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ドライブ・マイ・カー | |
---|---|
Drive My Car | |
監督 | 濱口竜介 |
脚本 |
濱口竜介 大江隆允 |
原作 |
村上春樹「ドライブ・マイ・カー」など (『女のいない男たち』 文藝春秋刊収録) |
製作 | 山本晃久 |
出演者 |
西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 岡田将生 |
音楽 | 石橋英子 |
撮影 | 四宮秀俊 |
編集 | 山崎梓 |
制作会社 | C&Iエンタテインメント |
製作会社 | 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 |
配給 |
ビターズ・エンド ヤヌス・フィルムズ、サイドショウ |
公開 |
2021年7月11日 (カンヌ国際映画祭) 2021年8月20日 2021年11月24日 |
製作国 | 日本 |
言語 |
日本語 英語 韓国語 北京語 ドイツ語 インドネシア語 タガログ語 韓国手話 |
『ドライブ・マイ・カー』(Drive My Car)は、濱口竜介監督による2021年8月20日公開の日本映画[1]。脚本は濱口竜介と大江崇允[2][3]、主演は西島秀俊で[4]、PG12指定作。
概要
[編集]濱口竜介監督の商業映画3作目となる作品で、妻を若くして亡くした舞台演出家を主人公に、彼が演出する多言語演劇の様子やそこに出演する俳優たち、彼の車を運転するドライバーの女との関わりが描かれている。
村上春樹の同名小説である「ドライブ・マイ・カー」より主要な登場人物の名前と基本設定を踏襲しているが、同じく村上春樹の小説「シェエラザード」「木野」(いずれも短編集『女のいない男たち』所収[5])の内容や、アントン・チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』の台詞を織り交ぜた新しい物語として構成されている[6][7][8]。
フィクションとドキュメンタリーの境界を曖昧にし、短い会話を通じて物語を発展させる濱口の手法がよく現れた作品と評されており[9][10]、世界各国で多くの映画賞を受賞して濱口の国際的評価を一気に高めることとなった[9][11]。
あらすじ
[編集]家福と音
家福悠介(かふく・ゆうすけ)は、成功した俳優・舞台演出家で妻の音(おと)も脚本家として多くのテレビドラマを手がけている。二人には娘がいたが、幼いころ肺炎で亡くし以後は二人だけで暮らしている。
夫婦の間には、長くつづく二人だけの習慣があった。一つは家福が舞台の台詞を覚えるときの方法で、家福は、相手役の台詞部分だけを音がカセットテープに録音し、それに自分の台詞で答えながら台本を覚えてゆくという手法を好んでいた。家福は愛車「サーブ900ターボ」を運転するときにこのテープを流し、自分の台詞をそらで繰り返しながら台本を身に染みこませた。もう一つの習慣は、夫婦のセックスの最中に音が頭に浮かぶ物語を語り、家福がそれを書きとめて音の脚本作りに活かすことだった。この二つの習慣は、子供を失ったあとずっと続いている。音はこのやり取りを経て脚本家としてデビューし成功した。夫婦はこうして心の傷を乗り越え、穏やかで親密な生活を築いていた。
ある時、家福はウラジオストックの国際演劇祭に審査員として招待され空港へ向かう。ところが、空港に着いたところで航空便欠航のため渡航を1日延期するよう現地の事務局から連絡を受ける。あえてホテルに泊まるまでもないと家福が家に戻ると、妻の音は、居間のソファで誰かと激しく抱き合っていた。それを見た家福は物音を立てぬよう、そっと家を出る。家福はホテルに部屋をとり、ウラジオストックへ着いたように装って音へ連絡し、いつも通り言葉を交わす。
家福はこれまでの夫婦の生活を守ることを優先させた。音は家福が情事を目撃したことを知らず、家福も自分が知っていることを明かさなかった。自動車の中で台本を暗記する習慣も、変わらず続いた。いま家福が取り組んでいるのは、チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』だった。家福は自分が運転する自動車の中で、音が抑揚を欠いた声で読み上げる「仕方ないの、生きていくほかないの。…長い長い日々と、長い夜を生き抜きましょう」というチェーホフの台詞を聞き続ける。
そしてある日、音が急死する。それは音から「帰宅したら話したいことがある」と言われた日の夜だった。家福が家に帰ると音は床に倒れていて、意識を回復しないまま死んでしまった。最後の別れを交わすこともできなかった。
広島国際演劇祭
二年後。『ワーニャ伯父さん』でワーニャを演じて名声を得た家福は舞台演出家となり、広島で行われる国際演劇祭へ招聘を受ける。
この演劇祭では、家福が広島に長期滞在して演出を務め、各国からオーディションで選ばれた俳優がそれぞれの役を自国語で演じながら、『ワーニャ伯父さん』を上演することになっていた。
自分で車を運転して広島へ到着した家福は事務局から事故のトラブルを避けるため、宿舎と仕事場の車での移動には専属のドライバーをつけさせてほしいという申し出を受ける。扱いにくいマニュアル車だと家福は断ろうとするが、やってきたドライバーの渡利みさきは有能で車の扱いに長け、無口で何も詮索しようとしないことに家福は好感を抱く。
