八戸火力発電所
八戸火力発電所 | |
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種類 | 火力発電所 |
電気事業者 | 東北電力 |
所在地 |
日本 青森県八戸市大字河原木字宇兵エ河原1-1 |
北緯40度32分4秒 東経141度30分23秒 / 北緯40.53444度 東経141.50639度座標: 北緯40度32分4秒 東経141度30分23秒 / 北緯40.53444度 東経141.50639度 | |
5号機 | |
発電方式 | コンバインドサイクル発電 |
出力 | 41.6万 kW |
燃料 | LNG(当初は軽油) |
熱効率 | 55%(LHV) |
営業運転開始日 | 2014年8月6日 |
公式サイト:火力発電所|東北電力 |
八戸火力発電所(はちのへかりょくはつでんしょ)は、青森県八戸市大字河原木字宇兵エ河原1-1にある東北電力の天然ガス火力発電所。
概要
[編集]東北電力発足当時の発電施設は水力発電しかなく、なかでも出力の大きい発電施設が福島県の阿賀野川流域に集中しており、北東北地域は慢性的な電力不足に見舞われていた。このなかで、八戸は鉄鋼・化学等の工場が立地する産業用電力の消費地であったことから、同社初の火力発電所として1956年9月に着工し、1958年6月に1号機が運転を開始、4号機までが増設。 1965年には、県内を行幸啓中の昭和天皇、香淳皇后の視察の一つとなった[1]。 その後、設備の老朽化や稼働率の低下などにより1号機および2号機は1982年に、4号機は2006年にそれぞれ廃止された。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震と津波により複数の発電施設が被災し、電力供給力が大幅に低下したため、5号機が緊急設置電源として新設された[2][3]。さらに、排熱回収ボイラ、蒸気タービンおよび発電機を追加設置し、高効率コンバインドサイクル発電設備とすることで、恒久的に使用できる電源にする計画が発表された[4]。
2014年8月7日には5号機のコンバインドサイクル化が完了、営業運転を開始した[5]。燃料は当初軽油を使用していたが、2012年11月28日にはJX日鉱日石エネルギーと天然ガスの供給契約を結び、同社の八戸LNGターミナルから供給を受けることが発表された[6]。天然ガスへの転換は2015年7月1日に実施、発電能力・熱効率の向上が図られた[7]。
一方、3号機は設備の老朽化および5号機の安定稼働が確認できたことなどから、2016年7月1日に廃止された[8]。
また、本発電所敷地内には、東北電力初のメガソーラー発電所である八戸太陽光発電所が建設され、2011年12月20日に運転を開始した[9]。
発電設備
[編集]- 総出力:41.6万kW(2016年7月1日現在)
- 総面積:約31万3千m2
- 5号機
- 発電方式:1,300℃級改良型コンバインドサイクル発電(Advanced Combined Cycle)方式(ガスタービン・蒸気タービン別軸構成)
- 定格出力:41.6万kW*
- ガスタービン:27.61万kW × 1軸[10]
- 蒸気タービン:14.19万kW × 1軸
- 使用燃料:LNG(当初は軽油)
- 熱効率:57%(低位発熱量基準)
- 営業運転開始
- ガスタービン発電設備:2012年7月2日(当初は緊急設置電源として単独で稼働)
- 蒸気タービン発電設備:2014年8月6日
- 燃料転換 (軽油→LNG):2015年7月1日
- * ガスタービンと蒸気タービンを合計して最大41.6万kWとなるよう運転される。
- 八戸太陽光発電所
- 出力:約1,500kW
- 太陽電池モジュール:
- 多結晶シリコン(1,000kW)
- 薄膜系シリコン(250kW)
- 薄膜系化合物 (250kW)
- 着工:2011年(平成23年)2月25日
- 営業運転開始:2011年(平成23年)12月20日
廃止された発電設備
[編集]- 総出力:65万kW
- 発電方式:汽力発電方式
- 1号機(廃止)
- 定格出力:7.5万kW
- 使用燃料:石炭
- 営業運転期間:1958年(昭和33年)6月 - 1982年(昭和57年)
- 2号機(廃止)
- 定格出力:7.5万kW
- 使用燃料:石炭
- 営業運転期間:1958年(昭和33年)10月 - 1982年(昭和57年)
- 3号機(廃止)
- 定格出力:25万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転開始:1968年(昭和43年)8月 - 2016年(平成28年)7月1日[8]
- 4号機(廃止)
- 定格出力:25万kW
- 使用燃料:重油、原油
- 営業運転期間:1972年(昭和47年)8月 - 2006年4月30日[11]
東北地方太平洋沖地震による被害
[編集]2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により3号機が自動停止し、タービン建屋を含む本館1階が浸水した[12]。4月7日に発生した余震では、再び3号機が自動停止した[13]。
出典
[編集]- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、124頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について 2011年5月20日
- ^ 火力発電所の復旧状況および見通し 2011年9月30日 (PDF)
- ^ 八戸火力発電所5号機のコンバインドサイクル化について 2011年11月22日
- ^ 八戸火力発電所5号機コンバインドサイクル方式による営業運転開始について 2014年8月6日
- ^ JX日鉱日石エネルギー株式会社との当社八戸火力発電所5号機向け天然ガス売買契約の締結について 2012年11月28日
- ^ 八戸火力発電所5号機 燃料転換による運転開始について 2015年7月1日
- ^ a b 八戸火力発電所3号機の廃止について 2016年7月1日
- ^ 八戸太陽光発電所の営業運転開始について 2011年12月20日
- ^ 日本卸電力取引所 発電情報公開システム 2016年12月24日 14:56更新 2016年12月25日閲覧
- ^ 八戸火力発電所4号機の廃止について 2006年4月28日
- ^ 地震発生による停電等の影響について(11日20時現在)
- ^ 地震発生による停電等の影響について(4月8日0時現在)