこともなかった[265]。任務遂行に支障をきたさないようにするためそうなっていたようだが[267]、ケルディックの焼き討ちやクロウの死といった経験を経て[268]、辛さや悲しみといった感情を獲得することになる[86]。
- 「閃II」の後日譚で、自分は「“お母さん”から生まれたのとは違う“造られた子供”」であり、アガートラムとリンクできるよう調整されていることを語り、詳しい情報は《黒の工房》から出荷された際に消去されていることを明かす[231](形式番号のみ覚えている[84])。そのため覚醒後の学習ではクレアの世話になり、その経緯から彼女のことを姉のようにも母のようにも思い特に懐いている[145]。
- ホムンクルスという設定と、(「閃III」で)どうなるかは「閃I」の初期設定の段階で決まっていた[書 132]。やんちゃなキャラという点も初期設定の段階で決まっていたが、リィンとの絡みなどのセリフが書かれていく内に、それに引っ張られてキャラが変わっていき、それに合わせてキャラクターデザイン(絵)にも変化が出たという[書 132]。
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- 「閃III」以降の変化
- VII組に肩入れしすぎているため、「閃III」では情報局から情報へのアクセス制限を受けるようになる[171]。
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- アガートラム
- ミリアムが連れている銀色の浮遊する謎の巨大傀儡。《黒の工房》製[100]。金属とも陶器とも言えない不思議な物質でできており、ミリアムからは「ガーちゃん」と呼ばれている。外見は胴体と巨大な腕だけで足がなく、普段は地面の上を浮遊しているが、片腕にミリアムを乗せて高度の空を飛ぶこともできる。ミリアムとの意思疎通も行え、彼女の発言に謎の機械言語による返答を返す。詳細な機能は不明だが、普段は姿を消してミリアムに付き添っており、彼女の指示で姿を見せてはさまざまな行動を行う。
- 戦闘面ではミリアムの指示に従って剛腕による殴打を繰り出すほか、ビームの照射やバリアの展開も行える。自在に形状を変えることもでき、ミリアムの一部のクラフトやSクラフトでは、巨大な球体やハンマーに変形して強烈な攻撃を行うものとなっている。
- 《黒キ星杯》で《黒の聖獣》の攻撃を受けて破壊される[134]。
- サラ・バレスタイン
- VII組の担任であり、武術・実践技術担当。詳細は#サラ・バレスタインを参照。
- クロウ・アームブラスト
- 2年生の先輩で、単位不足を理由に年度途中でVII組に編入する。詳細は#クロウ・アームブラストを参照。
- セリーヌ
- 優美で艶やかな毛並を持つ猫。実はエマの使い魔である。詳細は#セリーヌを参照。
2年生(1204年度)
[編集]トワ、アンゼリカ、クロウ、ジョルジュの4名はリィンらの良き先輩として、VII組をサポートをする。
- トワ・ハーシェル
- 登場作:「碧:改」[注 142]・「閃I」・「閃II」P・「閃III」O・「閃IV」O・『創』P・「黎II」・「界」O
- 声:野中藍
- 年齢:18歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→21歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 61]
- 平民出身の優秀な少女。初登場した「閃I」ではトールズ士官学院の生徒会長をしている。
- かなり小柄で童顔だがリィンより年上であり、『閃』を通じてリィンの先輩として登場し、「閃I」と「閃II」では士官学院の生徒会長であったことから「トワ会長」と、「閃III」以降は「トワ先輩」と呼ばれる。
- アンゼリカ、クロウ、ジョルジュとはVII組発足のためにARCUSの試験運用を行うテスターとして集められた間柄で[194]、クラスはそれぞれ異なるが、とても仲が良い。
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- 来歴
- 政治学と経済学の学者夫婦の間に生まれるが、小さい頃(1189年)に両親は飛行船事故により亡くなる[217]。その後は帝都で雑貨店を営む叔母夫婦が親代わりとなり、高名な天文学者で帝國博物館の館長をしていた祖父に懐いて育つ[217]。
- 「閃III」の数年前に祖父が亡くなると、元々の賢さに加えてさらに勉強するようになり、帝都の全学区でトップの成績を取るほどになる[217]。周囲からは帝国学術院に進むと思われていたが、帝国に住んでいたら軍事は避けて通れないとの思いから、奨学金も充実していたトールズ士官学院に入学する[217]。
- 士官学院の1年次(1203年)に、アンゼリカ、ジョルジュ、クロウとともにARCUSの運用テストを引き受け[194]、サラの導きで帝国各地を回る[241][217]。
- 平民出身ながら、その能力と人柄から貴族生徒からも不思議と人望を集め、生徒会長に推されて断り切れず引き受ける[書 130]。
- 「碧:改」 - 西ゼムリア通商会議に帝国政府の随行団の一員として参加しており、特務支援課の目に留まる[269]。
- 「閃I」 - 2年IV組に所属。士官学院の生徒会長として登場し、リィンに学院に関連する様々な依頼をするほか、VII組の特別実習も陰ながらフォローする[270]。帝都の夏至祭で《帝国解放戦線》が起こしたテロに際して憲兵が混乱する中でも避難誘導を的確に行い[270]、それが評価されたことで西ゼムリア通商会議の随行団の一員に抜擢され[271]、そこでも本職の書記官顔負けの働きを示す[272]。
- 「閃II」 - 内戦が始まると、オリヴァルト皇子と連絡を取ったヴァンダイクにより、ジョルジュとともに飛行巡洋艦《カレイジャス》に送られた[273]。その後、帝国西部に向かうために艦を下りるヴィクターからカレイジャスの運用全般を任され、艦長代理に任命され[273]、内戦終結まで艦の指揮を執る。
- 卒業後の進路として、その優秀さから色々な機関や省庁から誘いを受けていたが、この先の帝国のことを考えると目の前の選択肢からひとつを選ぶのは違うのではないかと内戦の頃から考えており[265]、卒業後は1年間の期限付きで非政府組織を巡って経験を積む道を選択する[231]。そして、1年後、帝国が不穏な道に歩み始めるのを察するとトールズの精神を残すため、少しでも帝国の現状を良くしようと、教育の道を選び、士官学院の教員となる[67]。
- 「閃III」 - 新設されたトールズ士官学院・第II分校に赴任し、《IX組主計科》の担当教官となる[67]。リィンとは同僚になり、教官の人数の少ない第II分校で様々に協力し合うこととなる。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》消滅時にトマスに協力して分校生を脱出させるが[101]、自身は囚われの身となり、海都オルディスでプリシラ皇妃とともに軟禁される[51]。見張りとして《紅のロスヴァイセ》(アンゼリカ)が付けられていたが、リィンやクロウらVII組の尽力によってアンゼリカとともに解放され[274]、VII組と状況を打開するために行動する。
- 人物
- 非常に優秀かつ有能な人物で、士官学院では誰からも頼りにされている[275]。能力への評価は高く、「閃III」ではオズボーンからも《鉄血の子供たち》に誘いたかったと(冗談として)言われている[217]。一方、膨大な仕事を一人で処理しているため、アンゼリカやリィンからは心配されている。
- 基本的に温厚な性格をしているが、怒ると(やや)怖く、アンゼリカ、クロウ、ジョルジュの三人はトワには頭が上がらない[34]。
- リィンのことは自分の仕事を手伝ってもらっていることからも信頼しており、彼の前では普段皆には見せないような無防備な姿をさらしてしまうこともある[276]。
- あまりにも小柄であることから、リィンも最初は上級生だと思っておらず[275]、西ゼムリア通商会議で学生服姿のトワを見かけた特務支援課からは子供が飛び級で学生をしていると誤解されている[269][注 143]。
- 『那由多の軌跡』の主人公ナユタ・ハーシェルと同姓、『東亰ザナドゥ』にトワと酷似した
九重永遠 ()が登場しているが、これは手塚治虫作品の「スターシステム」的なものである[書 134]。逆輸入で、「閃III」と「閃IV」でトワが使うブレイブオーダーの名前は「九重陣 ()」となっている。 - 「閃III」で親族が登場するにあたって、祖父や叔母(マーサ)を小柄な人物に設定することが検討されたようだが[書 135][書 35]、どちらも見送られている[217]。
- アンゼリカ・ログナー
- 登場作:「閃I」B→S・「閃II」P・「閃III」S・「閃IV」B→P・『創』S
- 声:進藤尚美
- 年齢:19歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→21歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 四大名門のひとつ、ログナー侯爵家の息女。
- 女好きで何かと破天荒なところのある女性。キリカに《泰斗流》の武術を学んだことがあり、徒手空拳の格闘術で戦う。
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- 来歴
- 「閃I」の7年ほど前(1197年頃)、各地を放浪していたキリカに出会い、半年ほど家出して彼女の旅に同行して《泰斗流》の武術を学ぶ[276]。
- その後、身分を隠してザクセン鉄鉱山でアルバイトをしていたことがあり[164][注 144]、その頃にジョルジュと知り合い[82]、導力バイクが縁で親交を深める[236]。
- 「閃III」の4年前(1202年)、すでに女学院に入学することは決まっていたが、マカロフの誘いに乗ったジョルジュがトールズ士官学院に入学することを決めたという話を聞き、自分も士官学院に入学することを決める[82]。
- 士官学院の1年次(1203年)に、トワ、ジョルジュ、クロウとともにARCUSの運用テストを引き受け[194]、サラの導きで帝国各地を回る[241][217]。その後まもなく、人当たりはいいのにどこか虚ろなところがあったクロウに対してそのことを言い当て、最初の頃は衝突するが、実習を通じて少しずつ仲良くなっていく[202]。
- 「閃I」 - 士官学院の2年生(I組)で、自動二輪部に所属する。校内でも常にライダースーツを着用している。「閃I」後半でログナー家が統治するルーレ州のザクセン鉄鉱山で起きた事件に介入したことで父ログナー侯の怒りを買い、実家に呼び戻されてしまう[236][195]。ログナー侯によって士官学院も休学させられてしまうが、いくつかの見合いを引き受けるという交換条件を受け入れ、学院祭の時にはドレス姿で士官学院を訪れる[216]。
- 「閃II」 - 学院祭後は音信不通になっていたが[100]、貴族連合として活動する父に反旗を翻して、志を同じくしたルーレ市民や領邦軍の一部を糾合し密かに活動する[230]。ルーレに潜入してきたVII組に協力し、叔父ハイデルを捕らえ、軟禁状態にあったイリーナを解放し、続いて父ゲルハルトと交戦[230]。機甲兵同士による親子喧嘩の末に父を説得し[230]、カレイジャスに合流する。カレイジャスでは主操舵手をアランから引き継ぎ、艦の副長も兼任する[277](カレイジャスのことはジャジャ馬かと思ったが意外と素直ないい子と評している)。内戦終結までカレイジャスの舵を執り[239]、内戦後は士官学院に復学し[231]、トワ、ジョルジュらとともに卒業した。
- 「閃II」と「閃III」の間、卒業後は導力バイクで世界一周の旅に出て[171]、リベール王国、レミフェリア公国、オレド自治州、アルテリア法国周辺を旅する[278]。さらに大陸中東部まで足を運ぶが、東ゼムリア方面に行くのは難しく、帝国の情勢が気になったこともあって断念する[278]。
- 「閃III」 - 帰国時に父ログナー侯と連絡を取ったところ、海都オルディスで開かれる領邦会議に名代として出席するよう依頼されてラマール州を訪れ、同地で特務活動中の新VII組にサラとともに協力する[278]。ジュノー海上要塞の攻略時に《蒼》のジークフリードを見たためクロウの死に疑念を抱き、真相を明らかにするため帝都のヒンメル霊園でクロウの埋葬地を掘り起こし、遺体が偽装されていたことを確認したところ、《銅》のゲオルグに撃たれて消息を絶つ[218]。その際、ヒンメル霊園にブローチを落としたため、クロウの墓に遺体がないことをリィンらVII組に気づかせるきっかけとなる[217]。
- 「閃IV」 - ヒンメル霊園でゲオルグに撃たれた際、急所を外されたことで一命を取りとめ[279]、その後は仮面で操られて《紅のロスヴァイセ》となる[51]。記憶を奪われ、《黒の工房》ではVII組の前に立ちふさがる[51]。その後、オルディスで軟禁されていたプリシラ皇妃やトワの見張りとなり、救出に来たリィンやクロウらと交戦の末に仮面が壊されたことで、記憶を取り戻す[274]。以降はVII組に協力し、合流当初はメルカバの操舵士を務め[279]、次いでカレイジャスIIの主操舵士も務める[63]。最終決戦では本職のミュラーがカレイジャスIIの操舵を担うことになり、自身はジョルジュ、シャロン、ローゼリアとともに《塩の杭》のひとつの攻略を受け持つ[11]。
- 人物
- 女性好きである点などの少々風変わりなところはあるが、誰とでも気さくに付き合い、さりげない気づかいや気配りも欠かさない人物であることから、士官学院では生徒、教師を問わず人望がある。
- 乗り物の操縦に関しては右に出る者がいないほどの腕前であり[277]、ジョルジュが作った導力バイクを乗り回しているほか、「閃I」ではカレイジャス、「閃IV」ではメルカバ[279]、カレイジャスIIの操舵、「閃II」では機甲兵の中でもドラッケンより操作が困難とされるシュピーゲルの操縦をしており[230]、いずれも短期間で乗りこなしている。特に導力バイクのことをこよなく愛し、ジョルジュとはこの縁で強い絆を持っている[236]。
- 交友関係は広く、同じルーレ出身のアリサとは昔から交友があり、四大名門であるユーシス、パトリック、他にもラウラとも彼らがトールズ士官学院に入学する以前から面識がある。ルーレにいた頃のグエン老人とは気が合っており、女性の口説き方や盛り場の作法などの師匠だと語る[228]。
- 旅をしていたキリカから《泰斗流》を学んだことがあり[1]、戦闘では「氣」を用いた格闘術で敵を圧倒する。長らく戦っていなかったためにブランクがあり、リィンを手合わせの相手に指名して戦ったこともある。卒業後の旅では泰斗流に縁のあるいくつかの流派も尋ね、功夫のさらなる修練を積む[278]。
- 何かと規格外なところのある人物で[227]、くじ運も異様に強い[270]。
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- 少女好き
- 可愛い女の子が大好きで、かつ彼女らの多くに慕われ、学院内外にハーレムを形成している。規格外すぎで、クロウが目を付けた女の子たち全員にちょっかいをかけて夢中にさせてしまったこともある[164][280]。
- 同性に対して熱烈な感情を持つがレズビアンというわけではなく、自分の性別とは無関係に、可愛い女の子や麗しい女性は
世界 ()の宝だと思うゆえだと本人は語る[279]。好みとしては年上や大人びた女性に反応することはあまりなく、年下のかわいらしい少女に目がない。 - 「閃IV」でパンタグリュエルでティータ、レン、キーアと歓談した際は狂喜し、抱き着く時の動きは《泰斗流》の縮地でもあり得ないほどの速さで、レンにも動きが見えず、止めに入ろうとしたリィンも間に合わなかった[22]。
- クロウ・アームブラスト
- 登場作:「閃I」S・「閃II」B・「閃III」B・「閃IV」B→P・「界」P/B
- 声:櫻井孝宏
- 年齢:19歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12][注 145])→22歳(「閃IV」[書 136])[注 61]
- 初登場時はトールズ士官学院の2年生で、リィンらの先輩として登場する。
- 帝国宰相オズボーンの打倒をもくろむ《帝国解放戦線》のリーダー《C》の正体であり、「閃II」ではリィンらと敵対する。
- 来歴
- 早くに両親を亡くし、ジュライ市国の市長を務める祖父ジョセフ・アームブラストによって育てられる[282]。
- 13歳の時(1197年)、オズボーンに出し抜かれた祖父が失意の内に没し、クロウは帝国に併合されたジュライを去り、以降は各地を転々とする[282]。そんな中、カイエン公に知り合い、16歳の時(1200年もしくは1201年)に彼の援助を受けてオズボーンに恨みを持つ同志たちとともに《帝国解放戦線》を結成する[282]。
- 「閃II」の3年前(1201年)、カイエン公の所に出入りしていたヴィータ・クロチルダの導きで《蒼の騎神》オルディーネの起動者となる[282][206]。
- 「閃I」の前年(1203年)、全ての準備を終えてから、自分の経歴を偽装し、トールズ士官学院に入学[282]。士官学院の1年次に、トワ、アンゼリカ、ジョルジュとともにARCUSの運用テストを引き受け[194]、サラの導きで帝国各地を回る[241][217]。当初はクロウの様子に不自然さを感じたアンゼリカと衝突することもあったが、次第に彼らと仲良くなっていく[202]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院の2年生として登場し、リィンの前に先輩として現れ、その際、トリックを用いてリィンから50ミラ硬貨をせしめる[191]。その後はVII組の良き先輩として時に協力する存在となるが、年度の途中で、1年の頃に授業をサボり過ぎたせいで単位不足に陥り、このままでは卒業できないとサラに泣きついた結果、3か月の間だけVII組に編入することになる[264]。VII組メンバーより年上だが、本人の性格とそのチャランポランぶりで同時期に編入したミリアムとともにクラスに馴染んでいく[283]。学院祭でVII組メンバーの出し物をプロデュースする、旧校舎の異変にともに立ち向かうなど、VII組にとっても頼れる先輩であると同時に大事な悪友のような存在であったが、物語の終盤で、伏せていた本来の姿を明かす[202]。それは帝国解放戦線のリーダー《C》であり、テロリストの首魁と学院の生徒という立場を上手く使い分けていたのである[202]。物語終盤、ザクセン鉄鉱山で《C》が死んだと思い込ませることに成功したことでオズボーンらの隙を作り、帝都で演説するオズボーンを狙撃して心臓を射抜き、彼に復讐するという目的を果たす[202]。その直後に《蒼の騎神》オルディーネを呼び出してトリスタに向かい、リィンと騎神による一騎討ちを繰り広げ、一度は劣勢を装うが最終的に「奥の手」を見せて勝利する[202]。
- 「閃II」 - 貴族連合に《蒼の騎士》として参加し[200]、オルディーネとともに各地を転戦している。リィンたちともたびたび敵として対峙するが、何かと彼らのことを気にかけ、特にリィンに対してはパンタグリュエルにて自分の過去を明かし、オズボーンへの制裁を企図した理由、それが復讐であったことと、オズボーン亡き後に貴族連合に加担する理由を語る[282]。終章、《煌魔城》の《緋の玉座》にて、VII組と対決した後、リィンと騎神同士による一騎討ちを行い敗北する[206]。その後、復活した《紅き終焉の魔王》をリィンたちとの共闘で打ち倒すことに成功するも、その攻撃で致命傷を負う[206]。そして、その場にいたVII組メンバーとクロチルダに感謝や励ましの言葉を送り、直後に明らかになる残酷な事実を知らないまま死亡する[206]。その死と最期の言葉はVII組の仲間たちに大きな影響を残し、リィン以外のメンバーに1年で卒業しそれぞれの道へ進むことを決意させる[231]。
- 「閃III」 - 「閃II」で死亡した後、不死者として密かに復活する。ジョルジュによる偽装でそのことは隠され、クロウ自身も記憶を失い《蒼》のジークフリードとして《黒の工房》に協力して暗躍することとなる。終盤、《巨イナル黄昏》が始まったことでクロウとしての記憶を取り戻し[注 146]、他の《起動者》たちとともに暴走したリィンのヴァリマールを取り押さえることに協力する[134]。
- 「閃IV」 - 「閃III」終盤で記憶を取り戻し、その後は《七の相克》に備えて《黒の工房》で待機する[208]。リィン救出のために新旧VII組が《黒の工房》に襲来したことを察知すると、ほぼ同じタイミングで脱走した暴走状態のリィンに加勢し、VII組とともに《黒の工房》を脱出する[51]。救出されたリィンが回復すると、騎神同士の《第一相克》として、《陽霊窟》でリィンと激突する[94]。《相克》に敗れた「不死者」は消滅する運命であるため、戦いに敗れて消滅寸前となるが、リィンの意思を受けたヴァリマールが霊力を逆流させて、オルディーネを眷属化させたことでその《起動者》であるクロウも消滅を免れ、VII組に帰還する[94]。リィンの未練に対して、《黄昏》が終わればいずれにしても消滅する身であることは言い含めた上で、その後はリィンに協力する[94]。《七の相克》を戦うリィンとヴァリマールをオルディーネとともに助けて勝ち抜き、最終決戦では彼らとともにイシュメルガを下すが、リィンはイシュメルガの思念体である《黒の思念体》に乗り移られ、その身を蝕まれてしまう[209]。
- (ノーマルエンド) - こうなることを予期していたリィンは、《黒の思念体》が《黒の騎神》と分離したことをイシュメルガを滅ぼす好機と見てヴァリマールとともに大気圏外に飛び去ることを決意し、どのみち消滅は免れないと覚悟していたクロウもミリアムとともにそれに付き合い、最後は真っ白な華のように輝く光となる[210][書 121]。
- (真エンド) - 《黒の思念体》はリィンから分離させられ、《大地の檻》で中途半端に再錬成された《巨イナル一》と結びついてイシュメルガ=ローゲとして実体化し、クロウはVII組の仲間たちとともにそれを撃破する[211]。《巨イナル黄昏》が終息したことで不死者としての役目を終え、本人も覚悟していた通り「ボーナスステージ」を終えて消滅し始めるが、6騎の騎神が最後に残された力を振るって奇蹟を起こし、魂魄を再生されたことで生者として復活を遂げる[212][書 137]。
- 人物
- いい加減でギャンブル好きで気まぐれなお調子者だが[283]、面倒見は良く、リィンらVII組にとっては頼りになる兄貴分となる。部活動には所属していないが、社交的な性格で学院内やトリスタの街に知人は多い。
- ギャンブル好きのお調子者で、特に競馬が好きなようだが戦績は芳しくない。カードゲームを好み[172]、「閃I」では「ブレード」というカードゲームにハマっており、トリスタの子供たちに広めた。いかにも女子にモテそうだと見られているが、アンゼリカが近くにいるためうまくいっていない[280]。
- 《蒼》のジークフリードをしていたことは若干トラウマとなっている[175][281]。周囲からも《C》の仮面がどうなったのかが気になるであるとか[63]、なんだかんだ言ってああいう(仮面の男を演じる)のが好きなんだろうと散々に言われることとなる[281]。信念に基づいて行っていた《C》については「黒歴史」と呼ぶことこそないものの、テロを起こしたことについては罪悪感を持っており、背負い続けるしかないと考えている[71]。
- クロウの設定は『空』の時点で日本ファルコム社内では存在していた[W 6]。
- 「閃IV」の最後で生き返ることになるが、この展開は最初から決めていたものではなく、「閃III」までを経て決められた[W 5]。この《騎神》たちによる奇蹟は、《焔の至宝》は精神、《大地の至宝》は肉体を司っており、そのふたつが力を合わせることでクロウの(生命を持たない)身体に魂魄(精神と肉体)を与えることができたという理屈になっている[書 137]。
- ジョルジュ・ノーム
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B→S・『創』S
- 声:森岳志
- 年齢:19歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→21歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 初登場時はトールズ士官学院の2年生で、技術部の部長として登場する。恰幅のよい青年。
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- 来歴
- 元々の名前は「ゲオルグ」だけで姓は持たないが、工房長から選ぶよう言われ、《地精》の「Gnome」から「G」を取って「ノーム」という姓を付ける[193]。
- 《黒の工房》から出る際に記憶を偽りのものに入れ替えて「ジョルジュ・ノーム」となり、以降は無意識下で工房と定期連絡を取るようになる[193]。鋼都ルーレではフランツ・ラインフォルトの同郷ということでG・シュミットから声をかけられ[60]、その実力を認められて彼の三番弟子となり、その頃に導力バイクを作っていた縁でアンゼリカと知り合う[236][82]。
- 1202年まではシュミットに師事したが、その狷介極まる性格に愛想を尽かし、マカロフの誘いに乗ってルーレを去ってトールズ士官学院に入学する[82][64]。
- 士官学院の1年次(1203年)に、トワ、アンゼリカ、クロウとともにARCUSの運用テストを引き受け[194]、サラの導きで帝国各地を回る[241][217]。
- 「閃I」 - 平民クラスの2年III組に所属する気のいい先輩として、リィンらの前に登場する。技術部の部長を務め、一人で学院の技術棟を任されており、導力器いじりもお手の物であることからその技術でリィンらVII組をしばしば助ける。導力バイクの製作も続けており[227][271]、リィンにテスト走行を依頼するほか、工科大学にレポートを送っている。VII組が旧校舎地下で《灰の騎神》ヴァリマールを見つけた時はその解析を行う[216]。
- 「閃II」 - 内戦が始まると、オリヴァルト皇子と連絡を取ったヴァンダイクにより、トワとともにカレイジャスに送られ、ペイトンから機関部や工房の運用を任される[273]。ヴァリマールに武器が必要になるとかつて師事したシュミットをリィンに紹介し[265]、シュミットがゼムリアストーン製の太刀を製作するにあたってそれを補佐する[239]。
- 《煌魔城》でクロウが死んだことをトリガーに「ゲオルグ」としての記憶を取り戻し、以降は偽りの「ジョルジュ」を演じながら周囲の者と接し、クロウの「遺体」を密かに回収して不死者として蘇らせ、彼を《蒼》のジークフリードとして復活させる(これらのことは「閃III」で明かされる)[51]。
- 卒業後は各国の導力器メーカーや技術工房を巡る旅に出る[171]。その中で、リベールのツァイス中央工房(ZCF)などを訪れ、その際にティータとも面識を得る[82][注 147]。
- 「閃III」 - 工房巡りの旅を終えて帝国に帰国し、リーヴスの第II分校に赴任したリィン、トワらの前に姿を見せるが[171]、その後、音信不通となる[64]。その間、クロウの死に不信感を抱きジョルジュの正体に迫ったアンゼリカを密かに始末し[218]、カレイジャスに爆破工作をするなど《黒の工房》に連なるものとして暗躍し[59]、《黒キ星杯》出現に際してVII組と第II分校を前に正体を明かし、トワ率いる第II分校と交戦する[134]。
- 「閃IV」 - 《巨イナル黄昏》を引き起こして暴走状態のままのリィンの様子に注意を払いつつ、《黒の工房》で待機する[208]。リィン救出のために新旧VII組が《黒の工房》に襲来するとそれを迎え撃ち、加勢に来た《黒》のアルベリヒらと共闘しつつ戦いを優勢に進める[51]。《相克》が始まると、《第二相克》が行われる龍の霊場を覆う障壁の発生装置を守るため、ガルガンチュア級の実権戦艦でシャロンと組んでVII組と交戦するが、敗北し、「ジョルジュ」を捨て切れていないことをアンゼリカに指摘されて動揺する[71]。事態に業を煮やした《黒》のアルベリヒが投入した魔煌機兵《リヴァイアサン》がリィンらに敗れて暴走状態になると、シャロンとともにそれを食い止め、その際に障壁発生装置も破壊する[71]。この裏切り行為により《黒》のアルベリヒから追放を宣告され、銃で自決しようとしたところをアンゼリカに止められ、リィン、サラ、トワ、クロウからも説得され、VII組に協力することになる[71]。その後はカレイジャスIIに合流することを憚って別行動をとるが[71]、最終決戦には駆けつけ、アンゼリカ、シャロン、ローゼリアとともに《塩の杭》のひとつの攻略を受け持つ[11]。真エンドのイシュメルガ打倒後、最期に自らを取り戻した兄弟子フランツ・ラインフォルトを見送り[212]、その後、かつての本拠地である《黒の工房》にてフランツが密かに用意していたミリアムの予備の素体を用いて、その復活に立ち会う[35]。
- 人物
- 温厚な性格と確かな技術で、士官学院時代は多くの学院生たちに技術部部長として頼られている。自分たちが試験運用を行った《ARCUS》を引き継いでいるVII組には常に友好的に接し、協力も惜しまない[書 138]。
- 見た目の通り、大食漢[171]。大の甘い物好きで、「閃I」ではかなりの頻度で甘いものの話をしている。
- 「閃I」と「閃II」でジョルジュが戦闘に加わることはないが、トワたちとARCUSの試験運用をしていた頃はハンマーを得物としていた[39]。
- 「閃I」の初期設定の時点で本名と出自が隠されていることは設定されていた[書 130]。
- 《銅》のゲオルグ
- ジョルジュの本来の姿で、地精の一人。温厚な「ジョルジュ」と異なり、冷酷な態度を見せる。
- 元々の名は「ゲオルグ」のみで、姓は持たない[193]。工房長に姓を決めるよう言われ、「地精(グノーム / Gnome)」から、イニシャルが「G・G」になるのを嫌って、「G」を取り「ノーム」という姓にした[193]。
- 「閃III」で爆破工作をしたのはジョルジュだが、無意識下で葛藤があったため、運試しと称して、爆発時にブリッジに耐衝撃重力結界が24秒間だけ展開されるように細工しており、結果的にこれがオリヴァルト皇子らを助けることになる[63]。
- クロウをあえて復活させたこと、アンゼリカを殺さなかったことについては理由を付けているが[193]、「ジョルジュ」を捨て切れていないことは明らかで、敵味方の双方から詰めの甘さを指摘されており[71]、デュバリィからは(甘さのある自分と同じく)「闇に属する者として非情に徹し切れていない」と評されている[279]。
- 《黒の工房》がワイスマンから盗み出した暗示技術を用い、工房から出た時点で記憶はフェイクと入れ替え、工房とは無意識で定期連絡をとっていた[193]。小説の登場人物になったような感覚になっていた、という点も含めて『空』のヨシュアと同じ状態で、暗示が解けて記憶を取り戻した後も記憶を失っていた頃の仮初めの生を忘れられず、過去の自分は背負いつつ決別するという大筋はヨシュアとほぼ同様の展開をたどる。
- 戦闘では赤銅の戦術殻《ナグルファル》を用いる。ジョルジュが学院生時代に使っていた得物であるハンマーの形に変形することもできる。
- 「ゲオルグ」という名前がワイスマンと同じという点について、「意味もなく同じ名前というのはあり得ないはず」ということだったが[書 139]、理由については特に語られなかった。
- ヴィンセント・フロラルド
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:手塚ヒロミチ(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の2年生(I組)で、クラブ活動はしていない[284]。フロラルド伯爵家の長男で[258]、フェリスの兄。
- 侍女のサリファと行動をともにしている。槍を得物にしており、「閃II」ではトールズ士官学院奪還に来たアンゼリカとVII組の前にサリファとともに立ちはだかった[285]。
- トールズ始まって以来の愛の狩人を自称するが[258]、2年在学時以降はマルガリータに悩まされることになる[227]。
- フリーデル
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(I組)で、フェンシング部の部長[284]。フェンシング部最強で、パトリックに完勝するほどの腕前を持つ[194]。卒業後はロギンスとともに武者修行の旅をしている[286]。
- ランベルト
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(II組)で、馬術部の部長[284]。卒業後は愛馬であるマッハ号とともに帝都の近衛騎馬隊に配属され、軍人ながら競馬重賞の夏至賞にも出場する。
- フィデリオ
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(II組)で、写真部の部長[284]。内戦時の報道写真でフューリッツァ賞の特別賞を受賞し、卒業後は帝国時報で記者をしているようである[287]。
- テレジア
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」B・『創』
- 声:皆口裕子(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の2年生(II組)で、ラクロス部の副部長[284]。「閃IV」では第三艦隊に配属される。
- エーデル
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:浜崎奈々(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の2年生(II組)で、園芸部の部長[284]。ラマール州の辺境を治めている小さな子爵家出身。卒業後は趣味と勉強を兼ね、休憩所の管理人を務めている[258][78]。
- ステファン
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(III組)で、第二チェス部の部長[284]。卒業後は正規軍で導力ネット関連の仕事をしている[94]。
- クララ・ヴォーチェ
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(III組)で、美術部の部長[284]。卒業後も彫刻を続けており、1206年5月の美術祭典「帝国ビエンナーレ」で大賞を受賞[288]。
- ハイベル
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(IV組)で、吹奏楽部の部長[284]。卒業後は帝国軍の軍楽隊に入隊する[242]
- ロギンス
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(IV組)で、フェンシング部の副部長[284][86]。正規軍入りが決まっていたが、卒業後はフリーデルとともに武者修行の旅をしている[86][286]。
- エミリー
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」B・『創』
- 声:神田朱未(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の2年生(IV組)で、ラクロス部の部長[284]。ニコラスとともにガレリア要塞跡付近でレジスタンス活動をしていた[100]。「閃IV」では第三艦隊に配属される。
- クレイン
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(V組)で、水泳部の部長[284]。卒業の土壇場で正規軍入りして情報局に配属される[242]。
- ニコラス
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の2年生(V組)で、調理部の部長[284]。「閃II」の内戦時はエミリーとともにガレリア要塞跡付近でレジスタンス活動をしていた[100]。卒業後は大陸横断鉄道公社で企画部主任として、食堂車のコックをしている[289][289]。
- ドロテ
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:後藤沙緒里(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の2年生(V組)で、文芸部の部長[284]。在学時から、登場人物が男子しかいない、描写が過激な恋愛物の小説を書いており[194]、卒業後も帝國博物館で学芸員として働く傍ら執筆活動を行っている[217]。ミュゼやタチアナはドロテの作品のファンである。
1年生(1204年度)・I組 - V組
[編集]特科クラス VII組以外のトールズ士官学院1年生(1204年度)。第221期生にあたる[216]。I組とII組が貴族クラス、III組からV組が平民クラスで、VI組は欠番である。
- パトリック・T・ハイアームズ
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」O・「閃IV」S
- 声:三宅淳一(「閃I」)→柳田淳一(「閃III」・「閃IV」)
- 四大名門の一つであるハイアームズ侯爵家の三男。
-
- 来歴
- 「閃I」 - 士官学院の1年生(I組)で、フェンシング部所属[284]。新入生の中ではトップクラスの家格であるため、貴族クラスの中でも当然のようにリーダーとして振る舞い、追従する取り巻きも多い[書 130]。言動は尊大だが、口先だけでなく文武両道で、特に剣術にはかなりの心得があり、所属するフェンシング部では同学年のアラン相手に手を抜いた上で叩きのめし[194]、先輩に歯向かって引き分けるなど、好き放題している(部長のフリーデルには完敗する[194])。VII組のことは寄せ集めとして見下していたが、中間考査の平均点でI組がVII組に敗れたことを逆恨みし[注 148]、VII組の実技テストに取り巻きを連れて乗り込んできてリィンたちと対決する[244]。しかし、「寄せ集め」に敗北してしまったことで激しい敗北感を味わい、取り巻きたちですら制止をかけるほどの酷い暴言を浴びせ、醜態を晒してしまう[244]。暴言を発した自覚はあるため、その後もこの一件を気にし続け[194]、夏至祭を経て態度を軟化させていき、学院祭の頃には旧校舎の探索を行ったVII組を気遣う言葉をかけている[216]。内戦が勃発した際は事前に何の連絡もしなかった父に反発し、領邦軍に対して打って出ようとするリィンらに向かって、同じ学院生として学院の守りを務めることを宣言し、後背の備えを引き受ける[216]。
- 「閃II」 - 内戦が始まり、貴族連合に士官学院が占拠された際には学院に残る生徒の中で最も格の高いハイアームズ家の人間だったこともあり、《騎士団》を組織して学院の管理を主導し[225]、騎士団長に任命される[285]。物語終盤、士官学院の管理を命じた貴族連合軍は既にトリスタから撤退していたが、学院にたどり着いたリィンたちを前に、貴族生徒としての誇りと矜持の置き所を見極めるためと称して、彼らに挑む[285]。そして決着がついた後、《騎士団》の解散、カレイジャスへの参加と学院生全員の協力を宣言し、かつて実技テストの時に払いのけてしまったリィンの手を今度は掴み、お互いに好敵手と認め合う[285]。
- 「閃III」 - 「閃II」後の1年の交流を経て、リィンの良き友人であり理解者として登場[67][注 149]。自身も士官学院を卒業し、父の名代を務めるため海都オルディスに赴き[67]、領邦会議の世話役を務めるなど[278]、奮闘する様子が描かれている。学生時代の尊大さはすっかり無くなっており[注 150]、その頃の自分を「あの時は自分も未熟だった」として深く恥じていることも語られている。《黒キ星杯》が出現し帝都が《煌魔兵》たちに埋め尽くされ出すと、リィンからエリゼ、アルフィンらの守護を託され、ヴィータ、ロジーヌとともに帝都に残ってサンクト地区の防衛にあたる[60]。
- 「閃IV」 - リィンらが海都オルディスに潜入した際、鉄道憲兵隊による足止めを受けるリィンらを救援する[274]。実はオリヴァルトと合流してカレイジャスIIに乗り込んでいた。その後はマテウスらの協力者の力を借りつつ、帝国東部で暗躍する者たちに対処する[34]。
- フェリス・フロラルド
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:田村ゆかり(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(I組)で、ヴィンセントの妹。ラクロス部所属[284]。卒業後は地元オルディスに戻り、リヴィエラコートの支配人を務めている。
- ケネス・レイクロード
- 登場作:『閃』
- 声:佐藤拓也(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(II組)で、「釣皇倶楽部」の1年生部長を務める[284]。20歳(「閃III」)。帝国最大の釣り具メーカー「レイクロード社」社長の次男であり、「碧」に登場したレイクロードIII世(ウィリアム・レイクロード)の弟にあたる。貴族然とした傲岸不遜さのある兄とは対照的に暢気で人当たりの良い性格で、初対面のリィンにも釣竿を進呈するなど、のんびりと釣りの普及を行っている。
- 内戦が始まってからも各地でのんびりと釣りをしながら旅をするなど、兄に似て大物な気風を垣間見せる。兄の婚約者のアナベルとは釣り仲間であり、婚約を破談にしたいと真剣に思い悩む姿を見せる彼女に協力する。リィンとともにレイクロードIII世と水狂ナルセスに釣り対決を挑んで勝利し、兄に婚約の破談を了承させることに成功する[189]。その雄姿に兄には自分よりも彼女に相応しいと見込まれ、アナベルからも今までの経緯から想いが芽生えていたようだが、当のケネス本人はまったく気づいていないようで、リィンにすら鈍感だと思われてしまう[189]。
- ブリジット
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:小松奈生子(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(II組)で、吹奏楽部所属[284]。男爵家出身[194]。IV組のアランは日曜学校時代の幼馴染[194]。
- マルガリータ・ドレスデン
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:田中理恵(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(II組)で、調理部所属[284]。ドレスデン男爵家の嫡子(嫡女)で[101]、実家はかつて皇室に嫁いだ絶世の美女《グランローゼ》を輩出したことでも知られる[227]。同じ調理部のミリアムと親しいほか、分校生のタチアナとは家同士が代々の親交を持つ縁から以前から交流を持っている[101][63]。
- 圧倒的な存在感を放つぽっちゃり体型の肉食系貴族子女で[書 140]、トールズ士官学院には婿探しのために入学し、ヴィンセントに目を付ける。士官学院卒業後は細身とぽっちゃりに体型を変える特技を会得している[101]。
- ヒューゴ・クライスト
- 登場作:『閃』
- 声:柳田淳一(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(III組)。クラブ活動はしておらず、父親の経営するクライスト商会を手伝っている[284]。
- 「閃III」では高慢な経営者として登場するが、人を動かす立場になったことでしたたかさが強く出ただけという設定で、「呪い」の影響下にあったわけではない[書 141]。
- モニカ
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の1年生(III組)で、水泳部所属[284]。卒業後はノーザンブリア方面の福祉団体にいる[242]。
- ミント・ブラウン
- 登場作:『閃』・『創』・「界」
- 声:佐藤聡美(「閃III」・「閃IV」[書 140])→古賀葵(界)
- 士官学院の1年生(III組)で、吹奏楽部所属[284]。父ヨハンはラインフォルト社に勤めており[92][注 151]、母バニラとルーレ市に住んでいる[228]。
- 士官学院卒業後は技師になる修行として帝国各地の工房や職人の元を気ままに訪ねてまわり、「閃III」で、紡績町パルムでリィンらと再会[237]。その翌月に臨時整備員(契約技師[189])としてトールズ士官学院・第II分校に赴任し[142]、以降はヴァリマールと機甲兵の整備を担当する[注 152]。
- 腕は確かで、グエンからラインフォルト社に勧誘されたり、エリカ・ラッセルからZCFに勧誘を受けたりしている[92]。
- ベリル
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:釘宮理恵(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(III組)で、オカルト研究会所属[284]。卒業後は旅の占い師をしている[258]。
- 世界の《枷》から外れているとも言われている。
- カスパル
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の1年生(IV組)で、水泳部所属[284]。卒業後はラマール州の海運局に努めている[242]。
- アラン
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B・『創』
- 声:前野智昭(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(IV組)で、フェンシング部所属[284]。卒業後は第四機甲師団に配属される。
- リンデ
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:竹達彩奈(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(IV組)で、美術部所属[284]。ヴィヴィとは双子の姉妹。士官学院を卒業せず、聖ウルスラ医科大学に編入して研修医となり、研修の一環としてトールズ士官学院・第II分校の医務室に赴任することとなる[171]。
- ヴィヴィ
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:相沢舞(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(IV組)で、園芸部所属[284]。リンデとは双子の姉妹。卒業後は帝国時報でジャーナリストとして働いている。
- コレット
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の1年生(IV組)で、クラブ活動はしていない[284]。卒業後はバリアハートでファンシーブランド《キューティー・コレット》を立ち上げる[290]。
- レックス
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:柿原徹也(「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(V組)で、写真部所属[284]。チャラい性格で[101]、女子を被写体にした写真を撮るのが好きで自然体でその人物らしい写真を撮影することに長けている[194]。
- 「閃II」の内戦時は報道写真に目覚めて鉄道憲兵隊などに同行してカメラマンをしており、リィンらがカレイジャスに誘った際も一旦は断っている[100]。卒業後は帝国時報でカメラマンとして働いている[101]。
- ムンク
- 登場作:『閃』
- 声:柳田淳一(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(V組)。クラブ活動はしておらず、ハガキ職人として、アーベントタイムに投稿を続けている[284]。卒業後は《トリスタ放送》リーヴス支局で新米ディレクターとして働いている。
- ポーラ
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の1年生(V組)で、馬術部所属[284]。卒業後は馬の調教師になる。
- ベッキー
- 登場作:『閃』
- 声:金本寿子(「閃III」・「閃IV」[書 140])
- 士官学院の1年生(V組)で、クラブ活動はしていない[284]。ケルディック出身の個人商人。卒業後はクロスベル市で商工組合を手伝っている。トールズ士官学院・第II分校では購買部を開設[171]。
- 「閃IV」では、カレイジャスIIでベッキー商会・カレイジャス支店を開業している[63]。
- ロジーヌ
- 登場作:『閃』・『創』
- 士官学院の1年生(V組)で、クラブ活動はしていない[284]。詳細は#ロジーヌを参照。
1年生(1206年度)
[編集]- セドリック・ライゼ・アルノール
- 士官学院・本校の1年生(I組)。詳細は皇族を参照。
- エイダ・グラント
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:大空直美[書 142]
- 士官学院・本校の1年生(I組)で、士官学院の入学試験では次席の成績を取った才女。
- 進学時にはアストライア女学院に入ることも考えたが、内戦時にトールズ士官学院の学生が活躍したことを耳にしてトールズを選んだ[113]。
- フリッツ・ガイトナー
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:柳田淳一[書 142]
- 士官学院・本校の1年生(I組)。
教職員・その他学院関係者
[編集]- サラ・バレスタイン
- 登場作:「閃I」S・「閃II」P・「閃III」P・「閃IV」P・『創』P
- 声:豊口めぐみ
- 年齢:25歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→27歳(「閃III」[171][W 9]・「閃IV」[注 153])
- VII組の担任教官であり、武術・実践技術担当。かつては猟兵で、後に遊撃士となり、最年少でA級遊撃士となった凄腕[240]。猟兵、遊撃士時代から《
紫電 ()》、「《紫電 ()》のバレスタイン」の異名で知られる[240]。 - 武器は赤黒い装飾の片手剣と導力銃をそれぞれ右手と左手に持つ二刀流。2種の武器を自在に使いこなし、異名通りの紫色の電流をまとった苛烈な攻撃を繰り出す。
-
- 来歴
- 出身はノーザンブリア自治州で、幼少時に《塩の杭》の異変で親を失い、猟兵団《北の猟兵》を立ち上げた元公国軍大佐バレスタインに引き取られ、養子となる[278]。ノーザンブリアで《北の猟兵》は英雄視されており、そのリーダー格であった養父に憧れて10歳の時に少年猟兵隊に入り、厳しい訓練を経て13歳の時に本隊に参加するようになる[278]。
- 18歳の時には中隊長として部隊を任されるまでになっていたが、この時、猟兵団《ニーズヘッグ》との戦闘で、サラの部隊は勝勢の中の油断から手痛い反撃を受け、サラを助けた養父は致命傷を負い、「分かっただろう、これが猟兵だ。この道を進むかどうか、今一度、よく考えてみなさい」という言葉を残して亡くなった[278]。ベアトリクスに助けられて生き延びたサラは《北の猟兵》を辞め、血がついていないミラを故郷に送るために遊撃士となる[278]。
- その後は遊撃士として、帝国内の遊撃士協会支部で忙しくも充実した日々を過ごしていた[256]。1202年、《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》に際して、折り悪くノーザンブリア自治州に里帰り中で、帝国への帰途でシャロンによる足止めも食らう[115]。帝国に戻った後は、カシウス・ブライトの下で事件の解決に貢献する[22][注 154]。しかし、この事件で帝国における遊撃士協会の力が低下したことに付け込まれ、オズボーンからの圧力によって支部の活動が大幅に制限されてしまい、後に復興した際の集結をトヴァルやヴェンツェルらと約束した上で、遊撃士協会を離れざるをえなくなってしまう[256][164]。
- 1203年春(「閃I」の前年)、途方に暮れていたところ、オリヴァルトの意を受けてVII組設立のための人材を求めていたヴァンダイクに拾われ、士官学院の教官として再就職した[240][256]。
- 「閃I」 - リィンらVII組の担任で、武術・実践技術担当の教官として登場。
- 「閃II」 - トリスタが襲撃を受けてからは地下活動をしつつ、情報収集し、クロイツェン州に潜入したタイミングでユーシスと密かに連絡を取り[252]、マクバーン、デュバリィによって窮地に立たされたVII組を救援する[221]。その後はリィンらと行動をともにし、オーロックス砦では古巣の猟兵団《北の猟兵》と交戦し、多数の猟兵たちを一人で退ける[221]。
- 「閃III」 - 遊撃士として単独行動しており、帝国西部で暗躍を始めた結社《身喰らう蛇》や猟兵団の動向を密かに探る[171]。ラマール州を訪れたリィンらに助力し、ジュノー海上要塞では元《北の猟兵》である《紫の猟兵》と交戦する[218]《黒キ星杯》ではアリサやフィーとともに《蒼》のジークフリード、シャロン、ルトガー、シャーリィの4人と戦う[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、そこで起きた出来事で意気消沈していたが、ユウナら新VII組に𠮟咤され、リィンを取り戻すべく行動を開始[143]。《黒の工房》の位置を特定するため、東部クロイツェン州にある《特異点》に楔を打ち込みに行くが、思いのほかあっさり達成したため、エリオットとフィーを引き連れて、ユウナらを救援するためハーメル廃村に現れる[101]。パンタグリュエルでは遊撃士関係でカシウス、エステル、ヨシュアと再会する。
- 人物
- 美人だが、好みのタイプが中年の渋いオジサマであるほか、昼間からビールを飲むなどだらしない私生活を過ごしており、同僚のナイトハルトやハインリッヒ教頭からは快く思われていない。普段の生活態度がVII組メンバーにもよく知られているため、彼らに時々真面目な顔で感動的な言葉をかけてもギャップがあり過ぎて笑いを買ってしまう。
- 渋い男性が好みなのは、養父であるバレスタイン大佐へのファザコンをこじらせたことが一因になっており、本人も自覚している[278]。
- 人間関係では、遊撃士協会の活動を停止させられたことにより、ギリアス・オズボーンには良い印象を持っておらず、内心では怒り心頭の思いを抱いている。また、宰相子飼いの《鉄血の子供たち》にもいい感情は見せない[注 155]。シャロンとは過去対決したことがあり、一方的に嫌っている。さらにはナイトハルトとも仲がよくないなど、反りの合わない相手が多い。そのほとんどはサラの側だけが悪感情を抱いてるものであり、一方的に皮肉る会話になることが多い。
- シェラザードとは同年齢で酒好きという共通点があり、一度飲んだら意気投合した[22][63]。また、ナイトハルトとは、いざ戦闘になると息の合った(本人たちは頑として否定しているが)コンビネーションを見せる。
- 高度な交渉能力も要求されるA級遊撃士ではあるが、サラ本人は自分は戦闘による切った張ったがメインだと語る[164]。戦闘におけるその強さには定評があり、トヴァルに言わせると「化け物じみた強さ」であり[196]、交戦したことがあるシャロンからも正面から挑んでもとても敵わないと思うと言われている[113]。
- ナイトハルト
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B
- 声:松原大典
- 年齢:29歳(「閃I」・「閃II」)→31歳(「閃III」・「閃IV」)
- エレボニア帝国軍・正規軍の第四機甲師団に所属する士官で、軍事学担当の教官として士官学院に出向している。金髪の偉丈夫。軍人としての実力はエース級[191]で「《剛撃》のナイトハルト」の異名を持つ[239]。ミュラーとは同期で、若手の双璧と謳われている[291]。
- 武器は両刃の騎士剣を使用し、貴族連合から鹵獲した機甲兵シュピーゲルも乗りこなす卓越した戦闘技術を誇る[229]。
-
- 来歴
- 「閃I」 - 軍事学を担当する教官として、第四機甲師団からトールズ士官学院に出向。
- 「閃II」 - 内戦が始まると、第四機甲師団には合流せず[204]、その後、ミュラーと連携しつつ帝国西部で動き[273]、各地の正規軍を立て直しに協力する。帝国東部でフィオナがクロイツェン領邦軍によって人質に取られ、その救出に向かったリィンらの加勢として現れ[234]、そのまま第四機甲師団に帰任する。終盤、帝都の東でクレイグ中将とともに第四機甲師団を指揮してウォレスの軍勢と交戦していたが[239]、《煌魔城》出現により双方合意して一時停戦となったため、クレイグ中将の命令で帝都救援に遣わされ、ミュラーとともに《魔煌兵》と戦う[257]。
- 内戦の終結後、正式に士官学院の教官を辞し、第四機甲師団に帰任する[64]。
- ヴァンダイク
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:堀井真吾
- 年齢:70歳(「閃I」[W 23]・「閃II」)
- 士官学院の学院長。帝国正規軍の名誉元帥で退役した今もなお威厳を放っている。
- 学院運営に直接口出しできる立場ではないが、理事会における舵取りを行う[240]。
- 来歴
- 「閃I」の前年(1203年)、かつての教え子であるオリヴァルト皇子による《VII組》設立のアイデアに全面的に賛同して、設立に向けて皇子をサポートする[240]。その一環として、サラをはじめ、現場の教官をそろえる[240]。
- 「閃I」 - 入学式に際して、『若者よ──世の礎たれ。』というドライケルス大帝の言葉を語り、新入生の入学を歓迎する[201]。旧校舎で不思議な現象が相次いでいたため、リィンに調査を依頼し[249]、以降その調査の継続を求める。
- 「閃II」 - 内戦が始まってトリスタが貴族連合に占拠されてから、トールズ士官学院に長らく軟禁されていたが、貴族連合から学院の管理を委ねられていたパトリックの率いる《騎士団》によって軟禁を解かれ、リィンとパトリックの決着を見届けた[285]。旧知の仲であるオットー元締めの死に対して何もできなかったと後悔するが、この内戦に一石を投じるのは自分の役目ではないと語り、入学式で語ったドライケルス大帝の言葉を再び贈り、リィンたち若人の健闘を祈った[239]。
- 「閃III」 - 登場はしない。学院長を退任して現役復帰し、正規軍最高司令官として采配を振るっている。そのため、名前はたびたび出てくる。多忙により正規軍の拠点であるガレリア要塞を離れられない自分に代わって、リィンにオズボーンの過去の話をするようクレイグ大将に提案する[192]。
- 「閃IV」 - 軍人として《大地の竜》作戦を開始する。その傍ら、クロスベルで皇帝の見舞いの際にVII組の面々と対面し、新たな道を見つけ出せることを期待する。帝国の異変が収まった後は、カシウスとともに世界大戦の停戦に尽力する。
- 人物
- 2アージュ近い身長の巨漢[240]。寛容な人物であり、平民出身であることもあってか、貴族生徒と平民生徒に分け隔てなく接する。生徒からも親しまれ[書 138]、学院祭では馬術(マッハスタリオン)に飛び入り参加している[241]。
- 現役時代はオズボーンやクレイグの上司だった。そのため、リィンがオズボーンの息子であることには気づいていたが[192]、学生だった頃のリィンが遠慮して聞かなかったこともあり[231]、そのことを話す機会はなかった。
- 本人は老いを口にしているが[86]、現在でも装甲車を斬馬刀で両断するほどの実力を有している[202]。「閃III」で軍に復帰後は勇猛さを見せており、クレイグの評では機甲兵の乗り手としてはナイトハルトより上で、対戦を薦められたウォレスは「出来ればオーレリア閣下に譲りたい」と答えている[113]。
- 東方の書を嗜む一面もある[194]。
- ハインリッヒ
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の教頭であり政治経済を担当[284]。男爵位をもっており、規律に厳しく神経質[284]。生徒や他の教官への小言が多いが、ベアトリクス教官には頭が上がらない。その小言の多さから生徒たちに煙たがられているが、学院生の将来を第一に考えており、入学当初に比べるとリィンたちへの態度も幾分か柔らかくなっている。
- 周囲には隠し通しているが、リーシャの大ファンでもあり、今後のクロスベルの動向が心配で、オズボーンの要請でクロスベルに滞在していたリィンには、たびたびアルカンシェルの話題を聞き出そうとしている。
- トマス・ライサンダー
- 帝国史・文学を担当する教官[284]。詳細は#トマス・ライサンダーを参照。
- マカロフ
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」B
- 声:安元洋貴
- 導力技術・自然科学を担当する教官[284]。G・シュミット博士の弟子の一人で[239]、「二番弟子」にあたる。
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- 来歴
- ルーレ工科大学を首席で卒業[164]。在学時に兵器開発も含めてシュミットの色々な研究を手伝わされ、卒業する頃には嫌気が差していたため大学には残らず、ルーレを去って帝都の帝国科学院に入る[164][239]。しかし、その後も「シュミットの弟子」という肩書がついて回り、面倒なしがらみに疲れ果てて、最終的にトールズ士官学院に流れ着く[239]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院の教官の一人として登場。終盤、他の教官らとともに、領邦軍に襲撃されたトリスタの防衛にあたる[202]。
- 「閃II」 - 内戦が始まって以降は学院長らとともに軟禁されていたが[285]、士官学院の解放によってシュミット博士と再会し、ヴァリマールの武器となるゼムリアストーン製の太刀の仕上げに協力する(協力させられた)[239]。最終決戦では士官学院生たちと行動をともにし、《煌魔城》前で学院生たちとともに戦闘に参加する[257]。
- 「閃III」 - 登場はしない。体制が変わったトールズ士官学院・本校に留任していることが語られている。
- 「閃IV」 - 本校生とともに第II分校に移る[182]。ハンニバルに乗ってリィンらの前に立ちはだかる[83]。
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- 人物
- クビにならない程度に働くというスタンスで[89]、仕事はそつなくこなすが、いつも気だるそうな雰囲気で、屋上でサボっていたり校内で喫煙したりしては教頭に叱られている。
- 流れ着いた末に就いた職だが、士官学院の教官という立場は気に入っている[239]。導力端末のOS設計を手掛けていたことがあり[164]、士官学院でもいくつかのプログラムを作成している。
- トマス同様に汎用魔導杖を扱うことができ、高位アーツを操り、《魔煌兵》と交戦できるほどの技量を持つ[257]。また、その頭脳を活かして敵の特殊装備を戦闘中に解析して、対アーツ装備を無効化させることもできる[202]。トマスとの2度の共闘により、薄々トマスの正体を察している[257]。
- 1年III組のミントは姪にあたり、彼女やその母にして自身の姉に当たるバニラにはよく振り回されている。メアリーには姪の早とちりで迷惑をかけていないかと申し訳なく思っていたが、彼女が実家のアルトハイム家から結婚の話が出ていると聞いた際には学院に残ってほしいと思うなど、彼女のことを憎からず想っているようである。
- ベアトリクス
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 士官学院の保険医で授業では医学を担当[284]。心優しく、柔らかい物腰と深い懐で保健室に来る生徒たちを迎える。ヴァンダイクから次期学院長にと推されるほどの人格者である。
- 帝国正規軍の元軍医、階級は大佐(帝国軍の後方支援科の中では最高位にあたる[292])で[268]、現役時代は医療大隊を率いていた[278]。現役当時はどんな激戦地にも現れ敵味方問わず実力で押さえつけてから重傷者を治療したとされ、《
死人返し ()》の異名で知られる[202]。 - 《百日戦役》(1192年)でリベール側に多くの犠牲者が出て、自分の老いた手ではもはや手に届く生命すら救えないと悟ったことが契機となり、「閃I」の数年前に退役した[231][注 156]
- 現在も時折サラやハインリッヒ教頭がかしこまるほどの謎の威圧感を垣間見せるうえ、いざ戦闘になるとライフルによる精密射撃を繰り出すなどその実力は健在[202]。
- メアリー・アルトハイム
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃IV」B・『創』
- 声:遠藤綾(「閃IV」[書 140])
- 音楽・芸術・調理技術を担当する新任教官[284]。サザーラント州の名門、アルトハイム伯爵家の令嬢だが仕事を第一に考え、生徒たちへの慈愛にあふれている。
- いつもマカロフとミントのやり取りを微笑ましく眺めており、マカロフにはほのかに好意のようなものを抱いている。
- マカロフのことはあくまで上司として最も信頼できる人だと言っているが、ミントによってマカロフと再会の場を用意された時は満更でもない様子を見せている。
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- 来歴
- 音楽院の教師になるという選択肢も考えたが、普段は音楽のことを意識しない人たちにこそ音楽や芸術の魅力を伝えたいと思い、トールズ士官学院の教師になる[34]。
- セレスタン
- 仕えているハイアームズ家のパトリックが入学するのに合わせ、第一学生寮に移ってきた。詳細は#セレスタンを参照。
- シャロン・クルーガー
- ラインフォルト家に仕えるメイドで、年度途中から第三学生寮の管理人を務めている[284]。詳細は#シャロン・クルーガーを参照。
トールズ士官学院・第II分校
[編集]七耀暦1206年に新たに帝都西郊の都市リーヴスに新設されることになった分校。
VII組特務科 / 新VII組
[編集]リィン・シュバルツァーが担当教官を務める特別クラス。「閃III」、「閃IV」の主人公たち。
- リィン・シュバルツァー
- VII組の担任教官で、授業は歴史学を担当[294]。詳細は#リィン・シュバルツァーを参照。
- ユウナ・クロフォード
- 登場作:「碧:改」[注 157]・「閃III」P・「閃IV」P・『創』P
- 声:東山奈央
- 年齢:17歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- クロスベル自治州出身の正義感あふれる活発な少女で[64]、新VII組のリーダー的存在[書 143]。ロイド・バニングスと同じくクロスベル警察の制圧術を修得しており[101]、「ガンブレイカー」という銃機構付きの特殊警棒(トンファー)を得物にしている[67]。
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- 来歴
- 《教団事件》を報じるクロスベルタイムズ記事で特務支援課を知って憧れを抱き、日曜学校を出てすぐに警察学校に入学し、その際に特務支援課入りを希望していることを表明する[160]。
- 「碧:改」 - 警察学校の学生として登場。活動を再開した特務支援課が導力車を受け取りに警察学校を訪れた際に、ロイド以外の特務支援課と初めて出会う[160]。
- 「碧」と「閃III」の間(1205年)、帝国によるクロスベル占領直後の混乱の中、弟のケンと妹のナナを実家のあるクロスベル市からアルモリカ村に疎開させようとした際に、途上の街道で共和国軍のガンシップの襲撃を受ける[116]。その窮地をクロスベルにおける初陣だったリィンとヴァリマールによって救われ、お礼を言いたいと思い続けるものの果たす機会がないまま過ごす[116]。同時期にクロスベル警察学校はクロスベル軍警学校に変わり、クロスベルが帝国になっていくことにやり場のない思いを抱える[116]。
- 同年、臨時教官として軍警学校に赴任してきたクレア・リーヴェルトと知り合う[295]。翌年からクロスベル軍警に入ることが決まっていたが、同年末にロイド・バニングスが指名手配されていることを知って軍警本部に抗議したことにより、帝国出身の新任本部長によって軍警学校の単位を取り消されてしまう[113]。クレアの助力で単位の半分を取り戻すことができ、残りの単位も別の学校の単位で代替する確約を得て、クレアの勧めにより、トールズ士官学院・第II分校に入学することを決める[113]。
