中村七之助 (2代目)
にだいめ なかむら しちのすけ 二代目 中村 七之助 | |
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屋号 | 中村屋 |
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定紋 | 角切銀杏 |
生年月日 | 1983年5月18日(41歳) |
本名 | 波野隆行[1] |
襲名歴 | 1. 二代目中村七之助[2][3] |
出身地 | 日本・東京都 |
曽祖父 | 三代目中村歌六(父方の父方) 六代目尾上菊五郎(父方の母方) 五代目中村福助(母方の父方) |
祖父 | 十七代目中村勘三郎(父方) 七代目中村芝翫(母方) |
父 | 十八代目中村勘三郎 |
母 | 波野好江(七代目中村芝翫の娘) |
兄弟 | 六代目中村勘九郎(実兄) 前田愛(義姉(兄嫁)) |
公式サイト | 株式会社ファーンウッド 中村七之助|中村屋公式Webサイト - 中村勘九郎 中村七之助 後援会 |
二代目 中村七之助[2](にだいめ なかむら しちのすけ、1983年〈昭和58年〉5月18日 - )は、歌舞伎役者、俳優。屋号は中村屋。定紋は角切銀杏、替紋は丸に舞鶴。歌舞伎名跡「中村七之助」の当代。本名は波野 隆行(なみの たかゆき)[1]。東京都出身。ファーンウッド所属。公称身長174cm[4]。
来歴
[編集]1983年(昭和58年)5月18日、十八代目中村勘三郎(当時は五代目中村勘九郎)の次男として誕生。2歳年上の兄は六代目中村勘九郎、義姉は女優の前田愛。伯母に女優の波乃久里子がいる。父方の母方の曽祖父は六代目尾上菊五郎で、七代目尾上梅幸と二代目尾上九朗右衛門と二代目大川橋蔵は父方の大伯父(大叔父)。七代目尾上菊五郎と七代目清元延寿太夫と丹羽貞仁は父(及び伯母)の従兄弟で、寺島しのぶと五代目尾上菊之助と二代目尾上右近は父方の母方の再従兄弟にあたる(お互いの祖父母同士が兄弟のため)。八代目中村芝翫は母方の叔父にあたる。六代目中村児太郎は従弟にあたる。
文京区立第五中学校、堀越高等学校卒業。
1986年(昭和61年)9月、『檻』の祭りの子にて初お目見得。
1987年(昭和62年)1月、歌舞伎座『門出二人桃太郎』の弟桃太郎で二代目中村七之助を名乗り初舞台[2]。兄桃太郎は実兄の勘太郎(現:勘九郎)が、爺と婆は二人の実の祖父である十七代目中村勘三郎(爺)と七代目中村芝翫(婆)がつとめた。
幼少時より、兄弟の姿がドキュメンタリー番組で取り上げられることも多かった。ほっそりとした容姿と、やや寂しげな美しい風情が魅力の若女方。
歌舞伎に限らず、様々な方面で活躍している。1999年(平成11年)には、NHK大河ドラマ『元禄繚乱』に親子役で親子出演(父が大石内蔵助、本人が大石主税)。2003年(平成15年)には米国映画『ラスト サムライ』で明治天皇役を演じた。
2005年(平成17年)1月には、泥酔してタクシーに無銭乗車したうえ、運転手の通報で駆けつけた警察官に対して暴行を加え、大塚警察署に公務執行妨害で現行犯逮捕された[5][6]。父の「中村勘三郎」襲名を目前に控えた祝賀パーティーからの帰途での事件であったが、3か月間の謹慎処分を受けた[7][8]
初舞台向け1986年のイベント
[編集]歌舞伎座・1987年1月「江戸歌舞伎三百六十年 猿若祭初春大歌舞伎」公演の筋書きP.51-53に、以下全ての紹介があった[2]。
- 4月23日 中村勘太郎・中村七之助 初舞台記者会見
- 9月27日 岡山県岡山市吉備津神社にて、舞台成功祈願及び鳴釜神事
- 9月28日 香川県高松市女木島(鬼ヶ島)を訪問し、鬼が住んでいたと言われている洞窟を見学。また高松市役所にも訪問し、市長と面会。
- 10月21日 『門出二人桃太郎』の拵えをしてPR用スチール撮影
- 10月24日 猿若祭として浅草寺仲見世お練り及び懇親会(父方の祖父・十七代目中村勘三郎、母方の祖父・七代目中村芝翫、父・五代目中村勘九郎(当時)、伯父・二代目澤村藤十郎が幼い兄弟と共に練り歩いた)
- 12月3日 初舞台挨拶廻り(フジテレビ)
- 12月8日 歌舞伎座劇場前にて、猿若祭初春大歌舞伎の切符前売り初日御挨拶
人物
[編集]趣味はゲーム、カラオケ、スニーカー蒐集。カラオケは大好きといわれるほど[9]。映画出演作『真夜中の弥次さん喜多さん』でその歌声を聞くことができる。