こうして、みさきの運転するサーブで家福が劇場へ通い、車内で『ワーニャ伯父さん』のカセットテープが流される日々が始まる。
オーディションには日本のほか、台湾・フィリピンまで各国から俳優が集まった。全員が自国語で台詞をしゃべり、俳優は数か国語がとびかう舞台の上で、台詞ではなく相手役の感情や動作だけをみて反応してゆかねばならない。『ワーニャ伯父さん』で重要な役割を果たす「ソーニャ」は韓国から参加したイ・ユナで、耳はきこえるが台詞は手話を使う俳優だった。
ワーニャ役に、家福は高槻耕史を選出した。高槻は、音が脚本を書いた作品にも出演していた若い俳優で、家福はあのとき目撃した妻の情事の相手が高槻ではないかと疑っていた。高槻は将来を嘱望されながら、衝動的な行動を抑えきれない性格が災いして東京での仕事を失っていた。過去に音に連れられて家福の出演した『ゴドーを待ちながら』を観劇し、深い感銘を受けていた高槻は、オーディションの告知を見て即座に応募したのだという。
家福は高槻への感情を押し殺し、多国語での稽古が始まる。俳優たちは風変わりな演出と、台本を棒読みで読み上げさせるだけの稽古にとまどいながら、しかし次第にお互いの感覚が鋭敏さを増してゆくのを感じる。俳優たちの間で何かが起き始める。
渡利みさきが運転する「サーブ900ターボ」で、家福は宿舎と劇場を往復する。走る車の中で、音が吹き込んだチェーホフの台詞「真実はそれがどんなものでもそれほど恐ろしくない。いちばん恐ろしいのは、それを知らないでいること…」が響きつづける。
三人の物語
車での移動がつづくうち、はじめのうちいっさい口を開かなかったみさきが、少しずつ家福にこれまでの人生を語り始める。みさきは「上十二滝村」という北海道の小さな集落で、母親一人に育てられていた。水商売をしていた母親は、まだ中学生のみさきに車を運転させて仕事場へ通った。車の運転がまずいと、母親は容赦なくみさきに手をあげ、それが理由でみさきは丁寧な運転を覚えるようになった。しかし、あるとき大雨で地滑りが起き、自宅が土砂に呑み込まれる事故で母親は亡くなった。一人になったみさきは何ひとつあてがないまま、無事だった車で家を離れ、ひたすら西をめざした。たまたま車が故障した広島で、そのまま新しい生活を始めたという。
そしてワーニャを演じる高槻も、家福に近づきはじめる。ひそかに妻と寝ていたかもしれない相手に、家福は夫婦の秘密を明かす。妻の音には、別に男がいた。音との日々の暮らしは、とても満ち足りたものだと自分は思っていた。しかし妻は自然に夫を愛しながら、夫を裏切っていた。夫婦は誰よりも深くつながっていたが、妻の中には夫が覗き込むことのできない黒い渦があった。かつてワーニャ役で名声を得ながら俳優としてのキャリアを中断したのは、チェーホフの戯曲が要求する「自分を差し出すこと」に耐えられなくなったからだ。家福は、そう高槻に話す。
この告白をきいて、高槻も音から聞いたという物語を語り始める。それは、音が家福とのセックスのさなかに語った物語の続きだったが、家福が知っていたよりも陰惨で不思議な内容だった。恐ろしいことが起きたのに、しかもそれは自分の罪であるのに、世界は穏やかで何も変わっていないように見える。でもこの世界は禍々しい何かへと、確実に変わってしまった。高槻は音からきいたそのような物語を、みさきの運転する車の中で、家福へ向かって語り続ける。
北海道へ
演劇祭は準備期間を終え、ようやく劇場での最終稽古が始まる。しかしある事件が起き、高槻が上演直前になって舞台を去る。事務局は家福に、このまますべてを中止するか、家福が高槻のワーニャ役を引き継いで上演を続けるかの選択を迫る。猶予は二日間しかない。
大きな衝撃を受ける家福。どこか落ち着いて考えられるところを走らせようと提案するみさきに、家福は、君の育った場所を見せてほしいと伝える。そして渡利は休みなく車を走らせ、二人の乗った赤の「サーブ900ターボ」は北海道へ向かう。
その車内で、家福とみさきは、これまでお互いに語らなかった大きな秘密をついに明かす。そしてかつてみさきが住んでいた生家の跡地に着き、静まりかえる雪原の中に立ったとき、家福は妻から大きな傷を受けたというこれまで自分が目をそむけてきた事実、そして自分が妻に抱いていた感情の真の意味にはじめて直面する。
キャスト
[編集]- 家福悠介:西島秀俊
- 渡利みさき:三浦透子
- 家福音:霧島れいか
- 高槻耕史:岡田将生
- イ・ユナ:パク・ユリム
- コン・ユンス:ジン・デヨン
- ジャニス・チャン:ソニア・ユアン(袁子芸)
- ロイ・ルセロ:ペリー・ディゾン
- リュ・ジョンウィ:アン・フィテ
- 柚原:安部聡子
スタッフ
[編集]- 監督:濱口竜介
- 脚本:濱口竜介、大江崇允
- 撮影:四宮秀俊
- 音楽:石橋英子
- 編集:山崎梓
- 助監督:久保田博紀・川井隼人
- 監督補:渡辺直樹・大江崇允
- ヘアメイク:市川温子
- 装飾:加々本麻未
- プロデューサー:山本晃久
- 配給:ビターズ・エンド
- 製作代表:中西一雄
- 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
- 製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
- 製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド、ねこじゃらし、クオラス、日本出版販売、文藝春秋、レスパスビジョン、C&Iエンタテインメント、朝日新聞社)
