安達峰一郎記念賞
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安達峰一郎記念賞(あだちみねいちろうきねんしょう)は、国際法の優秀な研究者個人に対して贈られる日本の学術賞。国際法の研究者である安達峰一郎の生誕100年を記念して1968年(昭和43年)に発足した。公益財団法人安達峰一郎記念財団が主催者。受賞資格に「概ね50歳まで」[1]とあるように若手・中堅の学者を対象としている。
受賞者一覧
[編集]回 | 年 | 受賞者 | 受賞時の職 | 受賞対象 |
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1 | 昭和43年 | 佐藤和男 | 拓殖大学政経学部教授 | 『国際経済機構の研究』新生社、1967年[2]。 |
2 | 昭和44年 | 広瀬善男 | 明治学院大学教授 | 「国家及び政府承認の国際法構造:承認法の史的展開」全5回『明治学院論叢』[3]および『明治学院論叢研究年報:法学』[4]、1967 - 1968年。 |
三好正弘 | 中京大学教授 | 「国連の強制行動:実行におけるその意味」『法学研究』(慶応義塾大学)42巻1号、1969年。 | ||
3 | 昭和45年 | 深津栄一 | 日本大学法学部教授 | 『国際社会における法適用過程の研究』有信堂、1969年[5]。 |
4 | 昭和46年 | 関野昭一 | 国学院大学法学部教授 | 「任意条項に基づく義務的裁判制度の現状と問題」(『国学院法学』[6]8巻3号、1971年)に関する一連の研究 |
広瀬和子 | 東京大学助手 | 『紛争と法:システム分析による国際法社会学の試み』勁草書房。 | ||
5 | 昭和47年 | 内田久司 | 東京都立大学助教授 | 「安全保障理事会の表決における棄権と欠席」『東京都立大学法学会雑誌』[7]10巻1号・11巻2号、1969 - 1971年。 |
6 | 昭和48年 | 杉原高嶺 | 北海道大学助教授 | 国際司法裁判所における勧告的意見機能の発展 |
7 | 昭和49年 | 藤田久一 | 関西大学助教授 | 「民族解放戦争と戦争法」田畑茂二郎『変動期の国際法:田畑茂二郎先生還暦記念』(有信堂、1973年)[8]所収。 |
8 | 昭和50年 | 本間浩 | 国会図書館調査立法考査局 | 『政治亡命の法理』早稲田大学出版部。 |
大沼保昭 | 東京大学法学部助教授 | 『戦争責任論序説:「平和に対する罪」の形成過程におけるイデオロギー性と拘束性』東京大学出版会。※初出:「「平和に対する罪」の形成過程」全6回『国家学会雑誌』87巻・88巻。 | ||
9 | 昭和51年 | 小寺初世子 | 広島女子大学教授 | 「人権条約の履行確保」『国際法外交雑誌』[9]74巻5号、1976年。 |
10 | 昭和52年 | 川島慶雄 | 大阪大学法学部教授 | 「庇護権の性質と内容:国際法と国内法の比較検討」『阪大法学』(大阪大学)97・98合併号。 |
11 | 昭和53年 | 落合淳隆 | 拓殖大学教授 | 『石油と国際法』敬文堂。 |
12 | 昭和54年 | 栗林忠男 | 慶應義塾大学教授 | 『航空犯罪と国際法』三一書房。 |
13 | 昭和55年 | 横田洋三 | 国際基督教大学教養学部教授 | 「国際組織の法構造:機能的統合説の限界」『国際法外交雑誌』77巻6号、1979年。 |
14 | 昭和56年 | 臼杵知史 | 北海道大学助手 | 国際法における権利濫用の成立様態 |
15 | 昭和57年 | 東泰介 | 大阪外国語大学教授 | 「国連安全保障理事会の拒否権制度の再検討」全2回『国際法外交雑誌』79巻、1980 - 1981年。 |
16 | 昭和58年 | 小寺彰 | 東京都立大学助教授 | 「国際機構の法的性格に関する一考察:国際機構締結条約を素材として」全4回『国家学会雑誌』93~99巻、1980 - 1986年。 |
岩沢雄司 | 大阪市立大学助教授 | 『条約の国内適用可能性:いわゆる“Self‐executing”な条約に関する一考察』有斐閣、1985年。※初出:『法学協会雑誌』[10]連載・全6回。 | ||
17 | 昭和59年 | 島田征夫 | 早稲田大学教授 | 『庇護権の研究』成文堂、1983年[11]。 |
