コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マックス・ボルン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マックス・ボルン
マックス・ボルン
生誕 (1882-12-11) 1882年12月11日
ドイツの旗 ドイツ帝国ブレスラウ
死没 (1970-01-05) 1970年1月5日(87歳没)
西ドイツの旗 西ドイツゲッティンゲン
居住 西ドイツの旗 西ドイツ、ゲッティンゲン
市民権 ドイツの旗 ドイツイギリスの旗 イギリス
研究分野 物理学
研究機関 フランクフルト大学
ゲッティンゲン大学
エディンバラ大学
出身校 ゲッティンゲン大学
博士課程
指導教員
カール・ルンゲ
他の指導教員 ヴォルデマール・フォークト
カール・シュヴァルツシルト
博士課程
指導学生
ヴィクター・ワイスコフ
ロバート・オッペンハイマー
ロータル・ヴォルフガング・ノルトハイム英語版
マックス・デルブリュック
ウォルター・エルサッサー
フリードリッヒ・フント
パスクアル・ヨルダン
マリア・ゲッパート=メイヤー
ハーバート・S・グリーン英語版
程開甲
ジークフリート・フリューゲ英語版
エドガー・クラン英語版
モーリス・プライス英語版
Antonio Rodríguez
バーサ・スワールズ英語版
Paul Weiss
彭桓武[1]
他の指導学生 エミール・ウォルフ英語版
主な業績 ボルン・ハーバーサイクル
ボルンの剛体英語版
ボルン近似
ボルン-オッペンハイマー近似
ボルンの規則
主な受賞歴 ノーベル物理学賞(1954年)
ヒューズ・メダル(1950年)
マックス・プランク・メダル(1948年)
配偶者 Hedwig (Hedi) Ehrenberg(1913 - 1970年、子供3人)
署名
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:1954年
受賞部門:ノーベル物理学賞
受賞理由:量子力学、特に波動関数の確率解釈の提唱

マックス・ボルンMax Born, 1882年12月11日 - 1970年1月5日)は、ドイツ理論物理学者1954年ノーベル物理学賞を受賞。

生涯

[編集]

ドイツ東部シュレージエン地方のブレスラウ(現・ポーランド領ヴロツワフ)にユダヤ系の家庭に生まれる。父グスタフ・ボルン(1851 – 1900)は、ブレスラウ大学の解剖学と発生学の教授であった。チューリヒ大学ゲッティンゲン大学などで学んだ。1919年からベルリン大学助教授となり、フランクフルト大学を経て、1921年ゲッティンゲン大学の教授となる。1926年量子力学の確率解釈(統計的解釈)を発表。同胞のロバート・オッペンハイマーと共に「ボルン-オッペンハイマー近似」(ボルン近似とも)と呼ばれる近似法を編み出す。教育者としてもマックス・デルブリュックフリードリッヒ・フントパスクアル・ヨルダンマリア・ゲッパート=メイヤー、ロバート・オッペンハイマー、ヴィクター・ワイスコフらを指導した。

1933年にはドイツでナチス・ドイツが興隆し、ユダヤ人排斥運動によりボルンは教授職を解雇され、同年5月にドイツを離れた[2]。その後、家族を連れて渡英しケンブリッジ大学講師・エディンバラ大学教授に就任する。1939年王立協会フェロー選出。

第二次大戦後の1948年にはマックス・プランク・メダルを、1950年にはヒューズ・メダルを受賞された。1953年エディンバラ大学退職後西ドイツに戻り、ニーダーザクセン州温泉地であるバート・ピルモントに居住[3][4]1954年、量子力学、特に波動関数の確率解釈の提唱によりノーベル物理学賞を受賞した。1957年ゲッティンゲン宣言オットー・ハーンカール・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカーウェルナー・ハイゼンベルクらと共に発表して西ドイツの核武装に反対した[5]1970年ゲッティンゲンで死去。墓所はマックス・プランクも眠るゲッティンゲン市立墓地ドイツ語版にある[6]

1973年マックス・ボルン賞英語版ドイツ物理学会とイギリス物理学院によって設けられた。アメリカ光学会においても、マックス・ボルン賞英語版1982年に設けられた。

逸話

[編集]

オッペンハイマーとおなじく同胞のアルベルト・アインシュタインとの親交も厚く、ラッセル=アインシュタイン宣言にも名を連ねている。アインシュタインの有名な言葉「彼(神)はサイコロを遊びをしない」は1926年にボルンに当てた手紙の中で述べられたものである。門下には、ヴェルナー・ハイゼンベルクジョン・フォン・ノイマンヴォルフガング・パウリら錚々たる物理学者が名を連ねている。

孫の一人にイギリス生まれのオーストラリア歌手であるオリヴィア・ニュートン・ジョンがいる。

脚注

[編集]
  1. ^ China Builds the Bomb by John Wilson Lewis, Litai Xue - GoogleBooks
  2. ^ BORN, MAX - Encyclopedia.com
  3. ^ Max Born”. MacTutor History of Mathematics archive セント・アンドルーズ大学 (2003年10月). 2017年12月11日閲覧。
  4. ^ Max Born - ENCYCLOPEDIA BRITANNICA
  5. ^ Max Born, Physics (1882 to 1970) - Georg-August-Universität Göttingen
  6. ^ Max Born - Find A Grave

関連項目

[編集]