コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

モアザンレディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モアザンレディ
欧字表記 More Than Ready
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1997年4月4日[2]
死没 2022年8月26日(25歳没)
サザンヘイロー[2]
Woodman's Girl[2]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Woodlynn Farm, Inc.[2]
馬主 James T. Scatuorchio[2]
調教師 Todd A. Pletcher(アメリカ)[2]
競走成績
生涯成績 17戦7勝[2]
獲得賞金 1,026,229ドル[2]
勝ち鞍
GI キングスビショップステークス 2000年
GII サンフォードステークス 1999年
GII ハッチソンステークス 2000年
GIII トレモントステークス 1999年
テンプレートを表示

モアザンレディMore Than Ready 1997年4月4日 - 2022年8月26日)は、アメリカ合衆国で生産・調教された競走馬種牡馬。モアザンレディとは英語で「やる気満々」の意味。

経歴

[編集]

各競走の出典については競走成績の節を参照。

現役時代

[編集]

1999年4月11日のキーンランド競馬場の未勝利戦(ダート4.5ハロン)でジョン・ヴェラスケスを鞍上にデビューを迎える。2番人気で臨んだレースは2着に7馬身1/2差のぶっちぎりで勝利。そこからグレードレース2つを含む5連勝を飾る。

その勢いのままフューチュリティステークス(ダート8ハロン)・シャンペンステークス(ダート8.5ハロン)と続けてG1に出走するがそれぞれ3着と5着に敗退。2歳シーズンを7戦5勝で終えた。

2000年の3歳シーズンは1月のG2ハッチスンステークス英語版(ダート7ハロン)から始動し、このレースは同着での優勝。G2ルイジアナダービー(ダート8.5ハロン)・G1[注 1]ブルーグラスステークス(ダート9ハロン)に出走するがいずれも2着に終わる。

そして本番のケンタッキーダービー(ダート10ハロン)を迎える。グレードレース2つを含む4連勝中のフサイチペガサスが1番人気、前走サンタアニタダービーで勝ってきたザ・デピュティが2番人気、モアザンレディは12.3倍の6番人気だった。レースは道中3番・4番手で進み、直線では一時2番手に上がるシーンもあったが、伸びずに4着に終わった。

その後もG2[注 2]ドワイヤーステークス(ダート8.5ハロン)で2着。G1ハスケル招待ハンデ(ダート9ハロン)で4着と勝ちきれない状態が続く。

そして8月末のG1キングスビショップステークス(ダート7ハロン)に騎手をパット・デイに代えて出走。六番人気のバリアントハロリーに1馬身と1/2の差を着けてG1初勝利となった。

その後、ヴォスバーグステークス(ダート7ハロン)・BCスプリント(ダート6ハロン)・シガーマイルハンデキャップ(ダート8ハロン)とG1を三戦するが、2着・5着・4着に終わる。この年をもって現役を引退、種牡馬となった[3]

競走成績

[編集]
出走日 競馬場 競走名 頭数 人気 着順 騎手 斤量(ポンド) 距離 馬場状態 タイム 着差 1着(2着)馬 出典
1999.4.11 キーンランド メイデン 8頭 2人 1着 J.ヴェラスケス 118 D4.5F 51.91 7 1/2身 (No Limit Soldier) [Race 1]
5.1 チャーチルダウンズ WHAS-11 S LS 12頭 2人 1着 J.ヴェラスケス 117 D5F 57.82 4 1/4身 (House Burner) [Race 2]
6.4 ベルモントパーク フラッシュ S LS 6頭 1人 1着 J.ヴェラスケス 119 D5F 57.10 アタマ (Diblos Addition) [Race 3]
7.4 ベルモントパーク トレモント S G3 6頭 1人 1着 J.ヴェラスケス 119 D5.5F R1.02.56 4 1/2身 (Afternoon Affair) [Race 4]
7.29 サラトガ サンフォード S G2 5頭 1人 1着 J.ヴェラスケス 122 D6F 1.09.65 9 3/4身 (Mighty) [Race 5]
9.19 ベルモントパーク フューチュリティ S G1 8頭 1人 3着 J.ヴェラスケス 122 D8F - 3/4身 Bevo [Race 6]
10.9 ベルモントパーク シャンペン S G1 7頭 1人 5着 J.ヴェラスケス 122 D8.5F - 9 3/4身 Greenwood Lake [Race 7]
2000. 1.29 ガルフストリーム ハッチスンS G2 8頭 1人 1着 J.ヴェラスケス 122 D7F 1.21.76 同着 Summer Lake [Race 8]
3.12 フェアグラウンズ ルイジアナダービー G2 10頭 3人 2着 J.ヴェラスケス 122 D8.5F - 2身 Mighty [Race 9]
4.15 キーンランド ブルーグラスS G1 8頭 4人 2着 J.ヴェラスケス 123 D9F アタマ High Yield [Race 10]
5. 6 チャーチルダウンズ ケンタッキーダービー G1 19頭 6人 4着 J.ヴェラスケス 126 D10F 6身 Fusaichi Pegasus [Race 11]
7. 9 ベルモントパーク ドワイヤーS G2 4頭 2人 2着 J.ヴェラスケス 119 D8.5F 3身 Albert the Great [Race 12]
8. 6 モンマスパーク ハスケル招待H G1 9頭 2人 4着 R.ミグリオーレ 119 D9F 7 1/4身 Dixie Union [Race 13]
8.26 サラトガ キングスビショップS G1 6頭 1人 1着 P.デイ 124 D7F 1.22.49 1 1/2身 (Valiant Halory) [Race 14]
9.23 ベルモントパーク ヴォスバーグS G1 10頭 1人 2着 P.デイ 123 D7F 1/2身 Trippi [Race 15]
11. 4 チャーチルダウンズ BCスプリント G1 14頭 3人 5着 P.デイ 124 D6F 3 1/2身 Kona Gold [Race 16]
11.25 アケダクト シガーマイルH G1 11頭 2人 4着 P.デイ 119 D8F 5 1/2身 El Corredor [Race 17]