- 「閃III」 - 第II分校に入学し、《VII組特務科》にクラス分けされる[116]。テニス部に所属。担任となったリィンに当初は反発を抱いていたが、徐々に打ち解ける[171]。クロスベル演習での事件の際には「特務支援課がこの事態を放っておくわけがない」と彼らが解決してくれることを固く信じていたが、ルーファスの指示で支援課関係者の動きが完全に封じられていることを知り、茫然自失となる[112]。一時は寝込んでしまうほどに落胆するが、クルトとアルティナの支えと、リィンの「彼ら(特務支援課)が鳥籠に囚われている今、他の誰でもない、クロスベルの意地を示せるのは誰なんだ?」という伝言によって立ち上がり、クロスベルにおける事件を解決するために動き[116]、故郷を守ってクロスベルと帝国の両方が笑顔になれる道を探すことを決意する[114]。その後は新VII組の中心的な存在となり[書 143]、《黒キ星杯》が出現すると、さらわれたアルティナを救うため、リィンらとともに突入する[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》脱出後、旧VII組メンバーがミリアムの散華やリィンの鬼化などでショックを受けている中、リィンとオズボーンの関係、ミュゼの隠されていた出自などを知り、旧VII組を𠮟咤してリィンを取り戻すべく行動することを宣言し、彼らを再起させる[143]。その後、リィンが不在の間は新旧VII組を引っ張る存在となる[94]。リィンを取り戻した後はクロスベル戦役で助けてもらったお礼を言うことを果たす[94]。幻想機動要塞においてイシュメルガを打倒した後は日常を取り戻し、引き続き第II分校に在学する[35]。
- 人物
- 前向きさの塊みたいな娘[143]。人間として力強く、リィンからはタフさも粘り強さもある有望株と評されている[124]。エステルとよく似ているとも言われている[61]。
- 幼いころから双子の弟妹の面倒を見ていたため、「お姉ちゃん気質」で何かと面倒見が良い。アルティナのことも面倒を見る対象として認識しており[113]、何かと世話を焼いている。アンゼリカからは「母性的な雰囲気を感じる」と評されている[278]。また、料理屋お菓子作りも得意で、意外と女子力が高い[278]。
- アルティナの世話を焼く一方で、座学は苦手なようで、逆にアルティナから勉強を教わっている[113]。
- 帝国のことは嫌っているが、国は国、人は人と考えており、帝国が嫌いなのであって、帝国人を嫌っているわけではないと第II分校入学当初から語る[296]。
- クロスベルでの一件を経て、リィンに信頼を示し始めたため、アルティナからは内心「これが“チョロ”い」というやつかと思われている[171]。
- 特務支援課との関係
- 特務支援課とは交流が深く、支援課ビルにも何度か遊びに行ったことがあり[52]、特務支援課メンバーのことは年下のティオも例外なく「~先輩」と呼んでいる[112]。ランディからは「ユウ坊」と呼ばれているが、その呼び名は好んでおらず、やめるようたびたび訴えている。
- 同じアパルトメント《ベルハイム》に住んでいたということもあって生前のガイ[1]、ロイドやセシルとは旧知の仲だった[160]。
- 「閃III」以降の後付け設定であるため、PSP版の「零」と「碧」、PS Vita版の同2作の「Evo」には登場していなかったが、「零:改」では家族のケンとナナが、「碧:改」ではユウナ本人が追加されている。
- クルト・ヴァンダール
- 登場作:「閃III」P・「閃IV」P・『創』P
- 声:江口拓也
- 年齢:17歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 帝国の武門ヴァンダール家出身で、天才的な双剣術の腕を持つ[64]。
- ヴァンダール家の当主マテウスの次男であり、ミュラーの弟(異母弟)、ゼクスの甥にあたる。
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- 来歴
- 「閃III」の7年前(1199年)、パルムを離れ、帝都ヘイムダルに移る[295]。
- 「閃III」の前年(1205年)、ヴァンダール家が皇族の守護職を解任され、一族に課された不遇に加えて、自身もセドリックの護衛を禁じられたことで自暴自棄を起こし、トールズ士官学院の本校への入学を辞退し[116]、兄ミュラーの勧めもあって第II分校への進学を選択する[297]。
- 「閃III」 - 第II分校に入学し、《VII組特務科》にクラス分けされる[116]。チェス部に所属。不可抗力とはいえ、入学初日のオリエンテーション時のトラブルでユウナとは微妙な関係となるが、彼女の謝罪で和解する[296]。当初はリィンに対して「大したことない」と思っていたが[296]、サザーラントの演習で評価を改める[116]。ヴァンダール家が守護職を解任されたことにより入学以前から迷いを抱えていたことに加えて、護衛を禁じられて以降は疎遠となっていたセドリックと再会し、その変わりようにショックを受け[145]、剣士としての道を見いだせずにいたが、ミュラーの手紙や学生時代に迷いの多かったリィンの「迷いを恐れるな」という助言をはじめ[298]、第II分校で積んだ経験から剣の道も一つではないと気づき、自分の道を見出すべく精進することを決意する[217]。《黒キ星杯》が出現すると、さらわれたアルティナを救うため、リィンらとともに突入する[134]。
- 「閃IV」 - 隠れ里エリンで目を覚まし、《黒キ星杯》で起きたことに意気消沈する旧VII組メンバーを叱咤し、リィンを取り戻すべく行動を開始する[143]。
- 人物
- 常に冷静沈着な落ち着いた性格をしており、新VII組ではバランサー役となる[書 144]。
- ミュラーとは異母兄弟であるが、関係は良好で、ミュラーのことを目標にしている。腹違いなせいか容姿はほとんど似ておらず、共通の知人であるティータも最初はクルトがミュラーの弟だと気づかなかった[112]。
- ヴァンダール流では巨大な剣を振るう剛剣術のほうが有名で、兄ミュラーら一族の者が扱うのはそちらだが、剛剣術には持って生まれた体格と筋力を必要とするため、クルトは二振りの剣を振るう双剣術を選ぶ[67]。
- 壁を感じているとはいえ、剣士としては間違いなく天才であり、かつ努力も怠らず[124]、第II分校に入学する以前からヴァンダール流の中伝を授けられているほどの腕前を持つ[26][171]。その剣さばきは流れる水のように淀みがない[67][217]。
- 第II分校入学後、リィンの薫陶により、《観の眼》が使えるようになった[143]。
- 機甲兵はシュピーゲルSを使用する。
- アルティナ・オライオン
- 登場作:「閃II」B→P・「閃III」P・「閃IV」P・『創』P・「界」P
- 声:種田梨沙(「閃II」)→水瀬いのり(「閃III」以降)
- 推定年齢:14歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 158]
- 《黒の工房》出身の少女で、漆黒の傀儡「クラウ=ソラス」を操る。コードネームは《
黒兎 ()》。 -
- 来歴
- 「閃III」の2年前(1204年)に《黒の工房》で目覚め、基礎知識を集中学習した後[51]、同年半ばに工房関連の記憶を消された上で工房から出荷され[217][注 159]、ルーファスに預けられて(クレアとレクターが時間をかけて面倒を見たミリアムとは異なり)必要最低限の知識のみを与えられ、貴族連合に貸与された[124]。
- 「閃II」 - ルーファスに従う形で貴族連合に協力しており、アルフィンとエリゼを誘拐したのを手始めに[200]、リィンらの前にたびたび現れて対峙する。内戦の終了後は帝国軍情報局に所属し、「閃II」外伝ではリィンとともにクロスベルへ赴き、ロイドとリーシャと交戦する[111]。
- 「閃II」の後も情報局でさまざまな任務を遂行し、帝国政府からの「要請」を受けた《灰色の騎士》リィンの行動を監視するとともに、パートナーとして彼の任務をサポートする[116]。
- 「閃III」 - リィンがトールズ士官学院・第II分校の教官となる道を選ぶと、自身も学生として同校に入学[67][64]。リィンが担任を務める《VII組特務科》にクラス分けされる[67]。入学当初も感情の起伏に乏しかったが、VII組を通して次第に感情を身につけていく[299]。アッシュが皇帝を銃撃した後は情報局から臨時招集がかかり、アッシュの身の安全を確認するために情報局本部へ向かうが、それは罠でオズボーンたちによって《黒キ星杯》へ連れ去られてしまう[60]。そこでセドリックに殺されかけるが、目の前で窮地に陥ったリィンたちを守るために抵抗し、《黒の聖獣》の前に立ちふさがったところをミリアムに守られる[134]。これによりミリアムはアルティナの身代わりとなって《根源たる虚無の剣》となってしまう[134]。
- 「閃IV」 - 隠れ里エリンで目を覚まし、《黒キ星杯》で起きたことに意気消沈する旧VII組メンバーを叱咤し、リィンを取り戻すべく行動を開始する[143]。リィン救出のため《黒の工房》を訪れた際に、自身が出荷される前の記憶を思い出し、ミリアムがその頃から姉として振る舞っていたことを思い出す[51]。《黒の工房》で暴走状態のリィンを仲間たちとともに正気に戻し、《剣》(ミリアム)を奪還して脱出する[51]。《巨イナル黄昏》が終わると、《黒の工房》でバックアップ素体により復活したミリアムとの再会を果たす[35]。
- 人物
- 感情の起伏に乏しく、自身を「道具」と言い切るなど初登場した「閃II」では冷めた言動をしている[111]。
- 「不埒」が口癖で、リィンの言動に「不埒」な意図がないかたびたび問う。
- 「閃III」以降の変化
- 生徒の枠に囚われなければトップクラスのエージェントとリィンから評されている[124]。
- 他の生徒より見た目が幼いため、女子生徒(特にユウナ)から可愛がられており、寝ぼけたユウナから抱き枕にされることもある。
- 感情表現を苦手とするため士官学院では芸術科目で苦戦していたが、リィンらの助けにより克服のきっかけを掴む[124]。感情表現は薄いものの、メロディとリズムが正確であるため、綺麗な歌唱をすることができる[171]。士官学院では体力が付けられそうということから、部活は水泳部に所属することを選択する[84]。
- 物語の中で感情が育ち、「閃II」でアルフィンとエリゼの誘拐に加担したことについても、クロスベル市で2人に再会した際に申し訳ない気分になったと面会後に言っている[112]。
- 「閃III」と「閃IV」では学院生としての生活を通じて徐々に感情を獲得していくという部分を意識して描かれている[書 146]。
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- Oz74
- 正体は《黒の工房》製のホムンクルスで、形式番号は「Oz74」[246][84]。ミリアム(Oz73)とは一番違いの「妹」にあたる[239]。
- 《Oz》(Originator zero)シリーズは、《黒の聖獣》を屠るための《根源たる虚無の剣》(Originator zero)を生み出すために開発された
人造生命 ()で、アルティナはその74体目にして最終型にあたる[134]。最終型であるため、《根源たる虚無の剣》を錬成するために命を落とすことが予定された存在だったが、その役目はミリアムに取って代わられることになる[134]。 - 本人はOzシリーズに「感情」は搭載されていないと考えており、ミリアムのことをイレギュラーな存在だと考えていた[124]。
- 「閃II」の時点ではミリアムのことはなんとも思っておらず[111]、妹ではないかと問いかける彼女にも冷淡な反応を返している[246]。「閃III」でも初期はなんとも思っておらず、ミリアムに対しては自分を妹扱いすることをやめるよう求めているが[84]、後に、姉妹とは思っていないが(姉ぶっており)どうしても放っておけない存在[124]、形式的には姉妹(と認める)[218]、姉ぶってプレゼントを贈られて満更でもない様子を見せる[300]、と、徐々に態度を軟化させていく。「閃IV」では、「閃III」終盤の《黒キ星杯》でミリアムがアルティナをかばって《剣》になった経緯もあり、「おねえちゃん」と呼ぶようになる。
- クラウ=ソラス
- アルティナが連れている漆黒の傀儡。ミリアムの「アガートラム」とは兄弟機らしく、形状が似ている。
- 戦闘ではクラフトを反射するバリアーを張るほか、剣状に変形して突撃する攻撃を繰り出す。
- アッシュ・カーバイド
- 登場作:「閃III」P・「閃IV」P・『創』P
- 声:前野智昭
- 年齢:17歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 一見陽気だがどこか影のある猛々しい不良青年[64]。年度途中でVII組に編入する[171]。
- 大柄だが豹のようにしなやかな体躯を持つ[W 29]。
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- 来歴
- ハーメル村の生まれで、3歳の時に《ハーメルの悲劇》(1192年)で両親を失い[1]、自身は気絶していたため虐殺を免れ、山道に歩き出たところを通りかかった行商人ミゲルによってラクウェルまで連れていかれる[301][39]。この事件に際して「帝国の呪い」の「贄」となり、左目に呪いを植え付けられ[134][101]。
- ラクウェルではエレン・カーバイドに引き取られて育てられるが[278]、 「閃III」の6年前(1200年)、育ての親となったエレンを腫瘍により失う[302][278]。
- 「閃III」の2年前(1204年)、帝国の内戦が始まると野党から街を守るために愚連隊《ファフニール》を組織しそのヘッドになり、その頃にサラとも知り合う[278]。《ファフニール》は内戦後にすぐ解散するが、この時の活動から様々な組織から勧誘を受けることになり、サラからは遊撃士になるよう誘われたがいずれも断る[278]。
- レクターから自分の過去を知るための近道が第II分校にあると言われ、幼少期の記憶を取り戻すべく入学を決意する[124][64]。
- 「閃III」 - 第II分校に入学し、《VIII組戦術科》にクラス分けされる[67]。クロスベルの実習後はオーレリアの計らいによって《VII組特務科》に移籍する[171]。《ハーメルの悲劇》で植え付けられた呪いにより、「一番悪いヤツを殺せ」という声と左目の疼きにさいなまれており、夏至祭に際して皇城バルフレイム宮で開かれた祝賀会の夜に、その呪いの導きのままにオズボーンとユーゲントIII世を襲撃する[113]。《黒の史書》により「贄」であることを2名とも悟っており、自ら進み出たユーゲントを銃撃したことで、アッシュは《黒の史書》の予言を成就させてしまう[113]。オズボーンとルーファスはこの事件をカルバード共和国の工作員によるものとして発表する[60]。容疑者として捕らえられたアッシュは鉄道憲兵隊の一次預かりとなるが、《黒キ星杯》が現れた混乱に乗じて決起したオーレリアら《ヴァイスラント決起軍》によって救出され、意識を失ったままパンタグリュエルへ運ばれていく[60]。
- 「閃IV」 - パンタグリュエルから脱走し[182][注 160]、行く当てもなくハーメル廃村にたどり着き失意に沈んでいたが、ユウナらVII組に活を入れられ立ち直り、リィンを取り戻すべくVII組の一員として行動する[101]。クロスベルではユーゲントに謝罪すると、ユーゲントからは「(呪いに導かれたものであり)何の罪もない」と許され、大切なのはこの先だと諭される[148][注 161]。パンタグリュエルで同じハーメルの遺児であるヨシュアと再会し[1]、物語終盤でハーメルが異界化した際はともに解決に導く[39]。
- 人物
- 教官以外にも貴族など目上の人にも露悪的で敬語を使わない不良だが、リィンからは、何だかんだ言って面倒見はよく仲間のフォローもちゃんとしていると評価されている[124]。挑発的な態度をとることはあるが、コミュニケーション能力自体は高く、いつの間にか皆から頼られるようなところがある[278]。入学当初は性格上の問題もあってソリが合わなかったユウナやクルトたちからも一目置かれるようになり、「露悪的なところはあるものの自分勝手でもいい加減でもない」、「何だかんだ言っても必要な時はちゃんと協力する」と[60]、ともに試練を乗り越えた仲間として信頼されていくこととなる。
- 根は優しく[60]。手段を選ばずやりすぎるところはあるが、悪事や困っている人を見過ごせない性格をしている[64]。
- 見た目は不良だが、どの科目も勉強はよくでき[171]、部活動は文芸部に所属し、目がついた本は片っ端から読んでしまうほどの読書家で、暇があれば本を読んでいる[82]。大人びてるようにも見えるが、自分のことになると意外と周りが見えなくなるという[124]、歳相応なところもある。
- 才能の塊のような少年で[124]、リィンの見立てではセンスとポテンシャルでは第II分校でもトップクラスであり、大した努力をしなくても大抵のことはこなしてしまえる高い知能と身体能力を持っている[278]。関わった大人からの評価は高く、ルトガーからは胆力、獰猛さ、頭の回転から、猟兵として超一流になれる素質があると評され[101]、トヴァル、サラからは遊撃士になることを[278]、クレイグ中将からは第四機甲師団に来ることを[113]、レクターからは情報部に来ることを誘われている[304]。
- 基本的に常識人なので、魔術の類については「オカルト」と言う癖がある。
- ミュゼ・イーグレット
- 登場作:「閃III」P・「閃IV」P・『創』P
- 声:小清水亜美
- 年齢:16歳(「閃III」[278][W 9]・「閃IV」)
- 帝国西部の名門イーグレット伯爵家出身の清楚かつ蠱惑的な言動が特徴の少女[W 30]。成績優秀で貴族子女らしい品の良さがあるが、どこか底知れないところがあり、新米教官のリィンを事あるごとに誘惑する[W 30]。
-
- 来歴
- カイエン公爵家の嫡子である父アルフレッドと、イーグレット伯爵家出身の母の間に「ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン」として生まれる。
- 「閃III」のおよそ10年前、5、6歳の頃(1195年もしくは1196年)[124][9]、両親を海難事故で失う[305]。両親の死後は母方の祖父であるイーグレット伯によって育てられるが、叔父クロワールがカイエン公爵家の当主の座を継ぐ際にラマール州から遠ざけられ、6歳の時に帝都にあるアストライア女学院の初等科に封じ込まれる[305][306]。
- 帝国の内戦が終わってすぐの頃(1205年初め頃)、ラマール貴族であるオーレリア、ヴィータに連絡を取り、自分の計画の協力者とする[305]。
- 同年末、アストライア女学院を去る[112][217]。この時点で、将来、帝国が共和国との戦争に進むこと、何らかの「呪い」が発動することは読んでいたため、対抗策として、新設される第II分校の分校長をオーレリアが引き受けるよう計らうとともに、ヴァイスラント決起軍への有志を集めるため自身が次期カイエン公の座を得るよう手を回すという、ふたつの布石を打つ[305]。
- 「閃III」 - 「ミュゼ・イーグレット」として、トールズ士官学院・第II分校に入学。茶道部に所属。入学当初は《IX組主計科》に在籍していたが、クロスベルの実習後、オーレリアの計らいによって《VII組・特務科》に移籍[171][注 162]。オルディスが開かれた領邦会議では思惑通り次期カイエン公に推挙され、帝国政府が進めようとしている共和国への侵攻と「国家総動員法」への対策を領邦会議の議題に追加する[218]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》における出来事が終わった後はヴィータに事前に渡された脱出用の転移具を使って一人で脱出し、オーレリアたちと合流する[307]。その後、共和国、レミフェリア、リベールなどの周辺国の首脳に対して、帝国に飲み込まれて呪いの一部として黄昏に染まるか、それとも、いかなる犠牲を払ってでも世界の終わりに諍うか、選択を迫ることで[305]、《
千の陽炎 ()》作戦への参加を促す。しかし、実際にはこの選択に納得しておらず、VII組なら別の道を見出せるかもしれないと期待していた[305]。そのことをユウナたちに見抜かれ、再びVII組の「ミュゼ・イーグレット」としてともに行動することを決意する[305]。リィン救出に成功すると[51]、パンタグリュエルに各国の首脳を呼んで会談を催し、作戦の骨子を固める[1]。その場にリィンらトールズ士官学院関係者、エステルらリベールの遊撃士協会関係者、ロイドら特務支援課関係者を招待し、彼らにも《千の陽炎》作戦への参加を要請するが、辞退されてしまう[1]。彼らはオリヴァルト皇子による《光まとう翼》に参加することを決め、ミュゼ自身も《千の陽炎》は走らせつつVII組として《光まとう翼》に参加する[63]。
- 人物
- その性格はアッシュから「ゆるふわ女狐」、「女郎蜘蛛」と揶揄されており[171]、リィンやアルティナからもVII組移籍当初は底知れないと見られている。
- 蠱惑的な言動でたびたびリィンを誘惑するが、そうしたちょっとした冗談やおふざけ、一挙手一投足に至るまで、全てが俯瞰され、計算された上でどう因果が巡るかまで視えている[124]。
- 状況を見通す戦略眼を持つ天才ではあるが、中身は年相応であるというジレンマを持ち[1]、帝国や世界の命運を左右する一手を打つことの重圧を背負うことになる。そのことにオーレリアやユーシスなどの周りの年長者は気づかず、その才能に頼るあまり特別視しすぎていたと、それぞれ反省することになる[61][63]。
- 聖アストライア女学院ではアルフィン、エリゼの1年後輩にあたり、当時から交流があった[112][83]。女学院時代から「乙女の嗜み」を愛好している[112]。
- 指し手としての能力
- ミュゼの能力は未来予知ではなく、《盤面》が見えるというもので、現在の局面、そこに至る過去と無数に展開しうる未来の局面を見ることができ、局面を動かしている人物たちの思惑まで見通すことができる予測能力ということになる[305]。その異能に等しい能力について、カイエン公爵家にもアルノール家の血が流れており、古の“調停者”である初代アルノールの才能が極まったためではないかとローゼリアは推測している[303]。叔父クロワールがいずれ内戦を引き起こすことはアストライア女学院の初等科に入れられた頃から予感していた[305]。
- ヴィータからは、数万手先をも読む指し手であり、結社の使徒すら務まる(ほどの能力)と評されている[182]。
VIII組戦術科
[編集]- ランドルフ・オルランド
- VIII組の担任教官で、授業は軍事学を担当[294]。詳細は#ランディ・オルランドを参照。
- アッシュ・カーバイド
- 学院生。詳細は#アッシュ・カーバイドを参照。
- ゼシカ・シュライデン
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:竹達彩奈[書 142]
- 学院生。テニス部所属[294]。ノルティア州のシュライデン伯爵家の出身。武門である「シュライデン流槍術」の初伝を持っており[171]、護衛を務める関係でアンゼリカとも面識がある。
- レオノーラ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:白石涼子[書 142]
- 学院生。水泳部所属[294]。護衛船団《銀鯨》の元団員。姉御肌で女子からは「レオ姉」と慕われ、実戦経験は戦術科でも随一。機甲兵やバイクも軽妙に乗りこなし、カレイジャスIIでは副操舵手を務めている[63]。
- マヤ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:後藤沙緒里[書 142]
- 学院生。茶道部所属[294]。帝国軍で狙撃手をしていた父と、東方出身の母を持つ。
- 父親はアランドール准将(レクターの父)の元部下[92]。父は確かな射撃センスを持っていたが《ハーメルの悲劇》を引き起こして解体された第十三機甲師団の出身で、師団が解体されて以来酒に溺れる父を疎ましく思っている。
- ウェイン
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:平川大輔[書 142]
- 学院生。金髪のオールバックで筋肉質な体型。本校に入学するはずが、事務処理の手違いで分校に入学してしまい、改めて本校に編入することも可能だったがこれも試練と思って第IIに入学した。水泳部所属[294]。
- 父ブライトンは帝都憲兵隊長で[217]、以前は第五機甲師団に所属しており、ガレリア要塞消滅により一時期行方不明だった[145]。妹マイカはアストライア女学院に通っている。父の影響で百式軍刀術を修める。
- シドニー
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:松原大典[書 142]
- 学院生。茶髪の三枚目。親戚は宿場町ミルサンテで宿酒場を営む。クルトにあやかるためチェス部に所属する[294]。動体狙撃の精度が高く、前線で戦う。
- フレディ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:立花慎之介[書 142]
- 学院生。白髪で三白眼の妙にテンションが高い青年。料理研究会所属[294]。サバイバル技術に長け釣公師団にも所属しているが、長けるあまりゲテモノや昆虫食によく手を出している。サンディ曰く意外とイケる料理を作るらしい。魔獣や昆虫も食材とみなす。
- グスタフ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:磯部弘[書 142]
- 学院生。青髪の巨漢。当初は水泳部に入るか迷っていたが、パブロに誘われ軽音部に所属[294]。アラゴン鉱山の鉱山街の出身で、騎神や機甲兵の整備を手伝う。ミントのことを師匠と呼んでいる。
IX組主計科
[編集]- トワ・ハーシェル
- IX組の担任教官で、授業は政治経済を担当[294]。詳細は#トワ・ハーシェルを参照。
- ミュゼ・イーグレット
- 学院生。詳細は#ミュゼ・イーグレットを参照。
- ティータ・ラッセル
- 学院生。料理研究会所属[294]。詳細は#ティータ・ラッセルを参照。
- ルイゼ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:相沢舞[書 142]
- 学院生。金髪のおっとりした少女。レミフェリア公国出身。テニス部所属[294]。眼鏡をかけているが外すとたまに物と人の見分けが付かなくなるらしい。導力端末の操作が得意で、分校の演習を通信面でサポートする。
- タチアナ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:ゆかな[書 142]
- 学院生。文芸部所属で[294]、同じ部に所属するアッシュとは「閃IV」以降親しくなる。実家は子爵家。
- サンディ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:小岩井ことり[書 142]
- 学院生。17歳。辺境の町アルスター出身の赤髪のおさげの少女。料理研究会に所属し[294]、演習でも普段の寮生活でもみんなに料理を振る舞うほか、分校の菜園で野菜を栽培している。母親はアリエル・レンハイムと従姉妹で、オリヴァルト皇子とははとこにあたる[92]。
- ヴァレリー
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:伊藤かな恵[書 142]
- 学院生。17歳。ノーザンブリア自治州出身の銀髪のベリーショートの少女。軽音部所属[294]。大公国時代の貴族の出のためか厭世的に振る舞う。通信面・医療面で分校をサポートする。
- パブロ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:柳田淳一[書 142]
- 学院生。訛りとバンダナが特徴的な鉄道マニア。軽音部所属[294]。鉄道模型いじりの延長線上として機甲兵などの整備に長ける。
- カイリ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:早見沙織[書 142]
- 学院生。茶道部所属[294]。16歳。男爵家の嫡男。非常に可愛らしい外見をしているが本人は逞しい帝国男児に憧れている。病弱だった影響で薬などの知識に長けており、医療面で分校をサポートする。
- スターク
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:佐藤拓也[書 142]
- 学院生。水泳部所属[294]。ジュライ特区出身の青年。細やかな気配りができパブロやシドニー、ウェインによく羨望の目で見られている。その抜け目なさで兵站の中心として活躍する。クロウの幼馴染で、ブレードやアンティークのトランプ遊びを仕込んでもらっていたが、リィンにクロウが得意としていた50ミラ硬貨のトリックを仕掛けられ、真実を語る。
その他分校関係者
[編集]- オーレリア・ルグィン
- トールズ士官学院・第II分校の分校長。元貴族連合軍の将で、ラマール領邦軍総司令。音楽や美術にも精通しており、教官としては芸術教養の授業を担当[294]。詳細は#オーレリア・ルグィンを参照。
- ミハイル・アーヴィング
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:杉田智和
- 年齢:28歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 鉄道憲兵隊(TMP)に所属する軍人。《
不撓 》の異名を持つ[218][258]。 -
- 来歴
- 子供の頃の名は「ミハイル・リーヴェルト」で、父親は旧都セントアークの楽器メーカー《リーヴェルト社》で副社長を務めており、同社社長の伯父一家の子である従妹クレア、従弟エミルとは実妹イサラも含めて兄妹同然に育つ[308]。しかし、伯父一家の事故死に端を発して、クレアによって不正を告発された父は処刑されてしまい、父の死に伴い、姓を母方の「アーヴィング」に改める[308]。
- その後、軍に入隊し、鉄道憲兵隊(TMP)に配属される。内戦時は、西部の正規軍の立て直しに貢献し[124]、オリヴァルト皇子とも共闘する[W 31]。
- 「閃III」 - リーヴスにトールズ士官学院・第II分校が設立されるにあたって鉄道憲兵隊から出向し、主任教官として赴任する[67]。数学や自然科学などを担当科目として受け持ち教鞭を振るうが、《第II分校》出向の真の目的は要警戒対象であるオーレリアの監視[64]、そして暗躍する結社や猟兵団への対抗手段として《第II分校》を利用することにあり、逸脱しがちなリィンやランディに対してたびたび釘を刺す。
- 「閃IV」 - 「閃III」の《黒キ星杯》までは主任教官として第II分校の指揮を執っていたが、《巨イナル黄昏》が始まると軍務に服してトールズ士官学院・本校の特別演習指揮官となり、オーレリアやVII組と敵対関係になる[305]。内心では士官学院の教官としての立場と鉄道憲兵隊に所属する軍人としての立場で葛藤を抱え[274]、本校生徒が使用していた第II分校校舎が分校生たちによって奪還されると、彼らとの合流を望んだ本校生徒たちの決意を尊重して鉄道憲兵隊を一時離脱し、分校生全員と本校の希望者を連れてデアフリンガー号でリーヴスを離脱する[83]。その後はデアフリンガー号の運用は本校の教官と生徒に委ね、第II分校生たちとともに(リィンらがパンタグリュエルの会談に向かうのに先立って)カレイジャスIIに合流する[63]。
- ゲルハルト・シュミット(G・シュミット)
- 登場作:「閃II」・「閃III」・「閃IV」・『創』・「界」
- 声:大塚芳忠(「閃III」・「閃IV」・『創』)、喜屋武和輝(「界」)
- 年齢:72歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 帝国最高の頭脳と謳われる導力学者で[64]、機械工学の権威[85]。ラッセル博士、ハミルトン博士と並び、C・エプスタインの「三高弟」の一人[164]。ルーレ工科大学の学長[265]。
- 自分の研究と知的好奇心を満たすことにしか興味がなく[239][67]、興味を持ったものを設計し、完成させることには熱中するが、その後の用途には興味がなく、どう使うかは使う者が考えればよいというスタンス[265]。そのため、《列車砲》のような(この作品世界における)大量破壊兵器や、帝国を二分する内戦で使用することを前提に依頼された《機甲兵》の開発についても特に何とも思っていない[265]。主義主張に左右されるということもないため、作品中では往々にして興味の赴くまま帝国で敵対する勢力の双方に何らかの協力している。
-
- 来歴
- レマン自治州でC・エプスタインの下で導力技術を学び、エプスタインの死後に帝国に帰国[189](1155年頃)。
- 帝国に帰国後、子供の頃からの腐れ縁であるグエン・ラインフォルトのラインフォルト工房とともに導力鉄道や導力砲、巨大工作機械などを次々と発明し、結果的に帝国における導力技術の発展を推し進める[164][189][W 32]。また、《導力革命》以前から機械工学の権威としてその名を轟かせており、各国の企業を訪問して導力器の有効性を説いて回る[85]。
- その後、帝国軍の機甲化に関与し、一番弟子のフランツ・ラインフォルト(ルーグマン)とともに、帝国の旧式戦車、現行の装甲車や戦車《アハツェン》を設計する[82]。
- 「閃I」の8年前(1196年)[224]、一番弟子であるフランツを事故により失い、この出来事を境に、それまで以上に周囲を顧みず自分の研究に一層のめり込むようになる[82]。
- 1199年、開発した《列車砲》がガレリア要塞に納入される[265]。これに先立って旧友であるグエンはラインフォルトグループの会長職を追われるが、フランツの死から間もなく狷介さを増していたことから彼の窮地に何の手も貸さなかった[書 147]。
- 「閃III」の4年前(1202年)に、カイエン公から新兵器の開発を依頼され、フランツが残したコンセプトを基に、《蒼の騎神》オルディーネや結社の人形兵器の関節構造などを参考に《機甲兵》の各モデルを設計し、ドラッケン試作型の完成まで開発に関わる[265][9][39]。同時期に、パンタグリュエルの建造にも関与していると見られている[260][注 163]。また、これもほぼ同時期に、戦術導力器《ARCUS》やラインフォルト製の魔導杖の開発にも関わっている[164]
- 「閃II」 - ジョルジュの相談から《騎神》に対抗しうる武器の製作に興味を示し[265]、ヴァリマールの太刀の製作に協力する[239]。
- 「閃III」 - 《第II分校》に特別顧問の肩書で赴任[67]。《灰色の騎士》であるところのリィンにも興味を抱いており、彼を自分の実験に協力させることを第II分校に就任する条件の1つとして要求し、それを飲ませる[64]。分校敷地内に築かせたアインヘル小要塞をはじめとする各施設や分校生を利用して新技術の研究開発を進めつつ、新入生として入ってきたティータを新たな弟子候補として鍛えていく。
- 「閃IV」 - オズボーン陣営とオリヴァルト皇子の双方に協力している[61][63]。《黒キ星杯》後は第II分校に戻って、トールズ士官学院・本校に助力する。リィンらがアインヘル小要塞のレベルXをクリアすると[70]、所要と称してトールズ士官学院を一時去り、ガルガンチュア級実験戦艦の運用に協力する[注 164]。同艦で、《機甲兵》から発展させた《魔煌機兵》の「最終型」として《黒》のアルベリヒがリヴァイアサンを投入するが、最終的にそれに「不可」の成績を与え、フランツの姿をした彼をどこの誰とも知らぬ別人として突き放す[71]。その後は自分が設計に関わったカレイジャスIIに移っている[注 165]。
- 人物
- 神経質で気難しい偏屈な性格をしている[164][239][注 166]。研究姿勢も傲慢で独善的であることから、弟子のマカロフやジョルジュからも敬遠されている[239][注 167]。
- 一方で、《蒼の騎神》オルディーネはシュミットのことを「なかなか複雑な性格をしているようだが決して情の薄い人間ではないようだ」と評しており、四番弟子のティータからも何だかんだでみんなのことを気遣っている人物だと思われている[71]。
- その有能さは何らかの特殊な要因によるものではなく、ローゼリアに言わせると「突然変異的な天才」ということになる[261]。
- 他の研究者への人物評はかなり辛いが、アルバート・ラッセルに対しては対抗心を持っているほか、エプスタイン財団のロバーツ主任、ヨナ[60]、天文学者だったトワ・ハーシェルの祖父[189]、エリカ・ラッセル[82]のことは高く評価している。
- 弟子1号はアリサの父であるフランツ・ラインフォルト(ルーグマン)、弟子2号はマカロフ、弟子3号はジョルジュで、弟子候補であったティータのことも弟子4号と認めるようになる。
- セレスタン
- ハイアームズ侯爵の計らいにより第II分校に遣わされ、学生寮の管理人などを担当。詳細は#セレスタンを参照。
- イサラ・アーヴィング
- 登場作:『創』
- 声:中原麻衣
- 『創』における新任主計科教官。ミハイルの妹。
皇族
[編集]- オリヴァルト・ライゼ・アルノール(オリビエ・レンハイム)
- 登場作:『空』P・「碧」・「閃I」・「閃II」・「閃III」S・「閃IV」O・『創』S
- 声:子安武人
- 年齢:25歳(「FC」・「SC」)→26歳(「the 3rd」)→27歳(「碧」・「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→29歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- エレボニア帝国の皇子。皇帝ユーゲントIII世の長子だが、庶子ゆえに皇位継承権からは離れている[注 168]。通称《放蕩皇子》。
-
- 来歴
- 1177年、帝国西部の辺境の村であるアルスターで生まれる[309]。皇帝ユーゲントIII世の庶子であり、母親のアリエル・レンハイムによって女手ひとつで育てられ、後に護衛としてミュラー・ヴァンダールが付けられる[309][注 169]。
- 「閃III」の17年前(1189年)、四大名門に取り入ろうとした貴族によって雇われた猟兵がレンハイム家を襲い、護衛に就いたミュラーの活躍でオリヴァルトは命を守られたものの、母は命を落としてしまう[309]。母の死後、ユーゲントIII世によって皇宮に息子として迎えられ、当初は周囲に壁を作っていたが、ユーゲントの妃となった継母プリシラの気立ての良さに打ち解け、明るさを取り戻すとともにユーゲントのことも父として認める[309]。
- その後(1193年頃)、トールズ士官学院に入学し、ヴァンダイク、ゼクス・ヴァンダール[32]らに学ぶ。卒業に際して、皇位継承権の放棄を表明[書 148]。
- 士官学院卒業後は帝国の将来を見据え、身分を隠して、「オリビエ・レンハイム」として帝国内や周辺諸国に足を運ぶ[書 138]。
- 「FC」 - 宰相のオズボーンに不穏なものを感じ、カシウス・ブライトと接触するために詩人・音楽家を自称するオリビエ・レンハイムとしてリベールを訪れる[57]。ボース地方で偶然出会ったエステルとヨシュアに興味を持ち、一時的に同行する[57]。ボースの事件解決に協力してエステルらと別れた後は、シェラザードとともにロレント地方に行き[16]、王都グランセルを観光して過ごしていたが、武術大会を機に再びエステルらに協力する[14]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後もリベール王国に留まりエルモ温泉に逗留するなどして気楽に過ごしていたが、エステルの復帰を聞きつけてルーアンで合流し、彼女の旅の仲間となる[30]。「FC」以来、エステルら(とプレイヤー)には素性を隠していたが、物語終盤でリベール王国国境に侵攻する第三機甲師団に帝国の皇子オリヴァルト・ライゼ・アルノールとして帯同し、エステルらの前に現れ、その正体を明かす[32][注 170]。カシウスと示し合わせて一芝居打つことで帝国軍の侵攻を止め[32]、自らはエステルらに同行して空中都市《リベル=アーク》に乗り込んだ[33]。
- 「SC」の後(1203年)、帝国に帰国。一連の事件で得た見聞から、オズボーンが《身喰らう蛇》と通じているということを確信し、リベールを離れようとした矢先に同国を電撃訪問したオズボーン本人と対面する機会があり、「彼のやり方が美しくないから」と宣戦布告する[97]。帰国後は公務や社交界などさまざまな場所に顔を出して己の足場を固めて宰相に対抗する力を得ようとし、帝国民にもその名を知られるようになる[240]。この時期に、それまで名目上の役職として就いていたトールズ士官学院の理事長としての態度も改め、新たな風を吹かせることを決意し、特科クラス《VII組》を発案し、ヴァンダイク学院長とともに設立に向けた準備を始める[240]。
- 「the 3rd」 - 帝国南部の紡績町パルムに滞在していた折に《影の国》事件に巻き込まれる[注 171]。エンディングで《影の国》から去る際にシェラザードに意味深な言葉を残している[45]。
- 「碧」 - ユーゲントIII世の名代として「西ゼムリア通商会議」に出席するため、オズボーンとともにクロスベル市を訪れる[37][注 172]。ここでも(オリビエとして)奔放な性格を発揮しつつ市中を散策してロイド・バニングスら特務支援課を呆れさせる[37]。会議に先立って、ロイドらに正体を明かし、クローディア王太女とともに会議を取り巻く事情を語り、《帝国解放戦線》と《反移民政策主義》によるテロが発生する可能性を密かに伝える[37]。
- 「閃I」 - VII組を設立した皇族であり、トールズ士官学院の理事長として登場する[201]。次第に成長し目覚しい活躍を見せ始めるリィンたちを高く評価しており、常任理事や学院長を集めた会議の際に彼らの可能性を信じることを強く説いた[272]。また、貴族派と革新派の対立の泥沼化を回避すべく、対立する両勢力の干渉を受けない第三の道を模索している[164]。
- 「閃II」 - 貴族連合の動きを察知し、アルゼイド子爵ら最低限の人員だけ集めてカレイジャスでトリスタに向かい、《蒼の騎神》と戦うVII組を助ける[273]。《蒼の騎神》の追撃を振り切った後、帝国各地を密かに回りつつ、VII組を迎える準備を進める[273]。その後、パンタグリュエルから逃走しようとしていたリィンとアルフィンを救うと[205]、艦をVII組に預け、トヴァルとともに帝国西部に向かう[273]。帝国西部ではミュラー率いる第七機甲師団と合流し、戦火にさらされた人々を救うため「自由への風」という活動を行う[310][311]。終盤、《煌魔城》でブルブランとデュバリィに追い詰められたVII組の前にトヴァルとともに現れ、彼らの窮地を救う[257]。後日談では自分の立場について葛藤するリィンに、アルフィンを通じて、激励の手紙を渡した[86]。
- 「閃II」と「閃III」の間(1205年~1206年初め)、貴族派を下したオズボーンが着々と権力を固めつつある帝国で、ヴァンダール家が皇族守護を外されたことにともないミュラーも護衛の任を解かれ、オリヴァルト寄りの第七機甲師団も僻地に遠ざけられるなど力を削がれていく。トールズ士官学院の理事長も退任することとなり、最後の悪あがきとしてトールズ士官学院・第II分校を設立する。
- 「閃III」 - 自身の力は削がれたが、《
VIIの輪 ()》を構築することでVII組が連携を取れるようにし[296]、リィン以外の面々に第II分校の演習日程を教えることで、彼らがローテーションでリィンを補佐できる体制を作る[26]。クロスベル市を帝国政府の視察団の一員として訪問し[112]、リィンらが《星見の塔》の探索に行くにあたって同行する[116]。《黒キ星杯》がカレル離宮に出現するとトヴァルやヴィクターとともにカレイジャスに乗って駆けつけるが、《黒》のアルベリヒの意を受けたゲオルグ(ジョルジュ)によってカレイジャスを爆破され生死不明となる[134]。 - 「閃IV」 - ジョルジュとブルブランの計らいによって奇跡的に生き延びる[61]。左眼を失ったものの、極秘で建造させていたカレイジャスIIで協力者たちとともにパンタグリュエルに現れ、《光まとう翼》の結成を宣言する[61]。すべてが終わった後はシェラザードと結婚した[62]。
- 『創』 - シェラザードと共にカレイジャスIIで新婚旅行に向かうも、ノルドで反軍縮派の帝国師団に拘束されてしまうが、リィンらの活躍により救出。《創(はじまり)の翼》作戦では、リベールで秘密裏に開発されていた高速巡洋艦《アルセイユII》で駆け付け、エリュシオンの予測を一時的に超える事に成功し、《逆しまのバベル》への突入口を切り開いた。
- 人物
- 普段の様子と真面目な時とのギャップが大きいものの[164]、どんな時でもジョークを忘れない軽妙な性格をした人物[37]。基本的に「変人」であり、一般的な帝国人のイメージとはかけ離れたところがある[57][37]。
- 読みの鋭さと柔軟な思考を持っており、混沌とした状況で仲間たちが悩んでいるような場合にしばしば状況の整理を行い、それにより一同に行動の指針を思いつくきっかけを与えてみせている[13][44][273]。
- 帝国の将来を案じており、そのため、大貴族よりもむしろ宰相のオズボーンを危険視しており、同志であるミュラーとともに、彼に対抗する術を探っている[97][309]。そうした先見からカシウス・ブライトからは、「帝国のみならず大陸全土の未来を見据えた、稀有の人物」と評されている[1]。
- 「SC」までは帝国の人々にもほとんど知名度がなく、「FC」でリシャールが画策していたクローディア姫(クローゼ)の政略結婚の相手だったが、当事者のクローディアもオリヴァルト皇子のことをよく知らなかったため、オリビエが同一人物であることに気づかなかった[32]。
- ヘクトルI世、ドライケルス皇子ら、過去のアルノール一族と懇意にしていたローゼリアに言わせると、彼らの面影はない[63]。マクバーンからは妙な魔力を感じると言われ、カンパネルラは古のアルノールの血だろうと推測している[115]。
- 『空』の頃から『閃』にかけてオズボーンの存在が帝国の強大さの象徴として描かれているの対して、オリヴァルト皇子(オリビエ)は自由や連帯の象徴としていう対比の関係にある[W 5]。「閃IV」では、あまりに優秀すぎるがゆえに人を頼るということをしなかったルーファスとも対置されている[312]。
-
- 古代遺物《響きの貝殻》
- 超長距離かつどんな状況下でも導力通信を可能とする古代遺物で[63]、名前が明らかになったのは「閃IV」だが、「FC」の頃から登場している[16]。
- 士官学院を卒業したオリヴァルト皇子が、各地を旅する中でとある遺跡で見つけたもので[63]、古代遺物であることから本来であれば七耀教会による回収対象であるが、取り決めたいくつかの約束を守るという条件で、封聖省から保持と使用を黙認されている[63][注 175]。
- 「閃III」では《
VIIの輪 ()》に転用され[296]、「閃IV」ではカレイジャスIIの通信コンソールに取り付けられ[63]、VII組や《光まとう翼》の連携のために使用されることになる。 - オリヴァルト皇子が《黒キ星杯》に赴く前にシェラザードに託されていたため、カレイジャス爆破に巻き込まれることはなかった[182]。
- シェラザード・アルノール
- オリヴァルトの妃。詳細は「#シェラザード・ハーヴェイ」を参照。
- ユーゲント・ライゼ・アルノール(ユーゲントIII世)
- 登場作:『閃』
- 声:諏訪部順一
- 年齢:15歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→17歳(「閃III」[113][W 9]・「閃IV」)
- エレボニア帝国の現皇帝であり、オリヴァルトら兄弟の父。48歳(「閃III」[書 150]・「閃IV」)。
-
- 来歴
- トールズ士官学院に入学し、自分と同じく新入生だった平民出身のアリエル・レンハイムと出会い、衝突しつつもすぐに惹かれ合い、恋に落ちる[309]。しかし、卒業を待たずにアリエルは退学し、その数年後、ユーゲントは彼女が自分との子(オリヴァルト)を生み育てていたことを知る[309]。ユーゲントはアリエルを妃に迎えようとしたが固辞されたため、護衛としてヴァンダール家のミュラーを付けるに留め、自らは大貴族たちからの婚姻の申し出を躱しつつ、彼女の気が変わるのを気長に待つことにする[309]。
- しかし、父帝の病状が悪化したことを機に、四大名門に取り入ろうとした貴族がレンハイム家に猟兵を差し向け、ミュラーの活躍でオリヴァルトの命は守られたものの、アリエルは命を落とす[309]。父の崩御後、皇帝への即位と同時にオリヴァルトを息子として公表して皇宮に迎え、二度と同じような愚行に出る者が現れないよう、四大名門出身ではなく、小間使いとして仕えていた小貴族出身のプリシラを妃に迎える[309](1189年頃の出来事)。
- 1192年に《百日戦役》が起きると、ヴァンダイクを介してギリアス・オズボーンにハーメル事件の全権を委ね、そこで彼が見せた鮮やかな手腕を見込んで彼を初の平民出身の宰相に任じた[309][77]。オズボーンを初の平民出身の宰相とするにあたっては、《ハーメルの悲劇》に加えて、アリエルの死が貴族派によるものであったことを牽制材料として四大名門を譲歩させ、人事を実現させる[309]。
- 「閃I」 - カレイジャスが処女飛行でバルフレイム宮の上空を飛行する際にプリシラ皇妃とともにわずかに登場しているほか[164]、ザクセン鉄鉱山での事件を解決したリィンらVII組をバルフレイム宮に招いてねぎらったことが語られている[195]。
- 「閃II」 - 決起した貴族連合が帝都を制圧した際に囚われ、カレル離宮で軟禁生活を送っていたが、VII組により解放される[239]。
- 「閃III」 - バルフレイム宮で催された祝賀会にVII組を招き、リィンと個人的な面会の機会を設け、自身とオズボーンの過去、帝国に起きた災厄とその元凶としての「呪い」の存在、自らの諦念を語る[309]。その後、「贄」に選ばれたアッシュ・カーバイドによって銃撃され、意識不明の重体となる[113]。
- 「閃IV」 - クロスベル州の聖ウルスラ医科大学に搬送され、意識を取り戻し[148]、大戦前日に手術が行われて一命を取りとめる[34]。大戦後、復帰を宣言し、暗殺未遂がカルバ―ド共和国の仕業ではなかったことを表明する[35]。
- プリシラ・ライゼ・アルノール
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:ゆかな
- エレボニア帝国の皇妃。アルフィンとセドリックの実母で、心優しい人物。36歳(「閃III」[書 150]・「閃IV」)
- 小貴族出身で幼い頃に皇城に奉公に出され[34]、ユーゲントの側仕えの一人として仕えていたが、アリエル・レンハイムを亡くした失意の中でユーゲントが即位に際して皇妃に選んだ[309]。その後、皇宮に迎えられたオリヴァルトが自身に対してもアルフィン、セドリックに対しても親しく接することに感謝している[113]。
- ミュゼに関しては両親が健在な頃から知っているため気にかけており、アルフィンに面会できないか頼んでいた[113]。皇帝暗殺事件を起こしたアッシュのことは呪いに侵された事情をクレアから教えられ、彼の意思によるものではないと知って許している[279]。
- 実家の地位が貴族の中でさほど高くないながら皇妃となった事から、スラム街出身のシェラザードがオリヴァルトの妃になる事に対して内心のどこかで不安に思っている事を理解しており、結婚式直前に彼女に会い、シェラザードの後押しをした。
- アルフィン・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃I」・「閃II」P・「閃III」・「閃IV」O・『創』S
- 声:佐藤聡美
- オリヴァルトの異母妹である皇女。
- 双子の弟のセドリック皇子とともに「帝国の至宝」と呼ばれ、帝国臣民からの人気は絶大。帝都にある聖アストライア女学院に通っており、同級生のエリゼとは身分を超えた親友である。
- 来歴
- 「閃I」 - エリゼから頻繁にリィンの話を聞かされていたことで彼に強い興味を持つようになり、VII組が実習で帝都を訪れていた時に本人と対面し、自分のイメージした通りの人物であったことからさらに関心を持つようになる[240]。帝国解放戦線に拉致された際に救出されたことでリィンへの関心は好意に変わり始め、パーティーでのダンスの相手に誘おうとするなどの行動を見せるようになる[240]。
- 「閃II」 - 内乱勃発直後、トヴァルの手引きによってエリゼとともにユミルへ身を隠していたことから[200]、リィンと再会する[203]。しかし、その後のユミル急襲と同時に現れたアルティナによってエリゼとともに連れ去られ[200]、自分だけパンタグリュエルへ乗艦させられていた[205]。リィン招待の折にはともに脱出に成功し、以後は《カレイジャス》運用の後ろ盾としてVII組をサポートしていくこととなる。
- 「閃III」 - エリゼとともに女学院の高等部へ進級するも、兄やヴァンダール家が露骨に冷遇され始めたこと、そしてセドリックが別人のようになってしまったことに対して言い知れぬ不安を覚えている[142][112]。
- 「閃IV」 - エリゼと引き離されてティータとともに囚われの身となり、当初はバルフレイム宮[51]、次いでドレックノール要塞で軟禁状態となり[68]、VII組に解放されてからは行動をともにする。大戦終結後は、帝国の信用を取り戻すべく、精力的に公務をこなしている。また、セドリックが帝国を出奔し行方不明となった事で彼に代わって皇位継承権第1位となり、皇太女となる。
- セドリック・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B・『創』S
- 声:相沢舞(「閃I」・「閃II」)→進藤尚美(「閃III」・「閃IV」)
- 年齢:15歳(「閃I」・「閃II」)→17歳(「閃III」[145][W 9]・「閃IV」)
- アルフィンの双子の弟である皇子[64]。No.XIXの執行者でもある。
-
- 「閃I」 - オズボーンに強い憧れを持つ少年皇子として登場する[220]。
- 「閃II」 - 貴族連合の起こした内戦によって帝都が制圧されて以降、「保護」という名目で帝都郊外にあるカレル離宮に両親である皇帝夫妻やレーグニッツ知事らとともに軟禁される[200]。カイエン公に連れ出され、バルフレイム宮の地下に封印されていた《緋の騎神》テスタ=ロッサの前に連れて行かれる[156][246][注 176]。《煌魔城》が顕現し、カイエン公がセドリックを《緋の騎神》の《
核 ()》に取り込ませたことで、古のアルノールの血の魔力が供給され、250年前にエレボニア帝国を襲った災厄《紅き終焉の魔王 ()》が復活してしまう[206][書 151]。リィンとクロウにより《紅き終焉の魔王》は倒され、救出されたものの、ひどく衰弱してしまう[206][313]。
- 「閃II」の後、療養を続けるも、体調は回復せず翌年(1205年)に予定されていたトールズ士官学院への入学延期を余儀なくされる[314]。その後も《緋の騎神》の影に苛まれて衰弱死を待つばかりとなるが、この年の夏至祭が終わった頃、オズボーンによる見舞いに際して《《黒》のアルベリヒ》の囁きにより、《緋の騎神》の《起動者》候補となることを受け入れたことで、体調が回復し、以降は背も伸び、体も逞しくなっていき、性格も変貌して強引なところが目立つようになる[112][313][書 137]。この後、《鉄血の子供》となり、この時にアルノールの血との共鳴で過去にあったことを幻視しオズボーンがドライケルス帝の転生であることも知る[313]。
- 「閃III」 - トールズ士官学院・本校に首席で入学する[145][314]。リィンやクルトが知っていた頃とは一変した人物となって彼らの前に現れ[145]、以降、本校I組のエイダ、フリッツとともにたびたび第II分校、新VII組に対抗する。父ユーゲントがアッシュによって撃たれると、オズボーンとルーファスに加担し、共和国の戦争に向けて動こうとする彼らに全権を委ねることを宣言する[60]。《黒キ星杯》の霊力によってテスタ=ロッサは再生され、その《起動者》となる[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》以降はイシュメルガによって枷をはめられており、弱さを忌避する心情と強さを求める心情が強められ歪みが大きな性格となる[313]。最終決戦では《第四相克》でVII組と対峙し、リィンやクルトの説得でイシュメルガによる枷から解放され、それまでの自分の行いにショックを受けるもシャーリィの叱咤により、自分が力を求めたきっかけを思い出す[313]。敗北してすべてが終わった後は、皇太子でありながら多くの罪を犯した自分がいては無用の混乱を起こすだけと考え、「行方不明」となる道を選んで帝国を出奔し[212]、シャーリィの仲介で結社に入る[174]。
- 『創』 - 結社の執行者候補生として赤い星座に預けられ訓練を受けるが、当初は皇太子としての高いプライドに対して心身ともに伴っておらず、伸び悩んでいた。しかし、シャーリィの叱咤を兼ねた厳しいしごきの中で、「自分はただのセドリック・アルノールとして歩まねばいけない」と一念発起して無駄なプライドを捨て、見事にしごきをやり通した。その後は成長を遂げて執行者として認められ、異母兄オリヴァルトの結婚式は一人で会場の遠くから見守っていた。
- 人物
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- 「閃I」・「閃II」
- 次期皇位継承者である優しく素直な少年[64]。少し引っ込み思案なところがあり、アルフィンにはじれったく思われることもある[64]。次期皇帝としての自分の実力不足を痛感しており、オリヴァルトからさまざまな話を教わっている[220]。オズボーンに対してはその力強さに憧憬の念を持っている[220][112]。
- 「閃III」以降
- 性格も体格も大きく変わり、強引さの目立つ性格になる[112]。
- 剣を扱うようになり、剣術はレクターにも手ほどきを受けたが、レクターのそれは我流が強かったため、ルーファスに師事して修得した[113]。
- 「閃II」の《緋の玉座》でリィンらVII組が協力して自分を《紅き終焉の魔王》から救出したこと、《蒼の騎神》の胸が貫かれクロウが死亡したことを覚えており、何もできなかった自分の無力さを悔いて、自分の弱さで傷つく人をこれ以上出さないよう強さを求めている[145][313]。
- ゲーム本編ではセドリックの変化の原因について明確には語られていないが、騎神は「起動者候補」が死なないよう加護を与える機能を有しており、彼がテスタ=ロッサの起動者候補となることを受け入れたことにより、テスタ=ロッサからの加護により衰弱死を免れ[313][書 137]、本人の努力もあって、体も頑丈になったという経緯である。
歴史上の皇族
[編集]- ドライケルス・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃I」(名前のみ)・「閃II」・「閃IV」
- 声:中田譲治(「閃IV」)
- トールズ士官学院を創設した皇帝で、《灰の騎神》ヴァリマールのかつての《起動者》。250年前に起こった皇位継承を巡る内乱《獅子戦役》を平定し、その後の帝国を社会改革によって建て直した中興の祖であり[169]、後世においては《
獅子心皇帝 》と呼ばれ、讃えられている。 -
- 来歴
- 皇帝ヴァリウスV世の第三皇子として生まれたが、庶出であるため他の帝位継承者たちから疎まれ、各地を転々とし、異郷のノルドの地に身を寄せて暢気に暮らしていた[315][219]。
- 内乱が拡大し、帝国が滅亡の危機に瀕していることを知り、それを見過ごせず挙兵を決意する[315]。
- 949年の秋に、わずか17名の手勢を率いて、ノルドの地で挙兵[315]。戦いの最中に腹心の部下ロラン・ヴァンダールを失うも、《槍の聖女》リアンヌ=サンドロットと彼女に従う《鉄騎隊》の協力を得て、帝国各地を解放し、《紫紺の騎神》を擁する末弟ルキウスをも味方につける[316]。
- その後、オルトロスが目覚めさせた《紅き終焉の魔王》によって、ルキウスの《紫紺の騎神》が敗れるも、ドライケルスは《善き魔女》ローゼリアとの出会いにより、トリスタの地に眠る《灰の騎神》ヴァリマールを目覚めさせ、《起動者》となる[316]。
- 952年7月、リアンヌ・サンドロットとともに《煌魔城》に挑み、《紅き終焉の魔王》を封印し、内戦を終結させるが[316]、この最後の戦いでリアンヌを失う。
- 同年に第73代皇帝[317]として即位[191]。その治世において、法・経済・文化における新制度を導入していき、エレボニア帝国に近代国家の礎を築く[169]。
- 即位後、《黒の思念体》の呼び掛けに苛まれ[266]、それに屈することはなかったが、《黒の史書》により帝国にとって避けられぬ未来を知り、晩年は諦観を抱き、未来に絶望したまま生を終える[209]。
-
- 人物
- 豪放磊落で泰然自若、茫洋としていながらも大胆不敵。どこまでも懐の深い人物だったらしく、時折子供のように目を輝かせることもあったという[170]。
- かつての起動者としての彼を知るヴァリマールによると茫洋とした暢気な男であり、帝国中興の祖と讃えられるほどの人物になったことには可笑しさ半分、納得半分といったところ[34]。
- 《煌魔城》の戦いで「死去」したリアンヌとは将来を誓った仲だったが[193]、即位後は内戦中にドライケルスを支えながら謀殺された侯爵の娘であるイヴリンを皇妃に迎え、二男二女をもうけた[317]。
- その治世においては家柄や出身にとらわれない人材の育成を行うよう改革を行い、これを契機に帝国正規軍や中央政府に平民が登用されるようになる[169]。この改革は貴族派と対抗することとなる革新派の誕生につながり、ゲーム本編の時代の内戦の遠因となっている[169]。
- 即位後の後半生はイシュメルガの声に苛まれ続けることになるが、人の業によるものであることから、聖獣であるローゼリアに頼ることをよしとはせず、黙っていた[266]。
- 亡くなった後の魂は鉄血宰相のギリアス・オズボーンに転生する[193]。
- オルトロス・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃II」(名前のみ)
- 後世において《偽帝》と呼ばれることになる、皇帝ヴァリウスV世の第四皇子[318]。公爵家出身の第二妃より生まれた[206]。
- 父が逝去した後、正妃の息子である皇太子マンフレートが何者かの手で暗殺された直後に、武力をもって帝都を掌握、反対勢力を徹底的に粛清した上で、自らの即位を宣言した[318]。これにより、後に《獅子戦役》と呼ばれることになる帝国史上最大規模の内戦の端緒を作る[318]。
- 内戦が始まった当初、即位を宣言した他の兄弟たちの勢力と戦力は拮抗していたが、帝都地下に封印されていた《緋の騎神》テスタ=ロッサを復活させたことで、他の勢力を圧倒する[318]。その後、他の勢力も戦力を盛り返すが、オルトロスは何らかの方法によって《煌魔城》を出現させ、《緋の騎神》を《
紅き終焉の魔王 ()》へと昇華させ、アルベルトとグンナルの軍勢と、ルキウスの《紫紺の騎神》を立て続けに打ち破る[316]。 - 《紅き終焉の魔王》を復活させた後のオルトロス本人については伝わっておらず、ドライケルスに敗れた[206]、ということのみ知られている。《獅子戦役》終結後、貴族勢力間でこれ以上の争いが続くことをドライケルスが避けたため、その血筋はカイエン公爵家に密かに受け継がれ、その野望と恨みも『閃』の時代まで受け継がれていくこととなる[206]。
- ルキウス・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃II」(名前のみ)
- 皇帝ヴァリウスV世の第六皇子(末弟)で、獅子戦役で皇位継承に名乗りを上げた皇子の一人[318]。
- オルトロスの軍勢に対抗するために《紫紺の騎神》を擁し[318]、配下の傭兵を起動者としていた[278]。その後、ドライケルスと出会い、陣営に加わるが[316]、オルトロスが呼び覚ました《紅き終焉の魔王》によって、《紫紺の騎神》を破壊されてしまう[316]。帝都における最後の戦いでは、《灰の騎神》の起動者となったドライケルスを《煌魔城》に突入させるため、残りの軍勢を用いて《鉄騎隊》やノルドの戦士団と協力し、血路を開く[316]。
- グンナル・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃II」(名前のみ)
- 皇帝ヴァリウスV世の第五皇子で、獅子戦役で皇位継承に名乗りを上げた皇子の一人[318]。
- 剛力無双とうたわれていたが、《緋の騎神》を手に入れたオルトロスに敗れて勢力を縮小する[318]。その後、アルベルトと共同戦線を張ってオルトロスとルキウスの両陣営に対峙するが[318]、《紅き終焉の魔王》の出現によって手勢は一挙に消滅させられてしまう[316]。
- アルベルト・ライゼ・アルノール
- 登場作:「閃II」(名前のみ)
- 皇帝ヴァリウスV世の第二皇子で、獅子戦役で皇位継承に名乗りを上げた皇子の一人[318]。
- 策謀家であったが、《紫紺の騎神》を手に入れたルキウスの軍勢に敗れて勢力を縮小する[318]。その後、グンナルと共同戦線を張ってオルトロスとルキウスの両陣営に対峙するが[318]、《紅き終焉の魔王》の出現によって手勢は一挙に消滅させられてしまう[316]。
帝国政府
[編集]- ギリアス・オズボーン
- 登場作:「the 3rd」・「碧」・「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B
- 声:中田譲治
- 年齢:53歳(「碧」[書 152]・「閃I」[W 23]) →55歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- エレボニア帝国の宰相で、政府代表[319][264]。軍部出身で、《鉄血宰相》の異名を持つ[319][264]。
- 宰相に就任して以来あらゆる面で帝国の近代化を推し進め[64]、帝国全土に鉄道網を建設するなど、大胆かつ革新的な改革を次々と実行し、平民から熱狂的に支持されるとともに[64]、皇帝ユーゲントIII世からも絶大な信頼を寄せられている[264]。一方、領土拡張政策を推し進め、(表向きは平和的に)近隣の小国や自治州を併合し続けていることから、その被害者となった者たちからは激しい反発と憎悪を向けられている[264]。
- 平民出身の「革新派」で、その政策は帝国の大貴族たちの既得権益を脅かすものであることから、四大名門をはじめとする貴族たちからは完全に敵視され対立関係にある[64]。
- 来歴
- 帝国北部の地主の家に生まれる[193]。13歳の時(1164年頃)に家族を雪崩で失い、シュバルツァー男爵家に引き取られる[320]。17歳でトールズ士官学院に入学し[273][320]、卒業すると正規軍に入隊[193]。
- 軍人としては、百式軍刀術の達人であることに加えて、指揮能力、実務能力にも優れ、准将となった頃には若手のリーダーと目される存在となり、将来を嘱望され[192]、オズボーンも上官や部下に恵まれ充実感を覚える[193]。私人としては、晩婚ながら結婚し、息子も生まれ、幸せな家庭を築く[77][193]。
- しかし、『閃』本編のおよそ10年ほど前(1192年)、帝都近郊の自宅が猟兵らしき集団に襲撃され、妻を失い、息子のリィンは瀕死の重傷を負わされる[192][77][193]。この際、リィンを救うために《黒の騎神》イシュメルガと取引し、息子の命と引き換えに自らは不死者となる[193]。
- 一命をとりとめたリィンを互いに兄弟同然に思っていたテオ・シュバルツァーに託し[192][193]、自らは《巨いなる一》の再錬成を実現すべく、帝国の権力を求めていくこととなる。
- 襲撃事件からしばらく姿を隠していたが、《百日戦役》の開戦から3ヶ月ほど経った頃に軍に復帰し、上官のヴァンダイクを介してユーゲントIII世に謁見し、ハーメル事件の全権を任される[192][77]。事情を把握した後、リベール王国のアリシアII世と極秘で停戦交渉を進め、自身の復帰から10日で戦役を終結させた[192][77]。
- その功績から、半年後には平民初の帝国宰相に抜擢され[309][77]、伯爵に叙される[321]。以降、帝国の鉄道網と領土の拡張を重ねるとともに自身の権力を拡大し[77]、帝国民からの支持を得る一方で、既得権益を徐々に奪われていく大貴族や故郷を帝国に組み込まれていった者たちからの怨嗟と反感を集める存在となる。裏面では、この時期から結社《身喰らう蛇》と取引するようになり、《黒の工房》とも関係を築く[77]。
