大藪春彦賞
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大藪春彦賞(おおやぶはるひこしょう)は、大藪春彦賞選考委員会が主催し、徳間書店が後援する大藪春彦を記念した文学賞[1]。ハードボイルド小説・冒険小説に分類される小説に与えられる。賞金は300万円。略称は大藪賞。
本賞が第20回を迎えるのを記念し、大藪春彦新人賞が創設される[2]。
受賞作一覧
[編集]年は発表年。
第1回 - 第10回
[編集]回(年) | 受賞・候補作 | 著者 | 初刊 | |
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第1回(1999年) | 受賞 | 『漂流街』 | 馳星周 | 1998年9月 徳間書店 |
候補 | 『幻の女』 | 香納諒一 | 1998年6月 角川書店 | |
『ディール・メイカー』 | 服部真澄 | 1998年9月 祥伝社 | ||
『狂気の父を敬え』 | 鈴木輝一郎 | 1998年8月 新潮社 | ||
『海賊モア船長の遍歴』 | 多島斗志之 | 1998年7月 中央公論社 | ||
第2回(2000年) | 受賞 | 『亡国のイージス』 | 福井晴敏 | 1999年8月 講談社 |
候補 | 『最悪』 | 奥田英朗 | 1999年2月 講談社 | |
『トウキョウ・バグ』 | 内山安雄 | 1999年3月 毎日新聞社 | ||
『千里眼』 | 松岡圭祐 | 1999年6月 小学館刊 | ||
『カラス』 | 小川竜生 | 1999年9月 徳間書店 | ||
第3回(2001年) | 受賞 | 『スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙』 | 五條瑛 | 1999年12月 集英社 |
候補 | 『ミッドナイトイーグル』 | 高嶋哲夫 | 2000年4月 文藝春秋 | |
『無間地獄』 | 新堂冬樹 | 2000年5月 幻冬舎 | ||
『炎の影』 | 香納諒一 | 2000年9月 角川春樹事務所 | ||
『棘』 | 鳴海章 | 2000年9月 徳間書店 | ||
第4回(2002年) | 受賞 | 『邪魔』 | 奥田英朗 | 2001年4月 講談社 |
候補 | 『赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝』 | 石田衣良 | 2001年2月 徳間書店 | |
『ZERO』【上・下】 | 麻生幾 | 2001年8月 幻冬舎 | ||
『虚貌』 | 雫井脩介 | 2001年9月 幻冬舎 | ||
第5回(2003年) | 受賞 | 『ハルビン・カフェ』 | 打海文三 | 2002年4月 角川書店 |
候補 | 『漂流トラック』 | 安東能明 | 2001年10月 新潮社 | |
『GOTH リストカット事件』 | 乙一 | 2002年7月 角川書店 | ||
『溝鼠』 | 新堂冬樹 | 2002年4月 徳間書店 | ||
『ニューナンブ』 | 鳴海章 | 2002年6月 講談社 | ||
第6回(2004年) | 受賞 | 『ワイルド・ソウル』 | 垣根涼介 | 2003年8月 幻冬舎 |
『太平洋の薔薇』【上・下】 | 笹本稜平 | 2003年8月 中央公論新社 | ||
候補 | 『陽気なギャングが地球を回す』 | 伊坂幸太郎 | 2003年2月 祥伝社〈ノン・ノベル〉 | |
『BT'63』 | 池井戸潤 | 2003年6月 朝日新聞社 | ||
『国籍不明』【上・下】 | 麻野涼 | 2003年7月 講談社 | ||
第7回(2005年) | 受賞 | 『犯人に告ぐ』 | 雫井脩介 | 2004年7月 双葉社 |
候補 | 『ポリスマン』 | 永瀬隼介 | 2003年12月 幻冬舎 | |
『最終退行』 | 池井戸潤 | 2004年2月 小学館 | ||
『グラスホッパー』 | 伊坂幸太郎 | 2004年7月 角川書店 | ||
『警視庁鑑識課 鎮静剤』 | 北林優 | 2004年9月 徳間書店 | ||
第8回(2006年) | 受賞 | 『遠くて浅い海』 | ヒキタクニオ | 2005年9月 文藝春秋 |
候補 | 『震災列島』 | 石黒耀 | 2004年10月 講談社 | |
『腐蝕の王国』【上・下】 | 江上剛 | 2005年5月 小学館 | ||
『サバイバー・ミッション』 | 小笠原慧 | 2004年10月 文藝春秋 | ||
『交戦規則ROE』 | 黒崎視音 | 2005年8月 徳間書店 | ||
第9回(2007年) | 受賞 | 『蒼火』 | 北重人 | 2005年11月 文藝春秋 |
『TENGU』 | 柴田哲孝 | 2006年7月 祥伝社 | ||
候補 | 『デッドライン』 | 建倉圭介 | 2006年7月 角川書店 | |
『ストロベリーナイト』 | 誉田哲也 | 2006年2月 光文社 | ||