音楽
[編集]『Drive My Car Original Soundtrack』 | |
---|---|
石橋英子 の サウンドトラック | |
リリース | |
ジャンル | 映画音楽 |
時間 | |
レーベル | SPACE SHOWER MUSIC |
『Drive My Car Original Soundtrack (with bonus tracks)』 | |
---|---|
石橋英子 の サウンドトラック | |
リリース | |
ジャンル | 映画音楽 |
時間 | |
レーベル | SPACE SHOWER MUSIC |
映画の音楽は石橋英子が作曲した。
# | タイトル | パフォーマー | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Drive My Car」 | 石橋英子 | |
2. | 「Drive My Car (Misaki)」 | 石橋英子 | |
3. | 「Drive My Car (Cassette)」 | 石橋英子 | |
4. | 「Drive My Car (the important thing is to work)」 | 石橋英子 | |
5. | 「We'll live through the long, long days, and through the long nights」 | 石橋英子 | |
6. | 「We'll live through the long, long days, and through the longnights (SAAB 900)」 | 石橋英子 | |
7. | 「We'll live through the long, long days, and through the long nights (Oto)」 | 石橋英子 | |
8. | 「Drive My Car (Kafuku)」 | 石橋英子 | |
9. | 「Drive My Car (The truth, no matter what it is, isn't that frightening)」 | 石橋英子 | |
10. | 「We'll live through the long, long days, and through the longnights (And when our last hour comes we'll go quietly)」 | 石橋英子 |
# | タイトル | パフォーマー | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Drive My Car」 | 石橋英子 | |
2. | 「Drive My Car (Misaki)」 | 石橋英子 | |
3. | 「Drive My Car (Cassette)」 | 石橋英子 | |
4. | 「Drive My Car (the important thing is to work)」 | 石橋英子 | |
5. | 「We'll live through the long, long days, and through the long nights」 | 石橋英子 | |
6. | 「We'll live through the long, long days, and through the longnights (SAAB 900)」 | 石橋英子 | |
7. | 「We'll live through the long, long days, and through the long nights (Oto)」 | 石橋英子 | |
8. | 「Drive My Car (Kafuku)」 | 石橋英子 | |
9. | 「Drive My Car (The truth, no matter what it is, isn't that frightening)」 | 石橋英子 | |
10. | 「We'll live through the long, long days, and through the longnights (And when our last hour comes we'll go quietly)」 | 石橋英子 | |
11. | 「Drive My Car (Hiroshima)」 | 石橋英子 | |
12. | 「We'll live through the long, long days, and through the long nights (different ways)」 | 石橋英子 |
評価
[編集]アメリカの『ローリング・ストーン』誌の2021年の年間ベスト・ムービー第1位[12]。また『ニューヨーク・タイムズ』紙や『TIME』誌が「2021年のベスト映画10本」の一つに選出したほか[13][14]、『バラエティ』や『ザ・ニューヨーカー』など主要誌の著名批評家も「2021年最高の成果」の一つとして推薦している[15][16]。Rotten Tomatoesでは、2月9日時点で145のレビューが寄せられ、その内(98%)が本作を支持している。平均評価は8.7/10。
受賞