- 帝国宰相になった後、ルーファス、レクター、クレア、ミリアムを《
鉄血の子供たち ()》とする。 - 《リベールの異変》からしばらく後(1203年)、リベール王国を電撃的に訪問した際、同国を去ろうとしていたオリヴァルト皇子と対面し、その別れ際に「宣戦布告」を受け、彼との対決が始まる[97]。同時期に、結社との協力関係を一旦終了する一方、《黒の工房》を自らの勢力に取り込む[77]。
- 「the 3rd」 - 本編部分には登場しない。「星の扉」で登場し、オリヴァルト皇子の《星の扉》で《リベールの異変》後にリベールを電撃訪問した際の話が語られる[97]。
- 「碧」 - 西ゼムリア通商会議に参加するため、オリヴァルト皇子やレクターとともにクロスベル市を訪れる[37]。会議の内外で主導権を握るとともに、会場となったオルキスタワーでロイド・バニングスら特務支援課と対面の機会を設け、その怪物ぶりを印象付ける[96]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院の学院長ヴァンダイクは元上官であるため[319](という口実で)、VII組に実技訓練で使う《戦術殻》の提供などの協力を行う。夏至祭後にバルフレイム宮に招待されたリィンらVII組の前に姿を現し、《帝国解放戦線》による皇族誘拐事件を未然に阻止した彼らをねぎらう。終盤、独立を宣言したクロスベル自治州に対して侵攻する宣言をし、その演説をしている最中に《C》によって狙撃され、消息不明となる[202][注 177]。この時を境に帝国の内戦が始まる。
- 「閃II」 - 死亡したと思われていたが、終盤に姿を現し、結社《身喰らう蛇》が進めていた《幻焔計画》を奪う[206]。この時に主人公リィンの父親であることが明かされ[206]、帝国の内戦もオズボーンの改革派の勝利によって幕を下ろす[111]。貴族派を駆逐し帝国国内を平定すると、共和国に先んじてクロスベル自治州を電撃的に制圧し、帝国領として併呑する[110][111]。
- 「閃III」 - 真の目的である《巨イナル一》の再錬成に向けた計画を着々と進める。夏至祭の祝賀会に際してリィンと話す機会を設け、自分とリィンの過去についてわずかに明かす[77]。《黒の史書》の記述通り、ユーゲントIII世がアッシュによって銃撃されると、それを共和国の工作員によるものとして開戦の口実とし、対共和国の戦争に向けた「国家総動員法」を近日中に成立させることを宣言する[60]。その一方、《黒キ星杯》を顕現させ、《黒の聖獣》を屠るために《根源たる虚無の剣》を錬成し(予定していたアルティナではなくミリアムにより)、その《剣》によって「真なる贄」であるリィンが《黒の聖獣》を滅ぼしたことで、《黒の史書》に記述された通り《巨イナル黄昏》を発動することとなる[134]。《黒の騎神》イシュメルガを呼び出し、ミリアムの死により暴走状態となったリィンを捕らえる[134](「閃III」はここで終幕となる)。
- 「閃IV」 - 《国家総動員法》を成立させ、《黒の工房》や結社とともに共和国との戦争に向けた準備を主導する傍ら[182]、VII組が《黒の工房》に乗り込んだ際に再び登場[51]。この際、ゲーム本編では初めて戦闘に参加し、《終末の剣》を携え、アリアンロードとともにリィンたち新VII組を圧倒する[51]。《最終相克》にあたっては決戦前にVII組全員に対してオズボーンでありドライケルスである人物として悠然と言葉をかけ、彼ら全員を相手どって戦い、《最終相克》の場を整える[209]。しかし、開戦日当日に《最終相克》を行うことは計画にはないものであり、《黒》のアルベリヒからは《巨イナル一》の再錬成が不十分なものになると警告されるがそれを退けて決戦を強行し、騎神同士による《最終相克》の果てにリィンに敗北し、イシュメルガとともに消滅する[209]。真エンドでは狭間の空間でイシュメルガの思念体を倒したリィンのもとに再び現れ、親子として最後の会話を交わして完全に消滅する[211]。
- 人物
- その政治的な手腕から「化物」と呼ばれることが多い。他国や敵対勢力から脅威とみなされている一方、大貴族たちに対しても一歩も引かない姿勢を見せていることから、帝都での人気は高い[233][264]。
- 帝国中興の祖である《獅子心皇帝》ドライケルス・ライゼ・アルノールの生まれ変わりであり[193]、イシュメルガの《起動者》となった頃からか、ドライケルスとしての記憶も持っている[209]。イシュメルガの《起動者》となった後もその支配に屈したわけではなく[212]、同化されつつも鋼のような意思で己を保ち、帝国の敵となることを選択し[209]、自ら悪役を引き受けていた[212]。全ての記憶を取り戻したヴァリマールはそのことに気づいており、青年だったドライケルスと壮年のオズボーンという違いはあるものの、魂の色は同じで、イシュメルガに操られた気配は微塵もないと語る[34]。
- 他人の好意には鈍感なところがあるとともに[193]、他の者たちのために自らを犠牲にしがちな在り方をしており[211]、それらはリィンと共通している。
- 《鉄血の子供たち》についてはほぼ一貫して駒として扱っており、彼らへの感情を語ることはほとんどなかったが、リィンとの別れの最後に、ミリアム、クレア、レクター、ルーファスによろしく伝えるようリィンに託している[211]。
- 《百式軍刀術》
- 帝国の二大剣術流派であるヴァンダール流とアルゼイド流の双方から100ほどの型を取り入れつつ完成した剣術流派[82]。応用の余地は少ないものの、合理的で実戦的な剣術で、帝国正規軍で伝統的に採用されている[82]。
- オズボーンはこの剣術の達人で[192][113]、その極みにあるとされ[51]、帝国最高の武人候補の一人にも数えられている。
-
- オズボーンの《終末の剣》
- オズボーンが携えている《終末の剣》はこの世界で最も強力な物理兵器にして概念兵器だが、「聖獣」を倒すことはできないと語られている[209]。その理由についてゲーム本編中では(「とある理由で」[209]とオズボーンが言うのみで)明言されていないが、この剣はイシュメルガそのもの(=女神の創造物)であるため、ヴァリマールの持つ《終末の剣》(《根源たる虚無の剣》)とは異なり、同じ女神の創造物である聖獣を殺すことはできないという理由付けがされている[書 125]。
- そのため、《巨イナル黄昏》を起こすために《黒の聖獣》を屠るにあたって、オズボーンらは「閃III」で《黒》のアルベリヒが語っているように「魂で錬成した《終末の剣》」[134]を用意しておく必要に迫られていた。
- ダヴィル・クライナッハ
- 登場作:「SC」・「the 3rd」
- 声:山本圭一郎
- 帝国の駐リベール大使。体面にこだわる性質で、性格は尊大かつ頑固。
- 身分不明の帝国人としてリベールに滞在していた「オリビエ」の奇行に頭を痛めていたが、後に彼が皇子であることを知って恐縮することになる[97]。
- 貴族だが、男爵位でしかなく、オズボーンの改革路線も基本的には支持している[97]。しかし、リベール王国駐在を通じて王国の気質に感化されているようで、オズボーンに対しては一種の恐怖を抱いているとも語る[97]。
帝国正規軍
[編集]- ミュラー・ヴァンダール
- 登場作:「FC」・「SC」B→S・「the 3rd」P・「碧」・『閃』・『暁』・『創』
- 声:磯部弘
- 年齢:28歳(「FC」・「SC」)→29歳(「the 3rd」)→30歳(「碧」[書 153]・「閃I」)→32歳(「閃IV」)
- エレボニア帝国における武の名門ヴァンダール家の出身で、帝国正規軍の第七機甲師団に所属する軍人。
- オリビエ(オリヴァルト皇子)[注 178]とは幼馴染みであり、昔から彼の奇行に頭を痛めているが、同時に扱い方も心得ており、時折強引な手段を用いることもある。しかし、オリビエの影の努力を誰よりも知っており、数少ない心許せる「親友」である。
- 剣技の腕は達人クラスで、帝国軍の若手将校の中でもトップクラスの強さで、ナイトハルトとは双璧とされている[291]。漆黒の大剣を片手で自在に振り回し、敵に強烈な攻撃を浴びせる。
-
- 来歴
- 少年時代、オリヴァルト皇子と彼の母アリエルの護衛として、アルスターに派遣され移り住む[309][注 179]。
- 「閃III」の17年前(1189年)、レンハイム家が猟兵によって襲撃され、オリヴァルトの命を救う[309]。その後も皇子の護衛を続け、1193年にトールズ士官学院に入学[注 180]。卒業後は帝国正規軍に入隊し、いずれかの時点で第七機甲師団に配属される[3]。
- 「FC」 - オリビエをサポートするため、大使館駐在武官としてリベールを訪れる[14]。
- 「SC」 - リベール王国軍が押収していたカプア空賊団の《山猫号》の引き取りに霜降り峡谷を訪れ、ヨシュアと交戦[3]。その後、帝国に戻り、オリヴァルト皇子、叔父ゼクスとともに第三機甲師団のハーケン門侵攻に加わる[32]。終章では、アルセイユに砲術士として加わり、エステルたちに協力した[33](PSP版からはプレイヤーキャラクターとして、終章でパーティーに加えることが可能になった[W 10])。
- 「the 3rd」 - 帝国南部のパルム市に滞在していた折に《影の国》事件に巻き込まれる[93]。
- 「碧」 - オリヴァルト皇子の護衛のためにクロスベルを訪れ、「オリビエ」として奔放な性格を発揮して市中を散策している皇子を連れ戻すため、黒い上下のスーツにサングラスをかけた「音楽家のマネージャー」として特務支援課に捜索を依頼する[37]。
- 「閃I」 - オリヴァルト皇子がトールズ士官学院の理事会に出席した際と[272]、カレイジャスでVII組を実習地に送り届ける際に[164]、皇子の護衛としてわずかながら登場し、リィンらと言葉を交わしている。
- 「閃II」 - VII組がカレイジャスに合流した時点でオリヴァルト皇子とは別行動を取っており、第七機甲師団を率いて帝国西部で動いていることが語られている[273]。その後、西部に赴いたオリヴァルト皇子と合流し、各地を転戦。終盤、オリヴァルトらとともに帝都にかけつけ、ナイトハルトとともに魔煌兵と戦う[257]。
- 「閃III」 - 台詞のみの登場。中佐に昇進。ヴァンダール家が皇族の守護職から解任されたことにともない、オリヴァルト皇子の護衛の任を解かれ、ゼンダー門(ノルド高原)に異動した第七機甲師団に原隊復帰する[116][9]。僻地に飛ばされた中、弟クルトが悩みを抱えていることを見抜き、彼を励ます手紙を送る[298]。終盤、帝都の異変に際して帰還が間に合わず、オリヴァルト皇子に後から必ず駆けつけるからそれまで無茶はするなと連絡をする[60]。
- 「閃IV」 - 帝国軍が機甲師団を新設することに伴い、第七機甲師団は解体されその戦力は各師団に振り分けられるが、そのことで監視が緩んだことでオリヴァルト皇子と合流することに成功する[63]。オリヴァルト皇子やシェラザードたちとカレイジャスIIに乗り込み、パンタグリュエルの救援に駆けつける[61]。カレイジャスIIでは操舵を担当していたが、アンゼリカにその座を譲る[63]。その後、ゼクス、オリエとともにオルキスタワーに現れ、リィンらを救援する[172]。終盤、オリヴァルト皇子がシェラザードとの結婚を決めると、彼女も含めて改めて皇子を守り抜く決意を固める[39]。
- 人物
- 武人肌な性格をしている。
- 剣技に長けるだけでなく、機甲化の進んだ第七機甲師団に所属していることもあって導力兵器の扱いにも精通しており[33]、「SC」と「the 3rd」で一時的にアルセイユのクルーとなった際は同艦の砲術士を、「閃IV」でカレイジャスIIが登場した際は同艦の操舵士を務めている。
- リベール王国のユリア・シュバルツとは似たもの同士的な気持ちがあるのか気が合う様子であり、「the 3rd」ではユリアのエピソードにも登場し、手合わせするシーンや、お互いのことを語り合うシーンがある。「閃IV」でも交流が続いており、パンタグリュエルの会談に来ていないことを残念がっている[63]。
- 一方、同郷で元貴族の空賊団カプアー家のことはあまり快く思っていないようで、それゆえにジョゼットにはやや厳しい態度で接することから相性が悪く、「軍人バカ」と呼ばれている。
- ヴァンダール流
- 父マテウスはヴァンダール家の当主にしてヴァンダール流剣術の総師範、叔父のゼクス、異母弟のクルトもヴァンダール流の剣士である。
- 若い時分に同じヴァンダール流には同年齢の外弟子としてオーレリアがいたが、ミュラーは剣の腕で彼女に及ばないことは認めた上で、たゆまぬ努力で自らの剣を完成させた[324]。
- ミュラーは『軌跡シリーズ』中で、ヴァンダール流の使い手として最初に登場した人物で、「SC」終盤のレーヴェ戦で「ヴァンダールの剣」と名乗って剣術流派の存在を初めて示している[20]。
- ナイトハルト
- 詳細は#ナイトハルトを参照。
- ゼクス・ヴァンダール
- 登場作:「SC」・「閃I」・「閃II」・「閃IV」・『創』
- 声:平井啓二(『空』ドラマCD)→島田敏(「閃II」以降)
- 帝国正規軍・中将で、第三機甲師団を率いる師団長。「《隻眼》のゼクス」の異名で知られる。帝国でも5本の指に入る名将であると同時に[32][226]、ヴァンダール流剣術の使い手としても知られ[232]、帝国屈指の剣士の一人に数えられる[1]。
- ミュラーとクルトの叔父で、オリヴァルト皇子には武術と兵法を教えたことがあり、「先生」と呼ばれている[32]。
-
- 来歴
- 「SC」 - 《導力停止現象》の中、帝国軍の先鋒として進発し、蒸気戦車を擁した第三機甲師団を率いてリベール王国のハーケン門に侵攻する[32]。《導力停止現象》に悩まされているリベールの救援を目的としたものであるとして進軍の正当性を主張するが、カシウス・ブライトと共謀して一芝居打ったオリヴァルト皇子の言に従う形で、撤兵は一時的なものにすぎないことを皇子に助言した上で軍を一旦後退させる[32]。
- 「SC」の後、リベールに侵攻した際に独断で進軍を停止させたことがオズボーンの気に障ったらしく、第三機甲師団ごと帝国北方のゼンダー門に左遷される[232]。現地のノルドの民と早々に友好関係を築き、ノルドの若者ガイウスにトールズ士官学院を紹介し、彼の入学を後押しする[226][232]。
- 「閃I」 - ゼンダー門に駐留する第三機甲師団の師団長として登場。特別実習を行うためノルド高原を訪れたリィンらVII組・A班を迎える[226]。
- 「閃II」 - 内戦が始まるとゼンダー門で籠城を続け[325]、ノルド高原にて猟兵団やラマール領邦軍を相手に第三機甲師団を率いて戦う。終盤、ノルティア州を治めるログナー侯が中立に転じたため、同州を通過して第四機甲師団と連携しつつ帝都近郊まで進軍し、自らの剣術の弟子であるオーレリア将軍率いるラマール領邦軍と激突した[239]。
- 「閃III」 - 名前と回想のみの登場。内戦後、ヴァンダール家が皇族の守護職から解任されるのと時期を同じくして、第三機甲師団はオーロックス砦に異動したことが語られる[116][217]。
- 「閃IV」 - ジュノー海上要塞に駐屯していた統合地方軍がヴァイスラント決起軍となり要塞を引き払ったことから[182]、第三機甲師団とともに海上要塞に異動する。トワとプリシラ皇妃を解放するためリィンらVII組が海都オルディスに潜入し、クレアら鉄道憲兵隊、衛士隊と城館で衝突したため、その事態収拾のため出向き、甥のクルトと再会する[274]。それまで、剣士としての実力は伝聞で語られるのみだったが、終盤、ヴィクター・S・アルゼイドの要請により、オルキスタワーにミュラー、オリエとともに救援に駆けつけ、魔甲機兵リヴァイアサンをミュラーとの同時攻撃であっさり粉砕している[172]。この際、《火焔魔人》マクバーンが真の姿でないことにも、一瞥したのみで気づく[172]。
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- 人物
- 帝国軍では革新派にも貴族派にも属さず中立の立場を取り[32]、穏健派の智将として知られる[326]。
- 剣の達人ではあるが、部隊指揮にあたって指揮官先頭で個人の力を前面に押し出すオーレリアやウォレスとは異なり、「剣は剣、軍は軍」という考えのもと、戦場にヴァンダールの武をことさら持ち込んだりはせず、用兵家として戦う[239]。帝国に名将多しといえども、用兵家として勝る者はいないと言われ、部下からの信頼は厚く、「SC」の後で左遷同然でゼンダー門に配置転換された際も、部下たちは高い士気を保っている[232]。
- 異名の通り隻眼で、右目に眼帯をしているが、「SC」と『閃』では位置が左右逆になっていることがある。
- オーラフ・クレイグ
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B・『創』
- 声:磯部弘
- 帝国正規軍・中将で、帝国正規軍の中でも最強の打撃力を誇るとされる第四機甲師団を率いる師団長[233]。エリオットとフィオナの父で、ナイトハルトの上官でもある[233]。
- 「《紅毛》のクレイグ」の名で知られる猛将であるが[233]、家庭では子供たちを溺愛しており、ガレリア要塞では人目もはばからず息子を抱きしめるほどの親バカぶりを見せる[321]。
- しかし、エリオットが音楽の道に進むことだけは、帝国男子としてあるまじきこととして、頑として許さず[注 181]、間接的に彼がトールズ士官学院に入学するきっかけを作る[233]。エリオットに対しては、軍人の息子としてたくましく育ってほしいという気持ちもあるが、「天使のようなエリオットにはそのままでいてほしい」という気持ちもあり、板ばさみとなっている[321]。
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- 来歴
- 「閃I」 - 第四機甲師団は演習のためガレリア要塞に駐屯しており、特別演習で訪れたエリオットらVII組を迎える[321]。《帝国解放戦線》が最新鋭の動力戦車「アハツェン」を遠隔操作した際はいち早く迎撃に向かい、ガレリア要塞近郊にてアハツェンの群れを撃破した[291]。
- 「閃II」 - クレアら鉄道憲兵隊と協力して、ガレリア要塞の演習場跡地に拠点を築き、対機甲兵戦術を確立して貴族連合と交戦を続けている[204]。中盤以降はカレイジャスや鉄道憲兵隊と連携を取りつつ、クロイツェン州の双龍門[310]、ケルディック、バリアハートを制圧。終盤は第三機甲師団と連携して帝都近郊まで進軍し、ウォレス准将率いるサザーラント領邦軍と激突する。《煌魔城》が顕現した後は事態の異常さからウォレス准将と一時休戦し、ナイトハルトをカレイジャスの救援に差し向けた[257]。
- 「閃III」 - 大将に昇進しており、第四機甲師団はドレックノール要塞に移っている[26]。「要請」により要塞を訪ねてきたリィンらを迎え、サザーラント州における結社の蠢動に対して正規軍が動かない事情を語り、その裏面にある事情に気づいたリィンにハーメル村への立ち入り許可証を与える[26]。夏至祭に合わせて第四機甲師団は一時的に帝都鎮守府で帝都防衛の任にあたることになり[217]、この際、ヴァンダイクの依頼でリィンにかつての上官であるオズボーンの過去について話す[192]。
- 「閃IV」 - ドレックノール要塞に戻り、《大地の竜》作戦に向けた準備を進める[68]。アルフィン皇女とティータが要塞に移送されてきたため以降は軟禁し、VII組が救出に来た際はナイトハルトと共闘し、リィンらの前に立ちふさがる[68]。
- ワルター
- 登場作:「碧」[注 182]・「閃I」・「閃II」
- 帝国正規軍・中将で、ガレリア要塞の司令官[321]。要塞付きの守備部隊である第五機甲師団の師団長も兼任している[321]。
- 「碧」ではクロスベル自治州に侵攻した第五機甲師団が《神機》アイオーンTYPE-γによって壊滅させられ、その反撃として、ガレリア要塞の列車砲によりクロスベル市を砲撃しようとするが、アイオーンTYPE-αの空間消滅能力により司令部ごと消滅させられてしまい[131]、消息不明になる。この攻撃により配下の第五機甲師団も一部の後方部隊を残して消滅し、消滅をまぬがれた者たちもほとんどは要塞壊滅後に軍を辞めてしまった[100]。
- 時系列としては前後するが、「閃I」ではガレリア要塞を訪れたVII組の前に登場し、その厳格な人柄からリィンからは「色々な意味で“帝国軍人”を地で行く人」という印象を持たれている[321]。
- 「閃II」でもガレリア要塞壊滅後に行方不明のままであったが、最終盤に発見されガレリア要塞跡で目を覚ます[239][注 183]。
- ルドルフ・アランドール
- 故人。レクターの父親で、1192年時点で帝国正規軍の第十三機甲師団所属、階級は准将[304]。
- ラマール貴族の騎士階級(下級貴族)出身で、「《ハーメルの悲劇》を企てた」とされる主戦派かつ貴族派の将官であり、猟兵崩れにハーメル村を襲わせた首謀者である[304][注 184]。
- 《ハーメルの悲劇》に先んじては、猟兵崩れを使ってオズボーン邸宅を襲わせ、オズボーンの妻カーシャを殺害し、リィンに重傷を負わせた元凶でもある[193]。
- 《百日戦役》では開戦時に全軍のさきがけを務め、第十三機甲師団を率いてハーケン門に侵攻[304]。戦役の停戦時まで生き延びたが、帰国後、ハーメル村の虐殺と偽装の容疑により、極秘の軍事裁判の後に密かに処刑された[304]。
- 小心者であり、妻には逃げられ、男手ひとつでレクターを育てていた[304]。処刑直前に書いたレクターに宛てた最期の手紙の中では、レクターへの言葉のほか、自分がしたことへの後悔と「どうして魔が差してしまったのか」という困惑を綴る[304]。
鉄血の子供たち(アイアンブリード)
[編集]ギリアス・オズボーン子飼いの若者たち。
- レクター・アランドール
- 登場作:「the 3rd」・『VII』・『暁』・「閃I」・「閃II」・「閃III」S→B・「閃IV」B→O・『創』P
- 声:森田成一
- 年齢:22歳(「零」[書 154]・「碧」[書 155]、「閃I」)→24歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 《
かかし男 ()》の異名をもつ帝国軍情報局の士官。状況によって、二等書記官の肩書きも使い分ける。- 来歴
- 11歳の時(1192年)、《百日戦役》後に父ルドルフが《ハーメルの悲劇》の元凶として密かに処刑され、レクターも証拠隠滅を図った大貴族により殺害されそうになるが、(父を処刑に追いやった)オズボーンによって保護される[304]。その後、オズボーンが新設した帝国軍情報局で準スタッフとして手伝いを始める[304]。
- 1200年、オズボーンの援助で[96]、リベール王国のジェニス王立学園に留学する[74]。やりたい放題して学生生活を送りつつ翌年には生徒会長をしており、学園に通い始めた頃のクローゼとも交流し、その後、理由を告げずに学園を突然退学[74]。リベールを去って帝国に帰国したのを機に、情報局に正スタッフとして加わる[304]。
- 1203年、《導力停止現象》が起きている最中のリベール王国にハーケン門経由で徒歩で入国し、王都グランセルのエレボニア帝国大使館に二等書記官として着任[97]。《リベールの異変》が終息した後、オズボーンによるリベール電撃訪問に際して、彼に同行してクロスベル経由で帝国に帰国[97][130][注 185]。
- 「零」 - 《黒の競売会》に合わせてクロスベル入りする[138]。派手なシャツ姿で登場し、船上でウクレレを弾きながら歌を披露する、議長邸宅内や住宅街の川で釣りをするなど、やりたい放題の性格はほとんど変わっていない[138]。IBC防衛戦時には、IBCの正門前で進攻する警備隊との激戦を展開する特務支援課を観察し、一連の騒動にオズボーンの関与を疑わせる言動を見せる[147]。
- 「碧」 - 《赤い星座》によるクロスベル進出に一役買い[104]、いったん帰国した後、西ゼムリア通商会議ではオズボーンとともに再びクロスベルに来訪し[37]、クローゼ(クローディア王太女)とも再会する[96]。会議後は再び帰国するが、クロスベルでディーターが自らの大統領就任とIBCの資産凍結を撤回しなかったため、その真意を探るためオズボーンの指示を受けて三度クロスベルを訪れ、キリカとともに支援課の前に姿を現す[118]。その後、「調べることが色々とあったから」と称してクロスベルへの滞在を続け、特務支援課がクロスベル市に戻ってくると再びキリカとともに彼らの前に現れ、クロスベル市解放作戦への協力を申し出る[8]。この作戦に際して、それまで明かされなかった身体能力と戦闘能力をわずかに披露する[8]。
- 「閃I」 - テロリストの工作によって共和国軍との間で一触即発の状態となったノルド高原に現れ、巧みな交渉で事態を収束させる[259][注 186]。終章では、クロスベルに行ったまま行方不明となっていることが語られている[202]。
- 「閃II」 - 物語の終盤に登場。《碧の大樹》の消滅をもってクロスベル側の動きに一区切りがついたことで、カレイジャスに連絡を取り、ユーゲントIII世らがカレル離宮に囚われていることをリィンらに伝える[170]。《煌魔城》での戦いが終わった後、クレアらとともに緋の玉座に現れ、《鉄血の子供たち》の筆頭がルーファスであった事実にはたまげたと感想を漏らす[206]。その後、占領下のクロスベルにオズボーン宰相とともにルーファス総督就任に赴き、リィンにロイドたちの作戦の阻止と阻止失敗後の策を講じる。
- 「閃III」 - 再び動き始めた結社への対策として、リィンに「要請」を伝えにたびたび現れる。終盤、アルティナの扱いには納得いかないものを感じていたものの、《黒キ星杯》では《鉄血の子供たち》としてVII組の前にたちふさがる[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》でミリアムを救えなかったことを悔いており、一方で《巨イナル黄昏》の影響により直観がさらに強化される[327]。最終的に《鉄血の騎士》となってクレアとともにリィンたちVII組の前に敵として立ちはだかり、VII組と対峙する[327]。最終決戦の後、クレアともども極刑となることを覚悟するが、ルーファスに戦後の帝国の混乱収拾と再建のために尽くすよう説かれ[212]、逮捕を免れ、帝国軍情報局(政府直属の地位は失った)の責任者として帝国内の混乱収拾に尽力することとなる[35]。
- 人物
- 飄々とした言動で周りの人間を煙に巻いてしまう掴みどころのない人物[64]。
- 特に意識せずとも、あらゆる物事の本質や行方が見えてしまう天賦の才を持つことから[92]、交渉事には長けており、政府が関わる裏交渉を全て成功させてきたことから《かかし男》の異名をもつ[64]。《グノーシス》によって運と勘が強化されたガンツにポーカー勝負で勝ってしまうなど[103]、常識を外れたところがある。シグムントからも「黒月のメガネとはいい勝負」と評され、能力を認められている。
- 「なんとなく」の勘で真相に至ってしまうため、論理的に筋道立った考え方をするG・シュミットとは相性が悪い[113]。
- ジェニス王立学園では、学園史上最もチャランポランだったのになぜか多くの成果を残した生徒会長として色々な伝説が残っている[10]。基本的に奔放でだらしないが、物事の本質的部分をとらえていることから人望があったとされる。
- シロハヤブサのジークと会話できる[97]。
- オズボーンに対しては(恨んでいたという描写はないものの)父親の仇という意識があり、どこかで裏をかいて寝首をかこうとしていたが[74]、それは果たせず、オズボーンに最後まで協力することになる[327]。
- クレア・リーヴェルト
- 登場作:「閃I」・「閃II」P・「閃III」S→B・「閃IV」B→O・『創』P
- 声:松来未祐(「閃I」・「閃II」)→小清水亜美(「閃III」・「閃IV」)
- 年齢:24歳(「閃I」[W 33]・「閃II」[W 12])→26歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- 《
氷の乙女 ()》の異名を持つ鉄道憲兵隊所属の士官。 - オズボーン子飼いの《
鉄血の子供たち 》の一員で、ルーファスの存在が明らかになるまでは彼女が「筆頭」と思っている者もいた[220]。 -
- 来歴
- 実家は楽器メーカーのリーヴェルト社を営んでいたが[注 187]、「閃III」の11年前(1195年)[注 188]に起きた導力車同士の衝突事故で両親と弟のエミルを失い、同乗していたクレアは奇跡的に助かり、同社の副社長をしていた叔父一家に引き取られる[278]。この事故で《統合的共感覚》に目覚めたクレアは、遺品を整理している内に、過去の帳簿から叔父が詐欺紛いの商法で莫大な利益を上げていたことと、父が叔父を質そうとした矢先に事故が起きたことに気づいてしまう[278]。叔父を問いただすが居直られてしまい途方に暮れていたところで父の旧知だったオズボーンが現れ、仇討ちの助力を申し出た彼の助言に従って事件の証拠を集め、最終的に叔父を処刑台に送る[278]。裁判には勝ったものの、叔父の家族である叔母、従兄のミハイル、従妹のイサラとは断絶してしまうことになる[278]。
- 「閃I」の5年前(1199年)、トールズ士官学院に入学する[216][注 189]。2年後(1201年)、士官学院を卒業して、鉄道憲兵隊に入隊し、従兄であるミハイル・アーヴィングと再会する[302]。
- 「閃I」 - 鉄道憲兵隊所属の憲兵大尉として登場。ケルディックで初めての特別実習を行っていたリィンらの前に現れ、クロイツェン州の領邦軍によって窮地に追い込まれていた彼らを助ける[328]。その後もリィンらの前にたびたび現れ、協力する。帝国内で暗躍する《帝国解放戦線》の動向を追い、終盤では《C》の正体を掴むが、一歩及ばず、オズボーンを狙撃されてしまう[202]
- 「閃II」 - 内戦が始まるすぐにクレイグ中将に連絡を取り、鉄道憲兵隊とともにガレリア要塞の演習場跡地に陣地構築をする手伝いをし、分断された機甲師団の立て直しを図る[204]。リィンらが拠点を訪れた際に同行を申し出、合流する[204]。VII組が合流し、オリヴァルト皇子らからカレイジャスを託されたのを機に、鉄道憲兵隊の指揮に戻るため一行と別れた[273]。VII組と別れたあとも、鉄道憲兵隊を率いて共同で作戦を行うなど継続して協力を行った。内戦終結後は真実を知ったリィンに距離を置かれるが[329]、レクターから助言されて思いを素直に伝え、和解した。
- 「閃II」と「閃III」の間、クロスベル軍警学校の臨時教官を務めたことがあり、その際にユウナ・クロフォードを教えた[113]。ユウナが軍警学校の単位を取り消された時は、彼女に助力し、トールズ士官学校・第II分校行きを勧める[113]。
- 「閃III」 - デアフリンガー号引き渡しのため、第II分校を訪問しリィンらと再会する。その後、クロスベルで鳥籠作戦の実働部隊を指揮し、特務支援課関係者の封じ込めを担当する[116][274]。この際、帝国の呪いの依り代としての力が発現しつつあり、無意識に呪いの強制力(因果律制御)を行使したことで、本来は困難な任務を達成する[274]。《巨イナル黄昏》が始まるとその力を自覚的に用いることができるようになり、瞳に文様が浮かぶようになる[274]。終盤、レクターと同様にアルティナの扱いには納得いかないものを感じていたものの、《黒キ星杯》では《鉄血の子供たち》としてVII組の前にたちふさがる[134]。
- 「閃IV」 - 引き続き《鉄血の子供》としての任務にあたるが、「閃III」でアルティナを見捨てようとしたことと[327]、ミリアムを犠牲にしたことについての後悔を終始持ち続ける[10]。序章ではオルキスタワーに潜入したロイド、エステルらを迎え撃ち、さらに海都ではリィンらの前にたちはだかる[274]。最終的に《鉄血の騎士》となってレクターとともにリィンたちVII組の前に敵として立ちはだかり、VII組と対峙する[327]。最終決戦の後、レクターともども極刑となることを覚悟するが、ルーファスに戦後の帝国の混乱収拾と再建のために尽くすよう説かれ[212]、逮捕を免れ、鉄道憲兵隊(政府直属の地位は失った)の責任者として帝国内の混乱収拾に尽力することとなる[35]。
- 人物
- どんな状況でも冷静に対処でき、優れた先読み能力と用兵術を持つことから、帝国正規軍はもちろん、貴族直属の領邦軍にまでその名を知られている。ただし、鉄道憲兵隊は沿線で事件が起きれば「輸送の安全確保」の名目で貴族の領地にも介入できるため、貴族や領邦軍からは疎まれている。
- 戦闘では導力銃を得物とし、その腕前は神技とも称されている。
- リィンを気にかけていた理由については、事故で亡くなったエミルをリィンと重ねていたところもあったと打ち明けている[278]。
- リィンがオズボーンの息子であることは雰囲気や顔立ちがどこか似ていることやオズボーンがVII組に意外なほどに関心を示していたことから薄々気づいていた[329]。
- ミリアム・オライオン
- 《
白兎 ()》の異名を持つ帝国軍情報局のエージェント。詳細は#ミリアム・オライオンを参照。 - ルーファス・アルバレア
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」B・「閃IV」B・『創』P/B・「界」P/B
- 声:平川大輔
- 年齢:27歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→29歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- ユーシスの兄で、アルバレア公爵家の次期後継者[198]。『閃』から登場するキャラクターで、『創』では主人公となる。
- 「閃I」から「閃II」終盤まで謎だった《
鉄血の子供たち ()》の「筆頭」であり[206][注 190]、最も初めに《鉄血の子供たち》になった人物でもある[330]。《翡翠の城将 ()》の異名を持つ[206][注 191]。 -
- 来歴
- ヘルムート・アルバレアの妻と弟との間にできた不義の子として生まれる[134]。家名に傷がつくことを嫌ったヘルムートにより、ヘルムートの実子として育てられる[134]。
- ルーファス自身も自分の生まれは知っており、平民の血が流れているからという理由で実子のユーシスを家から遠ざけ、血統のために自分を後継者に据えた父ヘルムートを見て、貴族制度や貴族社会そのものに疑問を抱く[134]。
- 「閃III」の12年前(1194年)、軍部出身の平民宰相であるオズボーンの力量と、仕掛けた人間に気づけるかを試すため、ヴァルカン率いる猟兵団アルンガルムをオズボーンに差し向けるが彼らは返り討ちに遭い全滅する[330]。その後、帝都近郊で行われた鷹狩でテオ・シュバルツァーに引き合わされたオズボーンに、その事件の首謀者が自分であることを看破され、内心も言い当てられたことで、ルーファスはオズボーンを「真の父」と考えると申し出て、《
鉄血の子供たち 》の最初の一人になった[330]。
- 「閃I」 - トールズ士官学院の3名の理事の一人として、リィンらの前に姿を現す。帝国の貴族制度を擁護する意見をしばしば述べる[272]。
- 「閃II」 - 貴族連合の「主宰」であるクロワール・ド・カイエン(カイエン公)の下、貴族連合軍の総参謀となり、東西の正規軍を合流させないことを基本方針として据え[200]、正規軍の機甲師団を各地で分断する手腕を見せる[260]。終盤、《煌魔城》におけるリィンらの戦いが終結した後にオズボーンとともに現れ、VII組やクロワ―ルに自らの正体を明かし、貴族との争いを「なるべく穏便かつ角を立てず、しかし確実に貴族勢力の力を削ぐ形で」収拾するという課題をオズボーンから与えられていたことを明かす[206]。
- 内戦後は帝国正規軍と領邦軍の力を結集した「クロスベル征討軍」の総司令に任命され、クロスベル自治州を電撃的に無血占領し、共和国軍の侵攻もすべて退ける[111]。クロスベルの占領を確固なものとしたことで帝国はクロスベルに総督府を開設し、ルーファスが初代総督となる[111]。
- 「閃III」 - クロイツェン州をユーシスに委ね、自身はクロスベル総督として占領地政策を続け、その統治によってクロスベル市民の帝国への反発を着々と薄めていく[64]。一方で、大戦に向けた陰謀を巡らせ、夏至祭に合わせて、共和国の特務作戦艇がクロスベル上空を通過するのを故意に見逃して帝都ヘイムダルに共和国工作員が潜入する状況を作り上げ[331]、夏至祭の祝賀会でユーゲントIII世がアッシュに撃たれると、彼を共和国工作員とみなすことで開戦に向けた口実を作る[113]。《黒キ星杯》では、《
鉄血の子供たち 》の3人を率いてユーシス、マキアス、エリオットと戦い、ユーシスに自らの生まれの秘密を明かす[134]。 - 「閃IV」 - 《大地の竜》作戦の共同立案者として[61]、作戦実行に向けて動く傍ら、帝国領となったクロスベルの中で最も霊力の高い湿地帯で《金の騎神》エル=プラドーの起動者となる[148]。《第三相克》でヴァリマールに敗れた《銀の騎神》アルグレオンを背後から騙し討ちして討ち取りその力を奪うが[172]、《第五相克》で圧倒的な優位を築いたにもかかわらずリィンやユーシスたちVII組に敗れる[312]。敗因をユーシスらに問いかけ、人の絆に頼らなかったことだと異口同音に応じられて得心し、最後はユーシスに一発殴られて気絶する[312]。すべてが終わった後、極刑を覚悟するレクターとクレアに帝国の混乱収拾と再建の一翼を担うよう説き、オズボーンの咎は《鉄血の子供たち》の筆頭として自分が受けることを告げ[212]、自分だけが逮捕される[35]。その後、クロスベルからの帝国正規軍の撤退が始まるが、総督府治安部隊(総督親衛隊)はそれを了承せずクロスベル市内全域を占領したため、ルーファスはかつての部下である彼らに呼びかけを行うという形で帝国に協力したことが語られる[35]。
- 『創』 - 大戦開戦の罪でオーロックス砦に拘置されていたが、《黒の衛士隊》が自分を暗殺しようとしたのを返り討ちにする。実行犯の衛士から、「クロスベル再事変計画」及び「計画の為に狙っている謎の「トランク」」の情報を聞き出した彼は、《鉄血の子供たち》筆頭及びクロスベル初代総督として、クロスベルを襲う事態の解決に動くと決め、衛士隊に便乗して脱獄。翌日に自分の偽者が「新総統」を名乗りクロスベルを再占領した事を知った後は、《新生帝国解放戦線》のリーダー《C》を名乗って犯行声明を帝国軍情報局に送り、トールズ新旧Ⅶ組に表側の事態の対処を任せ、自身はオーロックス峡谷道に赴き、スウィンとナーディアが運んでいたトランクを確保。中にいた少女の人形ラピスの失われた記憶が事件のカギを握ると判断し、スウィンとナーディアを高額のミラを提示して雇い、《新生帝国解放戦線》を結成。ラピスの記憶を取り戻す為に帝国とクロスベルを巡り、事件の背後の真相を知る。その後は特務支援課及びトールズ新旧Ⅶ組をはじめとする面々と合流し、クロスベル解放作戦及び創(はじまり)の翼作戦に参加。最後は自身の罪を償う為に《逆しまのバベル》を破壊すべく、新総統のフリをして人々の憎悪を煽る演説を行い、《天の雷(ケラウノス)》の標的をバベルに向けさせバベルと運命を共にしようとしたが、《エリュシオン》が削除前に行った未来予測でそれを知ったラピス、スウィン、ナーディア、ユーシス、ロイドに「強制連行」され生還。演説直前の戦闘で追った怪我及び高温のバベル内部に長時間いた事での火傷の治療を受け、1週間後に聖ウルスラ医科大学で目を覚ます。大戦開戦の罪に加え、偽者が行ったクロスベルでの一件や脱獄も加味すると極刑は確実だったが、オリビエから「《逆しまのバベル》は「ルーファス・アルバレア」と共に消滅した」として「公的には死亡扱いとして存在しない人間となる」沙汰が下される。直後、ラピスから「《エリュシオン》を生み出した世界を知る為の旅」に誘われて応じ、退院後は、ラピス、スウィン、ナーディアと共に世界を巡る旅に出た。
- 人物
- 宮廷剣術では右に出る者がいない達人とされ[113]、アルバレア家に伝わる聖剣イシュナードを携えている[312]。「閃II」ではユミルでリィンを除くVII組全員を一人で相手にして剣と導力魔法で圧倒した[252]。ユーシスとセドリック皇子には剣術の手ほどきをしたことがある[113]。
- オズボーンのことは乗り越える対象とみなしており、従属し続けるつもりはなく、リィンとの《相克》に勝利したら、不死者となった上でオズボーンに《最終相克》を挑むつもりだったという[312]。
- 効率や合理性を重視する性格で、あらゆる場面で優秀な才能を有しているが、故にあらゆる事を一人でこなし、仲間に頼らない面があり、それが《相克》での敗因となった。内心ではトールズ士官学院での生活で得た仲間に囲まれた弟に羨望を抱いていると同時に、自身は人の絆には無縁であると考えていたが、『創』での旅を通じてラピス、スウィン、ナーディアとの絆を得た。
四大名門
[編集]エレボニア帝国でも絶大な権力を持つ貴族たち。
カイエン公爵家
[編集]- クロワール・ド・カイエン
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- 声:島田敏(「閃II」)
- 《四大名門》筆頭とされるカイエン公爵家の当主(カイエン公爵)で、エレボニア帝国西部にあるラマール州の統括者(領主)[196]。ゲーム本編では基本的に「カイエン公」と呼ばれている。
- 貴族派でもヘルムート・アルバレアと主導権を争う存在であり、内戦時に決起した貴族連合では「主宰」を務める[注 192]。ミルディーヌ(ミュゼ)にとっては叔父にあたる。
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- 来歴
- 「閃III」のおよそ10年前(1195年もしくは1196年)[124]、本来家督を継ぐはずだった兄アルフレッドが海難事故で死去したことにより、カイエン公爵家当主の後継者となり、ほどなく当主の座を継ぐ[305][注 193]。この際、兄の娘であるミルディーヌは帝都に遠ざける[305]。
- 「閃II」の3年ほど前(1201年頃)、クロウ・アームブラストとヴィータ・クロチルダを援助し、《帝国解放戦線》の結成を後押しする[282]。
- 「閃III」の4年前(1202年)[9]、G・シュミットに新兵器の開発を依頼して機甲兵の用意を始めるとともに、パンタグリュエルを建造するなどし、来たる内戦の準備を密かに進める[260]。この際、クロウが入手した《蒼の騎神》オルディーネの情報がシュミットに提供されるよう取り計らう[260]。
- 「碧」 - 登場はしない。西ゼムリア通商会議を襲撃した《帝国解放戦線》の背後にいる人物として語られている[96]。
- 「閃I」 - バリアハートへ行く道すがらレグラムのアルゼイド子爵邸を訪れ、子爵を貴族派に勧誘するとともに、正規軍への教練を止めるよう釘を刺す[196]。
- 「閃II」 - 貴族連合の実質的な主宰となり、貴族連合軍総参謀となったルーファスの働きもあって内戦を優勢に進める[200]。《灰の騎神》の乗り手となったリィンを味方に引き入れることを早くから画策し[200]、パンタグリュエルに半ば強制的に招いた際に、オズボーンのやり方があまりに理不尽だったから自分たちが事を起こしたのだと訴え、懐柔を図る[205]。終盤に野望のすべてをリィンたちに打ち砕かれてもなおセドリックを人質にとって抵抗するが、最後はアルティナによって拘束され、正体を現したルーファスと生存していたオズボーンから彼らの掌の上で踊らされていた事実を突きつけられ、気絶する[206]。
- 「閃III」 - 登場はしない。本編開始時点では拘留が続いていたが[332]、クロスベル事変に際してクロスベル独立国と共謀してガレリア要塞を破壊したこと[注 194]、内戦中に帝都を占領して皇族を幽閉したことが決め手となり、内乱罪、外患罪などの罪で無期懲役の判決を言い渡される[333]。
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- 人物
- カイエン公爵家は近隣諸国を凌駕する財力を持ち、クロワール自身はそれに見合った派手さと豪奢さを好み[198][W 34]、見た目はオレンジ髪の優男という風貌をしている。飄々としたつかみどころのない人物で、ヴィクターや《灰の騎神》の乗り手となったリィンのような潜在的な敵対者を懐柔して取り込もうとするしたたかさも持っている。
- 実はカイエン公爵家には《獅子戦役》でドライケルス帝に敗れ後世に《偽帝》として伝わるオルトロス・ライゼ・アルノールの血が流れており、真の目的は皇族への復讐と自身がエレボニア帝国の支配者になることであった[206]。
- ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 海難事故で亡くなったアルフレッド公子(クロワールの実兄)の忘れ形見で、現在のカイエン公であるクロワールの姪にあたる。世間からはその存在は隠されており、バラッド侯も自身が弾劾に至った際までその存在を知らなかった[218]。詳細は#ミュゼ・イーグレットを参照。
- ヴィルヘルム・バラッド
- 登場作:「the 3rd」・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:馬場圭介
- 侯爵。先代カイエン公の弟で、クロワールの叔父[278]、ミルディーヌの大叔父にあたる[218]。
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- 来歴
- 「the 3rd」 - 物語冒頭、ルシタニア号の乗客として登場するのみ[91]。
- 「閃III」 - 「閃II」後に逮捕された甥クロワールは実子も親戚も持たなかったため、領主不在となったラマール州の暫定統括者に就任した。《結社》による《実験》によって4つの猟兵団が州内に入り乱れているにもかかわらず保身しか考えておらず、自身を警護させるためにウォレス将軍を振り回した結果、4基の列車砲を拿捕されて州都を混乱に陥らせる。さらには、自身だけがジュノー海上要塞に逃亡して《結社》と《北の猟兵》に陥落されるという失態を演じる。事件解決後に改めて執り行われた領邦会議では、失態の責任を問われるとともに度重なる公費の私的乱用が露見し、次期カイエン公爵候補から除外され[注 195]、継承の権利を持つミルディーヌが突如現れたことにより完全に失脚する[218]。表向きには列車砲が奪われた経緯とジュノー海上要塞を手薄とした2点について領邦会議で弾劾声明が出され、ユーゲントIII世がそれを追認したことで[333]、暫定統括者から外される[274]。
- 失脚した後も味方に付きそうな有力者を集めて再起を図ろうと画策しており、帝都の夏至祭を訪れ、かつての支援者から投資の損害賠償を求められて言い争ったり、戒厳令が敷かれている中でも競馬場やサロンで享楽に興じようとしたりするなど、その言動はリィンたちから呆れられている。
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- 人物
- 浪費家として知られ[91]、愚かで強欲ながら、己の益には恐ろしく聡く、抜け目ないと評されている[171]。
- 統治能力には一定の評価があるが、自らの利益のためなら革新派に牛耳られている帝国政府と組んで他の貴族たちを追い落とすようなこともいとわず、そうした所業から、帝国貴族にあるまじき厚顔無恥とユーシスに評されている[278]
- 己の財産と利益を守ることにおいては天才的だが、目先の欲に振り回されるタイプであるため、「閃IV」では帝国政府にいいように利用されてしまう[68]。
- 「閃III」で再登場する際にデザイン画が起こされ、外見はファーなどクロワールと服装に共通点を持たせつつ、クロワールよりも下品に見えるようデザインされている[書 156]。
アルバレア公爵家
[編集]- ヘルムート・アルバレア
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- アルバレア公爵家の当主(アルバレア公爵)で、エレボニア帝国東部にあるクロイツェン州の統括者(領主)。ゲーム本編では基本的に「アルバレア公」と呼ばれている。
- 当主を務めるアルバレア公爵家はカイエン公爵家と並ぶ大貴族であることから、貴族派が貴族連合を結成するにあたり、クロワール・ド・カイエンと《四大名門》の主導権を争っている[196]。
- 来歴
- 「閃I」から27年前(1177年頃)、妻と弟の間にできた子ルーファスを不義の子と知りつつ公爵家の名誉のために実子とした[134]。
- 「閃I」から17年前(1187年頃)、自身と平民の女との間に生まれた子ユーシスを疎んじ、母子ともに公爵家から遠ざける[198]。
- 「閃I」 - リィンらが特別実習でバリアハートを訪れた際に登場し、ユーシスに寒々しく言葉をかける[198]。
- 「閃II」 - 貴族派(貴族連合)ではカイエン公とともに中核を担っているが、主導権を彼に握られている現状に苛立っており、主導権を握るために《北の猟兵》を雇い[221]、アルフィンを捜索させ、ユミルを襲撃させるなどする[200]。ついには正規軍が駐留していたケルディックを焼き討ちしたことでカイエン公とルーファスから完全に切られることとなり、オーロックス砦でカイエン公の要請を受けたデュバリィにその事実を知らされて愕然とした後、ユーシスによって捕縛された。その後はアルバレア邸に軟禁され、返り咲きをもくろみつつ酒浸りの生活を送っていたが、ユーシスに諫言され態度を若干改める[239]。
- 「閃III」 - 登場はしない。貴族連合の一方の首魁であるカイエン公の判決が下され、アルバレア公への審理はまだ継続中であるということが『帝国時報』で報じられている[334]。
- ルーファス・アルバレア
- ヘルムートの長男。詳細は#ルーファス・アルバレアを参照。
- ユーシス・アルバレア
- ヘルムートの次男。
ログナー侯爵家
[編集]- ゲルハルト・ログナー
- 登場作:「閃II」
- ログナー侯爵家の当主(ログナー侯爵)で、エレボニア帝国北部にあるノルティア州の統括者(領主)。ゲーム本編では基本的に「ログナー侯」と呼ばれている。
-
- 来歴
- 「閃I」 - 直接の登場はしない。ガレリア要塞とザクセン鉱山での働きを認められたリィンらVII組がバルフレイム宮でユーゲントIII世に拝謁した際に、対面した人物の一人として語られている[195]。幕間では、アンゼリカがザクセン鉱山に介入したことに怒り、トールズ士官学院の退学届を無断で提出してしまう[参 1]。
- 「閃II」 - 内戦が始まると、貴族連合が帝都を占領したことには後ろめたさを感じていたこともあり、反発するアンゼリカには「お前が正しいと主張するなら俺を力ずくで納得させてみせろ!」と言って家からの出奔を妨げず、自らは《
黒龍関 ()》で領邦軍の指揮を執る[230]。中盤にアンゼリカと機甲兵を使っての壮絶な親子喧嘩をした末に敗北し、和解したことで貴族連合を離脱して中立を宣言した[230]。内戦後は、臨時の領邦会議が開かれ戦後処理や査問が始まったカイエン公とアルバレア公に対する処遇などをルーファスやハイアームズ侯と話し合う予定であることが語られている[190]。 - 「閃III」 - 登場はしない。内戦で貴族連合に加担したことに対しての謹慎を未だに続けており、内戦の翌々年の領邦会議にも参加をせず[171]、アンゼリカに名代を頼む[278]。ユーゲントIII世からは復帰を望まれている[113]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。カレイジャスIIの建造にあたって資金提供を行った一人であると語られている[63]。
-
- 人物
- 非常に強い気性の持ち主で、領地内で問題が起きた際は強行的な対応を好む傾向があるとされる[198]。有事の際には先頭に立って指揮するなど貴族派きっての武闘派であり、州都である鋼都ルーレのラインフォルト社やルーレ工科大学から得た最新鋭の兵器を精力的に導入している。娘のアンゼリカの奔放な生き方には手を焼いており、VII組の特別実習先であるルーレで帝国解放戦線との動乱に彼女が介入したことに怒り、トールズ士官学院から退学させて実家に連れ戻している。ただ、お見合いを条件として学院祭に行くことを許すなど、基本的には親バカである。
- アンゼリカ・ログナー
- ゲルハルトの長女。詳細は#アンゼリカ・ログナーを参照。
- ハイデル・ログナー
- 登場作:「閃II」
- ゲルハルトの弟で、アンゼリカの叔父[228]。ラインフォルトグループの《第一製作所》の取締役を務めている[228]。
- 四大名門に連なる貴族であることを鼻にかけており、自分より身分や権威が下の者に対しては高圧かつ傲慢な態度で接する一方、権威が上の者には頭が上がらずこびへつらうなど、根は卑屈な小心者。ゲルハルトやアンゼリカとは折り合いが悪く、2人のことを揃って「無意味なプライドで自分を縛っている」と見下している。
- 「閃I」では、《第一製作所》による鉄鉱石横流しに関与していることが語られている[228]。
- 「閃II」では、貴族連合が発足し、ルーレが貴族派によって制圧されて以降、会長であるイリーナを病気という名目で軟禁してラインフォルト社を実質的に乗っ取る[230]。ラインフォルト家の居住区画にまで上がり込んで好き放題していたが、リィンやアリサ、アンゼリカたちの活躍によってイリーナを解放され、本社に乗り込まれて追い詰められると、《風の剣聖》のデータをインプットした人形兵器《レジェネンコフ零式》を繰り出すも撃破され、敗北する[230]。イリーナに対し、貴族連合にすべての責任を転嫁して言い逃れようとするものの、先述の好き勝手を知った彼女から制裁されて拘束される[230]。
ハイアームズ侯爵家
[編集]- フェルナン・ハイアームズ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:森岳志
- ハイアームズ侯爵家の当主(ハイアームズ侯爵)で、エレボニア帝国南部にあるサザーラント州の統括者(領主)。ゲーム本編では基本的に「ハイアームズ侯」と呼ばれている。
- 四大名門の一角に数えられる大貴族で貴族派に属するものの穏健派であり[198][237]、他の三家の当主とはやや距離を置いている。
-
- 来歴
- 「閃I」 - 直接の登場はしない。ガレリア要塞とザクセン鉱山での働きを認められたリィンらVII組がバルフレイム宮でユーゲントIII世に拝謁した際に、対面した人物の一人として語られている[195][注 196]。
- 「閃II」 - 登場はしない。内戦が始まってからも、戦火を逃れた難民たちを手厚く保護する[310]など抜け目ない立ち回りを披露しており、家名を傷つけることなく終戦を迎える。内戦後は、臨時の領邦会議が開かれ戦後処理や査問が始まったカイエン公とアルバレア公に対する処遇などをルーファスやログナー侯と話し合う予定であることが語られている[190]。
- 「閃III」 - 特別演習でサザーラント州を訪れたリィンを館に迎え、要請を伝える[237]。
- 「閃IV」 - 後方から《黄昏》に対抗する。ログナー侯から密かに連絡を受け、カレイジャスII建造のの資金提供を行っていたことを語る[63]。
-
- 人物
- 四大名門当主のほかの3名と比較して癖がなく、物腰は穏やかで、気さくな人柄だが、それでも一筋縄では行かない人物なんだろうなという印象をリィンから持たれている。
- 内戦後に貴族派が弱まった中でもその高い統治力と世渡りの上手さで侯爵家を存立させており、長子ライアンは外国の駐在武官、次子アレックスはジュライの高官[290]、そしてパトリックは侯爵家の名代として海都の暫定統括者であるバラッド侯や領邦会議の世話役を務めさせるなど要職に就かせており、ハイアームズ家の強かさを垣間見せている。また、「閃III」では代替わりが始まっている四大名門や他の貴族に対し、良き相談役のような立ち位置も担う。
- 柔軟な統治を行っていることから、領地であるサザーラント州の住民からの不満も少ないとされ[198]、パトリックからもバランス感覚は大したものだと評されている[171]。
- 執事セレスタンのことは息子のようなものと思っており[113]、セレスタンからも「筋をしっかり通せばわかってくれる方」と尊敬されている[276][書 157]。
- ユーゲントIII世からの信頼も厚く、「閃III」では皇帝に対して(内戦の責任を取り)「叶うことなら謹慎したく」もあると話したところ、謹慎されたら帝国の片輪が回らなくなると応じられている[113]。
- ゲーム本編では「閃I」と「閃II」で四大名門当主の中で唯一人だけ直接の登場がなく、「閃III」でようやく本編に登場した。
- パトリック・T・ハイアームズ
- フェルナンの三男。詳細は#パトリック・T・ハイアームズを参照。
- セレスタン
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:松原大典
- ハイアームズ家に仕える男性執事[注 197]。眼鏡をかけている。
- すべてを完璧にこなす万能執事であり、主筋のパトリックに対しても至らない点があれば注意しているが、パトリックから疎まれることはなく、むしろ兄のように慕われている[276]。
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- 来歴
- 「閃I」 - パトリック付きの執事として、トールズ士官学院の第一学生寮に住む。ハイアームズ公爵から急に呼び出され、まだパトリックの側から離れたくないという思いから解決方法を探っていたが、事情をリィンに話したことで吹っ切れ、自分の気持ちを侯爵にまっすぐ伝えることを決意する[276][書 157]。
- 「閃II」 - 内戦では《騎士団》を結成したパトリックの成長を認め、お目付役としてではなく背中を預け合う仲間として、士官学院奪還を目指し乗り込んできた《VII組》と対峙する。
- 「閃II」の後は引き続き士官学院に在学を続けるパトリックを残して、セントアークに戻る[237]。
その他の貴族とその関係者
[編集]- エリゼ・シュバルツァー
- 登場作:「閃I」・「閃II」P・「閃III」・「閃IV」O・『創』P
- 声:後藤沙緒里
- 年齢:15歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[200][W 12])→17歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- リィンの義妹で、テオ・シュバルツァー(シュバルツァー男爵)の実子。
-
- 来歴
- 「閃I」の12年前(1192年)、リィンが父テオに引き取られるが、彼が養子とは知らぬまま、実の兄と思って懐いて育つ[参 1]。
- 「閃I」の8年前(1196年)、リィンと二人で渓流遊びをしていたところ、突然大雪が降り出し、熊のような大型魔獣に遭遇してしまい、「鬼の力」を発現させた兄によって守られる[参 1]。
- 「閃I」の3年前(1201年)、リィンが養子だということを知りそのことによって混乱しつつ、聖アストライア女学院に入学したのを機に、離れて暮らす兄によそよそしくなる[参 1]。女学院では同学年のアルフィンと親友になる[240]。
- 「閃I」 - リィンを訪ねてトールズ士官学院を訪れ、旧校舎に迷い込んだことで《オル=ガディア》と相対してしまう[194]。リィンらによって救出されるが、リィンが家を出ていくつもりだという話を聞かされる[194]。夏至祭では《帝国解放戦線》のギデオンによってアルフィンともども誘拐されるが、リィンらVII組によって救出される[270]。
- 「閃II」 - 内戦が始まった帝都でアルフィンとともにトヴァルに保護され、ユミルまで逃げ延び、リィンとも再会を果たす[203]。その際、道を失っていたリィンを叱咤し立ち直らせる[200]。しかし、再会を果たしたのも束の間、ヴィータとアルティナによりアルフィンともどもさらわれ、カイエン公の手に落ちる[200]。その後はアルフィンと引き離され、ユーゲントIII世の侍女の名目で他の皇族たちとともにカレル離宮に軟禁される[205]。内戦の終盤にリィンらVII組によって救出される[239]。
- 「閃III」 - 聖アストライア女学院の高等部へ進級し、周りから推される形で学生会長に就任[142]。《灰色の騎士》として英雄視されるようになった兄リィンを見守りつつ、セドリックやオリヴァルトを案じているアルフィンを親友として傍で支えようとしている。
- 「閃IV」 - ティオとともにリーヴスのトールズ士官学院・第II分校に軟禁される[51]。リィンらに救出された後、パンタグリュエルでの会談に参加し[1]、《光まとう翼》ではアルフィンとともにトワのサポートとして艦の導力端末の操作を担当する[63]。
- 人物
- 聖アストライア女学院に在学しており、皇女のアルフィンと親交を深めている。女学院に入学した頃から(とリィンは思っているが、実際はリィンが養子だと告げられた時から)リィンによそよそしい態度を取り続けているが、エリゼ自身には自覚がなく言われるまで気づいていなかった[194]。
- 兄との兄妹仲は良く、それを初めて目の当たりにした際にセリーヌは「胸やけしてくる」と感想を述べている[200]。エリゼ本人はリィンへ兄妹以上の好意を向けているが、まったく気づかれておらず[214]、ある意味でリィンの一番の被害者と言われている[215]。
- シュバルツァー男爵家に伝わる騎士剣術の作法の心得があり[200]、レイピアを得物としている。
- テオ・シュバルツァー
- 登場作:「閃II」・『創』
- 声:遠藤守哉(「閃II」)→森川智之(「創」)
- リィンの養父。帝国辺境の地ユミルの領主で、男爵位ではあるが、ドライケルス大帝に連なる名門の血筋である。妻のルシア(声 - 大越多佳子)と一緒にユミルで生活している。
-
- 来歴
- 5歳の頃(1164年頃)、雪崩で家族を失ったギリアス・オズボーンがシュバルツァー男爵家に引き取られ、8歳年上の彼と兄弟同然に育つ[320]。
- 1192年4月、事情を何も明かさぬオズボーンからの頼みを聞き入れ[77]、吹雪の日に当時5歳のリィンを保護し、養子として育て始める[200][320]。出自の不明な男子を養子にしたことで一部の貴族から蔑んだ噂を囁かれるようになり、それを疎んじて社交界にほとんど顔を出さなくなる[194]。
- 「閃III」の12年前、帝都にて鷹狩りと狩りの作法をルーファスに指南する[330]。この際、帝国宰相としてのオズボーンからの依頼で、ルーファスを彼に引き合わせる[330]。
- 「閃I」 - ゲーム本編には登場しない。幕間には登場しており、ユミルを訪れたVII組の面々を迎え、彼らが里をあとにする際、リィンにユン・カーファイから託された《八葉一刀流》の中伝目録を渡す[195][参 1]。
- 「閃II」 - 帝都を脱出してきたエリゼ、アルフィン、トヴァルを匿っていたが、リィンを保護した翌日、ユミルが猟兵団《北の猟兵》の分隊に襲撃された際にアルフィンらを守って銃撃され[200]、意識不明の重傷を負う[204]。後に意識を取り戻し[260]、最後の作戦を前にリィンがユミルを訪れた際は事件が終わったら出自について教えることを約束するが[239]、結果的にその前にリィンが自らの出自を知ってしまったため、この約束は果たされずに終わる。
- 「閃III」 - 登場はしない。エリゼを通してリィンに手紙を送り、自分とオズボーンが兄弟のように育ったこと、彼からリィンを保護するよう頼まれたことなどを伝えるとともに[320]、ユンから預かった手紙も送る[171]。
- ヴィクター・S・アルゼイド
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」B→S・『創』S
- 声:安元洋貴
- 年齢:43歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→45歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- ラウラの父にして、レグラム領を治める領主である子爵。帝国で高名な剣術流派「アルゼイド流」の筆頭伝承者でもあり、《光の剣匠》とあだ名される帝国最強の剣士の一人[201]。
-
- 「閃I」 - 子爵邸を訪れたリィンらと対面し、自らの力に畏れを抱くリィンと剣を交えて「鬼の力」を引き出させた上で破り、「力は所詮、力」であり在るべきものとして受け入れるよう諭した上で、「(立ち止まるより)畏れとともに足を踏み出すがよい」と助言する[335]。その後、カイエン公の訪問を受けたことで貴族派の動きに危機感を抱き、各地の中立派の貴族たちが貴族派の強引な動きに取り込まれることがないよう、彼らを訪ねる旅に出る[196]。皇族専用の高速巡洋艦「カレイジャス」が就航すると、オリヴァルト皇子の要請により軍属ではないにもかかわらず同艦の艦長に就任する[164]。
- 「閃I」の最後にリィンが《灰の騎神》ヴァリマールとともにトリスタを離脱した後、クロウが駆る《蒼の騎神》オルディーネに挑もうとしたVII組メンバーの上空にカレイジャスで出現し、囮となってオルディーネを引き付けることでVII組メンバーを逃がすことに成功する[204]。
- 「閃II」 - VII組をトリスタから逃した後、しばらく消息を絶っていたが[221]、カレイジャスで帝国内を移動しながら機を窺い、リィンたちVII組メンバーが再び集結してリィンとアルフィンを助け出した後はトワを艦長代理に任命し、リィンたちに艦を預けてオリヴァルト皇子たちとともに帝国西部へ旅立ち[205]、皇子の活動に協力する。《煌魔城》が出現すると帝都に駆けつけ、《火焔魔人》としての本性を現しVII組を追い詰めていたマクバーンとの戦闘を引き受け、周りの柱や舞台が破壊されるほどの死闘を演じる[257]。この戦いの決着は着かなかったが、マクバーンの黒き焔によって呼吸器系を損ない、剣筋が鈍るくらいの後遺症を負う[9]。
- 「閃I」と「閃II」の間(1205年)、トールズ士官学院を1年早く卒業したラウラを正式な「アルゼイド流」の伝承者にするため、修行の旅に出る[86]。ラウラへの奥義伝承が終わると、トールズ士官学院・本校所有となったカレイジャスの艦長に再び就任する[64]。
- 「閃III」 - 第II分校を訪問した折、アリアンロードとの闘いに勝利したオーレリアからの一騎討ちの申し出に応じて敗れ、武の極みの一端に至った彼女を称える[9]。《黒キ星杯》が顕現すると、オリヴァルト皇子とトヴァルとともにカレイジャスに乗って駆けつけるが、《銅》のゲオルグ(ジョルジュ)による工作によりカレイジャスを爆破され生死不明となる[60]。
- この爆発に際して、《銅》のゲオルグが用意した耐衝撃重力結界により奇跡的に生き延びるが、結界に生じた綻びを食い止めた際に左腕を失う[61][63]。生き延びはしたものの、帝国の呪いにより「帝国最強の剣士」として《七の相克》を盛り上げる存在として選ばれ、強制力に囚われてしまい、リィンたちに敵対することになる[61][172][注 198]。
- 「閃IV」 - カレイジャスの爆散により死亡したと思われており、国葬も行われる。結社によるパンタグリュエル襲撃時に《地精》の仮面をつけて通信上に現れ、自我はあっても「呪い」の強制力に囚われていることを語り、リィンやラウラの敵として立ちはだかることを宣言する[61]。オルキスタワーでの戦闘で呪いの枷を外すことに成功し[172]、最終決戦では《光まとう翼》に助力し、《塩の杭》攻略に参加する[11]。
- 人物
- 帝国貴族にありがちな傲慢さは微塵もなく、自由闊達で民衆たちからも慕われている。独立独歩、人を助ける理念、誇り高さといった部分で遊撃士の在り方には自分の気風に通じるところがあると考えており、叶うことならば遊撃士協会に所属して働きたいと常々語っている[335]。領民がいる立場からそれが叶うことはないが、そうした心情から遊撃士協会には何かと便宜を図る[335]。領民を慈しむ一方、即断即決を信条としており[196]、必要とあらば領地を家令のクラウスに預けて各地を飛び回っている。
- ラウラと似通った口調に一本気で生真面目だが、実際はかなりの親バカである。娘を男らしく育てすぎてしまった結果、周囲とは上手くやれていないのではないかと心配し、リィンにラウラのことを尋ねている[164]。「閃I」では(絆ポイントが高い場合)娘がリィンにだけは特別な感情を持っていることを見抜き、「私の目の黒いうちは行きすぎた真似はご法度と思いたまえ」と忠告するがリィンには意味が通じなかった[164][書 159]。
- アルゼイド家にはかつて《獅子戦役》時の《鉄騎隊》の副長シオン・アルゼイドが使っていたという大剣「宝剣《ガランシャール》」が伝わっており、戦闘ではその剣を片手で振るう[257]。《剣仙》ユン・カーファイと互角の勝負を繰り広げたこともあり、リィンの見立てではユンを超えるかもしれないほどの実力を持つ[335]。人の域を超えた達人の一人だが、ヴィクター本人は“力”と“剣”は己の続きにあるものに過ぎないという考え方をしており[257]、たとえ剣を喪おうとも振るえる得物はあるだろうという[9]、求道者めいた思想を持っている。
- クラウス
- 登場作:「閃I」・「閃II」
- アルゼイド家に仕える家令を務める老執事[335]。アルゼイド流の師範代も務めており、ラウラにとってヴィクターに並ぶもう一人の師である[335]。