18 | 昭和60年 | 森川俊孝 | 山形大学助教授 | 「コンセッションに関する国際承継法の形成と展開」全6回『山形大学紀要:社会科学』[12]12巻~19巻、1982 - 1989年。 / 「非植民地化と既得権の法理」全2回『国際法外交雑誌』81巻・82巻、1982 - 1983年。 |
19 | 昭和61年 | 村瀬信也 | 立教大学教授 | 「国際立法学の存在証明」浦野起央・牧田幸人編『現代国際社会の法と政治:深津栄一先生還暦記念論文集』北樹出版、1985年所収。 / 「現代国際法における法源論の動揺:国際立法論の前提的考察として」『立教法学』[13]25号、1985年。 |
20 | 昭和62年 | 黒澤満 | 新潟大学教授 | 『軍縮国際法の新しい視座:核兵器不拡散体制の研究』有信堂高文社。 |
21 | 昭和63年 | 中谷和弘 | 東京大学助教授 | 「経済制裁の国際法上の機能とその合法性:国際違法行為の法的結果に関する一考察」全6回『国家学会雑誌』100巻・101巻、1987 - 1988年。 |
22 | 平成元年 | 兼原敦子 | 帝京大学専任講師 | 「大陸棚の境界画定における衝平の原則:慣習国際法の形成過程の視点に基づいて」全3回『国家学会雑誌』101巻、1988年。 |
23 | 平成2年 | 奥脇直也 | 立教大学教授 | 「現代国際法における合意基盤の二層性:国連システムにおける規範形成と秩序形成」『立教法学』33号、1989年。 |
位田隆一 | 京都大学教授 | 「「開発の国際法」理論:フランス国際法学の一端」『日仏法学』[14]16号、1988年。 | ||
24 | 平成3年 | 佐藤哲夫 | 一橋大学助教授 | 「国際組織設立文書の解釈プロセス:法創造的解釈をめぐって」全3回『法学研究:一橋大学研究年報』[15]1986年 - 1990年。 |
25 | 平成4年 | 高島忠義 | 愛知県立大学助教授 | 『ロメ協定と開発の国際法』成文堂。 |
26 | 平成5年 | 柳原正治 | 九州大学教授 | 「ヴォルフの国際法理論:意思国際法概念を中心として」全6回『法政研究』[16](九州大学)1989年 - 1997年。※受賞時は第4回まで |
27 | 平成6年 | 植木俊哉 | 東北大学助教授 | 「国際組織の国際責任に関する一考察:欧州共同体の損害賠償責任を手がかりとして」全7回『法学協会雑誌』105巻・108巻・110巻、1988年 - 1993年。 |
28 | 平成7年 | 小森光夫 | 千葉大学教授 | 「一般国際法の法源の慣習法への限定とその理論的影響」全2回『千葉大学法学論集』[17]1994年。 |
29 | 平成8年 | 森川幸一 | 専修大学助教授 | 「国際連合の強制措置とその法の支配:安全保障理事会の裁量権の限界をめぐって」全2回『国際法外交雑誌』1994年 - 1995年。 |
30 | 平成9年 | 北村泰三 | 熊本大学教授 | 『国際人権と刑事拘禁』日本評論社。 |
31 | 平成10年 | 該当者なし | ||
32 | 平成11年 | 明石欽司 | 新潟国際情報大学助教授 | Cornelius van Bynkershoek: His Role in the History of International Law, The Hague : Kluwer Law International, 1998. ISBN 9041105999 |
33 | 平成12年 | 申惠丰 | 青山学院大学法学部助教授 | 『人権条約上の国家の義務』日本評論社 |
34 | 平成13年 | 森田章夫 | 東京都立大学教授 | 『国際コントロールの理論と実行』東京大学出版会 |
35 | 平成14年 | 該当者なし | ||
36 | 平成15年 | 該当者なし | ||
37 | 平成16年 | 寺谷広司 | 東京大学法学研究科助教授 | 『国際人権の逸脱不可能性:緊急事態が照らす法・国家・個人』有斐閣。 / 「国際人権の基礎:国際人権はいかにして可能か」『ジュリスト』1244号、2003年。 |
38 | 平成17年 | 坂元茂樹 | 神戸大学大学院法学研究科教授 | 『条約法の理論と実際』東信堂。 |
39 | 平成18年 | 該当者なし | ||
