利用者:Ks aka 98/砂場2

削除される版の記述の復帰[編集]

今のところ、ウィキペディア日本語版で、削除された版にあった情報を復元することは難しいと考えられています。これは削除された版全体の復帰に限らず、そのうちの一部の情報の復帰についても同様です。

削除と版の関係[編集]

そもそも、ウィキペディアの削除は、版ごとに行われるため、ある投稿者が、削除対象となる記述(X)を含む加筆(+X+A)をしていた場合、Aが有意義で削除不要の情報であっても一緒に削除されます。削除対象とならない記述(A)を自動的に残すことはできません。

問題記述が含まれる版全ての削除[編集]

また、古い版で削除対象となる記述があった場合、それ以降で問題となる記述が残っている版はすべて削除対象となります。

例えば、

  • 1. (A加筆)A
  • 2. (X加筆)A+X
  • 3. (B加筆)A+X+B

の順に編集がなされたとして、Xが削除する必要のある記述だとした場合、Xが含まれている2と3の版はいずれも削除されます。これはBの記述が有意義で削除不要であったとしても避けられません。

直後にリバートがされた場合[編集]

例えば、

  • 1. (A加筆)A
  • 2. (X加筆)A+X
  • 3. (X除去)A
  • 4. (B加筆)A+B

のように、削除対象となるXが加筆された直後の版でXが編集除去された場合には、2と3の版のみを削除して、Bの記述を活かすことが可能です。

中抜き削除ができない問題[編集]

ところが、削除対象となる記述がなされた直後ではなく、その後加筆がなされた後で問題となる記述が編集除去された場合には、問題記述のある版だけを削除すると履歴が破損してGFDL上の問題が生じるとして、その版以後のすべての版を削除しなければならないことも多く、その場合には、削除対象となる記述以外の有意義な加筆もすべて失われます。

これは、例えば、

  • 1. (A加筆)A
  • 2. (X加筆)A+X
  • 3. (B加筆)A+X+B
  • 4. (X除去)A+B
  • 5. (C加筆)A+B+C

というように、削除対象であるXが直後の3の版ではなく、4の版で編集除去された場合、Xが含まれる2と3の版だけを除去すると、

  • 1. (A加筆)A
  • 4. (X除去)A+B (B加筆?)
  • 5. (C加筆)A+B+C

となり、2から4までの版を仮に削除したとしても、

  • 1. (A加筆)A
  • 5. (C加筆)A+B+C (B+C加筆?)

となり、いずれもB加筆に関する履歴が破損し、GFDL上の問題があるとされるためです。

著作権侵害やプライバシー侵害などの削除理由となる記述がされた場合、記述がそのまま最新の文面に残っていることは望ましくありませんから、まず編集により記事から該当部分を除去すべきです。しかし、編集により除去しただけでは対応は完了しておらず、そのまま放置してしまうと、後に削除依頼に出され、削除が必要となった場合には、その後の有益な加筆もすべて失われてしまう可能性が高いことになります。

項目一部転記ができない[編集]

通常の場合は、項目一部転記などの所定の段取りを経て、他の執筆者が執筆した部分をGFDLに則した形で別の箇所に記載することができるのですが、版の削除が絡んだ場合には、原執筆に関する版が削除されることから、同じ方法論では転記することはできないと考えられています。

認められる復元方法[編集]

これらから、最初の例のB、3つ目の例のB・Cといった「巻き添え削除」を受ける有益な加筆を活かすためにはどうしたらよいか、という問題意識が出てきます。

ところが、削除された版からの単純な復元は、全体でも一部であっても、著作権法上の問題を抱えるとウィキペディアでは解釈されてきました。つまり、履歴が破損した状態ではGFDLに従えないため、その記述を、他の執筆者が復元することは、元の執筆者が有する著作権の侵害とされることになります。

  • 原執筆者による再投稿
問題がないのに失われる記述を救済するために、現在の運用で、確実に問題がないとされているのは、元の投稿者による削除後の再投稿です。
復元させる記述については、もともと執筆を行った執筆者が、著作権を有していますから、その者が再度執筆することで著作権上の問題はなくなります。
実務的には、削除依頼がなされた場合など、削除の可能性が判明した時点で、削除される版の各投稿者に、自分の加筆分を手元に保存してもらうなどした上で、削除後に再投稿してもらうことになります。
  • 各執筆者の許諾を得て、まとめて再投稿
また、関係する執筆者が、まとめて再投稿することを許諾すれば、実際に各執筆者が分担して再投稿しなくとも、誰かが代表して再投稿する形をとることもできます。
まとめて再投稿することについて、著作権を有している各執筆者が著作権との関係で問題としないことを改めて確認することになります。
この方法は、多数の執筆者が関与しなければならない点がネックとなり、アカウントをとらないで投稿された場合や、アカウント・ユーザーであっても活動を停止している場合などに、連絡がつかないこともありますから、すべてを復元することは難しいことが多いようです。同意が得られた執筆者に関する部分についてのみ部分的にまとめて復元することもありえます[1]

大量に失われる情報を何とかしたいということで、履歴の扱いなどについて幾度か提案がなされてきましたが、広く合意を得るまでには至っていません。意見を示したり、議論を喚起したりする場合は、各種法律、GFDL、およびWikipedia:著作権を熟読の上、このページのノートにお願いします。

脚注[編集]

  1. ^ この方法による部分復帰がなされた例としては、Wikipedia:削除依頼/義和団の乱#2006/10/1以降の加筆を残すために参照。

関連項目[編集]

関連議論[編集]