[編集]第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、脚本賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞、AFCAE賞を受賞[17]。
第87回ニューヨーク映画批評家協会賞では、日本映画として初めて作品賞を受賞した[6][18]ほか、ロサンゼルス映画批評家協会賞と全米映画批評家協会賞でも作品賞を受賞。これら3つ全てで作品賞を受賞した映画ととしては『グッドフェローズ』『L.A.コンフィデンシャル』『シンドラーのリスト』『ソーシャル・ネットワーク』『ハート・ロッカー』に次ぐ6作品目で、外国語映画では史上初の快挙となった[19][20]。
第79回ゴールデングローブ賞では非英語映画賞(旧外国語映画賞)を受賞[21][22]、日本作品としては『鍵』(1959年、市川崑監督)以来62年ぶりの受賞となった[23]。
第94回アカデミー賞では、邦画初となる作品賞を含む4部門にノミネートされ、2009年の『おくりびと』以来となる国際長編映画賞を受賞した[24][25]。
賞 | セレモニー開催日 | カテゴリー | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
カンヌ国際映画祭 | 2021年7月17日 | パルム・ドール | 濱口竜介 | ノミネート | [26][27] |
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
国際映画批評家連盟賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
エキュメニカル審査員賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
アジア太平洋映画賞 | 2021年9月11日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [28] |
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
主演男優賞 | 西島秀俊 | ノミネート | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
ゴッサム・インディペンデント映画賞 | 2021年11月29日 | 国際長編映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [29] |
ニューヨーク映画批評家協会賞 | 2021年12月3日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [30] |
ワシントンD.C.映画批評家協会 | 2021年12月6日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [31] |
アトランタ映画批評家協会賞 | 2021年12月6日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [32] |
オースティン映画批評家協会賞 | 2021年12月6日 | 脚色賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | [32] |
ヒューストン映画批評家協会賞 | 2021年12月6日 | 2021年12月6日 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [32] |
ニューヨーク映画批評家オンライン賞 | 2021年12月12日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [33] |
ボストン映画批評家協会賞 | 2021年12月12日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [34][35] |
監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
主演男優賞 | 西島秀俊 | 受賞 | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
シカゴ映画批評家協会賞 | 2021年12月15日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | ノミネート | [36] |
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
主演男優賞 | 西島秀俊 | ノミネート | |||
脚色賞 | 濱口竜介、村上春樹、大江崇允 | ノミネート | |||
編集賞 | 山崎梓 | ノミネート | |||
外国語作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 2021年12月18日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [37] |
監督賞 | 濱口竜介 | 次点 | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