40 | 平成19年 | 児矢野マリ | 静岡県立大学准教授 | 『国際環境法における事前協議制度:執行手段としての機能の展開』有信堂高文社 |
41 | 平成20年 | 李禎之(り・よしゆき) | 長崎県立大学シーボルト校准教授 | 『国際裁判の動態』信山社。 |
42 | 平成21年 | 森肇志 | 首都大学東京教授 | 『自衛権の基層:国連憲章に至る歴史的展開』東京大学出版会 |
43 | 平成22年 | 和仁健太郎 | 大阪大学大学院准教授 | 『伝統的中立制度の法的性格:戦争に巻き込まれない権利とその条件』東京大学出版会 |
許淑娟(ホウ・スギョン) | 立教大学法学部准教授 | 「領域権原論再考」全6回『国家学会雑誌』122巻、2009年。 | ||
44 | 平成23年 | 阿部達也 | 青山学院大学准教授 | 『大量破壊兵器と国際法:国家と国際監視機関の協働を通じた現代的国際法実現プロセス』東信堂 |
佐藤宏美 | 防衛大学校准教授 | 『違法な命令の実行と国際刑事責任』有信堂高文社 | ||
45 | 平成24年 | 該当者なし | ||
46 | 平成25年 | 玉田大 | 神戸大学大学院法学研究科准教授 | 『国際裁判の判決効論』有斐閣 |
47 | 平成26年 | 水島朋則 | 名古屋大学大学院法学研究科教授 | 「投資仲裁判断の執行に関する問題」(経済産業研究所ディスカッションペーパー) / 『主権免除の国際法』名古屋大学出版会 |
48 | 平成27年 | 山田卓平 | 龍谷大学法学部教授 | 『国際法における緊急避難』有斐閣 |
49 | 平成28年 | 萬歳寛之 | 早稲田大学法学学術院教授 | 『国際違法行為責任の研究:国家責任論の基本問題』成文堂 |
50 | 平成29年 | 中島啓 | 国際司法裁判所法務官補 | 『国際裁判の証拠法論』信山社 |
51 | 平成30年 | 石井由梨佳 | 防衛大学校准教授 | 『越境犯罪の国際的規制』有斐閣 |
52 | 2019年 | 該当者なし | ||
53 | 2020年 | 該当者なし | ||
54 | 2021年 | 安藤貴世 | 日本大学危機管理学部教授 | 『国際テロリズムに対する法的規制の構造:テロリズム防止関連諸条約における裁判管轄権の検討』国際書院 |
55 | 2022年 | 加藤陽 | 近畿大学法学部准教授 | 『多元主義の国際法:国連法と人権法の交錯』信山社 |
根岸陽太 | 西南学院大学法学部准教授 | Conventionality Control of Domestic Law[18],Baden-Baden:Nomos Publishing. | ||
56 | 2023年 | 藤澤巌 | 千葉大学社会科学研究院教授 | 『内政干渉の国際法:法の適用問題への歴史的視座』岩波書店 |
高橋力也 | 横浜市立大学国際教養学部准教授 | 『国際法を編む:国際連盟の法典化事業と日本』名古屋大学出版会 | ||
57[19] | 2024年 | 新井京 | 同志社大学法学部教授 | 『沖縄の引き延ばされた占領:「あめりか世(ゆー)」の法的基盤』有斐閣 |
脚註
[編集]- ^ "奨学金制度と安達峰一郎記念賞."公益財団法人・安達峰一郎記念財団HP. 2024年4月3日閲覧。
- ^ 全国書誌番号:68000053
- ^ ISSN 0918-9858
- ^ ISSN 0543-3932
- ^ 全国書誌番号:72003239
- ^ ISSN 0454-1723
- ^ ISSN 0386-8745
- ^ 国立国会図書館書誌ID:72004104
- ^ ISSN 0023-2866
- ^ ISSN 0022-6815
- ^ 全国書誌番号:84010229
- ^ ISSN 0513-4684
- ^ ISSN 0485-1250
- ^ ISSN 0286-7281
- ^ ISSN 0439-3260
- ^ ISSN 0387-2882
- ^ ISSN 0912-7208
- ^ "書誌詳細."国立国会図書館サーチ.
- ^ "安達峰一郎記念賞に同志社大・新井教授."毎日新聞(東京夕刊)2024年10月23日付. 2024年12月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- 奨学金制度と安達峰一郎記念賞 - 公益財団法人・安達峰一郎記念財団