コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

カデナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カデナ
2017年天皇賞(秋)
欧字表記 Cadenas[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2014年3月30日(10歳)[1]
抹消日 2022年11月2日[2]
ディープインパクト[1]
フレンチリヴィエラ[1]
母の父 フレンチデピュティ[1]
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町[1]
生産者 グランド牧場[1]
馬主 前田幸治[1]
調教師 中竹和也栗東[1]
競走成績
生涯成績 42戦4勝[1]
獲得賞金 2億3081万5000円[1]
勝ち鞍
GII 弥生賞 2017年
GIII 京都2歳S 2016年
GIII 小倉大賞典 2020年
テンプレートを表示

カデナ(欧字名:Cadenas2014年3月30日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍は2016年京都2歳ステークス2017年弥生賞2020年小倉大賞典

馬名の意味は、フランス語で「南京錠[3]

戦績

[編集]

デビュー前

[編集]

2014年3月30日、北海道新ひだか町グランド牧場で誕生。同年のセレクトセール当歳馬市場においてノースヒルズによって3500万円(税抜)で落札される[4]。牧場時代のカデナについて、グランド牧場の伊藤社長は「物覚えの良い馬で、小ぶりでしたが馬体が柔らかかったので大きく成長させて行けば良い馬になると思っていました。父がディープインパクトということで期待も大きかったです」と回想している[5]

2歳(2016年)

[編集]

栗東中竹和也厩舎に入厩。9月10日の新馬戦武豊を背にデビューし、上がり3F33秒1の末脚を繰り出すも2着となる。2戦目の未勝利戦で勝ち上がると、福永祐一が初騎乗した百日草特別(500万下)では上がり3F33秒4の末脚でアドマイヤミヤビの2着に入った。続く京都2歳ステークスでは直線で大外を一気に突き抜け、2着ヴァナヘイムに1馬身1/4差をつけて重賞初制覇を果たした[6]

3歳(2017年)

[編集]

始動戦となった弥生賞では「調教の動きからはもう少しかな」と福永が述べるほどの状態ではあったが1番人気に推され、逃げるマイスタイルをゴール前で交わして重賞連勝を果たす[7]。クラシック初戦の皐月賞では牝馬のファンディーナ共同通信杯勝ち馬スワーヴリチャードに次ぐ3番人気に推されたが、直線で伸びずに9着に沈んだ。福永は敗因として輸送による馬体減と荒れていながら乾いて硬い特殊な馬場状態を挙げた[8]。続く東京優駿(日本ダービー)では後方のまま見せ場なく11着と大敗を喫した[9]

秋は神戸新聞杯9着、天皇賞(秋)16着と精彩を欠いた[10]

4歳(2018年)

[編集]

弥生賞と同舞台で行われる中山金杯から始動したが、10着に敗れる。その後はマイル戦に活路を求めるなど試行錯誤がなされるもスランプからの脱却は叶わず、大敗が続いた[10]

5歳(2019年)

[編集]

休養明けの大阪城ステークスは14着に沈み、続く福島民報杯でも11番人気の評価に留まっていたが、1000m通過57秒4のハイペースで先行勢が総崩れとなる中、後方から追い込んで久々の馬券内となる3着に入った。続く巴賞でも後方から追い込んで2戦続けての3着に好走。5走ぶりの重賞出走となった小倉記念では直線序盤で進路が無くなる場面がありながらラストは鋭く追い込み、勝ち馬メールドグラースにクビ差の2着に食い込んで復調を示した[11]。次戦の新潟記念でも最後方追走から上がり3F最速タイの33秒6の末脚で追い込み、4戦連続馬券内となる3着に入った[12]。次走の天皇賞(秋)は13着に大敗し、この年を終える。

6歳(2020年)

[編集]

