メールドグラース
メールドグラース | |||||||||||||||
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第72回鳴尾記念出走時 (2019年6月1日) | |||||||||||||||
欧字表記 | Mer de Glace[1] | ||||||||||||||
香港表記 | 白朗冰川 | ||||||||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||||||||
性別 | 牡 | ||||||||||||||
毛色 | 黒鹿毛 | ||||||||||||||
生誕 | 2015年5月26日(9歳) | ||||||||||||||
抹消日 | 2021年2月11日[2] | ||||||||||||||
父 | ルーラーシップ | ||||||||||||||
母 | グレイシアブルー | ||||||||||||||
母の父 | サンデーサイレンス | ||||||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町) | ||||||||||||||
生産者 | ノーザンファーム | ||||||||||||||
馬主 | (有)キャロットファーム | ||||||||||||||
調教師 | 清水久詞(栗東) | ||||||||||||||
厩務員 | 林順二[3] | ||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||
生涯成績 |
19戦8勝 国内:17戦7勝 海外:2戦1勝 | ||||||||||||||
獲得賞金 |
4億2864万300円[2] 日本:1億8346万8000円[1] 海外:2億4517万2300円 (豪州)316万豪ドル[4][5] | ||||||||||||||
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メールドグラースは、日本の競走馬、トルコの種牡馬。主な勝ち鞍は2019年のコーフィールドカップ、新潟大賞典、鳴尾記念、小倉記念[1]。
馬名の意味は「フランスのメール・ド・グラース氷河より。母名より連想」[2]。
戦績
[編集]2015年5月26日に北海道安平町のノーザンファームで生産され、一口馬主法人「キャロットクラブ」より、総額2800万円(一口7万円×400口)で募集された[6]。育成はノーザンファーム早来で行われたが、馬体や動きが目を引くような馬ではなかった[7]。
2017年、栗東・清水久詞厩舎に入厩し、9月の阪神競馬場の2歳新馬戦でデビューするが3着。初勝利は2018年3月に入ってから6戦目の小倉競馬場3歳未勝利戦で挙げ、8月に10戦目で同じ小倉競馬場の3歳上500万下で2勝目を挙げた。
1000万下クラスに昇級後2連敗するが、明け5歳となった2018年1月6日に京都競馬場の4歳上1000万下を制し3勝目を挙げると、次走2月23日に阪神競馬場の尼崎ステークス(1600万下)で昇級戦に連勝しオープンクラスに昇級。4月29日に新潟競馬場の新潟大賞典(GIII)にダミアン・レーンで重賞初出走し、ハンデキャップの負担重量54㎏で7番人気と低ハンデの伏兵の評価ながら快勝して1000万下の条件戦から昇級戦を3連勝で重賞初制覇した[7]。なお、5月1日に元号が令和へ改元され、この競走は平成最後の重賞競走となったことから同馬は平成最後の重賞馬と紹介されることもある[8]。
続いて6月1日、引き続きレーン騎乗で鳴尾記念(GIII)に1番人気で出走し、4連勝で重賞2勝目[9]。さらに8月4日の小倉記念(GIII)に川田将雅騎乗で出走し、新潟大賞典から一転して負担重量57.5㎏のトップハンデを課せられながら、1番人気に応えて5連勝での重賞3勝目を飾った[10]
10月19日、オーストラリアに海外遠征してコーフィールドカップにG1初挑戦。日本で重賞2勝を上げたレーンが騎乗、好スタートから道中は後方に待機し、直線に入ってから大外から追い込み残り150メートルで先頭に立ちそのまま押し切り重賞4勝目、2019年に入ってから6連勝でG1初制覇を成し遂げた。調教師の清水にとっても海外重賞初制覇となった[11]。
G1連勝をかけて11月5日のメルボルンカップに引き続きレーン鞍上で出走。しかし、直線で伸びきれず、コーフィールドカップで2着に下したヴァウアンドディクレアの6着に終わり、1000万下からの連勝は6でストップした[12]。その後、左前脚に屈腱炎を発症していたことが判明。経過観察を行う事となったが[13]患部が思うように回復せず、2021年2月9日に引退することが発表された[14]。
競走成績
[編集]以下の内容は、netkeiba.comの情報[15]およびレーシングオーストラリア[4][5]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭数 | 枠番 | 馬番 | オッズ(人気) | 着順 | タイム(上がり3F) | 着差 | 騎手 | 斤量[kg] | 1着馬(2着馬) | 馬体重[kg] |
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2017. 9.30 | 阪神 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 11 | 5 | 5 | 9.3 (2人) | 3着 | 1:50.2(34.2) | 0.3 | 荻野極 | 53 | アドマイヤキング | 456 | |
