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収容所から来た遺書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
収容所(ラーゲリ)から来た遺書
著者 辺見じゅん
発行日 1989年6月(初版 単行本)
発行元 文藝春秋
ジャンル ノンフィクション
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 304ページ(初版)297ページ(文庫)
次作 『ダモイ 遥かに』[1]
コード ISBN 978-4-16-343270-0(初版 単行本)
ISBN 978-4-16-734203-6(文庫)
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収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(ラーゲリからきたいしょ)は、辺見じゅんによるノンフィクション作品。1989年文藝春秋より出版。1992年に文庫化の後、1993年にテレビドラマ化、1997年と2021年に漫画化、2022年に映画化などが行われ、ロングセラーとして長く読み継がれている。

概要

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第二次世界大戦後、シベリアに抑留され強制収容所ラーゲリ)内で死んだ山本幡男の遺書が、彼を慕う仲間達の驚くべき方法によって厳しいソ連の監視をかいくぐって遺族に届けられた実話を描いた作品。

1986年(昭和61年)に角川書店読売新聞社が共同で「昭和の遺書」を募集した際に、山本幡男の妻:山本モジミが夫からの遺書を投稿したものを、同企画の編集を務めた辺見じゅんがこれに目に留めたことをきっかけに、山本らの収容所での生活と遺書の経緯を調査し、このレポートを雑誌『文芸春秋』1987年10月号に「ラーゲリからの遺書配達人」の題名で発表したものが初稿である[2]。雑誌収録作を基に2年をかけて加筆が行われ『収容所ラーゲリから来た遺書』の題名で書籍化され1989年(平成元年)6月に刊行された。

第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)、第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)受賞[3]

1993年にフジテレビでテレビドラマ化され、1997年(講談社)と2021年(文芸春秋社)に漫画化(コミカライズ)、2022年には映画化が行われた。

テレビドラマ

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収容所(ラーゲリ)から来た遺書
ジャンル テレビドラマ
原作 辺見じゅん
企画 鈴木哲夫
勝田康三
脚本 安倍徹郎
監督 出目昌伸
出演者 寺尾聰
石橋蓮司
河原崎長一郎
ガッツ石松
いしだあゆみ
音楽 林光
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語ロシア語
時代設定 20世紀
話数 1
製作
撮影監督 原一民
編集 只野信也
制作 フジテレビ東映
製作 小野耕人
中曽根千治
放送
放送チャンネルフジテレビ
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1993年8月13日
放送分118分
回数1
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1993年8月13日フジテレビ系『金曜エンタテイメント』枠で終戦48年特別企画として放送された。第24回(1993年度)放送文化基金賞番組部門本賞受賞[4]

キャスト

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スタッフ

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コミカライズ

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1997年に『週刊少年マガジン』(講談社)掲載の横山秀夫脚本、三枝義浩作画による漫画連作シリーズ語り継がれる戦争の記憶』の第6話(1997年50号、51号)にコミカライズされて掲載され、単行本に収録された。

また、2021年8月から文春オンライン上にも河井克夫作画によるコミカライズが掲載され[5]、翌年2022年7月に単行本として発刊された。

  • 辺見じゅん 原作、河井克夫 画『ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉』文藝春秋〈文春現代史コミックス〉2022年7月12日、ISBN 978-4-16-090125-4

映画

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ラーゲリより愛を込めて』のタイトルで映画化され[6]2022年12月9日に公開された。監督は瀬々敬久、主演は二宮和也[7][8][9][10]。また、テレビドラマ版で山本幡男を演じた寺尾聰も、幡男の長男・顕一(壮年期)役で出演している[11]

脚注

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  1. ^ 『ダモイ 遥かに』2008年(平成20年)に発行された小説。著者は同じく辺見じゅん。『収容所から来た遺書』執筆時はシベリアの取材許可が得られなかったが、その後の世界情勢の変化により現地取材が叶ったことで、『収容所から来た遺書』に新たな取材内容を加味して、小説仕立てとして発行された。小学校高学年以上の読者を対象としているため、山本の手紙は現代かなづかいに改められ、ふりがなも多く振られている。ISBN 978-4-89610-083-9
  2. ^ ラーゲリからの遺書配達人(大型ノンフィクション)国立国会図書館 pp348-368
  3. ^ [「夕鶴 辺見じゅんの足跡 記憶の「遺書」に光」『読売新聞』、2013年10月31日、東京朝刊、31面。]
  4. ^ 終戦48年特別企画 収容所(ラーゲリ)から来た遺書 公益財団法人 放送文化基金 放送文化基金賞データベース
  5. ^ ラーゲリ 収容所から来た遺書 文春オンライン
  6. ^ “二宮和也主演、瀬々敬久監督作のタイトルは「ラーゲリより愛を込めて」”. 映画ナタリー. (2021年12月15日). https://natalie.mu/eiga/news/457811 2021年12月18日閲覧。 
  7. ^ 二宮和也が捕虜に希望の火を灯す「収容所から来た遺書」映画化、監督は瀬々敬久”. 映画ナタリー (2021年10月18日). 2021年10月18日閲覧。
  8. ^ “二宮和也 映画主演最新作!映画『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(仮)映画化&キャスト・監督決定!!”. J Storm. (2021年10月18日). https://www.j-storm.co.jp/s/js/news/detail/12262?ima=0000 2021年11月23日閲覧。 
  9. ^ “映画『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』二宮和也主演×瀬々敬久監督、不屈の日本人捕虜を描く奇跡の実話”. ファッションプレス. (2021年10月18日). https://www.fashion-press.net/news/79430 2021年11月23日閲覧。 
  10. ^ “二宮和也主演で「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」映画化!シベリアに抑留された男の壮絶な半生を描く”. MOVIE WALKER PRESS. (2021年10月18日). https://moviewalker.jp/news/article/1055202/ 2021年11月23日閲覧。 
  11. ^ "二宮和也「ラーゲリより愛を込めて」捕虜仲間に松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕". 映画ナタリー. ナターシャ. 2022年8月17日. 2022年8月17日閲覧

外部リンク

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