堀越高等学校在学時には同級生に松本潤、松田龍平がおり、現在でも交流があるという。歌舞伎役者では、同じ堀越高校で1学年下だった二代目尾上松也と親しく、カラオケ仲間のひとりでもある。
2006年に『ウチくる!?』に出演した際には、叔父の九代目中村福助にまつわる逸話や、渡辺えりの現代劇に出演したときに父から「頼むぞ、お前がしっかりしないと俺が怒られるんだ」と半ば泣きつかれたことなどを語った。
自分について、「僕、割と冷静なんです。そのお役をやっているときはのめりこみますが、舞台から下りたらスッと自分に戻る。でも、兄(勘九郎)は役に入り込む。」と述べている。
阪神タイガースファンであることをたびたび公言しており、2022年6月19日には自身のラジオでアシスタントを務めるヒロド歩美と共に ABCラジオ「ABCフレッシュアップベースボール~阪神対DeNA戦~」の実況ゲストを務めた。[10]
憧れと目標は、坂東玉三郎。
受賞歴
[編集]- 2009年、重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる[11]。
- 第20回読売演劇大賞 杉村春子賞[12]
- 第36回松尾芸能賞・新人賞(2015年)[13]
- 2015年 第1回森光子の奨励賞 *兄の中村勘九郎と受賞[14]
- 2021年 第38回浅草芸能大賞奨励賞受賞[15]
出演作
[編集]テレビドラマ
[編集]- ばら色の人生(1987年、NHK)
- 大河ドラマ(NHK)
- 金曜ドラマシアター→金曜エンタテイメント 旅は道連れ世は情けねェ!(1992年2月14日 - 1994年11月4日、フジテレビ) - 五十嵐亮太 役
- 豊臣秀吉 天下を獲る!(1995年1月2日、テレビ東京) - 竹千代 役
- 年末大型時代劇 『河井継之助〜駆け抜けた蒼龍〜』(2005年12月27日、日本テレビ) - 鈴木虎太郎 役
- 金曜ドラマうぬぼれ刑事 最終話「赤い彗星」(2010年9月17日、TBS) - 桜市太郎 役
- 令和元年版 怪談牡丹燈籠(2019年10月6日 - 10月27日、NHK BSプレミアム) - 萩原新三郎 役
- 正月時代劇 ライジング若冲 天才 かく覚醒せり(2021年1月2日、NHK総合・NHK BS4K) - 主演・伊藤若冲 / 桝屋源左衛門 役[注 1][17]
- 忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段(NHK BSプレミアム / NHK BS4K、2021年12月4日・11日) - 瀬川錦次のちの初代 市川染五郎 役[18]
- 大河ドラマが生まれた日(2023年2月4日、NHK総合) - 佐田啓二 役[19]
バラエティ
[編集]ドキュメンタリー
[編集]- アンテナ22
- ボクらの時代
- 勘三郎が泣いた!勘太郎挙式&感動秘話〜さよなら歌舞伎座SP
- 『美しい日本に出会う旅』(BS-TBS、2015年3月25日 - 2017年3月29日) - 旅人・語り
映画
[編集]- ラスト サムライ(2003年) - 明治天皇 役
- インストール(2004年) - コウイチ 役
- 真夜中の弥次さん喜多さん(2005年) - 食客喜多八 役
劇場アニメ
[編集]- かぐや姫の物語(2013年11月23日) - 御門 役
舞台
[編集]- ETERNAL CHIKAMATSU(2016年) - 小春 役[20]
ラジオ
[編集]- Sky presents 中村七之助のラジのすけ(2021年4月 - 、ABCラジオ) - MC
CM
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 松竹:(1987年)昭和62年1月2日発行『江戸歌舞伎三百六十年 猿若祭初春大歌舞伎 筋書き』P.30-31 萩原雪夫の寄稿に唯一、兄弟2人の本名フルネーム掲載
- ^ a b c d 編集:歌舞伎座宣伝部/松竹:(1987年)昭和62年1月2日発行,頒価1,300円『江戸歌舞伎三百六十年 猿若祭初春大歌舞伎 筋書き』P.36及びP.51-54
- ^ 一般社団法人伝統歌舞伎保存会編集・発行『歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇2021』P.246-247に掲載