11. 4 | 東京 | 2歳未勝利 | 芝2000m(良) | 12 | 5 | 6 | 6.1 (3人) | 3着 | 2:02.8(34.1) | 0.2 | 福永祐一 | 55 | コズミックフォース | 456 | |
11.25 | 京都 | 2歳未勝利 | 芝1800m(良) | 15 | 7 | 13 | 6.2 (2人) | 3着 | 1:50.3(35.2) | 0.1 | 福永祐一 | 55 | ドラセナ | 462 | |
12.23 | 阪神 | 2歳未勝利 | 芝1600m(良) | 18 | 3 | 6 | 3.9 (2人) | 3着 | 1:35.3(34.7) | 0.6 | 福永祐一 | 55 | ブランモンストル | 462 | |
2018. 1.20 | 京都 | 3歳未勝利 | 芝2000m(稍) | 15 | 6 | 11 | 12.0 (5人) | 12着 | 2:04.9(36.2) | 1.2 | 福永祐一 | 56 | ジャックバローズ | 464 | |
3. 3 | 小倉 | 3歳未勝利 | 芝2000m(良) | 18 | 7 | 14 | 5.2 (3人) | 1着 | 2.01.1(36.0) | -0.2 | 藤岡佑介 | 56 | (サトノグリッター) | 466 | |
3.24 | 中京 | 大寒桜賞 | 500万下 | 芝2200m(稍) | 11 | 7 | 8 | 34.4 (8人) | 3着 | 2.17.8(35.2) | 0.0 | 中谷雄太 | 56 | ダノンマジェスティ | 462 |
4.15 | 阪神 | 3歳500万下 | 芝2000m(重) | 10 | 1 | 1 | 7.4 (4人) | 6着 | 2.03.2(36.0) | 1.2 | 荻野極 | 55 | タニノフランケル | 462 | |
5.26 | 京都 | 3歳500万下 | 芝2000m(良) | 12 | 2 | 2 | 3.6 (2人) | 2着 | 2.00.7(33.7) | 0.2 | C.ルメール | 56 | キボウノダイチ | 462 | |
8.12 | 小倉 | 3歳上500万下 | 芝2000m(良) | 10 | 7 | 7 | 2.5 (1人) | 1着 | 1.59.5(34.7) | -0.2 | 北村友一 | 54 | (サンライズサーカス) | 470 | |
9.29 | 中山 | 習志野特別 | 1000万下 | 芝2000m(稍) | 16 | 2 | 3 | 7.3 (4人) | 9着 | 2.02.9(35.3) | 1.1 | 石橋脩 | 54 | マイネルファンロン | 468 |
12. 8 | 阪神 | 境港特別 | 1000万下 | 芝2200m(良) | 10 | 4 | 4 | 11.3 (5人) | 2着 | 2.12.2(35.6) | 0.3 | 川田将雅 | 53 | シルヴァンジャー | 472 |
2019. 1. 6 | 京都 | 4歳上1000万下 | 芝2200m(良) | 9 | 8 | 9 | 2.4 (1人) | 1着 | 2.17.6(34.7) | -0.0 | 川田将雅 | 56 | (ダブルフラット) | 482 | |
2.23 | 阪神 | 尼崎S | 1600万下 | 芝2200m(良) | 9 | 6 | 6 | 5.1 (3人) | 1着 | 2.12.4(35.0) | -0.3 | 川田将雅 | 56 | (センテリュオ) | 476 |
4.29 | 新潟 | 新潟大賞典 | GIII | 芝2000m(良) | 16 | 8 | 15 | 15.8 (7人) | 1着 | 1.58.6(33.0) | -0.1 | D.レーン | 54 | (ミッキースワロー) | 478 |
6. 1 | 阪神 | 鳴尾記念 | GIII | 芝2000m(良) | 9 | 7 | 7 | 2.7 (1人) | 1着 | 1.59.6(34.6) | -0.2 | D.レーン | 56 | (ブラックスピネル) | 476 |
8. 4 | 小倉 | 小倉記念 | GIII | 芝2000m(良) | 13 | 6 | 8 | 2.6 (1人) | 1着 | 1.58.8(34.9) | -0.0 | 川田将雅 | 57.5 | (カデナ) | 480 |
10.19 | コーフィールド | コーフィールドC | G1 | 芝2400m(良) | 18 | 17 | 3 | 1着 | 2.30.16 | D.レーン | 55.5 | (Vow and Declare) | 計不 | ||
11. 5 | フレミントン | メルボルンC | G1 | 芝3200m(重) | 24 | 2 | 2 | 6着 | D.レーン | 56 | Vow and Declare | 計不 |
引退後
[編集]2021年2月11日の競走馬登録抹消に際して北海道苫小牧市のノーザンホースパークで乗馬となる予定と発表されていたが[16]、3月30日にトルコで種牡馬入りすることがターキッシュ・ブラッドストックから発表された[17]。
2021年5月にトルコに輸出[18]。トルコにおける繋養者は、スマートロビンと同じオズチョラック牧場(Özçolak Harası)である[19]。
2023年に初年度産駒が誕生し、27頭が血統登録された[20]。
血統表
[編集]メールドグラースの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系 |
[§ 2] | ||
父 ルーラーシップ 2007 鹿毛 |
