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五上分結

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

五上分結(ごじょうぶんけつ、: ūrdhvabhāgīya saṃyojana, ウールドヴァバーギーヤ・サンヨージョナ: uddhambhāgiya saṃyojana, ウッダンバーギヤ・サンヨージョナ)とは、仏教において衆生三界における上方の「色界」「無色界」へと縛り付ける「5つの束縛」としての煩悩の総称。「上分」(じょうぶん)とは「上の領域」すなわち三界における上方の「色界」「無色界」のこと。「」(けつ、: saṃyojana, サンヨージャナ)とは「束縛」のこと。

釈迦は五上分結の証知、遍知、遍尽、断捨のため、七覚支修習すべきと説いている[1]

内容

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Pañcimāni bhikkhave, uddhambhāgiyāni saṃyojanāni. Katamāni pañca:
rūparāgo arūparāgo māno uddhaccaṃ avijjā. Imāni kho bhikkhave, pañcuddhambhāgiyāni saṃyojanāni.

比丘たちよ、これら五つの上分結がある。
いかなる五か?色貪、非色貪、慢、掉挙、無明である。比丘たちよ、これが五つの上分結である。

五上分結の内容は以下の通り。

  1. 色貪しきとん: : rūpa-rāga) - 色界に対する欲望・執着
  2. 無色貪むしきとん: : arūpa-rāga) - 無色界に対する欲望・執着
  3. まん: : māna) - 慢心
  4. 掉挙じょうこ: auddhatya: uddhacca) - (色界・無色界における)心の浮動
  5. 無明むみょう: avidyā: avijjā) - 根本の無知

四向四果との関係

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五下分結を断って「下分」(欲界)から脱し不還果に達した者が、「上分」(色界・無色界)をも脱し、四向四果における最終段階である阿羅漢果に到達するために、この五上分結を克服することが要請される[2][3]。つまり、この五上分結は(上座部仏教の)修行における最終ハードルであると言える。

四向四果
(解脱の10ステップ, パーリ経蔵[4]による)

到達した境地(果位) 解放された 苦が終わるまでの輪廻

預流

1. 有身見 (我が恒久であるという信条)
2. (教えに対しての疑い)
3. 戒禁取(誤った戒律・禁制への執着)

下分結

最大7回、欲界と天界を輪廻する

一来

一度だけ人として輪廻する

不還

4. への執着(欲愛
5. 憤怒瞋恚, パティガ)

欲界及び天界には再び還らない

阿羅漢

6. 色貪
7. 無色貪
8. , うぬぼれ
9. 掉挙
10. 無明

上分結

三界には戻らず輪廻から解放

脚注

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出典

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関連項目

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