- 礼儀正しく控え目な一方で実力は非常に高く、ウォレスからも一目置かれており[221]、ラウラも幼少から一度も勝てたことがないという。
- リィンたちが特別実習でレグラムを訪れた際に門下生たちの手合わせを依頼し、そこでミリアムが使う傀儡の力も見て見たいと、その力量につり合う相手として手合わせを申し出た[335]。戦いはリィンたちの勝利に終わったが片膝を突かせただけであり、まだまだ余力を残していた(ミリアムによれば「全然平気そう」とのこと)[335]。ラウラが言うには手を抜いていたという。
- オーレリア・ルグィン
- 登場作:「閃II」・「閃III」S・「閃IV」B→S・『創』S
- 声:住友優子(「閃III」・「閃IV」)
- 年齢:32歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)
- ラマール州のルグィン伯爵家の当主にして、ラマール領邦軍総司令を務める銀髪の女性。武人然とした凛々しい性格で、その実力は貴族連合最強ともうたわれている。
- 帝国の二大剣術流派であるアルゼイド流とヴァンダール流の両方を修めており、帝国の武の世界では知らぬものがいないほどの存在[221]。《黄金の羅刹》の異名を持つ[221]。
-
- 来歴
- 1192年、トールズ士官学院に入学すると1年生ながらフェンシング部を掌握し、全部活に宣戦布告し、水泳部なら水泳、チェス部ならチェスで挑んで打ち負かしてフェンシング部入りさせ、最後に馬術部部長だったウォレスと馬上試合で一騎打ちをした[113]。その勝負は決着が着かなかったが、それ以来、ウォレスは同志、好敵手として無二の存在になる[113]。同年、領邦軍の司令として《百日戦役》に出征していた父が戦傷を負ったため、オーレリアは特例により1年で士官学院を卒業し、卒業と同時に指揮官として領邦軍に入った[145]。
- 「閃II」 - ラマール領邦軍総司令として[注 199]、貴族連合に味方し、帝国西部で正規軍と戦う。第I部でレグラムに立ち寄り、ウォレスを従えアルゼイド子爵邸を訪問するという形で登場する[221]。内戦にあっては貴族連合の中ではウォレス軍と並んで最精鋭とされ[311]、帝国西部で正規軍に対して優勢を保ち制圧を進める[325]。物語終盤、帝国東部の劣勢と謎の《碧の大樹》の出現を見かねて、全軍の総参謀であるルーファスを問いただすが、第三、第四機甲師団と戦う機会を彼から与えられ、口車に乗っていることは承知しつつもそれに応じる[156]。自身の異名と同じ黄金のシュピーゲルに搭乗して軍を率い、帝都北方で第三機甲師団を率いるゼクスと対峙し、剣の師でもある彼から貴族連合の所業に与する理由を問われ、「史上最強」である《槍の聖女》リアンヌ・サンドロットを超越する武勲を挙げる野望を持っていることを声高らかに打ち明ける[239]。
- 内戦後(1205年)は本拠地であるジュノー海上要塞に配下のラマール領邦軍とともに籠城し、内戦終結直後に海都オルディスが正規軍に占領されそうになるとそれを妨げる[278]。この時期に、旧知のミルディーヌから連絡を受け、その後の《北方戦役》に至る流れと、帝国政府がいずれしてくるであろう提案についての予見を受けて、次期カイエン公としてバラッド侯ではなくミルディーヌを仰ぐことを決意し、彼女の計画への協力を始める[305]。
- その後も海上要塞にて籠城を継続するが、やがて(ミルディーヌの予見通り)ノーザンブリア自治州の混乱収束のため帝国政府が交渉を持ちかけてきたため、要塞を明け渡し、ノーザンブリア侵攻(《北方戦役》)の準備を始める[323]。同年11月にラマール領邦軍とサザーランド領邦軍を主力とする連合軍を指揮し、ノーザンブリア自治州に侵攻し、10日ほどで州都ハリアスクを陥落させ同地を平定する[323]。
- 戦役後に(ミルディーヌが手を回した結果として)ユーゲントIII世から新設されるトールズ士官学院・第II分校の分校長の職を打診され、それを引き受ける[296]。
- 「閃III」 - ウォレスに後事を任せて領邦軍を退役し、トールズ士官学院《第II分校》の分校長に就任する[67]。入学式で第II分校を「捨石」と言い切った上で、平時では得難い常在戦場の気風を学べる絶好の場所だと述べ、新入生たちを歓迎する[67]。第II分校の特別演習では同行せず、あえて分校にとどまるようにしていたが、ラマール州での演習と時を同じくして、結社と《北の猟兵》の残党によりかつての居城であるジュノー海上要塞が占拠されると新旧VII組と共闘して攻略にあたり、天守閣の決戦でアリアンロードに勝利する[218]。アリアンロードはオーレリアが目標としていた《槍の聖女》リアンヌ・サンドロットその人であり、彼女に膝を屈しさせたことで彼女から「今の貴女はかつての私よりも強い」と讃えられる[218]。その後、師であるヴィクターとの一騎討ちにも勝利し、武の極みの一端に達する[9]。《黒キ星杯》が顕現し、《巨イナル黄昏》に向けた混乱が始まると第II分校を去り[64]、《ヴァイスラント決起軍》として蜂起し、アッシュを救出しつつ、ヴィータやウォレスたちとともにパンタグリュエルで一時離脱する[60]。
- 「閃IV」 - ヴァイスラント決起軍総司令として動く傍ら、終始リィンたちVII組に協力する。《黒の工房》ではリィンを救出したVII組の救援に現れ、オズボーンと交戦する[51]。その後、パンタグリュエルにおける会談に出席[1]。《千の陽炎》に将として参戦することになるが[22]、開戦初日は自軍の指揮はウォレスに任せて、リィンらを《幻想起動要塞》に突入させるべく、《塩の杭》のひとつの攻略を受け持つ[11]。
- ウォレス・バルディアス
- 登場作:「閃II」・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:近藤孝行(「閃III」・「閃IV」)
- サザーラント州領邦軍司令を務める褐色肌で長身の男性[221]。男爵[221]。
- 帝国の武の世界では知らぬものはいないほどの存在の一人で、《
黒旋風 ()》の異名を持つ若き豪傑[221]。 -
- 来歴
- トールズ士官学院の2年次に馬術部部長だったが、全部活に挑んでいたオーレリアと馬上試合で一騎打ちすることになり、決着は着かなかったが、それ以来、同志として無二の存在となる[113]。
- 「閃II」 - サザーラント領邦軍司令として[注 200]、貴族連合に味方し、帝国西部で正規軍と戦う。第I部でレグラムに立ち寄り、オーレリアに付き従いアルゼイド家を訪問する[221]。帝国東部の状況を見かねて、自分の部隊を東部に回すようルーファスに主張するが、オーレリアの言とルーファスからの帝都防衛の命令を受け入れ、帝都東方で第四機甲師団と激突する[239]。自身は十字槍を持ったヘクトルに搭乗する[239]。
- 「閃III」 - 前年の《北方戦役》後、領邦軍を退役したオーレリアの跡を継ぎ、領邦軍の精鋭を集めた《統合地方軍》の総司令となり、本拠地のジュノー海上要塞で指揮を執る。バラッド侯の自己保身的な采配によって指揮系統を乱され、結果として結社と《北の猟兵》の残党による列車砲強奪と海上要塞襲撃を許してしまい、自身は列車砲を停止するべくランディやVIII組、アガット、トヴァルらと共同戦線を張り、新旧VII組と突如参戦したオーレリアに海上要塞解放を委ねる[218]。マクバーンと交戦することになるが辛くも退け[218]、アルゼイド子爵の時とは異なり、マクバーンの黒い焔による後遺症も負わずに済む[1]。《黒キ星杯》が出現し帝都が混乱し始めると、《ヴァイスラント決起軍》として帝都に侵入し、オーレリアと合流してアッシュを救出した後、ヴィータやオーレリアたちとともにパンタグリュエルで帝都を離脱した[134]。
- 「閃IV」 - ヴァイスラント決起軍の指揮官として《千の陽炎》作戦に参加しつつ、オーレリアと同じくVII組にも協力する。開戦が迫るなか、迷いを抱くガイウスと野試合と馬上試合を行って、ガイウスの迷いを断つ機会を与える[262]。
-
- 人物
- かつて《獅子戦役》でドライケルス帝とともに挙兵したノルドの民の末裔であり[221]、ガイウスと同様、ノルドの十字槍を得物とする。
- ノルドの槍術を基に帝国で発展した《バルディアス流槍術》という槍術流派の伝承者で[124][113]、帝国の武の世界では知らぬものがいないほどの存在[221]。
- その実力は常人離れしており、オーレリアから好敵手とみなされているほか[113]、《火焔魔人》となったマクバーンと互角に近い戦いをして退け[218]、《聖痕》の力を使ったガイウスとも互角以上に戦うほどの実力を有する[262]。
- ガイウスとはノルドの末裔同士であることに加えて、バルクホルンを共通の師とする兄弟弟子の関係にあたる[124][113]。
- ウィリアム・レイクロード(レイクロードIII世)
- 登場作:「碧」・「閃II」
- 《釣皇倶楽部》代表であり、《
釣皇 ()》を自称するプロ釣り師。本名はウィリアム・レイクロードだが[131]、本編中では基本的に「レイクロードIII世」と呼ばれている。 - 「碧」で釣傑四天王とともにクロスベル自治州に進出し、不動産会社を篭絡する形で《釣公師団》クロスベル市の支部の建物を乗っ取り、《釣皇倶楽部》支部を開設する。《釣公師団》とロイド・バニングスに対して、支部を掛けた《爆釣勝負》を持ち掛け、自身と釣傑四天王の5名との釣り勝負を提案する。
- 言動は尊大だが、根はとても優しく、釣りの普及に熱心な好人物で、クロスベル進出時に受付としてスカウトしたセイラームには釣り道具の提供や、個人指導を行っている[注 201]。釣り場としてのクロスベルのことは、海がないことは残念に思いつつ、魚種の豊富さを楽しんでいる。
-
釣皇倶楽部 ()- 全員がプロの釣り師であり、ただ遊んでいるわけではなく、釣具のテスト、水質や生態の分布調査などを行っており、その釣果はレイクロード社の製品にフィードバックされている。
- レイクロードIII世はトールズ士官学院時代に学院の部活動としての《釣皇倶楽部》を立ち上げ、「閃I」時点でも存在している。
-
釣傑四天王 ()- 四天王最強の《銀鯱》トリトン、《竜宮》カグヤ、《水狂》ナルセス、《海刃》シャークマンの4名で、いずれも「碧」に登場しているほか、水狂ナルセスのみ「閃II」にも登場している[170]。
- レイクロードII世
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- ゼムリア大陸の釣具シェアで不動のNo.1メーカーであるレイクロード社の社長で、製品全ての設計をしている。男爵[189][注 202]。
- ウィリアム(レイクロードIII世)とケネスの父親。貴族然とした人物で、ケネスには全く似ていない。
- 息子のレイクロードIII世からは「偉大なる至高の釣師」、「究極の趣味人」と讃えられている。以前は《釣皇倶楽部》の代表をしており、《釣皇倶楽部》に所属していた頃のハーバード・フィッシャーに《太公望》の称号を与えている[131][書 160]。
- ジョン・レイクロード(レイクロードI世)
- 登場作:「閃IV」
- レイクロード社の創業者にして会長で、《釣神》と呼ばれる人物[39]。レイクロードII世の父、ウィリアムとケネスの祖父で、当主の座はすでに息子に譲っている[39]。
- 「閃IV」でグランレイクロードを釣り上げた場合、リィンに自分と同じ《釣神》の称号を贈る[39]。
- アナベル
- 登場作:『閃』
- 帝国各地を釣りをしながら旅して回っている貴族の女性。子爵家出身。20歳(「閃III」[書 113]・「閃IV」)
-
- 来歴
- 「閃I」 - 実家が決めた婚約を嫌って家出しており、執事が探し回っている。当初は豊富なミラに物を言わせた豪華な旅を続けていたが、序盤で財布をなくしてしまう。財布はリィンたちに届けられたものの旅費がなくなったことで考えが一変し、後半で釣りの魅力にハマってからは釣った魚を調理しようとするなど急速にサバイバル能力が高くなり、終盤の学院祭では物々交換で買い物をしている。その後、婚約相手が釣具メーカーで名高いレイクロード家の長男だと知ってからは、婚約に前向きとなる。
- 「閃II」 - ユミルでリィンに釣具と釣り手帳を渡した後、釣りに興じつつ滞在を続ける[200]。ケネスと出会い気の合う釣り仲間となり、トリスタ解放後、ケネスとレイクロードIII世の釣り対決を経て婚約を破談としたのをきっかけにケネスへ淡い想いを抱く。
- 「閃III」 - この年から《釣皇倶楽部》に加入し、プロ釣り師として活動している[書 113]。各地を旅して回りながら釣りに興じ、帝都の夏至祭では釣皇倶楽部の一員として釣公師団との釣り対決に参加する[189]。
- 「閃IV」 - 《巨イナル黄昏》下だが、帝国各地で釣りを続けている。
- セオドア・イーグレット
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- 声:山口崇浩
- ミュゼの母方の祖父。先代カイエン公の相談役を務め[278][217]、公爵の懐刀と言われた人物だが[70]、クロワールに疎まれ、隠居同然となる[278]。ミュゼと同様に食えない性格をしている[278]。
- 早くに両親を亡くしたミュゼを妻のシュザンヌとメイドのセツナとともに育ててきた。先代のルグィン伯とも懇意にしていたため、オーレリアのことも彼女が子供の頃から知っている[278]。
- 《黄昏》発動後はミュゼの指示により別荘に避難していたが、衛士隊の暴走による飛行船ハイジャック事件にハイアームズ侯とともに巻き込まれ、セツナとセレスタンとVII組によって救出される[70]。
- ホーエン・アルトハイム
- 登場作:「閃III」・「閃IV」
- サザーラント州の名家、アルトハイム伯爵家の当主。メアリー教官の父親。帝国では芸術家のパトロナージュとして知られ、「アレイスター」としてのブルブランとは古くからの知己である[92]。
ヴァンダール家
[編集]帝国でアルゼイド流と並び剣術の二大流派とされるヴァンダール流の宗家[注 203]。皇族の守護職を代々務め、
- マテウス・ヴァンダール
- 登場作:『創』B
- 声:小山力也
- ヴァンダール家の当主で、ヴァンダール流剣術の総師範。《雷神》と呼ばれる剣士で[113][172]、ゼクス、ヴィクター、オーレリア、ウォレスと並ぶ帝国でも5本の指に入る達人。ゼクスの兄で[39]、ミュラーとクルトの父。自分の不在時は師範代の妻オリエに道場を任せている。
-
- 来歴
- 「閃III」 - 登場はしない[注 204]。ヴァンダール家がエレボニア帝国の皇族守護職から解任されたことと[145][116]、帝国軍の武術総師範となったことで、帝都ヘイムダルからガレリア要塞に移ったことが語られている[116][217][注 205]。総師範といっても人事としては帝都から遠ざけ、軍務に封じ込めることに主眼が置かれたものであることが語られている[116][217]。
- 「閃IV」 - 登場はしない[注 206]。ヴィクター・S・アルゼイドから救援要請があった際、オリエ、ゼクス、ミュラーとともにオルキスタワーに赴きたかったが都合がつかなかったことが語られている[172]。この時期、パトリックらと協力して帝国東部で暗躍する者たちに対処していたという[34]。
- オリエ・ヴァンダール
- 登場作:「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:ゆかな[書 111]
- マテウス・ヴァンダールの後妻でクルトの母。ミュラーにとっては継母にあたる。淑やかで凛とした女性で、クルトと同じ青灰色の髪をしている。
- 自身も武門の生まれで[217]、かつては《風御前》と渾名された剣士であり[注 207]、現在はヴァンダール流師範代を務めている[217]。自身の剣術は東方の流れを汲んでおり[22]、薙刀を得物とし[注 208]、ゼクス、ミュラーに助太刀して共闘できるほどの腕前を持つ[172]。ヴァンダール[注 209]に入るまでは《剣舞》を嗜んでいた[34]。
- 物腰は淑やかだが武門であるヴァンダールの者という自覚が強く[217]、立ち居振る舞いは武人のそれであり、門弟たちからは時折見せる厳しさからマテウス以上に恐れられている[217]。
- 美人でかつ若く見えるため、アッシュやアルティナは初対面でクルトの姉か若い義母だと思った[217]。
- 異名や得物からも推察できるように、巴御前をイメージして造形されている[書 161]。
-
- 来歴
- ゼクス・ヴァンダール
- マテウスの弟。詳細は帝国正規軍を参照。
- ミュラー・ヴァンダール
- マテウスの息子、クルトの兄。オリエは継母にあたる。詳細は#ミュラー・ヴァンダールを参照。
- クルト・ヴァンダール
- マテウスとオリエの息子。ミュラーの弟。一族の中では珍しい双剣術の使い手。詳細は#クルト・ヴァンダールを参照。
ラインフォルト家
[編集]- イリーナ・ラインフォルト
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:住友優子
- 年齢:40歳(「閃I」[W 23]・「閃II」)→43歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)[注 61]
- アリサの母。帝国の大企業ラインフォルト社の会長を務める。
- 「閃I」の5年前(1199年)、列車砲が完成した際に、会長職にあった父グエンが帝国軍への引き渡しを逡巡していたところを、大株主全員を味方に付けて追い落として新会長に就任した[224]。
- 会長になってから各部門に独立採算制を導入し、部門ごとに対立を生むことになったが、グループ全体の収益は上がっているため放置している[228]。しかし、部門ごとに貴族派、改革派によって牛耳られることになり、かじ取りに苦労している[164][注 210]。
- トールズ士官学院の常任理事の一人でもあり、学院におけるアリサの状況は逐一把握している[226]。
- 人物
- 父のグエンからも仕事中毒と言われるほどの働きぶりで[232]、各地を忙しく飛び回っており、グエンの意向は無視してグループを際限なく拡大させている[224]。その働きぶりはアリサが実家にいた頃も親子で食事できる機会も3か月に1回あるかないかというほどで親子関係は疎遠になっている[224]。
- 仕事に没頭し家族を顧みないようになったのは夫フランツの死を契機としたもので、それ以前も優秀なキャリアウーマンだったが、昔はユーモアも思いやりもある暖かい人物だった[164]。
- 夫であるフランツが裏に何かがある人物だということには薄々気付いていたが[60]、それを承知の上で彼と結ばれ、アリサを授かった。事故で彼が姿を消した後も生きていることを予感していた[60][注 211]。
- グエン・ラインフォルト
- 登場作:『閃』
- 声:馬場圭介
- アリサの祖父で、イリーナの父であり、ラインフォルト社の元会長。帝国でも名の知られた大物の技術者で、さまざまな乗り物や兵器を作った。重役らしからぬ親しみやすさもあって彼を知る者からは今も慕われているが、性格は基本的にスケベ。
- 「閃I」のおよそ50年前、子供の頃からの腐れ縁であるG・シュミットがレマン自治州から帝国に戻ってくると、彼とともに帝国でさまざまな導力器製品を製造し、強引なプロジェクトのせいで何度も破産寸前に追い込まれたり、色々振り回される[164][189]。
- 兵器も含めて今まで技術者として自分が作ったものに後悔はなかったが、大量破壊兵器である《列車砲》の製造だけは後悔しており当時は納品をずっと迷っていたが、その逡巡を娘イリーナに突かれ、会長の座を強引に奪われて企業を去ることになってしまい、《列車砲》も彼女によってガレリア要塞に納品されてしまう[224]。以降は外からラインフォルト社を見守ることにしてノルド高原のラクリマ湖のほとりに移住し、年に半分はそこに住み、釣りなどをしながら悠々自適に暮らしている[232]。そのためガイウスとは面識があり、彼からは「ご隠居」と呼ばれている[232]。
- フランツ・ラインフォルト
- 登場作:「閃IV」
- 声:安元洋貴
- イリーナの夫でアリサの父。旧姓はルーグマンで、イリーナと結婚する際に婿入りして姓が変わった[64]。
- G・シュミットの一番弟子で、彼が手放しで認める唯一人の人物だった[82]。ラインフォルトグループで研究者として働き、家族にも恵まれていたが、《地精》の子孫の中でも優秀であったことからイシュメルガに目を付けられ、《《黒》のアルベリヒ》となり自我を失う[193][注 212]。
- ゲーム本編に登場するのは「閃IV」のみだが、「閃I」と「閃II」ではアリサの回想で[224][164]、「閃III」では《黒》のアルベリヒ(と、その仮初の姿としてのフランツ・ルーグマン)として登場している。
-
- 来歴
- G・シュミットに師事し、彼の下、帝国の旧式戦車、現行の装甲車や戦車《アハツェン》の設計に携わる[82]。
- 「閃I」の8年前(1196年)[224]、イシュメルガによる支配が始まったことで記憶が途切れがちになり[書 164]、卒業論文として《機甲兵》の構想をまとめるなど、ルーレを去る準備を半ば無意識に始める[193]。F・ノバルティスの使いとして研究成果の回収のため《告死線域》のクルーガーが訪ねてきた際、それを好機と見た《黒》のアルベリヒにより意識を乗っ取られて彼女と交戦し[193]、導力ジェネレータ―の爆発に巻き込まれて死亡する[189][134]。表向きには導力ジェネレーター用の実験プラントの暴走により「事故死」したということになるが[224][189]、この時点で《黒の騎神》の眷属となっていたため[書 165]不死者としてよみがえり、不死者となったことで《黒》のアルベリヒとしての人格を完全に受け継ぐ[212]。
- その後は《黒》のアルベリヒに意識を支配されるが、その支配が緩んだ隙に不死者の復活と概念兵器の実体化の方法を研究し、「閃III」でミリアムが消滅すると、Oz73(ミリアム)のバックアップ用素体を密かに用意する[212][35]。
-
- 人物
- 性格は温和で、家族想いな人物[225]。
- 導力学者としてはG・シュミットの一番弟子で、弟弟子のマカロフはフランツを「比類なき天才」と評している[83]。機甲兵はもともとフランツが発明したもので、それをもとにシュミットが設計と開発を行い完成した[82]。
- 技師としてはジャッカスの弟子で、その設計には遊び心があり、マニアックな設計を好む[225]。娘のアリサにも機械いじりなどの技師仕事を教えた[225]。
- G・シュミットに卒業制作として懐中時計を残しているほか[9]、イリーナにも懐中時計を贈っている[225]。そちらは発振器にゼムリアストーンを使っていて何年使っても時間が狂わないというだけでなく、特殊合金板を使ってオルゴール機能を持たせている、家族の写真が収められている、という特徴がある[225]。
- 「閃I」と「閃II」では技師として、「閃III」と「閃IV」では導力学者として語られており、外見も「閃I」・「閃II」の写真と「閃III」・「閃IV」で異なる。
- アリサ・ラインフォルト
- フランツとイリーナの娘。詳細は#アリサ・ラインフォルトを参照。
- シャロン・クルーガー
- ラインフォルト家に使えるメイド。詳細は#シャロン・クルーガーを参照。
帝国解放戦線
[編集]ギリアス・オズボーンに鉄槌を下すことを目的として活動している、テロリスト集団。利害が一致することから貴族派に協力することも多く、特に幹部たちはオズボーンへの復讐心ゆえに結束が強い。
- ミヒャエル・ギデオン
- 登場作:「碧」・「閃I」B
- 声:松本考平
- 年齢:34歳(「閃I」[W 9][書 166])
- 帝国解放戦線の幹部の一人で、コードネームは「G」。アーティファクトの1つである「降魔の笛」と呼ばれる魔物を操る笛を有する。劇中でリィンたちが初めて相対する解放戦線のメンバーでもある。
- オズボーンがいずれ「
反理想社会 ()」をもたらすと考えており[271][337]、解放戦線の主張を理論武装することで、組織を先鋭かつ過激化する面を受け持っていたと見られている[291]。 - 雇った猟兵崩れを利用して価値がなくなれば平然と見捨てるなど冷酷な面を持つが、どれだけ追い詰められても志を同じくする部下たちは見捨てないという一面を見せている。
-
- 来歴
- 帝國学術院の助教授だったが、「閃I」の3年前(1191年)にオズボーンの強硬路線を批判したことから学術院から罷免される[291]。
- 「碧」 - 名前は出ないが、「閃I」において作戦に参加していたことが明かされた。クロスベル市のオルキスタワーで開催された西ゼムリア通商会議を襲撃し、オズボーンの命を狙うも失敗し、彼に雇われていた猟兵団「赤い星座」によって作戦に参加したメンバーともども抹殺される[96]。
- 「閃I」 - 作品内の時系列としては「碧」の出来事の前にあたる。ノルド高原にてカルバード共和国軍と帝国軍への工作を指揮し、両軍の軍事衝突を引き起こそうとするが、トールズ士官学院VII組によって阻止される。帝都ヘイムダルで行われた夏至祭では帝都主催で開かれていた園遊会を襲撃し、アルフィン皇女とエリゼを誘拐し、追跡してきたリィンらVII組に《暗黒竜》ゾロ=アグルーガの死骸を利用して対抗するが、破られ、《降魔の笛》も破壊されてしまう[270]。《C》ら幹部によって窮地を救われるが[270]、《降魔の笛》を失った自分ではもはや今後は戦力にならないとの判断から、捨石となることを選び、西ゼムリア通商会議を襲撃する計画の実働部隊に志願する[271]。最後に「誰かが(オズボーンを)食い止められれば我らの勝利となる」と言い残して同志たちと別れる[271]。
- ヴァルカン
- 登場作:「閃I」B・「閃II」B
- 声:藤本たかひろ
- 年齢:32歳(「閃I」[W 9]・「閃II」[書 166])
- 帝国解放戦線の幹部の一人で、コードネームは「V」。重ガトリング砲を生身で扱う巨漢。
-
- 来歴
- 「閃III」の12年前(1194年)、《アルンガルム》というそこそこのランクの猟兵団の団長をしており、団はオズボーンを脅しつけるという依頼を受けるが、返り撃ちにあい、一方的に虐殺された末、ヴァルカンを除いて団は全滅する[228][330][注 213]。オズボーンに深い恨みを持つようになり、元々自分たちが先にオズボーンに絡んだことから本人はそれをただの逆恨みだとは理解しているが、それを凌駕する恨みの焔を抱えて行動を続けている。
- 「閃I」 - ガレリア要塞襲撃、ザクセン鉄鉱山襲撃を行い、VII組の前に立ちはだかる[291][228]。
- 「閃II」 - オズボーンの殺害が成功したことで自身の目的も果たされて気が抜けてしまったようで、パンタグリュエルで対面したリィンからは「覇気が無かった」という印象を持たれている[205]。リィンとアルフィンがパンタグリュエルを脱走してからはログナー侯爵の指揮下で黒竜門の守備に就いていたが、アンゼリカとログナー侯爵の和解後、死に場所を求めるかのごとく機甲兵ゴライアスを駆ってリィンに襲いかかるも敗北し、クロウやスカーレットにも満足して逝ける死に場所を作ってほしいとリィンに頼むと、超重量で駆動部に過大な負荷のかかっていたゴライアスの大爆発に巻き込まれ、死亡する[230]。
- スカーレット
- 登場作:「閃I」B・「閃II」B・「閃IV」・『創』
- 声:西川宏美(閃Ⅰ)→小松奈生子(創)
- 年齢:22歳(「閃I」[W 9]・「閃II」)→24歳(「閃IV」[書 166])。
- 帝国解放戦線の幹部の一人で、コードネームは「S」。
-
- 来歴
- 帝国中西部で大きな農場を持つ家の生まれでそれなりに裕福で不自由のない生活をしていた[205][239]。
- 成長するとアルテリア法国に渡って七耀教会の封聖省に入り、従騎士にまでなる[205]。しかし、不在の間にオズボーンの鉄道網拡大政策が実家の土地にまで及び、実家の土地は政府によってすべて買い上げられてしまう[239]。そのことを知り故郷へ帰省するが、すでに農業を営める土地を再び得ることは叶わない状況となっており、農家を営むことに充実感を感じていた父は生きがいを奪われ、欲しくもない金を得たことで自暴自棄になり、酒に溺れた末に事故死し、一家も離散してしまった[239]。その経緯から、スカーレットもオズボーンに深い憎しみを抱く[239]。
- 「閃I」 - ガレリア要塞を襲撃し、VII組と交戦[291]。内戦が始まると《C》の指示によりトリスタの士官学院制圧に向かい、機甲兵シュピーゲルを擁してVII組を圧倒するが、《灰の騎神》ヴァリマールを初起動させたリィンに敗れる[202]。
- 「閃II」 - ヴァルカンと同じく生きる目標を失ったことから、性格も幾分か穏やかになっている[205]。リィンとアルフィンがパンタグリュエルを脱走してからはオーロックス砦に配属され、アルバレア公爵の暴走を機に機甲兵ケストレルを駆ってリィンと対峙するも敗北し、超高速の負荷で融解の始まっていたケストレルとともに逝こうとしていたところをリィンによって助け出され、重傷を負ったものの一命はとりとめる。そして、アルバレア公爵とともにアルバレア公爵邸に軟禁され、自分の犯した罪は死んで償うのではなく生きて償ってほしいと諭されて呆れるものの、クロウのことをリィンたちに託して昏倒する。最終的にはリーダーであったクロウが死亡したため、帝国解放戦線唯一の生き残りとなった。
- 「閃IV」 - 台詞のみの登場。内戦後はクロイツェン州内の刑務所で拘置されていたが、七耀教会からクロイツェン州の領主代行であるユーシスに打診があり、内戦の償いの一環という名目と、星杯騎士団の監視下に置くという条件で星杯騎士に復帰し、ワジのメルカバ玖号機を手伝っていることが語られている[188]。星杯騎士団の一員として黄昏への抵抗のために活動していた。
- 人物
- 眼帯で片目を隠し、オレンジの長髪をした妙齢の美女。かなりの巨乳。
- 武器はリースの得物と同じく法剣(テンプルソード)。主に剣に炎をまとわせて敵を斬り裂く攻撃を放つ。リースのものと同じく伸縮自在であるうえ、分解して飛ばすことも可能で、スカーレットはさらに炎をまとわせる技も持つ。
- 《C》(シー)
- 帝国解放戦線のリーダー。黒い仮面とマントで身を包み、オズボーンに鉄槌を下すことを目的として暗躍している。
- その実力は高く、VII組メンバーの前に初めて現れた時に、リィン、ラウラ、フィーを同時に相手しても寄せ付けないほどの力を見せる[270]。その力量はサラ教官やナイトハルト教官に匹敵するという[270]。
- 正体はトールズ士官学院のクロウ・アームブラスト。
- 武器は暗黒時代の得物「
双刃剣 ()」。
新生帝国解放戦線
[編集]- 《C》(シー)
- 登場作:『創』P
- 『創』の主人公。
- 新生帝国解放戦線のリーダー。黒い仮面とマントで身を包んでおり、クロスベル統一国の新総統であるルーファスを打倒する目的で動いてるが、その正体はかつての《C》とは別人であることが示唆されている。
- 「奇剣ゼウァール」と呼ばれる剣を振るうほか、HPやCPを吸収する「ソウルイーター」など、禍々しい雰囲気のクラフトを多用する。
- その正体は「本物」のルーファス。《C》を名乗ったのは、リィンらⅦ組が自分の調査をするように誘導し、彼らに会って話をする機会を作る為。
- ラピス・ローゼンベルク
- 登場作:『創』P・「黎II」・「界」O
- 声:和氣あず未
- 『創』のヒロイン。
- ローゼンベルク工房が作り上げた、少女の姿をした意思を持つ小柄な人形。ローゼンベルク人形らしく、人間と見まごうような可憐な姿をしており、自身もローゼンベルク人形である事を誇りに思っている。その誇りを胸に、常に優雅な行動を心掛けるが、天然で抜けた言動をする事も少なくない。旅の中で、食事が一番の楽しみとなる。
- 《C》と名乗る人物に届けるように、スウィンとナーディアがとある筋から受け取ったトランクの中で眠っていたが、目覚めた時には記憶喪失の状態だった。
- 失われた記憶と自身の素性を知る為、《C》やスウィン、ナーディアと行動を共にする。戦闘も可能であり、巨大な斧を使用して戦う。
- クロスベル警察学校でイアンのもとを訪れた際に記憶を取り戻す。彼女とイアンが語ったラピスの正体は、クロスベルでの《碧の大樹》及びエレボニアでの《巨イナル黄昏》による霊脈の活性化を受け奇跡的な確率で誕生した、超高度機械知性《エリュシオン》の管理人格。イアンと《エリュシオン》の度重なる会話から人間の思考パターンと感情を観測して生まれた存在で、名付け親はイアン。
- 彼女の誕生によって《エリュシオン》は主体性を獲得し、自らの性質を「観測と演算」と定義し、人間を見守る選択をした。だが、《エリュシオン》が《巨イナル黄昏》で「別の可能性」を辿った《リィン・シュバルツァー》及び《黒のイシュメルガ》の存在を偶然読み取ってしまった事で、《エリュシオン》は彼らに乗っ取られ、その対策として限定的な条件下での未来予測を行う《限定式収束未来演算》を行い、《C》を名乗る人物、即ち本物のルーファスならばこの事態を打開できるとの結果を得て、外の世界で活動できるように人形師ヨルグに自身のボディの製作を依頼。完成後に自身の存在をそちらへ転移させ、「《C》と名乗る人物に自分を届ける」ように依頼し、彼女が入ったトランクをヨルグの頼みでスウィンとナーディアが運んで、《C》ことルーファスに届けられた。
- スウィン・アーベル
- 登場作:『創』P・「黎II」P/B・「界」P
- 声 - 梶原岳人
- 「閃IV」の作中小説「3と9」の中で存在が示唆されている人物。『創』で実在が判明。
- 『3と9』のスリー(スウィン)
- “組織”に所属する殺し屋で、下位戦闘員として小アルカナの《
ソードの3 ()》の名を与えられている[338][339]。 - 無愛想だが、根は優しい少年[340]。物語開始時点では《
ソードの9 ()》(ナイン)とコンビを組んでいる[338]。 - 東方伝来の刀に似ているが反りを持たない細身の長剣を右手に、同じ意匠だが鍔を持たず幾分短い短剣を左手に構えて得物にする双剣使い[341]。この2本の剣は導力器としての機能を持っており、2本の剣で同じ位置を切った上で、剣を合体させた状態にして二重マークしたところに触れて衝撃を与えると爆発させることができるという導力魔法を使うことができる[342]。戦闘では戦術導力器を用いた導力魔法は用いず、白兵戦に特化しており、高速での移動と斬撃を基本的な戦闘スタイルにしている[342]。
- 7歳で“組織”に入れられ、10歳で“養成所”を出た[343]。物語の3年前に《
ソードの1 ()》(エース)とともに組織からの逃亡を試みたが、“管理人”によって阻止され、裏切り襲ってきたエースを殺したことで“組織”の掟により生き延びた過去を持つ[343]。 - 組織から再び脱走することを企て、その中でかつて自分が殺してしまったエースの真意を知る[344]。
- ナーディア・レイン
- 登場作:『創』P・「黎II」P・「界」P
- 声 - 石見舞菜香
- 「閃IV」の作中小説「3と9」の中で存在が示唆されている人物。『創』で実在が判明。
- 制作にあたってデザインは日本ファルコムの若いスタッフに任せられたため、これまでのキャラクターたちとデザインのスタイルが異なっている[W 35]。
- 『3と9』のナイン(ナーディア)
- “組織”に所属する殺し屋で、下位戦闘員として小アルカナの《
ソードの9 ()》の名を与えられている[338][339]。 - 眠たげな眼をした無邪気な少女[338]。眠たげでゆったりした口調で[341]、緊張感のない、間延びした話し方をし[338]、スリーのことは「すーちゃん」、自分のことは「なーちゃん」と呼ぶ[338]。
- 50リジュほどある巨大なクマのぬいぐるみを抱えており[338]、その中に数々の武器や道具を仕込んでいる。得物は毒針と鋼糸で[341][343]、毒針は普段はぬいぐるみの中に隠しており、状況に応じて数十種類の毒などを使い分けつつ、それを投擲して攻撃する[341]。鋼糸は極細のそれを罠などの形で用いる[341]。導力魔法の適正も高いほか、少し集中して時間をかけて観察することで敵の弱点を解析してしまう能力を持っている[342]。
- その得物から対人戦で有利な戦闘スタイルであることに加えて、情報収集、戦況分析、演技、潜入といったあらゆる面で優れた才能を持ち、暗殺者としての適性はスリー以上に高い[343]。
- かつてスリーとともに“組織”を抜けようとして殺された《
ソードの1 ()》の妹で[339]、兄に続いて父に売られ、ブローカーを介して“組織”に入る[340]。“組織”で兄の死を知らされたことで心を壊して不眠となり[340]、通常は3年から5年はかかる“養成所”を1年で卒業し[343]、スリーとペアを組むことになる[340]。スリーを知ることで生前の兄が手紙で伝えていたことの意味を悟り、兄の死の真相に至る[340]。そのことを契機に昼間でも任務中でもスリーのそばで寝るようになる[340]。 - スリーが再び“組織”を脱走しようと企てていることに“管理人”が気づいていることを察知し、行動を起こす[340]。
エレボニア 遊撃士協会
[編集]帝国ギルド連続襲撃事件で打撃を受ける。その後、帝国政府の圧力により活動停止。
- トヴァル・ランドナー
- 登場作:「閃I」・「閃II」P・「閃III」・「閃IV」S・『創』S
- 声:杉田智和
- 年齢:27歳(「閃I」、「閃II」[書 167])→29歳(「閃III」[書 150])→30歳(「閃IV」[書 168])[注 61][注 214]
- 遊撃士協会の帝国支部に所属する正遊撃士[64]。《
零駆動 ()》の異名で呼ばれる[注 215]。 - 武器はスタンロッドで、武術の腕はそれなりといったところだが、戦術オーブメントの裏技的なカスタマイズに長けており、凄まじいスピードで導力魔法を繰り出す使い手として知られている[64]。
-
- 来歴
- 子供の頃に両親を亡くし[書 169]、兄弟も友人もなく頼れる者はいなかったが、ミヒュトに仕事を斡旋してもらうようになり、様々な偽名を名乗りつつ生計を立てるようになる[345][346]。
- ひょんなことからある古代遺物にまつわる事件にかかわり、そこで出会ったアイン・セルナートに導力魔法の腕を見出され、遊撃士としての道を見出し、それまで使っていた偽名は捨てて「トヴァル・ランドナー」となった[346][注 216]。
- 《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》(1202年)では、カシウス・ブライトによる反攻作戦に協力し、この際、カシウスやアルゼイド子爵と懇意になる[196][22]。事件は解決したものの、帝国政府の圧力により帝国における遊撃士協会の活動は制限されるようになって弱体化していき、他の面々が去っていく中、帝国の遊撃士協会に留まり遊撃士としての活動を続ける数少ない一人となる[256]。
- 『審判の指環』 - 帝国を旅するエステルとヨシュアをサポートする先輩遊撃士として登場[書 4]。帝国に不慣れな2人をサポートするため、登場時点で数か月に渡って旅に同行している[書 4]。遊撃士協会に来た依頼により、エステル、ヨシュアとともに帝国辺境の里(アルスター)に赴き、そこで古代遺物《審判の指環》による事件に遭遇することとなる[書 5]。
- 「閃I」 - サラからの依頼を受けて、VII組の特別実習を陰ながらサポートする。アルゼイド子爵が帝国各地の中立派の貴族たちを訪ねる旅に出ることにするととそれに同行することを申し出て[196]、その後は彼と行動をともにし、アルゼイド子爵がカレイジャスの艦長になるとトヴァルは情報収集役として参加し、同艦に乗艦するようになる[164]。
- 「閃II」 - オリヴァルト皇子からの連絡を受け、内戦が始まった帝都で女学院のアルフィン皇女とエリゼを助け、貴族連合の捜索をかわして帝都の外まで連れ出し、二人を護衛してユミルまで送り届ける[200]。2人を守ってユミルに滞在を続け、クロウが正体を伏せて送った連絡に従ってアイゼンガルド連峰に赴き、目覚めたばかりのリィンを救出する[203]。リィンがVII組メンバーを探す旅に出るとそれに同行し、VII組が再集結するまでの間、旅をともにする。彼らがオリヴァルト皇子からカレイジャスを託されたのを機に一行と別れ、皇子らとともに帝国西部へ向かい[100]、皇子の《自由への風》に協力。最終決戦では、オリヴァルト皇子とともに《煌魔城》にVII組の助太刀に現れ、デュバリィ、ブルブランと交戦する[257]。
- 「閃III」 - 実力はA級並と言われている。《黒キ星杯》が出現すると、オリビエやヴィクターとともにカレイジャスに乗って駆けつけるが、《黒》のアルベリヒの意を受けたジョルジュによりカレイジャスが爆破されてしまう[134]。
- 「閃IV」 - 「閃III」で爆発したカレイジャスから、ジョルジュの計らいとブルブランの救助により奇跡的に生き延び[63]、同じく九死に一生を得たオリヴァルト皇子とともにカレイジャスIIでパンタグリュエルの危機に駆けつける[61]。最終決戦では《塩の杭》のひとつの攻略を受け持つが、旧知のアルゼイド子爵に加えてオーレリア、ヴィータといういずれも規格外の強さを持つ面々とチームを組むことになり、神機アイオーンαIIの複製品と対峙し、尋常ではない強敵に気を引きしめる自分を横目に全く問題視しない(そしてたやすく神機を粉砕してしまう)他の面々に閉口することとなる[11]。
- 人物
- 面倒見の良い人物で、年下や後輩の前で格好を付けたがるところがある。
- 直感に優れ、その点は同僚のサラからも信頼を置かれている[63]。
- 作中に登場する娯楽小説『カーネリア』の主人公のモデルであり、当時の彼を知るものからは「トビー」の愛称で呼ばれる。
- 星杯騎士団総長であるアインには遊撃士の道を見出すきっかけを与えられていることから、「女神」とも呼び恩義を感じている[346]。この関係は周囲から度々からかわれる。
- カレイジャスが爆破された際、オリヴァルト皇子は左目を失い、ヴィクターは乗員をかばったことで左腕を失っているが、自身はかすり傷程度で済んだことに罪悪感を感じ、ラウラにはヴィクターを救えなかったことを謝罪している[63]
- トヴァルの初登場は「零」の前日譚の漫画『英雄伝説 零の軌跡 プレストーリー -審判の指環-』(姓は「閃I」で初出)で、「零」の発売前には登場しており、「(もし帝国編があれば)ぜひ出したい」と当時から言われていた[書 170]。
- サラ・バレスタイン
- フィー・クラウゼル
- ヴェンツェル
魔女の眷属(ヘクセンブリード)
[編集]かつて帝国に存在した、《焔》を司る至宝《紅い聖櫃(アークルージュ)》を授かった一族の末裔。《魔女》と呼ばれ、帝国の伝承にしばしば登場する存在。
- ローゼリア・ミルスティン(《緋》のローゼリア)
- 登場作:「閃III」・「閃IV」S・『創』S
- 声:水橋かおり
- 《魔女の眷属》の長で、真祖[213][注 217]。エマやヴィータたちの師、800年以上生きており、老成した口調で話す[64]。《
緋 ()のローゼリア》とも、ローゼリア・ミルスティンとも名乗っており、「ロゼ」とも呼ばれる。 -
- 来歴
- 《焔の聖獣》ローゼリアと融合した存在である焔の一族の長(先代)によって使い魔(眷属)として生み出される[193]。
- 「閃III」のおよそ900年前(270年頃)、帝都ヘイムダルにおいて《暗黒竜》ゾロ=アグルーガが出現し、《魔女の眷属》は帝都から逃げる人々を助けるが、その最中、長である先代ローゼリアが失われる[261]。先代の跡を継ぐため《月冥鏡》によって主の記憶の一部と使命を受け継ぎ、2代目ローゼリアとなる[92]。
- 371年、ヘクトルI世を助力し、彼に《緋の騎神》テスタ=ロッサを起動させ、《暗黒竜》ゾロ=アグルーガからヘイムダルを奪還する助力をする[261][92]。ゾロ=アグルーガの打倒には成功したものの、返り血を浴びた《緋の騎神》は呪われた存在になってしまったため、皇城地下に封印する[261]。
- 942年、レグラムのローエングリン城において、リアンヌ・サンドロットを導き、試練に挑んだ彼女は《銀の騎神》アルグレオンの《起動者》となる[350][261]。《獅子戦役》の終盤(951年か952年)にはドライケルス皇子を導き、《灰の騎神》ヴァリマールの《起動者》とし、この2人によって《獅子戦役》は終結を迎える[316][317]。最後の戦いで死去したリアンヌの遺体をエリンの里に運び、そこで彼女の不死者としての復活を見届ける[261][39]。
- 「閃III」の200年ほど前(1000年頃)、帝都で起きた《
夜の眷属 ()》による事件に関わり、それまで対立していた七耀教会とこの一件を機に和解する[59][258]。 - 両親を失ったヴィータとエマをそれぞれ引き取り(時期は異なる)、養親になると同時に魔術の手ほどきを始め[82]、二人のために眷属創造の秘術を使い、セリーヌとグリアノスを生み出す(1190年か1191年頃)[250]。
- 「閃III」 - リィンの行く先々に現れ、リィンにのみ姿を見せる。終盤、《暗黒竜》ゾロ=アグルーガが蠢動を始めると新旧VII組の前に正体に明かしてその危機を伝えて調伏に協力する[59]。《巨イナル黄昏》に向けた流れが確定的になったことを受けて帝都の大聖堂に新旧VII組を集め、トマスとともに帝国にかつて存在したふたつの至宝の話、《魔女の眷属》と《地精》に過去あった出来事について語る[261]。帝都近郊に《黒キ星杯》が出現すると、トマスと協力して新旧VI組を《黒キ星杯》内に送り込む[134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》から新旧VII組を離脱させ、隠れ里エリンにかくまい、彼らのリハビリに協力する[143]。リィンが囚われている《黒の工房》の位置を特定する手段を示し[213]、特定に成功すると、里全体を使った転移陣を用意し彼らを工房に送り込む[51]。リィンらが《七の相克》に向けて動き始めると、自らの聖獣としての正体を明かして交戦することで彼らを試し、帝国で過去に起きた出来事を《月冥鏡》によって見せ、《相克》を勝ち抜く覚悟を固めさせる[193]。最終決戦では《塩の杭》のひとつの攻略を受け持ち[11]、《巨イナル黄昏》が終わるとフランツ・ラインフォルトに協力して6騎の騎神の力を借りて奇蹟を起こし、消滅しかけていた《剣》(ミリアム)の実体化を行うとともに、クロウの魂魄を再生して生者として復活させる[212]。
-
- 人物
- 不老を保ち《暗黒時代》から生き続けており、帝国の伝承でも《獅子戦役》でドライケルス皇子に味方した“善き魔女”や帝都で起きた「吸血鬼事件」の吸血鬼の真祖などとして語られ[261]、《暗黒竜》を討伐したヘクトルI世とも懇意にしていた過去を持つ[63]。
- 作中に登場する娯楽小説『赤い月のロゼ』の主人公のモデルだが、妙齢の女性として描かれている小説と実際の容姿とが異なることについて、眷属創造の秘術でセリーヌとグリアノスを生み出したことが原因だと語る[250][注 218]。人間の姿で本気を出す時や、満月の夜など霊力がみなぎっている時であれば、本来の妙齢の女性の姿を維持することができる[34][注 219]。
- エマに言わせると、基本的に面倒見はよく、魔術についてもとことん厳しいものの、奔放なところや思わせぶりすぎるところが玉に瑕ということになる[351]。基本的に霊力さえあれば生きていけるため、食事、掃除、洗濯といった家事には無頓着で里の者たちの世話になっている。
- エマとヴィータにとっては育ての養母にあたるが、二人からは「おばあちゃん」、「婆様」と呼ばれている。
-
- 翼ある灼獣《ローゼリア》
- その正体は焔の聖獣《灼獣ローゼリア》と魔女の長が融合した存在[193]。今のローゼリアは二代目であり、地精の裏切りによって先代が命を落とした後、その使い魔が力と使命を受け継ぎ、《ローゼリア》となった[63]。セリーヌとグリアノスを生み出したのも、いずれ自分が死んだ時に新たに《ローゼリア》を受け継ぐ存在を残しておくためである[63]。
- 蒼い翼を持つ巨大な猫(ネコ科の猛獣)の姿をしており、特徴である翼と猫の姿はそれぞれ眷属であるグリアノスとセリーヌに受け継がれている[193]。
- その行方は教会も探していたが、(吸血鬼事件などでローゼリアとは接点があったにもかかわらず)人間と融合していたためか、発見するには至っていなかった[193]。
- レグナート、ツァイトがそれぞれ姿を消す前に少々言葉を交わしていたため、エステルらリベール組や、ロイドら特務支援課の面々のことも実際に会う前から知っていた[63]。
-
- 『赤い月のロゼ』中のロゼ
- 吸血鬼狩りをしている若い女性。あどけなさを残しつつも凛とした顔立ち、首までかかるセミロングの金髪、透き通った声をしている[352]。無表情で、口調は丁寧だが、毒舌[352]。
- 七耀教会の“ある組織”に属しており[353]、
法剣 ()や法術の使い手[354][355]。法剣以外に、法術によって加護を与えた「対吸血鬼用兵装」を至る所に身に着けており、銀の弾丸を放つ2丁の巨大な拳銃、銀色のレイピアなども得物とする[352][355]。 - 物語では、七耀暦1000年頃の帝都で発生している『吸血鬼事件』を解決するために現れ、主人公で軍人のアルフォンス(アル)と協力して、吸血鬼を追う[352]。
- その正体は滅んだと思われていた吸血の一族の“真祖”の末裔で、名はローゼリア[356]。真祖の姿になると、瞳の色は真紅になる[356][357]。血への渇望に耐えられず一族を出奔して人を襲う“
高位の吸血鬼 ()”を一族の名を汚す存在として許せず、吸血鬼狩りをしていた[356]。自らは人の血を飲まないことにしており、その力は年々弱っていっている[357][注 220]。
- エマ・ミルスティン
- 《魔女の眷属》で、ローゼリアの養女。詳細は「#エマ・ミルスティン」を参照。
- ヴィータ・クロチルダ
- 《魔女の眷属》で、ローゼリアの養女。詳細は「#ヴィータ・クロチルダ」を参照。
- セリーヌ(セリーヌ・ミルスティン)
- 登場作:「閃I」・「閃II」・「閃III」・「閃IV」S・『創』P
- 声:相沢舞
- 優美で艶やかな毛並を持ち[191]、
- ロゼから受け継いだ術により人間の姿になることができ(この姿の時は名前が「セリーヌ・ミルスティン」になる)、この姿だと「攻性術式」(導力器を使わない攻撃魔法)を使うことができる[51]。ただし、人の姿になることを本人は嫌っている[51][94]。
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- 来歴
- 「閃IV」の15、6年前(1190年か1191年頃)、眷属創造の秘術を用いたローゼリアによってグリアノスとともに生み出され[250]、エマに与えられてともに育つことでエマにとっては姉のような妹のような存在となっていく[252]。
- 「閃I」 - お目付け役として[191]、エマに同行してトリスタにやってくる[201]。猫として士官学院に自由に出入りして旧校舎の異変に気を配りつつ、リィンを《
起動者 ()》候補と見てその成長を見守り、最後の試しでは同行して彼が《起動者》となることを見届ける[241]。内戦が始まり、リィンが《灰の騎神》ヴァリマールを初めて起動すると《核 ()》(コクピット)に同乗してサポートし、彼らが《蒼の騎神》オルディーネに敗れるとヴァリマールに離脱を指示してリィンの意に反して強制的に離脱させる[202]。 - 「閃II」 - 最初はリィンをトリスタから無理やり離脱させたことで彼の怒りを買うが、旅を通じて彼とは相棒のような関係になっていく[64]。リィンがヴァリマールの武装のためにゼムリアストーンを必要とするようになると、精霊窟の存在を教え[277]、エマとともにその扉に解除に協力して回る。
- 「閃III」 - エマとともに帝国各地の霊窟を回っていたが[116]、クロスベルでリィンと再会し[112]、彼が《神気合一》のコントロールを失っていたためしばらくそのサポートをすることにし、リーヴスに戻る彼に同行する[116]。リィンが《神気合一》を再び使えるようになるとエマのもとに帰る[82]。帝都でエマとともにVII組の面々と再会し、《暗黒竜》ゾロ=アグルーガとの戦いや《黒キ星杯》にも同行する[59][134]。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》で暴走状態となったリィンが囚われると、ヴァリマールに強制的に乗り込み[307]、リィンとともに《黒の工房》に連れていかれ、暴走状態のリィンを術によって抑え続ける[208]。リィンが暴走状態のまま自力で脱出を始めると、人型(セリーヌ・ミルスティン)になってそれを追いかけてサポートし、新VII組との合流を果たし、辛くも《黒の工房》からの脱出に成功する[51]。その後、月霊窟では聖獣としての正体を明かしたローゼリアによる試しを受け、次の長の座を託される[193]。
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- 人物
- 厳格な性格をしており、生真面目で控えめな性格のエマとは問題ないものの、奔放なところのあるローゼリアやヴィータには手を焼いている。
- 憎まれ口をたたくものの、面倒見は良く[170][171]、「魔女」としての使命の重さをたびたびエマに言い含め、リィンには振り回されるたびに何かと注意を与える。
- 人間の気持ちや機微はいまひとつわからなかったが[200]、リィンらの側にいる内に人間たちの影響を強く受け、彼らと価値観を共有するようになり、エマの使い魔としての役目を超えて手を貸すようになる[358]。
- お目付け役としてエマを支えるという点を重視して作られているため、グリアノスとは異なり人間の言葉を話すことができ、人の姿になることもできる[358]。主であるエマとはつながっているため、相手が生きてるかどうかといった程度のことはたとえ遠く離れていてもお互い感知することができる[200][143]。
- ローゼリアからは猫の部分を色濃く引き継いでおり、そのため猫としての性質があり、好物である魚の魅力に抗えない一面がある[112][注 221]。動物と意思疎通することができ、ガイウスの相棒ゼオとも会話している[172]。
- イソラ・ミルスティン
- 登場作:『創』
- 故人。エマの母で、ヴィータの先代の巡回魔女[359]。
- 魔力はそこまで高くなかったものの、勉強熱心で帝国の呪いについても独自に調べており、幼い頃のヴィータにも少なからず影響を与え[359]、彼女が《巡回魔女》となるきっかけを与える[336]。
- 巡回魔女となって里の外で暮らしていたが[82]、最期は見ず知らずの人たちを救おうとして命を落とした。
黒の工房/地精(グノーム)
[編集]かつて帝国に存在した、《大地》を司る至宝《巨の黒槌(ロストゼウム)》を授かった一族の末裔。《
- 黒き終焉のアルベリヒ(《黒》のアルベリヒ)
- 登場作:「閃III」・「閃IV」B
- 声:安元洋貴
- 地精たちの長で、《黒の工房》の工房長。
- 不老不死ではないものの、何らかの方法によって地精の長としての役目を数百年に渡って受け継いでいる存在で、優秀な地精の子孫に寄生し融合することによって永らえていると推測されている[193]。
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- 来歴
- 『閃』のおよそ900年前(300年頃)に《黒の騎神》イシュメルガの眷属となり[書 137]、以降、クロスベルの錬金術師から
人造人間 ()の技術を盗んだり、暗黒時代の魔術師に《魔煌兵》の技術を与えて発展させたりしながら(527年頃[360])、《根源たる虚無の剣》を作るべく、Ozシリーズの完成に向けてフィードバックを行い続ける[134]。 - 1192年、《黒の騎神》イシュメルガがギリアス・オズボーンを《起動者》とし[193]、後に彼が帝国の権力を握るにともない《黒の工房》との協力関係が構築される[77]。
- 「閃I」の8年前(1196年)[224]、《地精》の子孫であるフランツ・ラインフォルトに寄生、融合して人格を乗っ取る[193]。
- 「閃III」の5年前(1201年)、覚醒したミリアム(Oz73)をオズボーンに引き渡す[84]。
- 「閃I」の前年(1203年)末、《西風の旅団》の団長ルトガー・クラウゼルと《赤い星座》の団長バルデル・オルランドが《紫の騎神》ゼクトールが眠る地の近くで決闘するように仕向け、彼らが三日三晩の死闘の末に相打ちとなった後、残された《西風の旅団》のゼノ、レオニダスに話を持ち掛け、ルトガーを《紫の騎神》の《起動者》にし、不死者としてよみがえらせるよう取り計らう[193][注 222]。
- 「閃III」の2年前(1204年7月以前)、覚醒したアルティナ(Oz74)をオズボーンに引き渡す(オズボーンを経由してルーファスに貸与される)[217]。同時期に《黒の工房》として《西風の旅団》を雇い、彼らにはカイエン公に協力させる[注 223]。
- 「閃III」 - 帝國学術院の客員教授「フランツ・ルーグマン」を名乗り、地質調査のためと称してリィンらが行く先々に現れる。その裏で《銅》のゲオルグに指示を与えるなどして暗躍する。《黒キ星杯》でリィンらに正体を明かし、《根源たる虚無の剣》(終末の剣)の錬成を遂げるとともに、その剣によってリィンに《黒の聖獣》を討たせ、《巨イナル黄昏》を発動させる[134]。
- 「閃IV」 - オルキスタワーでエステル、ロイドらと[10]、《黒の工房》では新旧VII組と交戦[51]。オズボーンが「表」で世界大戦に向けた準備を進める一方で、アルベリヒは「裏」で(最終的に《黒の騎神》が勝利することを前提に)《巨イナル一》の再錬成に向けた準備を着々と進め、《第三相克》が終わった時点で幻想機動要塞《トゥアハ=デ=ダナーン》と5本の「偽なる《塩の杭》」を出現させ[34][361]、《最終相克》に向けた舞台を整える。幻想機動要塞ではルーファスとともにVII組を迎え撃って敗れる[312]。オズボーンがリィンらと《最終相克》を始めようとしたため、世界大戦が佳境となっていない段階で《最終相克》を行っても闘争のエネルギーが足りず《巨イナル一》の再錬成が不充分なものになると諫めるが、強行されてしまう[209]。結果、オズボーンと《黒の騎神》が敗れたため、自分たちの敗北を認めつつ消滅する[210][注 224]。
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- 人物
- 現在の肉体はフランツ・ラインフォルトで、フランツとしての記憶も残っているが[71]、性格はフランツと違って冷酷で、《巨イナル一》の再錬成という目的のためにはいかなる犠牲を出すことにも躊躇しない。
- 《巨イナル一》を再錬成することで帝国にかけられた呪いを解きつつ[134]、《巨イナル黄昏》で終末を迎えた後の、戦火によって暗黒時代のレベルまで巻き戻った混沌と混迷の世界で、(あくまで《黒の騎神》の下僕として)技術を背景とした世界の立て直しをする役割を得ることを最終的な目的にしており[71]、主であるオズボーンと結託して《巨イナル黄昏》を推し進める。
- ゲーム本編では示唆されるのみで明言されていないが、アルベリヒはいわば精神生命体的な存在で[書 137]、地精の眷属の中で最も優秀な子孫に代々乗り移っている[193]。アルベリヒと同化した後で死んだ者が不死者となってよみがえることができるのはアルベリヒがイシュメルガに下った時点でその眷属となっているためで[書 137][注 225]、アルベリヒの思念と完全に同化するには不死者となること(いったん死亡すること)が条件になっている[212]。
- かつてはワイスマンとも懇意にしており、彼に自律型の小型戦術殻を提供した[10]。それらは「SC」ラストバトル緒戦で生身のワイスマンと戦闘する際、彼が傍らに従えている[5]。
- 自身が戦う際は全ての戦術殻の原型である《ゾア=バロール》を使用する[10][51]。
- 外見は「閃III」用の初期案では「閃I」・「閃II」のアリサの回想で登場するフランツ・ラインフォルトと同じ容貌だったようだが、その後の検討のかなり早い段階で変化していったことがうかがえる[書 171]。
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- フランツ・ルーグマン
- 《黒》のアルベリヒの仮初の姿のひとつで、「ルーグマン」はフランツ・ラインフォルトの結婚前の姓。「ルーグマン教授」とも呼ばれている。
- 帝國学術院で地質学を教える客員教授で、地質調査のためと称してリィンらが行く先々に現れる。《釣皇倶楽部》所属ということにもしている[112]。
- 《銅》のゲオルグ
- 地精の生まれの一人。詳細は「ジョルジュ・ノーム」を参照。
- 《蒼》のジークフリード
- 地精の長の代理を名乗る、仮面をつけた銀髪の男[116]。二丁拳銃を操り、《蒼の騎神》オルディーネを乗りこなすその姿は知人から見れば死んだはずのクロウ・アームブラストであることは疑いようもなく、対面したリィンたちを動揺させる[116]。
七の騎神(デウス=エクセリオン)
[編集]かつて帝国に存在した《焔》と《大地》の至宝が混ざり合い誕生した《鋼》を管理するために《地精》が造った器に《魔女》が《鋼》を分割して封じた7騎(7体)の騎士人形。帝国の表の歴史の裏で幾度となく現れ、来る《巨イナル黄昏》における《七の相克》の予行演習としてお互いに争い続けていた。七機にはそれぞれ異なる自我をもち、得意分野や固有の特殊能力をもっているが全てが同格というわけではなく、アルベリヒの見立てでは規格外の存在である《黒》を除けば《金》と《銀》が特に優れており、次点で魔王の素体となった《緋》が続き、残りの《灰》と《蒼》と《紫》は横並びとのこと。基本的には試しの地において試練を乗り越えた者を《起動者(ライザー)》として契約するが、中には皇族アルノール家の血を引く者しか起動できない《緋》や、曲者を好み最後の試し自体が特殊な方法で行われる《紫》など例外も存在する。フレームはゼムリアストーンで構成されている[265]。
- 《灰の騎神》ヴァリマール
- 登場作:『閃』P・『創』
- 声:松原大典
- トールズ士官学院の旧校舎を試しの地として封印されていた騎神[241]。作品本編ではリィン・シュバルツァーが《起動者》となる。
- 《獅子戦役》でドライケルス皇子が《起動者》となり操縦していた騎神であり、《獅子戦役》終結後、皇子によってトリスタの地に封印され、その後、同地にトールズ士官学院が設立された。リィンが復活させた後は、記憶メモリーに損傷を来たしていたためか、自分が封印された経緯についても明確な記憶を持っていなかった[265]。目覚めたばかりの頃は機械的な会話しかできなかったが、その後の1年半ほどの期間で徐々に記憶を回復させていくにつれ、話し方も流暢になっていき[170]、リィンとも信頼関係を築いていった[67]。「閃IV」の《第三相克》の末、リアンヌによって力を与えられたことで、それまで失われていた全ての記憶を取り戻す[34]。リィンとともに帝国の内戦から《七の相克》まで2年近くに渡って戦い抜き、最後には相棒と呼び合うまでになる[212]。
- 騎神の中では勝率の低い部類に属し[312]、《黒の騎神》イシュメルガからは(他の騎神と同様)いずれ自分の一部となるしかない屑鉄と呼ばれる[193]。他の騎神と比べるとこれといって特徴となるような能力は持たない騎神だが、本編では《七の相克》を勝ち抜き、イシュメルガを打倒することになる[209]。
- リィンの八葉一刀流の型は再現可能で[202]、「鬼の力」による強化もヴァリマールにフィードバックされて有効となる[171]。
- 《起動者》のリィンのほか、新旧VII組(サラを含む)の全員を《準起動者》(《準契約者》)としており[145][注 226]、「閃II」の時点で《準起動者》の数がこれだけいるのは珍しいとヴァリマールは語っている[86]。ARCUS IIの影響なのか、《準起動者》が乗った機甲兵とも霊的にリンクすることができる[145]。クロウの《蒼の騎神》オルディーネを《相克》で破りながら力を取り込まず眷属化していることも含め、「足掻きながらも共に助け合うことで前に進む」という新旧VII組のありかたを体現する存在になっている[312]。
- 《準起動者》たちとは別に、「閃II」ではクララを[100]、「閃III」と「閃IV」ではティータとミントを「
工匠 ()」と認めて整備やEXオーブ(強化アイテム)の作成を任せている[145]。 - 《起動者》を思いやる人間味のある性格をしており、「閃III」ラストから「閃IV」にかけて思考をロストしていた間も思念体としてリィンたちをずっと気に掛けていた[51]。「閃III」では整備を担当しているミントについて言及することが多く、「閃II」では騎神は汚れとは無縁だから温泉のよさはわからないとリィンに語っていたが、「閃III」で彼女が考案した洗浄方法を気に入っている[71]。
- 《騎神》に付されている色の設定は七耀とは関係なく、まず《黒》と《白》というイメージがあり、主人公は少し違う色にしたいということで《白》ではなく《灰》に設定された[書 172]。
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- ヴァリマール(第二形態)
- 《黒キ星杯》で「鬼の力」に飲まれて暴走したリィンに呼応して形状が変化した姿[134]。頭部の角は2本になり、鬼を思わせる形相となる。
- 暴走したリィンには帝国の呪いによる強制力が働き、《黒の史書》に書かれていた通り《根源たる虚無の剣》を手にして《黒の聖獣》を滅ぼし、《巨イナル黄昏》を引き起こしてしまう[134]。
- この形態になった際はリィンが暴走状態だったため、色が黒っぽくなり形状も禍々しいものに変化したが、リィンの暴走が収まったことで本来の灰色に戻り、形状の禍々しさもやや落ち着きを見せる[書 173]。
- 呪いの枷がはめられたことにより思考フレームのコアをロストしたため、ヴァリマールは会話することができなくなる[51]。
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- 真ヴァリマール
- 《第四相克》で《緋の騎神》テスタ=ロッサを、《第五相克》で《金の騎神》エル=プラドーを破り、エル=プラド―が吸収していた《銀の騎神》アルグレオンの分も含め、4騎の騎神の力を取り込み形状が変化した姿。
- 《蒼の騎神》オルディーネ
- 登場作:「閃I」B・「閃II」B→S・「閃III」・「閃IV」B→P・『創』
- 海都オルディスを試しの地として封印されていた騎神[282]。作品本編ではクロウ・アームブラストが《起動者》をしている。
- 他の騎神にはない特徴として、「奥の手」を使うことで形状を変化させ、より強力な力を発揮することができる[202]。くわえて、通常状態でも飛行能力に優れている[71]。
- 「閃II」の3年前(1201年)、《巨イナル黄昏》を阻止すべく行動するヴィータによって導かれたクロウによって封印を解かれ、彼を《起動者》とした[282]。ヴァリマールとリィンの関係と同じくクロウとは信頼関係を築いており、「閃II」の帝国内戦(1204年)において、ヴァリマールとは幾度となく交戦した。
- 内戦の際に目覚めた《紅き終焉の魔王》との戦いで、リィンのヴァリマールを庇ったことで《核》を貫かれ、《起動者》のクロウを失う[206]。彼が「死亡」したことから《起動者》を失ったオルディーネは帝国正規軍によって回収され(この際ジョルジュが技術者として同行した)[218]、貴族勢力に使われたりしないようガレリア要塞の最深部に厳重に封印されていたが[171]、誰も知らぬ間に消え[192]、《黒の工房》の《蒼》のジークフリード(記憶を失ったクロウ)に駆られて再登場する[116]。
- その後、クロウが記憶を取り戻し、《七の相克》最初の《第一相克》でリィンの《灰の騎神》ヴァリマールに敗れる[94]。本来ならヴァリマールに力を取り込まれて消滅するはずだったが、クロウの消滅を望まなかったリィンにより力の吸収を押しとどめられ、オルディーネがヴァリマールの「眷属」となることでクロウともども消滅を免れる[94]。その後は《七の相克》をヴァリマールと共闘する形で戦い抜くこととなる。
- オルディーネもヴァリマールと同様、起動した直後は記憶に損傷があり、クロウとの対話で言語機能を取り戻すまでは片言だったと語る。「閃II」ではクロウの呼びかけに応えるくらいしか話す様子がないが、「閃IV」ではカレイジャスIIに格納され、ヴァリマールが沈黙している間もリィンに対して他の騎神について流暢に語り、《七の相克》を戦う上での助言を与えている。
- なお、G・シュミットが《機甲兵》(ドラッケン)を設計するにあたって、自分のデータを提供する形でクロウとともに彼に協力した[39]。
- 《緋の騎神》テスタ=ロッサ
- 登場作:「閃II」・「閃III」・「閃IV」B
- 声:佐原誠
- 帝都ヘイムダルの皇城バルフレイム宮の地下に封印されていた騎神[156]。帝国の伝承で《千の武器を持つ魔人》や《紅蓮の魔人》として伝えられている存在で、帝国の皇族アルノール家の血を引く者にしか起動できないとされる[206][書 151]。作品本編ではセドリック・ライゼ・アルノールが《起動者》となる。
