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五街道雲助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
五海堂雲輔から転送)

五街道 雲助(ごかいどう くもすけ)は、落語家名跡。当代は六代目。「五海道」「五海堂」、「雲輔」と書かれた文献が多い。

明確な資料が残っておらず代数がはっきりしていないため、当代の師匠である十代目金原亭馬生が当代を勝手に六代目とした。

  • 五海堂雲輔 - 後∶五明楼国輔
  • 五海堂雲輔(1850年8月 - ?) - 本名∶田中 桂助1889年6月、柳派の書記を担当していた春麗亭柳花著の『落語家名前欄』に「雲輔」で開業届けが出ている。
  • 五海堂雲輔(1855年11月15日 - ?) - 本名∶秋田 亀吉。『名前欄』に1890年11月に「五明楼山輔」、1893年6月に「雲輔」で開業届けが出ている。その後番付などに10年近く記載されている
  • 五海道雲輔(1870年4月9日 - ?) - 本名∶市川 留吉1911年1915年の名簿に名前が出ているが詳細は不明。
  • 六代目五街道雲助 - 本項にて記述

六代目 五街道ごかいどう 雲助くもすけ
Gokaidô Kumosuke the 6th
六代目 五街道(ごかいどう) 雲助(くもすけ) Gokaidô Kumosuke the 6th
六代目五街道雲助定紋「裏梅」
本名 若林わかばやし 恒夫つねお
生年月日 (1948-03-02) 1948年3月2日(76歳)
出身地 日本の旗 日本東京都墨田区
師匠 十代目金原亭馬生
弟子 三代目桃月庵白酒
四代目隅田川馬石
三代目蜃気楼龍玉
名跡 1. 金原亭駒七
(1968年 - 1972年)
2. 六代目五街道雲助
(1972年 - )
出囃子 二上り箱根八里
活動期間 1968年 -
配偶者 あり
所属 落語協会
公式サイト https://www.asahi-net.or.jp/~cq1t-wkby/
受賞歴
第2回 にっかん飛切落語会努力賞(1979年)
文化庁芸術祭優秀賞(2009年)
芸術選奨文部科学大臣賞大衆芸能部門(2014年)
紫綬褒章(2016年)
重要無形文化財保持者(2023年)
墨田区名誉区民(2024年)
浅草芸能大賞(2024年)
備考
落語協会役員(退任)
重要無形文化財保持者人間国宝、2023年 - )

六代目五街道 雲助(ごかいどう くもすけ、1948年3月2日 - )は、東京都墨田区出身・在住の落語家。落語協会所属。出囃子は『箱根八里』。本名∶若林 恒夫重要無形文化財保持者(人間国宝)。

経歴

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明治大学商学部中退後1968年2月1日、十代目金原亭馬生に入門。前座名は「金原亭駒七」。

1972年11月に柳家さん喬柳家さん治金原亭駒三三遊亭梅生立川談十郎三遊亭楽松と共に二ツ目昇進。「六代目五街道雲助」と改名。二ツ目昇進時、師匠の十代目金原亭馬生にお願いをして、手拭いの柄を描いて貰った時に「六代目でいいやなぁ」と言われ、そのまま「六代目」と描かれたので、その後「六代目」と名乗っているとのこと。

1979年に「第2回 にっかん飛切落語会」努力賞を、1980年に「第3回 にっかん飛切落語会」若手落語家奨励賞受賞。

1981年3月、柳家さん喬三遊亭歌司七代目むかし家今松二代目金原亭馬の助橘家竹蔵三遊亭圓龍と共に真打昇進。

2009年文化庁芸術祭優秀賞受賞。2014年芸術選奨文部科学大臣賞大衆芸能部門受賞。

2016年11月に紫綬褒章を受章[1]した。

2023年7月21日、文化審議会が重要無形文化財保持者(人間国宝)に五街道雲助を含む12名を認定するよう答申した。落語家の人間国宝は五代目柳家小さん(1995年)、三代目桂米朝(1996年)、十代目柳家小三治(2014年)に次ぐ4人目の認定となる[2][3][4]

2024年9月、墨田区名誉区民となる[5][6]。同年11月、浅草芸能大賞を受賞した[7]