- ^ 月刊演劇界発行『最新歌舞伎俳優名鑑』 ①2006年2月特別増刊P.198/②2015年9月号特別付録P.56 ともに身長172cm・体重58kgと掲載。 所属事務所の公式サイトには身長174cm・体重55kgと掲載。
- ^ 47news.jp (2005年1月30日). “中村七之助容疑者を逮捕 運賃トラブルで警察官殴る”. 2009年2月21日閲覧。
- ^ ZAKZAK (2005年1月31日). “悲痛勘九郎「勘三郎襲名」に水差す、バカ息子七之助”. 2009年2月21日閲覧。
- ^ ZAKZAK (2005年2月1日). “七之助広がる深酒のツケ 父・勘九郎もイベント自粛”. 2009年2月21日閲覧。
- ^ 47news.jp (2005年3月11日). “七之助さんが4月から復帰 父の勘三郎襲名披露公演で”. 2009年2月21日閲覧。
- ^ “中村七之助 トム・クルーズは歌下手”. デイリースポーツ online (2014年6月29日). 2022年5月24日閲覧。
- ^ “ABCラジオ・タイガース戦中継の実況ゲストに中村七之助さん&ヒロド歩美アナが登場!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2022年11月26日閲覧。
- ^ “会員一覧 | 伝統歌舞伎保存会”. www.kabuki.or.jp. 2020年10月26日閲覧。
- ^ “読売演劇大賞 笑顔の贈賞式”. 読売新聞 朝刊 (読売新聞社): pp. 38面. (2013年2月28日)
- ^ “井上芳雄が「第36回松尾芸能賞」優秀賞を受賞 大賞には五木ひろし”. シアターガイド (2015年2月13日). 2015年2月16日閲覧。
- ^ “中村勘九郎・七之助、『森光子の奨励賞』受賞「父と祖父に感謝」”. ORICON (2015年5月7日). 2015年5月8日閲覧。
- ^ “第38回浅草芸能大賞 奨励賞 中村 七之助さん(歌舞伎俳優)”. 公益財団法人台東区芸術文化財団 (2021年10月20日). 2021年10月20日閲覧。
- ^ “『どうする家康』キーマン・石田三成役は中村七之助 “家康”松本潤と関ヶ原の大一番へ…”. ORICON NEWS (oricon ME). (2023年6月15日) 2023年6月15日閲覧。
- ^ “中村七之助・永山瑛太 W主演!正月時代劇「ライジング若冲 天才 かく覚醒せり」制作開始”. (2020年9月18日) 2020年9月18日閲覧。
- ^ “忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段”. NHK (2021年12月4日). 2021年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月10日閲覧。
- ^ “阿部サダヲが生田斗真の上司に、大河ドラマ誕生の舞台裏描くコメディの新キャスト解禁”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2022年10月11日) 2022年10月11日閲覧。
- ^ “中村七之助、深津絵里の“ほめ殺し”にタジタジ「公開処刑やめて」”. ORICON STYLE (2016年1月27日). 2016年1月27日閲覧。
- ^ “中村勘九郎さん中村七之助さんを40周年CMイメージキャラクターに起用!7月20日(水)より全国でオンエア開始”. 共同通信 PR Wire. (2016年7月20日) 2016年7月26日閲覧。
外部リンク
[編集]- 二代目中村七之助 - 株式会社ファーンウッド公式ホームページ(所属事務所)
- 二代目中村七之助 - 中村屋公式Webサイト(中村勘九郎 中村七之助 後援会)
- 歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 / 中村七之助(二代目) - (歌舞伎 on the web)
- 父の魂を忘れることなく歌舞伎の力を伝えていきたい/ 中村七之助(二代目)インタビュー
- 中村七之助 - NHK人物録
- 中村七之助 - 日本タレント名鑑