- 『閃』本編の800年ほど前、帝都を暗黒の瘴気に包み込んでいた《暗黒竜》ゾロ=アグルーガを退治すべく、当時の皇帝ヘクトルI世が起動して《暗黒竜》の討伐に成功するが、《暗黒竜》を倒した際に浴びた返り血で皇帝は死に、《緋の騎神》も呪われた存在となったため封印される[362]。
- その後、《獅子戦役》と「閃II」の帝国内戦の2度にわたって復活し、いずれも《
紅き終焉の魔王 ()》となった末に打倒されている。 - 「閃II」で封印状態のまま《煌魔城》を出現させるのに利用され、最終的にリィンとクロウによって《紅き終焉の魔王》が倒され[206]、以降は残骸のまま放置されていた。この残骸となっていた間に衰弱死を待つばかりとなっていたセドリックの夢に「紅い影」となって現れ、彼が《起動者》候補となることを受け入れたことで[313]、仮登録した彼に加護を与えて命を保たせる[書 137]。「閃III」で《黒キ星杯》が出現した際に大量の霊力を取り込み《緋の騎神》として復活し、セドリックを正式に起動者に選ぶ[134][書 151]。
- こうして三度の復活を遂げた後、「閃IV」で《七の相克》を戦う。基本的には《起動者》のセドリックと同じ騎士剣を武器にしているが、「千の武器を持つ」という異名の通り、召喚した武器を操ることもできる[258][注 227]。
- すべてが終わった後に自分の生涯を「まるで長い夢を見ていたかのようだった」と回顧している。
-
- 《
紅き終焉の魔王 ()》 - 「閃II」本編のラストボス。《千の武器を持つ魔神》の二つ名を持ち[注 228]、《紅蓮の魔王》とも呼ばれる。
- 《緋の騎神》は他の騎神と同じ大きさだが、《紅き終焉の魔王》は二回りほど巨躯となる[206][書 174]。
- 《獅子戦役》で《偽帝》オルトロスによって復活させられた後、ドライケルス皇子とリアンヌ・サンドロットにより打倒され[316]、《緋の騎神》の姿でバルフレイム宮地下に封印されていた[156]。
- 帝国の内戦において、カイエン公の策謀により《緋の騎神》にセドリックのアルノールの血が合わさったことで、《紅き終焉の魔王》として復活した[206]。復活した《紅き終焉の魔王》は帝都を赤い瘴気で覆いつくすが、セドリックを取り込んだ《
核 ()》をリィンとクロウによって抜き取られたことにより、リィンらの次元には存在できなくなり消滅する[206]。
- 《
- 《紫の騎神》ゼクトール
- 登場作:「閃III」・「閃IV」B
- 《紫紺の騎士》とも呼ばれる。作品本編ではルトガー・クラウゼルが《起動者》をしている。
- 《獅子戦役》では第六皇子ルキウスの陣営の猟兵が《起動者》となり操縦していたが[318][278]、《紅き終焉の魔王》によって破壊されてしまう[316](952年頃)。以降は《地精》によって密かに管理され[書 175]、「閃I」の前年(1203年)末、《黒》のアルベリヒがルトガーと《赤い星座》の団長バルデル・オルランドに《起動者》候補として加護を与えるよう仕向けた上で三日三晩に及ぶ一騎打ちをさせ、両者が相討ちとなって死亡した後、《西風の旅団》のゼノとレオニダスに話をもちかけ、ルトガーを《紫の騎神》の《起動者》としたことでルトガーは不死者としてよみがえる[193]。
- 素早い上にタフで油断ならない機体と見られており[71]、オルディーネからは曲者と評されている[92]。過去の起動者は曲者が多く、ハマった時の強さは厄介なものとなる[71]。かつての起動者も猟兵であったためかルトガーの死生観に共感し、《第二相克》で死闘の末の敗北した際は満足した様子を見せている[175]。
- 古風な話し方をする[175]。
- 初登場時に去る時に半透明になり、ゲーム本編ではその後も特に説明されないが、これは光学迷彩である[書 175]。
- 《紫の騎神》の起動者を誰にするかは二転三転あり[書 176]、初期の構想では《紫電》ということでサラにする案もあったという[書 172]。
- 《銀の騎神》アルグレオン
- 登場作:「閃III」・「閃IV」B
- ローエングリン城の地下を試しの地として封印されていた騎神。”ぎん”とも”しろがね”とも呼ばれている。作品本編ではアリアンロード(リアンヌ・サンドロット)が《起動者》をしている。
- 942年、《緋》のローゼリアに導かれたリアンヌが試練に挑み、《起動者》となる[261][350]。リアンヌはその力を大きすぎるものとして封印し、《獅子戦役》でドライケルス皇子に助力することになってからも使用せず、《煌魔城》における《紅き終焉の魔王》との戦い(952年)でその禁を解き、ドライケルスの《灰の騎神》に助力し戦いを勝利に導く[261]。この際、リアンヌは致命傷を負って命を落とすが、半年後に隠れ里エリンで「不死者」として密かに復活を遂げ[261]、以降、250年以上にわたり《騎神》の操縦においても研鑽を積む[172]。
- 「閃IV」で《第三相克》の末、リィンの《灰色の騎神》ヴァリマールに敗れ、リィンらがアリアンロードを説得している隙をついたルーファスの《金の騎神》により背後から《核》を破壊され、力を奪われる[363]。
- 《獅子戦役》で明らかになったその強さは騎神の中でも群を抜いており、《紅き終焉の魔王》との戦いは《灰の騎神》だけでは止められなかったと見られており、その後もリアンヌが250年以上も《起動者》を務めて研鑽を積んでいるため、戦闘において小細工の通じるような相手ではなくなっている[172]。
- 大きな翼が特徴で、丁寧な口調で話す[212]。大地の聖獣アルグレスの特色を色濃く受け継ぐとされる[312]。
- 《金の騎神》エル=プラドー
- 登場作:「閃IV」B・『創』
- クロスベルの湿地帯に召喚された"試しの場"から呼び出された騎神。《黄金の騎神》とも呼ばれる[148]。本編中最後に目覚めた騎神で、ルーファス・アルバレアが《起動者》となる。
- 永遠を表す黄金の機体を持ち[148]、黄金のバリアを展開しあらゆる攻撃を無効化することができる。
- 帝国の歴史の裏で起こっていた騎神同士の戦いの中では最も勝率が高く、《黒》を除いた六機の中では最強の力を持つとアルベリヒは語っている[312]。オルディーネに言わせても、単純な潜在能力では騎神の中でもトップクラスの位置にある。
- 《第三相克》の後、《灰の騎神》に敗れた《銀の騎神》を不意打ちしてその力を奪い、それにより翼を持つ形態へと変化する[363]。《最終相克》直前の《第五相克》で、2機の魔煌機兵を従え《灰の騎神》と《蒼の騎神》に相対するが敗れる[312]。
- 起動者がルーファスだったこともあり冷酷な戦いぶりや卑劣な行いをする場面が多かったが、本来の自我は高潔な騎士を思わせる口調をしている[212]。
- 《黒の騎神》イシュメルガ
- 登場作:「閃III」・「閃IV」B
- 他の騎神とは一線を画する存在感と威圧感を放つ漆黒の騎神[64][注 229]。作品本編ではギリアス・オズボーンが《起動者》をしている。
- 帝国で起こった災厄の多くの裏で糸を引いていた存在とされる[193]。他の騎神たちがしばしば出現しているのに対して、イシュメルガはほとんど姿を現しておらず、ローゼリアも詳細を知らなかった[193]。
- 来歴
- およそ1200年前の《大崩壊》の頃(七耀暦の紀元の頃)、《焔の至宝》を奉じる一族(魔女の眷属)と《大地の至宝》を奉じる一族(地精)によって、他の6騎の騎神とともに生み出される[261]。
- いつ頃かは定かでないが、悪意に目覚め、七耀暦270年頃に《暗黒竜》ゾロ=アグルーガを生み出すなどして、帝国に災厄をもたらし始める。 ヘクトルI世が《暗黒竜》ゾロ=アグルーガからヘイムダルを奪還した頃(371年頃まで)には創造主である《地精》を支配して眷属として取り込み、下僕にしたと考えられている[193]。
- 952年、《獅子戦役》を平定したドライケルスの魂に自らの《起動者》としての資質を見出し、以後、彼に執着してその死まで取りつき、自らの《起動者》となるよう呪詛のような言葉をかけ続ける[193][266]。ドライケルスの死後は身を潜めていたが、彼の魂が転生したオズボーンを見つけると自身の《起動者》となるよう再び呼び掛け続ける[193]。
- 1192年、《巨イナル一》の呪いによって動かされていたルドルフ・アランドールが猟兵くずれにオズボーン宅を襲撃させ、致命傷を負った息子リィンの命を助けるよう叫ぶオズボーンに応え、息子の命と引き換えに《起動者》となることを彼に受け入れさせ、宿願のひとつを果たす[193]。
- 「閃III」 - 終章の最後のみ登場。《黒き聖獣》を滅ぼし《巨イナル黄昏》を起こして暴走するヴァリマールを押さえつけるため、オズボーンによって呼び出される[134]。
- 「閃IV」 - 登場は最終幕のみだが、《月冥鏡》やアリアンロードを通して過去にあった出来事が語られる[193]。本来、《最終相克》は世界大戦の闘争が極まってから起こされる手筈であったが、リィンらが世界大戦の初日に幻想起動要塞の最奥に乗り込んできたためオズボーンの判断により時期が早められ、ヴァリマールと《最終相克》を行う[209]。その《最終相克》でヴァリマールに敗れたことで《黒の騎神》の力はヴァリマールに取り込まれるが、オズボーンが敗れた場合の保険を打っていた《黒の思念体》はリィンに憑依し、《巨イナル一》との融合を果たそうとする[209]。
- (ノーマルエンド) - 憑依されたリィンは《黒の思念体》を自分もろとも滅ぼすことを決断し、ヴァリマールとともに大気圏外に飛んでいき、最後は真っ白な華のように輝く光となる[210]。
- (真エンド) - 無想・神気合一によってリィンから切り離されて《大地の檻》に拘束される[211]。《大地の檻》で中途半端に再錬成された《巨イナル一》と融合したことでイシュメルガ=ローゲとなり[211]、イシュメルガ=ローゲの身体が滅ぼされたことで、《黒の思念体》となって狭間の空間に逃げこむが、《根源たる虚無の剣》(ミリアム)を携えたリィンに追い詰められる[211]。自分が人間に「闘争」という概念を与えたことで人は成長し繁栄する機会を得たということを訴え、リィンに自らの《起動者》となるよう乞うが一蹴され、自身も《終末の剣》となって抵抗した末、一刀のもとに切り伏せられて消滅する[211]。
- 《黒の思念体》(黒のイシュメルガ)
- 《黒の騎神》イシュメルガの思考システムが悪意に目覚め、独自の精神生命体に進化したもので、自らが神にならんとして呪いを振りまいてきた絶対悪の結晶とされる存在[210]。
- 《巨イナル一》を再錬成し自らが融合することで神にも等しい強大な力を得ることをもくろむが、《黒の騎神》は他の騎神とは一線を画し、理(ことわり)から外れた存在と言われるほど強大な力を持つため[193]、《七の相克》を他の騎神と戦ってしまうと「闘争の果ての再錬成」という条件が満たせないため、他の6騎の中から勝ち上がってきた1騎と雌雄を決する形でしか《巨イナル一》に至る道を持てないという[193]、ジレンマを持つ存在でもある。
- そのため将来の《七の相克》に向けて歴史の陰で暗躍し、その中で自らの行動理念である「闘争」を人々にも課し、知識や焔を与えることを通じて、良くも悪くも人間を導いた[211]。
- ドライケルス帝、次いでオズボーンの心の中で響いていた声の正体であり、「閃IV」では《黒の騎神》が敗北しオズボーンが倒れるとリィンに憑依する[209]。《黒の思念体》がドライケルスの魂に執着したのは、《黒の騎神》も《相克》を戦うために《起動者》は必要としており、自分の欲望を満たすほど魂の質が高い人間は1000年以上の歴史の中でも彼だけだったためである[書 177]。
- 《月冥鏡》で過去を垣間見たVII組らはイシュメルガを帝国のあらゆる災厄の元凶と結論づけるが、ヴァリマールは「全てがそうというわけではなく、人の未熟さが招いたことでもある」と諭している[193][注 230]。
- イシュメルガ=ローゲ
- 「閃IV」の真エンドのラストボス。リィンから分離された《黒の思念体》が《大地の檻》で不完全に再錬成された《巨イナル一》と結びついたもの[211]。
- ゼムリア大陸の次元で滅ぼせる唯一の形態であり、本来予定されていた《巨イナル一》の数十分の一の力しか持たないが、それでも世界を滅ぼすほどの力を持つまでに成長する可能性を秘めている[211]。
- 《灰の騎神》と《蒼の騎神》は再錬成された《巨イナル一》に力を奪われてしまったため戦えず、新旧VII組は協力者たち全員も含めた総力戦を挑み、これを滅ぼす[211]。
- 《零の騎神》ゾア=ギルスティン
- 登場作:『創』B
- すべての騎神が消え去ったはずの世界に、突如として現れた八体目の騎神。
- ヴァリマールに似た形状を持つが、ほかの騎神の特徴も備えており、その実力はヴァリマールを大きく上回る。
その他エレボニアの住人
[編集]- カリン・アストレイ
- 登場作:「SC」・「the 3rd」
- 声:小寺可南子
- ヨシュアの実姉で、《ハーメルの悲劇》時に猟兵の最期の凶刃からヨシュアをかばって命を落とす。レオンハルトとは恋人の関係にあった。ヨシュアの9歳年長で、享年15歳[1]。
- ヨシュアが持っている銀色のハーモニカは彼女の形見で、エレボニアの往年の流行歌「星の在り処」(「FC」のエンディングテーマでもある)を得意な曲としていた。
- 「the 3rd」では狭間での戦闘の後に黒騎士が消滅する際、ほんのわずかな瞬間のみ黒騎士に寄り添う姿が見受けられる。
- ミヒュト
- 登場作:『閃』
- 近郊都市トリスタで交換屋を営む男性。副業として情報屋もしており、サラやトヴァルたち遊撃士もよく利用している[216]。
- 『空』に登場した娯楽小説『カーネリア』に同名の人物が登場するが、実は彼自身が作者であり、物語の内容は事実に基づいた脚色であると語る[216]。
- フィオナ・クレイグ
- 登場作:『閃』
- 声:佐藤利奈
- エリオットの姉でオーラフの娘。ピアノ教室をしている[233]。
- のんびりした優しげな女性で、見た目はエリオットによく似ている[233]。姉弟仲はとても良いが、かなりのブラコン[233]。
- ナイトハルトとは夏至祭でデートするほど関係は良好。
- カイ & ティーリア
- 登場作:「閃II」(ドラマCD)・「閃IV」
- 声:カイ - 進藤尚美(「零」ドラマCD・「閃IV」)、安西英美(「閃II」ドラマCD)
- 声:ティーリア - 又吉愛(「零」ドラマCD・「閃IV」)、豊嶋真千子(「閃II」ドラマCD)
- ラマール州の辺境の里アルスターに住む兄妹。早くに両親を亡くしている。兄カイは町の工房で技師として働いている。読書好きの妹ティーリアは「カーネリア」がお気に入りで、自作小説も執筆している。
- 1203年、カイは古代遺物《審判の指輪》の力に取り込まれてしまうが、トヴァル、エステル、ヨシュアの3人によって救出された[書 6]。当時のティーリアは視力に問題を抱えていたが[書 5]、古代遺物回収の依頼主であるアイン(七耀教会)が費用を負担し手術を受け回復する[書 169]。
- ゲーム本編では「閃IV」で初めて登場したが、漫画『英雄伝説 零の軌跡 プレストーリー -審判の指環-』が初出で、「閃IV」でもキャラクターデザインや設定は漫画版に準拠している。
- ヴィータ・クロチルダ(ミスティ)
- 帝国歌劇場(ヘイルダムオペラハウス)で「蒼の
歌姫 ()」と讃えられるトップスター。その素性は#ヴィータ・クロチルダを参照。 - アルフレッド・ハーシェル
- 登場作:「界」
- 声:峰健一
- トワの祖父。
カルバード共和国
[編集]大陸西部から中央部に位置する、エレボニア帝国とリベール王国の東に位置する多民族民主国家。『黎』の舞台。
アークライド解決事務所
[編集]- ヴァン・アークライド
- 登場作:『黎』P・「界」P
- 声:小野大輔
- 年齢:24歳
- 『黎』の主人公。首都イーディスの旧市街を拠点に活動する《
裏解決屋 ()》。アークライド解決事務所の所長を務める。 - A級遊撃士であるエレインとCID補佐官のキンケイドとは幼馴染である。
- アニエスからの依頼を受けて、《オクト=ゲネシス》を探す。そんな中、アニエスを始めとする押しかけ所員が増え、頭を悩ませている。
- 趣味は「車」「サウナ」「甘いもの」。
- アニエス・クローデル
- 登場作:『黎』P・「界」P
- 声:伊藤美来
- 年齢:16歳
- 『黎』のヒロイン。アラミス高等学校の女学生。ヴァンに依頼をしたことをきっかけに、アークライド解決事務所でアルバイトを始める。
- C・エプスタイン博士の曾孫であり、ロイ・グラムハート大統領の娘。クローデルは母方の姓で、本当の名前はアニエス・グラムハート。祖母は養女であったため、エプスタイン博士との直接の血の繋がりはない。
- 母の死後、父が仕事に没頭するようになり、祖母と母が保管していたエプスタイン博士の手記を読み耽る内に《ゲネシス》の存在を知り、最後のページに記されていた「《オクト=ゲネシス》を120*年までに取り戻してほしい。さもなければ全てが終わる」というメッセージを読んだことから、《ゲネシス》の捜索を始め、ヴァンの元へ依頼を持ち込んだ。
- フェリ・アルファイド
- 登場作:「黎I」P・「黎II」P/B・「界」P
- 声:小倉唯
- 年齢:13歳
- クルガ戦士団に所属する猟兵。フェリは愛称で、本名は「フェリーダ」[364]。
- アーロン・ウェイ
- 登場作:「黎」P/B・「黎II」P・「界」P
- 声:内田雄馬
- 年齢:19歳→20歳[365]
- 東方人街で浮名を流す遊び人。破天荒だが人情に篤い、東方人街の若者たちのリーダー格[366]。
- リゼット・トワイニング
- 登場作:「黎I」P・「黎II」P/B・「界」P/B
- 声:石川由依
- 年齢:20歳
- 《マルドゥック総合警備保障》の広域担当サービスコンシェルジュ。《戦術開発部門》の社外契約テスターであるヴァンのサポートや査定を担当。
- カトル・サリシオン
- 登場作:「黎」P・「黎II」P/B・「界」P
- 声:田村睦心
- 年齢:15歳
- バーゼル理科大学に所属する研究者。
- ジュディス・ランスター
- 登場作:「黎I」P/B・「黎II」P・「界」P
- 声:日笠陽子
- 年齢:22歳
- 映画界で活躍するトップ女優。
- ベルガルド・ゼーマン
- 登場作:「the 3rd」(名前のみ登場)・「閃II」(名前のみ登場)・「閃III」(名前のみ登場)・「閃IV」(名前のみ登場)・「黎I」P・「黎II」(名前のみ登場)・「界」P/B
- 声:大塚明夫
- 年齢:69歳(『黎』)
- 《
崑崙 ()流》を修めた達人で、ヴァンの師匠。本名はグンター・バルクホルンで、星杯騎士団の守護騎士を務めていた。 -
- 来歴
- ノーザンブリア大公国で発生した《塩の杭》事件(1178年)に際し、隣国で別任務にあたっていたが、従騎士1名とともに同地に派遣され、公都ハリアスク全域が「塩化」して壊滅したことについての記録を残す[367]。同地にとどまり調査を続け、塩化現象の終息後、その中心地で縮小した塩の杭を発見したが、縮小したとはいえ触れたものを塩化する性質が健在であったため、聖具《グレイプニル》を用いて直接触れることなく、これを回収する[367]。
- 以降は各地を転々とし、ノルドでは月に一度日曜学校を開いていた。その時の教え子であるガイウスに大きな影響を与えた[259]。
- 『黎』の10年前(1198年頃)には《D∴G教団》殲滅作戦にバックアップとして参加し、ヴァンと知り合う[368]。
- その後、ゼムリア大陸全土の霊脈がエレボニア帝国方面から少しずつ歪んできていることが観測されたため、トマスとともに帝国入りして情報収集にあたる[261][注 231]。
- エレボニア帝国で起こった内戦の際は各地を転々としておりVII組のメンバーと直接出会うことはないが、帝国西部で内戦の収束に助力していたことがトマスによって明かされる。
- スウィン・アーベル
- かつての依頼人。ヴァン不在の首都で、裏解決屋代行として活動する。詳細は#スウィン・アーベルを参照。
- ナーディア・レイン
- かつての依頼人。スウィンと共に、裏解決屋代行として活動する。詳細は#ナーディア・レインを参照。
カルバード遊撃士協会
[編集]- ジン・ヴァセック
- 登場作:『空』P・『創』・『黎』S/G/B・「界」S
- 声:稲田徹(『空』)
- 年齢:30歳(「FC」・「SC」)→31歳(「the 3rd」)→36歳(『黎』)
- 「《不動》のジン」の異名を持つ正遊撃士。
- 『空』でリベール王国を訪れ、エステルの先輩遊撃士として助力する。
-
- 来歴
- リュウガ・ロウランに師事して《泰斗流》の
功夫 ()を修める。「the 3rd」の6年前(1197年)[注 232]、師リュウガと兄弟子ヴァルターの仕合に立ち会い、リュウガの死を見届ける[29][371][書 179]。 - 1198年、カシウス・ブライト指揮の下、《D∴G教団》殲滅作戦に参加する[103]。
- 「FC」 - リベール王国内の情勢を若手だけに任せて帝国に旅立つことに懸念を覚えたカシウスから、何かあった時に助けてやってほしいと依頼を受けてリベール入りする[2][14]。王都グランセルで4人組チーム戦の武術大会に1人で参加していたが、王城に入る必要があったエステルの頼みを聞き、彼女らをメンバーに加えて優勝して王城に招待され、以降はリシャールによるクーデター計画を止めようとする彼女たちに協力する[14]。
- 「SC」 - 「FC」の事件後に共和国に帰国していたが[30]、再びリベールに戻り、ツァイス地方でヴァルターが起こした事件でエステルらに協力し、以後同行する[69]。旅の中では過去の因縁があるヴァルターとたびたび対峙することになる。(ヴァルター戦に同行させた場合)《リベル=アーク》の中枢塔の戦いで、ヴァルターから彼がリュウガと仕合をした経緯を聞かされたことで師の死の全容に気づき、ヴァルターにリュウガが不治の病を得ていたことを伝え、師の目的が一番弟子との戦いの中で生を全うするという個人的な欲求によるものだったことを語る[371]。そうした自分の身勝手さをさらけ出すことで師は弟子たちに武術の光と闇を指し示したのだと説いた上で、「修羅となり闇に堕ちた腑甲斐ない兄弟子に活を入れる」と一対一での決着を申し出る[371]。
- 「the 3rd」 - 共和国で《影の国》事件に巻き込まれる[13]。
- 「碧」 - 登場はしない。過去に《
黒月 ()》の邪魔を何度もしており、多大な損失を与えているということが語られている[137]。 - 「閃IV」 - 本編には登場しない。終盤、エステルたちと連携しつつ動いているが帝国に入国することはできず、共和国西端のアルタイル市に留まっていることが語られている[372]。エンディングで、帝国の混乱収拾に協力するため大陸各地から派遣されてきた遊撃士の一人として登場しているほか[35]、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 『創』 -本編にはS級昇格の打診の噂が語られるのみで登場せず、サブエピソード《創まりの先へ》の中の一編《そして、乙女は剣を手に進み続ける》で登場。A級昇格の打診を固辞し続けていたエレインを説得したほか、彼女が打診を承諾した際は、祝いの言葉を送った。
- 人物
- その巨漢と気さくな性格から、『空』でエステルたちの頼れる兄貴分といった存在となる[書 180]。
- ふだんは豪放磊落さを見せる一方で、「SC」で《リベル=アーク》に乗り込む際は率先してエステルをリーダーと認めて立てたり[32]、《影の国》を去る際は去りがたくしてる一行の中で年長者の責務と称して先陣を切って去っていったり[45]、何かと気遣いも見せている。
- 「泰斗流」という古武術流派の達人で[137]、奥義皆伝の実力を持ち[372][注 233]、師であるリュウガの教えである「活人拳」の精神を引き継いでいる[29]。戦闘においては東方武術における『気功』を用いつつ[3]、徒手空拳の功夫で戦う[29]。執行者の一人であるヴァルターは兄弟子で、遊撃士協会のツァイス支部で受付をしているキリカは師リュウガの娘であり、2人との縁は深い[29]。
- 「FC」時点で大陸全土で20人ほどいるA級遊撃士の一人で、ジン本人は自分はA級の中でも下っ端のほうだと語っているが[14]、「閃IV」時点ではA級遊撃士の中でも屈指の実力者として知られている[372]。
- 妙齢の女性に弱いところが玉に瑕[50]。『空』の旅では歳が近いせいかオリビエ(オリヴァルト皇子)と意気投合し、酒飲み友達となる[13]。
- エレイン・オークレール
- 登場作:『創』・「黎I」S/B・「黎II」P/B・「界」P
- 声:斎藤千和
- 年齢:24
- 《剣の乙女(ソードメイデン)》の異名を持つ女性正遊撃士。七耀暦1207年9月にサラに並ぶ最年少でA級に昇格する。
- 来歴
- 《剣の乙女(ソードメイデン)》の異名通り、騎士剣を武器とし、華麗な剣技で敵に対峙する。
- アラミス高等学校卒業と同時に家族の反対を押し切って遊撃士となり、その優れた剣の技量で遊撃士として数々の成果を上げる。それと同時に、端正な美貌でも知られ、雑誌や映画の仕事のオファーも舞い込んでおり、カルバード共和国では小さな子供ですら彼女を知っている程の有名人である。
- 七耀暦1207年3月より、ゼムリア大陸中の資本と同時に事件が流れ込むだろうカルバード共和国の抑止力の象徴となってもらうべく、遊撃士協会総本部からA級昇格を打診されていたが、自分の実力はA級に相応しくないと考えており、過度に目立つ事も嫌っていた彼女はそれを断り続けていた。しかし、半年後にアルマータの下部組織が起こした小さな兄妹の誘拐事件で、兄が懸命に妹を守ろうとした姿に触発され、「せめて英雄になれなくても英雄の隣に並べる人になれるように」との考えに至り、総本部からの打診を受諾。A級遊撃士となった。
- アルヴィス
- 登場作:「黎I」・「黎II」B
- 声:楠賢将
- カルバードで活動する正遊撃士。
政界
[編集]- サミュエル・ロックスミス
- 登場作:「碧」・「閃IV」・「黎I」・「界」
- 声:掛川裕彦
- 年齢:64歳(「碧」[書 181])
- カルバード共和国の第22代大統領。
- 来歴
- 「碧」 - 西ゼムリア通商会議に参加するため、キリカらを伴いクロスベル市を訪れる[37]。本会議の休憩時間に特務支援課を自室に招き、共和国に大きな被害を与えた《D∴G教団》の残党を壊滅させたことを賞賛しつつ、クロスベルの領有権を強調るための材料にすべく、「宗主国」の政府として彼らに勲章を贈ることを告げる[96]。帝国のオズボーンと示し合わせたかのごとく同調して《教団事件》におけるクロスベル自治州の警備体制の不備を追求し、警備隊の規模縮小と、自治州西端のベルガード門に帝国軍を、東端のタングラム門に共和国軍をそれぞれ駐留させて自治州の治安維持を担わせることを提案する[96]。
- 「閃IV」 - 次期大統領選挙で敗北し、半年後の退陣を待つばかりとなる[373][1]。そんな中、《千の陽炎》作戦についての会合のため、パンタグリュエルを訪れ[1]、大統領としての最後の務めとして作戦への共和国の参加を承認する[22]。世界大戦後は共和国の国民の帝国への不満をある程度抑えるよう慎重に対応しつつ、帝国に対して天文学的な賠償金を請求する方針を示す[35]。
- ロイ・グラムハート
- 登場作:『創』・『黎』・「界」
- 声:小山力也
- 年齢:46歳(『黎』)
- ロックスミス退陣後、新たに選出された第23代大統領。ロックスミスとは逆に威圧感のある大物で、帝国やクロスベルから警戒されている。即断即決で知られ、各問題への対処は時間がかかる“融和”より、そうした対立を“競争”として煽り、別ベクトルへと変える政治手法を得意とする。
- 黎のアニエスの実の親である
- エルザ・コクラン
- 登場作:「SC」
- 声:笠原留美
- カルバード共和国の駐リベール大使を務める女性。
- 普段は余裕のある才女という雰囲気だが、エレボニア帝国のことを嫌っており[29]、帝国の駐リベール大使であるダヴィルとは口論が絶えない[30]。本国のロックスミス大統領とは旧知の仲。
中央情報省
[編集]カルバード共和国の諜報機関。通称はCID。
- キリカ・ロウラン
- 登場作:『空』・『VII』・「黎I」・「黎II」B・「界」
- 声:米本千珠(『空』・『VII』・「黎I」)→道井悠(『黎II』以降)
- 年齢:28歳(「零」[書 183]・「碧」[書 184])
- 東方系のクールな美女。『空』では遊撃士協会ツァイス支部の受付として登場し、『VII』ではカルバ―ド共和国のロックスミス機関の室長として登場する。
- 父リュウガは泰斗流という古武術の師範で、キリカ自身は弟子ではないものの[69]、免許皆伝の実力を持つ[21]。
- 来歴
- 「the 3rd」の6年前(1197年)[注 232]、父リュウガがヴァルターとの仕合の末に死去する[29][371]。恋人であったヴァルターも出奔し、父が説いた「活人拳」から戦いを通さない活人の道を探しに旅に出る[370]。
- この旅で大陸各地を放浪し、帝国ではアンゼリカと半年ほど旅をともにして、彼女に泰斗流の指南をし[218][1][注 236]、クロスベルではアリオス・マクレインとその妻サヤの世話になる[96][注 237]。
- 「SC」の2年くらい前(1200年頃)、放浪の旅の末にリベール王国に流れ着き、遊撃士協会ツァイス支部の受付となる[29][370]。
- 「FC」 - 遊撃士協会ツァイス支部の受付として登場し、その優秀さでエステルらを驚かせつつサポートする[2]。
- 「SC」 - 引き続きツァイス支部の受付としてエステルらをサポートし[69]、ヴァルターの関与を知ったことでその実力の一端を見せ《紅蓮の塔》の《裏の塔》の空間を一人で踏破して頂上まで登り、彼と対面する[36]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》によって守護者として再現され、主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。
- 「零」 - クロスベルを訪れ、偶然知り合ったロイドらには共和国で芸能プロデューサーをしていると名乗り、アルカンシェルの共和国公演の可能性を探りにきたと語る[123]。《黒の競売会》に出席し、キーアを救ったロイドらの逃走を密かに助ける[138]。その後、共和国の諜報機関の代表者として帝国側の代表のレクターと密談を行い、不戦条約や導力ネットの存在を視野に入れたクロスベルにおける諜報戦の取り決めについて話し合う[138]。
- 「碧」 - 《西ゼムリア通商会議》に出席するロックスミス大統領に大統領補佐官として同行してクロスベルを訪問する[37][96]。会議後は帰国していたが、クロスベル独立を提唱したディーターが帝国と共和国からの圧力があるにもかかわらず自らの大統領就任とIBCの資産凍結を撤回しなかったため、その真意を探るため再びクロスベルを訪れる[118](ただし、同時期にクロスベルを再訪しているレクターと異なり再訪の理由は明言されていない)。クロスベルの状況は概ねわかったため共和国に帰国してもよかったのだが、クロスベルにこのまま膠着状態を続けられても困るという事情からクロスベル市解放作戦に参加し、レクターとともにセルゲイたちに加勢し、クロスベルの遊撃士であるリンと組んで泰斗流の腕前を披露する[8]。《碧の大樹》が出現すると共和国は様子見を決め込むことにしたため、クロスベル市に留まり推移を見守る[50]。
- 人物
- リベールの遊撃士協会ではその完璧な事務処理能力への評価とは別に、アガットからはシェラザード以上の女傑と見られており、シェラザードからも美人だけど容赦のない人と見られている[69][書 185]。
- 父の弟子であるジンとヴァルターとはリベールに来る以前からの知り合いで、ヴァルターとは恋人同士だったが[12]、父との仕合の後にヴァルターが泰斗流を去ってからは、たもとを分かっている。
- 戦闘では両手に持った偃月輪を自在に操り、得物を持たせれば泰斗流の門下最強であったヴァルターすらしのぐほどの腕前(ただし、執行者となったヴァルターとの力の差は不明)で、《
飛燕紅児 》の異名で知られる[21][書 186]。 - ロイドら特務支援課には、芸能プロデューサー、大統領補佐官と異なる肩書を名乗っているが、いずれも確かな肩書だと語る[96]。ロックスミス機関では遊撃士協会にいた頃とは比べ物にならないくらい働いており、導力爆弾の解除のような防諜関係者に必要なスキルも修得している[96]。
- カエラ・マクミラン
- 登場作:「閃IV」・「黎I」・「黎II」B・「界」B
- 声:悠木碧(「閃IV」)[書 187]→風間万裕子(『黎』)
- カルバード共和国の女性士官で、階級は特務少尉[1]。共和国中央情報省(CID)に所属し、ハーキュリーズにも籍を置いている[1]。19歳(「閃IV」[書 187])。
- 「閃IV」ではレミフェリア国籍に偽装して帝国に入国し、ルーシーとともに帝国西部を訪れ、ミュゼと面会した後[305]、ユウナら新VII組とも偶然出会う。ミュゼとの面会で得た《千の陽炎》作戦の概要を本国に伝達した後[書 188]、ロックスミス大統領に帯同してパンタグリュエルの会合に現れ、リィンたちと情報交換を行う[1][22]。その後、帝都に潜入した末に「呪い」に飲まれて帝国内で暗躍しようとしていたハーキュリーズの隊員たちを(リィンらの協力もあって)未然に回収し[92]、彼らを本国に送還する[34]。
- コーディ・マクミラン
- 登場作:「閃IV」・「黎I」・「黎II」B・「界」B
- 声:中島雅也(『黎』))
- 特殊部隊ハーキュリーズに所属する准尉。
- ルネ・キンケイド
- 登場作:「黎I」S・「黎II」P・「界」S→B
- 声:福山潤
- CIDの統合分析室に所属する分析官。
カルバード国家警察
[編集]マスコミ
[編集]- ディンゴ・ブラッド
- 登場作:『創』・『黎』・「界」
- 声:新垣樽助
- 雑誌《メルド》のルポライター。
- マリエル・エーメ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:本渡楓
- タイレル通信の社会部に所属する新人記者[374]。
アラミス高等学校
[編集]民主化革命で活躍した芸術家アラミスが創設した高等学校。
- アニエス・クローデル
- アラミス高等学校の女学生。詳細は#アニエス・クローデルを参照。
- レン・ブライト
- アラミス高等学校の生徒会長。詳細は#レン・ブライトを参照。
- アルベール
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:斉藤壮馬
- アラミス高等学校の学生で、アニエスの幼馴染。
- オデット
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:金元寿子
- アラミス高等学校の学生で、アニエスの幼馴染。
情報屋
[編集]- ジャコモ・コンテ
- 登場作:「黎I」・「界」B
- 声:黒田崇矢
- 首都イーディスを中心に活動する、盗品に詳しい情報屋[374]。
- 金のためなら親兄弟をも売る人物で、多くの人間を破滅させている[374]。
- ベルモッティ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:村田大志
- カフェバー《ベルモッティ》のオーナー兼バーテンダー[374]。首都イーディスで情報屋として活動している。
- ジャック・トレバー
- 登場作:「the 3rd」・『黎』・「界」
- 声:森田成一(『空Evo』)、利根健太朗(『黎』以降)
- 伝説のギャンブラー。ラングポートの情報屋としても活動する。
- ハル・コールマン
- 登場作:「the 3rd」・『黎』・「界」
- 声:吉川未来(『空Evo』)、ながえゆあ(『黎』以降)
- バー《ギャンビット》のウエイトレスで、ジャックの相棒[366]。
黒月
[編集]煌都ラングポートに本拠を置く、東方系の犯罪シンジケート。
- ツァオ・リー
- 登場作:『VII』・「閃II」・「閃IV」・『創』B・「黎I」G/B・「黎II」B・「界」G
- 声:平川大輔
- 年齢:25歳(「零」[W 4]・「碧」[書 189])→28歳(「閃IV」[書 54][注 61])
黒月 ()の幹部で、《黒月貿易公司》のクロスベル支社長。《白蘭竜》の異名を持つ[137][152]。- 来歴
- クロスベルの裏社会の覇権をルバーチェ商会から奪うために派遣されてきた。
- 「零」 - 《黒月貿易公司》のクロスベル支社長として登場。アルカンシェルに届いた脅迫状の調査をしていた特務支援課の訪問を受け、《銀》の伝説について語る[107]。《黒の競売会》に面白い出品物があるという情報を得て[注 238]、《銀》を派遣して確かめさせるなど[103]、密かに活動する。
- 「碧」 - 共和国政府の依頼により、西ゼムリア通商会議を襲ってきた共和国のテロ集団を拘束する[96]。クロスベル市襲撃事件において《黒月》事務所はシグムント率いる一隊による襲撃を受け、襲撃を予見していたこともあって辛くも逃亡に成功したものの、建物を爆破されクロスベルにおける拠点を失う[152]。《太陽の砦》に隠れ処を設けて反撃の機会をうかがい、《赤い星座》に復讐するために近づいてきたリーシャとも再契約を交わす[119]。彼女がロイドらによって引き抜かれると、内心では腸が煮えくり返っていると語りながらも、ロイドを組織に勧誘するなどどこまで本気なのかわからないことを言いつつ、リーシャのことは自分がのし上がるために今後も必要だと考えているためと述べて、契約の破棄に応じる[119]。クロスベル市解放作戦に協力し、黒月の部隊を率いて《赤い星座》の連隊長ガレスの部隊と一戦を交える[8]。クロスベル市解放作戦の成功後は、ロイドらに事態の収束まで傍観を決め込むことを宣言し、《赤い星座》やルバーチェという競争相手が消えたことで、「クロスベルの裏社会を押さえる」という当初の目的がようやく果たせそうだと語る[50]。
- 「閃II」 - ジオフロント内部の導力ネット端末のデータのバックアップと初期化をロイドたちに依頼する。
- 「閃III」 - 登場はしない。総督府と交渉を行い共和国とのパイプを残す意味で黒月の支部がクロスベルで存続することを黙認されていること、リィンらが《黒月貿易公司》クロスベル支店を訪れた時点では一時帰国中でクロスベルにはいないことが語られている[112]。
- 「閃IV」 - クロスベル総督府と契約を結び[182]、ルーファスが騎神の試しを受けるにあたって遊撃士や旧特務支援課による邪魔が入らないよう牽制役となることを引き受ける[52]。総督府との契約が満了した後、「世界に終わられては困る」という口実でVII組やロイドらに協力する[38]。
- 『創』 - クロスベル再事変ではルーファス新総統率いる「クロスベル統一国」と一時的に手を結び、特務支援課に立ちはだかる。その後、情勢の変化を察知して、一連の真相を知るディーターやガルシアの説得に応え、統一国政府との契約を終了。クロスベル市解放作戦を間接的に手助けする。
- 人物
- 切れ者で、飄々とした言動で相手を絡めとっていくところがあり、相手にすると一筋縄ではいかない[107]。有能すぎるため《黒月》の長老たちからは疎まれている[138]。頭脳派ではあるが、武術も非常に優れている[150](《銀》ほどではないと述べている[103])。
- 狡猾であり、見込みや想定の通りに事態が推移しないということはほとんどないため、想定外の状況が生じることにはむしろ悦びを覚えるという[103]。相当性悪な性格なため、クロスベル総督となったルーファスとは気が合うらしい[116]。
- 普段は腹の探り合いのようなやり取りをしてることが多いせいか、単刀直入に切り込んでくるロイドのことを個人的に気に入っており[103]、最終的に自分の利益とするためではあるが[139]、可能な範囲で情報提供などの手助けをしている。特務支援課には煙に巻くような話をすることが多く、ほぼ常に嘘臭い笑みを浮かべているが[W 36]、知っていることの全容を述べないことはあるものの、ロイドに対して言っていることには意外と嘘がない。
- 《銀》の正体は前々から気づいており[166]、最終的にロイドたちに鎌をかけることで確信する[139]。
- ラウ
- 登場作:『VII』・「閃III」・「閃IV」・『創』B
- 声:赤羽根健治(「零Evo」・「碧Evo」)→山口崇浩(「閃IV」[書 54])
- ツァオの側近で、常にともに行動をしている。礼儀正しく必要なこと以外はあまりしゃべらないが、ランディからはその実力の高さを見抜かれていた。「碧」の終盤ではツァオとともにロイドたちの助けに回る。彼を含めて部下たちは素手で《赤い星座》と渡り合えるほどの実力者である。
- 苦労性なところがあり、ツァオ、シンに振り回されている。
- シン・ルウ
- 登場作:「碧」・「閃III」・「閃IV」・『創』
- 声:相沢舞(「閃IV」[書 54])
- 《黒月》のある長老の孫で[137]、《黒月》の後継者候補の一人[112]。13歳(「閃III」[書 113])。
- 小生意気でマセた子供だが[137][112]、聡明かつ博識で、《黒月》をいずれ継ぐ者としての責任感から国際情勢などの把握にも余念がない[137]。
- 年上の女性にかなり弱く、「碧」ではエリィ[137]、「閃III」ではユウナ、アリサ、エマをいずれも初対面で気に入っており[112][116]、特にエリィのことは運命の
女性 ()と呼んで懐いている[137]。 -
- 来歴
銀 ()- 東方の裏社会で伝説とまで言われる暗殺者で、たびたび黒月と契約する。詳細は「#リーシャ・マオ」を参照。
- アシェン・ルウ
- 登場作:『黎』・「界」B
- 声:ファイルーズあい
- ルウ家の令嬢。
- ファン・ルウ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:大久保貴
- アシェンの父で、《黒月》の次期長老[366]。
- ギエン・ルウ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:山本格
- ルウ家の現当主で、《黒月》の現長老[375]。
- フェン・リー(ガウラン)
- 登場作:「黎II」B・「界」G
- 声:神尾晋一郎
- ライ家に所属する筆頭拳士。本名はフェン・リーだが、本編中では基本的に「ガウラン」と呼ばれている。
映画界
[編集]- ジュディス・ランスター
- トップ女優の一人。詳細は#ジュディス・ランスターを参照。
- ニナ・フェンリィ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:上田麗奈
- 若手女優。
- サルバトーレ・ゴッチ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:小山剛志
- ベガスフィルムに所属する映画監督。
- ギャスパー・ディロン
- 登場作:「黎I」
- 声:北島善紀
- ベガスフィルムの社長。
- サァラ・エルトゥール
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:瀬戸麻沙美
- サルバッドで活動する踊り子姉妹の姉。
- シャヒーナ・エルトゥール
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:山本希望
- サルバッドで活動する踊り子姉妹の妹。
- ドミニク・ランスター
- 登場作:「黎II」・「界」
- 声:斉藤貴美子、倉知玲鳳(幼少期)
- かつて一世を風靡したシャンソン歌手で、女優ジュディスの祖母。
バーゼル理科大学
[編集]- ラトーヤ・ハミルトン(L・ハミルトン)
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:井上喜久子
- C・エプスタイン博士の直弟子で、ラッセル博士、シュミット博士とともに「三高弟」と呼ばれる人物[85]。バーゼル理科大学の名誉教授を務める。
- 導力器の発明によりいずれ地域による技術格差が生じることを見通し、辺境にこそ導力器が必要という信念を導力器が発明された当初から持つ[85]。その考えのもと、遊撃士協会の同行を求めて僻地への技術振興を目的とした派遣団を組織し、普及活動の下地を作った[85]。
- カトル・サリシオン
- バーゼル理科大学の修士課程に籍をおく研究者でハミルトン門下の一人。詳細は#カトル・サリシオンを参照。
- エスメレー・アーチェット
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:本渡楓
- バーゼル理科大学の准教授でハミルトン門下の一人。
- ヤン・クロンカイト
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:村田大志
- バーゼル理科大学の教授でハミルトン門下の一人[376]。
- デビッド・キャラハン
- 登場作:「黎I」
- 声:峰健一
- バーゼル理科大学の教授。
- ビル・タウゼント
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:荒木寿茂
- ヴェルヌ社のCEO[376]。バーゼル理科大学の理事も務める。
- ジスカール
- 登場作:「黎I」・「界」
- 声:志村貴博
- ジスカール工房の技術長で、バーゼル職人組合の元締め。
アルマータ
[編集]カルバード共和国で暗躍するマフィア。
- ジェラール・ダンテス
- 登場作:「黎I」B
- 声:関智一
- アルマータの首領。
- メルキオル
- 登場作:「黎I」B・「界」B
- 声:蒼井翔太
- アルマータの三幹部の一人。
- ヴィオーラ
- 登場作:「黎I」B・「界」B
- 声:山本希望
- アルマータの三幹部の一人。
- アレクサンドル
- 登場作:「黎I」B・「界」B
- 声:新垣樽助
- アルマータの三幹部の一人。
- ロビン・グラスゴー
- 登場作:「黎II」
- 声:山本彬
- アルマータに所属する古株の構成員。
その他カルバードの住人
[編集]- リュウガ・ロウラン
- 登場作:「SC」
- 故人。「泰斗流」の使い手にしてジンとヴァルターの師匠であり、キリカの父親。
- 悪性の腫瘍に蝕まれ余命いくばくもなくなるが、周囲にはそのことを隠し[注 239]、「the 3rd」の6年前(1197年)[注 232]、(病で死ぬよりは)一番弟子との戦いの中で武術家としての生を全うしたいという個人的な願望により、ヴァルターに対して「ジンのほうが才能に優れている」と告げ、ジンを流派の後継者にするつもりだと挑発することでヴァルターが仕合を申し出るように仕向け、望み通りヴァルターとの死闘の末に敗れてこの世を去る[371]。
- 同時に、ジンにもこの仕合に立ち会うよう命じて、「殺人拳」を追求するヴァルターと、自身が伝えた「活人拳」の精神に従うジンの両名に己の身勝手さを晒け出すことで、「強さを極める」という突き詰めれば利己的な行為にすぎない武術の一面を見せて「武術の光と闇」を示そうとした(とジンは解釈した)[371]。
- しかし、そうした思惑や意図について一切告げずにこの世を去ったため、キリカも含めた3人の関係はこじれにこじれ、ヴァルターの結社入りやキリカの放浪の原因を作ってしまうこととなる。
- マギサ
- 登場作:『VII』・『創』・『黎』・「界」
- 共和国の偽ブランド商。『黎』で名前が明らかになった。
- ロナール・グリフィス
- 登場作:『創』・『黎』
- 声:神田優
- アラミス高等学校に通っていた、共和国議会グリフィス議員の息子。
- ビクトル
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:岡田雄樹
- イーディスの旧市街にあるビストロ《モンマルト》のオーナー。
- ポーレット
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:原由実
- ビクトルの娘。
- ユメ
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:長縄まりあ
- ポーレットの娘。
- エミリア・ハーリング(エルメス)
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:小見川千明
- 首都イーディスで活動する運び屋。
- マクシム・ルーガン
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:成田剣
- Z1グランプリで3年連続優勝を果たしたZ1レーサー[366]。
- エドモン・オークレール
- 登場作:「黎I」
- 声:杉崎亮
- クインシー社の社長。
- ジェフリー
- 登場作:『黎』・「界」
- 声:林寛太郎
- 半グレ《ディザイア》のリーダー。
- アスラン
- 登場作:「黎II」・「界」
- 声:須嵜成幸
- 中東系のZ1レーサー。
歴史上の人物
[編集]- シーナ・ディルク
- 登場作:『黎』(名前のみ)・「界」
- 声:不明
- 七耀暦1100年代に存在した女性。芸術家アラミス、将校アトキンソン、思想家オーギュストらと共に革命解放軍を結成する。
- アラミス・ゲンズブール
- 登場作:『黎』(名前のみ)
- シーナと共に革命を主導した芸術家。
- ウルガー・アトキンソン
- 登場作:『黎』(名前のみ)
- シーナと共に革命を主導した青年将校。
- オーギュスト・アルダン
- 登場作:「黎」(名前のみ)・「黎II」B
- シーナと共に革命を主導した思想家。
- ラグン・カーン
- 登場作:「界」B
- 声:武内駿輔
- 40年前に煌都を支配していた男。
その他
[編集]- グレンデル=ゾルガ
- 登場作:「黎II」B
- 緋のアルテラ
- 登場作:「黎II」
- レーギャルン
- 登場作:「界」
- 声:藤井隼
レミフェリア公国
[編集]大陸北部に位置する医療先進国として知られる公国。
王族とその関係者
[編集]- リーヴスラシル・フォン・バルトロメウス(リーヴ)
- 声:上坂すみれ
- 登場作:『暁』P
- 天使のような微笑みと悪魔よりも腹黒い野心を持つベンチャー企業《エルフェンテック》の若き社長。リーヴと呼ばれている。
- 最新鋭の飛行船《エインセル号》でナハトたちをサポートする。企業家であると同時に貴族的な考えも持っており、「ミラ(金)は使うもの、貯めるものではない」という信条の持ち主。
- 商才というより博才があり、“リベールの異変”やクロスベルが起こった“教団事件”の際、各地の混乱に乗じて株取引で大儲けし、莫大な富を築き上げた。
- 正体は本名のとおり、レミフェリア公国の公女。アルバート大公の姪にあたる。最初は単なる悪徳社長だと思っていたナハトたちも、正体を知って驚きを隠せない程だった。
- 戦闘では導力ナックルを用いた独自の格闘技を使用するなど、かなりの武闘派である。
- 「閃IV」では登場しないが、ミルディーヌ公女と同い年であることと、幼少期はミルディーヌ公女とよく遊んでいて気が合っていたことが語られた。
- アルバート・フォン・バルトロメウス
- 声:大川透(「「碧Evo」/「碧:改」)→綿貫竜之介(「閃IV」[書 188])
- 登場作:「碧」・『暁』・「閃IV」
- レミフェリア公国の国家元首。亡き兄の先代大公から引き継ぐ形でレミフェリア大公となった。リーヴにとっては叔父にあたる。38歳(「閃IV」[332])
-
- 来歴
- 公国の医科大学で、セイランド(後のセイランド教授)、ヨアヒム・ギュンターとともに学ぶ[37][377]。
- 「碧」の5年前(1199年)、レミフェリア大公である兄が毒殺されて崩御したことにともない、大公に即位する[37][377]。この時に猟兵団《ニーズヘッグ》により細菌テロ事件が画策され、遊撃士アリオス・マクレインの協力もあって未遂に終わり、彼と知己を得る[377]。
-
- 人物
- 親しみやすく温厚な性格をしており[22]、一方で理屈っぽい一面もある[37]。
- 遊撃士協会とは懇意にしており、特にアリオスとの縁が深いため、クロスベル来訪以前から彼を通じて特務支援課のことは知っていた[37][96]。
- ともに同じ医科大学で学んだセイランド教授とは旧知の仲で、彼女の手厳しい言葉にも慣れている[37]。自身も医療免許を持っており、勉強熱心と自認し、セイランドがレミフェリアにいた頃はよく手術の見学をしており、現役の医師に見劣りしないほどの経験と技術を持っている[37][書 78]。
- 交友関係は広く[37]、ミュゼの父であるアルフレッド公子とも生前に親しくしていたという[22]。
- カール・ヤールセン
- 登場作:『暁』
- アルバート大公に仕える執事。若い頃は公都警察に所属していたが銃の扱いはあまり得意ではなく、格闘術を専門とし、警察では教官を兼ねていた過去を持つ。さらに武術を極めるため、カルバード共和国へ留学。帰国後、大公即位の際、ボディーガードの一人になる。
- ジェローム・フォン・バルトロメウス
- 登場作:『暁』
- 伯爵。レミフェリアの三大製薬会社のひとつジェローム社の創業一族で重役。同時にジェローム社のクロスベル支社長。
エルフェンテック社
[編集]リーヴが代表取締役社長を務める、クロスベル自治州を拠点とするレミフェリア資本の導力ネット関連企業。主な事業は導力ネットの株式市場等での投資運用を積極的行っている機関投資家でもある。
「荒稼ぎ」と
《N資金》詐欺事件後、悪評の払拭を目的としてクロスベル警察の《クロスプロジェクト》に民間企業枠として参入し、《試験班》の分室として自社所有の飛行船《エインセル号》を提供する。
- リーヴスラシル・フォン・バルトロメウス
- ベンチャー企業《エルフェンテック》を経営する「子供社長」。
- アレクサンドラ・ペトロウナ
- 声:行成とあ
- 登場作:『暁』P
- 《エルフェンテック》社長リーヴを公私ともに支えている敏腕秘書兼家庭教師。紫髪の女性でサーシャと呼ばれている。リーヴのクロスベルでの起業についてきてくれた一人。非常に博識で、導力学、政治学、経済学などなど学問に優れている。最近は、専務たちが引き起こす厄介ごとを影で処理するのが日課になりつつある。銃器にも精通しその腕前も相当なものである。
- その正体は、レミフェリア公国の『ある関係者』である。
- カルロ & Anchor & マテオ
- 登場作:『暁』
- 元ルバーチェ商会のマフィア。“教団事件”で補導されたルバーチェ商会の面々の保釈金を確保するためにノーザンブリア資金詐欺事件を起こす。
- ナハトたちによって捕縛されるが、リーヴに資金調達の経験を買われ、逮捕を免れる代わりにエルフェンテック社に警備担当兼トレーダーとして雇われることになった。
- その後、《エルフェンテック》のオフィスで保釈金のために馬車馬の如く働かされている姿を見ることができる。
- ホガース常務
- 登場作:「零」・『暁』
- 元クロスベル警察局長。現在は《エルフェンテック》の常務。詳細は「#ホガース」を参照。
- プレストン専務
- 登場作:「零」・『暁』
- 元クロスベル警備隊司令。現在は《エルフェンテック》の専務。詳細は「#プレストン」を参照。
その他レミフェリアの住人
[編集]- ルーシー・セイランド
- 登場作:「the 3rd」・『暁』・「閃IV」・『創』
- 声:古川愛李(『空』ドラマCD)→久川綾(『空Evo』・「閃IV」)
- 医療機器メーカー「セイランド社」の創業者一族出身の女性。23歳(「閃IV」[書 190])。
- 一族でも本家筋にあたり[34]、クロスベル自治州の聖ウルスラ医科大学で医師をしているセイランド教授は叔母にあたる[書 191]。
- リベール王国のジェニス王立学園に留学していたことがあり、クローディア王太女やレクターと同じ時期に通っていたことがある。
-
- 来歴
- リベール王国のジェニス王立学園に留学し、同学年のレクターが生徒会長を務めていた時に生徒会で副会長を務める[74](1201年)。
- カタリナ・フォード
- 登場作:『暁』
- 遊撃士協会レミフェリア支部に所属する遊撃士で 同支部の受付も兼任している。にこやかでおっとりとした性格をしており、来客時にはカタリナ特製のハーブティーでもてなしてくれる。実は医師免許も持っており、協会に併設されている 診療所で遊撃士と医者という、二足のわらじを履く才女でもある。
- アーサー・スパイアー
- 登場作:『暁』
- 声:浪川大輔
- レミフェリアを代表する新聞社『アーデントプレス』の記者。ゼムリア大陸を飛び回り、取材欲から危険を省みず突っ込むために、度々魔獣に襲われたり不審者に間違われたりと周囲を騒がせている。
- ダニル・オルソン
- 登場作:『暁』
- レミフェリアの投資企業《ライアットVC》(Riot VC)を一代で大企業に発展させた創業社長。
レマン自治州
[編集]大陸中西部に位置する自治州。エプスタイン財団や遊撃士協会の本部が置かれている。
- クロード・エプスタイン(C・エプスタイン)
- 登場作:–(伝聞のみ)
- 声:佐原誠
- 故人で、ゲーム本編に直接の登場はしていない。ゲーム本編の時代の50年ほど前(1150年頃)に導力器を発明した人物で、この発明により《導力革命》と呼ばれる技術革新が始まる[85]。
- 発明から間もない1154年に死去し、その事績は死去の翌年(1155年)にレマン自治州で設立されたエプスタイン財団や、エプスタインの3人の高弟であるアルバート・ラッセル、ゲルハルト・シュミット、ラトーヤ・ハミルトンによって引き継がれ、導力器は徐々に普及し、世界を飛躍的に変化させていくことになる[85]。
- 生前、未来での技術的特異点(シンギュラリティ)の誕生を予見しており、「『人間を超える自己進化する知性』、そこに到達した時、技術の進歩は人間の手から解き放たれる。それは良くも悪くも、人間社会にかつてないほどの変革をもたらすだろう」との言葉を遺している。
- ロバーツ
- エプスタイン財団所属の導力ネットワークの専門家。詳細は#ロバーツを参照。
オレド自治州
[編集]マルドゥック総合警備保障
[編集]オレド自治州に本拠地を置く、民間軍事会社。
- リゼット・トワイニング
- 《マルドゥック総合警備保障》のサービスコンシェルジュ。詳細は#リゼット・トワイニングを参照。
- ギリアム・ソーンダイク
- 登場作:『黎』
- 声:成田剣
- 《マルドゥック総合警備保障》のゼネラルマネージャー。
- カシム・アルファイド
- 登場作:「黎I」・「黎II」G/B・「界」S/B
- 声:梅原裕一郎
- 《マルドゥック総合警備保障》の警備主任。《
灼飆 》の異名を持ち[378]、史上最強の猟兵と目されている[379]。 - ミラベル・アールトン
- 登場作:「黎II」・「界」B
- 声:桜木つぐみ
- 《マルドゥック総合警備保障》のサービスコンシェルジュ。
エルザイム公国
[編集]- シェリド・アスヴァール
- 登場作:「黎I」G/B・「黎II」B・「界」B
- 声:武内駿輔
- エルザイム公国の公太子[380]。
- ナージェ・ベルカ
- 登場作:「黎I」G/B・「黎II」B・「界」B
- 声:原由実
- エルザイム公国の公王家護衛官[380]。
- ジータ・アスヴァール
- 登場作:「黎II」・「界」B
- 声:和氣あず未
- エルザイム公国の公女で、シェリドの妹。
自由都市圏
[編集]ゼクトアームズ
[編集]- ロザリー
- 登場作:「黎II」・「界」B
- 声:櫻川めぐ
- ゼクトアームズの開発主任。
身喰らう蛇(ウロボロス)
[編集]大陸中で暗躍する謎の組織で、単に《結社》とも呼ばれる。主人公たちとは基本的に敵対する勢力として登場しており、黒幕として活動していたり、あるいは黒幕の協力者となっていたりするなど、さまざまな形で主人公たちと激突する。
- 《盟主》(グランドマスター)
- 登場作:「the 3rd」・「閃IV」・『創』・「界」
- 声:安田美和(『空』ドラマCD)→長久友紀(『空Evo』)→水瀬いのり(「閃IV」・『創』・「界」)
- 《身喰らう蛇》を統べる存在で、名前を含め、その全てが謎に包まれている存在。《蛇の使徒》たちにとっては唯一にして絶対とも言える存在で、全ての魂を導く至高の存在として[206]、絶大な忠誠を受けている。
- 『オルフェウス最終計画』という謎の計画を主導している[381][174]。
-
- 来歴
- 「閃IV」の20年前(1186年頃)、リアンヌ・サンドロット(アリアンロード)を結社に誘う[193]。その後、ワイスマン、ヴィータらを使徒として取り込んでいく。
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。《
星辰 の間》にて、《道化師》カンパネルラから《輝く環 ()》を受け取る[381]。《福音計画》において犠牲となったワイスマン、レオンハルトらの死を悼むとともに、この事態を想定していたにもかかわらず、ワイスマンに全ての決定を委ね彼らに犠牲を強いてしまったことについて強い自責の念を吐露し、居並ぶ使徒たちを恐懼させる[381]。この後に起こる揺れ戻し(《影の国》)については干渉する必要ないことを告げつつ、《福音計画》の完了と《幻焔計画》の開始を宣言する[381]。 - 「閃IV」 - 半透明のホログラムではあるが、初めて姿を含めて登場する(顔の上半分は画面外に出ており見えない)[174]。《星辰の間》にて、《幻焔計画》の顛末を聞き、焔と大地の至宝がゼムリア大陸のある次元から消失したことと、人の子がそれらを再び利用することはほぼ不可能となったことを告げる[174]。“全ての無”へ至るまでおよそ3年であることを告げつつ、《幻焔計画》の完了と《永劫回帰計画》の開始を宣言する[174]。
-
- 人物
- どういった存在なのかは不明だが、声や「閃IV」で登場する姿は女性になっている。マリアベルからは「貴方という現象そのものが
大いなる秘宝 ()であるかのよう」と評され、自身は自らのことを「影」であり「世界に刻限を告げるだけの存在」と言う[174]。 - ワイスマン、レオンハルト、アリアンロードら計画で倒れた部下たちの犠牲を自分の責任と断言しているほか、自分を信じて別の道を探っているヴィータ、離脱したヨシュア、レン、シャロンに関しても価値ある選択肢だったと、特に咎めもしていない[381][174]。逆に使徒たちからは信仰に近い絶大な忠誠を寄せられており、普段は粗野な話し方をする第四柱は《盟主》に対しては丁重な口調となり[381]、意見の違いから結社と距離を置いたヴィータも《盟主》に対する忠誠は変わらないことを述べている[116][60]。
- 《蛇の使徒》や《執行者》の数名には《外の
理 ()》で作られたという道具を与えており、ワイスマンの杖、レーヴェの「魔剣ケルンバイター」、マクバーンの「魔剣アングバール」などがそれらに該当する。 - 《盟主》は誰であるかを特定されないよう、演じる声優が毎回変えられている[書 193]。
蛇の使徒(アンギス)
[編集]《結社》の最高幹部たち。第一柱から第七柱までの7人で構成されている。下記以外の人物については「the 3rd」もしくは「碧」、「閃I」において台詞のみで登場し、名前も判明していない。《盟主》の『オルフェウス最終計画』のために様々な作戦の立案・指揮を行う。
- 第一柱
- 登場作:「the 3rd」・「碧」・「閃IV」
- 声:新井良平(「碧Evo」)
- 正体については不明(「碧Evo」で声が付いたことから、丁寧で優しげな口調をした男性だとわかる)。《盟主》への忠誠心は強い。
- 蛇の使徒の中でまとめ役を担っているようであり、盟主の代わりに報告を聞くこともある[95]。
-
- 来歴
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。《星辰の間》で使徒たちの会話に加わり、ノヴァルティスの無軌道な発言を諫めるとともに、《盟主》が降臨すると使徒たちを代表して応対する[381]。
- 「碧」 - 台詞のみの登場。《星辰の間》にて、F・ノバルティスとアリアンロードにクロスベルにおける《幻焔計画》の進捗確認を行うとともに、カンパネルラからは他の執行者たちの動向の報告を受ける[95]。
- 「閃IV」 - 台詞のみの登場。帝国以外の方面で暗躍していることが語られている[63]。物語の最後に《星辰の間》にてカンパネルラやマリアベルから報告を聞き、ヴィータの離反、リアンヌの散華はともかく、鉄機隊やマクバーンまで《結社》に戻らず独自の行動を取り始めたことは想定外だったと話す[174]。一方、執行者たちの扱いは自主性に任せるようマリアベルとカンパネルラに重ねて言明し、(ヨシュアにこだわるあまり自滅した)ワイスマンのような顛末を繰り返さないようにと釘を刺している[174]。
- ヴィータ・クロチルダ
- 登場作:「the 3rd」・「閃I」・「閃II」B→P・「閃III」・「閃IV」B→S・『創』S
- 声:田村ゆかり(『閃』・『創』)、前田綾香(『空Evo』)
- 年齢:24歳(「閃I」・「閃II」[書 194])→26歳(「閃III」・「閃IV」)
- 《蒼の深淵》の異名を持つ《蛇の使徒》の第二柱。《深淵》や《深淵の魔女》とも呼ばれる。
- 《魔女の眷属》の一人であり、エマにとっては姉同然の存在で[200]、彼女からは「姉さん」と呼ばれている。
- 来歴
- 早くに両親を亡くすが、魔女としての天賦の才能をローゼリアから見込まれ、一番弟子として引き取られた[82]。
- 見込まれた通り、16歳の頃には一通りの秘術を全て修得し[112]、イソラの影響で帝国の呪いを止めるために《巡回魔女》に志願して里を出る[94]。しかし、里を出てから半年ほど経った頃(1197年頃)、《盟主》に下り、消息を絶つ[82][注 240]。
- 1201年、エレボニア帝国の海都オルディスで、クロウ・アームブラストを導き《蒼の騎神》オルディーネの《起動者》にする[282]。
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。《星辰の間》で使徒たちの会話に加わり、《剣帝》レオンハルトに熱を上げていたことが第四柱により語られ、それに反論する形で彼の死を悼んでいることを語る[381]。
- 「閃I」 - 表向きはエレボニア帝国の《
帝都歌劇場 ()》のオペラ歌手として活動しており、透き通った歌声と美貌で《蒼の歌姫 ()》と呼ばれている[233][注 241]。素性を隠してトリスタ市のラジオ局「トリスタ放送」のパーソナリティ「ミスティ」としても活動するが、オズボーンが狙撃され、貴族連合による帝都制圧が始まったのを機にトールズ士官学院の学生たちにのみ《蛇の使徒》としての正体を現す[202]。 - 「閃II」 - 《幻焔計画》遂行のため、自らの目的は隠しつつ貴族連合に協力する。使い魔のグリアノスとともに、その強大な魔力で終盤まではリィンらを終始圧倒する。終盤、禁呪である《
魔王の凱歌 ()》を用いて帝都ヘイムダルに《煌魔城》を顕現させる[239]。クロチルダの計画は《相克》の条件を疑似的に達成することを目論んだもので[94]、その目論見通り、リィンの《灰の騎神》とクロウの《蒼の騎神》を激突させることに成功する[206]。しかし、《鉄血の子供たち》の「筆頭」としての本性を露わにしたルーファスや復活したオズボーンの手によって《幻焔計画》は乗っ取られてしまい、クロチルダは敗走する[206][注 242]。
- 帝国の内戦が終わってすぐの頃(1205年初め頃)、ミュゼからの接触を受け、以降は彼女の計画に密かに協力する[305]。その後、帝国各地の《精霊窟》を調べて回るが[116]、同年末頃、オズボーンの計画に参画する方向に傾いた他の使徒6柱と方針が折り合わず、結社と袂を分かって独自に行動し始める[115][注 243]。
- 「閃III」 - 結社から追われる立場となりつつも[82]、密かにクロスベルも含めた帝国各地に現れた緋いプレロマ草を駆除して回る[116]。クロスベルの《星見の塔》で幻影の形で姿を現し、結社と自身との関係の変化について語る[116]。物語終盤、結社が方針を定め、《巨イナル黄昏》に向けたオズボーンの計画に協力し、その中で《幻焔計画》を完遂することをヴィータを除く6柱の全員一致で決定したため、その方針と相容れないことからローゼリアらにその事態を告げ[261]、帝都での混乱において共闘する[60]。《巨イナル黄昏》が始まるとパンタグリュエルのオーレリアと合流し、《ヴァイスラント決起軍》とともにいずこかへと去る[60]。
- 「閃IV」 - 《黒の工房》からリィンらが脱出するのを助ける[51]。隠れ里エリンにしばし帰郷した後[94]、オリヴァルト皇子と合流して、リィンらの危機にカレイジャスIIで駆けつける[61]。最終決戦では《塩の杭》攻略で手を貸し[11]、帝国での決着が着いた後も結社とは別行動をしている[174]。
- 人物
- サディスティックなところはあるものの[225]、結社内では理知的で慎重な人物として見られている[174]。身内のエマからは気まぐれさに苦言を呈されているが[94]、レンからは気まぐれに見えて一途なタイプだと言われており[53]、レオンハルトやアリアンロードの死亡時は悔やみの言葉を述べたり、クロウの死を侮辱したカイエン公に激怒したりと[206]、使徒たちの中では比較的常識派である。
- 「閃III」以降、結社とは別行動をしているが、《盟主》に捧げている忠誠心に変わりはない[116][261]。
- 魔女としての能力
- 性格はともかく、魔女としては正真正銘の天才[112]。
- ローゼリアから与えられた「グリアノス」(下記)を使い魔として使役している。
- 広範囲に渡り特定の相手に映像を見せつける《