前年の福島民報杯以来のコンビとなる鮫島克駿を鞍上に迎えて中山金杯から始動。ここは11着に敗れたものの、続く小倉大賞典では後方待機から直線で外に持ち出し後続に0.3秒差を付ける快勝を飾り、弥生賞以来約3年振りの勝利となった。また、鞍上の鮫島にとっては44回目の騎乗で初のJRA重賞制覇となった[13][14]。続く大阪杯は12頭立て11番人気での出走となったが、メンバー中最速の上がりで最内から伸びて4着に入る走りを見せた[15]。次走の宝塚記念は12着と惨敗。続く新潟記念はトップハンデ58kgで出走し、後方から追い込むが6着。秋は毎日王冠で4着に入るが、天皇賞(秋)は8着と凡退に終わる。

7歳(2021年)

[編集]

7歳になり、年明けは中山金杯から始動し11着に敗れる。連覇を狙った小倉大賞典は6着に敗れ、連覇とはならず。続く大阪杯は6着に敗れる。最低人気での出走となった安田記念は最後方から上がり3位の脚で追い込むが6着に終わった。続く宝塚記念は騎乗予定だった松山弘平が当日負傷したため、急遽浜中俊に騎乗変更となった。レースは道中最後方から上がり2位の脚を使うも7着に終わった。秋初戦となった毎日王冠は10着と惨敗に終わる。

8歳(2022年)

[編集]

8歳初戦として、初のダート戦となる東海ステークスに出走。12番人気の低評価であったが、5着に入賞した。この後、芝に戻り2月の小倉大賞典では3着と好走する。しかし、その後は凡走が続き、同年10月30日の第166回天皇賞での12着が現役最後のレースとなった。同年11月2日付でJRAの競走馬登録を抹消され、引退後は北海道新ひだか町アロースタッド種牡馬となる予定である[2][16]

