マルハラ
マルハラとは、主にチャットなどのSNSの文面において、句点(。)を使用することで威圧感を与えさせてしまうことを表す造語である。マルハラスメントの略称[1]。
概要
[編集]2024年1月28日放送のAbemaTVの番組、『ABEMA的ニュースショー』で一部ネットで話題になっている現象があるとしてマルハラ(当時は名前がなく番組スタッフが命名)を紹介。放送後、Abema側がネット記事化し各ニュースサイトに配信すると、一気に広がり各メディアもマルハラという名称使用するようになったり、マルハラ特集が増えていった[2]。 若い世代はLINEやXなどで短文を投稿する際に句点を省略することが多いため、句点を文末に付した文章が送られてきたり見かけたりした際に、「投稿者が怒っているように見える」という感覚を抱いたり、冷淡さや威圧感を感じたりするという[3]。
この感覚には年代による差異があり、先述のように若い世代は抱きやすいが、中高年の世代は気に留めていないことが多い[3]。一説には、句点を多用するメールの文体に慣れた中高年の人々がチャットでも同様の文体を使用するために、若い世代にとっては異質なチャットメッセージになってしまうとされている[3]。
筑波大学の岩崎拓也は、若い世代もメールやXでは句読点を普通に使っているとした上で、「マンガなどの吹き出しでは句読点が使われることが少なく、SNSのメッセージは吹き出しで表示されるため、句読点がない方が馴染むのではないか」「世代間ギャップの問題にすぎない」と述べている[4]。また、若い世代が句点にネガティブな意味を持たせるのは同世代間のみであり、若者批判の印象操作とする意見もある[5]。
英語圏でもすでに2020年には同じような指摘があった[6]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “文末の句点に恐怖心? 若者が感じる「マルハラスメント」 SNS時代の対処法は…”. ITmedia NEWS (2024年2月4日). 2024年3月5日閲覧。
- ^ ““LINEで句点「。」は誤解を招く… “マルハラスメント”とは? 若者世代「冷たい、怒ってる、冷めてる、もう会話が終了という意図なのかなと」”. livedoor. 2024年2月2日閲覧。
- ^ a b c ““マルハラ”って何? 上司からの「。」が怖い…「怒っている」「距離感じる」の声 “世代間ギャップ”どうすれば…”. 日本テレビ. 2024年2月19日閲覧。
- ^ “LINEのマルハラ、漫画が影響? 句読点研究の調査と異質な出版社:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年2月29日). 2024年3月7日閲覧。
- ^ “「若者批判の印象操作では?」“マルハラ”報道にZ世代から苦言 「句点にネガティブな意味を持たせるのは同世代間限定」「若者だってTPOを心得ている」”. マネーポストWEB (2024年3月2日). 2024年3月7日閲覧。
- ^ “Full stops can annoy Gen Z, warn linguists” (英語). The Daily Telegraph (2020年8月24日). 2024年3月29日閲覧。