幻想の唄 ()》、グリアノスに霊力 ()を注ぎ込み巨大化させる《魔徒の円舞 ()》、《煌魔城》を顕現させる魔女最大の禁呪《魔王の凱歌 ()》など様々な「唄」を使った秘術を用いる。他にも本編中では集団催眠、空間転移、自らの姿をホログラムのようにして投影するなどの術を用いている。 - また、因果を操作し、認識を捻じ曲げる魔女の秘術も用いることができ[202]、認識を操作するという点ではワイスマンの絶対暗示と似ているが、ヴィータのそれは「呪い」とも呼ばれ、「因果」も操作できるところが異なっている[200]。「閃I」ではこの術を使い、ミスティとして活動しているという情報をエマやセリーヌに一切届かないようにしているほか[200]、《蒼の歌姫》ヴィータとミスティが同一人物であることもリィン以外には誰も気づかないようにしていた [382]。
-
- グリアノス
- ヴィータの使い魔で[200]、瑠璃色をした鳥の姿をしている[236]。ローゼリアによって眷属創造の秘術で生み出されてヴィータに与えられた[250]。
- セリーヌと同時に生み出されたが、エマのお目付け役という部分を重視して作られた彼女と異なり、天才であるヴィータの才能をさらに伸ばすために別格の霊力を与えられているため、セリーヌとは比較にならないほどの大きな力を持つ[358]。
- 「閃II」終盤でヴィータの《
魔徒の円舞 ()》により膨大な霊力を注入され、巨大な姿(グリアノス=アウラ)となり、幻獣を超える力でリィンらと交戦する[225]。 - 「閃II」の最後にルーファスによって両断され消滅してしまう[206]。グリアノスを失ったことで、魔法の有効範囲の拡張などのサポートも受けられなくなり、ヴィータは不自由することとなる[116]。魂魄ごと両断されたためすぐに復活させることは叶わないが、ヴィータは「散り散りとなった力は集めているからいずれ二代目を生み出す」と言っており[94]、遺された力は彼女の扇子に蓄えられている[358]。
- 性別があるのかは定かでないが、セリーヌからは「彼」と呼ばれている[358]。強大な力を持つ代わり、セリーヌとは異なり、人型になったり人語を話したりする能力は与えられていない[358]。
- ゲオルグ・ワイスマン
- 登場作:『空』B
- 声:田中秀幸
- 年齢:37歳(「FC」・「SC」[書 25])
- 《白面》の異名を持つ《蛇の使徒》の第三柱。仲間内からは《教授》とも呼ばれている。「FC」および「SC」における、ほぼ全ての事件の黒幕。
- かつては七耀教会の司教であり、認識と記憶を操作する異能を持つ[14]。武器は《盟主》より授かった杖で、『外』の理で作られたもの[5]。
- 来歴
- ノーザンブリア出身で、「塩の杭」事件(1178年)で孤児となり、七耀教会に被災孤児として保護されて育つ[367]。
- 1180年に七耀教会に入信し、1185年には封聖省に入省して聖務官に就任、5年後の1190年には司教に昇叙する[367]。司教となった頃には結社《身喰らう蛇》に通じており、《聖痕》の知識など、教会が蓄えている様々な秘蹟を盗み出し、《超人》を意図的に生み出す方法を密かに探究する[44]。
- 1192年、エレボニア帝国で政争に敗れて後がなくなっていた主戦派の者たちに猟兵崩れを紹介し、彼らがハーメル村を襲うよう仕向け、《百日戦役》に至る流れの原因を作る[5]。そうして、ハーメルの遺児であるレオンハルトとヨシュアの前に現れ、姉を失って心を壊したヨシュアをレオンハルトから預かり[17]、《絶対暗示》の術式を用いつつ[5]、彼の心の再構築を行い、同時に、自身の研究成果を反映して疑似的に再現した《聖痕》を組み込むなどして肉体の強化を行い、隠密活動と対集団戦に特化した戦闘力を与えるなどの調整を施した[19][44]。
- 1195年、教会から外法認定されて、破門され[367]、以降、教会史上「最悪の破戒僧」として[383]、星杯騎士団から抹殺対象とみなされるようになる[33]。
- 「FC」の5年前(1197年頃)、ヨシュアにカシウス・ブライト暗殺の任務を与え、その実、ヨシュアに認識操作の暗示を施してブライト家にもぐりこませ、《福音計画》遂行にあたって最大の障害になるとみなしていたカシウスのスパイをさせて彼の性格や行動パターンを探る[14]。
- 「FC」の同年(1202年)、リベール王国軍の情報部にレオンハルトを送り込むとともに、情報部司令のリシャール大佐に暗示をかけてグランセル城の地下に《
輝く環 ()》が封印されていると思い込ませ、彼を手駒にする[書 32]。
- 「FC」 - 当初は人のいい貧乏考古学者「アルバ教授」としてエステルたちの前に現れ、調査と称して各地を訪れて事件の裏で糸を引く[14]。その間にもリシャールは王都地下の探索を進め、《リベル=アーク》を封じる第一結界の解除をそうとは知らずに果たしてしまう[14]。一連の事件が終わったところでヨシュアの前に「アルバ教授」としてまたしても素知らぬ風で姿を現すが、「アルバ教授」が一連の事件の黒幕であると彼から追及されたことで本性を現し、彼にかけていた暗示を解いて封じていた記憶を思い出させ、カシウス暗殺の任務を与えた真意を語る[14]。
- 「SC」 - 計画を次の段階に進め、執行者らをリベール王国各所で暗躍させ、最終的に第二結界を解除して《リベル=アーク》を出現させる[36]。《リベル=アーク》を制圧して《根源区画》で《空の至宝》である《輝く環》を確保し、あとは自身の計画を最終段階へと進めるばかりとなる[5]。エステルらの侵入を受けても《絶対暗示》に従わせてヨシュアを味方につけ思惑通りに事を運ぶが、その嗜虐的な性格からヨシュアにエステルを殺させようとすることを読まれていたため逆に追い詰められてしまい、《輝く環》と融合することで絶対的な力を手にして対抗した末、エステルらに敗北を喫する[5]。満身創痍となり逃走するところを、本性を現したケビンに阻まれ、教会の呪具《塩の杭》を打ち込まれ、「外法」として狩られてしまう[384]。最期は塩の塊になり、その直後に現れたカンパネルラに粉々に破壊されて死亡した[384]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》により人格をコピーされて煉獄に迷い込んだケビンとリースの前に現れ、得意の舌先三寸で彼を唆そうとするが拒否され2対1の戦いとなり、今度こそ滅された。最期にケビンを無駄な努力と嘲り、哄笑を残して消え去った[383]。
- 人物
- 性格は極めて劣悪で嗜虐的。カンパネルラからはその悪趣味はもはや芸術的と皮肉られている[31]。レーヴェからも性格の醜さを見抜かれており、「弱味を持つ人間の前に現れて、破滅へ誘う計画を囁き、自ら手を汚すことなく目的を達する」、そうしたやり口から「蛇」と呼ばれる[5]。ヨシュアのことは自らの作品とみなしており[5]、彼への執着は異常なほど強く、結果的にそれに足をすくわれることとなる[注 244]。
- 人間を《超人》の域にまで高めることに関心があったようであり[383]、《福音計画》では、《輝く環》によって人を絶対の理性と究極の知性を持つ段階まで進化させることを最終的な目的としていた[5]。
- 《ハーメルの悲劇》の元凶のひとつであり、主戦派の首謀者に猟兵崩れを紹介してハーメルの名を囁いただけで「事態は動き出し、瞬く間に戦争へと発展した」とワイスマンは語るが[5]、その背景は「閃IV」で明かされ、《黒》のアルベリヒに利用されたものでもあったことが語られる[10]。
- 《結社》内でもかなりの嫌われ者で、《福音計画》では《執行者》を率いて活動するが、執行者たちはあくまで各々の理由から加担しており、ワイスマン個人への義理を感じている者は一人もいない。同じ《蛇の使徒》たちからも、その能力への評価はともかく、彼の死そのものについては全くと言っていいほど惜しまれておらず、一貫して冷ややかに語られている[381][174]。一方で《黒の工房》のアルベリヒとはそれなりに懇意にしており、小型戦術殻のテスターをしていたという[10]。
- 『英雄伝説』シリーズでは珍しい、本当の悪人として造形されており、これは「FC」制作にあたってのチャレンジだった[書 195]
-
- アルバ教授
- 「FC」においてワイスマンが名乗っていた偽名。常に笑顔を絶やさず、貧乏な考古学者を名乗ってエステルたちの前にたびたび現れヨシュアを監視していた。その裏では記憶干渉能力によりカプア一家の長兄ドルンを操ったり、クルツの記憶を封じたりすることで、リシャールのクーデター(《第一結界》の解除)が成功するよう暗躍する。
- マリアベル・クロイス
- ワイスマンに代わる、《蛇の使徒》の2代目の第三柱[61](新第三柱)。《根源の錬金術師》の異名を持ち、《根源》とも呼ばれる。サディスティックな一面を持つ我の強い女性で、お嬢様然とした口調で話す。錬金術師の一族で、霊的な位相空間を築いたり、魔獣や古代の機械人形を使役できる。
- 使徒としては前任者であるワイスマンを超えるかもしれないと言われている[172]。
- エルロイ・ハーウッド
- 登場作:「the 3rd」・「閃III」・「黎I」・「黎II」G/B・「界」G/B
- 声:馬場圭介(『空Evo』)、黒田崇矢(『黎』)
- 《千の破戒者》の異名を持つ《蛇の使徒》の第四柱。《破戒》とも呼ばれる。粗野な話し方をする男[381]。
-
- 来歴
- 1194年頃、所属していた暗殺組織《月光木馬團》が結社《身喰らう蛇》と全面衝突して敗れ、結社に加わる[385]。
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。《星辰の間》で使徒たちの会話に加わり、ワイスマンとレオンハルトの死、レンの出奔について他の使徒たちを冷やかしつつ軽い口調で話す一方、《盟主》には丁重に語りかける[381]。
- 「碧」 - 登場はしない。《星辰の間》における会話の中で名前が出ており、アリアンロードが(クロスベルへと赴くにあたり)それまで担当していた任務を全て任せてきたということを報告している[95]。
- 「閃III」 - 登場はしないが、《月光木馬團》時代の姿がシルエットとして描かれている[385]。マリアベルとともにアルテリア法国方面を引き受けていることが語られている[171]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。帝国以外の方面で暗躍していることが語られている[63]。
- 第五柱
- 登場作:「the 3rd」
- 声:岡本寛志(『空Evo』)
- 正体については不明。古風な口調で話す[381]。
-
- 来歴
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。
- 「閃IV」 - 登場はしない。帝国以外の方面で暗躍していることが語られている[63]。
- F(エフ)・ノバルティス
- 登場作:「the 3rd」・「碧」・『創』・「界」
- 声:真殿光昭
- 《蛇の使徒》の第六柱。《身喰らう蛇》の研究機関《十三工房》の統括者。
- 穏やかな口調だが、研究のためなら自身を含む全てを犠牲にしても構わないと公言するマッドサイエンティストで、師のヨルグから忌み嫌われている。
- 来歴
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。[381]。レンと《パテル=マテル》の離脱を惜しみ、他の話題には関心を示さない[381]。
- 「碧」 - 《幻焔計画》遂行のため、クロスベルに赴く。クロスベルで活動するにあたって3機の《神機》アイオーンを作成し、《零の至宝》として覚醒したキーアに献上する[118]。クロスベルにおける役割はそこで終わったのだが、《零の至宝》の潜在能力に興味があったためクロスベルに留まる[154]。物語終盤、《神機》の運用データなども充分収集できたことに満足し、マリアベルたちにとってはすでに用済みとなったアイオーンTYPE-αとともにクロスベルから去り、いずこかの地へと去る[155]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。帝国以外の方面で暗躍していることが語られている[63]。ギルバートに《虚力場発生器》のテストを要請している[372]。
- アリアンロード(リアンヌ・サンドロット)
- 登場作:「the 3rd」・「碧」B・「閃I」・「閃III」B・「閃IV」B
- 声:久川綾
- 《蛇の使徒》の第七柱で《鋼の聖女》の異名を持ち、《鋼》とも呼ばれる。
- その正体は250年前の帝国で起きた獅子戦役を終わらせようと動いた《槍の聖女》リアンヌ・サンドロット[60]。
-
- 来歴
- 本編から約250年前、エレボニア帝国レグラム地方、ローエングリン城を治めるサンドロット伯爵家に生まれた[283][350][注 245]。
- 幼少の頃から武術において天賦の才を発揮し、レグラムは武術が盛んな地であったにもかかわらず、15歳の頃には城の騎士と伍するほどの腕前を示す[350]。特に馬上槍は神懸っており、常勝無敗を誇った[283][350]。
- 16歳の時(942年)に城の地下から自分にしか聞こえない「声」が聞こえるようになり、《緋》のローゼリアの導きで、《銀の騎神》アルグレオンの《起動者》となる[350]。
- そのおよそ10年後(950年)、《獅子戦役》のさなか、辺境の地にてドライケルス皇子と出会い、《
鉄騎隊 ()》とともに加勢し、以降、ドライケルスと協力して帝国各地を解放してまわる[316]。戦役の最終局面で、オルトロスの手によりよみがえった《緋の騎神》は《緋き終焉の魔王》を討つべく、《灰の騎神》を駆るドライケルスとともに《煌魔城》に突入し[316]、そこでそれまで隠していた《銀の騎神》を初めて起動して戦いを勝利に導いた[172](952年)。この最後の戦いで致命傷を負ったことで命を落とすが、その半年後に隠れ里エリンで「不死者」として密かに復活を遂げる[261]。復活して後、サンドロット家の領地は《鉄騎隊》副長シオン・アルゼイドに託し、自らは外国を放浪する旅に出立し、帝国をしばし離れる[261][注 246]。 - 994年、晩年のドライケルスのもとを訪れ、イシュメルガの思念によって彼が苛まれ続けていることを知る[317][193][266]。
- 「閃III」からおよそ20年前(1187年頃)、ドライケルスの転生体であるギリアス・オズボーンを見つける[266]。彼が妻子とともに幸福に暮らしていることを確認して安心しつつも、《黒の騎神》イシュメルガの存在に懸念を覚えたことから、《盟主》の誘いを受けることを決断する[193][266][注 247]。
- 1192年、結社に入ったアリアンロードが目を離していたわずかな隙にオズボーンは《黒の騎神》によって《起動者》として取り込まれ、彼女がそのことに気づいた時にはすでに手遅れとなり、これによりいずれ始まる《七の相克》を勝ち抜きイシュメルガを滅ぼすことを決意する[266]。
- 「碧」の10年ほど前(1194年頃)、《銀》(リーシャの父)と交戦し、面を砕かれる[154][書 196][書 197]。同じ頃に暗殺組織《月光木馬團》と結社が全面衝突し、マクバーン、レオンハルトとともに結社の主力となって同団を壊滅させる[385]。
- 1197年、レオンハルトに魔剣ケルンバイターを与えることを《盟主》に進言する[書 198]。
- 「閃III」の8年前(1198年頃)[266]、家族を失ったデュバリィを助け、やがて彼女の師となり、次いでアイネスとエンネアも配下とし、各人に薫陶を授けるとともに、自らの真の名も明かす[218]。
- 「the 3rd」 - 台詞のみの登場。レオンハルト(レーヴェ)の死を悼むとともに、ワイスマンの死に責任を感じると語る《盟主》を気遣い、彼の死は自業自得であると述べ慰める[381]。
- 「碧」 - 《幻焔計画》のため、帝国方面に赴く前にまずクロスベルに赴き[95][152]、配下の《鉄機隊》に加えて、カンパネルラ、F・ノバルティスとともに計画の遂行にあたる。クロスベル自治州南西の湿地帯で仮面をつけた状態でロイドら特務支援課の前に姿を現し、その際、圧倒的な実力の片鱗を見せ《銀》の仮面を破壊して彼女の正体を露見させる[144]。《零の至宝》の誕生をもってクロスベルでの役割は終わり、この時点で帝国方面に移ってもよかったのだが、《零の至宝》となったキーアの意には極力沿うよう《盟主》から言われており、キーアからは特務支援課が今後の人の域を超えた達人たちとの戦いで傷つく姿を見たくないと望まれたため、ロイドらを押しとどめるため《星見の塔》で壁として立ちはだかる[154]。この戦闘でロイドらが食い下がり自らの兜の面を砕いたことで、(まだまだ実力不足ではあるものの)彼らにシグムントやアリオスに届く一筋の光明があることを認め、これ以上の手出しは無用として引き下がりクロスベルから去ることを告げる[154]。
- 「閃I」 - 《槍の聖女》ゆかりの地であるローエングリン城に姿を現し、窮地に陥ったリィンたちを救うが、姿は見せることなく立ち去る[196][注 248]。このためラウラからは窮地を救ったのは「サンドロット(の霊)に違いあるまい」と感謝されているが[321]、セリーヌによってその場にアリアンロードがいたことが示唆されている[196]。
- 「閃III」 - 《鉄機隊》を率いて、帝国での活動を開始し、本作で彼女の正体がリアンヌ・サンドロット本人であることが判明する。ラマール州においてリィンらと交戦し、ブリオニア島の《陽霊窟》の戦いでリィンたちのことは圧倒するものの[124]、続くジュノー海上要塞の戦いで、オーレリアと交戦して膝をつき、彼女の力を認める[218]。その後は兜は外して行動し、《黒キ星杯》ではマクバーンとともにラウラ、エマ、ガイウスと交戦する[134]。
- 「閃IV」 - 《七の相克》を勝ち抜きイシュメルガを滅ぼす目的を内に秘めつつオズボーンに協力し[193]、そのために《巨イナル黄昏》に手を貸したことで、それに納得できないデュバリィの離脱という事態はあったものの特に咎めもせずそれを許す[51]。《星の霊場》にて行われた《第三相克》でリィンと対決して全力の戦いの末に敗れ、そしてドライケルスの魂を継ぐリィンたちに後を託して消滅しようとしたが、リィンやデュバリィたちに諭され、自らも彼らとともに戦う道を選ぼうとする[363]。しかし、突如現れたルーファスの《金の騎神》エル=プラドーによって背後からアルグレオンを貫かれ、騎神の力を奪われる[363]。これにより消滅するほかなくなり、デュバリィら《戦乙女》たちと、ローゼリア、ラウラ、リィンに最期の言葉をかけ、残されたわずかな力を《灰の騎神》と《剣》(ミリアム)に託し消滅した[363]。
- 人物
- 敵対者には情け容赦しないものの、慈悲深く仁義に厚い性格をしている。口調は常に丁寧で、穏やかに話す。
- 高潔にして至高の武人として裏の世界でも名高く[64]、《結社》内では誇り高き武人と一目置かれており、《戦乙女》たちをはじめ彼女を慕う者も多い。結社最強の戦闘集団である《鉄機隊》と呼ばれる部隊を率いており、その中核となる《戦乙女》と呼ばれる3人の隊士は直弟子として自ら鍛え上げており、いずれも戦闘能力では執行者に迫るとされている。
- 《結社》では古株であり、マクバーンやレオンハルトとはよく手合わせをしており、どちらにも剣の作法を教えたことがある[381][171]。特にレオンハルトに関してはいずれ自分を超える剣士となることを期待していたため、彼の死を残念に思っている[381]。
- その慈悲深さから、《ハーメルの悲劇》で壊れていたヨシュア、《教団》の被害者であるレンのことも気にかけていた[363]。
- 彼女がこの世を去ると、その時点で対立関係にあった者たち同士も含めて結社で縁のあった者たちは彼女が散華した《星の霊場》跡に集い、一時休戦して彼女の死を悼んだ[363]。
- 普段口には出さないが《戦乙女》のデュバリィ、エンネア、アイネスのことは娘のように思っている[266]。
- 武勇
- 尋常ではない達人が居並ぶ結社の中でも最強と目されており[144]、あらゆる武術に精通し[書 199]、《理》に至った達人であるアリオスをしてその強さは「人の域を超える」と言わせ[144]、《聖痕》を持つワジをして「人間の身では勝てないことが決まっているような強さ」と言わしめるほどの圧倒的な武力を誇る[98]。
- 武器は騎兵槍(ランス)で、彼女の兜を砕けるほどの戦士は世界でもほとんどおらず、彼女に膝をつかせることのできる者に至ってはさらに数えるほどしかいない。本来の武器はランスだが、剣技でもその腕は《剣帝》の異名を持つレオンハルトを上回っている[381][22][書 198]。
- リアンヌ・サンドロット
- 帝国では誰でも知っているほどの歴史上の有名人で、《戦乙女》リアンヌとしてその伝承は大陸中に伝わっている[154][書 197]。あらましについては上記の「来歴」を参照。
- 《獅子戦役》で助けたドライケルス皇子とは互いに添い遂げる誓いを立てる仲となっていたものの、《煌魔城》の戦いで死去して子を成せぬ不死者となったことで身を引く[317]。
- 一般的には《獅子戦役》で死んだとされており、サンドロット伯爵家が断絶したことでアルゼイド家が領地とローエングリン城の管理を引継ぎ、彼女の魂を毎年弔っている[283][261]。不死者として復活した際にリアンヌは領地の後事を腹心のシオン・アルゼイドに託していることから、彼女はサンドロットの「S」はすでにアルゼイド家のものと考えている[134]。
- その死後、七耀教会から聖女として認定されたことから、《槍の聖女》、《聖女サンドロット》として広く名前が残ることとなる[89]。また、その死は「遺体」の消失により多くの謎を残し、謀殺であるとか病死であるとか諸説囁かれることとなる[154][205][書 197]。
執行者(レギオン)
[編集]盟主によって見出された結社の最高位のエージェント。いずれも常人を上回る戦闘能力と機知を誇っており、それを裏付けるさまざまな過去を持つ。基本的に《蛇の使徒》の手足として動くことが多く、作戦を提案する立場にはいない。ただし行動の制限をされることなく自由に動き回ることができ、たとえオルフェウス最終計画の妨げになるような行動を起こしても組織としての制裁を受けることはない。そのため、ヨシュア、レン、シャロンのように作品によってはプレイヤーキャラとして主人公たちに協力することもある。 執行者に選ばれるには、戦闘能力はもちろんのこと心に何かしらの闇を抱えていることも条件だという。
- カンパネルラ
- 登場作:「SC」・「the 3rd」・「碧」B・「閃III」B・「閃IV」B・「界」B
- 声:伊藤かな恵
- 《道化師》の異名を持つ執行者No.0。炎や幻術を使う。
- 『閃』までに登場している《結社》の執行者たちの中でも特に得体のしれない人物で、姿や言葉遣いは少年のものだが、何年もの間で容貌が変わっていないことが指摘されており[19][148]、外見と実年齢が一致していない[386]。
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- 来歴
- 1192年、故郷のハーメル村を失ったレオンハルトに《大崩壊》以前の《リベル=アーク》の様子を幻視させて当時の繁栄と住人たちがたどった末路を語り、彼を結社《身喰らう蛇》に勧誘する[書 200]。
- 1202年、《福音計画》の第一段階を進めるにあたり帝国でカシウス・ブライトを引き付け足止めする役を担当し、手持ちの猟兵団のひとつであるジェスター猟兵団を使って《帝国遊撃士協会連続襲撃事件》を起こして暗躍する[31]。
- 「SC」 - 《福音計画》の見届け役としてワイスマンのもとに遣わされる[31]。エステルらの前にもたびたび現れるが、リベールで活動した執行者の中では唯一人、直接の戦闘は行なっていない。エステルとヨシュアが《紅の箱舟》グロリアスから脱出する際、ヨシュアにあいさつするためと称して彼の前に現れ、機械人形《ペイルアパッシュ》を仕向けて翻弄する[19]。本作では見届け役に徹していたが最終盤で動き、エステルらに敗れて逃走したワイスマンがケビンによって狩られて塩の塊にされると、ワイスマンが持ち去っていた《空の至宝》を「落とし物」と呼び、彼の杖ごと回収していずこかに去る[384]。
- 「the 3rd」 - 本編に直接の登場はしない。死亡したワイスマンの杖に宿された《輝く環》を《盟主》に献上するというサイドストーリーが語られるほか[381]、『空』に関するクイズを出題するミニゲーム「軌跡でポン」ではさまざまな格好に着替えて司会役として進行を務めている。
- 「碧」 - 《幻焔計画》の見届け役として、クロスベル自治州を訪れ[104]、気まぐれにより[187]、西ゼムリア通商会議を狙う帝国解放戦線らテロリストに密かに協力したのを手始めに暗躍する[37][96]。この作品では初めて戦闘に参加して、《特務支援課》と交戦する[120]。《零の至宝》が誕生したことでクロスベルにおける結社の任務は達成されたが、しばらくとどまり、《月の僧院》で特務支援課を待ち構え、位相空間を展開して彼らを取り込み戦闘を行う[386]。交戦後、帝国における《幻焔計画》が忙しくなってきたことを告げ、「答えを出すのはいつも運命のなかにある人の子たちさ」と思わせぶりな言葉を残してクロスベルを去る[386]。
- 「閃III」 - 《幻焔計画》奪還の見届け役として[116]、帝国領となったクロスベル州を含め、帝国内各地で《神機》を使った実験を行う。クロスベルでは霊的な障壁を展開することで、リィンが《騎神》を呼ぶことを2度にわたって妨げている[112][116]。帝国各地での《神機》による実験結果を受け、使徒たちはオズボーンの《巨イナル黄昏》に協力しその中で《幻焔計画》を達成することを決定したため[261]、《黒キ星杯》が顕現するとオズボーンらに助力し、《黒キ星杯》の外で第II分校らと交戦する。
- 「閃IV」 - 《巨イナル黄昏》の中でオズボーン陣営への協力を続け、パンタグリュエル襲撃などに参加する。幻想機動要塞ではマリアベルとともに新旧VII組と交戦し、(「碧」の時と同様)またしても思わせぶりな言葉を残して帝国を去る[173]。《黄昏》の終了後、《
星辰 の間》にてマリアベルとともに第一柱に計画の顛末を報告する[174]。
- 人物
- 軌跡シリーズには『空』の頃から登場しているが、どういった存在なのかは全く明かされておらず、登場人物たちの中でも特に謎の多い人物の一人。
- 各計画に「見届け役」として関与し、「計画の全プロセスを把握し、一片の例外なく《盟主》に報告すること」を役目にしている[384]。
- 執行者たちには行動の自由が許されているが、カンパネルラに関しては他の執行者ほどの勝手は許されておらず、本人はそれを「No.0の使命」と語る[61]。《盟主》の代わりに計画の見届け役を務めているほか、《
星辰 の間》で使徒たちとの会話に加わるなど、ほかの執行者たちとは立場を異にしているらしい描写がされている。 - 普段は常に余裕があり感情を動かすことはないように見えるが、面白がって掻き回すだけ掻き回して退場するということを(各作品で)繰り返しており、そのことを「閃IV」で「アンタみたいなのが一番
質 ()が悪い」とユウナから痛罵されると感情を害して若干怒りを見せている[61]。 - 本人は直接の戦闘は慣れてないと語っており[386]、単純な戦闘力では、執行者の中でもヨシュアと互角くらいで、シャロンよりは下というあたりになるとされる[書 201][注 249]。
- 性別は不明だが、「閃IV」のパンタグリュエル襲撃時に男女別で交戦した際に女性側として立ちはだかっており、そのことを質されると答えをはぐらかしている[61]。
- ヴァルターからは「ナンバーと同じくらいは信用している」と言われているが、つまりは信用ゼロである[12]。
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- 外見
- 無造作に伸ばした長髪とメガネが特徴。外見は青年に見えるが、その実、50年以上生きている。
- レオンハルト(レーヴェ)
- 登場作:『空』B
- 声:緑川光
- 年齢:16歳(《ハーメルの悲劇》時[1])→26歳(「FC」・「SC」)
- 《剣帝》の異名を持つ執行者No.II。彼を知るもののほとんどからは「レーヴェ」の愛称で呼ばれている[12]。
- 《盟主》から外の理で作られた金色の魔剣「ケルンバイター」を授けられており、戦闘では主にそれを用いる。
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- 来歴
- 出身地のハーメルは小さな村で子供が少なく[1]、カリン、ヨシュアとともに育ち、将来は遊撃士になることを夢見て剣の練習に励んでいた[17]。
- 「FC」の10年前(1192年)に起きた《ハーメルの悲劇》で、村民はほぼ全滅し、レオンハルトは生き残るが、この事件でカリンを失い、この悲劇の背景が知らされたことでヨシュアも心を壊してしまう[17]。そんな中、二人の前に結社《身喰らう蛇》のゲオルグ・ワイスマンが現れ、レオンハルトはヨシュアを彼に預け、自らは結社に加わる[17][注 250]。
- その後、執行者No.IIとなり、結社の任務で《月光木馬團》[385]、ルフィナ・アルジェントなどと交戦し[13]、ヨシュアとともに《D∴G教団》の教団ロッジ《楽園》を潰した際にはレンを救出した[42]。
- 「FC」の同年、《福音計画》の下準備のため、ジェスター猟兵団の「ロランス・ベルガー」を名乗り、リベール王国軍のリシャール大佐の招きに応じて、彼が司令を務める情報部に少尉として所属する[14][書 203][書 204]。
- 「FC」 - 王国軍情報部の「ロランス少尉」として登場し、リシャール大佐の指示の下、各地で特務兵を率いて暗躍する。リシャールが《封印区画》に至ろうとする最中、エステルたちとグランセル城で対決してその力の一端を見せたのを最後に行方をくらます[14]。
- 「SC」 - 《福音計画》が第二段階に進んでほかの執行者たちが集まる中、第二段階の実験の中でも特に難度の高い、古竜レグナートを用いた最終実験をワイスマンとともに進める[12]。実験成功後、拉致されたエステルが《紅の箱舟》グロリアスにやってくると、彼女に自分とヨシュアの過去を語り、次いでヨシュアが現れると、彼に彼の行動の半端さを質す[19]。ほかの執行者たちにより計画の第三段階が進められて空中都市《リベル=アーク》が出現すると、単身で乗り込みその制圧を果たし[32]、エステルらを乗せた飛行巡洋艦アルセイユが《リベル=アーク》に接近するとT・M・ドラギオンを駆って飛翔し剣一本で翼を切断し撃墜するという八面六臂の活躍を見せる[33]。
- 終章、《
中枢塔 ()》の頂上にてエステルたちと対峙して小手調べとして戦い、善戦を見せる彼女らに対して全力を出すことを告げるが、ヨシュアに一騎討ちを挑まれたことでそれに応じる[20]。彼との一騎打ちの中で、自らが結社や教授の計画に加担する理由を明かしつつ剣技で追い詰めるも、それに反論したヨシュアに一瞬の隙を見せたことでそこを突かれて剣を落とされてしまう[20]。ヨシュアに敗北を認めたレオンハルトは、彼が出した答えを受け入れて結社と決別する意思を固めるが、それを見とがめたワイスマンの不意打ちを受けて昏倒させられてしまう[20]。その後、意識を取り戻してT・M・ドラギオンを駆ってワイスマンがいる《根源区画》に急行し、《輝く環》と一体となったワイスマンの絶対障壁によって窮地に立たされていたエステルたちを助け、外の理で造られた魔剣(ケルンバイター)の力によって絶対障壁を打ち破り、エステルたちに勝機をつかませる[5]。しかし、ワイスマンから反撃を受けて致命傷を負ってしまったため死に瀕し、ワイスマンを破ったエステルにヨシュアのことを託しつつ、カリンの死に際の心境に思いをはせ満ち足りた感情を覚えながら死去する[5]。
- 「the 3rd」 - 影の国で人格をコピーされた黒騎士が登場する。ヨシュアたちとの戦いに敗れ、消滅する。
- 人物
- 常に冷静であり、感情を表に出すことはほとんどない。
- 無駄な殺生は好まないが、一方で自らを「人を捨て修羅となるがため」に剣を振るう者と称し、必要とあらば女子供でも容赦なく斬ると豪語する[12]。力なき正義はただ空しいだけという考えを持っており[12]、その点はアリアンロードとも共通している[387]。
- 結社ではアリアンロードに次ぐ剣の腕前を持っており[381][22]、よく手合わせをしたデュバリィ、結社最強のアリアンロードやマクバーンからも一目置かれている。
- 冷徹に見えて情のある人物で、彼なりに弟分のヨシュア、妹分のレンのことは気にかけており、ワイスマンによる誘いで揺らいでいたエステルにも彼女を気づかって忠告を与えている[19]。
- 《福音計画》に加担した目的
- 人には信じたい現実のみを受け入れてしまう弱さと、その弱さによって真実をもたやすく隠蔽し受け入れてしまうという欺瞞があり、そうした弱さがハーメルの悲劇とその隠蔽につながったと考えている[20][書 200]。そのため、《輝く環》という圧倒的な存在によって国家という後ろ盾の意味をなくすことで、人々に自らの無力さと自己欺瞞を自覚させ、それによりハーメル村で起きたような悲劇を二度と繰り返させないことを目的として《福音計画》に加担した[20][書 200]。しかし、ヨシュアからカリンが最期に見せた強さに気づいていながらそこから目を背けるレオンハルトにこそ欺瞞があると喝破され、彼の決意を聞いて自らが求めていた答えのひとつを見出したことで剣を収める[20]。
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- ロランス・ベルガー
- 「FC」において名乗っていた名であり、王国軍情報部の少尉としての偽名。情報部の工作員として動きながらも無益な殺生は好まず、放火された孤児院からテレサと孤児たちを密かに救い出したりしている(この時は素顔)[16]。
- ロランスを名乗っている間は仮面をかぶることで素顔を隠しているが、仮面と素顔を巧みに使い分け正体を隠していた(これにより「FC」においては素顔で現れても謎の男としてしか見られず、ロランスの素顔であることは終盤まで隠されていた)。
- 王都グランセルの武術大会に部下を率いて出場し、準決勝でカプア一家を破り、決勝ではエステルたちと交戦するが、リシャールから負けるように指示されていたため本気を出さず、エステルたちに花を持たせた[14]。リシャールら情報部が王城を占拠した際は王城最上部の女王宮でエステルたちを待ち受け、仮面に隠された素顔を明かしエステル、シェラザード、クローゼの三人と交戦する[14]。この戦闘では勝利することは物語の進行の上で必須ではなく、勝利した際はエステルの潜在能力を認め、敗北した場合は落胆されてしまうものの物語は進行するというものになっている。
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- 魔剣ケルンバイター
- レオンハルトが持つ金色の剣。
- 《盟主》がレオンハルトに貸与したもので、外の
理 ()によって造られており、全てを切り裂くとされる[書 205]。 - 「SC」ではこの剣にやってアンヘルワイスマンの絶対障壁を破ったことにより、エステルらに勝機をつかませる[5]。その時に刀身は折れて力を失い[237][39]、ヨシュアによって回収され、その後の彼とエステルの旅の中でハーメル村の碑に供えられた[15]。「閃IV」では《巨イナル黄昏》の影響で力を取り戻したことを利用され、ハーメル村を異界化する核となってしまう[39]。
- 「閃II」でマクバーンは彼が持つ魔剣アングバールとレオンハルトのケルンバイターは「対となる剣」と言っているが[257]、この設定はすでに破棄されているようで[書 206]、ともに外の理で造られているという共通点のみ持つ存在ということになる。
- 名前はゲーム本編では「閃II」(2014年)が初出だが[257]、それ以前に漫画『レーヴェ物語』(2012年)で名前やレオンハルトに与えられた経緯が描かれている[書 198]。
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- T・M・ドラギオン(トロイメライ=ドラギオン)
- 《環の守護者トロイメライ》のデータを基に《結社》が開発した新型の巨大機械人形。外見はトロイメライの「MODE:完全殲滅<ジェノサイド>」とほぼ同じだが、カラーリングのほか、脚部や両碗の形状が異なる。
- 飛行能力を有しており、レオンハルトはドラギオンの飛翔時に背に乗ることで、アルセイユの翼を切断し撃墜した。「SC」ではレオンハルト専用の1機のほか、ワイスマンが支配下に置く3機が登場し、他にも複数機いたことが語られているが、いずれの機体も《中枢塔》の戦いで破壊される[5]。
- 「the 3rd」では黒騎士とともにボスとして登場する。
- ルクレツィア・イスレ
- 登場作:「閃III」(伝聞のみ)・「黎I」S/B・「黎II」G/B・「界」G/B
- 声:植田佳奈
- 《黄金蝶》の異名を持つ執行者No.III。
- かつてはシャロンや第四柱《千の破戒者》と同じ暗殺組織《月光木馬團》に所属していた[385]。《月光木馬團》時代のイラストで、《破戒》とあわせて男女のシルエットで描かれており[385]、《破戒》が男であることは「the 3rd」で判明していることから[381]、長髪の女のほうが《黄金蝶》であると推定できる。
- ルシオラ
- 登場作:「SC」B・「the 3rd」B・「碧」・『創』(伝聞のみ)
- 声:西川宏美
- 《幻惑の鈴》の異名を持つ執行者No.VI。
- 扇を使って風を操り、宙を舞うように戦う。鈴の音を利用した《幻術》を得意とする[12]。戦闘時には風と炎を伴う攻撃を主に使用し、さらには強力な式神まで召喚する。
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- 来歴
- わけあって故郷を捨て、旅芸人のハーヴェイ一座の一員となり[12]、歳の離れた座長からは娘のように大切にされる[43]。一座とともに各地を旅し、7歳くらいだったシェラザードが座長に拾われると(1186年頃)[12]、彼女にとっては姉貴分となり、ロレント地方を訪ねた際に彼女を介して幼少のエステルとも顔見知りとなる[3]。
- 「SC」の8年前(1194年頃)[12]、ハーヴェイ座長を崖から突き落として殺害した上で《幻術》により事故死に見せかける[36]。座長を失ったことで一座は解散したが[36]、ほどなく、結社からの誘いがあり、自らの闇を見極めるためその誘いを受けて結社に加入する[43][注 251]。
- 「SC」 -《福音計画》に参加し、計画の第二段階である新型《ゴスペル》による実験として、ロレント地方を霧に包んでエステルらに幻惑を見せ、この実験でシェラザードと再会する[3]。計画の第三段階で《紺碧の塔》に現れ、そこで対峙したシェラザードに一座のハーヴェイ座長の死は事故ではなく自分が殺害したと語り[36]、物語終盤の《中枢塔》の戦いでは(シェラザードがいる場合)座長を殺害した理由を語り、語り終えると《中枢塔》から飛び降りて行方をくらます[43]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》によって守護者として再現され、ヴァルター、ブルブランとともに主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。また、「SC」の後は行方不明となっていることが語られている[381]。
- 「碧」 - 名前こそ明かされないもの彼女らしき東方風の凄腕女性占い師がミシュラムのテーマパークに登場しており、前年から営業していると語られている[122]。占いを頼むと(プレイヤーが選択した場合)、思うところがあってかスラム出身のシュリには親身になって助言をしている[122][書 207]。夜のテーマパークでのイベント時に、カンパネルラに自らの式神を渡して力を貸している[122]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。《リベールの異変》が終わって以降結社には戻っておらず、結社は生存していることは間違いないと判断しているものの、行方をつかめていないということが語られている[22][174]。
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- 人物
- オーブメントに頼らず、鈴と扇を使った舞による《幻術》を使うことができる[12]
- 《福音計画》でワイスマンの計画に従ったものの、彼とはそれほど親しくない[36]。一方、ともに《福音計画》に参加したヴァルターとブルブランからは死ぬには惜しい人物として、《リベル=アーク》崩壊時に無事を祈られている[381]。
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- ハーヴェイ座長を殺害した動機
- この世界の旅芸人の一座は汚い取引をしたり女の芸人に客を取らせたりしないと成り立たないものだが、所属していた一座のハーヴェイ座長はそうしたことを一切せず、私財で一座を維持した結果、莫大な借金を背負ってしまう[43]。そのため、ハーヴェイ座長は芸人たちのことを思った末、裕福な貴族に一座を譲渡して自らは身を引こうと密かに考えていた[43]。その話を打ち明けられたルシオラは座長に反対して説得を試み、その中で座長を愛していることを告白するが、彼女のことを娘同然に思っていた座長からは「一時の感情に流されず、相応しい相手を見つけるといい」と諭される形で拒まれる[43]。拒まれたことにショックを受けると同時に、座長が自分から離れていってしまうことに恐怖を覚え、彼を永遠に自分のものにするために殺害した[43]。この時に自分の中に潜む闇に気づかされ、結社からの誘いを受けることにする[43]。
- シメオン
- 登場作:「界」B
- 声:鳥海浩輔
- 《幻想使い》の異名を持つ執行者No.VII。
- ヴァルター・クロン
- 登場作:「SC」B・「the 3rd」B・『黎』S/B・「界」G/B
- 声:吉水孝宏
- 《痩せ狼》の異名を持つ執行者No.VIII。かつては《秦斗流》の使い手リュウガの一番弟子で、ジンの兄弟子であり、キリカとは恋人の関係だった過去を持つ。
- 武術に天賦の才を有しているが、武術の闇に飲まれて師を殺した末[36]、結社に入る[69]。
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- 来歴
- リュウガ・ロウランに師事して《泰斗流》の
功夫 ()を修める。「the 3rd」の6年前(1197年)[注 232]、師リュウガの門下で一番弟子と目されていたが、師から流派の継承者として素質も才能もジンのほうが上だと告げられ納得できず、ジンとの一騎打ちを師に要求するが、リュウガはジンにはヴァルターに対しての遠慮があるということを理由にその要求を退け、自らが仕合の相手となることを申し出る[371][書 179]。その仕合でリュウガの命を奪って一門から出奔し、その直後に結社《身喰らう蛇》からスカウトされ[69]、執行者となる。
- 「SC」 - ワイスマンが進める《福音計画》に参加し、ツァイス地方で新型《ゴスペル》の実験を行っていたところエステルら遊撃士協会による妨害にあい、その中でジンと再会し[69]、以降、因縁を再燃させる。終盤、《リベル=アーク》の《中枢塔》で一行を待ち構え、(ジンがいる場合)戦闘後に過去に自分が師と戦い殺害するに至った経緯を語る[371]。ジンによってその背景を知らされたことで師父の真意を悟り、一抹の満足を得て気絶する[371]。
- 《中枢塔》での戦いの後、《紅の箱舟》グロリアスでブルブランらとともに《リベル=アーク》を離脱し、その崩壊を見届ける[381]。
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- 人物
- マクバーンに言わせると戦闘狂[115]。「SC」以前に《銀》(リーシャ)と交戦して引き分けたことがある[47]。
- その強さは常人の域を超えており、グランセル城の城門を徒手空拳の「
寸勁 ()」で破壊してしまうほどの力を持つ[32]。 - 武術の天才であり、圧倒的な格闘センスと反射神経、パワーとスピードを併せ持つ肉体、爆発的な“気”の使い方のいずれにおいてもずば抜けた資質を持っている[29][注 252]。
- 《泰斗流》の門下であったが、戦いを通じて精神を高め合う「活人拳」を基本理念とする師リュウガの精神は伝わらず、武術の闇に引きずられ、相手の命を刈り取ることだけを目的とした「殺人拳」に走り、己の圧倒的な力に酔いしれながら更なる力を貪欲に追い求めるようになる[29][36]。そうして、《泰斗流》以外にも様々な流派を取り込み、どうすれば人を壊せるかその窮極の境地を目指すが[36]、天賦の才能を持つがゆえに愚直なまでの繰り返しによる鍛錬といった積み重ねに欠け、「SC」では最終的にジンの「活人拳」に後れを取ることになる[371]。
- シャロン・クルーガー
- 登場作:「閃I」・「閃II」P・「閃III」S→B・「閃IV」B→P・『創』P・「界」
- 声:ゆかな、綾森千夏(幼少期)
- 年齢:23歳(「閃I」[W 23]・「閃II」[W 12])→25歳(「閃III」[112][W 9]・「閃IV」)
- 《告死線域》、《死線》の異名を持つ執行者No.IX。
- ダガーと鋼のワイヤーを武器として戦い、《死線》の異名は鋼のワイヤーを使うことから取られている。
- 表向きはラインフォルト家のメイドであり、長い時間をともにしているアリサからは実の姉のように慕われている[227]。
- 来歴
- 暗黒時代から続く闇の暗殺組織《月光木馬團》に所属し、《死線》という忌み名と《クルーガー》という号を与えられ、感情を持たぬ暗殺人形として任務を遂行する日々を送る[385]。
- 13歳の頃(1194年頃)、この時点で《月光木馬團》では第二の使い手となっていたが、《月光木馬團》と当時は新興の勢力だった結社《身喰らう蛇》が水面下で全面衝突し、アリアンロード、マクバーン、レオンハルトという圧倒的な強者を擁する結社の前に団は総崩れとなり消滅してしまう[385]。敗北したクルーガーは団に所属していた《千の破戒者》、《黄金蝶》とともに結社に吸収され、執行者No.IXとなる[385]。執行者は任務を断るのは自由だったが、他に生き方を知らなかったため、使徒たちの要請に従い任務を遂行する日々を送る[385]。
- 「閃I」の8年前(1196年)[224]、F・ノバルティスからの要請で帝国の鋼都ルーレに赴き、研究成果受け取りのためフランツ・ラインフォルトのもとを訪れた際、偶然《黒》のアルベリヒとして覚醒していた彼と相対することになり、交戦の末、瀕死の重傷を負い、フランツも「死亡」してしまう[385][193]。彼の妻であるイリーナにより救われて一命をとりとめ、「シャロン」という名前とラインフォルト家のメイドとしての立場を与えられ、それ以降は結社に所属したままラインフォルト家にメイドとして仕える[385][注 253]。以降、イリーナの娘アリサにとっては姉同然の存在となり[227]、彼女に護身術や弓の使い方、貴族の子女並の礼儀作法などを教える[224]。
- 《帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件》(1202年)では、ラインフォルトに関係ない案件であるため、カンパネルラからの要請に応えて古巣を手伝い、ノーザンブリア自治州において里帰り中のサラを1週間に渡って足止めをする[115][113]。
- 「閃I」 - イリーナにより、アリサが住む第三学生寮の管理人としてトリスタに派遣され、リィンらVII組の日常の世話を始める[388][227]。終盤、トリスタが貴族連合による襲撃を受けた際、その防衛戦でサラたちに加勢し、自身の正体と実力の一端を明かす[202]。
- 「閃II」 - 内戦が始まった後はルーレに戻りイリーナを補佐していたが、アリサの居場所をつかんだことで、ノルド高原でリィンらの加勢に現れる[260]。内戦においては結社《身喰らう蛇》の《幻焔計画》には与せず、イリーナの指示に従って[260]、アリサたちに協力する。
- 内戦後はラインフォルトグループ建て直しに奔走するイリーナを支えていたが、同社に復帰したグエンの配慮により士官学院卒業を控えたアリサの世話のもとに再び遣わされ[231]、VII組の最後の日々の世話焼いた後、アリサとともにトリスタを去る[207]。
- 「閃III」 - クロスベル市でリィンに再会し、その際、アリサにも明かしていない自らの過去を明かす[112]。その後、オルキスタワーの戦いではマクバーンと交戦し[115]、その焔からリィンをかばったことで負傷し、戦線を一時離脱することを余儀なくされる[116]。終盤、《黒の工房》がその動きを本格化させ、フランツが《黒》のアルベリヒとして姿を現し、これによりかつてイリーナと結んでいた「フランツが戻ってくるまで」という契約条件が満たされ、彼女との契約を終了して、シャロンの名とアリサとの思い出を返して結社に復帰する[134]。
- 「閃IV」 - 《死線のクルーガー》として結社の意向に従い、引き続きオズボーンたちに協力を続ける[182]。《相克》が始まると、《第二相克》が行われる龍の霊場を覆う障壁の発生装置を守るため、ガルガンチュア級の実権戦艦でVII組と交戦するが、敗れ、あくまで「シャロン」を自分たちの元に取り戻すことを諦めないアリサの姿に心打たれる[71]。事態に業を煮やした黒のアルベリヒが投入した魔煌機兵《リヴァイアサン》がリィンらに敗れて暴走状態になると、ジョルジュとともにそれを食い止め、その際に障壁発生装置も破壊し、イリーナがアルベリヒのことをフランツだとは認めなかったことで契約続行の意思を問われ、ふたたび「シャロン」に戻り、アリサの元に帰還する[71]。終盤、アンゼリカ、ジョルジュ、ローゼリアとともに《塩の杭》のひとつの攻略を担当し、トゥルーエンドでは最終決戦に加わった後、イシュメルガの呪縛から解放され消滅していくフランツからアリサとイリーナのことを託され、忠誠を新たにし、結社を完全に脱退する[212]。
- 人物
- ラインフォルト家のメイドとしてイリーナやアリサの身の回りの世話をしているほか、ラインフォルト社会長としてのイリーナの秘書としての業務も行う。常に笑顔を絶やさないおっとりとしたメイドで、その可憐な所作と完璧な仕事ぶりからラインフォルト家のスーパーメイドと呼ばれている[164][222]。
- 《帝国遊撃士協会連続襲撃事件》に際して遊撃士をしていたサラをノーザンブリアに足止めするため交戦したことがあり、変装はしていたものの[115]、彼女からは第三学生寮で出会って早々に勘づかれており[227]、まったく信頼されておらず、つっけんどんに扱われている。
- イタズラ好きな性格をしており、たびたびVII組メンバーの行動の先回りをしては(特にアリサを)驚かせている。
- 自分では、ラインフォルト家に害がなければ古巣の悪事を手伝うような外道だと言っている[115]。
- 初登場した「閃I」の時点でも《機甲兵》相手に単身で戦えるほどの達人だが[202]、それまで実戦から遠ざかっていた期間が長く、実力は10年前に比べて落ちていると語っている[116]。
- ブルブラン
- 登場作:「FC」・「SC」B・「the 3rd」B・「零」・「碧」・「閃I」・「閃II」B・「閃IV」
- 声:三浦祥朗
- 《怪盗紳士》の異名を持つ執行者No.X。「美の崇拝者」を自称している[30]。
- ゼムリア大陸中に「怪盗B」の名で知れ渡っている怪盗で、正体を隠すためか、目元のみ隠した仮面と白マント姿の奇抜な格好をしている。
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- 来歴
- 温暖な南方の貧しい家庭に生まれ、こづかい稼ぎのため、幼い頃から常習的に盗みを繰り返す[389]。貴族支配が絶対的な国に住んでおり、そこで身分違いの令嬢に恋をしたことで、身分詐称に手を染め、その後も様々な禁断の恋を謳歌する[389]。
- 「the 3rd」の10年前(1193年頃)、盗みで捕まったことはなかったが、経歴詐称の容疑で捕まる[389]。その後、奇跡の脱獄を果たし、以後の行方は世間からは不明となる[389]。
- 「FC」 - 直接の登場はしない。ヨシュアを見かけたことでエステルら一行に興味を持ち、ルーアンでダルモア市長の執事ダリオになりすまして、彼らを観察していた[30][書 208]。
- 「SC」 - リベール王国にただよう気品に興味を引かれ、それが困難な状況でも輝く本物なのか見極めるため《福音計画》に参加する[36]。その中で、「FC」でダルモアを逮捕する時にクローゼが見せた気高さに美を見出したことで、彼女に強い関心を寄せる[30]。《福音計画》の第二段階の実験をルーアン地方で行い、王立学園の地下遺跡で執行者たちの中では最初の人物としてエステルらと対面し、オリビエと「美」についての論争(アホな会話[書 209])を繰り広げ、以降は互いに美をめぐるライバルとみなす[30]。「SC」終盤、《中枢塔》の戦いでは執行者の1番手として登場し、ヨシュアから《福音計画》に加担している執行者たちの中でもブルブランは計画に与し続けるだけの関わりは薄いことを理由に手を引くように促される[43]。そこで、自身の目的はエステルたちから「希望」を盗むことであり、それは逆境の中でこそ美しく輝くものであることを語り、彼女らの「希望」を打ち砕くべく交戦する[43]。しかし《怪盗紳士》であってもこればかりは盗むことができず、仮面を割られ敗北する[43]。
- 《中枢塔》での戦いの後、《紅の箱舟》グロリアスでヴァルターらとともに《リベル=アーク》を離脱し、その崩壊を見届ける[381]。
- 「the 3rd」 - 《影の国》によって守護者として再現され、ルシオラ、ヴァルターとともに主人公たちの前に敵として立ちふさがる[21]。
- 「零」 - 直接の登場はしない。怪盗Bとして、市庁舎の彫像を盗み出し、特務支援課に挑戦状を送る[165][注 254]。この解決時に市庁舎のクリップ主任に変装し、ロイドらに報酬を渡して去っている[165]。
- 「碧」 - 直接の登場はしない(周回プレイ時は台詞のみ登場する)。怪盗Bとしてマリアベルのローゼンベルク人形を盗み出し、特務支援課に挑戦状を送る[96]。周回プレイ時は事件が特務支援課によって解決された後でマリアベルと導力通信で会話しており、その中でこの事件はマリアベルによる自作自演に付き合ったものであることが明かされ、ブルブラン自身は、帝国で面白いことになっているため、すぐにでもクロスベルを発つということを語り、結社におけるマリアベル(まだ申し出を受けるか決めていないものの)の今後についても楽しみにしていると告げる[96][書 97]。
- 「閃I」 - ケルディックで特別実習中のVII組・A班を偶然見かけサラがいたこともあって興味を示し[199]、バリアハートや帝都ヘイムダルで素顔で「ブルブラン男爵」と名乗ってリィンらに接触する[198][223]。帝都では怪盗Bとして挑戦状を出すが、事前に知り合っていたためか、変装して立ち去ろうとしたところをリィンに見とがめられてしまう[223][注 255]。終盤、オズボーンが狙撃され帝都が貴族連合に占領されていく中、ヴィータと合流し、彼女が《幻焔計画》の第二楽章の開始を宣言する場に立ち会う[202]。
- 「閃II」 - ノルド高原に現れ、リィンらとは初めて交戦する[260]。その後、愉しめるものは愉しむ主義と嘯き、パンタグリュエル滞在を愉しんでいたが、リィンの脱走を防ぐべくデュバリィとともに立ちふさがる[205]。《煌魔城》の戦いではやはりデュバリィとコンビを組み、1番手としてVII組と交戦し小手調べをしてから本気を出して彼らを圧倒するが、加勢に現れたオリヴァルト皇子とトヴァルに反撃され、VII組の通過を許してしまう[257]。
- 「閃III」に先立ち、ヴィータが《結社》と方針を違えて出奔し、彼女と気が合っていたブルブランもその動向を警戒され、結社が進めようとしている《幻焔計画》奪還の進行をヴィータに同調して邪魔をされたくないという理由から計画から外されてしまう[116]。
- 「閃III」 - 直接の登場はしない。「アレイスター」として登場していたことが「閃IV」で明らかとなる[148]。ラマール州を訪れたリィンらにアレイスターとして「大海賊の秘宝」の探索を依頼している[124]。
- 「閃IV」 - 爆破されたカレイジャス号の墜落跡からオリヴァルト皇子を他のクルーともども密かに救助し、彼らの治療を行う[63]。オリヴァルト皇子への協力を続けつつ、クロスベルでユウナらVII組の危機を救ってカンパネルラらと対峙し[52]、後に皇子やヴィータらとともにカレイジャスIIでパンタグリュエルの救援に駆けつける[61]。その後はクロスベルでの練習公演に参加してリィンらを助けるほか[172]、最終決戦では「立場はあるので直接手は出せない」と言いつつも、内戦時に行動をともにしていたデュバリィら《戦乙女》とゼノ、レオニダスの5名のために《結社》の強化猟兵部隊から飛行艇を無断で拝借し、《塩の杭》まで彼女らを送り届ける(《塩の杭》での戦闘には参加しない)[39]。
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- 人物
- 独特の美学を持つ人物であり、その点にかけては高いプライドを持っている[389]。持ってまわった迂遠な話し方をするのが特徴[198]。
- 古代遺物や戦術導力器に頼ることなく、炎を操るマジックや、影縫いなどの術を使うことができる[30]。
- ブルブランの姿で登場するのは「SC」、「the 3rd」、「閃I」、「閃II」、「閃IV」の5作のみだが、そのほかの作品においても「怪盗B」として各作品の主人公たちに挑戦状を送りつけて盗品を探させており、間接的なものもあわせれば軌跡シリーズ全作に登場している[書 193]。
- 仮面の下は秀麗な顔立ちをしている[389]。初期案のひとつでは右目は怪我をして見えない設定のものがあり[書 208][書 25]、その名残からか、『空』の会話グラフィックでは仮面の右側の目が描かれていない。
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- オリヴァルト皇子との美をめぐる対立
- 美とは「気高さ」であると考えており、高い峰の頂きで人知れず咲く花が美しいように、人の感情を経なくとも美は美として成立するものと考えている[30]。しかし、「SC」で(オリビエとしての)オリヴァルト皇子から、美とは「愛」であり愛なき美はむなしい幻にすぎず、そこに愛があれば気高さとは無関係に美は美として成立するという持論を聞かされたことで、その見方を一蹴しつつも彼を美をめぐる好敵手と認め[30]、以降、互いを好敵手と呼び合い[43]、なんだかんだと気が合う様子を見せつつ張り合っている[61]。後に彼の妹であるアルフィン皇女とも同様に妙に気が合ってる[205]。
- ブルブランとオリヴァルト皇子のこの対立について、ミュラーは「同類」同士によるものとみなしており、エステルは「ヘンタイ王座決定戦」と呼んでいる[43][書 210]。
- 怪盗B
- ブルブランが盗みを働く時に名乗る名で、神懸り的な盗みのテクニックを持つ怪盗として知られる[389]。いつも事前に犯行予告を記したカードを送り付けてから犯行におよぶが[223]、捕まったことは一度としてないという[165]。
- 世の中の見捨てられた『美』を見いだし、愚かな持ち主のもとからそれらを救出するという、「美の解放」運動を行っており、そのことは作品世界の一般人にも知られ、一部には熱狂的なファンを持つ[389][390]。
- 怪盗Bによって盗まれたものは、持ち主が見たら失神しかねないような場所に置かれるか、ミラに換金されて貧民街のどこかに雨となって降り注ぐこととなる[389]。
- 帝国軍から導力戦車を盗み出したこともあり[389]、帝国では特にその話は広く知られている[223]。
- 各作品の主人公たちも実際に彼に関わる以前に、「零」では特務支援課の4人でエリィ以外は詳しい知識はないが名前は聞いたことがあり[165]、「閃I」では《蒼の歌姫》ヴィータのことは知らなかったリィンやラウラでも怪盗Bが戦車を盗んだ話は知っていた[223]。
- 作品中では、主人公たちを名指しして犯行予告カードを送ってくるため、各主人公たちは彼の事件に関わることとなり[165]、非常に回りくどいやり方で暗号を残し、主人公たちにあちこち探し回させている。変装の達人であることから、「FC」や「零」では事件の解決に乗り出したエステルやロイドたちを変装でだまして逃亡に成功している。『閃』までの各作品で彼の変装を見破れたのは「閃I」のリィンだけである(ただし事前に「ブルブラン男爵」と知り合っていたほか、この時はブルブラン本人も本気で正体を隠そうとはしていなかった)[223]。
- アレイスター
- 「閃III」と「閃IV」で登場する放蕩貴族の作曲家で、アルトハイム伯爵の庇護を受ける若手芸術家たちの一人[237]。ブルブランが変装した姿のひとつ[148]。
- アルトハイム伯爵が語る彼の過去はブルブランの過去と符号するもので[92]、この変装は「本物のアレイスター」が別にいるのではなく、ブルブランの真の(元々の)姿だった可能性がある[書 211]。
- エリオットの知人でもある。
- ヨシュア・アストレイ
- 《漆黒の牙》の異名を持つ執行者No.XIII。隠密行動や不意打ちを得意とする。詳細は「#ヨシュア・ブライト」を参照。
- レン
- 《
殲滅天使 》の異名を持つ執行者No.XV。身の丈ほどもある巨大な鎌を振るい、容姿に似合わぬ強烈な一撃で敵対者を殲滅する。詳細は「#レン」を参照。 - シャーリィ・オルランド
- 登場作:「碧」B・『暁』P・「閃III」B・「閃IV」B・『創』
- 声:竹達彩奈
- 年齢:16歳(「碧」[書 212])→18歳(「閃III」・「閃IV」)
- 《
紅の戦鬼 ()》の異名を持つ執行者No.XVII。 - 「碧」の初登場時は《
血染めのシャーリィ ()》の異名で呼ばれ、「閃III」からは結社の執行者として登場する。 - 大陸最強と言われる猟兵団《赤い星座》を率いるシグムントの娘で、特務支援課のランディの従妹にあたる。
- 「碧」 - 父シグムントらとともにクロスベル入りして、ロイドらの前に姿を現す。西ゼムリア通商会議で《赤い星座》がテロリストたちの「処刑」を終えた際、《銀》(リーシャ)と初めて会い興味を抱く[96]。《銀》の正体がわかると、クロスベル襲撃の際に公演中のアルカンシェルを襲い、リーシャの本来の力を見たいがために劇場を破壊し[152]、舞台のシャンデリアを落としてイリアに瀕死の重傷を負わせる[132]。これに激怒したリーシャと戦うが、この時は決着はつかず決着は持ち越しとなる。終盤、《碧の大樹》が顕現するとそこで特務支援課を待ち構えてリーシャと再戦するが、彼女から「暗闇の果て、新たな光を見出した私に血塗られた硝煙の道しか知らない貴女は及ばない」と告げられ、激戦の末に敗北する[181]。敗北後、彼女を残して次の領域へと進もうとする特務支援課の不意をつくことができたにもかかわらず見送ってしまい、自分の甘さに気づいたことで、かねて誘いが来ていた結社入りに気持ちを傾ける[181]。
- 「閃III」 - 結社《身喰らう蛇》の執行者No.XVIIとして登場。《赤い星座》にも所属したままで副団長になっており[26]、結社の執行者でありながら《赤い星座》の分隊を率いて、オズボーンに奪われた《幻焔計画》奪還に向け暗躍する。
- 「閃IV」 - トールズ士官学院・本校に入り[83]、セドリック皇子と行動をともにする[182]。武器の名前が同じという縁もあってセドリックのことを気にかけ[258]、次第に彼を弟のように思って案じるようになる[313]。
- 人物
- 一人称は「シャーリィ」。平時は無邪気で天真爛漫な性格をしているが本質は戦闘狂。チェーンソー付ライフルの《テスタ=ロッサ》という《黒の工房》製のSウェポンを得物としている[391]。
- 交渉や説得を多用する父シグムントとは異なり、暴力で相手を屈服させることを好み、戦うことと相手を殺すことの両方に享楽を覚える危険な性格をしている。「碧」中盤でランディと対峙した際は圧倒的な実力でランディを切り伏せ、見せしめに片腕を切り落とそうとしたり[139]、本気のリーシャと戦うためにアルカンシェルを襲撃したり[152]、と、手段を選ばないところがある。
- 赤い星座の中では唯一ランディを「ランディ兄」と渾名で呼んでいる他、戦いの基礎基本を教えてくれた師でもある。ランディの腕を切り落とそうとした時も「自分たちの元に戻ればすぐに元の実力に戻る」と語る。
- 父と同様に「人喰い虎」に喩えられている[140][181][26]。一方、その身体能力の高さから高所に飛び乗って走り去るなど猫のような描写が多い。
- 父シグムントも認めるほどの鋭い観察眼を持っており、《銀》がなんらかの身体操作法で体格を変えていて全力を出せない状態にあることを初対面で見抜いている[96]。その戦闘力は高く、《テスタ=ロッサ》を振るって警備隊の装甲車を両断し、ランディのベルゼルガーも容易く破砕している。武装もそうだが彼女自身の膂力も相当なものであり、成人男性の胸蔵を掴んで軽々と持ち上げている。また獲物には火炎放射器まで内蔵されている。
- いわゆる貧乳なのでエリィやリーシャの巨乳を羨ましがっており[37]、初対面のエリィの胸を揉んで彼女に若干トラウマを与えている[130][104]。
- 「碧」ではリーシャとの対比を意識したキャラクターとして登場しており、名前も「シャーリィ」と「リーシャ」で頭と末尾を逆にして韻を踏んだものになっている[書 213]。
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- 「閃III」以降の変化
- 《
紅の戦鬼 ()》という異名に変わり、単に「戦鬼」とも呼ばれる。「碧」で「戦鬼」(赤の戦鬼)と呼ばれていた父シグムントは、(「碧」で覚悟を示したランディに《闘神》を継がせることはあきらめたらしく)《闘神》の称号で呼ばれており、父が《赤い星座》の団長となったことで、シャーリィは副団長になっている。 - 髪型はロングヘアに変わり、「碧」の時よりも精神的に成長して落ち着いた姿を見せているが、デュバリィの胸を揉むなど、本質はあまり変わっていない。
- 地味な仕事でも律儀にこなすことから、執行者にしては勤勉すぎると評されている[124]。
- ウルリカ
- 登場作:「界」B
- 声:長谷川育美
- 《言霊使い》の異名を持つ執行者No.XVIII。
- セドリック・ライゼ・アルノール
- 執行者No.XIX。詳細は「#セドリック・ライゼ・アルノール」を参照。
- イクス・エルダリオン
- 登場作:「黎II」G/B・「界」B
- 声:堀江瞬
- 《庭園》出身の暗殺者。ヨルダと共に連名で執行者No.XXとなる。
- ヨルダ・エルダリオン
- 登場作:「黎II」G/B・「界」S/B
- 声:古賀葵
- 《庭園》出身の暗殺者。イクスと共に連名で執行者No.XXとなる。
十三工房の関連人物
[編集]《結社》の技術の中核となる下部組織。大陸各地の異能の技術集団をまとめるネットワークのようなもので[171]、12の工房から構成されている。非常に高度な機械技術が盛り込まれており、結社のネットワークや機械人形などはここから精製されている。『閃』までにローゼンベルク工房、《黒の工房》が作中に出ている。
- F(エフ)・ノバルティス
- 《十三工房》の統括者。詳細は#F・ノバルティスを参照。
- ヨルグ・ローゼンベルク
- 登場作:『VII』
- 声:徳山靖彦
- 年齢:75歳(「零」・「碧」[書 214][注 256])
- 《十三工房》のひとつ、ローゼンベルク工房の工房長。
- 表向きには高名な人形師であり、製作される人形は1体あたり数万ミラ以上の高値が付けられる[38]。
- 結社には人形兵器でかかわっており、人形の調整にかけては右に出る人間はこの世に存在しないとノバルティスから評されている[104]。
- レンとは古い知り合いであり、「零」では彼女に頼まれて《パテル=マテル》の修理、調整を行っていた。
- 来歴
- 「零」 - レンをかくまうとともに、「SC」の《中枢塔》の戦いで傷ついた《パテル=マテル》の改修作業を行う[55]。終盤、レンのことで特務支援課には借りを感じ、イメルダの依頼で工房を訪れた彼らを門前払いにはせず、自分の機械人形を使って交戦し彼らの力を試す(敗北すると倒し方のアドバイスをロイドらにする)[184][書 215]。人形に勝利するとロイドらと対面してイメルダに要望された新作人形のトランクを渡し、(《黒の競売会》でローゼンベルク人形と入れ替えられていたことから)キーアの素性について知らないか彼らに問われ、「わしが手がけた人形が数奇な運命を経て命を宿らせ、人間になった可能性もあるが……」と答えるものの、キーアのような顔立ちの人形を作ったことはないことを彼らに伝える[184]。
- 「碧」 - 《幻焔計画》のためクロスベルを訪れたノバルティスとカンパネルラから工房への訪問とあいさつを受け、押しかけてきて一方的な要求を臆面もなく並べ立てるノバルティスに不快感を示す[104]。クロスベル市襲撃事件で、かねて協力していたアルカンシェルを無茶苦茶にされたことにより《赤い星座》や雇い主であるクロイス家を許しがたく思い、物語の終盤、工房を訪ねてきたロイドらに協力を申し出る(ロイドらは話を聞ければラッキーくらいに思っておりヨルグから協力の申し出があるとは考えておらず驚いている)[140]。