競走成績

[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[10]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2016.09.10 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 10 1 1 003.10(2人) 02着 R1:38.5(33.1) -0.0 0武豊 54 シグルーン 454
0000.10.01 阪神 2歳未勝利 芝1800m(稍) 16 8 15 001.70(1人) 01着 R1:49.1(35.0) -0.1 0武豊 55 (ガンサリュート) 458
0000.11.06 東京 百日草特別 500万下 芝2000m(良) 11 1 1 005.70(3人) 02着 R2:03.5(33.4) -0.1 0福永祐一 55 アドマイヤミヤビ 458
0000.11.26 京都 京都2歳S GIII 芝2000m(良) 10 3 3 003.80(3人) 01着 R2:02.6(33.6) -0.2 0福永祐一 55 (ヴァナヘイム) 460
2017.03.05 中山 弥生賞 GII 芝2000m(良) 12 8 11 003.30(1人) 01着 R2:03.2(34.6) -0.1 0福永祐一 56 マイスタイル 460
0000.04.16 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 2 4 007.20(3人) 09着 R1.58.3(34.4) -0.5 0福永祐一 57 アルアイン 452
0000.05.28 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 7 13 017.10(8人) 11着 R2:27.7(33.5) -0.8 0福永祐一 57 レイデオロ 454
0000.09.24 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400m(良) 14 7 11 015.60(6人) 09着 R2:25.9(35.1) -1.3 0福永祐一 56 レイデオロ 464
0000.10.29 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(不) 18 8 16 147.4(17人) 16着 R2:15.8(44.9) -7.5 0福永祐一 56 キタサンブラック 466
2018.01.06 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 17 8 17 015.70(5人) 10着 R2:00.3(34.7) -0.5 0福永祐一 56 セダブリランテス 468
0000.02.04 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 16 7 13 043.3(10人) 14着 R1.34.9(34.0) -0.8 0福永祐一 56 リスグラシュー 462
0000.04.22 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 14 8 13 083.70(9人) 14着 R1:33.4(35.7) -2.1 0幸英明 56 サングレーザー 470
0000.07.15 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 15 2 2 040.4(11人) 11着 R2:00.6(34.8) -0.8 0藤岡康太 56 エアアンセム 470
0000.11.17 京都 アンドロメダS OP 芝2000m(良) 15 6 10 027.50(9人) 07着 R2:01.0(33.9) -0.6 0北村友一 56 ドレッドノータス 480
2019.03.03 阪神 大阪城S L 芝1800m(良) 15 1 1 021.5(10人) 14着 R1:47.7(36.5) -1.6 0藤岡佑介 56 スピリッツミノル 488
0000.04.14 福島 福島民報杯 L 芝2000m(良) 15 4 7 033.7(11人) 03着 R1:58.8(36.0) -0.2 0鮫島克駿 56 レッドローゼス 476
0000.06.30 函館 巴賞 OP 芝1800m(稍) 16 6 12 019.40(9人) 03着 R1:47.5(35.3) -0.1 0藤岡佑介 56 スズカデヴィアス 484
0000.08.04 小倉 小倉記念 GIII 芝2000m(良) 13 6 9 016.80(6人) 02着 R1:58.8(34.7) -0.0 0北村友一 56 メールドグラース 474
0000.09.01 新潟 新潟記念 GIII 芝2000m(良) 18 3 6 014.20(8人) 03着 R1:57.8(33.6) -0.3 0武藤雅 57 ユーキャンスマイル 478
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 16 1 1 126.0(10人) 13着 R1:58.4(34.7) -2.2 0藤岡佑介 58 アーモンドアイ 472
2020.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 17 8 15 020.10(7人) 11着 R2:00.1(34.8) -0.6 0鮫島克駿 57 トリオンフ 474
0000.02.23 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 14 2 2 018.10(4人) 01着 R1:48.3(35.1) -0.3 0鮫島克駿 57 (ドゥオーモ) 474
0000.04.05 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(良) 12 8 11 068.2(11人) 04着 R1:58.6(33.5) -0.2 0鮫島克駿 57 ラッキーライラック 486
0000.06.28 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(稍) 18 8 17 082.50(9人) 12着 R2:16.8(38.5) -3.3 0鮫島克駿 58 クロノジェネシス 486
0000.09.06 新潟 新潟記念 GIII 芝2000m(良) 18 7 14 011.80(6人) 06着 R2:00.2(32.3) -0.3 0鮫島克駿 58 ブラヴァス 476
0000.10.11 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(稍) 11 8 10 025.00(6人) 04着 R1:46.1(34.2) -0.6 0三浦皇成 56 サリオス 476
0000.11.01 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 12 2 2 146.1(11人) 08着 R1:59.2(33.9) -1.4 0田辺裕信 58 アーモンドアイ 478
2021.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 17 3 6 013.50(6人) 11着 R2:01.8(34.6) -0.9 0三浦皇成 58 ヒシイグアス 480
0000.02.21 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 16 1 1 012.50(5人) 06着 R1:46.0(34.7) -0.5 0菅原明良 58 テリトーリアル 476
0000.04.04 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(重) 13 7 10 182.5(11人) 06着 R2:03.0(37.2) -1.4 0鮫島克駿 57 レイパパレ 484
0000.06.06 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 14 6 10 167.9(14人) 06着 R1:32.2(33.2) -0.5 0武豊 58 ダノンキングリー 480
0000.06.27 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 13 6 8 074.00(8人) 07着 R2:12.2(34.9) -1.3 0浜中俊 58 クロノジェネシス 482
0000.10.10 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 13 5 6 039.4(10人) 10着 R1:45.8(33.8) -1.0 0田辺裕信 56 シュネルマイスター 476
0000.10.31 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 16 1 2 257.8(15人) 16着 R1:59.7(33.8) -1.8 0田辺裕信 58 エフフォーリア 478
2022.01.23 中京 東海S GII ダ1800m(良) 16 4 8 052.0(12人) 05着 R1:52.2(37.2) -0.5 0和田竜二 56 スワーヴアラミス 494
0000.02.20 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(稍) 16 4 7 017.20(8人) 03着 R1:49.5(35.1) -0.3 0泉谷楓真 57.5 アリーヴォ 484
0000.03.27 中山 マーチS GIII ダ1800m(重) 16 7 13 017.90(8人) 05着 R1:51.2(37.3) -1.0 0三浦皇成 57.5 メイショウハリオ 474
0000.04.17 阪神 アンタレスS GIII ダ1800m(良) 16 2 3 028.90(8人) 06着 01:51.0(36.6) -0.5 0池添謙一 57 オメガパフューム 482
0000.05.21 中京 平安S GIII ダ1900m(良) 16 1 1 035.00(9人) 08着 R1:58.4(36.2) -1.4 0武豊 57 テーオーケインズ 488
0000.07.24 小倉 中京記念 GIII 芝1800m(良) 16 7 13 017.30(8人) 06着 R1:46.3(33.9) -0.4 0今村聖奈 57.5 ベレヌス 478
0000.08.14 小倉 小倉記念 GIII 芝2000m(良) 15 5 10 015.70(8人) 07着 R1:58.7(35.3) -1.3 0今村聖奈 57.5 マリアエレーナ 478
0000.10.30 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 15 8 15 286.9(15人) 12着 R1:58.4(33.2) -0.9 0三浦皇成 58 イクイノックス 478