セントルイス映画批評家協会賞 | 2021年12月19日 | 脚色賞 | 濱口竜介、大江崇允 | ノミネート | [38][39] |
外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞 | 2021年12月20日 | 外国語作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [40] |
ゴールデングローブ賞 | 2022年1月9日 | 非英語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [21][22] |
全米映画批評家協会賞 | 2022年1月9日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [41] |
監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
主演男優賞 | 西島秀俊 | 受賞 | |||
サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会賞 | 2022年1月10日 | 男優賞 | 西島秀俊 | ノミネート | [42] |
脚色賞 | 濱口竜介、大江崇允 | ノミネート | |||
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
外国語作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
作品賞 | ドライブ・マイ・カー | ノミネート | |||
トロント映画批評家協会賞 | 2022年1月16日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [43] |
シアトル映画批評家協会賞 | 2022年1月17日 | 監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | [44] |
編集賞 | 山崎梓 | ノミネート | |||
非英語作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
オンライン映画批評家協会賞 | 2022年1月24日 | 男優賞 | 西島秀俊 | ノミネート | [45] |
脚色賞 | 濱口竜介、大江崇允 | ノミネート | |||
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
非英語作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
作品賞 | ドライブ・マイ・カー | ノミネート | |||
女性映画ジャーナリスト同盟賞 | 2022年1月25日 | 非英語圏作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [46] |
フランス映画批評家協会賞 | 2022年2月21日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [47] |
ロンドン映画批評家協会賞 | 2022年2月22日 | 脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | [48] |
外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
インディペンデント・スピリット賞 | 2022年3月6日 | 外国映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [49] |
放送映画批評家協会賞 | 2022年3月13日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [50] |
英国アカデミー賞(BAFTA映画賞) | 2022年3月13日 | 非英語作品賞 | 濱口竜介・山本晃久 | 受賞 | [51] |
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
脚色賞 | ドライブ・マイ・カー | ノミネート | |||
アカデミー賞 | 2022年3月27日 | 脚色賞 | 濱口竜介・大江崇允 | ノミネート | [52] |
国際長編映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | |||
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
作品賞 | 山本晃久 | ノミネート | |||
サテライト賞 | 2022年4月2日 | 外国語映画賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [53][54] |
賞 | セレモニー開催日 または発表日 |
カテゴリー | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
第13回TAMA映画賞 | 2021年11月21日 | 最優秀作品賞 | 濱口竜介及びスタッフ・キャスト一同 | 受賞 | [55] |
最優秀新進女優賞 | 三浦透子 | 受賞 | |||