『導火線』 | 松浪和夫 | 2006年9月 徳間書店 | ||
第10回(2008年) | 受賞 | 『サクリファイス』 | 近藤史恵 | 2007年8月 新潮社 |
『すじぼり』 | 福澤徹三 | 2006年11月 角川書店 | ||
候補 | 『エスピオナージ』 | 麻生幾 | 2007年8月 幻冬舎 | |
『孤独なき地 K・S・P』 | 香納諒一 | 2007年3月 徳間書店 | ||
『誓いの夏から』 | 永瀬隼介 | 2007年2月 光文社 |
第11回 - 第20回
[編集]回(年) | 受賞・候補作 | 著者 | 初刊 | |
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第11回(2009年) | 受賞 | 『路傍』 | 東山彰良 | 2008年2月 集英社 |
候補 | 『聖域』 | 大倉崇裕 | 2008年4月 東京創元社 | |
『ライオンの冬』 | 沢木冬吾 | 2008年3月 角川書店 | ||
『無人地帯』 | 永瀬隼介 | 2008年9月 徳間書店 | ||
『ジョーカー・ゲーム』 | 柳広司 | 2008年8月 角川書店 | ||
第12回(2010年) | 受賞 | 『約束の地』 | 樋口明雄 | 2008年11月 光文社 |
『龍神の雨』 | 道尾秀介 | 2009年5月 新潮社 | ||
候補 | 『脇役スタンド・バイ・ミー』 | 沢村凜 | 2009年4月 新潮社 | |
『風の中のマリア』 | 百田尚樹 | 2009年3月 講談社 | ||
『ハング』 | 誉田哲也 | 2009年9月 徳間書店 | ||
第13回(2011年) | 受賞 | 『ダイナー』 | 平山夢明 | 2009年10月 ポプラ社 |
候補 | 『メグル』 | 乾ルカ | 2010年2月 東京創元社 | |
『天佑、我にあり 天海譚戦川中島異聞』 |
海道龍一朗 | 2010年8月 講談社 | ||
『神の棘』【I・II】 | 須賀しのぶ | 2010年7・8月 早川書房〈ハヤカワ・ミステリワールド〉 | ||
『ハイ・アラート』 | 福田和代 | 2010年9月 徳間書店 | ||
第14回(2012年) | 受賞 | 『ユリゴコロ』 | 沼田まほかる | 2011年3月 双葉社 |
候補 | 『心に雹の降りしきる』 | 香納諒一 | 2011年9月 双葉社 | |
『ラブレス』 | 桜木紫乃 | 2011年8月 新潮社 | ||
『テロルのすべて』 | 樋口毅宏 | 2011年7月 徳間書店 | ||
『ハードラック』 | 薬丸岳 | 2011年9月 徳間書店 | ||
第15回(2013年) | 受賞 | 『検事の本懐』 | 柚月裕子 | 2011年11月 宝島社 |
候補 | 『忍び秘伝』 | 乾緑郎 | 2011年10月 朝日新聞出版 | |
『女警察署長 K・S・P』 | 香納諒一 | 2012年7月 徳間書店 | ||
『アンチェルの蝶』 | 遠田潤子 | 2011年12月 光文社 | ||
第16回(2014年) | 受賞 | 『リバーサイド・チルドレン』 | 梓崎優 | 2013年9月 東京創元社〈ミステリ・フロンティア〉 |
『ヤマの疾風』 | 西村健 | 2013年9月 徳間書店 | ||
候補 | 『血の轍』 | 相場英雄 | 2013年1月 幻冬舎 | |
『盗まれた顔』 | 羽田圭介 | 2012年10月 幻冬舎 | ||
『光る牙』 | 吉村龍一 | 2013年3月 講談社 | ||
第17回(2015年) | 受賞 | 『鬼はもとより』 | 青山文平 | 2014年9月 徳間書店 |
『コルトM1851残月』 | 月村了衛 | 2013年11月 講談社 | ||
候補 | 『波形の声』 | 長岡弘樹 | 2014年2月 徳間書店 | |
『未必のマクベス』 | 早瀬耕 | 2014年9月 早川書房〈ハヤカワ・ミステリワールド〉 | ||
『ハンザキ』 | 両角長彦 | 2014年2月 双葉社 | ||
第18回(2016年) | 受賞 | 『革命前夜』[3] | 須賀しのぶ | 2015年3月 文藝春秋 |
候補 | 『エアー2.0』 | 榎本憲男 | 2015年9月 小学館 | |
『戦場のコックたち』 | 深緑野分 | 2015年8月 東京創元社 | ||
『トリダシ』 | 本城雅人 | 2015年7月 文藝春秋 | ||
第19回(2017年) | 受賞 | 『リボルバー・リリー』[4] | 長浦京 | 2016年4月 講談社 |
候補 | 『ロスト』 | 呉勝浩 | 2015年12月 講談社 | |
『真犯人』 | 翔田寛 | 2015年10月 小学館 | ||
『卑怯者の流儀』 | 深町秋生 | 2016年9月 徳間書店 | ||
第20回(2018年) | 受賞 | 『白い衝動』[5] | 呉勝浩 | 2017年1月 講談社 |
『Ank: a mirroring ape』 | 佐藤究 | 2017年8月 講談社 | ||