血統表

[編集]
カデナ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

*フレンチリヴィエラ
French Riviera
1999 栗毛
*フレンチデピュティ
French Deputy
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lase
母の母
Actinella
1990 鹿毛
Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Aerturas *マナード
Amiel
母系(F-No.) 1号族(FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [17]
  2. ^ [18]
  3. ^ [17]
  4. ^ [17]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o カデナ”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月30日閲覧。
  2. ^ a b “カデナが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会. https://www.jra.go.jp/news/202211/110201.html 2022年11月2日閲覧。 
  3. ^ 競走馬登録馬名簿・馬名意味. JRA. 2019年8月9日閲覧
  4. ^ ■セレクトセール2014 セール結果”. 一般社団法人 日本競走馬協会. 2019年8月9日閲覧。
  5. ^ a b c 2017年03月05日 弥生賞 G2”. 競走馬のふるさと案内所. 2019年8月9日閲覧。
  6. ^ 【京都2歳S】カデナ、大外から差し切って重賞初V”. サンケイスポーツ (2016年11月26日). 2019年8月9日閲覧。
  7. ^ 【弥生賞】カデナ最速の末脚奏で重賞連勝 いざ皐月賞へ!”. デイリースポーツ (2017年3月6日). 2019年8月9日閲覧。
  8. ^ 福永祐一 (2017年5月2日). “【ユーイチの眼】皐月賞回顧『カデナ9着 特殊な馬場で切れ味生かし切れず』”. netkeiba.com. 2019年8月9日閲覧。
  9. ^ 福永祐一 (2017年5月30日). “【ユーイチの眼】ダービー回顧『攻めたクリストフと攻めなかった自分』”. netkeiba.com. 2019年8月9日閲覧。
  10. ^ a b c カデナ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年8月9日閲覧。
  11. ^ 【小倉記念】ディープ産駒カデナ、父譲りの末脚で猛追2着”. サンケイスポーツ (2019年8月5日). 2019年8月9日閲覧。
  12. ^ 新潟記念(G3) レース結果”. netkeiba.com. 2019年9月1日閲覧。
  13. ^ 【小倉大賞典】カデナが復活V!直線突き抜け快勝 鮫島駿は念願の重賞初制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年4月6日閲覧。
  14. ^ 【大阪杯】カデナと夢成就!鮫島駿G1初栄冠に闘志「先輩に食らいついて」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年4月6日閲覧。
  15. ^ 【大阪杯】カデナ4着、最速末脚33秒5!”. サンスポZBAT!競馬 (2020年4月6日). 2020年4月6日閲覧。
  16. ^ カデナ競走馬登録抹消、種牡馬 - 競馬実況web(ラジオNIKKEI)2022年11月2日
  17. ^ a b c 血統情報:5代血統表|カデナ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年12月5日閲覧。
  18. ^ カデナの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年12月5日閲覧。

外部リンク

[編集]