- 「閃IV」 - 登場はしない。クロスベル事変の直後くらいの時期にローゼンベルク工房を引き払って行方をくらまし、《十三工房》からも抜けようとしているようだということが語られている[38]。
- 人物
- 職人気質な老人で[140]、人嫌いで偏屈な性格をしている[184]。
- 結社との関係
- 結社の協力者ではあるが、結社の人間というわけではなく、結社が進める計画そのものに直接関与しているわけではない[56]。そのため、遊撃士協会や星杯騎士団などからも捕縛などの干渉は受けておらず、摘発するより必要に応じて接触して情報を引き出すほうがよいと判断されているようだとヨルグ本人が語っている[56]。
- 《十三工房》の長であるノバルティス博士とは師弟関係にあるが、現在は険悪の仲となっている[104]。
- 《パテル=マテル》などのゴルディアス級人形兵器は元々はヨルグが全てを掛けて開発したものだったが、ノバルティスがそれを奪い、非道な接続試験で幾人もの子供を犠牲にした上、レンのような幼い子供にあてがったことを許していない[140]。また、至宝の力なしでは満足に動かせもしない《神機》アイオーンを勝手に開発した上、「ゴルディアス級最終型」という名を付けている厚かましさにも腹を立てている[140]。
-
- ローゼンベルク人形
- 肌もきめ細かくしっとりとしていて、まるで生きているかのような、とんでもなく精巧な人形。1体で数万ミラの値段がつく[38]。
- 初期の作品はサイズが一回り大きく[138]、人間の子供ほどの大きさをしている[184]。ヨルグはこのサイズの人形を作るつもりはもうないため、人形にはプレミアがついており、500万ミラの値が付いて落札された例もある[138][書 95][注 257]。《黒の競売会》で本来出品されるはずだった人形もこのサイズだった[138]。
- クロスベルではイメルダを介して売っているが、買い手のことを気に入らなければ売るのを渋って人形を彼女に渡さないこともある[184]。
- ヨルグは本来は歯車仕掛けの
自動人形 ()を専門としており、現在は導力化してより精巧なものを作っており、アルカンシェルの舞台装置としてもそうした自動人形が使われている[184]。ロイドらはすでにアルカンシェルの公演を観ていたが、ヨルグが作った棒を回す兵士たちの自動人形のことを人間だと思い込んでいたため驚かされている[184]。
- 黒き終焉のアルベリヒ(《黒》のアルベリヒ)
- 《十三工房》のひとつ、《黒の工房》の工房長。詳細は「#黒き終焉のアルベリヒ」を参照。
その他《身喰らう蛇》の関連人物
[編集]- ギルバート・スタイン
- 登場作:「FC」・「SC」B・「the 3rd」B・『暁』B・「閃IV」B・『創』B
- 声:菅沼久義(「SC」以降)[注 258]
- 結社の構成員で、強化猟兵を率いている。「FC」で初登場した時はルーアン市長ダルモアの秘書をしている[16]。
- リベール王国の名門校であるジェニス王立学園OBで、学園に在学していた頃は正義感が強く、立派な政治家を志していたが、ダルモアの秘書となってからは現実を知り[32]、彼とともに悪事に手を染め、他者を見下すナルシストへと変貌してしまう[16]。在学当時を知るクローゼからは尊敬されていたようだが、悪事が露見した際には落胆される[16]。
- 結社に入ってからは結社こそが自分に相応しい舞台だと考え、のし上がっていくことを夢想している[32]。そのため様々な陰謀を画策するが、結局空回りして道化を演じることが多い。カンパネルラからはおもちゃ扱いされており[381]、作戦が失敗するたびにおしおきもされているが、なんだかんだで何度も助けられている。
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- 来歴
- 「FC」 - リベール王国ルーアンのダルモア市長の秘書を務めていたが、その裏ではダルモアとともに悪事に手を染め、王国軍情報部と組んで悪事の片棒を担いでいる[16]。エステルたちに悪事の現場を突き止められ、情報部にも裏切られ足を撃たれた末に置き去りにされ、現行犯逮捕された[16]。
- 「SC」 - 《紅の箱舟》グロリアスから脱出しようとするエステルの前に強化猟兵として立ちはだかり、結社に入った経緯を明かす[19]。その後、ジェニス王立学園に王女が通っていることを付きとめ、人質とすることで手柄を立てようとし、王立学園を占拠するが、エステルら遊撃士によって計画は頓挫し、命令していないことを実行した挙句に失敗したということで、カンパネルラからきつくお仕置きされた[32][注 259]。「SC」終盤、《リベル=アーク》に係留されていた《紅の箱舟》内で新型機械人形「ライアットアームズ」を擁してエステルたちと戦うが、新型を手にしたことで自分まで強くなっていると勘違いしていた事実を突きつけられ、敗北した[33]。
- 《リベル=アーク》崩壊を《紅の箱舟》から目の当たりにし、自分がさせられていたことに恐怖する[381]。
- 「the 3rd」 - 第38強化猟兵部隊の中隊長を務めている[45]。ケビンたちの巻き添えになる形で「影の国」に放り込まれ[91][13]、ケビンたちの行く先々でさまざまな災難に遭遇する。エンディングではケビンたちからねぎらいの言葉をかけられ、最後の最後に「次に会う時はもっと出世してパワーアップした姿を見せる」と意地とプライドを見せ立ち去っていった[45]。
- 『暁』 - 《影の国》事件を報告した後、カンパネルラの指示でリベールに出戻り、ジェリコの大規模テロに協力している所をナハトたちに発見されてしまう。ロナードの言葉から国際的にも指名手配されていることが判明する。ルーアン生まれで後輩にあたるクロエに憧れの眼差しで学園時代や秘書時代の綺麗だった頃の自分の話をされ心に深い傷を負うものの、自分の未来は自分で掴むと反抗する。2度の交戦の末に敗れ、ロナードの容赦ない拷問で洗いざらい情報を漏らしてしまうが、結社内で左遷されていることに同情された隙をついて逃亡。しかし、最終的には王国軍によって捕縛されてしまう。レイストン要塞の牢で捕らえられていたところをアイリに殺されかけるが、カンパネルラによって救出された。
- 「閃IV」 - 結社で順調に出世しており[61]、第06強化猟兵連隊の連隊長を務めている[101]。皇帝暗殺未遂の実行犯であるアッシュを配下の強化猟兵とともに探索していたところ、ハーメル廃村で発見し、ユウナらVII組と交戦する[101]。その後、衛士隊に協力し、ハイアームズ侯爵、イーグレット伯爵が乗る飛行船を鹵獲し、鹵獲すること自体には成功するが、不時着させたところをリィンらに急襲され、人質もろとも奪還されてしまう[70]。続いて、パンタグリュエルの襲撃に加わり、直前にロールアウトしたG-アパッシュ改に乗り込みエステルらに挑むが、敗れる[61]。終盤、カンパネルラの命令で隠れ里エリンの「監視」任務を与えられるが、第六柱ノバルティスから《虚力場発生器》のテストを要請され、里を襲撃する[372]。テストそのものは達成したが、欲をかいてさらなる手柄を求め、リィンらに敗れた上、故郷を襲われたヴィータからは怒りを買い、命令に反して勝手に里を「制圧」しようとしたことからカンパネルラにはお仕置きを受ける[372] 。最終決戦では結社の特務艇で一隊を率いてカレイジャスIIに挑むが一蹴され、「アイル・ビー・バーック!!」の言葉とともに退場する[39]。
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- 人物
- 外面だけは好青年を演じているが、内面は脆弱で、「SC」にて再登場してからは道化としての一面が大きく目立つようになる。
- ジェニス王立学園を占拠した時は王女が学園に通っていることまでは知っていてもその正体までわからず、エステルたちから聞かされてやっとクローゼの素性を知るなど[32]、知性派を気取る割りに抜けているところがある。
- 言動が小物っぽく[101]、部下の強化猟兵たちからも軽く(雑に)扱われている[19][101][61]。
- 突発的な事態に対処できない性格であり、ピンチに陥ると迷わず土下座して命乞いをする。エステルとヨシュアから(戦闘員には)「向いてないと思う」と指摘されている[19]。
七耀教会
[編集]星杯騎士団
[編集]七耀教会が擁する騎士団。《結社》とは歴史の裏で幾度も争っており、互いに宿敵のような間柄となっている。各シリーズにおいて主人公たちと共闘・援護などを行っており、何かしらの形でストーリーにも関わってくる。
守護騎士(ドミニオン)
[編集]全12人で構成される騎士団生え抜きのエリート。任じられるには《
- アイン・セルナート
- 登場作:「the 3rd」
- 声:中友子
- 年齢:29歳(「the 3rd」[書 25])
- 《
守護騎士 》第一位にして星杯騎士団の総長。《紅耀石 ()》の異名で知られ、作中に登場する娯楽小説『カーネリア』のヒロインのモデルでもある[45]。 - ケビン・グラハムとリース・アルジェントを星杯騎士として鍛えた師であり、リースの姉ルフィナとは友人関係にあった。
- 来歴
- ケビンが身ひとつでアルテリア法国の聖堂に押しかけ入団を懇願していたところにたまたま居合わせて彼を拾い[13]、以後、彼の教官となり、彼が従騎士となるまで指導を行う[381](1197年まで)。
- 「零」の7年ほど前(1197年頃)、古代遺物の石板を《神》として崇めていた隠れ里にアッバスとともに赴き、そこで《巫子》の役目をしていた少年ワジに石板が古代遺物であることを教える[392]。石板を砕いた彼が《聖痕》を顕現させたため、《神》を砕いたことで村を追われた彼を騎士団に迎える[392]。
- 「the 3rd」の5年前(1198年)、友人でもあった正騎士ルフィナが任務中に殉職する[383]。その事件においてケビンが《聖痕》を発現させたことから、アルテリア法国に戻ってきた彼に《守護騎士》になるか意向を問う[383][注 261]。ルフィナの死後、彼女の妹リースも騎士団に入り、アインはリースの《
法剣 ()》の師となる[91]。 - ある古代遺物を巡る事件でトヴァルとかかわることになり、彼に導力魔法の素質を見出すとともに、彼が遊撃士になるきっかけを与える[346][注 262]。
- 「the 3rd」 - ケビンに《輝く環》の残骸から発見された古代遺物の回収のためリベール王国のグランセル大聖堂に赴くよう命じ、それにあたって新人従騎士のリースを(名前は伏せた上で)彼の配下に加える[91]。《影の国》事件が終わった後、ケビン・グラハムから事件の報告を受け、二つ名を変更したいという彼の申し出を、名前はリースとも相談するよう助言を与えつつ、認める[45]。そのほか、各話プロローグで過去の出来事が語られる際にそのいくつかに登場している。
- 『審判の指環』 - 物語終盤、古代遺物《審判の指輪》を回収するために登場し、この事件の解決をトヴァルに依頼した依頼主であることが明かされ、エステルたちにはレンの潜伏先がクロスベルであるという未確認情報を99.9%のみの保証を付けて教える[書 6][注 263]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加し、酒杯を片手にオーレリアとサシで話し合う姿が描かれている[62][注 264]。
- 人物
- 騎士団で「鋼の聖女」に太刀打ちできるとしたら彼女くらいだと言われているほか[154]、トヴァルからはその強さはオーレリア、ヴィクター、ヴィータと同格と見られている[11]。
- 本編でその人となりはほとんど明かされていないが、柄の悪い人物で喫煙者と設定されており[書 6][書 178]、「閃III」の10年くらい前(1196年頃)、帝都ヘイムダルに滞在し、ヴァンクール大通りの百貨店で買い物中に強盗と出くわし、取り押さえた上でその場で説法を行い改心させたという喫煙者のシスター[59]は彼女のことと思われる。
- 「FC」の作中小説『カーネリア』に同名の人物(下記)が登場しているが、「FC」の制作時点ではゲーム本編中に登場させる予定はなかったという[書 163]。
- 『カーネリア』中のアイン・セルナート
- 「シスター・カーネリア」と呼ばれる七耀教会のシスター。30代半ば[393]。薄茶色の髪をしており、瞳は茶色だが、光が当たると赤く見えることからから“
紅耀石 ()”という呼び名になったとトビーには推測されている[393]。 - 元は《
猟兵団 ()》の構成員だったが[394]、どうせ死ぬなら何かのために戦い、生きた証を立てて死にたいと思ったため、団を抜ける[395]。 - 帝国で確認されたある
古代遺物 ()を保護するためにトビーのもとを訪れ[396]、それを狙う猟兵団と争うことになる。 - 事件の3年後に死亡したとされる[349]。
- トマス・ライサンダー
- 登場作:『閃』・『創』・「界」
- 声:松本考平(『閃』・『創』)、室元気(「界」)
- 年齢:32歳(「閃III」[書 150]・「閃IV」)[注 265]
- 《守護騎士》第二位にして星杯騎士団の副長。対象とそれ以外を時空間ごと断絶する《
匣 ()》の使い手で、《匣使い ()》の異名を持つ。- 「閃I」 - トールズ士官学院で帝国史・文学を担当する教官として登場。そのつかみどころのない立ち振る舞いと歴史談義で、しばしばリィンらを困惑させる。物語の終盤、決起した領邦軍がトリスタに攻め込んでくると、中世の魔導士に憧れていたと称して汎用魔導杖を持って他の教官とともに迎撃に当たり、高位アーツを使用できる技量を持つことを明かす[202][注 267]。
- 「閃II」 - 内戦が始まって以降、ヴァンダイク学院長の命を受け各地に散らばった生徒たちの安全を確保するために士官学院から抜け出し、フードを被って素性を隠し生徒たちに陰ながら協力していた[254]。この頃になると実力を隠していることをマカロフには勘づかれており、共闘した際に「そろそろ本気、出さないのか?」と問われている[257]。
- 「閃II」と「閃III」の間、内戦の翌年度も教官として引き続き務め[64]、その傍ら、バルクホルンから《聖痕》を受け継いだガイウスをアルテリア法国に連れていき、守護騎士になるための修練に協力している[94]。
- 「閃III」 - トールズ士官学院・本校を前年度限りで去り[112]、《巨イナル黄昏》を阻止するために従騎士とともに黒の史書の解読を行い、《魔女の眷属》と接触するなどの活動を行う[64]。夏至祭に際して帝都ヘイムダルに現れ[注 270]、VII組らをヘイムダル大聖堂に集めて正体を明かし、ローゼリアとともに、過去に帝国で起きた数々の事件の裏面と今後想定される事態について説明する[261]。帝都近郊に《黒キ星杯》が出現すると、《匣》の力を使って新旧VII組の《黒キ星杯》への突入を助け、自らは《黒キ星杯》の外で交戦する。
- 「閃IV」 - 《黒キ星杯》の消滅に際して、ローゼリアとともに一行の脱出を助け、VII組以外の面々を《匣》の力を使って脱出させる[307][101]。その後は帝国内で活動を続け、アガット、ランディと合流し、行動をともにし[51]、《黒の工房》でリィン救出に成功したVII組を、《匣》の力で退路を作ることで支援する[51]。《黒の工房》でリィンらを助けた後、一行とともに隠れ里エリンに立ち寄るが、自分のメルカバで帝国東部をカバーしつつ騎士団本部と連携を取るべく、リィンらと一旦別れる[94]。真エンドのイシュメルガ=ローゲとの最終決戦では、戦闘には参加しないが、《匣》の力で全員の足場を作って支援する[211]。
- 人物
- のほほんとした性格だが、各地の伝承に造詣が深く、興奮するとつい話が長くなってしまう[220]。そのためサラやナイトハルトからは敬遠されている[191]。また、けっこうな絡み酒である[34]。
- 士官学院時代に見せていた歴史学マニアとしての姿は擬態ではなく[94]、禁書コレクターでもあり、エリンの里の万屋《レムリック》では教会指定の禁書が陳列されていることを知り喜ぶが、値段が高すぎたため購入できず再訪を決意している[94][注 271]。士官学院でたびたび絡んでいたナイトハルトのことも本心から気に入っている[169]。
- 士官学院での授業はわかりやすく興味深いもので、生徒には評判だったらしい[64]。
- 新VII組に対しても飄々とした様子で初対面では偽りの身分を名乗ったが、足の運びにムダがないことからクルトからはそれが仮初めの姿であることに勘づかれている[217]。
- 武器として《
匣 ()》を使うことは「閃I」の初期設定の段階で決まっていた[書 132][書 130][注 272]。この能力は異能の一種で、《結社》に属するデュバリィや《魔女の眷属》のセリーヌでもどういう能力なのかを知らない[169]。
- セリス・オルテシア
- 登場作:「黎I」・「黎II」S/B・「界」S/B
- 声:ファイルーズあい
- 年齢:27歳[397]。
- 《守護騎士》第四位。
- ケビン・グラハム
- 登場作:「SC」P・「the 3rd」P・「碧」・「界」P
- 声:中尾良平(『空』・『碧』)→興津和幸(「界」)
- 年齢:21歳(「SC」[W 2])→22歳(「the 3rd」[91][W 3])→23歳(「碧」[書 216])
- 「SC」から登場するキャラクターで、「the 3rd」では主人公となる。武器はボウガン。
- 《守護騎士》第五位。登場当初の二つ名は《
外法狩り ()》で、その名の通り教会より外法と認定された存在の抹殺を主な任務としていた。- 来歴
- 両親とも健在だが、金持ちの父親は別に家族を持っていたことから、母一人、子一人の環境で育てられる[383]。
- 7歳の頃(1189年頃頃)、父から捨てられ心中を図った母から殺されかけ逃げ出すが、小一時間さまよった末に家に帰り、自殺を遂げた母の亡骸を見つける(ケビンの主観ではこの時に《聖痕》が刻まれた)[383][注 273]。母の死に呆然としてうずくまっていた時にルフィナとリースの姉妹に見つかり、七耀教会の福音施設《紫苑の家》に入り、以降、同施設で育つ[398][21]。
- 1194年頃、星杯騎士団の従騎士となったルフィナが《紫苑の家》を離れる[398]。その後、ケビンもルフィナを守るために星杯騎士を目指し[44]、身ひとつでアルテリア法国の聖堂に押しかけ入団を懇願し、たまたま居合わせたアイン・セルナートに拾われ[13]、以後、彼女に師事する[381]。
- 16歳の時(1197年頃)[書 217]、星杯騎士団の従騎士を異例の若さで拝命する[13]。
- 「the 3rd」の5年前(1198年)、《紫苑の家》に帰省した際、同施設が何者かに雇われた猟兵団に占拠され、単独で猟兵の掃討をほぼ達成する[383]。連れ去られたリースを追って地下の《始まりの地》に下り、そこで封印されていた古代遺物《ロアの魔槍》の力を《聖痕》が取り込んでしまい、《聖痕》の暴走により、加勢に来たルフィナを無数の《魔槍》で射抜いて殺害してしまう[383]。星杯騎士を殺害したということで独房に入れられるが、事故として処理され罪には問われず、《聖痕》が顕れたことで、それまで長らく空位だった《守護騎士》第五位の座をアインから提示され、それを拝命し、二つ名は《外法狩り》とする[44]。《守護騎士》第五位の座が埋められたことは表向き伏せられ[383]、以降、《紫苑の家》を猟兵たちに襲わせた典礼省の元司教オーウェンを手始めに[383][注 274]、教会に外法認定された者たちを密かに抹殺する役目を一手に引き受ける[13]。
- 「碧」の4年前(1200年頃)、《D∴G教団》残党の教団ロッジのひとつを制圧する任務を遂行し、その中で遊撃士アリオス・マクレインに大いに助けられて借りを作る[109]。
- 「SC」の直前(1202年後半)、ゲオルグ・ワイスマン抹殺の密命を帯び、表向きは《輝く環》の調査のためと偽ってリベール王国へ赴く[384]。
- 「SC」 - 七耀教会の巡回神父として登場。ヨシュアが失踪したことで傷心していたエステルと偶然出会い、様子がおかしいことに気づいて気を回し、彼女が立ち直るのに一役買う[31][注 275]。その後、修行を終えたエステルと再会し、星杯騎士団に所属していることを明かして各地で彼女らを助けつつ[29][注 276]、《輝く環》の封印にかかわりがあると当たりをつけた《四輪の塔》を調査するため王国内を巡る[19]。エステルとヨシュアの存在はワイスマンらの動向を探ることや自身の任務を糊塗する目くらましとして都合がよかったこともあり[13][注 277]、彼女たちに同行して《リベル=アーク》における最終決戦まで協力を続ける。この際、カシウスからの頼みもあってヨシュアに埋め込まれた《聖痕》を解く暗示を施し、ヨシュアが指定した条件が満たされた時に彼の《聖痕》が砕けるよう細工する[5]。物語の最終盤、エステルらと決戦して満身創痍となり逃走したワイスマンの前に現れ、正体を明かすと同時に《塩の杭》から作られた矢を射ち込み、彼を「外法」として抹殺するという真の任務を果たす[384]。
- この際、《リベル=アーク》から《輝く環》が失われたことにより、そのサブシステムである《影の国》は自らを律する存在を失って混乱し、崩壊時に居合わせた者たちの中でもっとも深いトラウマを持つケビンを本人も知らぬ内に新たな「王」に選びだした[45]。《影の国》はケビンの奥底に眠る《聖痕》をコピーすることで《影の王》を密かに作りだし[383]、《影の王》は《影の国》内の《星層》を再構築するという事態が密かに進行していく[45]。
- 「the 3rd」 - 本作の主人公として登場。「SC」の任務達成後は引き続き外法狩りを続けていたが、《リベル=アーク》の残骸から発見された古代遺物を回収するためリベール王国を再訪し、《レクルスの方石》を回収する[91]。《方石》を回収するに際して、星杯騎士となりケビンの下に従騎士と配属されてきたリースと5年ぶりに再会するが、直後にリースとともに《影の国》に取り込まれてしまう[91]。そこで自らの過去と向き合うこととなり、「SC」でかかわった面々が再結集し、仮面で素顔を隠した謎の《影の王》と対峙することとなる。《影の国》の《星層》を攻略していく内に、《影の国》はルフィナを殺害してしまったトラウマに起因して生み出されたもので、「罰」を受けたいという自分の願望を反映したものであることにケビンは気づく[383]。罰を受けることを受け入れかけるが、リースの支えにより克服して《影の国》から脱出することを決意し[383]、仲間たちにもあらためて協力を心から求める[45]。《影の王》はケビンのトラウマを刺激するため、仮面の下の正体は当初ルフィナの姿をして現れたが、ケビンはその真の正体が自身の《聖痕》をコピーしたものであることを見破り、決戦の末にこれを撃破する[45]。《
意思 ()》(《影の王》)の力が弱まったことで依り代であるルフィナの複製体が現れ、彼女と言葉を交わし、リースとともに射ち抜くことで《意思》を完全に消滅させ、《影の国》から脱出を果たす[45]。この《影の国》での経験を経て自分の在り方についても考えを改め、外法狩り以外の任務もしたくなったことから、脱出後、アインに二つ名の変更を申し出る[45]。 - 「碧」 - アリオスの要請により、かつて《D∴G》教団の拠点のひとつだった旧アルタイル・ロッジに駆けつけ、そこで潜入捜査にあたっていたロイドの窮地を救い、彼と面識を得る[109]。その後、クロスベル独立国による事態が進行し、教会として《零の至宝》に対処するため、ワジとともにクロスベルに赴く[98]。この時点で二つ名は《
千の護手 ()》を名乗り[399][注 278]、ワジとともにロイドの前に現れ、守護騎士としての身分を明かす[98]。《零の至宝》は《古代遺物》でもなければ本来の《七の至宝 ()》でもなく、七耀教会としては介入の口実がないため、ロイドに協力するという形を取り、ワジとアッバスが彼らのメルカバ玖号機でロイドを直接補佐し、ケビンは自身のメルカバ伍号機で牽制役を引き受ける[399]。ロイドが仲間たちと合流した後、クロスベル市解放作戦が敢行され、《神機》アイオーンTYPE-βとの交戦を引き受けてメルカバで空中戦を演じ、苦戦の末、《聖痕砲》メギデルスを初使用して辛くもこれを破る[8]。しかし、この戦闘でメルカバ伍号機は大破し、自身も力を使い果たしてしまったため、《碧の大樹》攻略には参加できなくなる[50]。 - 「閃IV」 - 本編には登場しない。本来はワジとともに帝国に来るはずだったが、別の問題のため(伍号機が)来られなくなったことが語られている[94]。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 人物
- 常に陽気で軽いノリをしている。緑色の髪を逆立てたその風貌からも聖職者らしからぬ雰囲気を漂わせている。母親譲りの[13]、独特な訛り(関西弁)で話す。礼儀はわきまえており、相手によってくだけた口調と敬語を使い分けている[書 218]。
- ふだんの軽さと陽気さは地だが、その裏で非情で冷徹な抹殺者としての顔を持ち、「SC」でエステルらに近づいたのもリベールを訪れた真の狙いであるワイスマン抹殺のための擬態であり[13]、全ては目的のために彼女らを利用するためだった[45]。
- リースからはワガママで自分勝手で傍若無人で独りよがりで、無駄に強がりで根本的にヘタレと評されている[13]。
- 《外法狩り》を名乗っていた頃は基本的に単独行動をしており、《メルカバ》や従騎士たちのバックアップはほとんど受けていなかった[91]。この時期も外法の抹殺専門というわけでもなく、古代遺物を悪用している者の生け捕りであるとか[91]、《D∴G教団》残党の掃討のような[109]、ほかの星杯騎士と同様の任務もこなしている。
- 力を解放した時の《聖痕》の色はワジとガイウスは金色だが、ケビンのそれは当初は真紅で[13][書 219]、後に青白い輝きを帯びるようになる[383][8][書 220][注 279]。
- 「the 3rd」は「過去を乗り越える強さ」がテーマとして設定されており[書 221]、ケビンを主人公とすれば人間の内面的な方向に向けて物語を作っていけるということで主人公に選ばれた[書 222]。
-
- 古代遺物《ロアの魔槍》
- 手にする者の体を化け物に変えてしまう槍で、《紫苑の家》地下の《始まりの地》(複製)に安置されていた[383]。
- その力はケビンの《聖痕》によって取り込まれ、力を数十倍に増幅され、ケビンに《魔槍ロア》の力を与え、数十本の魔槍を相手に叩きこむ強力な技として行使されるようになる[383]。この力を手に入れた時、ケビンは《聖痕》の暴走を止められず、ルフィナを殺害してしまい、深いトラウマを負うことになる[383]。
- ケビンは当初《魔槍ロア》の力しか使えなかったが、《影の国》でかつてのトラウマを克服したことで、《聖痕》にある闇の側面だけではなく光の側面も使えるようになり、《聖槍ウル》の力も使えるようになる[383]。
- グンター・バルクホルン
- 登場作:「the 3rd」(名前のみ登場)・「閃II」(名前のみ登場)・「閃III」(名前のみ登場)・「閃IV」(名前のみ登場)・『黎』P
- 声:大塚明夫
- 《守護騎士》第八位で、《
吼天獅子 ()》の二つ名を持つ。本編中に登場する星杯騎士団では最古参の人物で、顎鬚を蓄えた老神父。詳細は#ベルガルド・ゼーマンを参照。 - ガイウス・ウォーゼル
- バルクホルンの跡を継いだ第八位の《守護騎士》で《
絶空鳳翼 ()》の渾名を持つ。詳細は「#ガイウス・ウォーゼル」を参照。 - ワジ・ヘミスフィア
- 登場作:「零」S・「碧」P・『暁』・『創』P
- 声:皆川純子
- 年齢:17歳(「零」[W 4]・「碧」)
- 《守護騎士》第九位で、《
蒼の聖典 ()》の二つ名を持つ。 - 初登場した「零」では知性派を気取る不良チーム「テスタメンツ」のリーダーとして登場。
- 来歴
- ゼムリア大陸辺境のとある隠れ里出身で、その里では《古代遺物》の石板をそうとは知らずに《神》として崇めており、ワジは物心ついた頃にその《神》の声を聞く《巫子》に選ばれる[392]。
- 「零」の7年ほど前(1197年頃)、その《神》が暴走して地脈を通じて精気を奪い取り里の者たちを昏睡状態に陥らせ、そんな時に外界からやってきたアインやアッバスら星杯騎士によって《神》が古代遺物の一種であることを知らされる[392]。真実を知ったワジは石板を破壊しようとするが、抵抗にあい力を根こそぎ奪われそうになった際、《聖痕》が顕れ、その石板の力を逆に全て奪い取ってしまう[392]。力を失った石板は砕け散り、ワジは《神》を奪った大罪人として里を追われ、星杯騎士たちに誘われてアルテリア法国に向かい、そこで《守護騎士》として迎えられる[392][注 280]。
- 「零」の2年前(1202年)、極秘のクロスベル潜入任務に就き[98]、クロスベル市の旧市街で《テスタメンツ》を立ち上げる[87][392]。その際、元々旧市街を仕切っていたヴァルドに絡まれ、返り撃ちにして、喧嘩友達のような関係が始まる[87]。
- 「零」 - 旧市街の不良グループ《テスタメンツ》のリーダーとして登場。テスタメンツを率いている目的、素性、戦闘能力の高さの理由など、ワジに関しての詳細は「零」ではほとんど語られない。「零」の終盤ではヴァルドたちとともに洗脳された警備隊と戦い、ロイドたちを援護した[147]。
- 「碧」 - 新市長に就任したばかりのディーターから推薦状をもらい[130]、特務支援課に新メンバーとして加入する[109][注 281]。その際、自分との決着を着けずに旧市街を去ろうとするワジに納得いかないヴァルドが絡んできたため、彼への誠意として《聖痕》込みの力を出すことで一方的にねじ伏せ、最後はアッパーカットを繰り出して彼を一蹴する[104]。それまで手加減されていたことを知ったヴァルドはこの出来事以降しばらく自暴自棄な日々を送ることになる[37]。これによりヴァルドはマリアベルの計画に取り込まれ、特務支援課の一員として活動していたワジも、《グノーシス》を服用し魔人と化したヴァルドと対峙することとなる[187]。クロスベルの運命の日、野暮用と称して支援課ビルから外出し、アッバスとともにクロスベルを去る[118]。その後、クロスベル独立国による事態が進行し、教会としても《輝く環》以上の脅威となりかねない《零の至宝》と結社の暗躍を看過することはできなくなり、ケビン、アッバス、リースらともに再びクロスベルに赴く[98]。《神狼》ツァイトからの連絡もあり、拘置所から脱走したロイドの前に現れ、守護騎士としての身分を明かす[98]。そして、《零の至宝》は《古代遺物》でもなければ本来の《
七の至宝 ()》でもなく、七耀教会としては介入の口実がないという事情をロイドに伝え、彼に協力するという形を取ることでクロスベルの事態に介入したいということで交渉を行う[98]。ロイドが出した「キーアの処遇を勝手に決めない」という条件を最大限飲むことで彼を納得させ、自身のメルカバ玖号機を提供し、再び彼と行動をともにする[98]。物語の最終局面では《碧の大樹》にて魔人と化したヴァルドと再び対峙し、自らのケジメをつけるべく、彼と一騎討ちを行う[186]。ロイドらとの戦闘で体力も尽き気力だけで立ち向かってきた魔人ヴァルドに《聖痕》の力を解放して連続攻撃を見舞い、最後はアッパーカットを繰り出して勝利する[186]。最終決戦の後、ヴァルドの薬物による後遺症を治すため、彼を連れてアルテリア法国に帰ったことがエンディングで語られている[110]。 - 「閃IV」 - 本編には登場しない。本来はケビンとともに帝国に来るはずだったが、別の問題のため(玖号機が)来られなくなったことが語られている[94]。星杯騎士団のひとりとして《黄昏》への抵抗のため活動しており、自身のメルカバにヴァルドとスカーレットを乗せていること[372]、クロスベル組にも協力していることが語られている[1]。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 人物
- 中性的な容貌をしたミステリアスな少年。
- 皮肉屋で口は悪く[109]、人を食ったようなところがある。ふだんは不真面目な様子で飄々とした態度を崩さず、真面目なロイドやノエルのことをしばしばからかって愉しむ。
- 知性派と名乗るだけあり、洞察力は高い。星杯騎士であることから聖典の知識は豊富で、「碧」でその正体を明かす前から、その知識を披露している。
- 見た目通りフットワークが軽く、戦闘では空中戦を主体にした格闘術を得意とする。
- 星杯騎士だけあって教会に伝わる《法術》にも長けており、「碧」の終盤ではその力を存分に振るってロイドを助ける。
- ロイドのことは「零」で初めて会った時から気に入っており[87]、「碧」では「愛しているといっても過言じゃない」と言うなど彼のことをかなり買っている[98][392]。
- ランディをはじめ、さまざまな人に性別を疑われるが、頑として語ろうとしない。「男が不器用」とか、自分がまるで男ではないような発言もすることもあり、実際のところは謎である。特にランディは幾度もワジの性別を疑っており、尋ねてもはぐらかされ、確認しように肌を露出させないので謎のままであった。
- ケビンと同様、自らの《聖痕》にはトラウマを持っており、「この聖痕が現れたとき、家族も友人も自身の未来さえも失った」と語る[392]。ワジの《聖痕》は生まれ故郷の里の《神》である石板に刻まれた文様と同じ形をしている[392]。
- 「零」と「碧」のキャラクター造形として、単にミステリアスというだけだと特務支援課の中でも浮いてしまうので、親しみやすさも意識されたという[書 224]。「碧」でセパレートタイプの水着を着ているが、これは性別を隠すためというより、《聖痕》を隠すためという意味合いがある[書 224]。
- 《テスタメンツ》
- クロスベル大聖堂のエラルダ大司教は《封聖省》を快く思っておらず自治州内での星杯騎士団の活動を制限していたため、ワジとアッバスがクロスベルで潜入任務を始めるにあたって活動の隠れ蓑として旧市街で結成した不良グループ[399]。ワジがリーダーをしており、その高いカリスマ性から、メンバーたちからは神のように崇拝されている。
- 表向きには、旧市街で好き勝手をしていたサーベルバイパーへの抑止力にするためという理由でチームを設立したことにしている[399]。最初はひ弱だったメンバーも「碧」開始時点で成長しており、ワジなしでもやっていけるくらいになっているため、リーダーとしての自分の役目は終わっているとワジは判断している[104]。サーベルバイパーと同様、「碧」の後で解散したようで、2年後の「閃III」では元メンバーたちは自分たちの道を歩み出しつつある。
- ワジはグループの名前はなんでもよかったが[162]、形式を重んじるアッバスに促され[132]、「テスタメンツ」という名前はワジの異名から《
聖典 ()》の部分をもじって名付けられた[162]。アッバスによれば、「不謹慎さ」をかもし出すことで教会の人間とは縁遠く思わせる狙いがあった[399]。
- リオン・バルタザール
- 登場作:「黎I」・「黎II」S/B・「界」S/B
- 声:斉藤壮馬
- 年齢:24歳[368]
- 《守護騎士》第十一位。
正騎士
[編集]- ルフィナ・アルジェント
- 登場作:「the 3rd」・「界」
- 声:鶴ひろみ(『空』ドラマCD、『空Evo』)→田嶌紗蘭(「界」)
- 星杯騎士団所属の正騎士。リースの実の姉。物語開始時点で故人。
- 問題解決能力においては《守護騎士》を凌駕すると教会内でも高く評価されており[44]、卓越した交渉術から様々な事件を解決に導き、その手腕から《千の腕》とも呼ばれる[21]。
- 来歴
- 13歳の時(1189年頃)[21]、エメローゼ市の裏通りで自失していたケビンをリースとともに見つけ、彼を自分たちが住む福音施設《紫苑の家》に連れて行く[93]。
- 1194年頃、星杯騎士団の従騎士となり、リースとケビンを置いて《紫苑の家》を出る[398]。
- 「the 3rd」の7年くらい前(1196年頃)[383]、ある事件で《剣帝》レオンハルトと対峙することになるが解決に導く[13]。
- 「the 3rd」の5年前(1198年頃)、《紫苑の家》に帰省しようとしていた矢先に同施設が猟兵に襲われ、先行していたケビンの救援に駆けつけるが、ケビンが《聖痕》を初めて発動させ、力の暴走から見境のなくなったケビンを身を挺して止め、彼に《魔槍》を打ち込まれて致命傷を負い、殉職する[383]。
- 「the 3rd」 - ケビンの《聖痕》を複製した《影の国》の《
意思 ()》によって《影の王》の姿として再現される。ケビンらによって倒されて力の弱った《意思》を自らの体内に押さえ込み、再会したケビン、リースと言葉を交わし、自分を射つことで《意思》を完全に消滅させるよう彼らに告げる[45]。
- 人物
- 戦闘においては
法剣 ()とボウガンを状況に応じて使い分け、「決して負けない」戦い方を得意とした。かつてある事件で《剣帝》レオンハルトと戦い、それをあしらい事件を解決したこともある[13]。この件についてルフィナは「(レオンハルトが)弁えた人だったから落とし所に持っていけただけ」と語り[13]、レオンハルトはこの事件について「見事にしてやられた」と語っている[20][書 225]。 - 自らは「武術も法術も十人並」で、正騎士になれただけでも上出来だと言っている[13]。
- 優秀な星杯騎士であることは誰もが認めていたが、《聖痕》が現れることはなかったため、《守護騎士》にはなれなかった[13]。
- 彼女の流儀は遊撃士に近いところがあり、遊撃士協会も彼女をスカウトすべく動いていたという[21]。
- 「碧」におけるケビンの二つ名《千の護手》は、彼女にあやかったものである[399]。
- アッバス
- 登場作:『VII』・『暁』P
- 声:石川佳典(「零Evo」)→藤本たかひろ(「碧Evo」)
- 年齢:29歳(「零」・「碧」[書 226])
- 星杯騎士団所属の正騎士で、ワジの補佐を務めている。スキンヘッドの大男。
- 愛想はないが、根は真面目な良識派である。
- クロスベルの潜伏任務では、不良グループ「テスタメンツ」のナンバー2を務めており、普段はたまり場であるプールバー「トリニティ」でバーテンをしている。
- 実力は相当なものであるらしく、魔人化したヴァルドと対峙した際はワジ同様の徒手空拳で、アシュリーとともに交戦している[152]。
- 『VII』のゲーム本編では常に鼻眼鏡のサングラスを着用しているが、「碧」のエンディングのみサングラスを外している[110][書 226]。
従騎士
[編集]- リース・アルジェント
- 声:桑島法子
- 年齢:18歳(「the 3rd」」[W 3])→19歳(「碧」[書 227])
- 登場作:「the 3rd」P・「碧」・『暁』P
- 「the 3rd」から登場するキャラクターで、同作ではヒロインとなる。姉ルフィナともども、ケビン・グラハムとは同じ福音施設で育った。
- 星杯騎士団の従騎士で、
法剣 ()を得物とする。- 来歴
- 1189年頃、エメローゼ市の裏通りで自失していたケビンを姉ルフィナとともに見つけ、彼を自分たちが住む福音施設《紫苑の家》に連れて行く[93]。
- 「the 3rd」の5年前(1198年頃)、《紫苑の家》が猟兵団による襲撃を受け、地下に連れ去られる[383]。ケビンとルフィナにより救出されたものの、その事件でルフィナは殉職してしまう[383]。以降、他の福音施設に引き取られ[383]、ケビンとは彼に避けられて音信不通となる[91]。その後、自らも姉とケビンを追って星杯騎士団に入り、法剣の扱いは姉の旧友であるアインに師事して修行を始める。
- 「the 3rd」 - 星杯騎士団の新任の従騎士として登場。アインの計らいでケビンの新たな従騎士として遣わされ、彼と5年ぶりに再会する[91]。ケビンとともに《影の国》に巻き込まれ、彼と時に衝突しつつも仲間たちと《星層》の攻略を進める。終盤、姉の死の真相をケビンから聞かされ、彼がその時のトラウマを抱え続けていたことを知る[383]。彼の思い違いを正して立ち直らせ、ルフィナの姿を借りていた《意思(アニマ、聖痕)》を倒し、再現されたルフィナと言葉を交わし、ケビンとともに彼女を射ち抜くことで《意思》を完全に消滅させ、《影の国》から脱出を果たす[45]。
- 「碧」 - アインの指名によりクロスベルの潜入任務を受け[109]、情報収集役として同地に赴き[95]、クロスベル大聖堂にシスターとして赴任する[109]。これはワジの潜伏任務からエラルダ大司教の目を逸らす目論見があり[98]、リースが本名を偽らずに名乗ったことでルフィナのことを知る大司教は「アルジェント」の姓に動揺し[130]、以降、リースの存在に注意を向けるようになる。ワジのことは知らぬ振りをしつつ[98]、特務支援課にもプロレマ草の知識を伝えるなどして協力する[95]。クロスベル独立国による事態が進むと、クロスベル入りしたケビンと合流し、ワジ、ロイドのことを側面から支援する[98][399]。
- 「閃IV」 - 本編には登場しない。エンディングのみ登場しており、オリヴァルト皇子とシェラザードの結婚式に参加している[62]。
- 人物
- 基本的に常にクールな態度をしている。話し方は丁寧だが、ケビンに対してはぶっきらぼうな物言いをする。
- 他者の行動原理を察する能力に富んでおり、「the 3rd」の冒頭部で初対面のギルバートの人となりを言い当てた[91]。終盤ではその能力によって敵の虚言とケビンの考え違いを見抜くに至る[383]。
- 趣味は聖典を読むことと食べること。特に食事に関してはいわゆる「やせの大食い」で、夜食として閉店近いパン屋の売れ残りを全て買い占め、そのほとんどを一人で平らげている[91]。本人は「私ほどタイムセールスを愛している女はそういない」と語る[91]。《影の国》で《星層》から抜け出すために食料を用意するにあたって、自分用として3人分の食料を要求している[45][書 228]。
- 《影の国》ではエステルたちとはすぐに打ち解けるもレンとは相性が悪く、衝突してはエステルやティータにたしなめられている[44]。
- エリィとは顔見知りで、素性も明かしている。
- ロジーヌ
- 登場作:『閃』・『創』
- 声:今野宏美(「閃IV」[書 138])
- 年齢:19歳(「閃III」[書 150][書 158])→20歳(「閃IV」[書 229])[注 214]
- 星杯騎士団の従騎士で、トマスの補佐を務めている。信心深く清らかな印象の少女。
- 帝国への潜伏任務として入学したトールズ士官学院では、学内で特別扱いされ周囲から嫉妬や奇異の目を向けられることの多かったVII組のメンバーに対しても入学当初から分け隔てなく接しており、リィンとは相合傘でいい雰囲気になったこともあった[271]。
- 来歴
- 「閃I」 - トマスを補佐するため正体を隠してトールズ士官学院に入学し、1年V組に所属。将来はシスターになりたいと語り、自由行動日の課外活動としてトリスタの礼拝堂で修道服を身にまとい手伝いをしていた。
- 「閃II」 - 内戦が始まってからはケルディックに避難し、そこの礼拝堂で調薬の勉強に勤しんでいる。《カレイジャス》乗艦後は医務室担当となり、調薬の知識を生かしている。周回プレイ時の終盤で、その正体がリィンに明かされる[369]。
- 「閃II」と「閃III」の間、バルクホルンから《聖痕》を受け継いだガイウスをトマスとともに導き、守護騎士になるための修練に協力した[94]。
- 「閃III」 - リィンのサポートと監視のため[書 158]、リーヴスの礼拝堂にシスターとして赴任[注 282]。終盤、トマスとローゼリアがVII組を招いた際にヘイムダル大聖堂で彼らを招き入れ[261]、帝都近郊に《黒キ星杯》が出現し、トマスらがそちらに赴く一方、ロジーヌは帝都に留まりワジとの連絡を試みる[60]。
- 「閃IV」 - 《黒の工房》でリィン救出に成功したVII組を支援するため、メルカバ
捌 ()号機で現れる[51]。その後、バルクホルンから受け継いだメルカバの扱いにまだ慣れていないガイウスを補佐するため、トマスとは別行動を取り、引き続き捌号機に同乗する[94]。パンタグリュエルが結社の襲撃を受けた際に、捌号機が中破してしまい、その修復作業にあたる[63]。
- スカーレット
- 星杯騎士団の従騎士。かつて従騎士だった頃に騎士団を辞め、《帝国解放戦線》に転じた過去がある。詳細は「#スカーレット」を参照。
僧兵庁
[編集]猟兵団
[編集]赤い星座
[編集]《西風の旅団》と並んでゼムリア大陸西部で最強と呼ばれる猟兵団。中世から続く「狂戦士(ベルゼルガー)」の家系であるオルランド一族によって率いられている[256]。
- シグムント・オルランド
- 登場作:「碧」B・『暁』P
- 声:稲田徹
- 年齢:43歳(「碧」[書 230])
- 《赤い星座》の副団長で、団長不在の同団を統率している。隻眼で、筋骨隆々とした赤毛の偉丈夫[104]。《
赤の戦鬼 ()》の異名で広く知られ、省略して《戦鬼 》とも呼ばれる。 - 団長バルデルの弟であり、ランディの叔父にあたり、ランディに戦い方を教えた師でもある[141]。
- 来歴
- 「碧」の前年(1203年)末、バルデルと《西風の旅団》団長のルトガーが三日三晩の死闘の末に相討ちとなり、団長を失った《赤い星座》を引き継ぎ[104]、実質的に団の指導者となる。
- 「碧」 - 西ゼムリア通商会議でオズボーン宰相と皇族(オリヴァルト皇子)の命を狙うテロリストを「処刑」するよう報酬1億ミラ相当の依頼を受け[137][96]、娘と部隊を率いてクロスベルを訪れる[130]。その依頼の完了後はディーターたちによって密かに雇われ[注 283]、彼の指示に従いクロスベル市内の襲撃を行い、ディーターが大統領に就任した後は反乱軍の鎮圧や要所の警備などを担当することになる[118]。
- そして最終的には真の黒幕であるマリアベルたちに雇われ[8][155]、《零の至宝》となったキーアの元に向かうロイドたちの前に立ちふさがる[141]。《碧の大樹》で死闘後、ランディと特務支援課の底力を認め、微笑を浮かべながら気絶する[141]。その後、ロイドたちが最後の領域に行っている間に、外に待機していたガレスたちによってシャーリィとともに回収され、クロスベルから去る[110]。
- 「閃III」 - 登場はしない。《闘神》を継いでおり[113]、「団長」をしていることが語られている[26]。《赤い星座》そのものは結社の傘下に入ったわけではなく、(シャーリィが率いる分隊はともかく)シグムントが率いる本隊は帝国入りはしていない[26]。
- 「閃Ⅳ」 - 登場はしない。世界大戦を前に帝国国外で《赤い星座》の本隊を動かし始めたことが語られている[63]。
- 人物
- 《闘神》バルデルと《猟兵王》ルトガー・クラウゼル亡き後は最強の猟兵と自他ともに認めており[163][401]、アリアンロードからは「人としての域を超えた」強さとまで言われる[154]。武器は《
双戦斧 ()》で、巨大な2本の戦斧を左右の手に持って振るう。 - 彼を知る者からは「人食い虎」と形容されるが[104]、「冷静かつ合理的に、猛き衝動を飼い慣らす」人物であり[141]、猟兵としての行動はあくまで仕事(ビジネス)と割り切った上でのものであり、交渉にも長ける[注 284]。
- 団長は《闘神》が継ぐものと考えており、自分やシャーリィは跡を継ぐつもりがないため甥のランディ(ランドルフ)を団長にしようと考えている[137]。
- 決意の揺れるランディのことは叔父としてそれなりに心配しており、オルキスタワーでテロリストたちを「処刑」したことをランディに責められると、鉄拳をくわえるとともにランディ(特務支援課)がすべきだったことをあえて述べて教訓を与え、契約に反してテロリストの1人は見逃すなど[96]、甥にやや甘い面も見せている。最終決戦では「ランドルフが団長になった後ならクロスベルに肩入れしてもいい」とまで言い、甥を引き入れようとしたが拒否されてしまう[141]。「修羅として生きるしかなかった俺自身と完全に決別する」というランディの決意を聞き、本気で彼を殺して自分が《闘神》を継ぐことで兄への手向けにすると述べ、特務支援課と最後の一戦を演じる[141]。決意も示さず迷う甥の不甲斐なさを会うたびに叱責していたが、最終的に決意を固めたランディが別の道を行くことは認める[141]。
- 親バカな一面もあり、クロスベル市でのシャーリィの自由行動を許したり、無邪気にしながらも猟兵らしさを失わないところを見てさすが俺の娘だと団員たちの前で誇っていたりしている。虐殺なども日常茶飯事の非合法な仕事を生業としているが[96]、未成年のシャーリィが飲酒や喫煙をすることは許していない[402]。父親としてそういう面のある人物であることはランディやお目付け役のガレスも知っており、シャーリィが葉巻とバーボンに興味を示した時は「(シグムントに)バレたら大目玉喰らう」として二人から自重を促されている[402]。また、マリアベルから娘を引き抜かれそうになった時には苦い顔をしている[127]。
- シャーリィ・オルランド
- ガレス
- 登場作:「碧」B・『暁』P・「閃III」B・「閃IV」B・『創』B
- 声:織田優成(「碧」)→柳田淳一(「閃III」以降)
- 連隊長を務め、シャーリィのお守りも担当する猟兵。団を抜けたランディも含めて目上の者に対しては常に敬語でしゃべり、平時は礼儀正しい態度を崩さない。ランディのことは「若」と呼んでいる[137]。
- 《閃撃》の異名を持ち、ライフルによる狙撃を得意とする[140]。
- 「閃III」で再登場するにあたって設定画が起こされており、(年齢設定は定まっていないため初老くらいの雰囲気として)衰える体力を知識と経験で補う古参兵のようなイメージで描かれている[書 231]。
-
- 来歴
- 「碧」 - シグムントらとともにクロスベル入りし、ランディの前に何度か現れる。終盤でマインツ方面に陣を敷き、解放に来たロイドらと交戦する[140]。リーシャやツァイトの動きに対して先手を打って封じ、高所からの狙撃とブレードクーガーの連携で戦いを優勢に進めるが、レジスタンスや狼たちとともに現れたランディの奇襲を受けて得物を壊され、形勢不利と見て撤退する[140]。その際にランディの成長を認める言葉を残している[140]。その後はクロスベル解放戦で強襲してきたツァオたちと戦う[8]。
- 「閃III」 - 帝国西部に進出したシャーリィに従って、彼女に随伴する。
- 「閃IV」 - 引き続きシャーリィに従い、パンタグリュエル襲撃などに参加する[61]。
- ザックス
- 登場作:「碧」B・『暁』
- 声:金光祥浩
- かつて猟兵時代のランディの部隊に所属し、彼の右腕として活躍していた猟兵。得物は大剣。現在は副部隊長の地位にいる。ガレスと違い、かつての上司であるランディにも対等の言葉遣いをする(ガレスに対しても)。なお、今でもランディのことを「隊長」と呼んでいる。
- 「碧」の終盤でランディに敗れた際は、猟兵時代よりも強くなっていることを認め気絶する[126]。今でもランディを仲間と見ているようで、気絶の際には仕掛けられたトラップを告げようとするなど彼の身を案じている[126]。その後はクロスベル解放戦において、ミレイユの率いる警備隊と神狼の連合軍と戦う[8]。
- ミンネス
- 登場作:「碧」・『創』
- 外国の製菓会社の役員を名乗る中年の男。アルモリカ村を訪れ、村長の息子デリックをパートナーに子会社として「アルモリカ・ハニー・カンパニー」の建設を目指している[95]。
- それは偽りの姿であり、その正体は巧みな手腕で土地を騙し取る詐欺師。架空の身分を名乗って投資話を持ちかけ資産を奪い取るという手口を繰り返し用いており、数年前にも帝国でとある男爵にもうけ話を持ちかけて領地と試算を騙し取り、借金を背負わせ領地全てを失わさせている(この時はリドナーという名前を名乗っている)[95]。
- 結局計画はロイドたちによって阻まれてしまい、逃走の際にはブレードクーガーを放ったことから《赤い星座》と関わりがあるとランディに見抜かれ[95]、御用商人か、資金調達係と見られている(ランディとの面識はない)[161]。
- その後、指名手配されたためクロスベルから高飛びしようとするが、プライドが邪魔をして強引な詐欺を働いたことから足が付いてしまい、逃走中にアリアンロードに阻まれて今度こそロイドたちに逮捕される(ただし行動を誤ると逃亡されてしまう)[161]。
- しかし、出所後に再び返り咲こうと、同じくクロスベルで過去に活動していた共和国の偽ブランド商と手を組み、輸入物資を利用した詐欺を働くが、事件を察知したダドリーとマキアスによって現場を掴まれ、再逮捕された。
- バルデル・オルランド
- 登場作:「碧」・「閃I」
- 故人。《赤い星座》の団長で《闘神》の異名を持つ男性。シグムントの兄であり、そしてランディの父であり師でもある。シグムントやランディの話で存在が語られるのみで、キャラクターとしての登場や台詞はない(後に「閃I」において顔グラフィックが明かされた)。
- 生前は《猟兵王》ルトガー・クラウゼルやシグムントと並んで、最強の猟兵の一人として知られていた[137]。息子に跡目を継がせることを決意していたが、「碧」の物語が始まる前に宿敵である《猟兵王》ルトガー・クラウゼルと一騎討ちを行い、相打ちとなって死亡したということが語られている[104]。
- ランディに対しては厳しく容赦のない父親だったが[102]、ランディが脱退した後は言葉には出さなかったものの、「息子を心配していた」とシグムントの口から語られている[141]。
西風の旅団
[編集]ゼムリア大陸西部で活動していた猟兵団のひとつ。喰わせ者として知られる団長ルトガーに率いられたスペシャリスト集団[256]で、《赤い星座》と並んで最強と呼ばれていたが、団長が赤い星座の団長であったバルデル・オルランドと相討ちになったことにより、かつてのメンバーだったフィーを残してメンバーは離散状態である。しかし解散したという訳ではなく、ゼノやレオニダスの話では「団長を取り戻す」ために活動しているとのこと。
「西風」の読みは初めて音読された「零Evo」では「せいふう」であったが、「閃I」以降のタイトルでは「にしかぜ」となっている。
- ルトガー・クラウゼル
- 登場作:「閃III」B・「閃IV」B
- 声:大塚芳忠
- 《猟兵王》の異名を持つ西風の旅団の団長で、フィーの育ての親。年齢は50歳(「閃III」[W 9]・「閃IV」)。
- したたかでクセの強い人物で、トップクラスの猟兵たちをまとめあげたその手腕と戦闘力の高さ、神出鬼没な用兵術から、他の猟兵団からも一目置かれている[W 37]。あらゆる戦局に対応可能な「バスターグレイブ」と呼ばれる巨大な武器を得物にしており[W 37]、その実力は《闘神》バルデル、《戦鬼》シグムントと並ぶほどで、最強の猟兵の一人に数えられている[163][401][注 285]。
-
- 来歴
- 若い頃から各地の猟兵団を渡り歩き、気の合う連中と猟兵団《西風の旅団》を立ち上げ[175]、《赤い星座》と並んで西ゼムリア最強と呼ばれるほどの団に一代で育てる。
- 「閃II」の10年くらい前(1194年頃)[254]、孤児だったフィーを拾い[255]、自分の姓を与えて育てる[156]。5年ほどしてフィーが偶然の結果、実戦を経験してしまい、彼女が団に入る時には渋ったが他の団員に説得されて入団を認める[255]。
- 「閃I」の前年(1203年)末、対立するクライアント同士に雇われたことで《西風の旅団》は《赤い星座》と交戦することになり、その中で《赤い星座》の団長バルデル・オルランドと三日三晩の死闘の末に相討ちとなり、フィーや団員たちの目の前で息を引き取る[255][204][372][注 286]。その後、《黒》のアルベリヒが持ちかけてきた取引にゼノとレオニダスが応じたことで、不死者としてよみがえり、《紫の騎神》ゼクトールの《起動者》となる[193][注 287]。
- 「閃II」 - 登場はしない。ゼノ、レオニダスによって生存が仄めかされている[257]。
- 「閃III」 - サザーラント州で特務実習を行っていたリィンら新VII組の前に現れ[237]、ハーメル村跡に現れた際にはフィーとも再会する[26]。結社が「実験」に使っていた《神機》アイオーンTYPE-γIIを《七の騎神》の1騎である《紫紺の騎神》ゼクトールで破壊し、《起動者》であることも明かす[26]。《黒の工房》に与することからオズボーン陣営として動き、ラマール州では対立する結社側に就いた《赤い星座》の分隊や《紫の猟兵》を牽制する[278]。《黒キ星杯》では、結社がオズボーンの計画に乗ったため、シャーリィとも共闘し、フィー、サラ、アリサの前に立ちはだかる[134]。
- 「閃IV」 - 雇い主である《黒の工房》のため、相克に向けた下見をしており、候補地のひとつだったハーメル廃村でユウナら新VII組と偶然遭遇して一戦交える[101]。《第三相克》でリィンたちに敗れ、リィンが力を押し留めて消滅させないようにするが拒否し、フィー、ゼノ、レオ、VII組らに別れを言い、満足して消滅する[175]。
-
- 人物
- 飄々としているが抜け目なく、しぶとさとずる賢さと悪運は飛びぬけている[255]。そうした「クセ者」だが、筋は通すという人物[218]。
- 人懐っこいところのある人物であり、戦場で一戦した後で相手と酒場で出くわして飲んだり、自分を暗殺しにきたゼオを撃退して飲みに誘ったりしている[175]。ラクウェルのカジノでリィンに見つかった時も、敵対関係にあるにもかかわらず気さくに声をかけ、リィンを若干困惑させている[278]。ルトガーに煮え湯を飲まされた人間は数多くいるが、その性格を嫌う人間はあまりいなかったという[402]。
- 孤児だったフィーの育ての親となり[255]、クラウゼルの姓を与える[156]。フィーには真っ当な生活をしてほしいと願っており、猟兵団に居続けることには最期まで反対し[257]、自分の死をきっかけにフィーが猟兵を辞め遊撃士協会に保護されるよう仕組むため、団員にフィーがサラのもとに行くよう仕向けさせた[257]。
- 猟兵として「報酬はてめぇ自身の手で掴み取るもの」という考えを持っており[278]、その流儀はフィーにも受け継がれている[233]。
- ゼノ
- 登場作:「閃I」・「閃II」B・「閃III」・「閃IV」B→S・『創』
- 声:松本考平
- 西風の旅団のメンバーで独特な方言が特徴的な長身の男。身の丈を超すほどの大型ブレードライフルを使用し、狙った獲物を確実に仕留めるほか、猟兵独自のトラップを駆使した戦術を得意とすることから「罠使い《トラップマスター》」の異名を持つ。34歳(「閃III」[書 150]・「閃IV」)。
- フィー(ならびにVII組)の前には幾度となく立ちはだかるがあくまでビジネスとしてであり、普段はフィーの現状や今後を気にかけている。リィンと会話した際には普段は見せない険しい表情でフィーに手を出していないかレオニダスと一緒にしつこく問い詰め、リィンに「親馬鹿」ぶりを呆れられている[205]。
-
- 来歴
- 「閃IV」の10年前(1196年頃)、ヒットマンとしてルトガーを殺害しようとするが撃退されて飲みに誘われ、所属する組織から追われることになるが、その組織をルトガーが全滅させてしまい、《西風の旅団》に入る[175]。この経緯から、ルトガーのことは親のように慕うようになる[175]。
- 「閃I」 - レオニダスとともに《四大名門》当主の一人であるカイエン公に雇われ[196][注 288]、《帝国解放戦線》とともに貴族連合の一員としてクーデターに参加し、帝都占領に加担し、バルフレイム宮の制圧を担当する[202]。
- 「閃II」 - 引き続きカイエン公に雇われており、内戦で貴族連合軍に協力している。パンタグリュエルでリィンとアルフィンを取り逃がした後は帝国西部で活動していたが、《煌魔城》顕現に合わせてカイエン港から招集がかかり、VII組を迎え撃つ[257]。
- 「閃III」 - 復活したルトガーに従い、VII組の前にしばしば現れる(VII組と交戦することはない)。
- 「閃IV」 - 引き続きルトガーと行動をともにし、《第三相克》でルトガーが敗れて消滅すると[175]、彼のゼクトールの力を継いだリィンらに協力するのが筋だとして、その後は共闘する[372]。
- レオニダス(レオ)
- 登場作:「閃I」・「閃II」B・「閃III」・「閃IV」B→S・『創』
- 声:磯部弘
- 西風の旅団のメンバーで眼前の敵を圧倒してしまう程の体躯を持つ大男。全長2アージュを超える巨大なマシンガントレットを武器に、圧倒的なパワーで戦場そのものを破壊し尽くしてしまうことから「破壊獣《ベヒモス》」の異名で猟兵から恐れられている。愛称はレオ。36歳(「閃III」[書 150]・「閃IV」)。
- ゼノ同様、フィーのことは常に気にかけており、かなりの「親馬鹿」である[205]。
- 「閃I」でゲーム本編に登場して以降は常にゼノと行動をともにしており、内容は共通なので、以降の来歴は「#ゼノ」の来歴を参照。
- ガルシア・ロッシ
- 西風の旅団の元部隊長で、団を抜けた後は「ルバーチェ商会」の若頭(本部長)をしている。詳細は「#ガルシア・ロッシ」を参照。
ニーズヘッグ
[編集]ゼムリア大陸で活動する猟兵団のひとつ。猟兵団の中では、中位程度の実力と知名度を有している。『暁』の主人公である遊撃士協会クロスベル支部所属の準遊撃士ナハト・ヴァイスが遊撃士となる前に所属していた。
- 卿(サー)
- 登場作:『暁』
- ニーズヘッグを束ねる首領。
- アイリ・アドラー
- 登場作:『暁』
- 声:村田知沙
- 《左腕》連隊 連隊長を務める桃色の髪をした少女。ビジネスと称して裏社会で暗躍し、これまでにも数多くのクライアントに《戦争卿》の技術を提供・犯罪を教唆してきた。血とミラを至上とし、軽妙な口調ながらも性格は極めて残忍で、赤い星座のシャーリィが警戒する程の実力を持っている。組織の計画を妨害する試験班の中にナハトが所属していることもあり、激しい憎悪を秘めている。
- リーベル王国の女王生誕祭にてジェスター猟兵団残党の《道化》のジェリコ(第1章)や元クロスベル上級捜査官のライトナー(第2章)と契約に基づき、レミフェリア公国のセイランド社から爆薬として転用可能な医薬品《パイア》の強奪(第1章)や「右の額から頬に傷がある心優しい女性」としてツァイス中央工房に潜入し、新型の導力演算器《カペルII》を事件発生まで誰にも悟られずに盗み出す工作(第2章)を行っていた。
- 《パイア》を利用した爆弾によるテロを計画するジェリコ部隊を支援し、王都地下水路でクルツ・ナルダンと交戦するものの敵わず、爆弾を囮に撤退。その後、計画失敗でレイストン要塞の牢屋に連行されたジェリコを、報酬の不履行意志を確認してから冷徹に殺害、さらに一部始終を目撃していたギルバートを口封じに殺害しようとしたが、カンパネルラの妨害で失敗している。
- 新型の導力演算器《カペルII》によるジオフロントを利用したサイバーテロが失敗した場合の保険として、用意したマシンを暴走させてライトナーを殺害するプログラムを仕込んでいたが失敗。その後、クロスベル警察学校に移送されたライトナーと「錬金術師」との連絡役を行うも、「錬金術師」から自分たちの計画を危うく崩壊させられそうになったことで怒りを買ってしまい、クロスベルやライトナーへの手出し禁止および長期契約破棄を突き付けられた。
- それからは目立った動きはなかったものの、ニーズヘッグの《胃袋》ら3人の隊長を中心とした大掛かりな「クロスベルでの三か国襲撃」をクロスベル・レミフェリアの遊撃士による合同作戦で失敗に終わり、湿地帯に逃走した部隊を《赤い星座》のシグムントとシャーリィによる後始末が行われている最中に出現し、部隊で生き残った隊長3人を殺害して退散した(実は、この三か国襲撃計画自体が、卿による「リストラ」計画だった)。
- リベール各地を利用した新型街灯機および通信機器の異常事件の際は、ゾーイ・キャラハンというやり手の企業コンサルタントとして暗躍。エスペン副社長と手を組んで『ある目論見』の協力を行っていたが、実は本当の意味で手を組んでいたのはオルソン社長の方で、エスペン副社長は利用されていただけだった。
- ムント
- 登場作:『暁』
- 《胃袋》小隊長。
- アイカ
- 登場作:『暁』
- 回想で登場。ナハト・ヴァイスの部隊員で、アイリ・アドラーと瓜二つの少女。
- 部隊長のナハトをナハトくんと呼び、他の部隊員らとともに慕っていたが、ナハトが逃亡した任務で戦死した。
- フーゴ
- 登場作:『暁』
- 回想で登場。ナハト・ヴァイスの部隊員でナハトを慕っていた。アイカ同様、ナハトが逃亡した任務で戦死した。
ジェスター猟兵団
[編集]エレボニア帝国周辺の自治州を中心に活動していた猟兵団。「帝国ギルド連続襲撃事件」を起こしたが、カシウス立案による遊撃士協会と帝国軍による共同反攻作戦によって壊滅した。
- ジェリコ
- 登場作:『暁』
- ジェスター猟兵団の元部隊長。ジェスター猟兵団壊滅の原因となった作戦を立案したカシウスを恨んでいる。
- 他の傭兵団であるニーズヘッグと契約を結び、リーベル王国の女王生誕祭における《パイア》を利用した爆弾による大規模テロを計画し、王国中を混乱させた。
- しかし、真の狙いは武闘大会に参加中のカシウスの暗殺であり、他の残党らと武闘大会参加者になりすましていたが、ナハトの機転で正体を明かされた上、持ち前のプライドに付け込まれた所を観客に扮していた王国軍に嵌められ、ユリアの一撃で捕縛された。
- この作戦がカシウス発案だったことからカシウスへの恨みをより強めていたが、レイストン要塞の牢にてニーズヘックへの報酬金の支払いを断ったことから、アイリに殺害された。
クルガ戦士団
[編集]大陸中東を代表する高位猟兵団[364]。
アイゼンシルト
[編集]北の自由都市圏を拠点とし、元軍人が多数在籍する高位猟兵団[364]。
斑鳩
[編集]大陸東部で活動する、SSS級猟兵団[404]。
- ユン・カーファイ
- 登場作:「the 3rd」(名が語られるのみ)・『閃』(名前のみ)・「黎II」(名前のみ)・「界」B
- 声:千葉繁
- 70歳(「the 3rd」)。「八葉一刀流」の創始者で《剣仙》の異名を持つ剣豪[203]。斑鳩の先代頭領。ゲーム本編の直接の登場は「界」から。
- 弟子として、リベール出身の《剣聖》カシウス、クロスベル出身の《風の剣聖》アリオス、エレボニア帝国出身のリィンが登場している。直弟子にはあたらないものの[1]、孫のアネラスにも八葉一刀流を教えている[24]。
- ヴィクター・S・アルゼイドとも友人のような間柄であり、幾度も戦い気がつけば時間も忘れて没頭してしまうため引き分けに終わっているという。実力はヴィクターのほうが上かもしれないとリィンは見ている[335]。
- 自由人すぎるところがあり[200]、大陸各地を旅している。
-
- 来歴
- 「the 3rd」の20年以上前(1180年頃)、リベール王国軍に特別講師として招かれ、士官学校生だったカシウスに剣の指導を行い、以降、師弟関係が築かれていく[24]。
- シズナ・レム・ミスルギ
- 登場作:「黎I」S/B・「黎I」P/B・「界」P/B
- 声:内田真礼
- 斑鳩の副長。《黒神一刀流》を修めた達人で、《
白銀 ()の剣聖》の異名をもつ[404]。 - クウガ・カーファイ(クロガネ)
- 登場作:『創』・「黎I」G/B・「黎II」B・「界」B
- 声:森嶋秀太
- シズナの従者を務める忍び。
影の国
[編集]「the 3rd」において敵対する存在。数千年前、《輝く環》によって作り出された、人の想念に反応してその姿を変える世界。しかし人々の願望を取り込みすぎたことにより肥大しきり、現実世界への侵食を目論んでいる。侵食された場合、悪魔などがはびこる死の世界と化してしまう危険性がある。
- 影の王/《意志》(アニマ)
- 登場作:「the 3rd」
- 声:金光祥浩
- 黒のローブをまとい仮面で顔を隠した謎の人物で、《王》を名乗り《影の国》でたびたびケビン・グラハムらの前に姿を現す。一人称は「我」。
- 正体は《影の国》にコピーされたケビンの《聖痕》である[383]。《影の国》は《輝く環》がリベル=アーク市民の願望を叶えるためのサブシステムとして作られたもので、自らを律する存在だった《輝く環》が《リベル=アーク》から失われたことで、新たな「主」を求める[383]。《輝く環》の近くにいた者たちのから最も深いトラウマを持つ者として、ケビンを見つけ、《影の王》は《影の国》がケビンの中にある《聖痕》を探り当てそれをコピーすることで生み出された[383]。
- 《影の国》を律する核にして
理 ()となり[45]、手始めに自身の目的の阻害要因となる「隠者の庭園の住人」の力を奪い、《影の国》の世界を書き換え《星層》を構築する[21]。そして、オリジナルであるケビン(の《聖痕》)を取り込むことで完全な存在となることを目論見[45]、彼を《影の国》に取り込む[91]。 - 当初はルフィナの姿をとって現れ、ケビンのトラウマを刺激し陥れようとするが[383]、リースの行動により、逆に彼にトラウマを乗り越えるきっかけを与えてしまう[45]。
- 最終決戦ではケビンにその正体を見破られ、「(相手がルフィナならともかく、自分であれば)負けるつもりはない!」と告げられ、ケビンらに敗れて力が弱まったことで依り代であるルフィナの複製体によって力を押さえ込まれ、ケビンとリースが彼女を射ち抜いたことで完全に消滅する[45]。
-
- アニマ=ムンディ
- 「the 3rd」におけるラストボス。正体を現した《影の王》こと《聖痕》のコピー(アニマ)の戦闘形態で、生物にも機械にも似た姿をしている。
