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利用者:Quark Logo/sandbox高等警察


高等警察(こうとうけいさつ)は、大日本帝国において存在した、国家または社会の安寧に関する[1]行政警察である。普通警察(司法警察)とは区別された。

警視庁および各府県警で名称が異なるが、高等警察には元来、特別高等警察(思想警察)、外事警察(防諜警察)、選挙警察(政治警察)の三つの部門が属した[2]。部署としては、内務省では、警保局の保安課・検閲課・外事課・警務課の防犯係、府県警察部では、特別高等警察課・外事課・情報課、各警察署の特高係などがこれに相当した。しかし後に特別高等警察が分離され、高等警察は選挙運動の取締に重点を置いた。取締の必要から特高の重要度が増したことから、高等課から特別高等課に改称された府県がいくつかあった。

沿革

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1886年



大日本帝国憲法下の日本で、反政府的政治運動を取り締まるために設置された警察部門である。後に、共産主義運動など国体を根底から覆すような政治運動を取り締まるために


自由民権運動の盛り上がりに対抗するために設置された。政府は讒謗律新聞紙条例集会条例などの諸法令を公布して政治運動に対する規制を強めることになり、高等警察はその実施機関として活動した。


1889年(明治22年)に大日本帝国憲法が発布され、翌年に帝国議会が発足したが、高等警察は政党に対する大規模な選挙干渉を行ったことで世論の批判を浴びた(当時の内務大臣品川弥二郎は責任をとって辞任した)。


高等警察は1890年(明治23)大阪府で最初に創設された。


大正デモクラシーの進行により政党内閣が定着すると、専ら野党政治家の選挙違反取り締まりに重点がおかれるようになった。そのため、政治家にとって高等警察の掌握が重要関心事となり、政権交代の度に内務大臣だけでなく、次官や警保局長以下の警察幹部が軒並み異動・更迭されるようになり、警察本来の職務遂行に支障を来たすようになった。



従来、高等警察は、各府県に高等課を一課設けているだけだったが、社会主義運動の取り締まり強化のため

1907年(明治40年)に警視庁で別課が設けられたのを初めとして、1928年(昭和3年)7月までに全国各府県に高等課以外に特別高等警察課が設けられた。


特高は高等警察の一部であったが、これが命令系統が分離されたのことで、大阪府では、高等係特高係として系統の異なる専任の人員を置いたが、後に高等係と情報係が統合されて治安係に改名され、さらに1942年(昭和17年)に特高係に改正された。


特別高等警察が分離した。

治安警察法 1925年(大正14年)の治安維持法


1932年(昭和7年)の犬養内閣の崩壊により、戦前の政党内閣制は終焉を迎えた。これにより高等警察の存在意義も薄れたため、1935年(昭和10年)に廃止された。

外地では国政レベルの選挙が実施されなかったため、特高警察への分離がなされず、「高等警察」の名称のまま存続した。


いわゆる政治警察を高等警察と称するのは、ドイツ行政法学用語をそのまま訳したことに由来する。反対語は「普通警察」。

任務

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  1. 政治、思想の運動に伴うテロ事件の予防と警戒
  2. 偽造硬貨・偽造紙幣の取締
  3. 共産党の検挙壊滅
  4. 労働争議小作争議の取締
  5. 新宗教の取締
  6. 民族主義運動[3]の禁止
  7. 新聞や出版物の取締(検閲)
  8. 演説会の取締
  9. 流言飛語の取締
  10. スパイの警戒と検挙
  11. 選挙運動の不正行為の取締



脚注・出典

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  1. ^ 島村 1944, p.1
  2. ^ 島村 1944, p.3
  3. ^ 朝鮮人の独立運動等をさす。

参考文献

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  • 荻野富士夫『特高警察』岩波書店〈岩波新書〉、2012年。ISBN 9784004313687 

関連項目

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