芸歴

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人物

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2017(平成29)年1月13日の皇居での歌会始の儀に、陪聴者として列席している[8]

林家時蔵とは生年月日(1948年3月2日)が一緒であり、両国中学校で同じクラスだった。

浅草にあった飲み屋「かいば屋」を、自身の落語の原点としている。

真打昇進の時の口上書は野坂昭如が書いている。

二ツ目時代、武智歌舞伎塾に入りいくつかの公演に出演している[9][10]

趣味∶パソコン、ビデオ鑑賞、ゼビウス

1998年に自身で立ち上げたホームページのアドレスと基本デザインが、2022年現在で20年以上変更・移転せずに現役で利用され続けている。

六代目古今亭志ん橋柳家喜多八と「九識の会」((もすけ)・(んきょう)・(たはち))を開催していた。会は後に「のれん噺」とタイトルを変更。

2023年9月17日放送のNHK Eテレ「カラーで蘇る古今亭志ん生」[11]において、駒七時代に師匠から、長女である志津子(池波志乃)の前で「一緒になる気はないか」と結婚を打診された事があると明かした。

演目

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古典落語

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怪談噺

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廓噺

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改作

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新作

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受賞

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メディア

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CD

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  • 『キング落語名人寄席 -つづら/千両みかん-』(キングレコード
  • 『朝日名人会ライヴシリーズ19 - 淀五郎/名人長二―仏壇叩き』(ソニーレコード
  • 『ミュージックサプリ〜小咄編〜』(コロムビア
  • 『朝日名人会ライヴシリーズ50 - 中村仲蔵/電話の遊び』(ソニーレコード)
  • 『朝日名人会ライヴシリーズ54 - 真景累ヶ淵―豊志賀の死』(ソニーレコード)
  • 『朝日名人会ライヴシリーズ64 - 替り目/お直し』(ソニーレコード)
  • 『雲助蔵出し1 - 九州吹き戻し/人情噺・火焔太鼓/新版・三十石/妾馬通し 』(2枚組、キントトレコード/イージーオスカー
  • 『雲助蔵出し2 - 初天神/やかん/粗忽の釘/寝床/にわかに』(2枚組、キントトレコード/イージーオスカー)

ほか

DVD

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ほか

映画

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TV

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ラジオ

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著書

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一門弟子

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自身が珍しい名前を名乗っていることから、弟子には真打昇進と同時に珍しい名前を名乗らせている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 立川左談次から教わった。
  2. ^ 師匠・十代目金原亭馬生から教わった。
  3. ^ 作:六代目三遊亭圓窓

出典

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  1. ^ 秋の褒章、772人20団体の受章決まる”. 朝日新聞デジタル (2016年11月2日). 2016年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月12日閲覧。
  2. ^ 文化審議会の答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等) - 文化庁 2023年7月21日 (PDF)
  3. ^ 重要無形文化財保持者 - 一般社団法人 落語協会 2023年7月21日
  4. ^ 「この名が国宝でいいのか」 落語界4人目の人間国宝・五街道雲助 - 朝日新聞デジタル 2023年7月21日
  5. ^ 墨田区名誉区民選定委員会”. 墨田区 (2024年8月15日). 2024年9月15日閲覧。
  6. ^ 人間国宝の落語家・五街道雲助が東京・墨田区「名誉区民」選定!王貞治さんらに次ぐ3人目」『スポーツ報知』2025年9月25日。
  7. ^ 第41回浅草芸能大賞 受賞者決定のお知らせ! - 公益財団法人 台東区芸術文化財団 2024年11月6日
  8. ^ 五街道雲助 (2017年1月21日). “お知らせ/つれづれ”. 雲助’s homepage. asahi-net. 2020年2月10日閲覧。
  9. ^ 『雲助、悪名一代』白夜書房、20130925、103-104頁。ISBN 9784864940030 
  10. ^ 玉屋柳勢. “富十郎さん一世一代『船弁慶』後。雲助師匠と武智歌舞伎塾。”. [公式]噺家・玉屋柳勢 ( タマヤ・リユウセイ ). 20230508閲覧。
  11. ^ 「カラーで蘇(よみがえ)る古今亭志ん生」(2023年9月17日放送)”. NHK 日本放送協会. 2023年12月10日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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