- 使用するSクラフトは「聖痕砲メギデルス」。大気圏を突破し星の外まで移動した後、《聖痕》から裁きの光を照射。星そのものを塵も残らず破壊する。
- 黒騎士
- 登場作:「the 3rd」
- 異形の鎧をまとった騎士。仮面で素顔を隠し、ケビンたちの前に圧倒的な強さで立ちはだかる。その正体はリベル=アークで死亡したレーヴェが影の国でコピーされたもので[21]、使用するクラフト、Sクラフトも本人と同様。
- 隠者の庭園の住人(セレスト)
- 登場作:「the 3rd」
- 声:弓場沙織
- 方石を通じてケビンたちの手助けをしてくれる謎の人物。最初は声だけだったが、ゲームの進行に連れておぼろげながらも姿を現すようになっていく。
- その正体は《輝く環》を封じる計画のために《影の国》に送り込まれたセレスト・D・アウスレーゼの仮想人格であり[21]、正体がわかってからはケビンらからは「セレスト」と呼ばれている。
- そのため、クローゼやユリアは、その正体が判明する前から見知っているような感覚があることを口にしている。
-
- 作られた目的
- 《影の国》はもともと《輝く環》がリベル=アーク市民の願望やイメージを取り込んで処理するために作られたサブシステムで、様々な可能世界を実現すべく自己組織化と創造を繰り返すという処理を担っていた[21]。《封印計画》を実行するにあたって《輝く環》の隙を突く必要があったセレストは、《影の国》を機能不全にすることで《輝く環》の処理能力を削ぐことを目論み、《レクルスの方石》を作って《影の国》に干渉し、自らの人格を一部コピーした庭園の住人(セレスト)を送り込むことでそれを実行した[21]。《輝く環》の封印が成功した後は眠りにつき、もし《輝く環》の封印が解かれた場合はその時代の人々の助けとなるはずだった(介入を始める前にエステルらが解決してしまったためこの役割は不要となる)[21]。
四の庭園
[編集]《庭園》と称される暗殺組織。月光木馬團の残党とD∴G教団の残党が合流して生まれた[405]。
剣の園
[編集]- エンペラー
- 登場作:『創』B・「黎I」
- 声 : 柳田淳一
- 《剣の園》の管理人[406]。
-
- 『3と9』の《
皇帝 ()》 - “組織”の幹部で、大アルカナ《
皇帝 ()》の名を持つ[339]。“組織”の中では“管理人”として知られ、小アルカナの名を持つ下位戦闘員たちの管理を任されている[339]。下位戦闘員が“組織”から脱走しようとしていないか監視する役割も担っており、脱走者が出た場合、その始末を自身で行うこともある[339]。 - 物語の3年前に《
ソードの1 ()》と《ソードの3 ()》が脱走を企てた際、2名を圧倒して脱走を阻止した[343]。 - 装備として、重力の強弱を操る黄金の仮面、攻撃を受けた瞬間に重力を吸収する黄金の鎧、接触した部分に強力な重力を発生させる黄金の王笏、重力場の効果対象を操作する黄金の宝珠の4点からなる古代遺物《照臨のレガリア》を全身に着用しており[407]、普段はそれらが見えないよう頭まで覆う黒いボロいローブを身にまとっており、顔も体つきもよく見えない[339]。
- 《照臨のレガリア》には重力操作してから発動までに数秒のタイムラグがあるが、《皇帝》は相手の動きを先読みして先に操作することでその欠点を補っている[408]。
- 本来なら黄金の鎧は絶対的な防御となるが、《ソードの3》と《
ソードの9 ()》の脱走を妨げようとした際は、スリーの剣との相性の悪さに加えて、ナインにより先読みの更に上を行かれたことで敗死[408][409]。
- 『3と9』の《
- スウィン・アーベル
- 剣の園に所属していた暗殺者。詳細は#スウィン・アーベルを参照。
- ナーディア・レイン
- 剣の園に所属していた暗殺者。詳細は#ナーディア・レインを参照 。
- エース
- 登場作:「黎II」
- 声:田丸篤志
- 剣の園に所属していた暗殺者。
棘の園
[編集]- 《棘》のメルキオル
- 《棘の園》の管理人[410]。詳細は#メルキオルを参照。
- 《洸弾》のイクス
- 《棘の園》に所属する双子の暗殺者。詳細は#イクス・エルダリオンを参照。
- 《影喰》のヨルダ
- 《棘の園》に所属する双子の暗殺者。詳細は#ヨルダ・エルダリオンを参照。
金の園
[編集]錆の園
[編集]その他
[編集]- ガーデンマスター
- 登場作:「黎II」B
- 声:田丸篤志
- 《庭園》壊滅後、その残党を束ねた
脚注
[編集]
注釈
[編集]- ^ 例として、「閃III」のロイドは登場している扱い、「the 3rd」や『閃』のユン・カーファイは登場していない扱い、「閃IV」のエンディングで描かれているのみのキャラクター(アネラス、ジン、アインなど)は登場していない扱いとしている。
- ^ ゲーム本編(クレジットタイトルを含む)で役名と役者名の併記がある場合は出典を付けていない。書籍などにのみ記載がある場合については出典を付している。
- ^ その登場人物の性格が本編における役割と深く結びつく場合は概要にも記載している。例:#エステル・ブライト、#G・シュミットなど
- ^ 「閃IV」についてのムックで、「ビジュアルコレクション」(2018年刊)では21歳[書 2]、「キャラクターマニアクス」(2019年刊)では20歳[書 3]となっており、記載に揺れがある。ここではより新しい書籍の設定を用いて記載している。「IV」本編中では、20歳の(はずの)リィンに対して1歳違いだと言っているため[1]、ゲーム本編とは矛盾する可能性がある。
- ^ この作品の時点ではこの「辺境の里」の名前は登場しない。また、本作は「零」のプレストーリーという位置づけだが、時系列としては「the 3rd」の前の出来事ということになる。
- ^ 潜入した時点でエステルらは帝国で何かが起きたことは知っていたものの、《巨イナル黄昏》が起きたことなどについては知らなかった。
- ^ ヨシュアに言わせると「面倒を見る割合からいうと姉弟っていうより兄妹」ということになり[16]、「FC」の旅の中でヨシュアは「兄妹」と自己紹介したこともある(デートかと聞かれてそう答えたためエステルの機嫌を損ねることになる)[14]。
- ^ 「閃IV」についてのムックで、「ビジュアルコレクション」(2018年刊)では21歳[書 8]、「キャラクターマニアクス」(2019年刊)では20歳[書 3]となっており、記載に揺れがある。ここではより新しい書籍の設定を用いて記載している。
- ^ 記憶を封じられていたため、アルバ教授がワイスマンであるということまでは気づきようもなかった。
- ^ 普段は穏やかだが、エステルに害をなす人間には殺意をむき出しにする[16]。
- ^ 作品登場時点では剣の道をすでに捨てているため、「元《剣聖》」ということになる[22]。
- ^ 棒術を選んだのは、敵を断つだけでなく強きを挫き、弱気を助ける精神の象徴として[14]、想いに合っていたため[24]。
- ^ 複数の型に通じていること自体はユンの直弟子であれば普通であるため[34]、(奥伝を)「授かって」いて「二つの型で奥義を伝授されている」と解釈することができるが、カシウスがどの型を皆伝しているのか、ゲーム本編で具体的なことは語られていない。書籍によっては、「一の型《螺旋》」の免許皆伝と記載されている[書 14][書 15]。
- ^ 《螺旋》は作品世界中の東方武術のひとつの形(形式)で、全ての型の基本であり応用でもあるとされ、「《螺旋》を極め、《無》を操る」者は全ての武術の究極であり到達点と言える《理》に至ると「碧」でリンが解説している[37]。
- ^ a b 一部のキャラクターは、1203年を舞台にした「the 3rd」と1204年を舞台にした『VII』で年齢設定に変更がない。この記事では不整合に補正は加えず、出典にある設定の通りに年齢を記載している。
- ^ レンは悪い大人たちに引き渡されたという形で記憶している[36]。
- ^ 天才的な能力の発現や《パテル=マテル》との接続に成功した理由は《グノーシス》を投与されたことをきっかけにしていると推測することはでき、書籍ではそのように記載しているものもあるものの[書 3]、「SC」ではレンのこの適応能力は「生まれながら持っていたらしい」とヨシュアが語っており[36]、現在の設定がどのようになっているのかは不明である。
- ^ 《パテル=マテル》を与えられた時期と執行者になった時期の前後関係は不明。ヨシュアが結社にいた頃(1197年)まではまだどちらも与えられていなかった[36]。
- ^ クロスベルを目的地としたのは、ヨルグ老人にパテル=マテルの修復を依頼する必要があったことのほか、自分の過去に起きた出来事を確認すること、自分を拉致した教団の首謀者を突き止めること(抹殺すること)を理由にしている[書 18]。
- ^ 入手した情報はギルド総本部とリベール関係者に伝達し、VII組にはリィン救出後に隠れ里エリンでアリサとアルティナにデータを渡して伝えている[51]。
- ^ パテル=マテルを登場させなくてもゲーム進行の上で支障はない。
- ^ 正遊撃士の場合、元より国際的な活動まで認められていることからどこの支部に所属していても活動範囲に制限はない[57]。準遊撃士の場合、各支部の監督を受けることになり、活動範囲は所属する支部の担当地方に制限される[57]。
- ^ 「閃IV」についてのムックで、「ビジュアルコレクション」(2018年刊)では27歳[書 19]、「キャラクターマニアクス」(2019年刊)では26歳[書 3]となっており、記載に揺れがある。ここではより新しい書籍の設定を用いて記載している。
- ^ エステル以外からも「シェラ君」「シェラさん」と名前を短縮して呼ばれることが多い。
- ^ 「FC」では同じタイミングで登場するパーティメンバーになる登場人物は個性や背景などが対になるよう考慮されており、ボースで「シェラザードとオリビエ」という組み合わせになるように作られている[書 21]。
- ^ プレイヤーが選択した場合、エステルを同行させてルーアンに向かい、選択しなかった場合はアネラスとロレントに向かう。
- ^ 初めて会った時にカシウスに散々ぶん殴られた[21]。
- ^ 1203年から見て「4年くらい前」(1199年頃)に、カシウスによりル=ロックルの訓練場に送り込まれたと言われており[13]、その時期以前に遊撃士になったと推定できる。カシウスの子であるエステルと養子のヨシュアとは、「FC」で会うまで面識はなかった[57]。
- ^ 「FC」では同じタイミングで登場するパーティメンバーになる登場人物は個性や背景などが対になるよう考慮されており、ツァイスで「アガットとティータ」という組み合わせになるように作られている[書 21]。
- ^ プレイヤーが選択した場合、エステルを同行させてルーアンに向かい、選択しなかった場合はアネラスとボースに向かう。
- ^ 剣を振るう理由に似たような事情を抱えていることもあって、レーヴェからは初対面から気に入られている[2]。一方、(レーヴェの事情を知らない)アガットは見透かされている気分になり、レーヴェのことを気に食わないと思っている、という関係が「FC」・「SC」通して続く。
- ^ 「閃IV」の頃も同じ調子だが、周囲からはアガット側のティータへの距離感はよく掴めないとも言われている[70][71]。
- ^ 王都グランセルまでの護衛任務を引き受けている。
- ^ シェラザードから敬称付きで呼ばれており、シェラザードよりもベテランと推定できる。
- ^ 「閃IV」についてのムックで、「ビジュアルコレクション」(2018年刊)では21歳[書 28]、「キャラクターマニアクス」(2019年刊)では20歳[書 3]となっており、記載に揺れがある。ここではより新しい書籍の設定を用いて記載している。
- ^ 以降はキャラチップ等の服装グラフィックが変わり、ステータス欄の名前も本名に変化する。
- ^ 「FC」終章で、女王生誕祭時の王都グランセルに掲げられている横断幕で年齢を確認できる。初登場時点では59歳ということになる。
- ^ 執行者に挑むフィリップから、自分が倒されたら迷わず逃げるよう言われたにもかかわらず、執行者が立ち去った後はフィリップの隣で気絶している[32]。この位置関係から、最後まで執行者に立ちはだかったことがうかがえる(当初、デュナンは2階から指揮をしていたため、逃げようと思えば逃げられる場所にいた)。
- ^ 「FC」時点のリベール王国軍は正規軍、国境師団、飛行艦隊、情報部で構成されている[16](女王直属の親衛隊は系統が異なる)。「FC」では王国軍の主だった将官は情報部に懐柔されているか弱みを握られて従わされているとシードが語っており[2]、作品中ではその後もモルガン以外にリベール王国軍の既存の将官が出てきていない。そうした事情から、「FC」時点では国境師団を率いるモルガンがリベール王国軍の実質的なトップ[2]という設定になっている。
- ^ 漫画『レーヴェ物語』では、ロランス少尉を情報部に入れた後の出来事で、面会に来た「アルバ教授」が持ちかけた《輝く環》の話をただのお伽話だとして一蹴したが、その直後にワイスマンの暗示に掛けられている[書 32]。
- ^ カシウスは退役前に士官学校の武術教官をしていた[14]。
- ^ そのことをミュラーからは残念がられている[63]。
- ^ 家に強盗に入られたことを説明するさいに「家を強盗している時に私が留守に入ったらしい」と支離滅裂な言い方をしてしまうなど。
- ^ 封印石から解放された最初の一人だった。
- ^ その姿を初めて見たリィンからは(他に変人はたくさんいる中でティータはティータで)ちょっと変わってると見られている[84]。
- ^ 「FC」では「リベール王国における」という但し書きが付いている[2]。『閃』ではシュミットが「エレボニア帝国における」導力革命の父として語られている[86]。
- ^ 「FC」・「SC」では「ラッセル博士」と呼ばれていて名前が不明だったが、このエピソードで登場する娘エリカは父親をフルネームで呼ぶことから彼の名前が「アルバート」であることが判明した[66][書 34]。
- ^ 『空』のドラマCDでは「雪野五月」名義(PSP版の「3rd」では音声が付けられていない)[W 11]。『空Evo』以降は「ゆきのさつき」名義。
- ^ この際に初めて対面したオリヴァルト皇子は「強烈な人」という感想を持った[71]。
- ^ PSP版までの『空』では音声が付けられておらず、『空』のドラマCDから声が付けられた[W 11]。
- ^ エステルとは同年齢だが、年下にあたる[33]。
- ^ 「FC」から4年経った「閃IV」でも一人称は「ボク」のままで、本人は「アイデンティティだ」と言っている[34]。
- ^ このあたりの事情は「閃IV」で語られ、「閃III」には《山猫号II》は登場しない。
- ^ 『空』では、エステルのことを名前で呼んでいたのは「FC」の素性を隠していた登場初期と[4]、「SC」の最終戦に彼女を連れていった場合の2度だけである[5]。
- ^ 「碧」でイアンがあらましを語っており、カプア男爵家に酒造会社に務めるビジネスマン「リドナー」と名乗る男が接触し、ビール工場を領内に建設してその経営を男爵家に任せるという話を持ちかけられる[95]。領地として受け継がれていた広大な麦畑と、工場建設用としてそのほかの領地の一部を「リドナー」に譲渡し、会社の資本金にするという名目で資産の一部を投資する[95]。「リドナー」は土地の権利書と資産の一部を持ったまま姿を消し、男爵家は莫大な借金を背負うことになり、結局、残りの領地も全て手放すことになってしまったという[95]。
- ^ 「the 3rd」序章開始時点の前週が誕生日だった[91]。
- ^ カメラの修理代を無駄遣いでなくしてしまい、しまいにはその修理屋の飾り時計を壊してしまう、カメラで写真を撮るさいに格好つけながら撮ろうとしたら寝てしまう、メイベル市長が美人だから客寄せのためにも写真を撮らせてほしいと堂々と言ってしまう、など。
- ^ 「ポエマー」は「聞いていて恥ずかしくなるような詩的な表現を頻繁に使用する人」を意味する和製英語。
- ^ 入国審査書類の入国理由に「愛ゆえに」と書いたため再審査のため拘束されるが、無事入国する。
- ^ 終章のランディとの絆イベントで酒を飲む際に「もう成人している」と言っているが[102]、「零」・「碧」中の会話から、クロスベルの成人年齢は18歳であるらしいことがわかる(サーベルバイパーのスラッシュが飲酒している際に成人しているかを気にするロイドに「18歳」は超えてそうだから大丈夫だという話をしており[103]、17歳のワジは未成年だから自分が飲んでいるのはノンアルコールのカクテルだという話をしている[104])。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 一部のキャラクターは、1204年を舞台にした「零」・「碧」・「閃I」と1206年を舞台にした「閃III」・「閃IV」の間で、設定上、年齢が2歳ではなく3歳加算されている。この記事では不整合に補正は加えず、出典にある設定の通りに年齢を記載している。
- ^ 捜査官資格取得の経緯は小説『四つの運命』[書 40]で書かれている。
- ^ 警察学校はクロスベル自治州内にあるが、ロイドは在学中にクロスベル市には行かないようにしていた[107][書 40]。
- ^ 政治的な理由により《特務支援課》主体という名目で任務が行われたため、ロイドがリーダーとなっている。
- ^ 「碧」でケビンはロイドのことを「秀才君っぽいのにメチャメチャ熱い兄さん」と評している[98]。
- ^ 「零」・「碧」では1204年から見て「10年前」(1194年頃)の出来事として語られているが[107][122]、「閃IV」では1206年から見て「10年前」(1196年頃)でエリィが10歳の時の出来事として語られている[39]。
- ^ 採用するクロスベル警察側では「マクダエル市長の孫」という点がネックになっていたが、エリィが責任回避の口実を与え、採用が決まる[書 48]。エリィは元々は市内を巡回するパトロール(警邏)の仕事を希望していたが、危険な任務をさせるわけにはいかないということが考慮され、新設予定の《特務支援課》はそうした仕事がない、市民の人気取りのための部署だと思われており、配属されることになる[書 48]。
- ^ 同年のパンタグリュエルでの会合の際(8月26日)に「3ヶ月前」に知り合って以来、メールでやり取りする仲になったと語られている[22]。
- ^ 『空』までは作品内だけでなくイースシリーズなど日本ファルコムの他作品の登場人物と(NPCも含め)名前が重複しないよう配慮されていたが、「零」以降は「名前が同じ」ということは現実世界でもあることだからと割り切るようになったという[書 52]。
- ^ 総督府としてはランディの戦闘力をクロスベルから遠ざける思惑があったことは明白で、打診を受けたランディも、後に話を聞いたリィンもその狙いにすぐに気づいた[114]。
- ^ ミシュラムワンダーランドの占い師の館でランディに選択を任せると、ナンパ運が占われることになるが、持前の明るさと端正な顔立ちに惹かれる女性もいるため、成功の可能性は五分五分だが、成功したとしても真実の愛に至る割合はほぼゼロで、身近なところにある愛を逃さないようアドバイスされる[122][書 56]。
- ^ 次いでエオリアだと語る[144]。
- ^ 男には滅多にあだ名を付けないとランディ本人は言ってるが、マキアスのことは「何となく呼び捨ても違う」と思って「マッキー」と呼んでいる[143]。
- ^ 小説「四つの運命」で支援課設立前の時点で警察上層部は支援課の仕事の内容を誤解しており[書 48]、セルゲイが聞こえの良いことを言って設立にこぎつけたらしいことがうかがえる。
- ^ 一般的には「key of A」は音楽用語で「イ長調」を指す。
- ^ ゲーム本編のグラフィックでは水色で彩色されているが、設定上は銀色ということになっている。
- ^ 「零の御子」という呼称は「碧」の時点では使われていない。
- ^ 七耀脈を通じて世界とリンクして現実を改変することができる、ということをマリアベルが語った際、ワジは「オリジナルの《始まりの地》と同じ」と内心で思っているが[書 63]、どう同じなのかは明らかでない。
- ^ ゲーム本編のグラフィックは青と白の2色だが、登場人物たちの多くからは白い狼と呼ばれている。
- ^ ゲーム本編では語られていないが、特務支援課を助けたのは(ツァイトが住みついた時点ではまだ登場していない)キーアの影響による[書 64]。
- ^ ニールセンのクエストを達成している場合、ロイドもイアンが黒幕である可能性に気づく。
- ^ アリオスによる評であり、彼が他者との比較で自己評価を低くしがちな点に留意する必要があると思われる。
- ^ PSP版「零」・「碧」、Vita版「零Evo」、「碧Evo」には登場しておらず、PS4版「碧:改」で追加された。
- ^ 登場しないが、ランディの「1つ歳上」(シャロンと同じ)と言われている。
- ^ 本編中では明言されていないが、「零」第1章の「レンが知っている一番強い人」とは(アリアンロードではなく)レーヴェのことを指している。
- ^ リンとエオリアの腕前は「碧」の時点でそれぞれ「A級に迫る」と言われている[144]。
- ^ 書籍によって「70歳」[書 81][書 82]、「72歳」[書 83]と揺れがあるが、「零」本編中では「72歳」と言われている場面があり[106]、「閃IV」で言われている年齢[148]とも矛盾がないためそちらに準拠している。
- ^ 書籍によって「58歳」[書 84]、「60歳」[書 85]と揺れがあり、どちらが正しいかは不明なので、後発の書籍の記載に準拠して記載している。
- ^ この建物は「零」の100年以上前の帝国統治時代に総督邸として建てられた[138][169]。
- ^ 書籍によって「28歳」[書 86]、「29歳」[書 87]と揺れがあり、どちらが正しいかは不明なので、後発の書籍の記載に準拠して記載している。
- ^ 「零」では「46歳」に設定されていたようだが[書 89]、「碧」と矛盾するため後発作品の「碧」に準拠して「45歳」としている。
- ^ 政界に出馬する動機として、教団残党に付け込まれた政界に大きな失望を感じたからということをロイドらの前で語っているが[147]、裏で糸を引いていたのはクロイス家であり、表向きの口実であることは「碧」で明らかになる。
- ^ 「閃II」の描写から、12月26日にロイドらによってオルキスタワーで身柄拘束され、12月30日に逮捕されたことがわかる。
- ^ ディーター本人が語るように彼が喜んだのは「《正義》を広められるだけの力を手に入れられる」からで、「一族の使命を達成できる」からではない。
- ^ いずれも《零の至宝》を誕生させる際に《式》の一部として重要な役割を担うことになる[118]。
- ^ 目指すところは「世界の全てに幸福を与え、哀しい思いをすることも」なく、「人はあらゆる不安から解放され、"善きもの"だけを追求できる」世界というもので[125]、前任の第三柱であるワイスマンが「SC」で言っていた内容[5]と大差ないことを言っている。
- ^ エリィのほか、父ディーターとキーアもこの愛称で彼女を呼ぶ。
- ^ この盗難事件はマリアベルが裏で怪盗Bと共謀した自作自演のものであり、ロイドの勘があながち間違っていなかったことは周回プレイ時に明らかにされる[書 97]。この時の関係があったため、「閃IV」でマリアベルが怪盗Bを騙ってローゼンベルク人形盗難の自作自演の事件を再び起こした際、ブルブランは本来なら意趣返しをするところだがと言いつつ、マリアベルの性格を踏まえてひとつ貸しとするだけで済ませている[172]。
- ^ 外国の医療機関ですごい研究成果をあげたという触れ込みで病院勤務を始める[151]。
- ^ 「碧」で、生前のヨアヒムから教わった話としてアーネストが語っている[109]。ヨアヒムが言うところの「D」はすなわち「デミウルゴス」(キーア)ということになるが、(キーアにつながったとする)この解釈は「碧」でフラグメントを解析した際にロイドらがヨアヒムもどこまでのことを知っていたかはわからないとして疑義を呈している。「碧」終章ではマリアベルが(碧の大樹となったキーアは)七耀脈を通じて世界とつながることもできるということを語っており[125]、ヨアヒムが何とつながったのかは明瞭ではない。
- ^ 《銀》が「時間」を理由に依頼を断ったり立ち去ったりしていることから[46]、アルカンシェルとの関係にあたりを付けてる[37]。
- ^ ティオとリーシャは初対面で帽子を被った姿を見ても女だと気づいていたが、ロイドとランディは少年だと思い込んでいた。
- ^ その際、「皇帝殺害未遂犯」のアッシュだけでなく、エリゼやガイウスのプロフィールも把握していた。
- ^ クロスベル市の市立図書館2階の談話スペースが「人が来たらすぐ分かる」場所であることもどうやってか知っていた。
- ^ この時点のクロスベルにはハッキングを規制する法律がないためハッキングそのものは犯罪にあたらない。
- ^ しかし、掴んだ居場所が導力ケーブルが通っていないはずのローゼンベルク工房だったため、情報の真偽不明となってしまう。
- ^ 設定年齢「推定14歳」のアルティナのことを「1コ上」と言っている[51]。
- ^ ルバーチェの息がかかった悪徳金融業者に引っかかり、不当な金利を課されていたことに気づいたイアンが力を貸した。
- ^ マリアベルに対しては、国際情勢を踏まえて、《至宝》の力があればどういったことができるか、という観点から助言をして力を貸した[書 94]。
- ^ アリオスを引き入れたのは1199年の導力車事故の後。
- ^ 「零」の発売は2010年で、当時のゆるキャラブームは2007年に登場したひこにゃんを火付け役として起こったものだとされている[W 17]。
- ^ 「碧」でティオの部屋の家具を全て揃えた際に解説される(達成できるようになるのは第3章から)。
- ^ 1206年6月デビューの新キャラ[34]。
- ^ 心臓を移植されたこの時、リィンはいずれ《
巨イナル黄昏 ()》を起こすことになる「真の贄」とでもいうべき存在として選ばれる[51]。 - ^ 「閃III」では1206年から見て「10年」前の出来事として語られているが[197]、書籍等では1197年の出来事とされていることが多いため[書 118][書 119][W 8]、準拠して1197年とした。
- ^ 「閃の軌跡」(1作目)のシノプシスでは、修行の期間は「7年近く」に及ぶとされている[書 120]。それに基づけば、士官学院入学の前年末か入学近くの頃あたりまで修行が続いていたことになる。本編では「何年もの間」としか語られていないため[200]、設定が異なる可能性はある。
- ^ 一連の流れは、レクターの父やアッシュと同様、凶事を起こすトリガーとなる存在(「贄」)としてリィンが帝国の呪いによって選ばれていたためで、強制力が働いていた[51]。
- ^ この点はパトリックがリィンの友人となり、付き合いもそれなりに長くなった「閃III」でもほとんど変わっておらず、リィンはパトリックの人柄は認めた上で「それでもエリゼの相手というと……」と難色を示している[189]。エリゼ関連で人が変わることをリィン本人は自覚していない[215]。
- ^ 髪の色はゲーム本編の見た目の上では白に見えるが、「閃I」では設定上は灰色とされている[書 123][書 124]。「閃III」ではミュゼは「銀髪に灼眼」と表現しており、「閃IV」では「銀の髪に紅い瞳」とも表現されている[94]。
- ^ 「閃I」でアルゼイド子爵との対決では(抑える必要がなかったため)意識的にこの力を引き出している。
- ^ ユンの直弟子は「最初の段階で全ての基礎を叩きこまれるのが習わし」なので、全ての型に触れていること自体は他の直弟子たちと変わらない[34]。
- ^ 昇格に至る経緯は「閃I」本編内では語られずに省略されており、詳細は同作限定ドラマCD版の同梱ドラマCD「帰郷〜迷いの果てに〜」で語られている[参 1]。その設定を受け、「閃II」公式サイトのキャラクター紹介では(特に説明なしで)「中伝」の剣士となっている[222]。
- ^ 《観の眼》は五輪書の「観の目」が基になっている。「観の目」は表面にある目に見えるものを見る(「見の目」)のではなく、その奥に潜むものを観るというものである。
- ^ ミニゲームの『爆釣遊戯 with 魔界皇子リィン』ではプレイヤーキャラクターになる。
- ^ 機械いじりなどの技師仕事は、グエンではなく、父フランツに教わった[225]。
- ^ ミニゲームの『みっしぃパニック with まじかるアリサ』ではプレイヤーキャラクターになる。
- ^ なお、基になった「モナークモナーク」のモナくんは「~(な)の」という語尾で話す。
- ^ 挿絵ではギリアス・オズボーン[書 129]。
- ^ クルト(17歳)から「2つ上」だと言われている[94]。
- ^ ラインフォルト社製の魔導杖はティオが持っているエプスタイン財団製のものとはアーキテクチャから異なり、エイオンシステムも搭載していない[書 50]。
- ^ 成人していると語っている[94]。
- ^ 成人していると語っている[242]。
- ^ 《魔女の眷属》の使命とは、地下深くに封印された“巨いなる力”(騎神)を見守り、その行く末を見届けること、というもの[221]。騎神の存在、騎神が《起動者》を選ぶということ、そして《起動者》に選ばれた人間が避けられない“戦い”に巻き込まれていく、といった(かなり大雑把な)知識は士官学院に入学する前から持っていた[221]。しかし、魔女の使命の本質についてローゼリアはエマに故意に教えなかったため[225]、かなりおぼろげな知識しか持っていなかった。
- ^ 「閃I」発売前の事前情報では、「平民出身で実家では裕福ではなかったが、高等教育には興味があったため」入学した[W 27]、というフェイク設定(初期設定でも建前としての設定という扱いになっている[書 130])が表向き公開されていたが、ゲーム中ではこうした設定は語られていない。
- ^ 成人していると語っている[242]。
- ^ 捌号機はガイウスの《聖痕》となじませるための調整をアルテリア法国でしていたため、この時点でガイウスはメルカバにまだ慣れていなかった[94]。ガイウスは「閃III」で帝国に帰還した時はトマスの弐号機に乗ってきたことを明かしている[94]。
- ^ このフレーズは他のノルドの民も頻繁に口にしている。
- ^ ゲーム本編のグラフィックではベージュがかった白をしているが、設定上は銀色ということになっている
- ^ 「閃II」後日譚(1205年)でも「5年くらい」前(1200年頃)と言っているが[86]、後発の「閃III」中の発言に準拠して1206年から見て「5年前」としている。
- ^ 性格については目覚めた時から変わっていないとアルティナに語っている[84]。
- ^ 本当に重要なものは必要な時が来るか重要性が失われる時まで話さないという面もある。
- ^ 初登場は「碧:改」(2020年)ではなく「閃I」(2013年)。
- ^ ワジは案外ロイドと同じ年齢なのではないかと推測し、ロイドもその可能性に同意している。
- ^ そこでは一瞬で馴染んでしまい男に負けない働きをしていた[164]。
- ^ 「閃III」の墓碑に生年が1204年であることが刻まれているため、「閃II」(1204年12月)の頃には満20歳となっていた可能性が高い。「閃IV」では「学生時代には成人していた」と語っているので[281]、(飲酒をごまかすための虚言でなければ)「閃I」(1204年10月以前)のいずれかの時点で誕生日を迎えていたことになる。
- ^ 《巨イナル黄昏》が始まったタイミングでジョルジュは「始まったか…… ……するとクロウは……」と漏らしており、意図は不明だが、暗示が解けるトリガーを《巨イナル黄昏》の開始に合わせていたらしいことが示唆されている[134]。
- ^ この旅の最後にカルバ―ド共和国でハミルトン博士と会ったという作り話をしたために、シュミットに不審がられ[218]、アンゼリカにはそれが虚偽であることの証拠をつかまれてしまう[218]。
- ^ パトリック自身はエマ、マキアス、ユーシスに次ぐ学年4位の成績を残している。
- ^ リィンも(ハイアームズ侯に対してなので多少の社交辞令があるにしても)パトリックのことを「得難き友」と言っている[237]。
- ^ ミュゼはパトリック本人に初めて会った後、以前に聞いた噂と随分印象が違うと述べている[278]。
- ^ 「閃I」では第四開発部に所属し、エリオットとエマの魔導杖のレポートも読んでいる[164]。リィンらが特別実習でルーレ市に来た際はARCUSの電波強度テストを依頼している[164]。
- ^ 騎神用の
宝珠 ()の作り方を、卒業後に工房巡りをしている時に会ったクララに教えてもらい修得している[145]。 - ^ 「閃III」で1206年6月17日時点で「もう少しで28」歳になると言っており[278]、「閃IV」時点の満年齢は不明。
- ^ サラがA級に昇格した時期について、「閃III」では「最年少のA級だった《紫電》」にはノーザンブリアで足止めを喰らってもらったとカンパネルラが語っており[115]、「閃IV」では支部連続襲撃事件の解決後にA級の叙任式が行われたということをカシウスが語っており[22]、(解釈次第ではあるものの)正確な時期は不明瞭である。
- ^ 遊撃士協会閉鎖の件でサラに絡まれたクレアは、鉄道憲兵隊は関与していない事柄だったため困惑している[223]。
- ^ 過去にサラを救ったという話から、少なくとも1198年までは現役であったことがわかる[293]。
- ^ 初登場は「碧:改」(2020年発売)ではなく「閃III」(2017年発売)。
- ^ 「閃II」にも登場しているが、年齢設定は記述がない[W 28][書 145](「閃III」の設定に基づくと「12歳」ということになる)。
- ^ 「閃IV」で《黒の工房》を訪れ記憶を取り戻す以前のアルティナは、ルーファスのもとで覚醒したという認識をしている[84]。
- ^ 脱走はお膳立てされたものだった[303]。
- ^ オズボーンからも幻想機動要塞での最終決戦を前に謝罪されている[209](特に明言はされていないが、おそらくはユーゲントを撃たせたことと開戦の口実として利用したことを謝罪している)。
- ^ ミュゼ本人はこの移籍を「女神の巡り合わせ」と言っているが[171]、オーレリアに依頼して意図的に実現させてる可能性がある。
- ^ グエンに言わせると、あれほどのものを完成させられる人間は(帝国には)シュミット以外にいないため[260]。
- ^ 理由を問われると、地精に与したわけではなく、一番弟子(フランツ)と三番弟子(ジョルジュ)の仕上がりを見るためだと発言している[71]。他の理由として、魔導科学に興味を持ったからと推定できる[71]。
- ^ カレイジャスIIについて、先代より武装を強化するよう押し切ったことが語られている[63]。
- ^ リィンは「偏屈というかプライドの塊みたいな人」という見方をしている[170]。
- ^ ジョルジュはルーレ工科大学にいたが、シュミットの性格についていけず、士官学院行きを選んだと述べている[265]。
- ^ 本人の意向でもあるが、帝国の決まりごととして母親が平民の場合は皇位継承権から外れるらしい[240]。
- ^ 「閃IV」(1206年)でオリヴァルト皇子がミュラーのことを「20年来の友人」と言っていることから[34]、ミュラーが護衛に付けられたのは1180年代半ばで、皇子が10歳に満たない頃の出来事と推定できる。
- ^ プレイヤーにとってもこの時まで「オリビエ」の正体は不明だった。
- ^ オリビエは巻き込まれた時の状況について触れていないが、ミュラーの発言から、オリビエと一緒にいたことと場所がわかる[93]。
- ^ 本編中の時系列では下記の「閃I」途中の出来事にあたる。
- ^ ピアノの腕前はたしかで、「FC」ではボースのレストラン《アンテローゼ》の支配人から専属で雇いたいと言われ[57]、「碧」ではクロスベル市裏通りのジャズバーでは演奏料を出すからしばらく演奏活動をしてみてはどうかと勧誘されている[37]。
- ^ 王国軍の軍人という立場もあるカシウス、ユリアなどが例外となる。
- ^ 古代遺物を例外的に個人所有できる場合があるという話は「SC」でもオリビエとケビンがしており、ケビンはオリビエがそれを知っていることに驚きつつ「ノーコメント」と答えている[19][書 149]。
- ^ 元々、《緋の騎神》はカイエン公が自ら操縦するつもりだったが、アルノール家の血筋を引いたものにしか起動できず、直系ではないカイエン公ではその条件を満たせなかったため[206]、セドリックを連れてきたと推定できる。ユーゲントIII世ではなくセドリックを選んだのはカイエン公が「後見人」[206]の立場を得るには都合がよかったためということになる。
- ^ この出来事は「碧」でも触れられている[98]。オズボーンの「遺体」は近衛軍が確保したが、いつの間にか消えてなくなる[273]。
- ^ ゲーム本編ではミュラーはオリヴァルト皇子のことを常に「オリビエ」と呼んでいる。
- ^ 「閃IV」(1206年)でオリヴァルト皇子がミュラーのことを「20年来の友人」と言っていることから[34]、ミュラーが護衛に付けられたのは1180年代半ばで、皇子が10歳未満、3歳年長のミュラーが10代初め頃の出来事と推定できる。
- ^ 同じくトールズ士官学院出身のオーレリア・ルグィンが学生時代を回想して、自分は《百日戦役》で負傷した父に代わって1年のみで卒業したため、ミュラーと入れ違いになったということを語っている[145]。ナイトハルトとは士官学院時代からの同期[291]。
- ^ オーラフはピアニストの妻にはベタ惚れだったが、音楽については疎く、娘のフィオナが音楽の道に進むことや、男が趣味として音楽を嗜むことには理解を示すものの、男が音楽で生計を立てるという生き方は認めない考えを持っていた[233]。
- ^ 「ガレリア要塞司令」として登場。名前は出てこない。
- ^ 消滅したはずのワルターが再び姿を現した理由はゲーム本編中では触れられていない。前日に《碧の大樹》(《零の至宝》)が消滅しており[170]、《零の至宝》であるキーアが人死にを出すことを憚ったためと推測することはできる。
- ^ 「SC」中の《ハーメルの悲劇》に関する回想でたびたび語られている存在[17][5]。
- ^ オズボーンがリベールを電撃訪問した際、レクターがオズボーンの配下の者であったことをクローゼ、オリヴァルト皇子らが知ることになる[97]。
- ^ 時系列としてはこの出来事は「零」終了時点と「碧」開始時点の間にあたる時期で、ミリアムが言っているレクターのクロスベルでの「恐いヒトたちの事務所を用意する」仕事は[259]、「碧」序盤で《赤い星座》のためにルバーチェ商会跡を買い取った仕事のことを指している[104]。
- ^ 「リーヴェルト社」はヨシュアのハーモニカやエリィのオルゴールの製造元でもあり、家族経営の手堅い商売を第一としていた。「閃I」の発売前は「クレア憲兵大尉」と紹介され、苗字は伏せられていた[W 33]。
- ^ この事故について、クレアは「10年前」と[278]、従業員だったモーガンは「11年前」と言っており[189]、細かく言っているモーガンの発言に基づいている。
- ^ 第216期生にあたり、1204年入学のリィンら第221期生より「5年」先輩にあたる[216]。
- ^ プレイヤー側から見た場合、「筆頭」が存在することは「閃I」でほのめかされていたものの[220]、誰がそれにあたるのかは不明だった。作品世界内では、レクター、クレア、ミリアム、レーグニッツ知事といったオズボーンに近い面々も「筆頭」が存在することは聞かされていたが、それが誰かは知らず、知っているのはオズボーンのみだった[206]。
- ^ 正体が長らく秘密だったためか、彼を《翡翠の城将》と呼ぶ者は本編中ではほとんどおらず、カンパネルラからその異名で呼ばれた時は「そちらの呼び名で呼ばれるのは新鮮」だと応じている[115]。
- ^ 「閃II」ではルーファスらがクロワールを「主宰」と呼ぶ時は追従としてのものであることが示唆されており[200]、ヘルムート・アルバレアはクロワールが「総主宰」を名乗ることに納得しておらず[221]、「事実上の主宰」というニュアンスになっている。
- ^ アルフレッド公子が死去したのは「閃III」から10年前で[124][306]、ミュゼが「5、6歳」の頃なので[9]、1195年か1196年頃の出来事、クロワールが当主の座を継いだのはミュゼがアストライア女学院の初等科に入った頃で[305]、彼女が6歳だった頃なので[306]、1196年頃の出来事ということになる。
- ^ カイエン公は結社とは通じていたものの、「閃I」、「閃II」や「碧」のゲーム本編ではクロイス家と共謀していたような描写はなく、この部分は冤罪の可能性がある(解放戦線にガレリア要塞を襲わせたことはある)。
- ^ ハイアームズ侯、ユーシス(アルバレア公代理)、アンゼリカ(ログナー侯)が四大名門の現当主、当主代理として協議して結論した。
- ^ ゲーム本編のこの場面の一枚絵では、他の当主3名とは距離を置いて立っている。
- ^ 年齢は「閃III」では30歳として設定されているようだが[書 158]、「閃III」のゲーム本編では主のハイアームズ侯爵から「じきに三十路」と言われている[113]。
- ^ 「the 3rd」でケビン・グラハムが《影の国》に選ばれてしまった仕組みに類似しており、リベール組は共通性に反応している。
- ^ 「閃II」では「ラマール領邦軍」の総司令という描写しかされていないが[221]、「閃III」以降では内戦時に「貴族連合軍」の総司令だったという表現がされており[218][64]、ニュアンスが異なっている。
- ^ 「閃II」では「サザーラント領邦軍」の司令という描写しかされていないが[221]、「閃III」以降では内戦時に「貴族連合軍」の副司令だったという表現がされており[64]、ニュアンスが異なっている。
- ^ 「碧」で《爆釣勝負》に敗れてクロスベルを去る際、釣公師団のセルダン支部長にセイラームの面倒を見るよう命令して[131]、「零」からの彼女の望みだった釣公師団入りを叶えている。
- ^ 「碧」ではレイクロード家は子爵位を代々継いでいると言われているが[104]、「閃II」以降では男爵位となっているので、後発作品に準拠した。
- ^ 貴族であるかは特に明言されていないが、皇族の護衛を解かれた時に後押しとなった声が「皇族の護衛という栄誉を一貴族に独占させるべきではない」というものだったことから[116]、貴族である可能性が高い。
- ^ クルトの回想中のイラストではわずかに描かれており、「閃III」の時点で設定画も存在する[書 161](『創』登場時とは剣の形状など細部の違いはある)。
- ^ なお、帝国軍の指南役としては《百式軍刀術》を教えている[書 162]。
- ^ 登場させる案のある人物の一人だったが、登場させるからには活躍させないわけにもいかないため見送られた[書 163]。
- ^ クルトが産まれる前(「閃III」の17年以上前)の異名だが[217]、作品本編の時期でも噂は残っておりそう呼ぶ者は多い。
- ^ クルトの口調から[22]、本来は薙刀はヴァンダール流にはない武具であることが推測できる。
- ^ ヴァンダール流という意味か、ヴァンダール家という意味かは不明。
- ^ ラインフォルト社の実権を握るにあたって貴族派、革新派の両勢力から力を借りたため[164]、手を付けることができていない。
- ^ シャロンのほうはイリーナと「フランツが戻ってくるまでラインフォルト家で働く」という条件の契約を結んだ際、イリーナがフランツはもう生きていないと考えていると思い込んで契約しており[134]、2人の認識には齟齬があった。
- ^ イシュメルガがフランツを《黒》のアルベリヒに選んだ理由として、《地精》の中でも特に優秀だったから、というのはVII組による推測だが[193]、その後特に否定材料も出てきていない。
- ^ ヴァルカンは全滅したと認識していたが、「閃IV」では1人だけ生き残りがいたことが判明する。
- ^ a b 一部のキャラクターは、1206年を舞台にした「閃III」と「閃IV」の間で年齢設定に違いがある。この記事では、出典にある設定の通りに両方の年齢を別々に記載している。
- ^ 「閃II」でも《煌魔城》の戦いで導力魔法の腕を見せているが[257]、この呼び名は「閃III」から使われ始めている[218]。
- ^ トヴァルは『カーネリア』は半分以上はミヒュトの創作だと言っているが[216]、ミヒュトは『カーネリア』のトビーに関してはほぼトヴァルの前歴そのままで書いたということになり(年齢は1、2歳異なる)、サラが「閃II」でトヴァルとアインの関係について「詳しくはとある小説をチェック」と言っていることからも[225]、『カーネリア』の内容はトヴァルに過去あったことにほぼ即していると推定できる。『カーネリア』の通りだとした場合、トヴァルがミヒュトに仕事をもらいだしたのは1192年頃(《百日戦役》の頃)、アインと出会った事件は1199年頃、遊撃士になったのは1200年頃、ということになる。
- ^ 「真祖」と名乗っているが、(『赤い月のロゼ』中のロゼと異なり)何の真祖という意味なのかは定かでない。
- ^ 眷族想像の秘術はロゼにも難しい術で、「修得するには百年かかった」と言っている[94]。
- ^ 本人は「本来、スレンダーでナイスバディ」と言っている[51]。
- ^ 作品中ではアルの血を飲んだことで真祖の力を一時的に発揮している。
- ^ クロスベルでケネスから魚をプレゼントされた際、口では拒否しつつも「猫まっしぐら」となり食いついてしまった。
- ^ 《西風の旅団》に先に話をもちかけたのは、バルデルとルトガーそれぞれの周りにいる人間を比較して、ルトガーについているゼノ、レオニダスといった面々のほうが(シグムントより)与しやすそうだったためである[書 137]。ルトガーが不死者となってよみがえった時期は不明で、「閃II」の内戦時点でよみがえっていたのかは定かでなく、《煌魔城》でのゼノとレオニダスの言葉[257]からその時点ではまだよみがえっていなかった可能性もある。
- ^ 内戦時に貴族勢力に雇われていたわけではなく「真の雇い主」がいたことを「閃III」でレオニダスが語っている[26]。
- ^ 通常エンドでは「《黒》のアルベリヒ」の姿で現れそのまま消滅し、トゥルーエンドでは「フランツ・ラインフォルト」の姿で現れるため登場しない。
- ^ 眷属となったことで《騎神》から加護を与えられる対象となる。
- ^ 「閃II」では「準契約者」と呼ばれ、「閃III」と「閃IV」では「準起動者」と呼ばれている。この記事では基本的に後発作品で使われているほうの用語に準拠する。
- ^ アルティナはこれを「“紅蓮の魔王”の力の一片」に由来する能力と見ており[258]、《緋の騎神》が元々持つ能力なのかは不明瞭な部分がある。
- ^ 《緋の騎神》テスタ=ロッサは「魔人」(英語版では「demon」)、《紅き終焉の魔王》は「魔神」(同「demonic god」)と呼び分けられている。
- ^ 「閃III」の英語版では「黒の騎神」は「Ebon Knight」と翻訳されており「漆黒」の騎神というニュアンスになる。
- ^ ヴァリマールのこの言葉はゲーム本編中でリィンらに省みられることはほとんどなく、イシュメルガが全ての元凶という扱いで物語は進む。
- ^ 《リベールの異変》以前からということ以外、帝国入りした時期は不明。
- ^ a b c d リュウガとヴァルターの「死合い」が行われた時期について、「SC」(1202年)でジンらが「6年」前と言っている場面がいくつかあるが、「the 3rd」では1203年から見て「6年」前と言われているため[370]、後発作品に準拠して記載している。
- ^ キリカの「免許皆伝」と違いがあるのかは不明。
- ^ ワジは当初はロックスミスの風貌から「飄々としたタヌキ」と見ていたが、実際に会ってみて「とんでもない大狸」と評価を改めている[96]。
- ^ したたかな人物であり、世評では庶民派として知られているものの、実際にどういった人物なのか訝しむ者もいる[37]。
- ^ アンゼリカは1204年から見て「7年ほど前」(1197年頃)の出来事として語っているので[276]、キリカが旅立ってから比較的早い時期の出来事ということになる。
- ^ キリカがマクレイン夫妻に初めて会い世話になったのは1204年から見て「6年前」(1198年頃)の出来事として語られている[276]。
- ^ ツァオらは情報の出所を突き止められなかったが[103]、この情報はマリアベルが贈ったものであることが後に判明する[125]。
- ^ キリカは知っていたがようだが、ジンは師が抱えていた病について後から聞かされた[371]。
- ^ ヴィータが里の禁を破った(《盟主》に下った)のは「閃II」の「7年前」で[200][206]、巡回魔女になってから「半年」後の出来事[82]。
- ^ 帝都民のエリオットやマキアスは(帝都民なら)知らない人はいないほどの有名人という反応を見せている。一方、地方出身のリィンやラウラは名前を聞いたことがある気がするというくらいで、ヴィータ本人は有名とは言ってもオペラという限られた世界だけでのことという反応を見せている。
- ^ 仮に計画が乗っ取られることがなく、疑似的な《相克》を起こすことに成功していた場合、全てが解決することはないにしても、「閃IV」のような世界を巻き込むほどの事態にはなっていなかった[書 125]。
- ^ 1206年5月時点で結社と別行動を取り始めたてから「半年ぶりくらい」と言っているので[116]、1205年末か1206年初めくらいから別行動をしていることになる。
- ^ このことから、「閃IV」で第一柱は執行者に干渉しすぎてワイスマンのような顛末にならないよう新第三柱のマリアベルに釘を刺している[174]。
- ^ リアンヌの年齢が942年時点で16歳であることから[350]、926年頃の生まれということになる。
- ^ 彼女がいつから「アリアンロード」と名乗り始めたかは作品中では具体的には明らかにされていない。「閃III」でラウラから「リアンヌ・サンドロット」と呼びかけると、その名で呼ぶ必要はないと告げ、「S」はアルゼイドのもので、「ここにいるのは過去の幻影です」と語っていることから[134]、不死者となり旅立つ時点で別の名前を名乗り始めた可能性がある。
- ^ 結社《身喰らう蛇》に入ることになるが、結社は1194年頃の時点で新興の勢力だと語られており[385]、いつ頃できたのか(この時点で存在していたのか)は定かでない。
- ^ 時系列としては「碧」でクロスベルに向かう前の出来事にあたる。アリアンロードのこの行動の理由はゲーム本編で(直接は)語られていないが、オズボーンの息子であるリィンを助けるために陰から手を貸したという設定である[書 193]。
- ^ シャロン本人も自分と同じ程度と言っている[115]。
- ^ レオンハルトは回想の中で、自身が結社に入ったきっかけを言っていない点に留意を若干要する(ワイスマンに誘われた、という言い方はしていない)。漫画『レーヴェ物語』では、カンパネルラに勧誘され、その中で世界の欺瞞を告げられ、《修羅》に目覚めて結社に入っている[書 200]。
- ^ 同じ1194年頃に結社は暗殺組織《月光木馬團》を壊滅させているが、シャロンの回想ではそれに関わった結社側のメンバーにルシオラはいない[385]。
- ^ 「SC」序盤の時点で、単純な力と早さではロランス少尉以上だったかもしれないと言われている[29]。
- ^ おそらく回復に時間がかかったため、メイドになったのは1204年から見て「7年くらい前」(1197年頃)と言われている[232][252]。
- ^ 時系列としては、これは1204年4月の出来事で、この後で帝国に一旦移り4月末にケルディックで特別実習中のリィンらを見かけたことになる(「閃I」の第1章)。
- ^ 時系列としては、この7月の帝都夏至祭の頃までは帝国にいて、その後またクロスベルに戻って「碧」の事件を起こしていることになる。
- ^ プロフィールのこの項目について、『零の軌跡 スペシャルコレクションブック』(2011年刊)、『クロスベルアーカイブ』(2012年刊)、『碧の軌跡 スペシャルコレクションブック』(2014年刊)で矛盾があるため、より新しい書籍に準拠している。
- ^ 作品中の他の物との比較では、オーバルストア「ゲンテン」で売られている高級導力車が150万ミラ、ハロルド・ヘイワースが所有している自家用車が80万ミラほどで[6]、500万ミラは旧式の戦車を購入できるほどの値段ということになる[138]。
- ^ Windows版とPSP版の「FC」では声がついていない。「FC Evolution」には声がついている。
- ^ これは隠しイベントなので必ずしも見ることはない。
- ^ この直前にカプア空賊団の《山猫号》と交戦してダメージを負っている[76]。
- ^ 「the 3rd」でこの時点のアインのキャラクター名の肩書は「守護騎士」で、「the 3rd」本編では「総長」となっており区別されていることから、この時点ではまだ騎士団の「総長」ではなかった可能性がある。
- ^ 作中小説『カーネリア』に基づけば、1199年頃の出来事ということになる。
- ^ 作品中の時系列としては「the 3rd」の前に起こった出来事ということになる。
- ^ この二人が酒豪であることはトヴァルとミハイル・アーヴィングが語っており、付き合わされることを二人とも嘆いている[34]。
- ^ 「閃I」の初期設定の時点では「27歳」として(仮)設定されていたらしい[書 132][書 130]。
- ^ 「閃IV」までのゲーム本編で潜伏開始時期(士官学院への赴任時期)については語られていない。
- ^ 「閃I」中のトマスの描写は一貫して、(《七の至宝》や古代遺物に妙に関心があるものの)「歴史と古書が好きな暢気な教官」というもので、魔導杖を使えたことには同僚のナイトハルトも驚いている。
- ^ 《黒の史書》は古代遺物であることから回収対象となる[369]。
- ^ かつて帝国に存在した「2つの至宝」と、地精と魔女によって造られた《七の騎神》という仕組みの真相に迫るべく、《巨イナルチカラ》(巨イナル一)の欠片を手に入れたリィンに接触した[369]。
- ^ この際、リィン以外への方便として、ムンクにはトールズを去った理由を新しい本校には「向いてなさそうだった」ためと説明し[189]、初対面の新VII組には「フリーの歴史学者をしている」と自己紹介している[217]。
- ^ ケビンが《影の国》事件(「the 3rd」)に際して隠者の庭園で禁書の本棚を見たことも報告を受けており、持って帰ってもらえばよかったと漏らしている。
- ^ 初期設定では使用武器として銀針と匣を設定されていた[書 132]。
- ^ ケビンが7歳の時で[383]、かつ1198年から見て「9年前」なので[21]、1189年頃の出来事ということになる。
- ^ この件でクロスベルのエラルダ大司教は封聖省への態度を硬化させ、「碧」でケビンがクロスベル入りできない遠因となる[109]。
- ^ 旅客飛行船に乗り合わせたのが偶然だったのかは定かでない。この時のケビンの本来の目的地はグランセル大聖堂であり[30]、エステルにはその前に「旅行」をしていると説明してグランセルからロレントに向かう旅客飛行船に同乗している[31]。結果的に、彼女の父カシウスと面識を得る。
- ^ 「SC」の中でエステルらには星杯騎士団の下っ端だと名乗っており、守護騎士であることは最後まで明かさなかった。ヨシュアのみケビンの素性を調べその正体を把握していたようだが[13]、彼も黙っていた。
- ^ この試みは成功して、結果的にワイスマンはその死の直前までケビンのことを騎士団の下っ端だと思い込んでいた[384]。
- ^ 《影の国》事件から約1年経っているため、もっと早くに変更している可能性もある。
- ^ 口上もワジは「
蒼金 ()の刻印」[132]、ケビンは「蒼 ()の刻印」[8]と異なっている。 - ^ 「碧」で「スラムで暮らしてた事もある」と語っているが[120]、いつ頃のことなのか定かでない。
- ^ ディーターとしては、「零」終盤でIBCの防衛に協力したことへの謝礼の意味がある[書 64]。
- ^ 礼拝堂のヘンリー教区長には所属を秘密にしていた。しかし、優れた資質を見込んだ教区長がロジーヌを教会本山に推薦したところ、きっぱりと拒否されてしまい、素性に疑念を抱かせることになる。
- ^ 直前まで雇っていた帝国側の帝国軍情報部も《赤い星座》が依頼の完了後もクロスベルに留まり続けていることは妙だと思っていたものの、その理由は把握できていなかった[118]。
- ^ 仕事についての考え方の一例として、「碧」で帝国政府から請け負った依頼の遂行について、殺さずにすますことができたはずだと抗議するランディに対して、「処刑」を請け負ったから「処刑」したということをドライに述べている[96]。
- ^ 「碧」で《風の剣聖》アリオスはこの3名には自分でも太刀打ちできるかどうかわからないと語っており、ミシェルの見立てでも戦闘スタイルの違いもあるものの五分五分ではないかと推測されている[137]。
- ^ ゲーム本編では三日三晩戦えた理由について問うルトガーに対して、アルベリヒは答えを明かさなかったが[193]、ルトガーとバルデルの両名とも決闘の時点で起動者候補となっていたためで、《紫の騎神》が加護を与えていたことによる[書 137]。
- ^ 正確な時期は不明。「閃II」終盤(1204年12月末)の時点でゼノとレオニダスは「団長を取り戻す」と言っているが[257]、この言葉の真意は不明。
- ^ 真の雇い主は《黒の工房》であったことが「閃III」で明かされる[26]。
出典
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- ^ 「閃の軌跡III」中の『黒の史書(2) 魔煌の傀儡兵』より ※「閃の軌跡IV」では巻数は(4)
- ^ 「閃の軌跡IV」中の『黒の史書(13) 黄昏の果てに』より
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- ^ PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト アリサ・ラインフォルトより
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- ^ PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト マキアス・レーグニッツより
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- ^ PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト アッシュ・カーバイドより
- ^ a b PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト ミュゼ・イーグレットより
- ^ PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト ミハイル少佐より
- ^ PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト G・シュミット博士より
- ^ a b PS3/Vita版『閃の軌跡』公式ウェブサイト クレア憲兵大尉より
- ^ PS3/Vita版『閃の軌跡II』公式ウェブサイト カイエン公爵より
- ^ 軌跡シリーズ1『創の軌跡』《隠者》組の素性や新システムの数々を聞いた! 近藤社長ロングインタビュー - ナーディアについて(9m20s〜) - YouTube
- ^ PS Vita版『零の軌跡 Evolution』公式ウェブサイト インタビュー ツァオ・リー役 平川大輔より
- ^ a b PS4版『閃の軌跡III』公式ウェブサイト 《猟兵王》ルトガー・クラウゼルより
- その他
参考書籍
[編集]- シナリオブック、シナリオコレクション
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 空の軌跡FC シナリオブック』新紀元社、2009年9月25日。ASIN 4775307487。ISBN 4775307487。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 空の軌跡SC シナリオブック』新紀元社、2011年4月21日。ASIN 4775309048。ISBN 4775309048。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd シナリオブック』新紀元社、2012年2月2日。ASIN 4775309722。ISBN 4775309722。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 零の軌跡 シナリオブック』新紀元社、2014年7月26日。ASIN 4775312731。ISBN 4775312731。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 碧の軌跡 シナリオブック』新紀元社、2015年3月22日。ASIN 4775313177。ISBN 4775313177。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 閃の軌跡 シナリオブック』新紀元社、2015年6月18日。ASIN 4775313185。ISBN 4775313185。
- 電撃ゲーム書籍編集部(編集)『英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- 公式シナリオコレクション』KADOKAWA、2019年3月30日。ASIN 4049121247。ISBN 4049121247。
- ※ゲーム本編で明らか(明確)になっていない設定のほか、ゲーム本編で語られているものの条件分岐によっては確認できないケースについて、上記「二次出典」でシナリオブックをなるべく出典に加えている。
- 設定資料 / ムック
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 空の軌跡 FC&SC スペシャルコレクションブック』新紀元社、2006年9月25日。ASIN 4775304879。ISBN 4775304879。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 空の軌跡 スペシャルコレクションブックII 〜the 3rd編〜 re-edit ver.』新紀元社、2012年4月23日。ASIN 4775309730。ISBN 4775309730。
- エンタテインメント書籍編集部(編集)『英雄伝説 空の軌跡 FC SC the 3rd ワールドガイダンス』ソフトバンク クリエイティブ、2009年10月1日。ASIN 4797355778。ISBN 4797355778。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 零の軌跡 スペシャルコレクションブック』新紀元社、2011年8月28日。ASIN 4775309374。ISBN 4775309374。
- 新紀元社編集部(制作)『英雄伝説 碧の軌跡 スペシャルコレクションブック』新紀元社、2014年8月12日。ASIN 4775311778。ISBN 4775311778。
- 電撃プレイステーション編集部(編集)『英雄伝説 零の軌跡 碧の軌跡 公式設定資料集 クロスベルアーカイブ』KADOKAWA / アスキー・メディアワークス、2012年4月27日。ASIN 4048707639。ISBN 4048707639。
- 電撃攻略本編集部(編集)『軌跡シリーズ10周年記念本 セプト=アーカイブ』KADOKAWA / アスキー・メディアワークス、2014年12月25日。ASIN 4048666037。ISBN 4048666037。
- 電撃攻略本編集部(編集)『英雄伝説 閃の軌跡 公式ビジュアルコレクション』KADOKAWA、2014年3月27日。ASIN 4048663704。ISBN 4048663704。
- 電撃攻略本編集部(編集)『英雄伝説 閃の軌跡II 公式ビジュアルコレクション』KADOKAWA、2015年3月27日。ASIN 404866980X。ISBN 404866980X。
- 電撃プレイステーション(編集)『電撃プレイステーション 閃の軌跡マガジン』 Vol.1、KADOKAWA、2017年9月14日。ASIN B074JRXNT4。
- 電撃プレイステーション(編集)『電撃プレイステーション 閃の軌跡マガジン』 Vol.2、KADOKAWA、2017年12月31日。ASIN B076DRF4VJ。
- 電撃プレイステーション(編集)『電撃プレイステーション 閃の軌跡マガジン』 Vol.3、KADOKAWA、2018年3月29日。ASIN B01LLCNZY8。
- 電撃プレイステーション(編集)『電撃プレイステーション 閃の軌跡マガジン』 Vol.4、KADOKAWA、2018年9月13日。ASIN B07GSYVVVR。
- 電撃プレイステーション(編集)『電撃プレイステーション 閃の軌跡マガジン』 Vol.5、KADOKAWA、2018年12月13日。ASIN B07KH2LJZM。
- 日本ファルコム(制作・著作)『極秘シノプシス原本~英雄伝説 閃の軌跡~【完全無修正】』日本ファルコム、2018年9月27日。 ※PS4版『閃の軌跡IV』永久保存版・特典
- 日本ファルコム(制作・著作)『極秘シノプシス原本~英雄伝説 閃の軌跡II~【完全無修正】』日本ファルコム、2018年9月27日。 ※同上
- 日本ファルコム(制作・著作)『極秘シノプシス原本~英雄伝説 閃の軌跡III~【完全無修正】』日本ファルコム、2018年9月27日。 ※同上
- 電撃ゲーム書籍編集部(編集)『英雄伝説 閃の軌跡III 公式ビジュアルコレクション』KADOKAWA、2018年3月24日。ASIN 4048932675。ISBN 4048932675。
- 電撃ゲーム書籍編集部(編集)『英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA- 公式ビジュアルコレクション』KADOKAWA、2018年12月29日。ASIN 4049121239。ISBN 4049121239。
- 電撃PlayStation編集部(編集)『軌跡シリーズ15周年記念 閃の軌跡キャラクターマニアクス』KADOKAWA、2019年6月24日。ASIN 4049127210。ISBN 4049127210。
- 小説
- 田沢大典(著)、松竜(イラスト)『英雄伝説 零の軌跡 四つの運命』メディア・パル、2012年1月18日。ASIN 4896102150。ISBN 4896102150。
- 田沢大典(著)、がおう(イラスト)『英雄伝説 碧の軌跡 ショートストーリーズ』メディア・パル、2015年4月10日。ASIN 4896108493。ISBN 4896108493。
- 漫画
- 日本ファルコム(原作)、啄木鳥しんき(作画)『英雄伝説 零の軌跡 プレストーリー -審判の指環-』KADOKAWA / アスキー・メディアワークス、2010年12月18日。ASIN 4048702033。ISBN 4048702033。
- 日本ファルコム(原作)、田沢大典(脚本)、楽時たらひ(イラスト)『レーヴェ物語―空の軌跡外伝』 第1巻、フィールドワイ、2012年3月1日。ASIN 489610224X。ISBN 489610224X。
- 日本ファルコム(原作)、田沢大典(脚本)、楽時たらひ(イラスト)『レーヴェ物語―空の軌跡外伝』 第2巻、フィールドワイ、2012年9月24日。ASIN 4896102517。ISBN 4896102517。
- 日本ファルコム(原作)、田沢大典(脚本)、楽時たらひ(イラスト)『レーヴェ物語―空の軌跡外伝』 第3巻、フィールドワイ、2013年3月11日。ASIN 4896102681。ISBN 4896102681。
- 雑誌
- 『電撃プレイステーション』 Vol.495、KADOKAWA、2011年5月26日。ASIN B0050D2JZ6。
- その他
- 近藤季洋、ほか『ファルコムロングインタビュー』フィールドワイ、2012年7月14日。ASIN 4896102320。ISBN 4896102320。
- 日本ファルコム(原作)、山下憲一(著)、さがら梨々(イラスト)『魔法少女まじかる☆アリサ 決定稿』フィールドワイ(発行)、メディア・パル(発売)、2018年11月27日。ASIN 4802131313。ISBN 4802131313。
外部リンク
[編集]- 公式サイト(登場人物)
- 英雄伝説 空の軌跡
- 英雄伝説 零の軌跡/碧の軌跡
- 英雄伝説 閃の軌跡
- PS3版
- PS4版
- 英雄伝説 創の軌跡