候補 | 『痣』 | 伊岡瞬 | 2016年11月 徳間書店 | |
『カミカゼの邦』 | 神野オキナ | 2017年8月 徳間書店 | ||
『地獄の犬たち』 | 深町秋生 | 2017年9月 KADOKAWA |
第21回 - 現在
[編集]回(年) | 受賞・候補作 | 著者 | 初刊 | |
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第21回(2019年) | 受賞 | 『肉弾』[6] | 河﨑秋子 | 2017年10月 KADOKAWA |
『凍てつく太陽』[6] | 葉真中顕 | 2018年8月 徳間書店 | ||
候補 | 『赤い靴』 | 大山淳子 | 2018年8月 ポプラ社 | |
『黙過』 | 下村敦史 | 2018年4月 徳間書店 | ||
『ベルリンは晴れているか』 | 深緑野分 | 2018年9月 筑摩書房 | ||
第22回(2020年) | 受賞 | 『犬』[7] | 赤松利市 | 2019年9月 徳間書店 |
候補 | 『ドライブインまほろば』 | 遠田潤子 | 2018年10月 祥伝社 | |
『シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎』 | 前川ほまれ | 2019年9月 ポプラ社 | ||
候補辞退 | 『熱源』 | 川越宗一 | 2019年8月 文藝春秋 | |
第23回(2021年) | 受賞 | 『インビジブル』 | 坂上泉 | 2020年8月 文藝春秋 |
候補 | 『計策師 甲駿相三国同盟異聞』 | 赤神諒 | 2019年10月 朝日新聞出版 | |
『ボニン浄土』 | 宇佐美まこと | 2020年6月 小学館 | ||
『地面師たち』 | 新庄耕 | 2019年12月 集英社 | ||
第24回(2022年) | 受賞 | 『阿修羅草紙』 | 武内涼 | 2020年12月 新潮社 |
『トリカゴ』 | 辻堂ゆめ | 2021年9月 東京創元社 | ||
候補 | 『幻月と探偵』 | 伊吹亜門 | 2021年8月 KADOKAWA | |
『マルチの子』 | 西尾潤 | 2021年6月 徳間書店 | ||
第25回(2023年) | 受賞 | 『はぐれ鴉』 | 赤神諒 | 2022年7月 集英社 |
『ラブカは静かに弓を持つ』 | 安壇美緒 | 2022年5月 集英社 | ||
候補 | 『ダブルバインド』 | 城山真一 | 2021年10月 双葉社 | |
『SIP 超知能警察』 | 山之口洋 | 2021年10月 双葉社 | ||
第26回(2024年) | 受賞 | 『未明の砦』 | 太田愛 | 2023年7月 KADOKAWA |
『俠』 | 松下隆一 | 2023年2月 講談社 | ||
候補 | 『バールの正しい使い方』 | 青本雪平 | 2022年12月 徳間書店 | |
『川崎警察 下流域』 | 香納諒一 | 2023年1月 徳間書店 | ||
『わたしたちに翼はいらない』 | 寺地はるな | 2023年8月 新潮社 |
選考委員
[編集]- 第1回 - 第5回 : 生島治郎、大沢在昌、北方謙三、船戸与一
- 第6回 - 第7回 : 大沢在昌、北方謙三、西木正明、夢枕獏
- 第8回 - 第11回 : 逢坂剛、志水辰夫、西木正明、夢枕獏
- 第12回 - 第13回 : 逢坂剛、志水辰夫、真保裕一、馳星周
- 第14回 - 第19回 : 大沢在昌、今野敏、馳星周、藤田宜永
- 第20回 - 第22回 : 大沢在昌、黒川博行、藤田宜永[5]
- 第23回 - : 大沢在昌、黒川博行、東山彰良
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “大藪春彦賞に須賀しのぶさん”. 時事通信ニュース. (2016年1月28日). オリジナルの2016年2月17日時点におけるアーカイブ。 2019年8月19日閲覧。
- ^ “大藪春彦新人賞創設のお知らせ”. 大藪春彦賞選考委員会 / 株式会社徳間書店. 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月19日閲覧。
- ^ “大藪春彦賞:須賀しのぶさんの「革命前夜」に決まる”. 毎日新聞. (2016年1月28日) 2019年8月19日閲覧。
- ^ “大藪春彦賞に長浦京さん”. 日本経済新聞. (2017年1月24日) 2019年8月19日閲覧。
- ^ a b 『第20回大藪春彦賞、第1回大藪春彦新人賞が決定!』(プレスリリース)徳間書店、2018年1月22日 。2019年8月19日閲覧。
- ^ a b 『作家・大藪春彦氏の業績を記念して創設された「大藪春彦賞」、本年の受賞作家と作品が決定いたしました。』(プレスリリース)徳間書店、2019年1月23日 。2019年8月19日閲覧。
- ^ 第22回 大藪春彦賞 『犬』(赤松利市/著)に決定!