種牡馬時代

[編集]

ケンタッキー州のヴァイナリースタッドで種牡馬入り、初年度の種付け料は2万5千ドル[3]。同時にオーストラリアのヴァイナリースタッドでもシャトル種牡馬として種付けを行った。初年度産駒からオーストラリアでG1勝ち馬が3頭登場、G1を計8勝・オーストラリアの最優秀古馬牝馬に選ばれたモアジョイアス英語版を筆頭に多数の活躍馬を送り出した。2011年には本国アメリカでもG1勝ち馬が誕生し、2014年からウインスターファームに移動[4]。自身が敗れたBCスプリントに優勝したロイエイチなどアメリカでも多数の活躍馬を出した。2018年時点での種付け料はアメリカで7万5千ドル[5]・オーストラリアで6万6千豪ドル[6]

後継種牡馬もすでに活動を始めており、G1を2勝したセブリング英語版がオーストラリア年度代表馬のディシデントを筆頭に活躍馬を多数送り出している[7]

日本では2022年4月9日にジャングロがニュージーランドトロフィーを勝ち、重賞初勝利を挙げている[8]

2022年8月26日に老衰のため死亡[9]

主な産駒

[編集]

パート1国のG1勝ち馬のみ。

ブルードメアサイアーとしての主な産駒

[編集]

血統表

[編集]
More Than Ready血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系
[§ 2]

サザンヘイロー
1983 鹿毛 アメリカ
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Northern Sea
1974 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Sea Saga Sea-Bird
Shama

Woodmans Girl
1990 鹿毛 アメリカ
Woodman
1983 栗毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
プレイメイト Buckpasser
Intriguing
母の母
Becky Be Good
1981 鹿毛
Naskra Nasram
Iskra
Good Landing First Landing
Best Side
母系(F-No.) (FN:F1-s) [§ 3]
5代内の近親交配 Turn-to 4×5 Almahmoud 4×5 Native Dancer 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ https://www.jbis.or.jp/horse/0000372626/pedigree/
  2. ^ https://www.jbis.or.jp/horse/0000372626/pedigree/
  3. ^ https://www.jbis.or.jp/horse/0000372626/pedigree/
  4. ^ https://www.jbis.or.jp/horse/0000372626/pedigree/

母 Woodmans Girl はアメリカで3勝、のちにプエルトリコへ移籍したが目立った成績は挙げていない。曾祖母 Good Landing から広がる牝系には多数の活躍馬が出ている。母の半妹 Bail Out Becky はデルマーオークスの勝ち馬。その孫にBCフィリー&メア・ターフなどG1 5勝のステファニーズキトゥン。祖母の半姉 Landera の仔にハリウッド金杯などG1 2勝のCutlass Reality。Landrea の孫にトラヴァーズステークスの Ten Most Wanted。同じく祖母の半姉 My Locket の仔にミレイディハンデキャップ[注 3]のSeldom Seen Sue。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 現在はG2
  2. ^ 現在はG3
  3. ^ アドレーションステークス英語版。当時はG1。

出典

[編集]
  1. ^ More Than Ready(USA)”. JBIS. 2018年5月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h More Than Ready”. EquiBase. 2018年5月15日閲覧。
  3. ^ a b More Than Ready Retired”. Blood Horse (2000年11月27日). 2018年6月17日閲覧。
  4. ^ More Than Ready(USA) Fee History”. Racing Post. 2018年6月17日閲覧。
  5. ^ MORE THAN READY”. Blood Horse. 2018年6月17日閲覧。
  6. ^ MORE THAN READY (USA)”. Breednet. 2018年6月17日閲覧。
  7. ^ SEBRING (AUS)”. Breednet. 2018年6月17日閲覧。
  8. ^ 名種牡馬モアザンレディが25歳で死亡 ロイエイチ、モアジョイアスなど北半球・南半球で名馬を多数輩出 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年8月28日閲覧。
  9. ^ 名種牡馬モアザンレディが死亡、米豪のシャトル種牡馬で活躍”. JRA-VAN ver.World. 2022年8月28日閲覧。
  10. ^ ドゥレッツァ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月22日閲覧。

レース結果の出典

[編集]
  1. ^ Maiden” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  2. ^ WHAS-11” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  3. ^ Flash S” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  4. ^ Tremont S” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  5. ^ Sanford S” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  6. ^ Futurity S” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  7. ^ Champagne S” (PDF). Equibase. 2018年5月20日閲覧。
  8. ^ Hutcheson S” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  9. ^ Louisiana Derby” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  10. ^ Blue Grass S” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  11. ^ Kentucky Derby” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  12. ^ Dwyer Stakes” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  13. ^ Haskel INV H” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  14. ^ King's Bishop S” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  15. ^ Vosburgh S” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  16. ^ BC Sprint” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。
  17. ^ Ciger Mile” (PDF). Equibase. 2018年6月17日閲覧。

外部リンク

[編集]