ELLE CINEMA AWARDS 2021 | 2021年12月18日 | ベストディレクター賞 | 濱口竜介 | 受賞 | [56] |
第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 | 2021年12月28日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [57] |
主演男優賞 | 西島秀俊 | 受賞 | |||
第95回キネマ旬報ベスト・テン | 2022年2月2日 | 日本映画ベスト・テン | ドライブ・マイ・カー | 第1位 | [58] |
日本映画監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
助演女優賞 | 三浦透子 | 受賞 | |||
読者選出日本映画ベスト・テン | ドライブ・マイ・カー | 第1位 | |||
読者選出日本映画監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
第43回ヨコハマ映画祭 | 2022年2月6日 | 日本映画ベストテン | ドライブ・マイ・カー | 3位 | [59] |
助演女優賞 | 三浦透子 | 受賞 | |||
第76回毎日映画コンクール | 2022年2月15日 | 日本映画大賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [60][61] |
男優主演賞 | 西島秀俊 | ノミネート | |||
男優助演賞 | 岡田将生 | ノミネート | |||
女優助演賞 | 三浦透子 | ノミネート | |||
監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
脚本賞 | 濱口竜介・大江崇允 | ノミネート | |||
撮影賞 | 四宮秀俊 | ノミネート | |||
美術賞 | 徐賢先 | ノミネート | |||
音楽賞 | 濱石橋英子 | ノミネート | |||
録音賞 | 伊豆田廉明 | ノミネート | |||
第64回ブルーリボン賞 | 2022年2月23日 | 作品賞 | ドライブ・マイ・カー | ノミネート | [62][63] |
監督賞 | 濱口竜介 | ノミネート | |||
主演男優賞 | 西島秀俊 | ノミネート | |||
助演男優賞 | 岡田将生 | ノミネート | |||
助演女優賞 | 三浦透子 | 受賞 | |||
第72回芸術選奨文部科学大臣賞 | 2022年3月9日 | 映画部門 | 濱口竜介 | 受賞 | [64] |
第45回日本アカデミー賞 | 2022年3月11日 | 最優秀作品賞 | ドライブ・マイ・カー | 受賞 | [65] |
最優秀監督賞 | 濱口竜介 | 受賞 | |||
最優秀脚本賞 | 濱口竜介、大江崇允 | 受賞 | |||
最優秀主演男優賞 | 西島秀俊 | 受賞 | |||
最優秀撮影賞 | 四宮秀俊 | 受賞 | |||
最優秀照明賞 | 高井大樹 | 受賞 | |||
最優秀録音賞 | 伊豆田廉明(録音)、野村みき(整音) | 受賞 | |||
最優秀編集賞 | 山崎梓 | 受賞 | |||
新人俳優賞 | 三浦透子 | 受賞 |
エピソード
[編集]撮影地
[編集]原作の舞台は東京だが、監督の濱口は東京では車の走行シーンを自由に撮影できないと予想し、韓国の釜山を主なロケ地に決めていた[7][8][66][67][68]。2020年3月東京ロケの後、新型コロナの影響を受け、撮影が中断[7]。この後、韓国ロケを予定して大半を韓国・釜山で撮る予定にしていたが、コロナ禍で海外ロケが困難となり、脚本を練り直して主舞台の変更を決断した[7][8][69][70]。映画の設定である国際演劇祭の開催地にふさわしい大都市を条件に日本国内でロケ地を探した[7][71]。
2020年9月中旬に濱口監督らが広島を訪れたが[71]、濱口が「広島で撮るのは自分にはまだ早い」とためらっていたため[71][72]、当初、広島がロケ地には選ばれる可能性は低かった[71]。濱口から「どこか面白い場所を紹介してほしい」とリクエストされた広島フィルム・コミッション(FC)の関係者は、台本もまだ無い段階でどう作品に寄り添っていいのかも分からず、そこで自身の大好きな場所だった広島市中区吉島のごみ焼却施設・広島市中環境事業所中工場を案内した[67][71]。ここで当施設が原爆ドームと原爆死没者慰霊碑を結ぶ平和の南北軸の延長線上にあり[66][73][74]、丹下健三の弟子でもある設計者の谷口吉生が[70][75]、「自分の建物で師匠の軸線を止めるわけにはいかない」と、平和の軸線を遮らないよう建物の中央を吹き抜けのデザインにして海まで抜かせている等の説明をしたところ[7][8][71]、「ごみ処理場にまで平和の理念がある文化を感じられる街で、国際演劇祭開催地にふさわしい」と濱口が感銘を受けたことから[68][70][76][77][78]、広島を主舞台に変更することが決まった[7][8][71]。ロケ地を脚本に落とし込み[66][79]、広島の風景や要素を溶け込ませ、美しい作品世界を作り上げた[79]。2021年のカンヌ映画祭で濱口監督が脚本賞を受賞した際も「なぜ広島をロケ地に選んだのか」と海外のマスコミからの質問が集中した[76]。濱口は「『ドライブ・マイ・カー』は妻を亡くした男性の再生の物語。原爆という傷から復興した広島は物語のコンセプトにぴったり」[67][70][76]「ものすごく傷ついた人間がどうにかして希望を見つけようとしていくという物語。『広島という場所が(映画を)力づけ、導いてくれる』という感覚をどんどん持つようになった」などと説明している[71][76]。広島平和記念公園での舞台の野外稽古の撮影は許可取りにも苦労し[71]、コロナ禍での撮影の困難も相まって、広島ロケの最終日には濱口が号泣したという[71]。