父の父 キングカメハメハ2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
父の母 エアグルーヴ1993 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | ||
Severn Bridge | ||||
ダイナカール | *ノーザンテースト | |||
シャダイフェザー | ||||
母 グレイシアブルー 2002 青鹿毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
母の母 *ブルーラスターBlue Lustrer 1994 青鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | ||
River Lady | ||||
Blue Note | Habitat | |||
Balsamique | ||||
母系(F-No.) | (FN:16) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Nureyev 5×3=15.63%、Northern Dancer 5×4=9.38% | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “メールドグラース”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年1月31日閲覧。
- ^ a b c “競走馬情報 メールドグラース”. 日本中央競馬会. 2023年10月15日閲覧。
- ^ “豪G1コーフィールドC出走のメールドグラースが1週前追い切り”. JRA-VAN Ver.World. 2022年8月20日閲覧。
- ^ a b “Race 9 - 5:15PM Stella Artois Caulfield Cup (2400 METRES)”. Racing Australia (2019年10月19日). 2023年10月15日閲覧。
- ^ a b “Race 7 - 3:00PM Lexus Melbourne Cup (3200 METRES)”. Racing Australia (2019年11月5日). 2023年10月15日閲覧。
- ^ “メールドグラースの新馬データ”. netkeiba.com. 2019年8月18日閲覧。
- ^ a b “2019年04月29日 新潟大賞典 G3”. 競走馬のふるさと案内所. 2019年8月18日閲覧。
- ^ “伏兵メールドグラース平成最後の重賞V/新潟大賞典”. 日刊スポーツ. (2019年4月29日) 2020年5月20日閲覧。
- ^ “【鳴尾記念】メールドグラースが突き抜け4連勝&重賞2連勝!/JRAレース結果”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2019年6月1日). 2023年10月15日閲覧。
- ^ “【小倉記念】メールドグラースが外から突き抜け5連勝!/JRAレース結果”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2019年8月4日). 2023年10月15日閲覧。
- ^ “レース結果・回顧:2019年コーフィールドカップ 海外競馬発売 ”. 日本中央競馬会. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “【メルボルンC】メールドグラース6着で連勝ストップ 折り合い欠き直線伸びきれず”. netkeiba.com 2020年6月26日閲覧。
- ^ “【JRA】メールドグラースが屈腱炎発症 帰国後は経過観察”. netkeiba.com 2020年6月26日閲覧。
- ^ “19年コーフィールドC覇者メールドグラース 屈腱不全断裂で現役引退”. スポーツニッポン 2021年2月9日閲覧。
- ^ “メールドグラース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年10月21日閲覧。
- ^ “メールドグラースの競走馬登録抹消 19年コーフィールドC制覇”. スポーツ報知. (2021年2月12日) 2021年2月12日閲覧。
- ^ “乗馬予定のメールドグラースがトルコで種牡馬入り”. 日刊スポーツ 2021年3月30日閲覧。
- ^ @trk_tkc (2021年5月28日). "🏆G1 Caulfield Cup Winner MER DE GLACE 🇹🇷 🇯🇵 arrived safely in Turkey". X(旧Twitter)より2023年9月29日閲覧。
- ^ “İngiliz Aygırlarımız”. Özçolak Harası. 2023年7月29日閲覧。
- ^ “Origin Query”. Jockey Club of Turkey. 2023年7月29日閲覧。
- ^ a b c “メールドグラース 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 2019年8月18日閲覧。
- ^ “メールドグラース - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年2月12日閲覧。
- ^ a b “メールドグラースの血統表”. netkeiba.com. 2019年8月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post