また、瀬戸内の風景については「光線が透き通っている印象」とその魅力を語り[76]、「そのロケーションの素晴らしさが十分に画面に収められたということ、広島という場所が与える雰囲気みたいなものを得られたことは大きかった」[8]「自分史上最も美しい映像が撮れた」[80][81]「限りないほどの力を与えてくれた素晴らしいロケ地。また広島で映画を撮りたい」などと話している[76][82]。全体の3分の2が広島県内での撮影[8][69][83][84]。広島ロケは、2020年11月中旬から12月上旬[68]。広島フィルム・コミッションが集めた延べ1200人が、通行人や観客らエキストラとして撮影に参加した[85]。
そのほか
[編集]- 原作の題名はザ・ビートルズの曲「ドライヴ・マイ・カー」から取られており(村上春樹の小説の題名は彼らの作品にちなんだものが多い[注 1])、映画でも一時使用が検討された。しかし権利上の問題で使用できなかったため[86]、石橋英子が作曲した楽曲のほか、以下が使用された。
- モーツァルト『ロンド K. 485 ニ長調』
- ベートーヴェン『弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 作品18-3』
- 『ダニー・ボーイ』(アイルランド民謡)
- ルイ・アームストロング『You're Driving Me Crazy』
- 原作・映画ともに初代サーブ・900が登場しているが、原作では黄色のコンバーティブルモデルなのに対し、映画では風景に映えるように等の理由で赤色のターボ16の3ドアハッチバックモデルに変更された[8][68]。
撮影場所
[編集]- 広島県
- 広島市[87][88][89]。
- 広島高速2号線
- 広島高速3号線
- 広島高速4号線[66][78][81][注 2]
- 広島平和記念公園[66][70]、広島国際会議場[8][78]
- アステールプラザ[8]
- 吉島(広島市環境局中工場[66][74][81][90]、吉島釣り公園[67][91][注 3])
- 新天地公園(広島市東新天地公共広場)[81][注 4]
- 袋町(BAR CEDAR)[66][87][78]
- 翠2丁目7付近の道路[注 5]
- 海田大橋[69][87][88]
- 宇品橋[87][90]
- 広島みなと公園
- グランドプリンスホテル広島[81][92]
- 広島市安公民館[67][81][82][93]
- クアハウス湯の山[87][88]
- 呉市[87]
- 東広島市[87]
- 広島市[87][88][89]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ビートルズの作品を題名に織り込んだ村上春樹の小説は、「32歳のデイトリッパー」「A DAY in THE LIFE」「イエスタデイ」「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」『ノルウェイの森』などがある。
- ^ 同年同日に公開された『孤狼の血 LEVEL2』でも撮影に使われた。
- ^ 公式サイトのトップページや、劇場用ポスター、Blu-ray&DVDパッケージのキービジュアルとして使われる西島秀俊、岡田将生、三浦透子の3人がサーブの前に佇む写真は当地で撮影されている[66][78]。
- ^ 同年同日に公開された『孤狼の血 LEVEL2』でも撮影に使われた。本作では岡田将生が写真を撮られた男を追いかけるシーンで公園の東側が、『孤狼の血 LEVEL2』では松坂桃李がグランポルトビル・クラブ四季に入るシーンで公園の西側が撮影されている。
- ^ 予告編でも使われる岡田将生が自動車事故を起こし、その横を西島秀俊の車が通りすぎるシーン[85][87]。
- ^ 家福が広島滞在中に宿泊する場所[96]。アメリカや韓国など、三浦透子がサーブの運転席に座り、西島秀俊がサーブの前に佇む写真を使用した主に海外で使われる劇場ポスターは[97]、閑月庵新豊前の堤防で撮影されている[67][81][90][96]。後方、海の左手に突き出た島は愛媛県岡村島の観音崎。
出典
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外部リンク
[編集]- 映画『ドライブ・マイ・カー』公式サイト
- 映画『ドライブ・マイ・カー』 (@drivemycar_mv) - X(旧Twitter)
- 映画『ドライブ・マイ・カー』 (drivemycar.mv) - Facebook
- 映画『ドライブ・マイ・カー』 (@drivemycar_mv) - Instagram
- 映画『ドライブ・マイ・カー』 - allcinema
- 映画『Drive My Car』 - オールムービー
- 映画『Drive My Car』 - IMDb